(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6175710
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】異質ガラス除去装置及びそれを含むガラス製造装置
(51)【国際特許分類】
C03B 5/26 20060101AFI20170731BHJP
【FI】
C03B5/26
【請求項の数】12
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-519465(P2016-519465)
(86)(22)【出願日】2014年9月3日
(65)【公表番号】特表2016-521673(P2016-521673A)
(43)【公表日】2016年7月25日
(86)【国際出願番号】KR2014008266
(87)【国際公開番号】WO2015034259
(87)【国際公開日】20150312
【審査請求日】2015年12月11日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0105602
(32)【優先日】2013年9月3日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ミン、キョン−ホーン
(72)【発明者】
【氏名】イム、イエ−ホーン
(72)【発明者】
【氏名】モーン、ウォン−ヤエ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジ−セオブ
【審査官】
吉川 潤
(56)【参考文献】
【文献】
特公昭46−009149(JP,B1)
【文献】
米国特許第04948411(US,A)
【文献】
米国特許第03053012(US,A)
【文献】
特表2005−527450(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/136148(WO,A1)
【文献】
特公昭46−040632(JP,B1)
【文献】
実公昭50−004750(JP,Y1)
【文献】
米国特許第02122469(US,A)
【文献】
米国特許第01872477(US,A)
【文献】
特開2009−107914(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/057547(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 5/00 − 5/44
C03B 7/00 − 7/22
C03B 18/00 − 18/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口及び出口を有し、前記入口を通じて流入した溶融ガラスを収容し、前記収容された溶融ガラスを前記出口を通じて流出させ、前記収容された溶融ガラスが溢れ出るように上端に排出口が形成された収容槽と、
前記収容槽の出口側に設けられ、開放面積を調節することで前記出口を通じて流出する溶融ガラスの流量を調節する第1ゲートと、
前記排出口より収容槽の入口側に設けられ、前記排出口が形成された部分で前記収容槽に収容された溶融ガラスの水位を調節する第2ゲートと、を含み、
前記第2ゲートは、前記排出口までの水平方向の距離が、前記排出口が位置する側において前記溶融ガラスに浸かった深さの2倍以上である、
異質ガラス除去装置。
【請求項2】
入口及び出口を有し、前記入口を通じて流入した溶融ガラスを収容し、前記収容された溶融ガラスを前記出口を通じて流出させ、前記収容された溶融ガラスが溢れ出るように上端に排出口が形成された収容槽と、
前記収容槽の出口側に設けられ、開放面積を調節することで前記出口を通じて流出する溶融ガラスの流量を調節する第1ゲートと、
前記排出口より収容槽の入口側に設けられ、前記排出口が形成された部分で前記収容槽に収容された溶融ガラスの水位を調節する第2ゲートと、を含み、
前記第2ゲートは、前記排出口が位置する側において前記溶融ガラスに浸かった深さが、前記排出口が形成された部分において前記収容槽に収容された溶融ガラスの深さの10%〜50%である、
異質ガラス除去装置。
【請求項3】
前記第2ゲートは、前記排出口が形成された部分で前記収容槽に収容された溶融ガラスの水位を一定に維持する請求項1又は2に記載の異質ガラス除去装置。
【請求項4】
前記排出口が形成された部分で前記収容槽に収容された溶融ガラスの水位を測定する水位測定ユニットをさらに含む請求項1から3のいずれか1項に記載の異質ガラス除去装置。
【請求項5】
前記第2ゲートは、上下方向に移動可能に構成され、下方から上方に移動するとき、開放面積が増加する請求項1から4のいずれか1項に記載の異質ガラス除去装置。
【請求項6】
前記第2ゲートは、前記排出口までの水平方向の距離が、前記排出口が位置する側において前記溶融ガラスに浸かった深さの2倍以上である請求項2に記載の異質ガラス除去装置。
【請求項7】
前記第2ゲートは、前記排出口が位置する側において前記溶融ガラスに浸かった深さが、前記排出口が形成された部分において前記収容槽に収容された溶融ガラスの深さの10%〜50%である請求項1に記載の異質ガラス除去装置。
【請求項8】
前記第2ゲートは、下端の角部に丸みがつけられて形成された請求項1から7のいずれか1項に記載の異質ガラス除去装置。
【請求項9】
前記第2ゲートは、耐火材質で形成された請求項1から8のいずれか1項に記載の異質ガラス除去装置。
【請求項10】
前記第2ゲートは、白金で表面コーティングされた請求項1から9のいずれか1項に記載の異質ガラス除去装置。
【請求項11】
請求項1から10のうちいずれか1項に記載の異質ガラス除去装置を含むガラス溶融炉。
【請求項12】
請求項1から10のうちいずれか1項に記載の異質ガラス除去装置を含むガラス製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス製造技術に関し、より詳しくは、溶融炉で溶融されたガラスを成形炉に供給するとき、溶融ガラスの上部表面に存在する異質ガラスを効果的且つ安定的に除去できる技術に関する。
【0002】
本出願は、2013年9月3日出願の韓国特許出願第10−2013−0105602号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に援用される。
【背景技術】
【0003】
ガラスは、多様な形態で製造されるが、そのうち代表的な形態が平板ガラスである。平板ガラスは、窓ガラス、車両のウィンドースクリーン、鏡などのように多様な分野で多くの種類が用いられている。このような平板ガラスは多様な方式で製造されている。
代表的に、ガラスは溶融段階、撹拌段階、安定化段階、成形段階及び徐冷段階などを経て製造することができる。
【0004】
そのうち溶融段階は、ガラス原料を溶融(溶解)して溶融ガラスを製造する段階であって、耐火レンガなどで製造された溶融炉で行われる。ところが、このような溶融炉の溶融工程では溶融ガラスの温度を制御するために通常バーナーが使用され、それにより溶融ガラス(ガラス液)の上部には多くのガスが存在し得る。そして、このようなガスと接触する溶融ガラスの上面では、ガスと反応したり揮発性の強い一部成分が揮発したりすることで、特性が変質されるか又は異物が含まれた異質ガラスが生成されることがある。
【0005】
このような溶融ガラスの表面に存在する異質ガラスが成形工程に流入されれば、製造されるガラスの品質が大幅に低下する恐れがあるため、このような溶融ガラスの表面に存在する異質ガラスは確実に除去しなければならない。
【0006】
従来、このような溶融ガラスの上部表面に存在する異質ガラスを除去するための代表的な方法としては、溶融炉にオーバーフローゾーンを設け、オーバーフローゾーンから溶融ガラスが溢れ出るようにすることで、溶融ガラスの表面に存在する異質ガラスを除去する技術が用いられている。
【0007】
しかし、このような従来技術によれば、溶融ガラスの水位の変化によって溢れ出る流量が変わり得るという問題がある。例えば、オーバーフローゾーンの前の工程で運転条件やガラス物性などが変わる場合、オーバーフローゾーンから溢れ出る流量は適正流量より増減し得る。オーバーフローゾーンから溢れ出る流量が適正流量より多い場合、異質ガラスだけでなく正常な溶融ガラスも過剰に除去され、ガラスの製造コスト及び時間が増加する。逆に、オーバーフローゾーンから溢れ出る流量が適正流量より少ない場合、表面に存在する異質ガラスが十分除去できず、製造されたガラスの品質及び歩留まりが格段に低下するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、溶融ガラスの上部表面に存在する異質ガラスを効果的に除去できる装置、それを含む溶融炉及びガラス製造装置を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の他の目的及び長所は、下記する説明によって理解でき、本発明の実施例によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を達成するため、本発明による異質ガラス除去装置は、入口及び出口を有し、前記入口を通じて流入した溶融ガラスを収容し、前記収容された溶融ガラスを前記出口を通じて流出させ、前記収容された溶融ガラスが溢れ出るように上端に排出口が形成された収容槽;前記収容槽の出口側に設けられ、開放面積を調節することで前記出口を通じて流出する溶融ガラスの流量を調節する第1ゲート;及び前記排出口より収容槽の入口側に設けられ、前記排出口が形成された部分で前記収容槽に収容された溶融ガラスの水位を調節する第2ゲートを含む。
望ましくは、前記第2ゲートは、前記排出口が形成された部分で前記収容槽に収容された溶融ガラスの水位を一定に維持する。
【0011】
また望ましくは、本発明による異質ガラス除去装置は、前記排出口が形成された部分で前記収容槽に収容された溶融ガラスの水位を測定する水位測定ユニットをさらに含む。
また望ましくは、前記第2ゲートは、上下方向に移動可能に構成され、下方から上方に移動するとき、開放面積が増加する。
【0012】
また望ましくは、前記第2ゲートは、排出口までの水平方向の距離が、前記排出口が位置する側において前記溶融ガラスに浸かった深さの2倍以上になるように構成される。
【0013】
また望ましくは、前記第2ゲートは、前記排出口が位置する側において前記溶融ガラスに浸かった深さが、前記排出口が形成された部分において前記収容槽に収容された溶融ガラスの深さの10%〜50%になるように構成される。
また望ましくは、前記第2ゲートは、下端の角部に丸みがつけられている。
また望ましくは、前記第2ゲートは、耐火材質で形成される。
また望ましくは、前記第2ゲートは、少なくとも一部表面が白金でコーティングされる。
また、上記の課題を達成するため、本発明による溶融炉は、本発明による異質ガラス除去装置を含む。
また、上記の課題を達成するため、本発明によるガラス製造装置は、本発明による異質ガラス除去装置を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、溶融炉で溶融された溶融ガラスの上部表面に存在する異質ガラスを効果的に除去することができる。
特に、本発明の一態様によれば、溶融ガラスが溢れ出るオーバーフローゾーンの水位を一定に維持することができる。
【0015】
したがって、オーバーフローゾーンの水位が変更される要因、例えば溶融炉の運転条件やガラス物性の変化などが生じても、オーバーフローゾーンの水位を一定に維持できることで、溢れ出る流量が一定に維持され、溶融ガラスの上部表面に存在する異質ガラスを安定的に除去することができる。
【0016】
このように、本発明によれば、成形炉などに流入する溶融ガラスから異質ガラスを効果的且つ安定的に除去することで、ガラスの品質を高め、歩留まりも向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【
図1】本発明の一実施例による異質ガラス除去装置の構成を概略的に示した斜視図である。
【
図3】本発明の一実施例による第2ゲートの構成を概略的に示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0019】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
図1は、本発明の一実施例による異質ガラス除去装置の構成を概略的に示した斜視図である。
図1を参照すれば、本発明による異質ガラス除去装置は、収容槽100、第1ゲート200及び第2ゲート300を含む。
【0020】
前記収容槽100は、液体を収容できる空間を備え、該空間に溶融ガラスを収容する。そして、収容槽100は入口110及び出口120を有し、入口110を通じて溶融ガラスが収容空間に流入し、収容空間に収容された溶融ガラスが出口120を通じて流出する。
一方、収容槽100は、高温の溶融ガラスを収容するため、耐火レンガのような耐火材質で構成される。
【0021】
前記収容槽100は、ガラス原料を溶融して溶融ガラスを生成する溶融炉の構成要素として溶融炉内に含まれるか、又は、溶融炉の後段に位置してフロート槽のような成形炉に溶融ガラスを供給することができる。
【0022】
特に、前記収容槽100は、収容された溶融ガラスの一部が溢れ出るようにオーバーフローゾーンを有し得る。そして、そのために、前記収容槽100は上端に排出口130を1つ以上有し得る。例えば、
図1に示されたように、排出口130は収容槽100の側面上部に2つ設けられ、矢印a2で示したように、上面表面の溶融ガラスが溢れ出て排出されるようになる。溶融ガラスの上部表面には異質ガラスが存在し得るが、このような排出口130を通じたオーバーフローによって、上部の異質ガラスを収容槽100から除去することができる。
【0023】
前記第1ゲート200は、収容槽100の出口120側に設けられ、開閉可能に構成される。特に、第1ゲート200は開放面積を調節することで、収容槽100の出口120を通じて流出する溶融ガラスの流量を調節することができる。
【0024】
特に、前記第1ゲート200は、
図1にb1で示したように、上下に移動できるように構成される。このとき、第1ゲート200はその下端部と収容槽100の底面との間の距離を調節することで、出口120を通じてa1方向に流出する溶融ガラスの流量を調節することができる。例えば、第1ゲート200が上方に移動すれば、出口120を通じて流出する溶融ガラスの流量は増加し、第1ゲート200が下方に移動すれば、出口120を通じて流出する溶融ガラスの流量は減少する。
【0025】
望ましくは、前記第1ゲート200は、出口120を通じて流出する溶融ガラスの流量を測定して開放面積を調節することができる。例えば、出口120を通じて流出する溶融ガラスの流量が基準流量より多い場合は開放面積を減少させ、出口120を通じて流出する溶融ガラスの流量が基準流量より少ない場合は開放面積を増加させることができる。
【0026】
前記第2ゲート300は、排出口130を基準に収容槽100の入口110側に設けられる。すなわち、
図1を参照すれば、第2ゲート300は排出口130より左側に設けられる。したがって、本発明による異質ガラス除去装置は、排出口130を基準に両側に第1ゲート200及び第2ゲート300が位置するようになる。換言すれば、本発明による異質ガラス除去装置において、排出口130は第1ゲート200と第2ゲート300との間に位置するため、オーバーフローゾーンは第1ゲート200と第2ゲート300との間に位置した部分であると言える。
【0027】
前記第2ゲート300は、第1ゲート200と同様に開閉可能に構成される。特に、第2ゲート300は開放面積を調節することで、排出口130が位置する部分における収容槽100に収容された溶融ガラスの水位を調節することができる。
このような第2ゲート300の水位調節構成について、
図2を参照してより詳しく説明する。
図2は、
図1のC−C'矢視図である。
【0028】
図2を参照すれば、第2ゲート300は、矢印b2で示したように、上下に移動可能に構成される。そして、このような第2ゲート300の上下方向の移動は、第2ゲート300による開放面積を変化させ、第2ゲート300を通じて流入する溶融ガラスの流量を変化させることができる。このように、第2ゲート300を通じて流入する溶融ガラスの流量が変化すれば、収容槽100で排出口130が形成された部分の水位が変化できる。
【0029】
例えば、
図2に示されたように、溶融ガラスが溢れ出る排出口130が形成された部分、すなわちオーバーフローゾーンにおける溶融ガラスの水位(深さ)をH1とすれば、第2ゲート300が上方に移動して開放面積が増加すれば、H1は相対的に増加する。一方、第2ゲート300が下方に移動して開放面積が減少すれば、H1は相対的に減少する。このように、本発明の表面ガラス除去装置によれば、第2ゲート300を通じて収容槽100に収容された溶融ガラスの水位を調節することができる。
【0030】
前記第2ゲート300は、排出口130が形成された部分で収容槽100に収容された溶融ガラスの水位を一定に維持するように構成することが望ましい。すなわち、前記第2ゲート300は、
図2でH1が一定に維持されるように開放面積を調節することができる。ここで、溶融ガラスの水位が一定に維持されるということは、溶融ガラスの水位が一定の値または一定の範囲内に維持されることを意味すると言える。
【0031】
このような実施例によれば、溶融炉の運転条件やガラスの物性などが変化しても、排出口130が形成された部分における溶融ガラスの水位は一定に維持されるため、排出口130を通じて溢れ出る量を一定に維持することができる。したがって、この場合、溶融ガラスの上部表面に存在する異質ガラスが一定に除去でき、異質ガラスが十分除去されないか又は正常状態のガラスが過剰に除去される問題などを防止することができる。
望ましくは、本発明による表面ガラス除去装置は、水位測定ユニットをさらに含むことができる。
【0032】
前記水位測定ユニットは、排出口130が形成された部分で収容槽100に収容された溶融ガラスの水位を測定する。例えば、水位測定ユニットは、
図2でH1の距離を測定することができる。このように、水位測定ユニットによって水位が測定される場合、測定された水位に関する情報は第2ゲート300に伝送され、第2ゲート300の動作制御に用いることができる。例えば、水位測定ユニットによって測定された水位H1が基準水位より低ければ、第2ゲート300は上方に移動して開放面積を増やすことで、排出口130が形成された部分、すなわちオーバーフローゾーンで収容槽100に収容された溶融ガラスの水位を上昇させることができる。
【0033】
また、前記第2ゲート300は、排出口130までの水平方向の距離が、排出口130が位置する側において溶融ガラスに浸かった深さの2倍以上であることが望ましい。
【0034】
例えば、
図2に示されたように、第2ゲート300と排出口130との間の水平方向の距離をL1とし、第2ゲート300の溶融ガラスに浸かった深さをH2とすれば、L1とH2は次のような関係になることが望ましい。
L1>2H2
【0035】
このような実施例によれば、第2ゲート300の前段(
図2の左側)の表面に存在した異質ガラスが第2ゲート300を通過した後、再び表面に浮き上がるのに十分な長さを確保することができる。したがって、第2ゲート300の前段に存在する異質ガラスが第2ゲート300を通過した後、排出口130が形成されている方向(
図2の右側)に移動する過程で表面まで浮き上がれず排出口130に溢れ出ることができないということを防止することができる。
【0036】
また、前記第2ゲート300は、排出口130が位置する側において溶融ガラスに浸かった深さが、排出口130が形成された部分において収容槽100に収容された溶融ガラスの深さの10%〜50%であることが望ましい。
【0037】
例えば、
図2に示されたように、排出口130が位置する側において溶融ガラスに浸かった第2ゲート300の深さをH2とし、排出口130が形成された部分において収容槽100に収容された溶融ガラスの深さをH1とする場合、H1とH2は次のような関係になることが望ましい。
0.1≦H2/H1≦0.5
【0038】
このような実施例によれば、第2ゲート300を通過する溶融ガラスの流速を一定水準以下に低めて渦流の生成を最小化し、第2ゲート300を通過した異質ガラスが再び溶融ガラスの表面まで円滑に浮き上がるようにすることで、異質ガラスを確実にオーバーフローさせて除去することができる。
また望ましくは、前記第2ゲート300は、下端の角部に丸みをつけてもよい。
図3は、本発明の一実施例による第2ゲート300の構成を概略的に示した斜視図である。
【0039】
図3を参照すれば、前記第2ゲート300は板状に構成されるが、下端の角部が曲面になるように丸みをつけて構成することができる。すなわち、
図3にDで示した部分のように、第2ゲート300は正面から見た下端部の形態が半円状になるように丸みをつけて形成することができる。このような実施例によれば、第2ゲート300を通過する溶融ガラスの流れが円滑になり、渦流の生成を最小化することができる。
ただし、本発明が必ずしもこのような形態に限定されることはなく、第2ゲート300の形態は多様に具現され得る。
【0040】
また望ましくは、前記第2ゲート300は、耐火材質で形成することができる。第2ゲート300は高温の溶融ガラスと接触するため、高温でも耐えられる耐火材質で形成することが望ましい。
【0041】
また、前記第2ゲート300は、高温の溶融ガラスと反応しない物質で少なくとも一部の表面がコーティングされてもよい。例えば、前記第2ゲート300は、高温の溶融ガラスに対して化学的に安定的な白金で表面をコーティングすることができる。
【0042】
本発明による異質ガラス除去装置は、ガラス原料を溶融してフロート槽のような成形炉に溶融ガラスを供給するガラス溶融炉に適用することができる。すなわち、本発明によるガラス溶融炉は、上述した異質ガラス除去装置を含むことができる。このとき、溶融炉で溶融ガラスを収容する槽が前記異質ガラス除去装置の収容槽100の機能を果たすことができる。
【0043】
本発明によるガラス製造装置は、上述した異質ガラス除去装置を含むことができる。特に、本発明によるガラス製造装置は、上述した異質ガラス除去装置を溶融炉内に含むことができる。外にも、本発明によるガラス製造装置は、成形炉及び徐冷炉などをさらに含むことができる。
【0044】
以上のように、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。