(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記切り欠き部は、前記フレキシブル基板の第2方向における一方の側と他方の側とで、互いにずれて設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の発光装置。
前記発光素子は、前記フレキシブル基板の第2方向における一方の側と他方の側とで、互いにずれて配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発光装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本実施形態に係る発光装置100について説明する。ただし、以下に示す形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明を以下に限定するものではない。また、各図面が示す部材の位置や大きさ等は、説明を明確にするため誇張していることがある。同一の名称、符号については、原則として同一もしくは同質の部材を示しており、重複した説明は省略する場合がある。
【0010】
図1に発光装置100の分解斜視図を示す。
図2は
図1におけるフレキシブル基板の先端部分を拡大した平面図であり、
図3は発光装置100の短手方向における断面図である。また、
図4は発光装置100の回路図である。
なお、
図3において、発光素子10の配置が容易に理解できるように、本来は同一断面上にない2つの発光素子10を同一断面上に示している。
【0011】
各図に示すように、発光装置100は、第1方向(長手方向)D1に長く(内壁が第1方向D1に延在し)、湾曲可能な管体50と、第1方向D1に長く(延在し)、管体50に収容されたフレキシブル基板20と、フレキシブル基板20に実装された複数の発光素子10と、を備える。フレキシブル基板20は、第1方向と垂直をなす第2方向(短手方向)D2の両側(当該短手方向の両方の端部側)に、第1方向に並び且つ発光素子10が実装された複数の突出部30を有する。フレキシブル基板20は、突出部30が管体50の内壁で挟持されることにより湾曲している。
なお、本明細書において、第1方向D1とは、
図2、
図6、
図7(a)および
図8に矢印で示す2つの方向(
図2、
図6、
図7(a)および
図8の左右方向)を含む概念であり、第2方向D2とは、
図2、
図6、
図7(a)および
図8に矢印で示す2つの方向(
図2、
図6、
図7(a)および
図8の上下方向)を含む概念である。
【0012】
発光装置100では、フレキシブル基板20が管体50の内壁に挟持されることで(すなわち、フレキシブル基板20は、突出部30が管体50の内壁と接触することにより、管体50の内壁に挟持されている。)、管体50を湾曲させても各発光素子10の光出射面が意図しない方向に向くことを抑制でき、所望の発光状態を維持することができる。また、フレキシブル基板20自体が第2方向に湾曲しており(より詳細には、
図3に示すように、第2方向D2の両端部間の距離が短くなり、フレキシブル基板20が、管体50の内壁に近づくように、第1方向D1および第2方向D2に略垂直な方向に突き出た凸部を形成するように湾曲している)、第2方向D2の両側にそれぞれ発光素子10が配置されているので、広い配光特性とすることができる。なお、フレキシブル基板20は第2方向D2の両側それぞれに複数の突出部30を有している(つまり、フレキシブル基板20の第2方向D2のそれぞれの側において、第1方向に隣接する2つの突出部は離間している)ので、フレキシブル基板20を第2方向に湾曲させた状態で管体50に収容した状態であっても、管体50の湾曲動作を妨げることはない。
【0013】
さらに、管体50を湾曲させた際に、発光素子10がフレキシブル基板20から剥がれ落ちることを抑制できる。すなわち、
図3を参照して説明すると、例えば、紙面の手前と奥にある管体50の両側を左側あるいは右側にして湾曲させる場合(すなわち、第1方向D1に延在する管体50の第1方向D1の両端を近づけるように湾曲させる)、発光装置100が最も湾曲する領域(管体50の第1方向D1における中央部)では管体50が発光素子10を押圧するため、管体50から押圧される発光素子10がその押圧に耐えられなくなると、発光素子10がフレキシブル基板20から剥がれてしまう恐れがある。一方、本発明の発光装置100であれば、発光装置100を湾曲させた際に管体50が発光素子10を押圧しても、発光素子10は突出部30に実装されているので、突出部30が撓むことによって、発光素子10に加わる力を緩和することができる。これにより、発光素子10がフレキシブル基板20から剥がれ落ちることを抑制することができる。
【0014】
以下、発光装置100を構成する主な部材などについて説明する。
【0015】
(発光素子10)
発光素子10として、典型的にはLED(発光ダイオード)を用いることができる。L
EDとしては、半導体チップそのものでもよいし、それを筐体内に収容してパッケージ化
したものでもよい。本実施形態では、半導体チップをパッケージ化した表面実装型LED
を発光素子10として用いた。発光素子10の発光色は、白色、青色等、用途に合わせて
適宜選択すれば良い。
【0016】
(フレキシブル基板20)
フレキシブル基板20は、発光素子10等を実装するためのものであり、その表面等に
は発光素子10等を駆動させるための配線が任意に設けられている(
図1〜
図3、
図5(a)、
図5(b)および
図6では配線は不図示。
図7(a)、(b)およぶ
図8では詳細を後述するように、p側配線およびn側配線の一方のみを記載)。フレキシブル基板20は、
図2に示すように、第1方向D1に長く(第1方向D1に沿って延在し)、第1方向D1と垂直をなす第2方向D2の両側に第1方向に並び且つ発光素子10が実装された複数の突出部30を有する。すなわち、1つの態様において、
図2に示すように、フレキシブル基板20は、第2方向D2において、中心から一方の端部方向(例えば、
図2の上方向)に向けて突出する複数の突出部30と、中心から他方の端部方向(例えば、
図2の下方向)に向けて突出する複数の突出部30とを有している。
中心から一方の端部方向に向けて突出する複数の突出部30は、第1方向D1に整列して配置されている。同様に中心から他方の端部方向に向けて突出する複数の突出部30も第1方向に整列して配置されている。
中心から一方の端部方向に向けて突出する複数の突出部30のそれぞれに少なくとも1つの発光素子10が実装されている。中心から一方の端部方向に向けて突出する複数の突出部30に配置された発光素子10は、
図2に示すように、第1方向D1に沿って整列していることが好ましい。同様に、中心から他方の端部方向に向けて突出する複数の突出部30のそれぞれに少なくとも1つの発光素子10が実装されている。中心から他方の端部方向に向けて突出する複数の突出部30に配置された発光素子10は、
図2に示すように、第1方向D1に沿って整列していることが好ましい。
【0017】
本実施形態に係る実施例では、フレキシブル基板20の材料として、ポリイミドを用いた。フレキシブル基板20の第2方向D2の全長は、フレキシブル基板20を湾曲させた状態で管体50に収容するため、管体50の内径よりも長いほうが好ましい。本実施形態に係る実施例では、管体50の直径を10mmとし、フレキシブル基板20の第2方向の全長を14mmとした。また、フレキシブル基板20の第1方向D1の全長は、本実施形態に係る実施例では、1000mmとした。
【0018】
図2に示すように、第1方向に並ぶ複数の突出部30は切り欠き部40によって互いに分離されている。切り欠き部40は、第2方向D2に沿って延伸するのが好ましい。これにより、フレキシブル基板20が湾曲した状態で収容されている管体50を湾曲させた際に隣り合う突出部30の隅部同士が重なることを抑制することができ、円滑に湾曲させることができる。切り欠き部40はフレキシブル基板20の第2方向D2における一方の側と他方の側とで第1方向D1に互いにずらすことができる。すなわち、複数の切り欠き部40は、第2方向の両側で互い違い配置されている。これにより、管体50を容易に湾曲させることができると共に、湾曲させてもフレキシブル基板20が破損することを抑制することができる。すなわち、フレキシブル基板20の第2方向D2における一方の側の切り欠き部40と他方の側の切り欠き部40とを対向させると、対向する切り欠き部を結ぶフレキシブル基板の幅狭の領域に湾曲時の負荷が集中し、フレキシブル基板が破損してしまう恐れがある。これに対して、上記構成であれば、発光装置100の湾曲時の負荷がフレキシブル基板20の一部に集中することがないため、フレキシブル基板20の破損を抑制することができる。さらに、切り欠き部40が対向する場合は、幅狭の領域で熱の伝達が妨げられるので、放熱性が低下する。しかし、切り欠き部40をずらせば、幅狭の領域がなくなり、放熱性が低下することもない。
【0019】
突出部30は、突出部30に実装された発光素子10が管体50から押圧されたときに撓むことができるような形状が好ましく、例えば、矩形(第1方向D1および第2方向D2に垂直な方向からの平面視において矩形)が挙げられる。なお突出部30の形状が矩形である場合、突出部30の隅部(すなわち、突出部30が突出する先端側の角部)は、
図2に示すように面取りされていることが好ましい。これにより、フレキシブル基板20を管体50へ挿入する際に、管体50の内壁に傷をつけることなく容易に挿入することができる。また、管体50を湾曲させた際に、隣り合う突出部30の隅部同士が接触することなく管体50をより円滑に湾曲させることができる。
【0020】
管体50の湾曲のしやすさは、突出部30の幅(第1方向D1の長さ)、切り欠き部40の幅(第1方向D1の長さ)及び深さ(第2方向D2の長さ)によって異なる。すなわち、突出部30の幅が狭ければ、発光装置100を容易に湾曲させることができるが、後述する定電流回路を設けるスペースが小さくなってしまい回路設計が困難となる。反対に、突出部30の幅が広ければ、発光装置100の湾曲が困難となる。このような状況を踏まえて、突出部30の幅は、8mm〜16mmが好ましく、10mm〜14mmがより好ましい。本実施形態に係る実施例では、突出部30の幅を14mmとした。また、切り欠き部40の幅が狭すぎる(すなわち、隣り合う突出部30の距離が近すぎる)と、発光装置100を湾曲させた際に隣り合う突出部30が接触し、円滑に湾曲させることが困難となる場合がある。反対に、切り欠き部40の幅を広くしすぎると、突出部30を設けるスペースが減少し、放熱性が悪化してしまう場合がある。このような状況を踏まえて、切り欠き部40の幅は、1mm〜3mmが好ましく、1mm〜2mmがより好ましい。本実施形態に係る実施例では、切り欠き部40の幅を2mmとした。また、切り欠き部40の深さが浅すぎると突出部30が撓まないので、管体50が発光素子10を押圧する力を突出部30で緩和することができなくなってしまう。反対に、切り欠き部40が深く形成されていれば、フレキシブル基板20が湾曲した状態で収容される管体50を容易に湾曲させることができるが、切り欠き部40を深くしすぎると定電流回路の設計が困難となってしまう。このような状況を踏まえて、生産性が低下することなく本発明の作用効果を得るには、フレキシブル基板20の第2方向の全長が14mmの場合、切り欠き部40の深さは5.7mm〜8mmが好ましく、6.5mm〜7mmがより好ましい。本実施形態に係る実施例では、切り欠き部40の深さを6.5mmとした。
【0021】
切り欠き部40における最深部は、
図2に示すように曲面からなることが好ましい。切り欠き部40の最深部に角部を有すると、発光装置100を湾曲させた際にその角部から亀裂が生じ、フレキシブル基板20が破損する恐れがあるが、上記構成にすることで、亀裂の発生を抑制することができる。
【0022】
フレキシブル基板20はあらゆる方向に湾曲できるように極めて柔らかく構成されることが一般的であるが、ここでは、ある程度の硬さを有するものが好ましい。
図3に示すように発光装置100では、フレキシブル基板20が管体50の内壁で挟持されることにより湾曲するため、ある程度の硬さがないと、管体50の内壁で挟持することができない。フレキシブル基板20の硬さは、その膜厚に依存する。そこで、フレキシブル基板20がある程度の硬さを有するように、その厚さを、好ましくは40μm〜160μm、より好ましくは60μm〜140μm、さらに好ましくは80μm〜120μmとすることができる。
【0023】
(発光素子10とフレキシブル基板20との関係)
図2に示すように、発光素子10は突出部30の平面上に実装されている。ここで、発光素子10が突出部30に実装されているとは、発光素子10の少なくとも一部が突出部30に達している場合(すなわち、発光素子10の少なくとも一部分が突出部30上に配置されている場合)を含むものとする。なお、発光素子10の全部が突出部に達している場合(すなわち、発光素子10全体が突出部30上に配置されている場合)がより好ましい。
【0024】
フレキシブル基板20の第2方向D2における一方の側に実装される発光素子10は、第2方向D2における他方の側に設けられる切り欠き部40の延長線上より第1方向D1(
図2において、左右の何れかの方向)にずれていることが好ましい。フレキシブル基板20を湾曲させると、切り欠き部40が設けられた箇所が幅狭となるのでこの部位が大きく撓むが、この部位から発光素子10をずらすことによって、発光素子10の剥がれ落ちを抑制することができるからである。
【0025】
図2に示すように、発光素子10は、突出部30の第1方向における中央から第1方向D1にずれた位置に設けられていることが好ましい。これにより、発光素子10が突出部30の第1方向D1における中央の位置に実装された場合に比べて、管体50を湾曲させたときに発光素子10に加わる力を緩和することができる。これは、突出部30の第1方向D1における中央の位置よりも、中央から第1方向D1にずれた位置のほうが、発光素子10が押圧された場合に突出部30が撓みやすいからである。
【0026】
発光素子10は、突出部30の根元側(第2方向D2における中央寄り)に実装されるのが好ましい。発光素子10が突出部30の先端側(第2方向D2における端部寄り)に実装される場合、第2方向D2の両側における発光素子10の発光方向が大きく異なってしまい、輝度ムラが生じやすいからである。
【0027】
発光素子10は、
図2に示すように、フレキシブル基板20の第2方向D2における一方の側と他方の側とで、第1方向D1に互いにずれて設けられている。これにより、第1方向D1に互いにずれていない場合(すなわち、第2方向D2における一方の側に設けられる発光素子10と他方の側に設けられる発光素子10とが第2方向D2に沿った直線上に配置される場合)と比べると、発光素子同士の間隔が広がるので、発光素子同士の間の領域に発光素子10で生じる熱を効率よく放散させることができる。
【0028】
図2に示すように、フレキシブル基板20は、第1方向における端部近傍に、ケーブル80を接続するための接続部20a―1を有する。ケーブル80と接続部20a―1は、はんだ等で接続できる。ここでは、プラス側とマイナス側の一対の接続部20a―1が、フレキシブル基板20の第1方向の両端に設けられている。また、フレキシブル基板20には、トランジスタ等の電子部品60で構成される定電流回路を設けても良い(
図2では、便宜的に、定電流回路を構成する一電子部品に符号60を付している)。
【0029】
図4に、フレキシブル基板20上に構成された回路図を示す。
図4に示すように、発光装置100で用いたフレキシブル基板20には、その両端にプラス側(p側)とマイナス側(n側)からなる一対の接続部20a―1がそれぞれ設けられているが、中央部分にも二対の接続部20a−1が近接して設けられている。つまり、
図4に示すフレキシブル基板20では、それぞれが21個の発光素子10を有する2つの単位ユニットからなり、中央部分にある二対の接続部20a―1の間の所定の箇所(例えば、
図4の「切断ラインB」)でフレキシブル基板20を切断しても、切断ラインB近傍の接続部20a―1にケーブル80を接続すれば発光素子10等に導通可能となっている)。ユーザとしては、単位ユニットを基準としてフレキシブル基板20を切断して短くし、これに合わせて管体50も切断して短くすれば、発光装置100の長さを任意に調節することができる。これにより、汎用性の高い発光装置とすることができる。
なお、
図4では、定電流回路に符号90を付している。
【0030】
図5(a)は、発光装置100における、発光素子10の別の配列を示す平面図であり、
図5(b)は、発光装置100における、発光素子10の更に別の配列を示す平面図である。
図5(a)、(b)は、
図2に示す、フレキシブル基板20の一部分に相当する。従って、図中に示していないが、
図5(a)、(b)においても、図の左右方向が第1方向D1であり、図の上下方向が第2方向D2である。
【0031】
図2に示した実施形態では、発光素子10は、フレキシブル20の長手方向(第1方向D1)に沿って、2列に配置されている。そして、1つの突出部30に1つの発光素子10が配置されている。
しかし、この形態に限定されるものではなく、2列以外の数の列に配置されてよく、また、1つの突出部に2つ以上の発光素子10が配置されてよい。
図5(a)、(b)に示す実施形態では、発光素子10は、フレキシブル20の長手方向(第1方向D1)に沿って、4列に配置されている。そして、1つの突出部30に2つの発光素子10が配置されている。
【0032】
図5(a)に示す実施形態では、上述の4列のうち、第2方向の一方の端部側の中央部に近い列と他方の端部側の端部に近い列(図の上から2番目の列と4番目の列)に配置された発光素子10の長手方向(第1方向D1)の位置が一致している。さらに、第2方向の一方の端部側の端部に近い列と他方の端部側の中央部に近い列(図の上から1番目の列と3番目の列)に配置された発光素子10の長手方向(第1方向D1)の位置も一致している。
一方、
図5(b)に示す実施形態では、上述の4列のうち、第2方向の中央部に近い2列(図の上から2番目の列と3番目の列)に配置された発光素子10の長手方向(第1方向D1)の位置が一致している。さらに、第2方向の端部に近い2列(図の上から1番目の列と4番目の列)に配置された発光素子10の長手方向(第1方向D1)の位置も一致している。
なお、
図5(a)、(b)に示す実施形態においても、切り欠き部40の延長線上(点線A)に発光素子10を配置しないことが好ましい。
【0033】
(管体50)
管体50は、内部に空洞を有する筒状(チューブ状)のものであり、第1方向D1に長く湾曲可能なように構成されている。その材料としては、シリコン樹脂などの柔らかい性質を有する部材を用いることができる。管体50は透明の部材でも良いが、着色した部材を用いることもできる。例えば、発光装置100をネオン管として用いる場合、管体50を発光素子10から放出される光の色に着色させることで、昼間に発光素子10を消灯した場合であっても、夜間に発光素子10を発光した場合と同じ色を認識することができる。なお、外部から見たときに発光素子10の実装箇所だけが明るく見えるのを抑制するために、管体50に光拡散剤を混在させることもできる。
【0034】
フレキシブル基板20は、
図3に示すように、フレキシブル基板20の中央が両端より上側になるように折り曲げた(すなわち、フレキシブル基板20に実装された発光素子10が互いに離れる方向に向くように折り曲げた)状態で管体50に収容されていることが好ましい。これにより、広角な配向を得ることができる。なお、フレキシブル基板20が中央の位置で折り曲げられる角度(
図3に示すθ)は、輝度ムラが大きく生じないように適宜選択すればよい。本実施形態に係る実施例では、θを120度とした。
【0035】
フレキシブル基板20は、突出部30の先端側が管体50の内壁と接触する面積が増えるように湾曲させて突出部30の復元力によって管体50の内壁に挟持されている。これにより、接着部材を設けなくてもフレキシブル基板20を容易に管体50の内壁に挟持できる。さらに、発光素子10が、管体50の内壁に接していることが好ましい。これにより、管体50の内壁と接する面積が増えるので、発光装置100を湾曲させてもフレキシブル基板20が管体50内でずれるのを抑制することができる。
発光装置100は、一方で、フレキシブル基板20が管体50の内壁に固定されていないことから、発光装置100を曲げる(すなわち、管体50を曲げる)際に、フレキシブル基板20がある程度動くことができる。この結果、管体50を曲げてもフレキシブル基板20の方向が元の方向からずれてしまうことを抑制できる。
【0036】
なお、
図3に示す実施形態では、発光素子10が管体50の内壁に当接しているが、フレキシブル基板20の中央部(なお、ここでいう中央部は
図2における第2方向D2における中央部を意味する)は、管体50の内壁に当接していない。
しかし、これに限定されるものではない。例えば、発光素子10とフレキシブル基板20の中央部との両方が、管体50の内壁に当接してもよい。
また、
図3に示すように、発光装置100では、フレキシブル基板20の突出部30のうち発光素子10が実装されている面が管体50の内壁と当接している。すなわち、より広い面積を有する面(面の一部)を管体50の内壁に当接させることができる。このため、管体50の内壁によりフレキシブル基板20をより確実に挟持することができる。
【0037】
(キャップ70及びケーブル80)
図1に示すように、管体50の両端にはキャップ70を設けることができる。管体50の両端は典型的には開放されているが、キャップ70で両端を塞ぐことにより防水機能を持たせることができる。これにより、屋外でも使用可能な発光装置とすることができる。キャップ50には、発光素子10や電子部品60に電力を供給するためのケーブル80を貫通させており、ケーブル80は最終的にはフレキシブル基板20に設けられた接続部20a―1に接続される。ここでは、プラス側及びマイナス側からなる一対の接続端20a―1に対応して、一対のケーブルが1つのキャップを貫通するように構成されている。
【0038】
・変形例1
図6は、発光装置100の変形例に係る発光装置100Aにおけるフレキシブル基板20の先端部分を拡大した平面図である。
図6に示す要素は、特に断りがない限り、
図2に示す対応する要素と同じ構成を有してよい。
図6に示す実施形態では、フレキシブル基板20は、第2方向D2の中央部に、第1方向D1に長い切り込み部42を有している。これにより、フレキシブル基板20の湾曲が容易になり、管体50の内部により容易に挿入できる。
【0039】
切り込み部42は、好ましくは、第2方向D2における一方の端部側の切り欠き部40の延長線と、これに隣接した、第2方向における他方の端部側の切り欠き部40の延長線との間の領域(例えば、
図6の2つの延長線Aの間の領域)である。フレキシブル基板20上の配線の導通を容易に確保でき、かつフレキシブル基板20をより容易に湾曲できるからである。
【0040】
・変形例2
図7(a)は、発光装置100の変形例に係る発光装置100Bにおけるフレキシブル基板20の先端部分を拡大した平面図である。
図7(b)は発光装置100Bの短手方向における断面図である。なお、
図7(b)において、発光素子10の配置が容易に理解できるように、本来は同一断面上にない2つの発光素子10を同一断面上に示している。
図7(a)に示す要素は、特に断りがない限り、
図2に示す対応する要素と同じ構成を有してよい。
【0041】
図7(a)、(b)に示す実施形態では、フレキシブル基板20の上に形成されている配線22の幅(第2方向D2の長さ)が発光素子10の第2方向D2の長さと同じかそれ以上となっている。
これにより、発光素子10の全体(または大部分)を配線22上に配置できる。配線22は、例えば、銅のような金属膜から形成されており、優れた熱伝導性を有する。このため、発光素子10の発熱をより容易に拡散できる。
【0042】
配線22は、プラス側(p側)配線およびマイナス側(n側)配線の一方として機能する。プラス側(p側)配線およびマイナス側(n側)配線の他方については、
図7(a)、(b)には図示していないが、通常、配線22よりも狭い幅を有してフレキシブル基板20上に配置されている。
なお、配線22は、発光素子10を実装する部分以外の部分を樹脂等からなる保護層により覆ってもよい。保護層により、短絡等を防止できる。好ましい保護層の構成として、配線22側から順に、配線22に接着するための接着層と、例えばポリイミド等樹脂から成るカバー層と、白色等の顔料を含むコーティング層と、を含む構成を例示できる。
【0043】
・変形例3
図8は、発光装置100Bの変形例に係る発光装置100Cにおけるフレキシブル基板20の先端部分を拡大した平面図である。
発光装置100Cは、フレキシブル基板20の第2方向D2の長さ(とりわけ突出部30の第2方向D2の長さ)が、発光装置100Bと比べて長い以外は、発光装置100Bと同じ構成を有してよい。
発光装置100Cでは、突出部30の第2方向D2の長さが長いことにより、第2方向D2において、端部側に発光素子10が形成されていない領域をより広く形成できる。このため、突出部30のより広い領域が管体50の内壁に接触できる。この結果、管体50の内壁により、より確実にフレキシブル基板20を挟持できる。
フレキシブル基板20の第2方向D2の全長が28mmの場合、好ましい、突出部30の第2方向D2の長さとして、13mm〜14mmを例示できる。