【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21、22年度、独立行政法人科学技術振興機構、地球規模課題対応国際科学技術協力事業/「デング出血熱等に対するヒト型抗体による治療法の開発と新規薬剤候補物質の探索/デング出血熱等に対するヒト型抗体による治療法の開発と新規薬剤候補物質の探索」に係る委託業務、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【文献】
KUBOTA-KOKETSU R. et al,Biochem. Biophys. Res. Commun.,2009年,Vol.387,p.180-185
【文献】
中川直子,B型インフルエンザウイルス流行株の抗原性の解析,インフルエンザ,2007年,Vol.8 No.3,p.203-208
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
配列番号1を含む第1のアミノ酸配列を有する第1の相補性決定領域(CDR1)と、配列番号2を含む第2のアミノ酸配列を有する第2の相補性決定領域(CDR2)と、配列番号3を含む第3のアミノ酸配列を有する第3の相補性決定領域(CDR3)とを含む重鎖可変領域と、
配列番号4を含む第4のアミノ酸配列を有する第1の相補性決定領域(CDR1)と、配列番号5を含む第5のアミノ酸配列を有する第2の相補性決定領域(CDR2)と、配列番号6を含む第6のアミノ酸配列を有する第3の相補性決定領域(CDR3)とを含む軽鎖可変領域を含む、
中和活性および血液凝集阻害活性(HI活性)を有する抗ヒトB型インフルエンザウイルスモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメント。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書に組み込まれ、その一部をなす添付の図面は、本発明の具体的な特徴/実施形態を示し、詳細な説明とともに本発明の原理を説明するものである。上記の概要及び下記の詳細な説明はいずれも例示的かつ説明的なものにすぎず、請求項に係る本発明の更なる説明を与えることを意図するものであることが理解される。
【0020】
(本発明の詳細な説明)
本発明は、ヒトB型インフルエンザウイルスに対して中和活性を有する抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントであって、モノクローナル抗体がヒトモノクローナル抗体及び/又はヒト化モノクローナル抗体を含む、抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントを提供する。モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、少なくともB/Florida/4/2006株、B/Shanghai/361/2002株、B/Johannesburg/5/1999株、B/Yamanashi/166/1998株、及びB/Mie/1/1993株に対する中和活性を有し得る。モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、少なくともB/Florida/4/2006株、B/Shanghai/361/2002株、B/Johannesburg/5/1999株、B/Yamanashi/166/1998株、B/Mie/1/1993株、B/Malaysia/2506/04株、B/Shandong/7/1997株、及びB/Victoria/2/1987株に対する中和活性を有し得る。抗ヒトB型インフルエンザウイルスモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、IgG、Fab、Fab’、F(ab’)2、scFv、dsFv、又は任意のそれらの組合せを含み得る。
【0021】
抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、少なくとも1つの重鎖可変領域及び/又は少なくとも1つの軽鎖可変領域を含み得る。重鎖可変領域は、第1の相補性決定領域(CDR1)、第2の相補性決定領域(CDR2)、及び第3の相補性決定領域(CDR3)の内の少なくとも1つを含み得る。重鎖可変領域のCDR1は、配列番号1、配列番号7又は配列番号13を含む第1のアミノ酸配列を有し得る。重鎖可変領域のCDR2は、配列番号2、配列番号8又は配列番号14を含む第2のアミノ酸配列を有し得る。重鎖可変領域のCDR3は、配列番号3、配列番号9又は配列番号15を含む第3のアミノ酸配列を有し得る。軽鎖可変領域も、第1の相補性決定領域(CDR1)、第2の相補性決定領域(CDR2)、及び第3の相補性決定領域(CDR3)の内の少なくとも1つを含み得る。軽鎖可変領域のCDR1は、配列番号4、配列番号10又は配列番号16を含む第4のアミノ酸配列を有し得る。軽鎖可変領域のCDR2は、配列番号5、配列番号11又は配列番号17を含む第5のアミノ酸配列を有し得る。軽鎖可変領域のCDR3は、配列番号6、配列番号12又は配列番号18を含む第6のアミノ酸配列を有し得る。
【0022】
抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体又は抗原結合フラグメントは、配列番号1を含む第1のアミノ酸配列と、配列番号2を含む第2のアミノ酸配列と、配列番号3を含む第3のアミノ酸配列と、配列番号4を含む第4のアミノ酸配列と、配列番号5を含む第5のアミノ酸配列と、配列番号6を含む第6のアミノ酸配列とを有し得る。例えば、抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体は抗体5A7を含み得る。抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号7を含む第1のアミノ酸配列と、配列番号8を含む第2のアミノ酸配列と、配列番号9を含む第3のアミノ酸配列と、配列番号10を含む第4のアミノ酸配列と、配列番号11を含む第5のアミノ酸配列と、配列番号12を含む第6のアミノ酸配列とを有し得る。例えば、抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体は抗体3A2を含み得る。抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号13を含む第1のアミノ酸配列と、配列番号14を含む第2のアミノ酸配列と、配列番号15を含む第3のアミノ酸配列と、配列番号16を含む第4のアミノ酸配列と、配列番号17を含む第5のアミノ酸配列と、配列番号18を含む第6のアミノ酸配列とを有し得る。例えば、抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体は抗体10C4を含み得る。
【0023】
モノクローナル抗体は、ヒト、例えばB型インフルエンザウイルス感染症を患う患者及び/又はワクチン接種を受けた人由来の末梢血単核球(PBMC)を、効率的な細胞融合を可能とする融合パートナー細胞と融合させることによって作製されるハイブリドーマにより産生され得る。感染症のB型インフルエンザウイルスは、B/Florida/4/2006株、B/Shanghai/361/2002株、B/Johannesburg/5/1999株、B/Yamanashi/166/1998株、B/Mie/1/1993株、B/Malaysia/2506/04株、B/Shandong/7/1997株、及びB/Victoria/2/1987株の内の少なくとも1つを含み得る。融合パートナー細胞はSPYMEG細胞であり得る。
【0024】
したがって、本発明は、抗ヒトB型インフルエンザウイルスモノクローナル抗体を作製する方法を提供する。該方法は、ヒト、例えばB型インフルエンザウイルス感染症を患う患者及び/又はワクチン接種を受けた人由来の末梢血単核球(PBMC)を、効率的な細胞融合を可能とする融合パートナー細胞と融合させることによってハイブリドーマを作製することを含み得る。該方法はハイブリドーマから抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体を得ることも含み得る。該方法におけるB型インフルエンザウイルスは、B/Florida/4/2006株、B/Shanghai/361/2002株、B/Johannesburg/5/1999株、B/Yamanashi/166/1998株、B/Mie/1/1993株、B/Malaysia/2506/04株、B/Shandong/7/1997株、及びB/Victoria/2/1987株の内の少なくとも1つを含み得る。融合パートナー細胞はSPYMEG細胞であり得る。このため、該方法によって作製される抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体が更に提供される。モノクローナル抗体は例えば、ヒトモノクローナル抗体及び/又はヒト化モノクローナル抗体を含み得る。
【0025】
抗インフルエンザ抗体及びその抗原結合フラグメントを含有するポリペプチド、並びにそれらを用いる方法、使用、組成物及びキットが提供される。インフルエンザに特異的な抗体又はそのポリペプチド若しくはフラグメントを形成する方法が提供される。かかる方法は、インフルエンザ抗原ポリペプチド又はその免疫学的に特異的なエピトープを含有するポリペプチドをコードする核酸を準備することと、単離核酸から抗原アミノ酸配列を含有するポリペプチド又はその免疫学的に特異的なエピトープを含有するポリペプチドを発現することと、得られるポリペプチドに特異的な抗体又はその抗原結合フラグメントを含有するポリペプチドを生成することとを含有し得る。上述の方法によって作製される、抗体又はその抗原結合フラグメントを含有するポリペプチドが提供される。インフルエンザ抗原に特異的に結合する、単離抗体又はその抗原結合フラグメントを含有する単離ポリペプチドが提供される。かかる抗体は当該技術分野で既知の任意の許容可能な方法(複数の場合もあり)を用いて生成することができる。抗体、並びに抗体を用いるキット、方法及び/又は本発明の他の態様は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体、一価抗体、ダイアボディ、及び/又はヒト化抗体の内の1つ又は複数を含み得る。
【0026】
自然発生的な抗体構造単位は通常、四量体を含有する。かかる四量体はそれぞれ、各対が1本の完全長軽」鎖(例えば約25kDa)と、1本の完全長「重」鎖(例えば約50kDa〜70kDa)とを有する、2つの同一のポリペプチド鎖対で構成され得る。各鎖のアミノ末端部は通常、抗原認識に通常関与する約100アミノ酸〜110アミノ酸以上の可変領域を含む。各鎖のカルボキシ末端部は通常、エフェクター機能に関与し得る定常領域を規定する。ヒト軽鎖は通常、κ軽鎖及びλ軽鎖に分類される。重鎖は通常、μ、δ、γ、α又はεに分類され、抗体のアイソタイプはそれぞれ、IgM、IgD、IgG、IgA及びIgEと規定される。IgGは、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4を含むが、これらに限定されない幾つかのサブクラスを有する。IgMは、IgM1及びIgM2を含むが、これらに限定されないサブクラスを有する。IgAも同様に、IgA1及びIgA2を含むが、これらに限定されないサブクラスに細分される。軽鎖及び重鎖において、可変領域及び定常領域は、約12アミノ酸以上の「J」領域によって連結され、重鎖は更に、約10アミノ酸以上の「D」領域を含む。例えば、Fundamental Immunology Ch. 7 (Paul, W., ed., 2nd ed. Raven Press, N.Y. (1989))(その全体があらゆる点で引用することにより一部をなす)を参照されたい。各軽鎖/重鎖対の可変領域は通常、抗原結合部位を形成する。
【0027】
可変領域は通常、3つの相補性決定領域すなわちCDRとも呼ばれる超可変領域によって連結される比較的保存されたフレームワーク領域(FR)の同じ一般構造を示す。各対の2つの鎖のCDRは通常、フレームワーク領域によってアラインされ、これにより特異的なエピトープとの結合が可能となる。軽鎖及び重鎖の可変領域いずれも通常、N末端からC末端にかけてFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3及びFR4のドメインを含有する。アミノ酸の各ドメインへの割り当ては通常、Kabat Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health, Bethesda, Md. (1987 and 1991))又はChothia & Lesk J. MoI. Biol. 196:901-917 (1987)、Chothia et al., Nature 342:878-883 (1989)の定義に従うものとする。
【0028】
「抗体フラグメント」は、インタクト抗体の一部、例えばインタクト抗体の抗原結合領域又は可変領域を含む。抗体フラグメントの例としては、Fab、Fab1、F(ab’)2及びFvフラグメント;ダイアボディ;線形抗体(Zapata et al., Protein Eng. 8(10): 1057-1062 [1995]);一本鎖抗体分子;並びに抗体フラグメントから形成される多重特異的抗体が挙げられる。抗体のパパイン消化によって、それぞれが単一の抗原結合部位を有する、「Fab」フラグメントと呼ばれる2つの同一の抗原結合フラグメントと、容易に結晶化する能力を反映した呼称である残る「Fc」フラグメントとが生じる。ペプシン処理によって、2つの抗原結合部位を有し、抗原と架橋することが可能であるF(ab’)2フラグメントが得られる。「Fv」は完全な抗原認識結合部位(antigen-recognition and -binding site)を含有する抗体フラグメントである。この領域には、密接な非共有結合的に結び付いた、1つの重鎖可変ドメインと1つの軽鎖可変ドメインとの二量体が含まれる。単一の可変ドメイン(又は抗原に特異的な3つのCDRのみを含有するFvの半分)は抗原を認識及び結合することができる。「一本鎖Fv」すなわち「sFv」抗体フラグメントには、抗体のV
HドメインとV
Lドメインとが含まれ、これらのドメインは単一のポリペプチド鎖に存在する。Fvポリペプチドは更に、V
HドメインとV
Lドメインとの間にポリペプチドリンカーを含有することができ、これによりsFvが抗原結合に所望の構造を形成することが可能となる。sFvの概要については、Pluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, vol.113, Rosenburg and Moore eds., Springer- Verlag, New York, pp.269-315 (1994)を参照されたい。
【0029】
抗体をプローブ、治療的処置及び他の用途に使用することができる。抗体は、マウス、ウサギ、ヤギ又は他の動物に翻訳産物又はその合成ペプチドフラグメントを注入することにより作製することができる。これらの抗体は診断アッセイに又は医薬組成物における活性成分として有用である。
【0030】
投与する抗体又はポリペプチドは、機能的作用物質と複合体を形成して、イムノコンジュゲート(immunoconjugate)を形成することができる。機能的作用物質は、化学療法剤、毒素(例えば細菌、真菌、植物若しくは動物起源の酵素的に活性な毒素又はそのフラグメント)、若しくは放射性同位体(すなわちラジオコンジュゲート(radioconjugate))等の細胞毒性剤、抗生物質、核酸分解酵素、又はそれらの任意の組合せであり得る。化学療法剤、例えばメトトレキサート、アドリアマイシン、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド)、ドキソルビシン、メルファラン、マイトマイシンC、クロラムブシル、ダウノルビシン若しくは他の挿入剤、核酸分解酵素等の酵素及び/又はそのフラグメント、抗生物質、並びに毒素、例えばそのフラグメント及び/又は変異体を含む、小分子毒素又は細菌、真菌、植物若しくは動物起源の酵素的に活性な毒素、並びに下記に開示される様々な抗腫瘍剤又は抗がん剤をイムノコンジュゲートの生成に使用することができる。使用することができる酵素的に活性な毒素及びそのフラグメントとしては例えば、ジフテリア毒素A鎖、ジフテリア毒素の非結合活性フラグメント、エクソトキシンA鎖(シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)由来のもの)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、α−サルシン、シナアブラギリ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチン(dianthin)タンパク質、ヨウシュヤマゴボウ(Phytolacca americana)タンパク質(PAPI、PAPII、及びPAP−S)、ツルレイシ(momordica charantia)阻害剤、クルシン、クロチン、サボンソウ(saponaria officinalis)阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン、フェノマイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)、及びトリコセン(tricothenes)が挙げられる。当該技術分野で知られる又はそうでなければ入手可能な任意の適切な放射性ヌクレオチド又は放射性作用物質を、ラジオコンジュゲートを抱合する(radioconjugated)抗体を産生するのに使用することができる。
【0031】
抗体と細胞毒性剤との複合体は、多様な二官能性タンパク質カップリング剤、例えばN−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオール)プロピオネート(SPDP);イミノチオラン(IT);イミドエステルの二官能性誘導体(アジプイミド酸ジメチルHCL等);活性エステル(スベリン酸ジサクシンイミジル等);アルデヒド(グルタルアルデヒド等);ビス−アジド化合物(ビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン等);ビス−ジアゾニウム誘導体(ビス−(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミン等);ジイソシアネート(トリエン2,6−ジイソシアネート等);ビス活性(bis-active)フッ素化合物(1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン等);マレイミドカプロイル(MC);バリン−シトルリン、プロテアーゼ開裂リンカーにおけるジペプチド部位(VC);2−アミノ−5−ウレイドペンタン酸PAB=p−アミノベンジルカルバモイル(リンカーの「自壊(self immolative)」部分)(シトルレン(Citrulene));N−メチル−バリンシトルリン(ここではリンカーペプチド結合が、カテプシンBによる開裂を防ぐように修飾されている)(Me);抗体のシステインに結合するマレイミドカプロイル−ポリエチレングリコール;N−スクシンイミジル4−(2−ピリジルチオ)ペンタノエート(SPP);及びN−スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1 カルボキシレート(SMCC)を用いて作製することができる。例えば、免疫毒素であるリシンを、Vitetta et al., Science, 238: 1098 (1987)に記載のように調製することができる。
14C(Carbon-14)で標識された1−イソチオシアナトベンジル−3−メチルジエチレントリアミン五酢酸(pentaacetic acid)(MX−DTPA)は、放射性ヌクレオチドと抗体との複合体形成に関する例示的なキレート剤である。国際公開第94/11026号を参照されたい。抗体は腫瘍の事前標的化に用いられる「受容体」(ストレプトアビジン等)と複合体を形成することができ、抗体−受容体複合体を被験体に投与した後、清澄剤を用いて、血液循環から結合していない複合体を除去して、それから細胞毒性剤(例えば放射性ヌクレオチド)と複合体形成する「リガンド」(例えばアビジン)を投与する。
【0032】
本発明の抗体は、当該技術分野で既知の技法によって検出可能なマーカーと直接又は間接的に共役することができる。検出可能なマーカーは、例えば分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、又は化学的な手段によって検出可能な作用物質である。有用な検出可能なマーカーとしては、蛍光色素、化学発光化合物、放射性同位体、高電子密度試薬、酵素、着色粒子、ビオチン又はジオキシゲニンが挙げられるが、これらに限定されない。検出可能なマーカーは、往々にして放射能、蛍光、色又は酵素活性等の測定可能なシグナルを発生する。検出可能な作用物質と複合体形成する抗体を診断目的又は治療目的に使用することができる。検出可能な作用物質の例としては、様々な酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質、生物発光物質、放射物質、各種陽電子放射断層撮影に用いられる陽電子放射金属、及び非放射常磁性金属イオンが挙げられる。検出可能な物質は、抗体と直接、又は例えば当該技術分野で既知のリンカー等の介在物(intermediate)を介して、当該技術分野で既知の技法を用いて間接的に共役するか又は複合体形成することができる。例えば診断用途の金属イオンと抗体との複合体形成を記載している米国特許第4,741,900号を参照されたい。好適な酵素の例としては、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ及びアセチルコリンエステラーゼが挙げられ、好適な補欠分子族の複合体の例としては、ストレプトアビジン/ビオチン及びアビジン/ビオチンが挙げられ、好適な蛍光物質の例としては、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリド及びフィコエリトリンが挙げられ、発光物質の例としてはルミノールが挙げられ、生物発光物質の例としてはルシフェリン及びエクオリンが挙げられる。
【0033】
本発明を実施するのに有用な抗体は、下記方法を用いて実験動物において又はDNA組換え法によって調製することができる。ポリクローナル抗体は、フロイントアジュバント(完全又は不完全)等のアジュバントとともに遺伝子産物分子又はそのフラグメントの複数回の皮下(sc)又は腹腔内(ip)注射によって動物において産生することができる。免疫原性を高めるためには、初めに二官能性物質若しくは誘導体化剤、例えばマレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基を介した複合体形成)、N−ヒドロキシスクシンイミド(リシン残基を介した)、グルタルアルデヒド、無水コハク酸、SOCl等を用いて、標的アミノ酸配列を含有する遺伝子産物分子又はフラグメントと、免疫付与対象の種において免疫原性であるタンパク質、例えばキーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、又はダイズトリプシン阻害剤とを複合体形成させることが有用であり得る。代替的には、免疫原性複合体を組換えによって融合タンパク質として作製することができる。
【0034】
動物に、約1mg又は約1マイクログラムの複合体(それぞれウサギ又はマウスに対して)を約3体積の完全フロイントアジュバントと組み合わせて、溶液を複数の部位で皮内注射することによって、免疫原性複合体又は誘導体(標的アミノ酸配列を含有するフラグメント等)に対する免疫を付与することができる。およそ7日〜14日後、動物を採血し、血清の抗体力価を化学分析する。力価がプラトー状態になるまで、抗原を繰り返し用いて動物の追加免疫を行う。初回免疫付与に使用したものと同じ分子又はそのフラグメントを用いて、動物の追加免疫を行うことができるが、異なるタンパク質と及び/又は異なる架橋剤を介して複合体形成してもよい。加えて、アラム(alum)等の凝集剤を、免疫応答を高めるために注射液中で使用することができる。
【0035】
投与する抗体はキメラ抗体を含み得る。投与する抗体はヒト化抗体を含み得る。投与する抗体は完全にヒト化した抗体を含み得る。抗体はヒト化又は部分的にヒト化していてもよい。非ヒト抗体を、当該技術分野で既知の任意の適用可能な方法を用いてヒト化することができる。ヒト化抗体は免疫系が部分的に又は完全にヒト化しているトランスジェニック動物を用いて産生することができる。本発明の任意の抗体又はそのフラグメントは部分的に又は完全にヒト化していてもよい。キメラ抗体を、当該技術分野で既知の任意の技法を用いて産生することができる。例えば、米国特許第5,169,939号、同第5,750,078号、同第6,020,153号、同第6,420,113号、同第6,423,511号、同第6,632,927号及び同第6,800,738号を参照されたい。
【0036】
投与する抗体は、モノクローナル抗体、すなわちモノクローナル抗体であり得る本発明の抗インフルエンザ抗体を含み得る。モノクローナル抗体を、Kohler and Milstein, Nature, 256:495 (1975)に記載されるようなハイブリドーマ法を用いて調製することができる。ハイブリドーマ法では、通常マウス、ハムスター又は他の適切な宿主動物を免疫剤で免疫付与して、免疫剤と特異的に結合する抗体を産生する又は産生することが可能なリンパ球を生じさせる。代替的には、リンパ球はin vitroで免疫付与することができる。モノクローナル抗体は、例えばHarlow & Lane, Antibodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, New York (1988)、Goding, Monoclonal Antibodies, Principles and Practice (2d ed.) Academic Press, New York (1986)に記載されるようにスクリーニングすることができる。モノクローナル抗体を、翻訳産物との特異的な免疫反応性及び対応するプロトタイプ遺伝子産物に対する免疫反応性の喪失について試験することができる。
【0037】
モノクローナル抗体を、免疫付与した動物から脾臓細胞を回収し、従来のやり方で、例えば骨髄腫細胞との融合によって細胞を不死化することによって調製することができる。次いでクローンを所望の抗体を発現するものについてスクリーニングする。モノクローナル抗体は他の遺伝子産物と交差反応しないのが好ましい。所望のハイブリドーマ細胞が同定された後、クローンを限界希釈法によってサブクローニングするとともに、標準方法によって成長させることができる。この目的に好適な培養培地としては例えば、ダルベッコ変法イーグル培地及びRPMI−1640培地が挙げられる。代替的には、ハイブリドーマ細胞を哺乳動物の腹水中でin vivoにおいて成長させることができる。サブクローンによって分泌されるモノクローナル抗体は、例えばプロテインA−セファロース、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析又はアフィニティクロマトグラフィー等の従来の免疫グロブリン精製法によって培養培地又は腹水から単離又は精製することができる。
【0038】
モノクローナル抗体は米国特許第4,816,567号に記載されるようにDNA組換え法によっても作製することができる。本発明のモノクローナル抗体をコードするDNAは従来の手法を用いて(例えばネズミ抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することが可能なオリゴヌクレオチドプローブを用いることによって)容易に単離及びシークエンシングすることができる。本発明のハイブリドーマ細胞はかかるDNAの好ましい供給源となり得る。単離した後、DNAを発現ベクターに組み入れることができ、次いでそれをサルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、又はそうしなければ免疫グロブリンタンパク質を産生することのない骨髄腫細胞等の宿主細胞にトランスフェクトすることで、組換え宿主細胞においてモノクローナル抗体の合成がもたらされる。DNAは、例えばヒト重鎖及び軽鎖の定常ドメインのコーディング配列を相同なネズミ配列へと置換することによって又は免疫グロブリンコーディング配列に、非免疫グロブリンポリペプチドのコーディング配列の全体若しくは一部を共有結合することによって修飾してもよい。かかる非免疫グロブリンポリペプチドへと本発明の抗体の定常ドメインを置換するか、又は本発明の抗体の1つの抗原結合部位の可変ドメインを置換することで、キメラ二価抗体を作製することができる。ファージミドディスプレイ法等のDNA組換え法を用いた抗体の調製は、例えばPharmacia(スウェーデン、ウプサラ)から入手可能なRecombinant Phagemid Antibody System、又はSurfZAP(商標)ファージディスプレイシステム(Stratagene Inc.、カルフォルニア州ラホーヤ)のような市販のキットを用いて達成することができる。
【0039】
さらに本発明のモノクローナル抗体を産生する、ハイブリドーマ細胞株、形質転換B細胞株及び宿主細胞と、これらのハイブリドーマ、形質転換B細胞株及び宿主細胞の子孫又は誘導体と、均等な又は同様のハイブリドーマ、形質転換B細胞株及び宿主細胞とが本発明に含まれる。
【0040】
抗体はダイアボディとすることができる。「ダイアボディ」という用語は、2つの抗原結合部位を備える小さい抗体フラグメントを指す。このフラグメントには、同じポリペプチド鎖において軽鎖可変ドメイン(V
L)と連結した重鎖可変ドメイン(V
H)が含まれる(Vn−V
L)。同じ鎖上の2つのドメイン間の対合を可能とするには短すぎるリンカーを使用することによって、ドメインを別の鎖の相補ドメインと対合させ、2つの抗原結合部位を生成することができる。ダイアボディは、例えば欧州特許第404,097号、国際公開第93/11161号、及びHollinger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90:6444-6448 (1993)においてより詳細に記載されている。
【0041】
投与する抗体は一本鎖抗体を含み得る。抗体は一価抗体とすることができる。一価抗体を調製する方法は当該技術分野で既知である。例えば、一方法は免疫グロブリン軽鎖及び修飾重鎖の組換え発現を伴うものである。重鎖は一般的に、重鎖の架橋を妨げるようにFc領域内のいずれの点でも切断することができる。代替的には、架橋を妨げるように、関連のシステイン残基を別のアミノ酸残基で置換するか又は欠失する。また、in vitro方法は一価抗体を調製するのに適している。そのフラグメント、特にFabフラグメントを産生する抗体の消化は当該技術分野で既知の慣用法を用いて達成することができる。
【0042】
抗体は二重特異性とすることができる。1つのタンパク質と特異的に結合するとともに、病状及び/又は治療に関連する他の抗原と特異的に結合する二重特異性抗体を、文献に記載されている標準的な手法を用いて産生、単離及び試験する(例えばPluckthun & Pack, Immunotechnology, 3:83-105 (1997)、Carter, et al., J. Hematotherapy, 4:463-470 (1995)、Renner & Pfreundschuh, Immunological Reviews, 1995, No. 145, pp.179-209、Pfreundschuhの米国特許第5,643,759号、Segal, et al., J. Hematotherapy, 4:377-382 (1995)、Segal, et al., Immunobiology, 185:390-402 (1992)、及びBolhuis, et al., Cancer Immunol. Immunother., 34:1-8 (1991)を参照されたい)。
【0043】
本明細書に開示される抗体を免疫リポソームとして配合することができる。抗体を含有するリポソームを、Epstein et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 82:3688 (1985)、Hwang et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4030 (1980)、並びに米国特許第4,485,045号及び同第4,544,545号に記載されるような当該技術分野で既知の方法によって調製する。循環時間が向上したリポソームは米国特許第5,013,556号に開示されている。特に有用なリポソームはホスファチジルコリン、コレステロール及びPEG誘導体化ホスファチジルエタノールアミン(PEG−PE)を含有する脂質組成物を用いた逆相蒸発法によって生成することができる。リポソームを既定の孔径のフィルターへと押し出して、所望の直径のリポソームを得ることができる。本発明の抗体のFab’フラグメントは、Martin et al., J. Biol. Chem., 257:286-288 (1982)に記載のようにジスルフィド交換反応によってリポソームと複合体形成することができる。化学療法剤(ドキソルビシン等)が任意にリポソーム内に含まれる。Gabizon et al, J. National Cancer Inst., 81(19):1484 (1989)を参照されたい。
【0044】
インフルエンザ拮抗薬はB型インフルエンザウイルスの血球凝集素(HA)タンパク質に結合するアプタマーを含み得る。アプタマーは本明細書に記載の抗体と同じ場所/エピトープで及び/又は他の場所/エピトープでHAに結合することができる。アプタマーは核酸、RNA、DNA及びアミノ酸の内の1つ又は複数を含有することができる。アプタマーは任意の好適な技法又はプロトコルを用いて選択及び作製することができる。例えば、18ヌクレオチド長〜50ヌクレオチド長の範囲の可変領域を有するオリゴヌクレオチドライブラリをランオフ転写反応の鋳型として使用して、RNAアプタマーのランダムプールを作製することができる。次いでこのアプタマープールを非複合体形成マトリクスに暴露して、非特異的な相互作用種を除去することができる。その後残存プールを、固定化した標的とともにインキュベートする。このプールにおけるアプタマー種の大部分は低い親和性を有し、マトリクスに結合したより小さく、より特異的なプールを残して標的を洗い流すことができる。次いでこのプールを溶出して、沈殿させ、逆転写して、ランオフ転写の鋳型として使用することができる。5回の選別後、クローニング及びシークエンシングするアリコートを取り出すことができる。同様の配列が再現性をもって回収されるまで、選別を継続することができる。
【0045】
アプタマー作製を、ビーズベースの選別システムを用いて行うことができる。このプロセスでは、各ビーズが、天然ヌクレオチドと修飾ヌクレオチドとで構成される同一の配列を有するアプタマー群でコーティングされているビーズのライブラリを作製する。100000000を超える固有の配列を含有し得るこのビーズライブラリを、蛍光色素等のタグと複合体形成する、血球凝集素(HA)タンパク質又はその一部、例えば細胞外ドメインに対応するペプチドとインキュベートすることができる。洗浄後、最大の結合親和性を示すビーズを単離することができ、続く合成のためにアプタマー配列を決定することができる。
【0046】
本発明は、ヒト被験体においてヒトB型インフルエンザ感染症を阻害又は治療する方法であって、ヒト被験体に治療的に有効な量の本発明の抗ヒトB型インフルエンザウイルスモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントを投与することを含む、方法を提供する。該方法は患者をB型インフルエンザ感染症と診断することを更に含み得る。本発明の抗インフルエンザ抗体又はその抗原結合フラグメントを、患者をインフルエンザ感染症と診断する前に、診断中に、及び/又は診断した後に投与することができる。
【0047】
上記方法は、B型インフルエンザ感染症の少なくとも1つの症状の軽減をモニタリングすることを更に含み得る。例えば少なくとも1つの症状は、発熱、頭痛、疲労、悪寒、不快感、筋肉痛、関節痛、鼻閉、咽頭痛、咳、呼吸窮迫、胃痛、又はそれらの任意の組合せを含み得る。抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体又は抗原結合フラグメントは、B型インフルエンザ、及び/又はA型インフルエンザ及び/又はC型インフルエンザ等の他のインフルエンザに関する1つ又は複数の更なる治療薬とともに投与される。その組合せはB型インフルエンザ感染症を阻害又は治療するのに相乗的に作用することができる。1つ又は複数の更なる治療薬には、例えばノイラミニダーゼ阻害剤、血球凝集素阻害剤、抗炎症剤、又はそれらの任意の組合せが含まれ得る。ノイラミニダーゼ阻害剤には、例えばザナミビル、オセルタミビル、ペラミビル、ラニナミビル、それらの任意の薬学的に許容可能な塩、又はそれらの任意の組合せが含まれ得る。
【0048】
本発明によれば、2つ以上のインフルエンザ拮抗薬を投与することができる。インフルエンザ拮抗薬の少なくとも1つがB型インフルエンザ拮抗薬を含み得る。少なくとも1つのB型インフルエンザ拮抗薬を1つ若しくは複数のA型インフルエンザ拮抗薬及び/又は1つ若しくは複数のC型インフルエンザ拮抗薬と組み合わせることができる。少なくとも1つのインフルエンザ拮抗薬を、インフルエンザウイルス感染症に関する1つ又は複数の更なる治療薬と組み合わせて投与することができる。1つ又は複数のインフルエンザ拮抗薬を含む2つ以上の治療薬の投与は同時投与、連続投与、又は併用投与であってもよい。したがって2つ以上の治療薬を投与する場合、同時に又は同じ方法で又は同じ用量で投与する必要はない。同時投与する場合、2つ以上の治療薬を同じ組成で又は異なる組成で投与してもよい。2つ以上の治療薬を、同じ投与経路又は異なる投与経路を用いて投与してもよい。別々に投与する場合、治療薬を互いの前又は後に投与してもよい。2つ以上の治療薬の投与の順序は変更することができる。1つ又は複数の治療薬のそれぞれの用量は経時的に変えることができる。1つ又は複数の治療薬の種類を経時的に変えることができる。複数回で(at separate times)投与する場合、2回以上の投与の間隔はどのような期間であってもよい。複数回投与する場合、期間の長さを変えることができる。2つ以上の治療薬の投与の間隔は、0秒、1秒、5秒、10秒、30秒、1分、5分、10分、15分、20分、30分、45分、1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、4時間、5時間、7.5時間、10時間、12時間、15時間、18時間、21時間、24時間、1.5日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、2週間、3週間、4週間、1ヶ月、6週間、8週間、3ヶ月、6ヶ月、1年又はそれより長くすることができる。
【0049】
2つ以上のインフルエンザ拮抗薬は、インフルエンザ感染症又はその症状、例えば発熱を治療又は軽減するのに相乗的に作用することができる。インフルエンザ拮抗薬は、1つ若しくは複数の抗インフルエンザ抗体単独であるか、又は1つ若しくは複数の他のインフルエンザ拮抗薬、例えば小型医薬品、若しくは他の抗インフルエンザ治療薬と組み合わせたものとすることができる。2つ以上の抗インフルエンザ抗体又は少なくとも1つの抗インフルエンザ抗体及び1つ若しくは複数の更なる治療薬は、B型インフルエンザウイルス感染症を治療又は軽減するのに相乗的に作用することができる。1つ又は複数の抗インフルエンザ抗体を含む2つ以上の治療薬を相乗効果のある量で投与することができる。したがって、2つ以上の治療薬の投与は同時に、連続して、又は任意の組合せで投与されるかにかかわらず、インフルエンザ感染症の1つ又は複数の症状の軽減に対して相乗効果を有し得る。一次治療薬が二次治療薬を単独で用いた場合よりも二次治療薬の有効性を大きく増大させることができるか、又は二次治療薬が一次治療薬の有効性を増大させることができるか、又はその両方であり得る。2つ以上の治療薬の投与効果は、インフルエンザ感染症の1つ又は複数の症状の軽減に対する効果がそれぞれを単独で投与した場合の相加効果よりも大きくなるようなものであり得る。相乗効果のある量で与えた場合、その量の1つ又は複数の治療薬単独では、インフルエンザ感染症の1つ又は複数の症状に対して実質的な効果がなくとも、1つの治療薬がインフルエンザ感染症の1つ又は複数の症状の軽減に対する1つ又は複数の他の治療薬の有効性を高めることができる。相乗効果の測定及び算出は、Methods in Molecular Medicine, vol.85: Novel Anticancer Drug Protocols, pp.297-321 (2003)におけるTeicher, "Assaysfor In Vitro and In Vivo Synergy,"に記載のように、及び/又はCalcuSynソフトウェアを用いて併用指数(combination index)(CI)を算出することによって行うことができる。
【0050】
本発明は、ヒト被験体におけるヒトB型インフルエンザ感染症を阻害又は治療する薬剤の製造への本発明の抗ヒトB型インフルエンザウイルスモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントの使用を提供する。本発明はヒト被験体においてヒトB型インフルエンザを検出する方法も提供する。該方法はヒト被験体由来のサンプルを本発明の抗ヒトB型インフルエンザウイルスヒト抗体又はその抗原結合フラグメントと接触させることを含み得る。該方法は、抗体がヒトB型インフルエンザウイルスの血球凝集素(HA)タンパク質に結合するか否かに基づき、ヒト被験体におけるヒトB型インフルエンザウイルスの有無を検出することを更に含み得る。本発明は、本発明の抗ヒトインフルエンザウイルスヒト抗体又はその抗原結合フラグメントと、薬理学的に許容可能な担体とを含有する医薬組成物を更に提供する。本発明は、本発明の抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントを備える、ヒト被験体におけるヒトB型インフルエンザの予防、治療及び検出の少なくとも1つのためのキットを更に提供する。該キットは医薬組成物及び/又は1つ若しくは複数の付加的なB型インフルエンザ拮抗薬若しくは他の拮抗薬を備え得る。
【0051】
正確な製剤設計、投与経路及び投与量は、患者の状態を鑑みて個々の医師が選択することができる(例えばFingl et. al., in The Pharmacological Basis of Therapeutics, 1975, Ch.1 p.I.を参照されたい)。担当医は毒性又は臓器機能不全に起因して、投与の終了、中断又は調整の時期を決定することができる。反対に担当医は、臨床応答が毒性の起こらない不十分なものであった場合に、治療をより高いレベルに調整することもできる。対象の障害の管理における投与用量(magnitude of an administrated dose)は治療対象の障害の重症度及び投与経路によって変わる。障害の重症度は、例えば標準的な予後評価法によって一部評価することができる。用量及び投与頻度は、個々の患者の年齢、体重及び応答に従って変えることができる。上述されるものと同等のプログラムを獣医学において使用することができる。
【0052】
本発明の実施に対して開示された本明細書の化合物を全身投与に適した剤形(dosages)で配合するのに薬学的に許容可能な担体を使用することは本発明の範囲内である。適切な担体の選択及び好適な製造の実施によって、本発明に関連する組成物、特に溶液として配合されるものを静脈注射等により非経口投与することができる。該化合物は、当該技術分野で既知の薬学的に許容可能な担体を用いて、経口投与に適した剤形で容易に配合することができる。かかる担体によって、本発明に関連する化合物を、治療対象の患者による経口摂取のために錠剤、丸薬、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、錠剤、糖衣錠、溶液剤、懸濁剤等として配合することが可能となる。
【0053】
治療剤は、時間及び体内の場所に応じた、投与した体内への放出の制御が可能となるようにデポ形態で調製することができる(例えば米国特許第4,450,150号を参照されたい)。デポ形態の治療剤は、例えば治療剤と、ポリマー等の多孔質又は非多孔質の材料とを含有する埋め込み型組成物とすることができ、ここでは治療剤が該材料によってカプセル封入されているか、又は該材料にわたって及び/又は非多孔質材料の分解によって分散されている。次いでデポ剤を体内の所望の場所に埋め込み、治療剤を所定の速度でインプラントから放出させる。
【0054】
本発明で使用される治療剤は、担体と治療化合物とを含有する医薬組成物等の組成物として形成することができる。治療剤を含有する医薬組成物には、2つ以上の治療剤が含まれていてもよい。代替的に、医薬組成物は治療剤を他の薬学的に活性な作用物質又は薬物とともに含有していてもよい。
【0055】
担体は任意の好適な担体であり得る。例えば、担体は薬学的に許容可能な担体であり得る。医薬組成物に関して、担体は溶解性及び活性化合物(複数の場合もあり)に対する反応性の喪失等の物理化学的性質(considerations)、並びに投与経路を考慮して慣例的に使用されるもののいずれであってもよい。下記の医薬組成物に加えて又はその代わりに、本発明の方法の治療化合物をシクロデキストリン包接錯体等の包接錯体又はリポソームとして配合することができる。
【0056】
本明細書に記載の薬学的に許容可能な担体、例えばビヒクル、アジュバント、賦形剤及び希釈剤は当業者に既知であり、一般に容易に入手可能である。薬学的に許容可能な担体は、活性剤(複数の場合もあり)に対して化学的に不活性であり、使用条件下で有害な副作用又は毒性を有しないものであり得る。担体の選択は、特定の治療剤、及び治療化合物を投与するのに使用される特定の方法によって一部行うことができる。本発明の医薬組成物の多様な好適な配合物が存在する。経口投与、エアロゾル投与、非経口投与、皮下投与、経皮投与、経粘膜投与、腸内投与、髄内注射、直接心室内投与、静脈内投与、鼻腔内投与、眼内投与、筋肉内投与、動脈内投与、髄腔内投与、腹腔内投与、直腸投与及び膣内投与用の下記配合物は例示的なものであり、これらに限定されるものでは決してない。2つ以上の経路を、治療剤を投与するのに使用することができ、場合によっては、特定の経路によって、別の経路よりも迅速かつ効果的な応答がもたらされてもよい。治療対象の特定の障害に応じて、かかる作用物質を配合して、全身又は局所投与することができる。配合法及び投与法は、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th ed., Mack Publishing Co., Easton, Pa. (1990)に見ることができる。
【0057】
経口投与に適した配合物は、(a)液体溶液、例えば水、生理食塩水又はオレンジジュース等の希釈剤に溶解させた有効量の阻害剤、(b)それぞれが固体又は顆粒として所定量の活性成分を含有する、カプセル剤、サシェ剤、錠剤、ロゼンジ剤及びトローチ剤、(c)粉末剤、(d)適切な液体の懸濁液、並びに(e)好適なエマルションを含み得る。液体配合物は、薬学的に許容可能な界面活性剤が添加された又は添加されていない、水並びにアルコール、例えばエタノール、ベンジルアルコール及びポリエチレンアルコール等の希釈剤を含み得る。カプセル形態は、例えば界面活性剤、滑沢剤、並びにラクトース、スクロース、リン酸カルシウム及びコーンスターチ等の不活性フィラーを含有する、通常の硬殻又は軟殻ゼラチン型のものであり得る。錠剤形態は、ラクトース、スクロース、マンニトール、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、アルギン酸、微結晶性セルロース、アカシア、ゼラチン、グアーガム、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、及び他の賦形剤、着色剤、希釈剤、緩衝剤、崩壊剤、湿潤剤、防腐剤、香味剤、並びに他の薬理学的に相溶性の賦形剤の内の1つ又は複数を含み得る。ロゼンジ形態は、風味剤、通常スクロース及びアカシア又はトラガカント中に阻害剤と、不活性基剤、例えばゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びアカシア、エマルション、ゲル等に阻害剤を含有する芳香錠とを含むことができ、さらに加えて当該技術分野で知られるような賦形剤を含むことができる。
【0058】
口腔に使用することができる医薬製剤としては、ゼラチンでできた押し込み型カプセル、及びゼラチンとグリセロール又はソルビトール等の可塑剤とでできた密封型軟カプセルが挙げられる。押し込み型カプセルは、ラクトース等のフィラー、デンプン等の結合剤、及び/又はタルク又はステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、並びに任意に安定剤と混合して活性成分を含有し得る。軟カプセルでは、活性化合物は脂肪油、流動パラフィン又は液体ポリエチレングリコール等の好適な液体中に溶解又は懸濁し得る。それに加えて、安定剤を添加してもよい。
【0059】
治療剤は、単独で又は他の好適な構成成分と組み合わせて、吸入投与用のエアロゾル配合物にすることができる。これらのエアロゾル配合物を、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素等の許容可能な高圧ガスに組み入れることができる。これらのエアロゾル配合物を、ネブライザ又はアトマイザ内のように非加圧製剤用の医薬品として配合することもできる。かかる噴霧配合物を粘膜へと噴霧するのに使用することもできる。局所配合物は当業者にとって既知である。かかる配合物は、本発明では皮膚への塗布に特に適している。
【0060】
注射用配合物は本発明に準拠するものである。注射用組成物に効果的な医薬担体のパラメータは、当業者にとって既知である(例えばPharmaceutics and Pharmacy Practice, J. B. Lippincott Company, Philadelphia, PA, Banker and Chalmers, eds., pages238250 (1982)、及びASHP Handbook on Injectable Drugs, Toissel, 4th ed., pages622-630(1986)を参照されたい)。注射では、本発明の作用物質を、水溶液中で、好ましくはハンクス液、リンガー液、又は生理食塩緩衝液等の生理学的に相溶性の緩衝液中で配合することができる。かかる経粘膜投与では、障壁に浸透するのに適した浸透剤を配合物に使用する。かかる浸透剤は当該技術分野において一般的に知られている。
【0061】
非経口投与に適した配合物には、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤及び溶質を含有し得る、配合物を対象となるレシピエントの血液に対して等張にする水性及び非水性の等張滅菌注射溶液と、懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤及び防腐剤を含み得る、水性及び非水性の滅菌懸濁液とが含まれ得る。治療剤を、薬学的に許容可能な界面活性剤、例えば石鹸若しくは洗浄剤、懸濁化剤、例えばペクチン、カルボマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース若しくはカルボキシメチルセルロース、又は乳化剤、及び他の薬学的アジュバントを添加して又は添加せずに、医薬担体中の生理学的に許容可能な希釈剤、例えば水、生理食塩水、水性デキストロース及び関連する糖溶液、アルコール、例えばエタノール若しくはヘキサデシルアルコール、グリコール、例えばプロピレングリコール若しくはポリエチレングリコール、ポリ(エチレングリコール)400、グリセロール、ジメチルスルホキシド、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール等のケタール、エーテル、油、脂肪酸、脂肪酸エステル若しくはグリセリド、又はアセチル化脂肪酸グリセリドを含む、滅菌液又は液体混合物中で投与することができる。
【0062】
非経口配合物に使用することができる油としては、石油、動物油、植物油又は合成油が挙げられる。油の具体例としては、落花生油、大豆油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、ワセリン(petrolatum)及び鉱油が挙げられる。非経口配合物での使用に適した脂肪酸としては、オレイン酸、ステアリン酸及びイソステアリン酸が挙げられる。オレイン酸エチル及びミリスチン酸イソプロピルが、好適な脂肪酸エステルの例である。
【0063】
非経口配合物での使用に適した石鹸としては、脂肪酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩及びトリエタノールアミン塩が挙げられ、好適な洗浄剤としては、(a)例えばジメチルジアルキルアンモニウムハライド及びアルキルピリジニウムハライド等のカチオン性洗浄剤と、(b)例えばアルキル、アリール及びオレフィンのスルホン酸塩、アルキル、オレフィン、エーテル及びモノグリセリドの硫酸塩、並びにスルホコハク酸塩等のアニオン性洗浄剤と、(c)例えば脂肪族アミンオキシド、脂肪酸アルカノールアミド及びポリオキシエチレンポリプロピレンコポリマー等の非イオン性洗浄剤と、(d)例えばアルキル−β−アミノプロピオネート及び2−アルキル−イミダゾリン第四級アンモニウム塩等の両親媒性洗浄剤と、(e)それらの混合物とが挙げられる。
【0064】
非経口配合物は、溶液中に約0.5重量%〜約25重量%の薬物を含有し得る。防腐剤及び緩衝液を使用することができる。注射部位の炎症を最小限に抑える又は取り除くために、かかる組成物に、親水性親油性バランス(HLB)が約12〜約17の1つ又は複数の非イオン性界面活性剤が含有されていてもよい。かかる配合物中の界面活性剤の量は通常、約5重量%〜約15重量%の範囲である。好適な界面活性剤としては、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、例えばソルビタンオレイン酸モノエステルと、プロピレンオキシドとプロピレングリコールとの縮合により形成される、エチレンオキシドと疎水性塩基との高分子量付加物とが挙げられる。非経口配合物は、アンプル及びバイアル等の単回用量又は複数回用量の密封容器内に与えることができ、使用の直前に注射するのに滅菌液体賦形剤、例えば水を添加することしか要求されないフリーズドライ(凍結乾燥)条件下で保存することができる。即席注射溶液及び懸濁液を、先に記載された種類の滅菌粉末、顆粒及び錠剤から調製することができる。
【0065】
治療剤を乳化基剤又は水溶性基剤等の多様な基剤と混合することによって坐剤にすることができる。膣内投与に適した配合物を、活性成分の他に当該技術分野において適切であることが知られているような担体を含有する、ペッサリー、タンポン、クリーム、ジェル、ペースト、泡沫又は噴霧配合物として与えることができる。
【0066】
細胞内投与用の作用物質を、当業者に既知の技法を用いて投与することができる。例えば、かかる作用物質をリポソーム内にカプセル封入することができる。リポソームは水性内部を備える球状脂質二重層である。リポソーム形成時に水溶液中に存在する分子が水性内部に組み込まれる。リポソーム内容物は外部の微小環境から保護されるとともに、リポソームが細胞膜と融合することにより、細胞質へと効率的に送達される。さらにその疎水性に起因して、有機小分子を細胞内に直接投与することができる。本発明の一態様に記載される材料及び方法を本発明の他の態様に用いることもできる。例えば、スクリーニングアッセイでの使用について記載されている核酸又は抗体等の材料も治療剤として用いることができ、その逆もまた同様である。
【0067】
本発明は、任意の順序及び/又は任意の組合せでの以下の態様/実施形態/特徴を包含する:
1. 本発明は、ヒトB型インフルエンザウイルスに対する中和活性を備える抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントであって、該モノクローナル抗体がヒトモノクローナル抗体又はヒト化モノクローナル抗体を含む、抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。
2. 上記モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントが、少なくともB/Florida/4/2006株、B/Shanghai/361/2002株、B/Johannesburg/5/1999株、B/Yamanashi/166/1998株、及びB/Mie/1/1993株に対する中和活性を有する、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメント。
3. 上記モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントが、少なくともB/Florida/4/2006株、B/Shanghai/361/2002株、B/Johannesburg/5/1999株、B/Yamanashi/166/1998株、B/Mie/1/1993株、B/Malaysia/2506/04株、B/Shandong/7/1997株、及びB/Victoria/2/1987株に対する中和活性を有する、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメント。
4. 上記ヒトモノクローナル抗体が、B型インフルエンザウイルス感染症を患うヒト由来の末梢血単核球(PBMC)を、効率的な細胞融合を可能とする融合パートナー細胞と融合させることによって作製されるハイブリドーマにより産生される、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の抗ヒトインフルエンザウイルスヒトモノクローナル抗体。
5. 上記B型インフルエンザウイルスが、B/Florida/4/2006株、B/Shanghai/361/2002株、B/Johannesburg/5/1999株、B/Yamanashi/166/1998株、B/Mie/1/1993株、B/Malaysia/2506/04株、B/Shandong/7/1997株、及びB/Victoria/2/1987株の内の少なくとも1つを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の抗ヒトインフルエンザウイルスヒトモノクローナル抗体。
6. 上記融合パートナー細胞がSPYMEG細胞である、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の抗ヒトB型インフルエンザウイルスヒトモノクローナル抗体。
7. IgG、Fab、Fab’、F(ab’)2、scFv、又はdsFvを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の抗ヒトB型インフルエンザウイルスモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメント。
8. 配列番号1、配列番号7又は配列番号13を含む第1のアミノ酸配列を有する第1の相補性決定領域(CDR1)と、
配列番号2、配列番号8又は配列番号14を含む第2のアミノ酸配列を有する第2の相補性決定領域(CDR2)と、
配列番号3、配列番号9又は配列番号15を含む第3のアミノ酸配列を有する第3の相補性決定領域(CDR3)と、
を含む、重鎖可変領域と、
配列番号4、配列番号10又は配列番号16を含む第4のアミノ酸配列を有する第1の相補性決定領域(CDR1)と、
配列番号5、配列番号11又は配列番号17を含む第5のアミノ酸配列を有する第2の相補性決定領域(CDR2)と、
配列番号6、配列番号12又は配列番号18を含む第6のアミノ酸配列を有する第3の相補性決定領域(CDR3)と、
を含む、軽鎖可変領域と、
を含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメント。
9. 上記第1のアミノ酸配列が配列番号1を含み、上記第2のアミノ酸配列が配列番号2を含み、上記第3のアミノ酸配列が配列番号3を含み、上記第4のアミノ酸配列が配列番号4を含み、上記第5のアミノ酸配列が配列番号5を含み、上記第6のアミノ酸配列が配列番号6を含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメント。
10. 上記抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体が抗体5A7を含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメント。
11. 上記第1のアミノ酸配列が配列番号7を含み、上記第2のアミノ酸配列が配列番号8を含み、上記第3のアミノ酸配列が配列番号9を含み、上記第4のアミノ酸配列が配列番号10を含み、上記第5のアミノ酸配列が配列番号11を含み、上記第6のアミノ酸配列が配列番号12を含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメント。
12. 上記抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体が抗体3A2を含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメント。
13. 上記第1のアミノ酸配列が配列番号13を含み、上記第2のアミノ酸配列が配列番号14を含み、上記第3のアミノ酸配列が配列番号15を含み、上記第4のアミノ酸配列が配列番号16を含み、上記第5のアミノ酸配列が配列番号17を含み、上記第6のアミノ酸配列が配列番号18を含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメント。
14. 上記抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体が抗体10C4を含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメント。
15. 任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の抗ヒトインフルエンザウイルスヒトモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントと、薬理学的に許容可能な担体とを含む、医薬組成物。
16. 任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の抗ヒトインフルエンザウイルスヒトモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントを含む、ヒト被験体におけるヒトB型インフルエンザの予防、治療及び検出の少なくとも1つのためのキット。
17. ヒト被験体においてヒトB型インフルエンザ感染症を阻害又は治療する方法であって、治療的に有効な量の任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の抗ヒトB型インフルエンザウイルスモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントをヒト被験体に投与することを含む、方法。
18. 患者をB型インフルエンザ感染症と診断することを更に含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のヒト被験体においてヒトB型インフルエンザ感染症を阻害又は治療する方法。
19. B型インフルエンザ感染症の少なくとも1つの症状の軽減をモニタリングすることを更に含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のヒト被験体においてヒトB型インフルエンザ感染症を阻害又は治療する方法。
20. 上記少なくとも1つの症状が、発熱、頭痛、疲労、悪寒、不快感、筋肉痛、関節痛、鼻閉、咽頭痛、咳、呼吸窮迫若しくは胃痛、又はそれらの任意の組合せを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のヒト被験体においてヒトB型インフルエンザ感染症を阻害又は治療する方法。
21. 請求項1に記載の抗ヒトインフルエンザウイルスヒトモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントを、B型インフルエンザに関する1つ又は複数の更なる治療薬とともに投与する、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のヒト被験体においてヒトB型インフルエンザ感染症を阻害又は治療する方法。
22. 上記組合せがB型インフルエンザ感染症の阻害又は治療に相乗的に作用する、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のヒト被験体においてヒトB型インフルエンザ感染症を阻害又は治療する方法。
23. 上記1つ又は複数の更なる治療薬が、ノイラミニダーゼ阻害剤、血球凝集素阻害剤、抗炎症剤、又はそれらの任意の組合せを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のヒト被験体においてヒトB型インフルエンザ感染症を阻害又は治療する方法。
24. 上記ノイラミニダーゼ阻害剤が、ザナミビル、オセルタミビル、ペラミビル、ラニナミビル、それらの任意の薬学的に許容可能な塩、又はそれらの任意の組合せを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様のヒト被験体においてヒトB型インフルエンザ感染症を阻害又は治療する方法。
25. ヒト被験体においてヒトB型インフルエンザ感染症を阻害又は治療する薬剤の製造への任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の抗ヒトB型インフルエンザウイルスヒトモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントの使用。
26. ヒト被験体においてヒトB型インフルエンザを検出する方法であって、
上記ヒト被験体由来のサンプルを、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の抗ヒトB型インフルエンザウイルス抗体又はその抗原結合フラグメントに接触させることと、
上記抗体がヒトB型インフルエンザウイルスの血球凝集素(HA)タンパク質に結合するか否かに基づき、上記ヒト被験体におけるヒトB型インフルエンザウイルスの有無を検出することと、
を含む、方法。
27. 抗ヒトB型インフルエンザウイルスヒトモノクローナル抗体を作製する方法であって、
B型インフルエンザウイルス感染症を患うヒト由来の末梢血単核球(PBMC)を、効率的な細胞融合を可能とする融合パートナー細胞と融合させることによってハイブリドーマを作製することと、
上記ハイブリドーマから抗ヒトインフルエンザウイルスモノクローナル抗体を得ることと、
を含む、方法。
28. 上記B型インフルエンザウイルスが、B/Florida/4/2006株、B/Shanghai/361/2002株、B/Johannesburg/5/1999株、B/Yamanashi/166/1998株、B/Mie/1/1993株、B/Malaysia/2506/04株、B/Shandong/7/1997株、及びB/Victoria/2/1987株の内の少なくとも1つを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の抗ヒトB型インフルエンザウイルスヒトモノクローナル抗体を作製する方法。
29. 上記融合パートナー細胞がSPYMEG細胞である、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の抗ヒトインフルエンザウイルスヒトモノクローナル抗体を作製する方法。
30. 任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の方法によって作製される抗ヒトインフルエンザウイルスヒトモノクローナル抗体。
【0068】
本発明は、文及び/又は段落に記載のような上記及び/又は下記のこれらの様々な特徴又は実施形態の任意の組合せを包含し得る。本明細書に開示される特徴の任意の組合せは本発明の一部とみなされ、組合せ特徴に関しては限定されないことが意図される。
【0069】
本発明を以下の実施例により更に明らかにするが、これは本発明の例示を意図するものであり、限定するものではない。ヒト材料は、大阪大学微生物病研究所の治験審査委員会による認可を受けたプロトコル(#19−8−6)を用いて回収した。動物試験は大阪大学微生物病研究所において適用される実験動物の管理及び使用に関する規則及び指針(laws and guidelines for the care and use of laboratory animals)に基づき実施した。これらの動物実験は、2006年の日本の文部科学省の管轄下にある研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針(Fundamental Guidelines for the Proper Conduct of Animal Experimentand Related Activities in Academic Research Institutions)に規定されているように、大阪大学微生物病研究所の動物実験委員会による認可を受けた(#H21−24−0)。国立感染症研究所及び田村慎一博士(国立感染症研究所)よりウイルス株の提供を受けた。福良夏子、浅井あづさ(Azusa Asai)、佐々木正大及び渡邊洋平から有益な助言及び技術援助を受けた。データは平均±平均の標準誤差(SEM)で表す。統計分析はスチューデントt検定によって行った。0.05未満のP値を有意であるとみなした。
【0070】
8つのB型インフルエンザワクチン株(B/Victoria/2/1987、B/Mie/1/1993、B/Shandong/7/1997、B/Yamanashi/166/1998、B/Johannesburg/5/1999、B/Shanghai/361/2002、B/Malaysia/2506/2004及びB/Florida/4/2006)、及びマウス適合株B/Ibaraki/2/1985を使用した。B/Malaysia/2506/2004株及びB/Florida/4/2006株は国立感染症研究所(日本、東京)から無償で提供された。マウス適合B/Ibaraki/2/1985株は国立感染症研究所の田村慎一博士より提供された(Chen et al., Vaccine 19:1446-1455)。ウイルスをメイディンダービーイヌ腎臓(MDCK)細胞又は9日齢の孵化鶏卵のいずれかで増殖させた。感染力をフォーカス形成アッセイにより滴定した。
【実施例】
【0071】
本発明を以下の実施例により更に明らかにするが、これは本発明の例示を意図するものであり、限定するものではない。
【0072】
実施例1
ヒトモノクローナル抗体(HuMAb)を、Kubota-Koketsu et al., Biochemical and Biophysical Research Communications 387:180-185 (2009)に記載の手法に従って準備した。健常なボランティアに、A/Brisbane/59/2007(H1N1)株、A/Uruguay/716/2007(H3N2)株及びB/Florida/4/2006株を含むHAスプリットワクチンの接種を行った。1週間〜2週間後、ワクチン接種を受けた人由来のPBMCとSPYMEG細胞とを融合させ、スクリーニング及びクローニング後、5A7、3A2及び10C4と指定されたHuMAbを産生する3つのハイブリドーマクローンを樹立した。HuMAbの反応性をIFA及びウェスタンブロッティングによって試験した。
【0073】
簡潔に述べると、10mlの血液を、2008/2009年の冬期にA/Brisbane/59/2007、A/Uruguay/716/2007及びB/Florida/4/2006(一般財団法人阪大微生物病研究会、日本、香川)を含む三価HAスプリットワクチンを接種した健常なボランティアから採取した後、PBMCを、Ficoll−Paque Plus(GE Healthcare、スウェーデン、ウプサラ)による密度勾配遠心分離により回収した。マウス骨髄腫細胞株SP2/0−Ag14及びヒト巨核芽球細胞株MEG−01から樹立したSPYMEG細胞を融合パートナー細胞として使用した。SPYMEG細胞はヒト及びネズミ免疫グロブリン非分泌細胞である。ポリエチレングリコール#1500(Roche Diagnostics、ドイツ、マンハイム)を用いて、PBMCとSPYMEG細胞とを融合させた。融合細胞を、15%ウシ胎児血清及びヒポキサンチン−アミノプテリン−チミジンが添加されたダルベッコ変法イーグル培地(DMEM;Invitrogen、カルフォルニア州カールスバッド)中で培養した。インフルエンザウイルスに特異的なMAbに対する1回目のスクリーニングを免疫蛍光アッセイ(IFA)により行った。IFAについては、感染細胞を、無水エタノールを用いて固定した後、ハイブリドーマ上清と37℃で30分間反応させ、その後FITC結合抗ヒトIgGとともに37℃で45分間インキュベートした。特異的なMAb陽性ウェル内の細胞を限界希釈によりクローニングした後、IFAにより2回目のスクリーニングを行った。1ウェルに付き単一コロニーを含むIFA陽性ウェルから回収したハイブリドーマ細胞を、Hybridoma−SFM(Invitrogen)中で培養及び増殖した。MAbを、HiTrap Protein G HPカラム(GE Healthcare)を用いたアフィニティクロマトグラフィーによって100mlのハイブリドーマ培養上清から精製した後、Slide−A−Lyzer(商標)透析カセット(Thermo Scientific、マサチューセッツ州ウォルサム)を用いてリン酸緩衝生理食塩水(PBS)へと透析させた。
【0074】
IgGアイソタイピングについては、ELISAマイクロプレート(Maxsorp;Nunc、デンマーク、コペンハーゲン)を、4℃で一晩0.05Mの重炭酸ナトリウム緩衝液(pH8.6)中のヤギ抗ヒトIgG(Jackson ImmunoResearch Laboratories, Inc、ペンシルバニア州ウェストグローブ)で被覆した。0.1% Tween−20を含むPBSで洗浄した後、ウェルを、PBS中の0.5% BSAを用いて37℃で1時間ブロッキングした。もう一度洗浄した後、ウェルをハイブリドーマ上清又は対照血清とともに37℃で2時間インキュベートした。更に洗浄した後、ウェルをHRP結合抗ヒトIgG1、IgG2、IgG3又はIgG4(SouthernBiotech、アラバマ州バーミンガム)とともに37℃で1時間インキュベートした。ウェルを5回洗浄した後、暗所、室温でTMBペルオキシダーゼ基質(KPL、メリーランド州ゲイサーズバーグ)とともにインキュベートした。20分後、反応を2N H2SO4溶液によって停止させた。発色をELISA光度計(Biotek ELISA Reader;Biotek、バーモンド州ウィヌースキ)において450nmで読み取った。全てのサンプルを三重で測定した。
【0075】
HuMAb可変領域のシークエンシングについては、RNeasyミニキット(Qiagen)を用いてハイブリドーマから抽出した総RNAに対して、PrimeScript RT試薬キット(タカラバイオ株式会社、日本、滋賀)をオリゴ(dT)プライマーとともに使用してRT−PCRを行った。HuMAbのH鎖及びL鎖のコーディング領域を、下記のプライマー:5'-ATGGAGTTTGGGCTGAGCTGGGTT-3'(H鎖−フォワード)(配列番号19)及び5'-CTCCCGCGGCTTTGTCTTGGCATTA-3'(H鎖−リバース)(配列番号20);並びに5'-ATGGCCTGGRYCYCMYTCYWCCTM-3'(L鎖−フォワード)(配列番号21)及び5'-TGGCAGCTGTAGCTTCTGTGGGACT-3'(L鎖−リバース)(配列番号22)を用いてPCRにより増幅させた。PCR産物をpGEM−T Easyベクター(Promega)へとライゲートして、その配列を、BigDye Terminator v3.1 Cycle Sequencing Kit及びABI Prism 3100 Genetic Analyzer(Applied Biosystems、カルフォルニア州フォスターシティ)を用いて分析した。
【0076】
T Easyベクターを用いてH鎖及びL鎖の可変領域遺伝子とともに構築したIgGプラスミドに対して、制限酵素部位及びKozak配列を付加するのに下記プライマーセットを用いてPCRを行った(制限酵素部位を下線処理している):5'-ATTTGCGGCCGCCATGGAGTTTGGGCTGAG-3'(HC_5Fw_NotI;H鎖−フォワード)(配列番号23)及び5'-ATACTCGAGGGTGCCAGGGGGAAGACCGATG-3'(HC_Reverse_XhoI;H鎖−リバース)(配列番号24);並びに5'-ATTTGCGGCCGCCATGGCCTGGGCTCTGCT-3'(5A7Lambda_18Fw_NotI;L鎖−フォワード)(配列番号25)及び5'-ATACTCGAGGGCGGGAACAGAGTGACCGTGG-3'(Lambda_Reverse_XhoI;L鎖−リバース)(配列番号26)。H鎖及びL鎖のコーディング領域のPCR産物を制限酵素、Not I及びXho Iによって消化した後、それぞれγ鎖及びλ鎖のヒト免疫グロブリン定常領域を有する発現ベクター、pQCXIP−hCH及びpQCXIH−hC λ(MBL)にライゲートした。
【0077】
3つ全てのHuMAbがB型インフルエンザウイルスにおけるHAタンパク質と反応した(表1)。5A7及び10C4 HuMAbはIgG1アイソタイプであり、3A2はIgG3であった(表1)。3つのHuMAbのV
H領域及びV
L領域のシークエンシング分析から、それぞれが、相補性決定領域(CDR)を含む抗原性領域に異なるアミノ酸残基を含んでいたことが明らかとなった(表2及び表3)。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
HuMAbの中和活性を下記のように求めた。ウイルス中和(VN)アッセイを、Okuno et al. 28:1308-1313 (1990)に従って僅かに変更を加えて実施した。100mcg/mlの濃度のMAbを、最小必須培地(MEM;Invitrogen)を用いて4倍で段階希釈して、200フォーカス形成単位(FFU)のウイルスとともに37℃で1時間インキュベートした。次いで、MDCK細胞にこの混合物を37℃で1時間吸着させた。12時間インキュベートした後、細胞を固定して、IFAを行った。ウイルス成長を50%阻害するMAbの最小濃度をVN
50力価と指定した。フォーカス形成アッセイでは、96ウェルプレート内のMDCK細胞に、10倍で段階希釈したウイルスを37℃で1時間吸着させた。次いで細胞をPBSで洗浄して、37℃で12時間インキュベートした。細胞を固定して、IFAを行った。
【0082】
VNアッセイを3つのHuMAbに対して行った。HuMAb 5A7は3A2及び10C4と比べてVN
50が低かった(6.25mcg/ml〜25mcg/ml)が、5A7は、1985年〜2006年にかけて単離されたYamagata系統及びVictoria系統を中和した。HuMAb 3A2及び10C4のVN
50はYamagata系統については0.02mcg/ml〜6.25mcg/mlであったが、3A2で僅かに中和されたマウス適合B/Ibaraki/2/1985を除いてVictoria系統をほとんど中和しなかった(表4)。3つのHuMAbによる中和機構を明らかにするために、更にHIアッセイ及び融合阻害アッセイを行った。血球凝集素阻害(HI)アッセイでは、ウイルス力価を血球凝集アッセイによって求めた。簡潔に述べると、ウイルスをPBSで2倍で段階希釈して、0.7%(v/v)ヒトO型赤血球と混合した。室温で1時間インキュベートした後、血球凝集単位(HAU)を推定した。次に、HI滴定を下記のように行った。100mcg/mlの濃度のMAbを2倍で段階希釈して、50l当たり8HAUのウイルスサンプルと混合した。37℃で1時間インキュベートした後、混合物を0.7%(v/v)ヒト赤血球とともに室温で1時間更にインキュベートした。血球凝集を完全に阻害するMAbの最小濃度をHI力価と指定した。
【0083】
融合阻害アッセイについては、細胞間融合を以前に記載のように行った(Okuno et al., Journal of Virology 67:2552-2558)。簡潔に述べると、サル腎臓細胞株であるCV−1細胞にMOI 0.3でB/Florida/4/2006を感染させた。24時間インキュベートした後、細胞をMEMで洗浄して、その後2.5mcg/mlのアセチル化トリプシン(Sigma、ミズーリ州セントルイス)が添加されたMEM中において37℃で15分間インキュベートした。洗浄後、細胞を希釈したHuMAbとともに30分間インキュベートした。それから、細胞を10mM MES及び10mM HEPES(pH5.5)が添加されたMEMによって37℃で2分間処理した。培地を洗浄によって完全に除去した後、細胞を3時間インキュベートした。次いで細胞を無水メタノールで固定して、ギムザ(和光純薬工業株式会社、日本、大阪)で染色した。
【0084】
【表4】
【0085】
したがって、3つ全てのHuMAbがHI活性を有し、更に細胞間融合を阻害した(表4)。しかしながら、3A2及び10C4は5A7(25mcg/ml)よりも顕著に高いHI力価(0.39mcg/ml)を示した。これらの結果から、3つ全てのHuMAbが細胞膜へのウイルスの結合を阻害することが示唆される。
【0086】
実施例2
3つのHuMAbにより認識されるB/Florida/4/2006のエピトープ領域を決定するために、エスケープ突然変異体を選択した。エスケープ突然変異体はB/Florida/4/2006とHuMAbとをインキュベートすることによって選択された。エスケープ突然変異体は、以前に記載のように(Gulati et al., Journal of Virology 76:12274-12280)、僅かに修正を加えてMAbの存在下でB/Florida/4/2006を培養することによって選択された。ウイルスを、(0.0025mcg/ml〜2.5mcg/mlという最終濃度が与えられるように)10倍で段階希釈したMAbとともに37℃で1時間インキュベートした。次いでMDCK細胞にこの混合物を接種させ、0.4% BSA、抗生物質及び2mcg/mlのアセチル化トリプシンが添加されたDMEM/F−12+GlutaMAX(商標)−I中で培養した。72時間培養した後、上清を回収して、VNアッセイ及びHIアッセイを行った。VN
50及びHI力価の低下を示したウイルスサンプルに対して、HA遺伝子全体の直接シークエンシング分析を行った。
【0087】
直接シークエンシング分析は下記のように行った。QIAampウイルスRNAミニキット(Qiagen、ドイツ、ヒルデン)によって抽出したウイルスRNAに対して、下記のHAプライマーセット:5'-CAGAATTCATGAAGGCAATAATTGTACTAC-3'フォワード(配列番号27)及び5'-CTCCGCGGCCGCTTATAGACAGATGGAGCATGAAACG-3'リバース(配列番号28)を用いてワンステップRT−PCR(Platinum(商標)Taq High Fidelityを備えたSuperscript(商標)IIIワンステップRT−PCRシステム;Invitrogen)を行った。PCR産物をQiaquick PCR精製キット(Qiagen)によって精製した。電気泳動後、個別のバンドを、Qiaquickゲル抽出キット(Qiagen)を用いて抽出してシークエンシングした。
【0088】
HAプラスミドを下記のように構築した。B/Florida/4/2006のHA遺伝子をワンステップRT−PCRによって増幅して、pGEM−T Easyベクター(Promega、ウィスコンシン州マディソン)へと挿入した。突然変異型HA遺伝子及び切断型HA遺伝子を、pGEM−T easyベクターへと挿入したB/Florida/4/2006のHAプラスミドを用いて、それぞれ部位特異的突然変異誘発PCR(GeneTailor(商標)部位特異的突然変異誘発システム;Invitrogen)及び従来のPCR(Expand High Fidelity
PLUS PCRシステム;Roche)によって生成した。プラスミドをそれぞれ、発現ベクターpCAGGS/MCSIIへとサブクローニングした(Ueda et al., Journal of Virology 84:3068-3078)。発現プラスミドを、製造業者の取扱説明書に従ってlipofectamine2000(Invitrogen)を用いて、ヒト胚腎臓293T細胞へとトランスフェクトした。
【0089】
エスケープ突然変異体におけるHAタンパク質のアミノ酸配列を元のB/Florida/4/2006と比較した。
図1のアスタリスクは元のウイルスとエスケープ突然変異体とで異なるアミノ酸残基を示す。興味深いことに、3A2及び10C4のエスケープ突然変異体はそれぞれ、同一の位置194D及び196Tにアミノ酸置換を含んでいた。アミノ酸のナンバリングはシグナルペプチドから開始した(Wang et al., Journal of Virology 82:3011-3020)。これらの位置は受容体結合部位付近の190ヘリックス抗原性部位に位置している(Wang et al., Journal of Virology 82:3011-3020)。注目すべきは、段階希釈した5A7の存在下では、ウイルスを10回継代させてもエスケープ突然変異体は樹立せず、このことから5A7によって認識されるアミノ酸配列がウイルスの生存に必須であることが示唆される。HuMAb 5A7は還元条件下でのウェスタンブロッティングによってHA0タンパク質と反応し、このことから5A7が連続エピトープ(sequential epitope)を有することが示唆された。そのため、5A7のエピトープ領域を、可変長のHAセグメントを含有するHA切断ベクターを用いて更に調べた。5A7によるウェスタンブロッティングを、切断型HA発現ベクターをトランスフェクトした293T細胞において行った。HuMAb 5A7は、アミノ酸残基1〜324を含んでいた切断型HAセグメントと反応したが、残基1〜314を含むものとは反応しなかった(
図2)。これらの結果から、5A7が、HA1タンパク質のC末端付近に位置する、HAタンパク質における315〜324のアミノ酸残基、IGNCPIWVKT(配列番号44)を認識することが示唆される。特にこの領域は、B型インフルエンザウイルスにおいて高度に保存されるドメインである。
【0090】
実施例3
HuMAb 3A2はB/Shanghai/361/2002に対して低い反応性を示し、そのため更なる異なるエピトープ領域について調べた。これを行うために、HAの各種キメラ配列を、7つの残基(37位、40位、88位、131位、227位、249位、456位)が異なるB/Florida/4/2006及びB/Shanghai/361/2002から構築し、プラスミドで発現させ、293T細胞へとトランスフェクトした。293T細胞で発現したキメラHAタンパク質のIFAによって、131P及び227Sが3A2との反応に必須であることが示された(
図3)。これらの結果から、3A2のエピトープが、131位、194位、196位及び227位の残基に依存し、10C4のエピトープが194位及び196位の残基に依存するものであることが示唆される。3つのHuMAbがマッピングされているエピトープ領域を、
図4のHA三量体三次元モデルに示す。HuMAb 3A2及び10C4は、190ヘリックス抗原性部位を含む球状頭頂部を認識したが、5A7はウイルス膜と離れた軸部(stalk)領域と反応した。
【0091】
HuMAb 5A7は、ほぼ全てがA型インフルエンザウイルスのMAbを広く中和するように、HAタンパク質の軸部領域を認識する。軸部領域のアミノ酸配列は高度に保存され、このことからこのアミノ酸残基は容易には突然変異しないことが示唆される。実際、エピトープ領域におけるアミノ酸残基は、3A2又は10C4の存在下では突然変異体が迅速に発生したのに対し、ウイルスを5A7処理条件下で10回継代させても突然変異しなかった。5A7の存在下においてエスケープ突然変異体が樹立しないことは、このHuMAbを治療候補とするのに有利な点である。5A7はYamagata系統及びVictoria系統の両方に対して反応したが、VN
50に要求される濃度は3A2及び10C4よりも高かった。このような結果は、HuMAbのエピトープ領域に対する結合親和性又は物理的接近性の違いによって説明することができる。本研究では結合親和性は調べなかったが、接近性はエピトープマッピングを用いて推定することができる。HuMAb 3A2及び10C4はウイルス膜とは離れた190ヘリックス部位を認識したが、5A7のエピトープ領域は軸部領域に位置しており、このことから5A7はHAタンパク質に物理的に接近するのがより困難であることが示唆される。HuMAb構造の修飾及び結合親和性の改善によって、より良好な治療抗体が開発される。
【0092】
球状頭部を認識するMAbは強いHI活性を示すが、軸部領域に対するMAbは通常HI活性を全く示さない。このため、球状頭部に対するMAbが受容体結合工程を阻害し、軸部領域に対するMAbがウイルス複製における融合工程を阻害すると考えられる。受容体結合部位付近の球状頭部の190ヘリックスを認識するHuMAb 3A2及び10C4は実際、強いHI活性を有しており、このことからこれらのHuMAbが受容体との結合を阻害することが示唆された。驚くべきことに、5A7も弱いHI活性を示し、このことから5A7も結合工程を阻害することが示唆された。これに起因して、5A7がウイルス膜とは離れた軸部領域を認識し、HI活性を示さないMAbは軸部のより近接位置を認識すると考えられる。3つ全てのHuMAbは融合阻害活性も示す。HAタンパク質に結合するHuMAbは低いpHに応じたHAの構造的変化を二次的に妨げることができた。
【0093】
実施例4
B型インフルエンザウイルス感染症の受動伝達治療法としての5A7の活性をマウスで調べた。受動伝達実験において、感染前、マウスに、ペントバルビタールナトリウムの腹腔内投与によって麻酔をかけた(Somnopentyl;共立製薬株式会社、日本、東京)。日本SLC株式会社の6週齢のBALB/c雌マウスを使用した。マウスに25mcl(マイクロリットル)のマウス適合B/Ibaraki/2/1985ウイルスを致死用量(2.5×10
4FFU/マウス)でチャレンジした4時間、24時間、48時間又は72時間後、5mg/kg、10mg/kg又は15mg/kgのHuMAbを腹腔内に与えた。マウスを毎日秤量して、出発体重の60%まで落ちたら屠殺した。感染肺におけるウイルスを滴定するのに、B/Ibaraki/2/1985又はB/Florida/4/2006をそれぞれ、2.5×10
4FFU/マウス又は5.0×10
3FFU/マウスで感染させた。肺を感染後3日目及び6日目に回収して、肺ホモジネート中のウイルス力価をフォーカス形成アッセイによって決定した。
【0094】
マウスを、致死用量のマウス適合B/Ibaraki/2/1985でチャレンジした4時間後に5mg/kg、10mg/kg又は15mg/kgの5A7で腹腔内処理した。生存率及び体重変化を毎日チェックして、体重が出発体重の60%未満まで落ちたら、マウスを屠殺した。ウイルスに対する完全治療有効性を試験した5A7の各用量で確認した(
図5)。体重変化は10mg/kg又は15mg/kgの5A7で処理した群において特に軽度であった(
図6)。10mg/kgの5A7で処理したマウスにおいて、肺中のウイルス負荷を、マウス適合B/Ibaraki/2/1985又はB/Florida/4/2006で感染後3日目及び6日目に滴定した。ウイルス力価は両ウイルス感染症の未処理対照と比較して5A7処理マウスで有意に低かった(
図7)。最後に、マウスに致死用量のマウス適合B/Ibaraki/2/1985でチャレンジした4時間、24時間、48時間又は72時間後に10mg/kgの5A7を腹腔内に与え、生存率及び体重変化をモニタリングした。感染の4時間後に注入した場合、5A7処理は完全治療有効性を示した。注目すべきことに、感染の24時間後に5A7で処理した群のマウスのほとんどが生存していた。その上、感染の48時間より後に5A7で処理した場合であっても一部のマウスは生存した(
図8及び
図9)。これらの結果から、5A7はB型インフルエンザウイルス感染症に対する治療薬として開発の見込みがあることが示唆される。
【0095】
他のウイルス株ではin vivoで数回継代してもマウスにとって致死にならないことから、マウス適合B/Ibaraki/2/1985を、受動伝達実験において生存率及び体重変化の動態を調べるのに使用した。HuMAb 5A7は、感染の72時間後に投与した場合であってもマウス適合B/Ibaraki/2/1985によるチャレンジに対してマウスを保護したが、5A7はin vitroではマウス適合B/Ibaraki/2/1985に対して最低の感受性を示していた。これらの結果から、5A7は広範なB型インフルエンザウイルスに対して治療有効性を有することが示唆され、実際マウス適合B/Ibaraki/2/1985及びB/Florida/4/2006の両方の肺ウイルス力価が5A7処理条件下で有意に低減した。
【0096】
実施例5
CHO−K1由来の5A7の中和有効性をin vitroで調べた。5A7をCHO−K1細胞において合成し、B型インフルエンザウイルスに対する中和有効性を調べた。CHO−K1細胞を、pQCベクター中の5A7の完全長可変領域遺伝子でトランスフェクトして、5A7を分泌する安定した細胞株(5A7/CHO−K1)を樹立した。哺乳動物細胞を用いた安定発現のために、CHO−K1細胞を、5% CO
2下、10%ウシ胎児血清を含むDMEM中において37℃で培養した。6ウェルプレート(Corning、ニューヨーク州コーニング)で成長させた細胞を、Lipofectamine2000トランスフェクション試薬(Invitrogen)を用いたpQCXIP−hCH発現ベクター及びpQCXIH−hC λ発現ベクターでのトランスフェクションに使用した。トランスフェクトした細胞を、5% CO
2下、1mcg/mlのピューロマイシン及び100mcg/mlのハイグロマイシンを含むDMEM中において37℃で3週間インキュベートした。次いで細胞を15cmの試験皿(Corning)に再プレーティングし、インキュベートして、コロニーを摘出し、IgGを安定して発現する推定細胞株として培養した。15cmの試験皿上での集密度(confluence)90%の形質転換体の培地を無血清栄養素混合F−12ハム培地(Sigma)へと交換した後、細胞を5% CO
2下、37℃で1週間培養した。組換えIgGを、HiTrap Protein G HPカラムを用いて培養培地から精製した。精製したIgGをPBSに対して透析した後、Amicon超遠心フィルター(Millipore、マサチューセッツ州ビルリカ)を用いて濃縮した。in vitroウイルス中和試験を、精製した5A7/CHO−K1を用いて行い、調べたウイルス株の両方(B/Florida/4/2006及びB/Malaysia/2506/2004)に対して中和活性を見出した。注目すべきことに、5A7/CHO−K1の中和活性はハイブリドーマによって産生された5A7のものと同程度であった(
図10)。
【0097】
実施例6
HuMab 5A7、3A2及び10C4に対して表面プラズモン共鳴分析を行い、それらの結合親和性を調べた。各HuMabをセンサチップの表面に固定化した。12.5nM、25nM、50nM、100nM及び200nM濃度のワクチン抗原であるB/Florida/4/2006のHaタンパク質をチップ表面に連続して注入して、会合段階及び解離段階をモニタリングした。5A7に関するKD値は、HAからの解離が困難であったことから正確に算出することができなかった(表5)。
【0098】
【表5】
【0099】
3つのHuMAbのV
H領域及びV
L領域の配列を、NCBIデータベースのIgBlastソフトウェアを用いて最近接生殖系列配列と比較分析した。これらの3つのHuMAbは、3A2及び10C4のV
H領域のDを除いて異なる生殖系列由来のものであった(
図11〜
図13)。
【0100】
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出願人らはこの開示における全ての引用文献の内容全体を具体的に援用している。さらに、量、濃度又は他の値若しくはパラメータが範囲、好ましい範囲、又は好ましい上限値と好ましい下限値とのリストのいずれかとして与えられる場合、これは範囲が別々に開示されているかに関わらず、任意の範囲上限又は好ましい値と、任意の範囲下限又は好ましい値との任意の組合せからなるあらゆる範囲を具体的に開示するものと理解されるものとする。数値の範囲が本明細書で言及されている場合、特に指定のない限り、範囲はその端点、並びに範囲内の全ての整数及び少数を含むことが意図される。本発明の範囲は、範囲を規定する場合に言及された特定の値に限定することは意図されない。
【0101】
本発明の他の実施形態は、本明細書の検討、及び本明細書に開示される本発明の実施により当業者にとって明らかとなるであろう。本明細書及び実施例は例示的なものにすぎず、本発明の真の範囲及び趣旨は添付の特許請求の範囲及びその均等物により示されることが意図される。