(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1フッキング部の前記中間部は、前記先端部側に行くに従って前記軸線に対して離間するように形成されることを特徴とする請求項1に記載の管腔臓器間バイパス用ステント。
前記第1フッキング部の前記中間部の前記基端部側の一部の曲率と前記先端部側の一部の曲率とが異なることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の管腔臓器間バイパス用ステント。
前記第2フッキング部の前記中間部は、前記先端部側に行くに従って前記軸線に対して離間するように形成されることを特徴とする請求項5に記載の管腔臓器間バイパス用ステント。
前記第2フッキング部の前記中間部の前記基端部側の一部の曲率と前記先端部側の一部の曲率とが異なることを特徴とする請求項5〜7の何れか一項に記載の管腔臓器間バイパス用ステント。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。本実施形態では、管腔臓器と他の管腔臓器とをバイパス接続するための管腔臓器間バイパス用ステントとして、超音波内視鏡ガイド下経胆道ドレナージ(EUS−BD)に用いる管腔臓器間バイパス用ステント、すなわち、胃又は十二指腸と胆管又は胆嚢とをバイパス接続するバイパス用ステントについて説明する。また、本実施形態のバイパス用ステントは、自己復元力により径方向に拡張する自己拡張型のカバードステントを例にとって説明する。但し、本発明の管腔臓器間バイパス用ステントはこれに限定されず、バルーン拡張型のカバードステントであってもよく、さらには径方向に拡張しないチューブステント等のステントであってもよい。
【0015】
図1は本発明の第1実施形態に係る管腔臓器間バイパス用のカバードステントの構成を示す正面図、
図2は同じくベアステントの一部を拡大して示した図である。
図1に示すように、この管腔臓器間バイパス用のカバードステント11は、細長い略筒状の本体部12と、本体部12の両端部のうちの一方である第1端部(
図1において右端)Rに設けられた複数の第1フッキング部14と、本体部12の両端部のうちの他方である第2端部(
図1において左端)Lに設けられた複数の第2フッキング部15とを概略備えて構成されている。
【0016】
本体部12は、フレームにより形成される筒状のベアステント13と、ベアステント13の外周を覆う被覆フィルム部12aとを含んでいる。ベアステント13は、金属製(又は樹脂製)の線状部材であるフレームにより形成されている。ここでベアステント13は編込みで形成されたタイプでも、パイプをレーザーカットで形成したレーザーカットタイプでも構わないが、長軸方向の長さが伸び縮みし難いレーザーカットタイプであればより好ましい。フレームの断面形状は四角形状や円形状とすることができる。
【0017】
ベアステント13のフレームは、
図2にも示されているように、ジグザグ円環状の複数のストラット13aと、隣接するストラット13a間を接続するブリッジ13bとを備えている。ストラット13aは、ベアステント13の周方向に沿って三角波状に連続する円環状に形成されている。ブリッジ13bは、隣接するストラット13aにおける三角波の頂点である頂点部の一部を軸方向に接続している。このようにして複数のストラット13aが接続されることにより、筒状のベアステント13が構成されている。隣接する2つのストラット13aを接続するブリッジ13bの数は、どのストラット間でも同じであるが、隣接する2つのストラット13aを接続するブリッジ13bの位置は、軸方向に並んで形成されることはなく、周方向にずれている。
【0018】
図3は、
図1に示すカバードステントの断面図である。
図3に示すように、ベアステント13の表面はコーティング膜21で覆われており、また、コーティング膜21は、隣接するフレーム22の間を埋めるように広がっており、ベアステント13の外周面を被覆している。コーティング膜21によって覆われたベアステント13の外周は、第1のポリマーフィルム23と第2のポリマーフィルム24とを含む被覆フィルム部12aによって覆われている。
【0019】
コーティング膜21によってベアステント13を被覆することによって、カバードステント11(本体部12)の内周面であるステント内周表面12bを、平滑にすることができる。ステント内周表面12bを平滑にすることで、カバードステント11を体内に留置した場合に、ステント内周表面12bに老廃物が堆積し難くなり、感染症等が防止される。
【0020】
コーティング膜21の材料としては、エラストマーや樹脂等のポリマーが用いられるが、その中でも、有機溶媒に溶解し毒性の少ないものが好ましい。コーティング膜21に用いることができるポリマーとしては、例えば非生体分解性ポリマーや生体分解性ポリマーを使用できるが、生体内で容易に分解されない非生体分解性ポリマーを用いることが好ましく、非生体分解性ポリマーの中でも、ポリウレタン又はシリコーン樹脂を用いることが特に好ましい。なお、コーティング膜21を構成するポリマーには、必要に応じて、抗がん剤や抗血栓剤などの薬剤や、老化防止剤などの添加剤を配合してもよい。
【0021】
ベアステント13の表面にコーティング膜21を形成する方法としては、特に限定されないが、ベアステント13を樹脂溶液に浸漬させた後、乾燥させる方法が好適である。
【0022】
ベアステント13の外周を覆う被覆フィルム部12aは、第1のポリマーフィルム23と第2のポリマーフィルム24を含む。第1のポリマーフィルム23は、ベアステント13と第2のポリマーフィルム24の間に配置されており、ベアステント13の外周を被覆する。
【0023】
第1のポリマーフィルム23の厚さは、第1のポリマーフィルム23全体の平均値として、4〜20μmとすることが好ましい。第1のポリマーフィルム23が厚すぎると、カバードステント11の柔軟性が不足するおそれがある。また、第1のポリマーフィルム23が薄すぎると、第2のポリマーフィルム24を、ベアステント13による穿孔等から保護できなくなるおそれがある。
【0024】
第1のポリマーフィルム23は、ベアステント13の外周を、1周以上1周半未満周回するように、ベアステント13に巻きつけられている。第1のポリマーフィルム23の巻回数を1周〜1周半とすることによって、第2のポリマーフィルム24をベアステント13による穿孔等から保護しつつ、カバードステント11の柔軟性が不足することを防止することができる。
【0025】
第1のポリマーフィルム23の材料としては、エラストマーや樹脂等のポリマーが用いられるが、その中でも、有機溶媒に溶解し毒性の少ないものが好ましい。また、第2のポリマーフィルム24をベアステント13による穿孔等から保護するために、第1のポリマーフィルム23の材料としては、第2のポリマーフィルム24に用いたポリマーに比べて、高い強度を有するポリマーを用いることが好ましい。
【0026】
本体部12の全長Hは、バイパス接続すべき管腔臓器間の距離に応じて決定されるが、10mm〜200mmとすることができ、40mm〜120mmとすることが好ましい。また、本体部12の拡径時の外径Dは、バイパス接続すべき管腔臓器の種類や大きさ等に応じて決定されるが、φ2mm〜φ20mmとすることができ、φ4mm〜φ15mmとすることが好ましく、φ6mm〜φ10mmとすることがさらに好ましい。本体部12の縮径時の外径は、拡径時の外径に対して、数分の1程度である。
【0027】
ベアステント13を構成するフレームの線径は、0.05〜1mmであることが好ましい。また、フレームの断面が矩形である場合には、フレームの断面における長辺方向の長さが0.06〜1mmであって、短辺方向の長さが0.05〜0.9mmであることが好ましい。ベアステント13の外径寸法は、上述した本体部12の寸法とほぼ同様である。
【0028】
ベアステント13の材料としては、樹脂又は金属が使用される。ベアステント13に使用される樹脂としては、適切な硬度と弾性を有するものを使用することが可能であり、生体適合性樹脂であることが好ましい。ベアステント13の材料として使用される樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、フッ素樹脂などが挙げられる。また、ポリオレフィンの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが挙げられる。また、フッ素樹脂の具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)などが挙げられる。
【0029】
ベアステント13に使用される金属としては、ニッケルチタン(Ni−Ti)合金、ステンレス鋼、タンタル、チタン、コバルトクロム合金、マグネシウム合金等が挙げられるが、Ni−Ti合金のような超弾性合金が好ましい。ベアステント13に使用される超弾性合金の具体例としては、49〜58重量%NiのNi−Ti合金が挙げられる。また、Ni−Ti合金中の原子のうち0.01〜10.0重量%を他の原子で置換したNi−Ti−X合金(X=Co、Fe、Mn、Cr、V、Al、Nb、W、Bなど)や、Ni−Ti合金中の原子のうち0.01〜30.0重量%を他の原子で置換したNi−Ti―X合金(X=Cu、Pb、Zr)等も、ベアステント13の材料として好適である。これらの超弾性合金の機械的特性は、冷却加工率及び/又は最終熱処理の条件を選択することにより調整される。
【0030】
ベアステント13の成形は、例えば、YAGレーザー等を用いたレーザー加工、放電加工、化学エッチング、切削加工等によって、チューブ状若しくはパイプ状の母材を加工することによって行うことができる。
【0031】
ベアステント13には、単数又は複数のX線マーカーが設置されていることが好ましい。X線マーカーは、例えば、X線造影性材料(X線不透過材料)によって構成される。カバードステント11を体内に留置した際に、X線造影下でX線マーカーの位置を確認することによって、カバードステント11の留置位置を把握することができる。
【0032】
本体部12の両端部のうちの一方である第1端部(
図1において右端)Rに設けられた複数の第1フッキング部14は、弾性を有する線状の部材(線材)により形成され、自由端を有する先端部14aと、第1端部Rに一体的に接続される基端部14bとを有している。本実施形態では、第1フッキング部14はベアステント13と一体的に形成するものとし、従って第1フッキング部14の基端部14bはベアステント13(フレーム)の端部に接続されている。第1フッキング部13の断面形状は矩形状又は円形状とすることができ、ベアステント13のフレームと同一形状とすることができる。
【0033】
なお、第1フッキング部14は、ベアステント13とは独立して形成した後に、レーザー溶接等により一体的に固定するようにしてもよいし、ベアステント13を、薄板円筒部材をレーザーカット等して形成する場合に、一体として切り出すようにしてもよい。この場合において、第1フッキング部14の後述する形状(湾曲形状)は、切り出した後に、くせ付けすることにより成形することができる。
【0034】
個々の第1フッキング部14は、単一の線材から構成してもよいが、本実施形態では、一対の線材14x、14yから構成している。第1フッキング部14を構成する一対の線材14x、14yの基端部14bのぞれぞれは、ベアステント13の端部において、ベアステント13を構成する三角波状のフレームの互い隣り合わせた三角波の頂点部にそれぞれ接続されることによって、本体部12の第1端部Rにおける周方向において互いに僅かに離間した状態で本体部12(ベアステント13)に接続されている。そして、第1フッキング部14を構成する一対の線材14x、14yは、それぞれの先端部14aにおいて互いに接続されている。このように、第1フッキング部14を一対の線材14x、14yで構成するとともに、それぞれの基端部14bを僅かに離間して配置することにより、第1フッキング部14の先端部14aの位置を安定させることができる。なお、第1フッキング部14の基端部14bは、ベアステント13のフレームの三角波の頂点部以外の部分において、本体部12(ベアステント13)と接続してもよい。また、第1フッキング部14を一対の線材14x、14yで構成する場合において、基端部14bを離間させる間隔も特に限定されず、任意のものとすることができる。
【0035】
第1フッキング部14の先端部14aには、管腔臓器の内壁等に当接した際に、該内壁の傷付けを防止するため、
図4に示されているように、滑らかな外面を有する略球状の尖端保護部を設けている。この尖端保護部は、X線造影性材料(X線不透過材料)で構成することにより、X線マーカーとしても用いることができる。カバードステント11を体内に留置した際に、X線造影下でこのX線マーカーの位置を確認することによって、第1フッキング部14の先端部14aの位置を把握することができる。なお、尖端保護部の形状は、第1フッキング部14の先端部14aが、管腔臓器の内壁等に当接した際に、該内壁の傷付けを防止できるものであればよく、略球状以外に、円筒状などであってもよい。
【0036】
第1フッキング部14の基端部14bと先端部14aとの間の中間部14cは滑らかに湾曲しており、中間部14cの基端部14b側の一部は、本体部12の軸線方向に沿う方向において第1端部Rよりも外側(
図1において右(Out)側)に位置しているとともに、第1フッキング部14の先端部14a又は中間部14cの先端部14a側の一部は、本体部12の軸線方向に沿う方向において第1端部Rよりも内側(
図1において左(In)側)に位置している。
【0037】
第1フッキング部14の中間部14cの基端部14b側の一部は、先端部14a側に行くに従って該軸線に対して離間するように形成されている。また、本実施形態では、第1フッキング部14の中間部14cの先端部14a側の一部は、先端部14a側に行くに従って軸線に対して離間するように形成され、さらに先端部14a側の部分は先端部14a側に行くに従って該軸線に対して近接するように形成され、先端部14aに至っている。
【0038】
第1フッキング部14の形状(湾曲形状)としては、このような形状に限定されず、
図5に示されているように、第1フッキング部14の中間部14cの先端部14a側の一部は、先端部14a側に行くに従って軸線に対して離間するように形成され、さらに先端部14a側の部分は該軸線に対して平行するように形成され、先端部14aに至るようにしてもよい。
【0039】
また、
図6に示されているように、第1フッキング部14の中間部14cの先端部14a側の一部は、先端部14a側に行くに従って軸線に対して離間するように形成され、先端部14aに至るようにしてもよい。また、
図7に示されているように、第1フッキング部14の中間部14cの先端部14a側の一部は、先端部14a側に行くに従って軸線に対して離間するように形成され、さらに先端部14a側の部分は該軸線に対して近接するように形成され、先端部14aが外側(
図1において、右(Out)側)を指向するようにしてもよい。
【0040】
第1フッキング部14の湾曲形状は、全体的に一様な曲率としてもよいし、先端部14aに行くに従って連続的に又は段階的に曲率を変化させるようにしてもよい。例えば、中間部14cの基端部14b側の一部の曲率を、先端部14a側の一部の曲率より大きく、又は小さくしてもよい。なお、第1フッキング部14の湾曲形状の一部に単一又は複数の直線部を介装してもよい。また、第1フッキング部14の湾曲形状は、1つの変曲点を有する曲線に限られず、2つ又はそれ以上の変曲点を有する曲線としてもよい。
【0041】
第1フッキング部14の数及び配置としては、この実施形態では4つとし、それぞれを均等角度間隔(すなわち、45度)で略放射状に配置しているが、その数は2つ、3つ、又は5つ以上であってもよい。第1フッキング部14の配置は、均等角度間隔で配置してもよいが、必ずしもそれに限定されず、適用される管腔臓器の種類や形状等に応じて適宜に選定することができる。また、本実施形態では、複数の第1フッキング部14の構成(湾曲形状、長さ等)は、全て(本実施形態では、4つ)について互いに同一のものとするが、これらの内の1つ又は複数を異なる構成(湾曲形状、長さ等)としてもよい。
【0042】
上述した第1実施形態によれば、第1フッキング部14の中間部14cは滑らかに湾曲しているので、このカバードステント11の留置のための手技時又は留置後において、第1フッキング部14の中間部14cが管腔臓器の内壁に接触した場合であっても、該内壁に対する傷付けを少なくすることができる。
【0043】
また、第1フッキング部14の中間部14cの基端部14b側の一部は、本体部12の軸線方向に沿う方向において第1端部Rよりも外側(
図1において右(Out)側)に位置しているとともに、第1フッキング部14の先端部14a(又は中間部14cの先端部14a側の一部)は、本体部12の軸線方向に沿う方向において第1端部Rよりも内側(
図1において左(In)側)に位置しているため、このカバードステント11を体内に留置した場合に、第1フッキング部14の先端部14a(又は中間部14cの先端部14a側の一部)が管腔臓器の内壁に当接し、第1フッキング部14の弾性により、本体部12の第1端部Rが管腔臓器の内壁から管腔臓器内側に僅かに突き出して管腔臓器内に入り込んだ状態で保持される。従って、本体部12が管腔臓器の内壁の外側(体腔内側)に入り込む方向におけるマイグレーションが防止されることに加えて、本体部12の第1端部Rが管腔臓器から体腔内側に入り込んでしまう事象が防止され、バイパス用ステントの周囲の体腔壁に胆汁等の消化液や消化された食べ物等が漏出することを効果的に抑制することができる。
【0044】
本体部12の両端部のうちの他方である第2端部(
図1において左端)Lに設けられた複数の第2フッキング部15は、上述した第1フッキング部14と同様に、先端部15a、基端部15b及び中間部15cを有している。これらは、上述した第1フッキング部14(先端部14a、基端部14b及び中間部14c)と同様であるので、その説明は省略する。但し、第2フッキング部15は第1フッキング部14と異なる構成としてもよい。なお、第1フッキング部14及び第2フッキング部15の何れか一方は省略してもよい。
【0045】
図8及び
図9は、本発明の第2実施形態の管腔臓器間バイパス用カバードステントの構成を示す図である。上述した第1実施形態と実質的に同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。この第2実施形態のカバードステント21は、本体部12については上述した第1実施形態と同じであり、その両端部に設けられる第1フッキング部及び第2フッキング部の構成が相違している。
【0046】
すなわち、この第2実施形態の第1フッキング部24は、一対の線材から構成されるとともに、それぞれの先端部が互いに接続されている点は、上述した第1実施形態の第1フッキング部14と同様であるが、先端部には尖端保護部を設けずに、
図9に示されているように、該一対の線材24x、24yのそれぞれの先端部を滑らかな曲線状(略U字状)にして互いに一体的に接続している。これにより、上述した第1実施形態の尖端保護部を配置した場合と同様に、管腔臓器の内壁等の傷付けを防止することができる。なお、必要に応じて、この略U字状の曲線部にX線マーカーを配置してもよい。
【0047】
第1フッキング部24の先端部24aと基端部24bとの間の中間部24cは滑らかに湾曲しており、中間部24cの基端部24b側の一部は、本体部12の軸線方向に沿う方向において第1端部Rよりも外側(
図8において右(Out)側)に位置しているとともに、第1フッキング部24の先端部24a(又は中間部24cの先端部24a側の一部)は、本体部12の軸線方向に沿う方向において第1端部Rよりも内側(
図8において左(In)側)に位置しているのは、上述した第1実施形態と同様である。
【0048】
なお、
図8では、第1フッキング部24の中間部24cの基端部24b側の一部は、先端部24a側に行くに従って該軸線に対して離間するように形成されており、第1フッキング部24の中間部24cの先端部24a側の一部は、先端部24a側に行くに従って軸線に対してさらに離間するように形成されて先端部24aに至っているが、第1フッキング部24の湾曲形状は、
図1、
図5又は
図7と同様な形状に形成してもよい。
【0049】
本体部12の両端部のうちの他方である第2端部(
図8において左端)Lに設けられた複数の第2フッキング部25は、上述した第1フッキング部24と同様に、先端部25a、基端部25b及び中間部25cを有している。これらは、上述した第1フッキング部24(先端部24a、基端部24b及び中間部24c)と同様であるので、その説明は省略する。但し、第2フッキング部25は第1フッキング部24と異なる構成としてもよい。例えば、第2フッキング部25に代えて、上述した第1実施形態の第2フッキング部15としてもよい。第1フッキング部24及び第2フッキング部25の何れか一方は省略してもよい。
【0050】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上述した実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。例えば、上述の実施形態では、ベアステント13として、フレームで構成されたベアステント13を用いたが、例えば、繊維状の材料を編み込んで形成されたステント(いわゆるブレイデッドステント)等の他の形態のステントをベアステントとして用いてもよい。また、上述の実施形態では、管腔臓器間バイパス用ステントをカバードステント11として構成したが、例えば、合成樹脂などで構成された側壁に空隙がないチューブで形成されたステント(いわゆるチューブステント)等として構成してもよい。