(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6173313
(24)【登録日】2017年7月14日
(45)【発行日】2017年8月2日
(54)【発明の名称】ウエハ背面のプラズマ支援デチャックを備えた静電チャック
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20170724BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20170724BHJP
H02N 13/00 20060101ALI20170724BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
H02N13/00 D
【請求項の数】20
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-521654(P2014-521654)
(86)(22)【出願日】2012年7月10日
(65)【公表番号】特表2014-522103(P2014-522103A)
(43)【公表日】2014年8月28日
(86)【国際出願番号】US2012046066
(87)【国際公開番号】WO2013012612
(87)【国際公開日】20130124
【審査請求日】2015年7月9日
(31)【優先権主張番号】13/185,968
(32)【優先日】2011年7月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100097146
【弁理士】
【氏名又は名称】下出 隆史
(72)【発明者】
【氏名】シング・ハーミート
【審査官】
宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−010477(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/031589(WO,A1)
【文献】
特開2004−047511(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0087793(US,A1)
【文献】
特開2006−156938(JP,A)
【文献】
特開2006−032821(JP,A)
【文献】
特開平06−188305(JP,A)
【文献】
特開2008−004815(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/3065
H02N 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理チャンバ内の下側電極に組み込まれた静電チャック上に静電荷によって保持されたウエハをデチャックする方法であって、
静電クランプ電圧を前記静電チャックに印加することによって、前記プラズマ処理チャンバ内の前記静電チャックの支持面上にウエハをクランプする工程と、
前記ウエハにプラズマ処理を受けさせつつ、5Torrより高い圧力の熱伝導ガスを前記ウエハの下側に供給する工程と、
前記プラズマ処理チャンバ内のプラズマを消して、1ないし10Torrの圧力の前記熱伝導ガスを供給する工程と、
前記静電クランプ電圧の印加をオフする工程と、
前記静電チャックの空洞内でデチャックプラズマを形成して、前記ウエハの前記下側および前記静電チャックの前記支持面の電荷を前記デチャックプラズマで中和する工程と、
デチャックの間、前記空洞内の前記デチャックプラズマの維持を補助するために、RF電力を前記ウエハに印加する工程と
を備える方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記熱伝導ガスはヘリウムであり、前記デチャックプラズマは、前記空洞の両側に配置された一対の電極に電力を印加することによって形成される方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、前記空洞は、長方形の断面を有する連続的な環状空洞であり、高さの少なくとも2倍の幅を有し、前記空洞と前記静電チャックの前記支持面との間に伸びる複数の垂直ガス通路と流体連通している方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、前記一対の電極は、前記空洞の内周に沿った内側電極と、前記空洞の外周に沿った外側電極とを含む方法。
【請求項5】
請求項2に記載の方法であって、前記デチャックプラズマは、前記熱伝導ガスをプラズマに点火するのに十分な直流電力を前記電極に印加しつつ、前記熱伝導ガスをイオン化状態に維持するのに十分な高周波電力を前記電極に供給することによって形成される方法。
【請求項6】
請求項2に記載の方法であって、前記下側電極は、前記静電チャックの下に温度制御されたベースプレートを備え、前記デチャックプラズマは、前記熱伝導ガスをプラズマに点火するのに十分な直流電力を前記電極に印加しつつ、前記熱伝導ガスをイオン化状態に維持するのに十分な高周波電力を前記ベースプレートに供給することによって形成される方法。
【請求項7】
プラズマ処理チャンバ内の下側電極に組み込まれた静電チャック上に静電荷によって保持されたウエハをデチャックする方法であって、
静電クランプ電圧を前記静電チャックに印加することによって、前記プラズマ処理チャンバ内の前記静電チャックの支持面上にウエハをクランプする工程と、
前記ウエハにプラズマ処理を受けさせつつ、5Torrより高い圧力の熱伝導ガスを前記ウエハの下側に供給する工程と、
前記プラズマ処理チャンバ内のプラズマを消して、1ないし10Torrの圧力の前記熱伝導ガスを供給する工程と、
前記静電クランプ電圧の印加をオフする工程と、
前記静電チャックの空洞内でデチャックプラズマを形成して、前記ウエハの前記下側および前記静電チャックの前記支持面の電荷を前記デチャックプラズマで中和する工程と、
を備え、
前記熱伝導ガスはヘリウムであり、前記デチャックプラズマは、前記空洞の両側に配置された一対の電極に電力を印加することによって形成され、
前記一対の電極は、内側電極および外側電極を含み、前記内側電極は、前記空洞の内周の内側に配置された少なくとも1つの垂直導体によって相互接続された平行かつ平坦な上側および下側の内側リングを備え、前記内側リングは、前記空洞の内側部分の上下に配置された外側部分を備え、前記外側電極は、前記空洞の外周の外側に配置された少なくとも1つの垂直導体によって相互接続された平行かつ平坦な上側および下側の外側リングを備え、前記外側リングは、前記空洞の外側部分の上下に配置された部分を備え、前記内側および外側リングは、主に半径方向に電界を生成する方法。
【請求項8】
請求項2に記載の方法であって、前記一対の電極は、平行かつ平坦な上側および下側の環状電極を含み、前記上側および下側の環状電極は、前記空洞から前記支持面まで伸びる垂直のガス通路を囲む開口部を備える方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記熱伝導ガスはヘリウムであり、前記空洞は、前記空洞から前記支持面まで伸びる複数のヘリウムガス通路と流体連通した環状空洞である方法。
【請求項10】
請求項2に記載の方法であって、前記静電チャックは二領域チャックであり、前記方法は、前記ウエハの下の内側および外側領域にヘリウムを供給して、前記ウエハのプラズマ処理中に前記内側および外側領域にわたる前記ウエハの温度を独立的に制御する工程と、前記プラズマを消した後に前記デチャックプラズマを前記内側および外側領域に供給する工程とを備える方法。
【請求項11】
プラズマ処理チャンバで利用される静電チャックアセンブリであって、
前記プラズマ処理チャンバ内で半導体のウエハを処理する際に前記ウエハを支持するためのセラミック材料層における支持面と、
前記セラミック材料層に埋め込まれた少なくとも1つの静電クランプ電極であって、静電クランプ電圧が前記静電クランプ電極に印加された時に前記支持面上の前記ウエハに静電クランプ力を印加するよう動作可能な静電クランプ電極と、
前記支持面に設けられ前記ウエハの下側に熱伝導ガスを供給する少なくとも1つの流出口と、
前記セラミック材料層に設けられた少なくとも1つのガス通路であって、所望の圧力の前記熱伝導ガスを前記少なくとも1つのガス通路に供給するよう動作可能な熱伝導ガス源に接続されているガス通路と、
前記少なくとも1つのガス通路に沿って配置された少なくとも1つの空洞およびプラズマ生成電極と
を備え、
前記プラズマ生成電極は、前記空洞内にデチャックプラズマを形成するよう動作可能であり、
デチャックの間、前記空洞内の前記デチャックプラズマの維持を補助するために、RF電力を前記ウエハに印加し、
前記デチャックプラズマは、前記ウエハの前記下側および前記静電チャックの前記支持面の電荷を中和することにより、前記ウエハおよび前記支持面の間の残留付着力を低減する効果を奏する、静電チャックアセンブリ。
【請求項12】
請求項11に記載の静電チャックアセンブリであって、前記セラミック材料層の下面は、ヒータプレートの上面に接着され、前記ヒータプレートの下面は、温度制御されたベースプレートの上面に接着され、前記プラズマ生成電極は、前記空洞の両側に配置された一対の電極を含む静電チャックアセンブリ。
【請求項13】
請求項12に記載の静電チャックアセンブリであって、前記空洞は、長方形の断面を有する連続的な環状空洞であり、高さの少なくとも2倍の幅を有し、前記空洞と前記静電チャックの前記支持面との間に伸びる複数の垂直ガス通路と流体連通している静電チャックアセンブリ。
【請求項14】
請求項13に記載の静電チャックアセンブリであって、前記一対の電極は、前記空洞の内周に沿った内側電極と、前記空洞の外周に沿った外側電極とを含む静電チャックアセンブリ。
【請求項15】
請求項12に記載の静電チャックアセンブリであって、さらに、前記一対の電極に接続された直流電源と、前記一対の電極に接続された高周波(RF)電源と、前記熱伝導ガスをプラズマに点火するのに十分な直流電力を前記電極に印加しつつ前記熱伝導ガスをイオン化状態に維持するのに十分な高周波電力を前記電極に印加することによって前記デチャックプラズマが形成されるように、前記直流電源および高周波電源からの電力の供給を制御するコントローラとを備える静電チャックアセンブリ。
【請求項16】
プラズマ処理チャンバで利用される静電チャックアセンブリであって、
前記プラズマ処理チャンバ内で半導体のウエハを処理する際に前記ウエハを支持するためのセラミック材料層における支持面と、
前記セラミック材料層に埋め込まれた少なくとも1つの静電クランプ電極であって、静電クランプ電圧が前記静電クランプ電極に印加された時に前記支持面上の前記ウエハに静電クランプ力を印加するよう動作可能な静電クランプ電極と、
前記支持面に設けられ前記ウエハの下側に熱伝導ガスを供給する少なくとも1つの流出口と、
前記セラミック材料層に設けられた少なくとも1つのガス通路であって、所望の圧力の前記熱伝導ガスを前記少なくとも1つのガス通路に供給するよう動作可能な熱伝導ガス源に接続されているガス通路と、
前記少なくとも1つのガス通路に沿って配置された少なくとも1つの空洞およびプラズマ生成電極と
を備え、
前記プラズマ生成電極は、前記空洞内にデチャックプラズマを形成するよう動作可能であり、前記デチャックプラズマは、前記ウエハの前記下側および前記静電チャックの前記支持面の電荷を中和することにより、前記ウエハおよび前記支持面の間の残留付着力を低減する効果を奏し、
前記セラミック材料層の下面は、ヒータプレートの上面に接着され、前記ヒータプレートの下面は、温度制御されたベースプレートの上面に接着され、前記プラズマ生成電極は、前記空洞の両側に配置された一対の電極を含み、
前記一対の電極は、内側電極および外側電極を含み、前記内側電極は、前記空洞の内周の内側に配置された少なくとも1つの垂直導体によって相互接続された平行かつ平坦な上側および下側の内側リングを備え、前記内側リングは、前記空洞の内側部分の上下に配置された外側部分を備え、前記外側電極は、前記空洞の外周の外側に配置された少なくとも1つの垂直導体によって相互接続された平行かつ平坦な上側および下側の外側リングを備え、前記外側リングは、前記空洞の外側部分の上下に配置された部分を備え、前記内側および外側リングは、主に半径方向に電界を生成する静電チャックアセンブリ。
【請求項17】
請求項12に記載の静電チャックアセンブリであって、前記一対の電極は、平行かつ平坦な上側および下側の環状電極を含み、前記上側および下側の環状電極は、前記空洞から前記支持面まで伸びる垂直のガス通路を囲む開口部を備える静電チャックアセンブリ。
【請求項18】
請求項11に記載の静電チャックアセンブリであって、前記熱伝導ガス源はヘリウムを前記空洞に供給し、前記空洞は、前記空洞から前記支持面まで伸びる複数のヘリウムガス通路と流体連通した環状空洞である静電チャックアセンブリ。
【請求項19】
請求項11に記載の静電チャックアセンブリであって、前記静電チャックは、前記ウエハの下の内側および外側領域に、独立的に制御された圧力でヘリウムを供給することにより、前記ウエハのプラズマ処理中に前記内側および外側領域にわたる前記ウエハの温度を独立的に制御するよう動作可能な二領域チャックであり、前記デチャックプラズマは、前記内側および外側領域に供給される静電チャックアセンブリ。
【請求項20】
請求項12に記載の静電チャックアセンブリであって、さらに、前記静電チャックの下のベースプレートと、前記一対の電極に接続された直流電源と、前記ベースプレートに接続された高周波(RF)電源と、前記熱伝導ガスをプラズマに点火するのに十分な直流電力を前記電極に印加しつつ前記熱伝導ガスをイオン化状態に維持するのに十分な高周波電力を前記ベースプレートに印加することによって前記デチャックプラズマが形成されるように、前記直流電源および高周波電源からの電力の供給を制御するコントローラとを備える静電チャックアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電チャック設計およびウエハのデチャック方法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
真空チャンバ(プラズマエッチングチャンバなど)内でのウエハの処理中にウエハをクランプするための様々なチャック構成が開発されてきた。デチャック動作中のウエハおよびチャックの間の残留付着力が1つの課題である。したがって、この付着の問題を解決するチャックの設計およびデチャック方法の改良が求められている。
【発明の概要】
【0003】
プラズマ処理チャンバ内の下側電極に組み込まれた静電チャック上に静電荷によって保持されたウエハをデチャックする方法が開示されている。その方法は:静電クランプ電圧を静電チャックに印加することによって、プラズマ処理チャンバ内の静電チャックの支持面上にウエハをクランプする工程と;ウエハにプラズマ処理を受けさせつつ、5Torrより高い圧力の熱伝導ガスをウエハの下側に供給する工程と;チャンバ内のプラズマを消して、1ないし10Torrの圧力の熱伝導ガスを供給する工程と;静電クランプ電圧の供給をオフする工程と;静電チャックの空洞内でデチャックプラズマを形成して、ウエハの下側および静電チャックの支持面の電荷をデチャックプラズマで中和する工程とを備える。
【0004】
また、プラズマ処理チャンバで用いる静電チャックアセンブリが開示されており、静電チャックアセンブリは:チャンバ内で半導体ウエハを処理する際にウエハを支持するための支持面と;静電クランプ電圧がクランプ電極に印加された時に支持面上のウエハに静電クランプ力を印加する少なくとも1つの静電クランプ電極と;支持面に設けられウエハの下側に熱伝導ガスを供給する少なくとも1つの流出口と;熱伝導ガス源に接続された少なくとも1つのガス通路であって、熱伝導ガス源は、所望の圧力の熱伝導ガスを少なくとも1つのガス通路に供給するよう動作可能であるガス通路と;少なくとも1つのガス通路に沿って配置された少なくとも1つの空洞およびプラズマ生成電極とを備え、プラズマ生成電極は、空洞内にデチャックプラズマを形成するよう動作可能であり、デチャックプラズマは、ウエハの下側および静電チャックの支持面の電荷を中和することにより、ウエハおよび支持面の間の残留付着力を低減する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】静電チャック(ESC)の粗いセラミック面と、ESC表面に接触したウエハ背面とを示す概略図。
【0006】
【
図2】電極を埋め込まれた上側セラミック層と、ヒータ層と、ベースプレートとを有し、セラミック層上に支持されたウエハの周縁付近にHe供給穴を備えるESCアセンブリを示す概略図。
【0007】
【
図3】電極を埋め込まれた上側セラミック層と、ヒータ層と、ベースプレートとを有し、セラミック層上に支持されたウエハの周縁付近にHe供給穴を備え、デチャックプラズマを生成するための空洞が設けられた一実施形態のESCアセンブリを示す概略図。
【0008】
【
図4】ギャップ内で放電を引き起こすのに必要なギャップにわたる最小直流(以下、DCともいう)電圧をpd(空洞内の圧力×電界の方向の空洞サイズ)の関数で示した様々なガスのパッシェン曲線のグラフ。
【0009】
【
図5】デチャックプラズマが形成される空洞の両側に内側および外側電極が配置された一実施形態のESCアセンブリを示す概略図。
【0010】
【
図6】デチャックプラズマが形成される空洞の両側に一対の上側電極および一対の下側電極が配置された一実施形態のESCアセンブリを示す概略図。
【0011】
【
図7】中央軸方向通路および複数の径方向通路から空洞にHeが供給される一実施形態のESCアセンブリを示す概略図。
【0012】
【
図8】デチャックプラズマがウエハの下の内側および外側領域に供給される一実施形態のESCアセンブリを示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
静電チャック(ESC)は、一般に、半導体製造処理中にシリコンウエハ(基板)をクランプしてウエハの温度制御を提供するために用いられる。ジョンソン−ラーベック(JR)効果に基づいたAl2O3またはAlNセラミックESC、ならびに、Al2O3クーロン力型ESCが、様々な処理装置で広く利用されている。
【0014】
ESCは、電圧(直流または交流)がESCのクランプ電極に印加されると、ウエハを保持するためのクランプ力を提供する。電圧の印加をやめると、クランプ力は、ゼロになると期待され、その後、ウエハを容易に取り除くことができる。外部から(電源を通して)印加された電界の存在下では、ウエハがコンデンサの一方の電極として機能し、他方の電極は、ESCのクランプ電極である。ウエハがクランプされている間、ウエハとESC表面との間の小さい空間/ギャップが、通例は、He(通常は、1〜100Torrの圧力)で満たされており、ウエハとESCとの間の物理的接触だけの場合と比べて、熱伝達率が向上する。
【0015】
理想的な条件下では、外部から印加される電圧が切られると、ウエハとESCとの間のクランプ力が完全に消えるが、実際の条件下では、そうはならないことが多い。例えば、静電ESCの表面上に薄膜が堆積すると、ESCの表面で電荷捕獲が起こりうる。かかる電荷は、外部から印加された電界よりも消えるのに長い時間が掛かりうるため、印加電界がオフにされた後でもウエハに対する残留付着力を引き起こしうる。エッチャ内のESC表面上の薄膜堆積は、チャンバ洗浄処理によってESC(セラミック)表面がフッ素化されることで引き起こされうる。さらに、プラズマ処理の副生成物が、ESC表面上に堆積して、電荷を捕獲する薄膜を形成しうる。
【0016】
繰り返されるウエハ処理によってESCが滑らかになることも、残留付着力につながりうる。シリコンとESCセラミックとの間の熱膨張率の差により、プラズマ熱負荷がウエハの加熱(および、その結果としてのウエハの膨張)を引き起こすと、ウエハ表面がESCセラミックと擦れ合う。処理中はウエハがクランプ力で保持されているので、長く利用すると、ウエハとEDCとの間の摩擦によってESCセラミックが大幅に滑らかになる。滑らかになったセラミックは、ウエハとESCとの間の実際の接触面積を大幅に増大させる。クランプ力は1/d2 に比例する(dは、ウエハ背面とセラミック面との間の距離)ので、ESC表面とウエハ背面との間の有効距離がさらに短くなることで、界面に存在する任意の電荷によるクランプ力が増大する。通例、距離dは、(
図1に示すように)ESCの表面粗さとおよそ等しいので、ウエハ表面上に残留電荷が存在する場合、ESC表面が滑らかであるほど、付着力が大きくなる。上述のように、残留電荷は、ESCセラミックからの少量のリーク電流またはESC表面上の薄膜による電荷捕獲が原因で生じうる。
【0017】
ウエハに対する残留付着力は、ウエハをESC表面から持ち上げる際に、ウエハの跳ね上げ、粒子の生成、さらには、ウエハの破壊など、重大な問題を引き起こしうる。
【0018】
本明細書では、ESCクランプ電圧をオフにした後のウエハに対する残留付着力を除去してロバストなデチャックを保証し、セラミックでの電荷リーク、セラミックの平滑化、セラミック表面上の薄膜の堆積に関連する問題がデチャック能力を低下させないようにする方法が開示されている。
【0019】
方法は、デチャックプラズマがウエハ背面上の電荷の中和を可能にするように、クランプ電圧がオフに切り替えられた後のデチャック工程中にのみ熱伝達ガス(Heなど)をウエハの背面に供給するための穴にプラズマを提供することを含む。
【0020】
図1は、クランプ電圧の除去後のESCの粗いセラミック表面2とウエハ4との間の残留力を示す図である。残留付着力は、ウエハをESC表面から持ち上げる際に、ウエハの跳ね上げ、粒子の生成、さらには、ウエハの破壊など、問題を引き起こしうる。
【0021】
図2は、ESCの構造を示す図であり、ESCの縁部付近の穴6が、Heをウエハの背面に供給する。ESCの表面は、クランプされたウエハが、ウエハ背面およびプラズマリアクタ内の圧力の間に、最大100Torrの圧力差を維持できるように、外縁部に1〜10mmのシール領域を有する。さらに、ESC表面は、ウエハとESC表面との間の接触面積が大幅に低減されるように、表面上に分布されたメサすなわち突起を有する。ESCセラミック層10の中には、外部電源に接続されてウエハのクランプを可能にするクランプ電極8が埋め込まれている。ESCセラミック10は、冷却プレート(ベースプレート)12上に接着されており、冷却プレートは、流体を循環させる温度制御ユニット(冷却装置)に冷却プレートを接続することによって冷却プレートの温度を制御できるように、冷却剤流路14を有する。セラミックと冷却プレートとの間の接着層16の熱抵抗は、セラミックと冷却プレートとの間の温度差がウエハへの10W/cm2 の熱流束で2℃ないし90℃になりうるように選択できる。さらに、セラミックの温度を独立的に制御するために、セラミックの中、または、セラミックと接着層との間に、ヒータ(図示せず)が埋め込まれてもよい。
【0022】
図3は、ESCのセラミック内の空洞18がHe供給穴6と連通している一実施形態を示す図である。外部DC(直流)またはAC/RF(交流/高周波)電源に接続された一対の電極20、22が、空洞18の各側に配置されている。プラズマ処理工程中、空洞18に隣接する電極20、22は、空洞18内で半径方向に電界が存在しないように、同じ電位に電気的に浮遊するように維持される。空洞18の高さは、プラズマ処理中の印加高周波(以下、RFともいう)電力が特に空洞内の高圧力(10Torr〜100Torr)によってHe流路内で放電を維持しないように選択される。さらに、プラズマ処理中のRF電流による電界は、放電を維持するのに必要な電界よりも低い。例えば、80TorrのHe圧力を有する1mmの高さの空洞は、Heのパッシェン曲線に基づくと、放電を維持するのに、空洞18の高さにわたって約1000Vの電圧降下を必要とする。
【0023】
図4は、ギャップ内で放電を引き起こすのに必要なギャップにわたる最小DC電圧をpd(空洞内の圧力×電界の方向の空洞サイズ)の関数で示した様々なガスのパッシェン曲線のグラフである。
【0024】
デチャック工程中、クランプ電極8に接続された電源は、0V(または、ウエハの条件に応じたその他の適切な電圧)に設定され、空洞18を挟んだ電極20、22に接続された外部電源は、半径方向に強い電界を提供するためにオンにされる。さらに、ウエハ背面上のHeの圧力は、Heの一部を排気することによって、適切な範囲(1ないし10Torr、好ましくは5Torr未満)に下げられる。空洞18の幅は、空洞18の周りの電極20、22への印加電界によって放電が起きえないように、空洞18内のpdがパッシェン曲線の最小値に近づくように選択される。さらに、空洞内に径方向電界が存在する状態でデチャック工程中に空洞18内で放電を維持する助けとして、低RF電力(<1000W)がウエハに印加されてもよい。空洞内の弱いプラズマ形成により、プラズマからの電荷が、縁部のシール領域においてウエハ背面およびESC表面上の任意の電荷を中和することが可能になり、それによって、任意の残留付着力が大幅に低減される。
【0025】
図5は、空洞18の各側の電極が、ビア20c、22c(接続線)によって垂直に接続された上側平坦電極20a、22aおよび下側平坦電極20b、22bを含む一実施形態を示す図である。この実施形態の利点は、
図4の円筒形の電極20、22に比べて製造が容易なことである。
【0026】
図6は、電極にわたる電圧差による電界が垂直方向になるように、上側平坦電極20a、22aおよび下側平坦電極20b、22bが空洞18の上下に配置された別の実施形態を示す図である。この例では、各電極は、He穴6の位置に開口部を備えた平坦な環形状を有する。
【0027】
図7は、セラミック10内の径方向通路6aが中央軸方向通路6bからESCのすべてのHe穴にHeを供給する
図6の実施形態を示す図である。このHe供給のための構成は、
図4および
図5のデチャック電極構成と組み合わされてもよい。
【0028】
図8は、デチャックプラズマがウエハの下の内側領域および外側領域に供給される別の実施形態を示す図である。ESCは、外側空洞18aおよび内側空洞18bを備えており、各空洞の両側にデチャック電極が配置されている。上側電極20a、22aおよび下側電極20b、22bが、外側空洞18aの上下に配置され、上側電極24a、26aおよび下側電極24b、26bが、内側空洞18bの上下に配置されている。この構成によると、内側領域および外側領域は、ウエハ背面において異なるHe圧力に維持されうる。このスキームは、ESCの縁部付近のシール領域と、ESCの外径より小さい半径の別のシール領域を用いて、2つの別個のHe領域を形成する。複数のHe領域を備えたかかる構成は、すべてのHe領域のために、周りに電極を配置されたHe空洞を利用できる。上述のように、各He空洞は、本明細書に記載した様々なデチャック電極構成を利用できる。
【0029】
デチャック工程中に1または複数のクランプ電極をウエハと同じ電位に維持することにより、流路の周りの電極からの電界が(クランプ電極からの遮蔽効果によって)ウエハのクランプを引き起こすことを防止する。
【0030】
本明細書に記載のESCは、様々なESCアセンブリと共に利用することが可能であり、ESC(セラミック層および埋め込み電極、He穴、空洞およびデチャックプラズマ電極)は、平坦な表面、メサ表面、単一領域He ESC、二領域He ESC、および、単極または双極クランプスキームを有する様々な調節可能ESCを含む。
【0031】
連続的な環状空洞18を備えるESCについて記載したが、ESCは、異なる空洞およびデチャック電極構成を備えるよう変形されてもよい。例えば、連続的な環状空洞および連続的なデチャック電極の代わりに、空洞が、より小さい部分(各He穴の周りの空洞など)に分割され、分割された空洞の両側に、分割されたデチャック電極または連続的なデチャック電極が配置される構成としてもよい。
【0032】
ESCは、以下を可能にしうる:(1)デチャック工程中にウエハ背面で制御されたプラズマを用いて、ロバストなデチャックを提供する、(2)処理工程中に背面でHeの点火を起こさずにウエハを処理する、(3)DC電界およびRF電力を併用して、ウエハ背面でHe放電を起こす、および/または、(4)デチャック背面放電を維持するために高DC電界を利用する。
【0033】
デチャック方法において、熱伝導ガスはヘリウムであり、デチャックプラズマは、空洞18の両側に配置された一対の電極に電力を印加することによって形成される。空洞18は、高さの少なくとも2倍の幅、好ましくは少なくとも5倍の幅を有する長方形の断面を持つ連続的な環状空洞である。空洞18は、空洞18と静電チャックの支持面との間に伸びる複数の垂直ガス通路6と流体連通しうる。デチャックプラズマは、熱伝導ガスをプラズマに点火するのに十分なDC電力を電極に印加しつつ、熱伝導ガスをイオン化状態に維持するのに十分な高周波(RF)電力を電極に供給することによって形成されうる。あるいは、RF電力は、ESCアセンブリのベースプレートに供給されてもよい。
【0034】
一構成例において、一対の電極は、空洞の内周に沿った内側電極と、空洞の外周に沿った外側電極とを含む。
【0035】
別の構成例において、一対の電極は、内側電極と外側電極とを含む。内側電極は、空洞の内周の内側に配置された少なくとも1つの垂直導体によって相互接続された平行かつ平坦な上側および下側の内側リングを備えており、内側リングは、空洞の内側部分の上下に配置された外側部分を備える。外側電極は、空洞の外周の外側に配置された少なくとも1つの垂直導体によって相互接続された平行かつ平坦な上側および下側の外側リングを備えており、外側リングは、空洞の外側部分の上下に配置された部分を備える。この電極構成では、内側および外側リングは、主に半径方向に電界を生成する。
【0036】
さらなる構成例において、一対の電極は、平行かつ平坦な上側および下側の環状電極を含んでおり、上側および下側の環状電極は、空洞から支持面まで伸びる垂直のガス通路を囲む開口部を備える。
【0037】
チャックが、ウエハの下の内側および外側領域にヘリウムを供給して、ウエハのプラズマ処理中に内側および外側領域にわたるウエハの温度を独立的に制御する二領域チャックである構成例では、デチャックプラズマを内側および外側領域に供給することによって、デチャックを実行できる。
本発明は、以下に示す適用例としても実施可能である。
[適用例1]プラズマ処理チャンバ内の下側電極に組み込まれた静電チャック上に静電荷によって保持されたウエハをデチャックする方法であって、
静電クランプ電圧を前記静電チャックに印加することによって、前記プラズマ処理チャンバ内の前記静電チャックの支持面上にウエハをクランプする工程と、
前記ウエハにプラズマ処理を受けさせつつ、5Torrより高い圧力の熱伝導ガスを前記ウエハの下側に供給する工程と、
前記チャンバ内の前記プラズマを消して、1ないし10Torrの圧力の前記熱伝導ガスを供給する工程と、
前記静電クランプ電圧の印加をオフする工程と、
前記静電チャックの空洞内でデチャックプラズマを形成して、前記ウエハの前記下側および前記静電チャックの前記支持面の電荷を前記デチャックプラズマで中和する工程と
を備える方法。
[適用例2]適用例1に記載の方法であって、前記熱伝導ガスはヘリウムであり、前記デチャックプラズマは、前記空洞の両側に配置された一対の電極に電力を印加することによって形成される方法。
[適用例3]適用例2に記載の方法であって、前記空洞は、長方形の断面を有する連続的な環状空洞であり、高さの少なくとも2倍の幅を有し、前記空洞と前記静電チャックの前記支持面との間に伸びる複数の垂直ガス通路と流体連通している方法。
[適用例4]適用例3に記載の方法であって、前記一対の電極は、前記空洞の内周に沿った内側電極と、前記空洞の外周に沿った外側電極とを含む方法。
[適用例5]適用例2に記載の方法であって、前記デチャックプラズマは、前記熱伝導ガスをプラズマに点火するのに十分な直流電力を前記電極に印加しつつ、前記熱伝導ガスをイオン化状態に維持するのに十分な高周波電力を前記電極に供給することによって形成される方法。
[適用例6]適用例2に記載の方法であって、前記下側電極は、前記静電チャックの下に温度制御されたベースプレートを備え、前記デチャックプラズマは、前記熱伝導ガスをプラズマに点火するのに十分な直流電力を前記電極に印加しつつ、前記熱伝導ガスをイオン化状態に維持するのに十分な高周波電力を前記ベースプレートに供給することによって形成される方法。
[適用例7]適用例2に記載の方法であって、前記一対の電極は、内側電極および外側電極を含み、前記内側電極は、前記空洞の内周の内側に配置された少なくとも1つの垂直導体によって相互接続された平行かつ平坦な上側および下側の内側リングを備え、前記内側リングは、前記空洞の内側部分の上下に配置された外側部分を備え、前記外側電極は、前記空洞の外周の外側に配置された少なくとも1つの垂直導体によって相互接続された平行かつ平坦な上側および下側の外側リングを備え、前記外側リングは、前記空洞の外側部分の上下に配置された部分を備え、前記内側および外側リングは、主に半径方向に電界を生成する方法。
[適用例8]適用例2に記載の方法であって、前記一対の電極は、平行かつ平坦な上側および下側の環状電極を含み、前記上側および下側の環状電極は、前記空洞から前記支持面まで伸びる垂直のガス通路を囲む開口部を備える方法。
[適用例9]適用例1に記載の方法であって、前記熱伝導ガスはヘリウムであり、前記空洞は、前記空洞から前記支持面まで伸びる複数のヘリウムガス通路と流体連通した環状空洞である方法。
[適用例10]適用例2に記載の方法であって、前記チャックは二領域チャックであり、前記方法は、前記ウエハの下の内側および外側領域にヘリウムを供給して、前記ウエハのプラズマ処理中に前記内側および外側領域にわたる前記ウエハの温度を独立的に制御する工程と、前記プラズマを消した後に前記デチャックプラズマを前記内側および外側領域に供給する工程とを備える方法。
[適用例11]プラズマ処理チャンバで利用される静電チャックアセンブリであって、
前記チャンバ内で半導体ウエハを処理する際に前記ウエハを支持するためのセラミック材料層における支持面と、
前記セラミック材料層に埋め込まれた少なくとも1つの静電クランプ電極であって、静電クランプ電圧が前記クランプ電極に印加された時に前記支持面上の前記ウエハに静電クランプ力を印加するよう動作可能な静電クランプ電極と、
前記支持面に設けられ前記ウエハの下側に熱伝導ガスを供給する少なくとも1つの流出口と、
前記セラミック材料層に設けられた少なくとも1つのガス通路であって、所望の圧力の前記熱伝導ガスを前記少なくとも1つのガス通路に供給するよう動作可能な熱伝導ガス源に接続されているガス通路と、
前記少なくとも1つのガス通路に沿って配置された少なくとも1つの空洞およびプラズマ生成電極と
を備え、
前記プラズマ生成電極は、前記空洞内にデチャックプラズマを形成するよう動作可能であり、前記デチャックプラズマは、前記ウエハの前記下側および前記静電チャックの前記支持面の電荷を中和することにより、前記ウエハおよび前記支持面の間の残留付着力を低減する効果を奏する静電チャックアセンブリ。
[適用例12]適用例11に記載の静電チャックアセンブリであって、前記セラミック層の下面は、ヒータプレートの上面に接着され、前記ヒータプレートの下面は、温度制御されたベースプレートの上面に接着され、前記プラズマ生成電極は、前記空洞の両側に配置された一対の電極を含む静電チャックアセンブリ。
[適用例13]適用例12に記載の静電チャックアセンブリであって、前記空洞は、長方形の断面を有する連続的な環状空洞であり、高さの少なくとも2倍の幅を有し、前記空洞と前記静電チャックの前記支持面との間に伸びる複数の垂直ガス通路と流体連通している静電チャックアセンブリ。
[適用例14]適用例13に記載の静電チャックアセンブリであって、前記一対の電極は、前記空洞の内周に沿った内側電極と、前記空洞の外周に沿った外側電極とを含む静電チャックアセンブリ。
[適用例15]適用例12に記載の静電チャックアセンブリであって、さらに、前記一対の電極に接続された直流電源と、前記一対の電極に接続された高周波(RF)電源と、前記熱伝導ガスをプラズマに点火するのに十分な直流電力を前記電極に印加しつつ前記熱伝導ガスをイオン化状態に維持するのに十分な高周波電力を前記電極に印加することによって前記デチャックプラズマが形成されるように、前記直流および高周波電源からの電力の供給を制御するコントローラとを備える静電チャックアセンブリ。
[適用例16]適用例12に記載の静電チャックアセンブリであって、前記一対の電極は、内側電極および外側電極を含み、前記内側電極は、前記空洞の内周の内側に配置された少なくとも1つの垂直導体によって相互接続された平行かつ平坦な上側および下側の内側リングを備え、前記内側リングは、前記空洞の内側部分の上下に配置された外側部分を備え、前記外側電極は、前記空洞の外周の外側に配置された少なくとも1つの垂直導体によって相互接続された平行かつ平坦な上側および下側の外側リングを備え、前記外側リングは、前記空洞の外側部分の上下に配置された部分を備え、前記内側および外側リングは、主に半径方向に電界を生成する静電チャックアセンブリ。
[適用例17]適用例12に記載の静電チャックアセンブリであって、前記一対の電極は、平行かつ平坦な上側および下側の環状電極を含み、前記上側および下側の環状電極は、前記空洞から前記支持面まで伸びる垂直のガス通路を囲む開口部を備える静電チャックアセンブリ。
[適用例18]適用例11に記載の静電チャックアセンブリであって、前記熱伝導ガス源はヘリウムを前記空洞に供給し、前記空洞は、前記空洞から前記支持面まで伸びる複数のヘリウムガス通路と流体連通した環状空洞である静電チャックアセンブリ。
[適用例19]適用例11に記載の静電チャックアセンブリであって、前記チャックは、前記ウエハの下の内側および外側領域に、独立的に制御された圧力でヘリウムを供給することにより、前記ウエハのプラズマ処理中に前記内側および外側領域にわたる前記ウエハの温度を独立的に制御するよう動作可能な二領域チャックであり、前記デチャックプラズマは、前記内側および外側領域に供給される静電チャックアセンブリ。
[適用例20]適用例12に記載の静電チャックアセンブリであって、さらに、前記静電チャックの下のベースプレートと、前記一対の電極に接続された直流電源と、前記ベースプレートに接続された高周波(RF)電源と、前記熱伝導ガスをプラズマに点火するのに十分な直流電力を前記電極に印加しつつ前記熱伝導ガスをイオン化状態に維持するのに十分な高周波電力を前記ベースプレートに印加することによって前記デチャックプラズマが形成されるように、前記直流および高周波電源からの電力の供給を制御するコントローラとを備える静電チャックアセンブリ。