(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記熱可塑性樹脂が、フェノキシ樹脂、ブチラール樹脂、セルロース樹脂、アクリル樹脂及びポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の導電性ペースト。
前記反応性希釈剤が、1,2−エポキシ−4−(2−メチルオキシラニル)−1−メチルシクロヘキサンまたは4−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテルである、請求項7に記載の導電性ペースト。
【背景技術】
【0002】
近年、銀微粒子は、電子部品の電極や回路パターンを形成するための導電性ペーストの原料として使用されている。導電性ペーストは、その取り扱いが容易であることから、実験用途や電子産業用途など、様々な用途に使用されている。
【0003】
回路パターンを形成するためには、まず、銀微粒子を含有する導電性ペーストを例えばスクリーン印刷によって基板に塗布する。次に、基板に塗布した導電性ペーストを加熱して焼成する。これにより、例えば配線幅50μm程度の回路パターンを形成することができる。
【0004】
導電性ペーストは、「高温焼成タイプ」及び「加熱硬化タイプ」の2つのタイプに大別することができる。高温焼成タイプの導電性ペーストは、550〜900℃程度の高温で処理することができる。一方、加熱硬化タイプの導電性ペーストは、室温(約20℃)〜200℃程度の比較的低温で処理することができる。加熱硬化タイプの導電性ペーストは、低温で導体を形成できることから、省エネルギーの観点から近年注目されている。
【0005】
加熱硬化タイプの導電性ペーストは、低温で硬化させることができるため、耐熱性に劣る材料への適用が可能である。
例えば、携帯電話の分野では、ポリイミド製フレキシブル回路基板が使用される。あるいは、より安価なPET(ポリエチレンテレフタラート)やPEN(ポリエチレンナフタレート)フィルム等が使用されることもある。これらの基板は耐熱性に劣るため、200℃以下の低温で硬化させることのできる加熱硬化タイプの導電性ペーストを適用することが好ましい。
また、タッチパネルや薄膜系太陽電池の分野では、基板上に金属酸化膜が形成される。金属酸化膜が形成された基板は耐熱性に劣るため、200℃以下の低温で硬化させることのできる加熱硬化タイプの導電性ペーストを適用することが好ましい。
【0006】
しかしながら、一般に、加熱硬化タイプの導電性ペーストを用いて得られた導電膜は、高温焼成タイプの導電性ペーストを用いて得られた導電膜よりも電気抵抗率が大きい(つまり導電性が低い)という問題がある。
すなわち、高温焼成タイプの導電性ペーストを加熱して得られた導電膜は、加熱によって金属粉同士が結合しているため、バルクの金属と同程度の低い電気抵抗率を有する。これに対して、加熱硬化タイプの導電性ペーストを加熱して得られた導電膜は、金属粉同士の接触によって導電路が形成されているため、比較的高い電気抵抗率を有する。
【0007】
このように、2つのタイプの導電性ペーストを加熱して得られた導電膜は、電気を導通させる機構が異なっている。
また、高温焼成タイプの導電性ペーストを加熱して得られた導電膜は、比抵抗値が1×10
−4Ω・m以下であるのに対し、加熱硬化タイプの導電性ペーストを加熱して得られた導電膜は、比抵抗値が10×10
−4Ω・m程度であり、比抵抗値が十分に低いとはいえない。
このような事情により、200℃以下の低温で熱処理が可能であり、かつ、低い電気抵抗率を有する導電膜を得ることのできる導電性ペーストが望まれている。
【0008】
低い電気抵抗率を有する導電膜を得るための方法として、導電性ペーストに含まれる金属粉同士の接触面積を大きくすることが考えられる。
導電性ペーストに含まれる金属粉同士の効率的な接触を阻害する要因として、例えば、以下の要因が考えられる。
(1)導電性ペースト中の樹脂比率が高い。
(2)導電性ペーストに含まれる金属粉の表面に酸化被膜が形成されており、この酸化皮膜が電気の導通を阻害する。
(3)導電性ペーストに含まれる金属粉の分散性が良好でない。
【0009】
特許文献1には、金属粉の表面に有機物のコート及び無機物のコートを形成することによって、金属粉の表面の耐酸化性を向上させる技術が記載されている。有機物のコートは、オレイン酸などの有機脂肪酸を含んでいる。しかしながら、特許文献1に記載された技術は、中心の金属の再結晶化を促進するために、350℃以上の高温で金属粉を加熱する必要がある。このため、特許文献1に記載された技術は、耐熱性に劣るPETフィルム等の材料に適用することはできない。
【0010】
特許文献2には、シート抵抗が低く、膜厚が2.5ミクロン以下の銀薄膜を得ることのできる銀ペーストが記載されている。この銀ペーストは、オレイン酸銀等の有機酸銀を含んでいる。しかしながら、特許文献2に記載された銀ペーストは、ペースト中に含まれる有機物を分解するために、500℃程度の高温で焼成する必要がある。このため、特許文献2に開示された銀ペーストは、耐熱性に劣るPETフィルム等の材料に適用することはできない。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の導電性ペーストは、(A)液状の脂肪酸によって表面処理された銀粉と、(B)熱硬化性樹脂及び/又は熱可塑性樹脂と、(C)希釈剤と、を含む。
あるいは、本発明の導電性ペーストは、(A)液状の脂肪酸及び固形の脂肪酸によって表面処理された銀粉と、(B)熱硬化性樹脂及び/又は熱可塑性樹脂と、(C)希釈剤と、を含む。
【0018】
本発明の導電性ペーストに含まれる銀粉の形状は、特に限定されない。銀粉は、例えば、球状、フレーク状、りん片状、針状等、どのような形状であってもよい。複数の異なる形状の銀粉を混合して用いることもできる。
【0019】
銀粉の平均粒子径は、0.015〜30μmであることが好ましい。銀粉が球状である場合、銀粉の平均粒子径は0.2〜5μmであることがより好ましい。銀粉がフレーク状である場合、銀粉の平均粒子径は5〜30μmであることがより好ましい。
銀粉の平均粒子径が上記の範囲にある場合、導電性ペーストを印刷又は塗布した後の膜の表面の状態が良好になる。また、導電性ペーストを加熱して得られた導電膜の導電性が向上する。
【0020】
本明細書において、銀粉の「平均粒子径」の定義は、以下の通りである。
銀粉が球状の場合、平均粒子径とは、粒子の直径の平均値を意味する。
銀粉がフレーク状またはりん片状の場合、平均粒子径とは、粒子の最長部の長さの平均値を意味する。
銀粉が針状の場合、平均粒子径とは、粒子の最長部の長さの平均値を意味する。
平均粒子径は、所定の数(例えば100個)の粒子の粒径を測定した結果の算出平均値として求めることができる。
【0021】
銀粉の平均粒子径は、例えば、銀粉の粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することで測定することができる。あるいは、銀粉の平均粒子径は、画像解析によって測定することもできる。
【0022】
本発明の導電性ペーストは、液状の脂肪酸によって表面処理された銀粉を含む。
あるいは、本発明の導電性ペーストは、液状の脂肪酸及び固形の脂肪酸によって表面処理された銀粉を含む。
【0023】
液状の脂肪酸とは、室温(20℃)において液状の脂肪酸のことである。
液状の脂肪酸は、融点が−20℃以上+20℃以下の脂肪酸であることが好ましい。
固形の脂肪酸とは、室温(20℃)において固形の脂肪酸のことである。
固形の脂肪酸は、融点が+20℃よりも大きい脂肪酸であることが好ましい。
【0024】
銀粉の表面処理に用いられる脂肪酸は、希釈剤に対して可溶であることが好ましい。
【0025】
本発明の導電性ペーストを加熱して得られた導電膜は、従来の導電性ペーストを加熱して得られた導電膜よりも小さい電気抵抗率を有している。その理由は、以下の通りであると考えられる。
本発明の導電性ペーストは、液状の脂肪酸によって表面処理された銀粉及び希釈剤を含む。液状の脂肪酸は、希釈剤に容易に溶解する。このため、導電性ペーストを加熱したときに、銀粉の表面に存在する脂肪酸は、希釈剤とともに容易に蒸発する。この結果、本発明の導電性ペーストを加熱して得られた導電膜は、銀粉の表面の露出している部分の面積が大きくなっており、銀粉同士の接触面積が大きくなっている。さらに、本発明の導電性ペーストを加熱して得られた導電膜は、銀粉同士の接触状態が良好であり、銀粉の少なくとも一部が融着して一体となっている場合もある。
【0026】
なお、導電性ペーストに含まれる銀粉として、脂肪酸によって表面処理していない銀粉を用いることも考えられる。しかし、このような銀粉は、樹脂との濡れ性が悪いために、導電性ペーストの原料として不適当である。
【0027】
液状の脂肪酸の例としては、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸等の飽和脂肪酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、リシノール酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸を挙げることができる。これらの脂肪酸は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中では、オレイン酸、リノール酸又はこれらの混合物を用いることが好ましい。
【0028】
本発明の導電性ペーストは、液状の脂肪酸及び固形の脂肪酸によって表面処理された銀粉を含んでもよい。
固形の脂肪酸の例としては、カプリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の炭素原子数10以上の飽和脂肪酸、クロトン酸、ソルビン酸等の不飽和脂肪酸を挙げることができる。
【0029】
固形の脂肪酸は、沸点が200℃以下であることが好ましい。沸点が200℃以下の脂肪酸を用いた場合、導電性ペーストを加熱したときに、銀粉の表面の脂肪酸が蒸発するため、銀粉の表面の露出している部分の面積がより大きくなるためである。このような脂肪酸の例として、クロトン酸を挙げることができる。
【0030】
液状の脂肪酸及び固形の脂肪酸を併用する場合には、脂肪酸の全量に対する液状の脂肪酸の割合を20質量%以上とすることが好ましい。
【0031】
本発明の導電性ペーストは、上記(A)、(B)、及び(C)成分に加えて、(A’)固形の脂肪酸のみによって表面処理された銀粉を含んでもよい。
【0032】
本発明の導電性ペーストに含まれる銀粉は、例えば、以下の(1)〜(3)の方法によって調製することができる。
(1)液状の脂肪酸によって銀粉を処理する。
(2)液状の脂肪酸と固形の脂肪酸を混合した後、この混合物によって銀粉を処理する。
(3)液状の脂肪酸及び固形の脂肪酸によって銀粉を別々に処理する。次に、液状の脂肪酸によって処理された銀粉と、固形の脂肪酸によって処理された銀粉を混合する。
上記(3)の場合、銀粉の全量に対する、液状の脂肪酸によって処理された銀粉の割合は、20質量%以上であることが好ましい。
【0033】
銀粉を脂肪酸によって処理するためには、例えば、以下の(1)〜(3)の方法を用いることができる。
(1)液状の脂肪酸に、銀粉を浸漬させる。
(2)液状の脂肪酸と固形の脂肪酸と銀粉とを混合した後に、この混合物を溶媒中で攪拌する。
(3)固形の脂肪酸と溶媒とを混合した後に、銀粉をこの混合物中で攪拌する。
前記溶媒としては、例えば、水、アルコール等の有機溶媒を用いることができる。アルコールとしては、例えばエタノールを用いることができる。
【0034】
銀粉は、ポットミルによってフレーク化したものを用いてもよい。
ポットミルによって銀粉をフレーク化するときに、ポットミルに脂肪酸を投入してもよい。これにより、銀粉をフレーク化するのと同時に、銀粉の表面を脂肪酸によって処理することができる。脂肪酸の少なくとも一部は、銀粒子の表面に物理的に吸着していると考えられる。
【0035】
銀粉の表面処理工程に用いられる脂肪酸の量は、銀粉100質量部に対して、好ましくは1〜100質量部であり、より好ましくは1〜20質量部である。
【0036】
本発明の導電性ペーストは、脂肪酸によって表面処理された銀粉を含む。導電性ペーストに含まれる脂肪酸の量は、銀粉と脂肪酸の合計量に対して0.1〜5質量%であることが好ましく、0.2〜2質量%であることがより好ましい。脂肪酸の量をこの範囲に調整することによって、より小さい電気抵抗率を有する導電膜を得ることができる。
【0037】
導電性ペーストに含まれる銀粉の量は、好ましくは75〜98質量%であり、より好ましくは80〜97質量%である。
【0038】
本発明の導電性ペーストは、バインダーとして、(B)熱硬化性樹脂及び/又は熱可塑性樹脂を含む。
【0039】
本発明に用いられる熱硬化性樹脂は、200℃以下の温度で硬化する熱硬化性樹脂であることが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、又はこれらの混合物を用いることができる。
【0040】
熱硬化性樹脂の例として、尿素樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂のようなアミノ樹脂;高分子量のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジグリシジルビフェニルのようなビフェニル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、トリス(ヒドロキシルフェニル)メタン型エポキシ樹脂のようなエポキシ樹脂;オキセタン樹脂;レゾール型フェノール樹脂、アルキルレゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、アルキルノボラック型フェノール樹脂、アラルキルノボラック型フェノール樹脂のようなフェノール樹脂;シリコーンエポキシ、シリコーンポリエステルのようなシリコーン変性樹脂;ビスマレイミド、ポリイミド樹脂等が挙げられる。ビスマレイミドトリアジン樹脂(BTレジン)も使用することができる。これらの樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0041】
本発明に用いられる熱硬化性樹脂は、常温で液状であることが好ましい。ここでいう「常温」とは、+5℃〜+35℃の温度を意味する。液状の熱硬化性樹脂を用いることによって、希釈剤の使用量を減らすことができる。
本発明に用いられる熱硬化性樹脂は、液状のエポキシ樹脂及び/又は液状のフェノール樹脂であることが好ましい。
【0042】
熱硬化性樹脂に、常温で固体の樹脂、又は、常温で超高粘性の樹脂を添加してもよい。添加する樹脂は、熱硬化性樹脂に対して相溶性を有することが好ましい。また、混合後の樹脂が流動性を有する範囲内で、熱硬化性樹脂に樹脂を添加することが好ましい。そのような樹脂の例として、高分子量のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジグリシジルビフェニルのようなビフェニル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾール型フェノール樹脂、アラルキルノボラック型フェノール樹脂が挙げられる。
【0043】
熱可塑性樹脂の例として、ノボラック型フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ブチラール樹脂、セルロース樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性のキシレン樹脂、ヒドロキシスチレン系重合体、セルロース誘導体、又は、これらのうち2種以上の混合物が挙げられる。これらの中では、フェノキシ樹脂またはブチラール樹脂が好ましい。
【0044】
導電性ペーストに含まれる熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂の量は、好ましくは1〜12質量%であり、より好ましくは1.5〜8質量%である。
【0045】
導電性ペーストに熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂の両方が含まれる場合、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の質量の比率は、1:0.02〜1:0.42であることが好ましく、1:0.05〜1:0.25であることがより好ましい。
【0046】
本発明の導電性ペーストは、(C)希釈剤を含む。
希釈剤は、導電性ペーストの粘度を調整するとともに、銀粉の表面に存在する脂肪酸を溶解させるために用いられる。
希釈剤は、導電性ペーストを加熱する際に蒸発するものであることが好ましい。つまり、希釈剤は、加熱によって導電性ペーストより除去されるものであることが好ましい。
また、希釈剤として、溶剤を用いることもできる。
【0047】
希釈剤は、導電性ペーストを加熱したときに、他の成分と反応することなく蒸発する。このことは、導電性ペーストを加熱する前後での質量の減少量を測定することによって確認することができる。
【0048】
溶剤の例として、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン等の芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン等のエーテル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類;2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン等のラクタム類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、及び、これらに対応するプロピレングリコール誘導体等のエーテルアルコール類;それらに対応する酢酸エステル等のエステル類;マロン酸、コハク酸等のジカルボン酸のメチルエステルあるいはエチルエステル等のジエステル類を挙げることができる。この中では、ブチルカルビトールが好ましい。
【0049】
導電性ペーストに含まれる(C)希釈剤として、反応性希釈剤を用いることもできる。 反応性希釈剤とは、分子中に例えばグリシジル基等の官能基を有する希釈剤である。
反応性希釈剤の例として、1,2−エポキシ−4−(2−メチルオキシラニル)−1−メチルシクロヘキサン、4−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ネオデカン酸グリシジルエステル等を挙げることができる。この中では、1,2−エポキシ−4−(2−メチルオキシラニル)−1−メチルシクロヘキサン、又は、4−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテルが好ましい。
【0050】
導電性ペーストに含まれる希釈剤の量は、好ましくは1〜25質量%であり、より好ましくは1〜15質量%である。導電性ペーストに含まれる希釈剤の量が1質量%未満の場合、十分に低い電気抵抗率を有する導電膜を得ることができないことがある。導電性ペーストに含まれる希釈剤の量が25質量%よりも大きい場合、導電性ペーストの安定性が悪化することがある。
【0051】
反応性希釈剤は、その他の希釈剤(例えばブチルカルビトールやブチルカルビトールアセテート)よりも高い粘度を有している。このため、導電性ペーストに反応性希釈剤を加えることによって、導電性ペーストを印刷に適した粘度に容易に調整することができる。また、導電性ペーストに反応性希釈剤を加えることによって、導電性ペーストを加熱して得られる導電膜の比抵抗を小さくすることができる。
【0052】
導電性ペーストをスクリーン印刷によって基板に塗布する場合、希釈剤によって導電性ペーストの常温における見かけ粘度を10〜500Pa・sに調整することが好ましい。導電性ペーストのより好ましい見かけ粘度は、15〜300Pa・sである。
【0053】
本発明の導電性ペーストは、公知の添加剤を含んでもよい。
例えば、導電性ペーストは、分散助剤を含んでもよい。
分散助剤の例として、ジイソプロポキシ(エチルアセトアセタト)アルミニウム等のアルミニウムキレート化合物;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート等のチタン酸エステル;脂肪族多価カルボン酸エステル;不飽和脂肪酸アミン塩;ソルビタンモノオレエート等の界面活性剤;ポリエステルアミン塩、ポリアミド等の高分子化合物等を挙げることができる。
【0054】
本発明の導電性ペーストは、無機顔料、有機顔料、シランカップリング剤、レベリング剤、チキソトロピック剤、及び消泡剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでもよい。
【0055】
本発明の導電性ペーストの製造方法は、
(1)液状の脂肪酸によって銀粉を表面処理する工程と、
(2)前記銀粉、熱硬化性樹脂及び/又は熱可塑性樹脂、及び、希釈剤を混合する工程と、を含む。
【0056】
本発明の導電性ペーストの製造方法は、
(1)液状の脂肪酸及び固形の脂肪酸によって銀粉を表面処理する工程と、
(2)前記銀粉、熱硬化性樹脂及び/又は熱可塑性樹脂、及び、希釈剤を混合する工程と、を含む。
【0057】
前記(2)の工程において、さらに、(A’)固形の脂肪酸のみによって表面処理された銀粉を混合してもよい。
【0058】
本発明の導電性ペーストは、銀粉、熱硬化性樹脂及び/又は熱可塑性樹脂、及び、希釈剤を含む。これらの成分は、ライカイ機、プロペラ撹拌機、ニーダー、ロール、ポットミル等の装置によって均一に混合することができる。これらの成分を混合する際の温度は、10〜40℃であることが好ましい。
【0059】
本発明の導電性ペーストは、スクリーン印刷等の公知の手法によって基板に塗布することができる。導電性ペーストを基板に塗布した後、導電ペーストを加熱して導電膜を形成することができる。
【0060】
導電性ペーストがバインダとして熱硬化性樹脂を含む場合、導電性ペーストの加熱温度は、好ましくは60〜200℃であり、より好ましくは60〜150℃である。この場合、導電性ペーストの加熱時間は、作業性の観点から、1〜60分が好ましい。
【0061】
導電性ペーストがバインダとして熱硬化性樹脂を含む場合、導電性ペーストを加熱する前に乾燥させてもよい。
【0062】
基板に塗布された導電性ペーストの厚みは、好ましくは10〜200μmであり、より好ましくは20〜100μmである。
【0063】
導電性ペーストがバインダとして熱可塑性樹脂を含む場合、導電性ペーストを例えば80〜160℃で加熱して導電膜を形成することができる。または、導電性ペーストを常温で乾燥させて導電膜を形成することもできる。
【0064】
本発明の導電性ペーストを加熱するか、又は乾燥させることによって、導電膜を形成することができる。この導電膜によって、電子部品の電極や回路パターンを形成することができる。
【0065】
本発明の導電性ペーストは、セラミック基板だけでなく、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の耐熱性の低い材料からなる基板に適用することも可能である。
また、本発明の導電性ペーストは、耐熱性の低い金属酸化膜が形成された太陽電池の基板に適用することも可能である。
【実施例】
【0066】
以下、本発明の実施例及び比較例について説明する。
【0067】
実施例1〜13及び比較例1〜4では、以下の表1〜表3に示す配合比によって導電性ペーストを調製した。
そのために、導電性ペーストの原料として、銀粉a、銀粉b、銀粉c、銀粉d、銀粉e、銀粉fの6種類の銀粉を用意した。
【0068】
(銀粉a)
表面処理の方法:オレイン酸によって表面処理
粒子の形状:フレーク状
平均粒径:7μm
BET比表面積:0.662m
2/g
タップ密度:5.33g/cm
3
イグロス値(強熱減量):0.56%
【0069】
(銀粉b)
表面処理の方法:銀粉1000gとオレイン酸20gをポットミルにて混合
粒子の形状:フレーク状
平均粒径:10μm
BET比表面積:0.776m
2/g
タップ密度:5.13g/cm
3
イグロス値(強熱減量):0.53%
【0070】
(銀粉c)
表面処理の方法:オレイン酸及びパルミチン酸の1:1(質量比)の混合物によって表面処理
粒子の形状:フレーク状
平均粒径:3μm
BET比表面積:0.708m
2/g
タップ密度:4.88g/cm
3
イグロス値(強熱減量):0.59%
【0071】
(銀粉d)
表面処理の方法:銀粉1000gと、ステアリン酸20gと、エタノール100gとの混合物をポットミルにて攪拌して銀粉の表面処理を行った。
粒子の形状:フレーク状
平均粒径:3μm
BET比表面積:1.007m
2/g
タップ密度:4.76g/cm
3
イグロス値(強熱減量):0.48%
【0072】
(銀粉e)
表面処理の方法:銀粉1000gを、オレイン酸20gをエタノール100gに溶解させた溶液に浸漬させて銀粉の表面処理を行った。
粒子の形状:球状
平均粒径:0.3μm
BET比表面積:0.635m
2/g
タップ密度:1.32g/cm
3
イグロス値(強熱減量):1.98%
【0073】
(銀粉f)
表面処理の方法:銀粉1000gを、ステアリン酸20gと、エタノール100gとの混合物に浸漬し、ディゾルバーにて攪拌して銀粉の表面処理を行った。
粒子の形状:球状
平均粒径:0.3μm
BET比表面積:1.095m
2/g
タップ密度:1.13g/cm
3
イグロス値(強熱減量):1.98%
【0074】
上記に示した銀粉a〜fの物性値は、以下の手順で測定した。
BET比表面積は、市販の測定器(島津製作所社製フロソーブII)を用いて測定した。
タップ密度は、タッピングマシン(蔵持科学器械製作所社製)を用いて測定した。
イグロス値(強熱減量)は、銀粉を800℃で30分間焼成した後の残分の質量から算出した。
イグロス値は、銀粉の表面に存在する脂肪酸の量(質量%)を示している。例えば、銀粉aでは、銀粉の表面に存在するオレイン酸の質量が、銀粉及びオレイン酸の合計量に対して、0.56%である。銀粉cでは、銀粉の表面に存在するオレイン酸及びパルミチン酸の質量が、銀粉、オレイン酸、及びパルミチン酸の合計量に対して、0.59%である。
【0075】
つぎに、実施例1〜13及び比較例1〜4に係る導電性ペーストを調製した。
【0076】
(実施例1)
反応容器に、銀粉aを95質量部、フェノール樹脂を1.58質量部、エポキシ樹脂を2.68質量部、ブチラール樹脂を0.24質量部、カルボキシ末端アクリロニトリル・ブタジエン共重合体を0.40質量部、硬化促進剤を0.10質量部、及び、希釈剤としてブチルカルビトール4.97質量部を投入した。つぎに、これらの混合物を25℃でハイブリッドミキサーにて15秒撹拌した。これにより、実施例1に係る導電性ペーストを調製した。
【0077】
(実施例2)
銀粉aの代わりに銀粉bを用いた以外は、実施例1と同様の手順により、実施例2に係る導電性ペーストを調製した。
【0078】
(実施例3)
反応容器に、銀粉aを98質量部、フェノール樹脂を0.63質量部、エポキシ樹脂を1.07質量部、ブチラール樹脂を0.10質量部、カルボキシ末端アクリロニトリル・ブタジエン共重合体を0.16質量部、硬化促進剤を0.04質量部、及び、希釈剤としてブチルカルビトール1.99質量部を投入した。つぎに、これらの混合物を25℃でハイブリッドミキサーにて15秒撹拌した。これにより、実施例3に係る導電性ペーストを調製した。
【0079】
(実施例4)
銀粉aの代わりに銀粉bを用いた以外は、実施例3と同様の手順により、実施例4に係る導電性ペーストを調製した。
【0080】
(実施例5)
反応容器に、銀粉aを24.25質量部、銀粉fを72.75質量部、フェノール樹脂を0.95質量部、エポキシ樹脂を1.61質量部、ブチラール樹脂を0.15質量部、カルボキシ末端アクリロニトリル・ブタジエン共重合体を0.23質量部、硬化促進剤を0.06質量部、及び、希釈剤としてブチルカルビトール2.99質量部を投入した。つぎに、これらの混合物を25℃でハイブリッドミキサーにて15秒撹拌した。これにより、実施例5に係る導電性ペーストを調製した。
【0081】
(実施例6)
銀粉fの代わりに銀粉eを用いた以外は、実施例5と同様の手順により、実施例6に係る導電性ペーストを調製した。
【0082】
(実施例7)
反応容器に、銀粉aを94.00質量部、フェノキシ樹脂(数平均分子量1,180)を6.00質量部、及び、希釈剤としてブチルカルビトール14.00質量部を投入した。つぎに、これらの混合物を25℃でハイブリッドミキサーにて15秒撹拌した。これにより、実施例7に係る導電性ペーストを調製した。
【0083】
(実施例8)
反応容器に、銀粉cを95.00質量部、フェノール樹脂を1.58質量部、エポキシ樹脂を2.68質量部、ブチラール樹脂を0.24質量部、カルボキシ末端アクリロニトリル・ブタジエン共重合体を0.40質量部、硬化促進剤を0.10質量部、及び、希釈剤としてブチルカルビトール4.97質量部を投入した。つぎに、これらの混合物を25℃でハイブリッドミキサーにて15秒撹拌した。これにより、実施例8に係る導電性ペーストを調製した。
【0084】
(実施例9)
反応容器に、銀粉aを95質量部、フェノール樹脂を1.58質量部、エポキシ樹脂を2.68質量部、ブチラール樹脂を0.24質量部、カルボキシ末端アクリロニトリル・ブタジエン共重合体を0.40質量部、硬化促進剤を0.10質量部、及び、希釈剤として1,2−エポキシ−4−(2−メチルオキシラニル)−1−メチルシクロヘキサン5.33質量部を投入した。つぎに、これらの混合物を25℃でハイブリッドミキサーにて15秒撹拌した。これにより、実施例9に係る導電性ペーストを調製した。
【0085】
(実施例10)
反応容器に、銀粉aを95質量部、フェノール樹脂を1.58質量部、エポキシ樹脂を2.68質量部、ブチラール樹脂を0.24質量部、カルボキシ末端アクリロニトリル・ブタジエン共重合体を0.40質量部、硬化促進剤を0.10質量部、及び、希釈剤として4−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル5.33質量部を投入した。つぎに、これらの混合物を25℃でハイブリッドミキサーにて15秒撹拌した。これにより、実施例10に係る導電性ペーストを調製した。
【0086】
(実施例11)
反応容器に、銀粉aを95質量部、フェノール樹脂を1.58質量部、エポキシ樹脂を2.68質量部、ブチラール樹脂を0.24質量部、カルボキシ末端アクリロニトリル・ブタジエン共重合体を0.40質量部、硬化促進剤を0.10質量部、及び、希釈剤として1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン5.33質量部を投入した。つぎに、これらの混合物を25℃でハイブリッドミキサーにて15秒撹拌した。これにより、実施例11に係る導電性ペーストを調製した。
【0087】
(実施例12)
反応容器に、銀粉aを95質量部、フェノール樹脂を1.58質量部、エポキシ樹脂を2.68質量部、ブチラール樹脂を0.24質量部、カルボキシ末端アクリロニトリル・ブタジエン共重合体を0.40質量部、硬化促進剤を0.10質量部、及び、希釈剤としてネオデカン酸グリシジルエステル5.33質量部を投入した。つぎに、これらの混合物を25℃でハイブリッドミキサーにて15秒撹拌した。これにより、実施例12に係る導電性ペーストを調製した。
【0088】
(実施例13)
反応容器に、銀粉aを95質量部、フェノール樹脂を1.58質量部、エポキシ樹脂を2.68質量部、ブチラール樹脂を0.24質量部、カルボキシ末端アクリロニトリル・ブタジエン共重合体を0.40質量部、硬化促進剤を0.10質量部、及び、希釈剤としてブチルカルビトールアセテート4.97質量部を投入した。つぎに、これらの混合物を25℃でハイブリッドミキサーにて15秒撹拌した。これにより、実施例13に係る導電性ペーストを調製した。
【0089】
(比較例1)
銀粉aの代わりに銀粉dを用いた以外は、実施例1と同様の手順により、比較例1に係る導電性ペーストを調製した。
【0090】
(比較例2)
銀粉aの代わりに銀粉dを用いた以外は、実施例3と同様の手順により、比較例2に係る導電性ペーストを調製した。
【0091】
(比較例3)
銀粉aの代わりに銀粉dを用いた以外は、実施例7と同様の手順により、比較例3に係る導電性ペーストを調製した。
【0092】
(比較例4)
比較例1に係る導電性ペーストに、オレイン酸0.50質量部を後から添加することによって、比較例4に係る導電性ペーストを調製した。
【0093】
実施例1〜13及び比較例1〜4で用いた原料の具体的な名称及び物性値は、以下の通りである。
・フェノール樹脂:
軟化点98〜102℃、水酸基(OH)当量104〜106g/eq
・エポキシ樹脂:
トリス(ヒドロキシルフェニル)メタン型固形エポキシ樹脂、エポキシ当量169〜179g/eq
・ブチラール樹脂:
ポリビニルアルコール:ポリビニルブチラール:ポリビニルアセテート=83:16:1(質量比)、平均重合度2,400
・カルボキシ末端アクリロニトリル・ブタジエン共重合体:
数平均分子量10,000
・硬化促進剤:
2−エチル−4−メチルイミダゾール
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【0096】
【表3】
【0097】
(比抵抗の測定)
つぎに、実施例1〜13及び比較例1〜4で得られた導電性ペーストを用いて製造された導電膜の比抵抗(電気抵抗率)を測定した。
【0098】
比抵抗は、以下の手順で測定した。
幅20mm、長さ20mm、厚さ1mmのアルミナ基板上に、250メッシュのステンレス製スクリーンを用いて、長さ71mm、幅1mm、厚さ20μmの導電性ペースとからなるジグザグパターンを印刷した。
【0099】
実施例1〜4、7〜13と、比較例1〜4に係る導電性ペーストを、150℃で30分間加熱した。
実施例5及び6に係る導電性ペーストを、200℃で30分間加熱した。
【0100】
パターンの厚みは、東京精密社製表面粗さ形状測定器(製品名・サーフコム1400)を用いて、パターンと交差する6点の測定値の平均により求めた。
導電性ペーストを加熱または乾燥させて得られた導電膜について、LCRメーターを用いて、4端子法で比抵抗を測定した。比抵抗の測定結果を表1〜表3に示す。
なお、表1〜表3に示されている数字は、特に断りのない限り、質量部で示している。
【0101】
表1〜表3において、
「樹脂量(%)」は、銀粉、樹脂(硬化剤、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及びアクリロニトリル・ブタジエン共重合体)、及び硬化促進剤の合計量に対する、樹脂の合計量の割合である。
「系全体に占める樹脂量(%)」は、銀粉、樹脂(硬化剤、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及びアクリロニトリル・ブタジエン共重合体)、硬化促進剤及び希釈剤の合計量に対する、樹脂の合計量の割合である。
「系全体に占める銀粉量(%)」は、銀粉、樹脂(硬化剤、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及びアクリロニトリル・ブタジエン共重合体)、硬化促進剤及び希釈剤の合計量に対する、銀粉の合計量の割合である。
「熱硬化性樹脂の比率(%)」は、樹脂(硬化剤、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及びアクリロニトリル・ブタジエン共重合体)の合計量に対する、硬化剤及び熱硬化性樹脂の合計量の割合である。
【0102】
表1に示す結果より、実施例1〜13に係る導電性ペーストは、優れた特性を有することがわかった。
実施例1〜13に係る導電性ペーストは、室温(約20℃)で液状の脂肪酸であるオレイン酸で表面処理された銀粉を含んでいる。
【0103】
これに対して、比較例1〜4に係る導電性ペーストは、優れた特性を有していないことがわかった。
比較例1〜4に係る導電性ペーストは、室温(約20℃)で固形の脂肪酸であるステアリン酸で表面処理された銀粉を含んでいる。
【0104】
実施例1〜13に係る導電性ペーストを加熱して得られた導電膜は、比較例1〜4に係る導電性ペーストを加熱して得られた導電膜よりも、大幅に比抵抗が小さいことがわかった。
【0105】
フレーク状の銀粉に球状の銀粉を混合することにより、導電膜の比抵抗がさらに小さくなることがわかった(実施例5、6)。
【0106】
オレイン酸で表面処理した銀粉と、ステアリン酸で表面処理した銀粉とを含む導電性ペーストを加熱して得られた導電膜は、十分に小さい比抵抗を有することがわかった(実施例5)。
オレイン酸は液状の脂肪酸であり、ステアリン酸は固形の脂肪酸である。
【0107】
オレイン酸とパルミチン酸の混合物で表面処理した銀粉を含む導電性ペーストを加熱して得られた導電膜は、十分に小さい比抵抗を有することがわかった(実施例8)。
オレイン酸は液状の脂肪酸であり、パルミチン酸は固形の脂肪酸である。
【0108】
ステアリン酸で表面処理された銀粉を含む導電性ペーストに、オレイン酸を後から添加して得られた導電性ペーストを加熱して得られた導電膜は、比抵抗が小さくならなかった(比較例4)。
このことは、比抵抗の小さい導電膜を得るためには、液状の脂肪酸(オレイン酸)で表面処理された銀粉を用いなければならないことを示している。つまり、導電性ペーストに液状の脂肪酸(オレイン酸)を後から添加しても、導電膜の比抵抗は小さくならないことを示している。
【0109】
図1は、実施例1に係る導電性ペーストを加熱して得られた導電膜の電子顕微鏡写真である。
図1に示すように、実施例1に係る導電性ペーストを加熱して得られた導電膜は、銀粉同士の接触状態が良好であり、銀粉同士が融着しているように見える部分もある。このことにより、導電膜の比抵抗が極めて低くなっていると考えられる。
図2は、比較例1に係る導電性ペーストを加熱して得られた導電膜の電子顕微鏡写真である。
図2に示すように、比較例1に係る導電性ペーストを加熱して得られた導電膜は、銀粉同士の接触状態があまり良好ではない。このことにより、導電膜の比抵抗が高くなっていると考えられる。