(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6177532
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】自動分析システムおよび制御方法
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20170731BHJP
【FI】
G01N35/02 G
G01N35/02 C
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-9737(P2013-9737)
(22)【出願日】2013年1月23日
(65)【公開番号】特開2014-142216(P2014-142216A)
(43)【公開日】2014年8月7日
【審査請求日】2015年11月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100098660
【弁理士】
【氏名又は名称】戸田 裕二
(72)【発明者】
【氏名】山澤 和方
【審査官】
渡邊 吉喜
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−033425(JP,A)
【文献】
特開2009−204409(JP,A)
【文献】
特開2009−270940(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/067888(WO,A1)
【文献】
特開2000−088856(JP,A)
【文献】
特開2012−008053(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/078118(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N35/00−37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体由来の検体を分析する分析部および前記分析部に接続された操作部をそれぞれ有する、複数台の自動分析装置と、
前記複数台の操作部と通信手段によって接続された外部コンピュータと、を備えた自動分析システムであって、
当該外部コンピュータは、
検体IDに関連して前記分析部で行う分析に関する検査項目情報を含む分析依頼情報を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された検体の分析依頼情報を、当該検体が前記分析部へ投入されるのに先立って予め前記操作部に送信する送信手段と、
前記送信手段による送信への応答として、前記分析部に保持された分析依頼情報に関連する試薬の残量に関する情報を当該分析部に接続されたそれぞれの操作部から受信する手段と、
受信した試薬の残量に関する情報を表示する表示手段と、
前記検体IDを有する検体を、前記複数台の自動分析装置のうち、いずれの自動分析装置で分析するか決定する決定手段と、を備え、
前記決定手段で決定された前記自動分析装置に接続された操作部は、前記外部コンピュータから送信された分析依頼情報を受信した後に、前記検体投入されるのに先立って分析開始準備動作又はオペレーションを開始するよう制御することを特徴とする自動分析システム。
【請求項2】
請求項1記載の自動分析システムにおいて、
前記自動分析装置は装置内にある検体が有する検体IDを読取る読取装置を備え、
前記読取装置によって読取られた検体IDが、前記外部コンピュータから予め送信されている分析依頼情報に関連した検体IDと一致するとき、前記外部コンピュータからの分析依頼情報に従って目的成分の分析を実施することを特徴とする自動分析システム。
【請求項3】
請求項1記載の自動分析システムにおいて、
前記表示手段は、外部コンピュータから送信された分析依頼情報に関連する試薬の残量が分析を実施するのに不足している場合に、その旨を表示する画面であることを特徴とする自動分析システム。
【請求項4】
請求項3記載の自動分析システムにおいて、
前記画面は外部コンピュータの操作画面であることを特徴とする自動分析システム。
【請求項5】
請求項2記載の自動分析システムにおいて、
前記読取装置が、前記外部コンピュータから送信された分析依頼情報に含まれる検体IDを有する検体を認識しない場合、自動的に分析依頼をキャンセルする手段を備えたことを特徴とする自動分析システム。
【請求項6】
請求項1記載の自動分析システムにおいて、
前記自動分析装置は、同一の検査項目を分析可能な第一の自動分析装置及び第二の自動分析装置を含み、
前記複数の自動分析装置間で検体を搬送する搬送システムと、
第一の自動分析装置から受信した試薬の残量に関する情報に基づき、依頼された検査項目を当該第一の自動分析装置で実行可能か否かを判断する判断手段と、を備え、
前記送信手段は、前記判断手段において実行不可と判断された場合には、前記第二の自動分析装置へ分析依頼情報を送信することを特徴とする自動分析システム。
【請求項7】
通信手段によって接続された外部コンピュータによる、生体由来の検体を分析するための分析部と、当該分析部と接続された操作部を有する、複数台の自動分析装置の制御方法であって、
前記外部コンピュータから前記検体に関する検査項目情報を含む分析依頼情報を入力するステップと、
入力された検体の分析依頼情報を、当該検体が自動分析装置へ投入されるのに先立って予め自動分析装置に送信するステップと、
当該自動分析装置内に保持された分析依頼情報に関連する試薬の残量に関する情報を受信するステップと、
受信した試薬の残量に関する情報を外部コンピュータに表示させるステップと、
前記複数台の自動分析装置のうち、いずれの自動分析装置で前記検査項目の分析を実行するかを決定するステップと、
決定された自動分析装置の操作部は、送信された分析依頼情報に基づいて、検体が自動分析装置に到着するのに先立って分析開始準備動作又はオペレーションを実施するステップと、を備えたことを特徴とする制御方法。
【請求項8】
請求項7記載の制御方法において、
前記複数台の自動分析装置には少なくとも第一の自動分析装置と第二の自動分析装置を含み、
前記第一の自動分析装置から受信した試薬の残量に関する情報に基づき、依頼された検査項目を当該第一の自動分析装置で実行可能か否かを判断するステップと、
前記第一の自動分析装置で実行不可と判断された場合には、前記第二の自動分析装置へ分析依頼情報を送信するステップと、を有することを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液や尿などの検体の分析を行う自動分析装置及び自動分析システムに係り、特に目的とする成分の分析依頼情報を外部コンピュータから送信する手段を備えた自動分析装置及び自動分析システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
外部コンピュータから分析依頼を行う自動分析装置、及び自動分析システムでは、分析依頼された情報を外部コンピュータが保持し、自動分析装置で検体の識別IDが認識された後、外部コンピュータに対して認識した識別IDの分析依頼情報を問い合わせ、取得した分析依頼情報で分析を実施するのが一般的である。
【0003】
例えば、特許文献1には、サンプル容器のサンプル識別用バーコードをバーコードリーダによって読み取り、外部コンピュ−タに送信し、外部コンピュータはそれらの識別コードに対応する各種のデ−タを読み出して自動分析装置のコンピュータに送って各種試料の分析を行なう自動分析システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−262029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の装置は、サンプルをディスク上に載置するものであり、検体をセットしてから外部コンピュータから分析依頼を入力して分析を実行させる。
【0006】
しかし、多くの場合、投入前の検体は遠心分離などの前処理を実施する必要があることや、自動分析システムの大型化により外部コンピュータと自動分析装置が別の部屋に設置されている場合がある。この場合、外部コンピュータから分析依頼情報が入力されてから、実際に自動分析装置に検体が投入・到着するまでに、ある程度時間かかる場合がある。さらに、夜間運用などでは、自動分析装置はスタンバイ状態やスリープ状態となっていることも多い。この場合、検体が到着してから装置の立ち上げ動作を開始するため、迅速に分析を開始できない場合もある。
【0007】
また、従来は、自動分析装置に検体が到着した時点で、自動分析装置側で検体の識別IDを認識し、当該検体に依頼されている分析項目情報を外部コンピュータから取得している。自動分析装置側で管理されている消耗品情報と外部コンピュータから取得した依頼分析情報をつき合わせて、初めて判別することができる消耗品不足状況は、分析を依頼した時点では検知することができない。そのため、分析中に消耗品を補充できない自動分析装置においては、分析が終了した後に不足した消耗品を補充し、消耗品不足により分析できなかった項目を再分析する必要がある。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、分析依頼から自動分析装置への検体投入までの時間短縮、及び分析開始前に試薬などの消耗品の必要量をチェックすることで効率の良い運用を可能とする自動分析装置、及び自動分析システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する為の本発明の構成は以下の通りである。
【0010】
外部コンピュータからの分析依頼情報の入力の後、入力された検体の分析依頼情報を、当該検体が自動分析装置へ投入されるのに先立って予め自動分析装置に送信する送信手段と、送信手段による送信への応答として、自動分析装置内に保持された分析依頼情報に関連する試薬の残量に関する情報を受信する手段と、受信した試薬の残量に関する情報を通知する通知手段を、外部コンピュータに設ける。
【0011】
本願発明の他の構成としては、さらに、外部コンピュータから送信された分析依頼情報を受信した後に、分析開始準備動作を開始する手段を自動分析装置に設ける。
【0012】
これらの構成により、自動分析装置、及び自動分析システム運用の効率アップに貢献できる。
【発明の効果】
【0013】
外部コンピュータからの分析依頼情報を直ちに自動分析装置に送信することにより、試薬などの消耗品の残量を事前チェック可能となり、実際に検体が自動分析装置で分析開始される事前に消耗品を補充することが可能となる。
【0014】
また、分析依頼と同時にオペレーションを開始することで、検体投入可能となるまでの時間を遠心分離などの検体の前処理に充てることも可能となり、自動分析装置、及び自動分析システム運用の効率アップが図れる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】検体容器、および検体識別用バーコードを示す図である。
【
図3】外部コンピュータから検査項目を依頼する画面の一例である。
【
図4】自動分析装置の操作画面、および外部コンピュータの操作画面に表示する消耗品の残量を示す画面の一例である。
【
図5】外部コンピュータからの分析依頼で消耗品の不足が発生したためにオペレーションを開始できないときに自動分析装置で表示する画面の一例である。
【
図7】外部コンピュータに複数台の自動分析装置が接続されている場合に、分析依頼の送信先を指定する画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は本発明装置の一実施例である。
図1において1−1は自動分析装置、1−2は自動分析装置の操作部、1−3は分析依頼を行う外部コンピュータである。操作部1−2と外部コンピュータ1−3は通信回線1−4で接続されている。
【0018】
なお、本発明において外部コンピュータとは、自動分析装置に備えられる操作部とは別に設けられ、自動分析装置と距離的に離れた位置に設置されているものを含み、検体の分析依頼情報を入力する装置である。また、本発明において自動分析装置は検体に対して分析前に必要となる処理(遠心分離処理、開栓処理、子検体分注処理など)を実行する検体前処理装置に連結されているシステムも含む。
【0019】
自動分析装置は、検体容器を載せた検体搬送ラック1−6を搬送する搬送装置と、搬送されてきた検体搬送ラックに貼付されたバーコードラベル、または検体搬送ラックに載置された検体容器に貼付されたバーコードラベルを読取る検体識別用バーコードリーダ1−6と、ラベルの識別情報に基づいて検体搬送ラック上の検体容器から検体を分取する検体分注機構1−7と、を備えている。検体分注機構1−7は所定の量の検体を吸引し、反応ディスク1−8上の反応容器設置位置1−9に設置されている反応容器内に吐出する。さらに、試薬ボトル1−10に収納された試薬を吸引し、反応容器内に吐出する試薬分注機構1−11を備える。反応容器中の検体と試薬を混合して生成した反応液を、所定の時間反応ディスク上で、反応させ、その後、反応液吸引ノズル1−12a,1−12bにより吸引し、検出器1−13a,1−13bに供給して、反応液の分析を実行する。
【0020】
図2は検体容器2−1と、検体を認識する検体ID情報を記憶した検体識別用バーコード2−2を示す図である。検査項目の分析依頼を外部コンピュータ1−3で入力する。入力された分析依頼情報は、通信回線1−4を通じて自動分析装置の操作部1−2に送信される。操作部1−2は、表示部1−2a、入力部1−2b、記憶部1−2cを備えており、受信した分析依頼情報は記憶部1−2c内に記憶される。
【0021】
図3は、外部コンピュータから検査項目を依頼する画面の一例である。
【0022】
まず、検体IDを検体ID入力領域3−1に入力する。検体IDは、外部コンピュータに備え付けたバーコードリーダ(図示せず)により検体容器に貼り付けたバーコード2−2を読込ませても良い。次に検査項目選択ボタン3−2により、この検体について実行する検査項目を選択する。検査項目は複数選択することができる。
【0023】
当該検体の分析依頼情報を、自動分析装置の操作部1−2側に送信する場合は、送信ボタン3−4を押下する。複数検体の分析依頼情報を一括して自動分析装置に送信する場合は、保存ボタン3−3を押下して分析依頼情報を一時保存し、複数検体の分析依頼終了後に一括送信ボタン3−5を押下する。
【0024】
また、分析依頼送信後の自動分析装置でのオペレーション開始有無は、分析依頼送信後のオペレーション開始要求を設定する領域3−6の、送信後オペレーション開始の入力によって指定する。外部コンピュータから送信した分析依頼情報は、自動分析装置の操作部で受信し、操作部内の記憶部1−2cに記憶する。分析依頼情報中に分析依頼送信後のオペレーション開始要求を設定する領域3−6で指定されたオペレーション開始要求がある場合は、この時点でオペレーションをスタートする。メンテナンス実行中の場合、メンテナンス終了後にオペレーションをスタートする。また、スリープ状態となっている場合は、スリープを解除し、スタンバイに遷移後オペレーションをスタートする。なお、オペレーション開始時に特定の準備動作を実施するような設定となっている場合は、準備動作を実施後にオペレーションを開始する。
【0025】
外部コンピュータ1−3からの分析依頼情報を受信すると、自動分析装置は、依頼された検査項目を全て分析できるかどうか、試薬、洗剤、反応容器などの消耗品の残量をチェックする。残量不足がある場合、操作部内の表示部1−2aに不足する消耗品情報を表示し、オペレータに通知する。
図4は表示部1−2aに表示される残量不足表示画面の一例である。残量不足表示画面は、外部コンピュータの操作画面に表示することもできる。
【0026】
残量不足表示画面は、分析依頼情報に基づいた分析依頼項目毎の使用予定4−1と残量4−2、使用予定と残量とを比較して得られる不足状況4−4を表示する。残量不足発生時に自動で表示されるほか、オペレータによる画面操作により表示させても良い。閉じるボタン4−4を押下することで本画面を閉じる。本画面表示中に再度分析依頼があれば、リアルタイムでリフレッシュ表示するようにすることが望ましい。
【0027】
図5はオペレーションを開始できない場合に、操作部内表示部1−2aに表示する画面の一例である。試薬、洗剤、反応容器などの消耗品の残量チェックにより残量不足となった項目が、オペレーション開始後には補充などの対応ができない場合、分析依頼情報中に3−6で指定されたオペレーション開始要求があっても、オペレーションを開始しない。閉じるボタン5−1を押下することにより本画面を閉じる。
【0028】
これらの画面を備えることにより、外部コンピュータから分析依頼情報を送信した後すぐに、自動分析装置の消耗品残量状況を把握することができる。分析依頼情報に含まれる項目に使用する消耗品が不足する場合は、検体を自動分析装置に投入する前や、検体が自動分析装置側に到達する前に、消耗品を補充することができるため、分析中に消耗品追加のために動作を停止させる必要がない。
【0029】
検体容器2−1は、検体搬送ラック1−5に設置され、分析装置1−1に投入される。検体識別用バーコードリーダ1−6によりバーコード2−1を読み取る。操作部内の記憶部には、分析依頼の検体を特定する識別IDが記憶されている。記憶した分析依頼情報の識別IDと、自動分析装置へ搬送されてきた検体に付されているバーコードより読み取った識別IDで一致するものがあれば、その分析依頼情報に従って分析を行う。一致するものがない場合は、バーコードより読取った識別IDで外部コンピュータに分析依頼情報の有無を問い合わせる。外部コンピュータにも分析依頼情報がない場合は、当該検体の分析は行わない。
【0030】
検体の識別を行った後、分析依頼情報に適合する場合には、検体分注機構1−7により検体を反応ディスク1−8に設置された反応容器1−9に分注する。
【0031】
検査項目の分析に対応した試薬ボトル1−10から試薬を試薬分注機構1−11により反応容器設置位置1−9に設置した反応容器に分注し、化学反応させる。その後、反応液を吸引ノズル1−12a、1−12bにより吸引して検出器1−13a、1−13bに送り、反応液の発光量や吸光度などを電気信号に変換し、それを計測することで目的成分の定量を行う。
【0032】
外部コンピュータ1−3より分析依頼のあった検体が、一定時間装置に投入されなかった場合は、その分析依頼はキャンセルし、操作部内の記憶部1−2cに記憶している分析依頼情報は削除する。ただし、一定時間経過し、分析依頼情報が削除された後に検体が投入された場合でも、検体ID認識後に外部コンピュータに分析依頼を問い合わせることにより、分析を実施できる。また、分析依頼情報は、分析完了後に削除する。
【実施例2】
【0033】
図6は、一台の外部コンピュータ6−3に複数台の自動分析装置6−1が接続された一実施例である。
【0034】
従来は、検体が自動分析装置の近傍に到着してから、試薬不足などによる分析不可能状態が認識されていたため、いざ検体が自動分析装置に到着した後に分析実行不可能であると判明した場合に迅速な対応ができなかった。すなわち、オペレータは当該試薬の残量がある他の自動分析装置を探し、外部コンピュータからその自動分析装置に分析依頼を立て直してから、当初の自動分析装置の中から検体を探し出して、他の自動分析装置の投入口まで検体を持っていく必要があった。そのため、その後の処理に時間がかかる上に、他の検体の処理スピードまで落ちてしまうこともあった。
【0035】
本実施例では、外部コンピュータ6−3は、通信回線6−4で各自動分析装置6−1A〜6−1Cの操作部6−2A〜6−2Cと接続されている。外部コンピュータ6−3からの分析依頼では、
図3の検査項目依頼画面で分析依頼する際に、送信ボタン3−4または、一括送信ボタン3−5押下後に、
図7の送信先指定画面により、分析依頼を送信する自動分析装置を選択する。
【0036】
接続されている全ての自動分析装置に対して同じ内容の分析依頼をするか否かを7−1全装置一括送信の入力によって指定する。全ての自動分析装置に対して同じ内容の分析依頼をしない場合は、各項目に、送信先の自動分析装置を7−2により指定する。その後、送信ボタン7−3押下により、分析依頼情報が、各自動分析装置に送信される。
【0037】
本実施例の場合、試薬不足などにより分析不可能な検査項目が発生し、自動分析装置から異状応答があった場合に迅速な対応が可能となる。つまり、当該検査項目が外部コンピュータ6−3に接続されている他の自動分析装置で分析可能なものがあれば、分析依頼情報を送信し、その後自動分析装置からの通信により消耗品残量に関する情報が通知された時点で、分析不可能である検査項目を分析可能な他の自動分析装置に分析依頼することができる。この場合の分析依頼は自動的に行うことが望ましく、分析可能な自動分析装置が複数ある場合は、外部コンピュータ6−3に登録されている名称順などにより分析依頼先を決定する。自動分析装置6−1が複数の分析装置に検体を順次搬送していく検体搬送システムなどに接続されていれば、検体の搬送先を自動的に変更することも可能となる。
【0038】
図8は、複数台の外部コンピュータ8−3A,8−3Bに複数台の自動分析装置8−1A,8−1B,8−1Cが接続された一実施例である。各外部コンピュータと自動分析装置は通信回線8−4で各自動分析装置の操作部8−2A〜8−2Cと接続され、各外部コンピュータからは送信先自動分析装置を指定して分析依頼を実施する。この場合も、
図6に示した構成例と同様に、一部の自動分析装置での試薬不足が生じた場合に、他の自動分析装置へ自動的に分析依頼情報を送信し、検体搬送システムにより検体を適切な自動分析装置へ搬送するように制御することができる。
【符号の説明】
【0039】
1−1,6−1,8−1 自動分析装置
1−2,6−2,8−2 自動分析装置の操作部
1−2a 自動分析装置の操作部内表示部
1−2b 自動分析装置の操作部内入力部
1−2c 自動分析装置の操作部内記憶部
1−3,6−3,8−3 外部コンピュータ
1−4,6−4,8−4 通信回線
1−5 検体搬送ラック
1−6 検体識別用バーコードリーダ
1−7 検体分注機構
1−8 反応ディスク
1−9 反応容器設置位置
1−10 試薬ボトル
1−11 試薬分注機構
1−12a,1−12b 反応液吸引ノズル
1−13a,1−13b 検出器
2−1 検体容器
2−2 検体識別用バーコード
3−1 検体ID入力領域
3−2 検査項目選択ボタン
3−3 分析依頼情報保存ボタン
3−4,7−3 分析依頼情報送信ボタン
3−5 分析依頼情報一括送信ボタン
3−6 分析依頼送信後のオペレーション開始要求を設定する領域
4−1 分析依頼による消耗品の使用予定量
4−2 消耗品の残量
4−3 消耗品の残量不足状況
4−4,5−1 ウィンドウを閉じるためのボタン
7−1 分析依頼情報を全ての自動分析装置に対しての送信有無設定領域
7−2 検査項目毎の分析依頼送信先自動分析装置を指定する表