(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された装置では、処理液と共に流れる気泡を検知することにより、容器内に残留する処理液が少なくなったことが推定される。しかしながら、特許文献1に記載の装置では、容器の外部にて処理液に混入した気泡が検知されているに過ぎないため、容器内の処理液の残量を把握し、補充用の処理液を予め準備しておくことが難しかった。
【0005】
そこで本開示は、処理液の残量に関する情報を検出可能な液処理装置及び液処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る液処理装置は、基板処理用の処理液を収容するための容器に挿入され、処理液の供給用の管路をなす供給管と、供給管の外周面と内周面との間に設けられ、容器内における処理液の液面の高さに関する情報を検出する第一センサと、を備える。
【0007】
この液処理装置によれば、処理液の残量に関する情報として、処理液の液面の高さに関する情報が第一センサにより検出される。これにより、処理液の残量に関する情報を検出することができる。
【0008】
また、第一センサは供給管に組み込まれている。仮に容器に第一センサが設けられていると、容器を交換する度に第一センサを容器に付け替える作業が必要となる。これに対し、第一センサが供給管に組み込まれていることにより、容器を交換する作業の作業性低下を防止できる。また、第一センサと供給管とを別体で容器内に挿入するのに比べて、構成を単純化できる。
【0009】
更に、第一センサは供給管の外周面と内周面との間に設けられているため、第一センサが処理液から隔離される。よって、第一センサから処理液への異物の混入が抑制される。
【0010】
第一センサは、外周面の外側における処理液の液面の高さに関する情報を検出してもよい。処理液の液面の高さは、供給管の外周面の外側に形成される。このため、外周面の外側における処理液の液面の高さに関する情報を検出するように第一センサを構成することにより、処理液の残量に関する情報を高精度に検出することができる。
【0011】
第一センサは、処理液の液面の高さに関する情報として処理液の有無を検出してもよい。この場合、検出対象の単純化により、第一センサの構成を簡易にすることができる。第一センサによる検出対象を処理液の有無のみとした場合であっても、例えば、第一センサに比べ上側にあるのか下側にあるのかという情報のように、高さに関する情報が得られる。
【0012】
供給管の長手方向に沿って配置された複数の第一センサを備えてもよい。複数の第一センサにより、外周面の外側における処理液の液面の高さに関する複数の情報が検出される。このため、液面の高さをより高精度に判定することができる。
【0013】
液処理装置は、外周面と内周面との間に設けられ、内周面の内側における処理液の有無を検出する第二センサを更に備えてもよい。この場合、内周面の内側における処理液の有無に基づいて、処理液の残量が供給を継続できる量か否かを検出できる。
【0014】
供給管は、内周面をなす内管と、空隙をもって内管を包囲し、外周面をなす外管と、を有してもよく、第一センサは、外管と内管との間に設けられてもよい。この場合、内管と外管との間の空隙を利用して、第一センサを容易に配置することができる。
【0015】
第一センサは光信号を用いる光学式センサであり、供給管は、容器に比べ、光信号の透過性が高くてもよい。この場合、第一センサによる検出感度が高まるので、処理液の残量に関する情報をより高精度に検出することができる。また、処理液が感光性である場合、処理液の変性を防止するために容器の遮光性を高めざるを得ない場合がある。このような場合、本構成は特に有効である。
【0016】
容器に対する供給管の挿入長を調節可能な調節機構を更に備え、第一センサは、供給管において挿入長の調節に伴って移動する部分に設けられていてもよい。この場合、容器の深さに応じて供給管の挿入長を変更するのに伴い第一センサの位置も調整されるので、操作の煩雑さを伴わずに、容器の深さに応じた第一センサの位置調整を確実に行うことができる。このため、処理液の残量に関する情報をより高精度に検出することができる。
【0017】
本開示に係る液処理方法は、基板処理用の処理液を収容するための容器に挿入され、処理液の供給用の管路をなす供給管を用いて処理液を供給すること、供給管の外周面と内周面との間に設けられた第一センサを用いて処理液の液面の高さに関する情報を検出すること、処理液の液面の高さに関する情報に基づいて処理液の残状態を報知すること、を含む。
【0018】
この液処理方法によれば、処理液供給用の供給管に設けられた第一センサにより、処理液の残量に関する情報として液面の高さに関する情報を検出できる。更に検出された液面の高さに関する情報に基づいて、残状態を報知することができるので、例えば、処理液の残状態を作業者に把握させることができる。
【0019】
また、本開示に係る液処理方法は、処理液の液面の高さに関する情報に基づいて、処理液の残期間に関する情報を算出してもよく、残状態として処理液の残期間に関する情報を報知してもよい。この場合、例えば、処理液の残期間を作業者に把握させ、補充用の処理液等の準備を促すことができる。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、処理液の残量に関する情報を検出可能な液処理装置及び液処理方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0023】
[基板処理システム]
まず、
図1、
図2及び
図3を参照して、本実施形態に係る基板処理システム1の概要を説明する。
図1に示されるように、基板処理システム1は、塗布・現像装置2と露光装置3とを備える。露光装置3は、レジスト膜(感光性被膜)の露光処理を行う。具体的には、液浸露光等の方法によりレジスト膜の露光対象部分にエネルギー線を照射する。
【0024】
塗布・現像装置2は、露光装置3による露光処理の前に、ウェハW(基板)の表面にレジスト膜を形成する処理を行い、露光処理後にレジスト膜の現像処理を行う。
【0025】
塗布・現像装置2は、キャリアブロック4と、処理ブロック5と、インターフェースブロック6とを備える。キャリアブロック4、処理ブロック5及びインターフェースブロック6は、水平方向に並んでいる。
【0026】
キャリアブロック4は、キャリアステーション12と搬入・搬出部13とを有する。搬入・搬出部13はキャリアステーション12と処理ブロック5との間に介在する。キャリアステーション12は、複数のキャリア11を支持する。キャリア11は、例えば円形の複数枚のウェハWを密封状態で収容し、ウェハWを出し入れするための開閉扉を一側面11a側に有する。キャリア11は、側面11aが搬入・搬出部13側に面するように、キャリアステーション12上に着脱自在に設置される。
【0027】
搬入・搬出部13は、キャリアステーション12上の複数のキャリア11にそれぞれ対応する複数の開閉扉13aを有する。側面11aの開閉扉と開閉扉13aとを同時に開放することで、キャリア11内と搬入・搬出部13内とが連通する。搬入・搬出部13は受け渡しアームA1を内蔵している(
図2及び
図3参照)。受け渡しアームA1は、キャリア11からウェハWを取り出して処理ブロック5に渡し、処理ブロック5からウェハWを受け取ってキャリア11内に戻す。
【0028】
処理ブロック5は、複数の処理モジュール14,15,16,17を有する。処理モジュール14,15,16,17は、複数の塗布ユニットU1と、複数の熱処理ユニットU2と、これらのユニットにウェハWを搬送する搬送アームA3とを内蔵している。処理モジュール17は、塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2を経ずにウェハWを搬送する直接搬送アームA6を更に内蔵している。塗布ユニットU1は、処理液RをウェハWの表面に塗布する。
【0029】
処理モジュール14は、塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2によりウェハWの表面上に下層膜を形成するBCTモジュールである。処理モジュール14の塗布ユニットU1は、下層膜形成用の液体をウェハW上に塗布する。処理モジュール14の熱処理ユニットU2は、下層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
【0030】
処理モジュール15は、塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2により下層膜上にレジスト膜を形成するCOTモジュールである。処理モジュール15の塗布ユニットU1は、レジスト膜形成用の液体を下層膜の上に塗布する。処理モジュール15の熱処理ユニットU2は、レジスト膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
【0031】
処理モジュール16は、塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2によりレジスト膜上に上層膜を形成するTCTモジュールである。処理モジュール16の塗布ユニットU1は、上層膜形成用の液体をレジスト膜の上に塗布する。処理モジュール16の熱処理ユニットU2は、上層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
【0032】
処理モジュール17は、塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2により、露光後のレジスト膜の現像処理を行うDEVモジュールである。現像ユニットは、露光済みのウェハWの表面上に現像液を塗布した後、これをリンス液により洗い流すことで、レジスト膜の現像処理を行う。熱処理ユニットは、現像処理に伴う各種熱処理を行う。熱処理の具体例としては、現像処理前の加熱処理(PEB:Post Exposure Bake)、現像処理後の加熱処理(PB:Post Bake)等が挙げられる。
【0033】
処理ブロック5内において、キャリアブロック4側には棚ユニットU10が設けられており、インターフェースブロック6側には棚ユニットU11が設けられている(
図2及び
図3参照)。棚ユニットU10は、床面から処理モジュール16に亘るように設けられており、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。棚ユニットU10の近傍には昇降アームA7が設けられている。昇降アームA7は、棚ユニットU10のセル同士の間でウェハWを昇降させる。棚ユニットU11は床面から処理モジュール17の上部に亘るように設けられており、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。
【0034】
インターフェースブロック6は、受け渡しアームA8を内蔵しており、露光装置3に接続される。受け渡しアームA8は、棚ユニットU11に配置されたウェハWを露光装置3に渡し、露光装置3からウェハWを受け取って棚ユニットU11に戻す。
【0035】
基板処理システム1は、次に示す手順で塗布・現像処理を実行する。まず、受け渡しアームA1がキャリア11内のウェハWを棚ユニットU10に搬送する。このウェハWを、昇降アームA7が処理モジュール14用のセルに配置し、搬送アームA3が処理モジュール14内の各ユニットに搬送する。処理モジュール14の塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2は、搬送アームA3により搬送されたウェハWの表面上に下層膜を形成する。下層膜の形成が完了すると、搬送アームA3がウェハWを棚ユニットU10に戻す。
【0036】
次に、棚ユニットU10に戻されたウェハWを、昇降アームA7が処理モジュール15用のセルに配置し、搬送アームA3が処理モジュール15内の各ユニットに搬送する。処理モジュール15の塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2は、搬送アームA3により搬送されたウェハWの下層膜上にレジスト膜を形成する。レジスト膜の形成が完了すると、搬送アームA3がウェハWを棚ユニットU10に戻す。
【0037】
次に、棚ユニットU10に戻されたウェハWを、昇降アームA7が処理モジュール16用のセルに配置し、搬送アームA3が処理モジュール16内の各ユニットに搬送する。処理モジュール16の塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2は、搬送アームA3により搬送されたウェハWのレジスト膜上に上層膜を形成する。上層膜の形成が完了すると、搬送アームA3がウェハWを棚ユニットU10に戻す。
【0038】
次に、棚ユニットU10に戻されたウェハWを、昇降アームA7が処理モジュール17用のセルに配置し、直接搬送アームA6が棚ユニットU11に搬送する。このウェハWを受け渡しアームA8が露光装置3に送り出す。露光装置3における露光処理が完了すると、受け渡しアームA8がウェハWを露光装置3から受け入れ、棚ユニットU11に戻す。
【0039】
次に、棚ユニットU11に戻されたウェハWを、処理モジュール17の搬送アームA3が処理モジュール17内の各ユニットに搬送する。処理モジュール17の塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2は、搬送アームA3により搬送されたウェハWのレジスト膜の現像処理及びこれに伴う熱処理を行う。レジスト膜の現像が完了すると、搬送アームA3はウェハWを棚ユニットU10に搬送する。
【0040】
次に、棚ユニットU10に搬送されたウェハWを、昇降アームA7が受け渡し用のセルに配置し、受け渡しアームA1がキャリア11内に戻す。以上で、塗布・現像処理が完了する。
【0041】
[塗布ユニット]
(全体構成)
続いて、液処理装置の一例として、塗布ユニットU1の構成について詳細に説明する。
図4に示されるように、塗布ユニットU1は、回転保持部20と、カップ25と、供給部30と、制御部100とを備える。
【0042】
回転保持部20は、保持部21と、回転駆動部22と、昇降部23とを有し、ウェハWを保持して回転させる。保持部21は、例えば水平に保持されたウェハWの中心部を下方から吸着保持する。回転駆動部22は、例えばモータ等の動力源によって、保持部21を鉛直な軸線まわりに回転させる。昇降部23は、保持部21を昇降させる。
【0043】
保持部21の下方には、カップ25が配置されている。カップ25は、上方に開口している。カップ25は、保持部21に保持されたウェハWを収容し、ウェハW上から振り切られた処理液を収容する。カップ25の底部25aには排液口25bが設けられており、排液口25bには排液ダクト(不図示)が接続されている。
【0044】
供給部30は、ノズル32と、容器40と、キャップ42と、供給管50と、調節機構60と、コンプレッサ70とを有する。
【0045】
ノズル32は、保持部21の上方に配置されている。ノズル32は、保持部21に保持されたウェハW上に処理液Rを吐出する。
【0046】
容器40は、ノズル32から吐出させるための処理液Rを収容する。容器40は上方に開口40aを有している。処理液Rが例えばレジスト液のように感光性を有する場合等に、容器40は遮光性を有する材料により構成されていてもよい。容器40からノズル32への経路34にはバルブV1が設けられている。バルブV1により上記経路34の開閉が可能となっている。
【0047】
キャップ42は、容器40の上部に着脱自在に取り付けられ、容器40の開口40aを塞ぐ。
【0048】
供給管50は、キャップ42の貫通孔42aを通して容器40に挿入されている。供給管50は、上記経路34の一部をなす。調節機構60はキャップ42の外側に設けられている。調節機構60は、容器40に挿入される供給管50の挿入長を調節する。
【0049】
コンプレッサ70は、加圧管72を介して容器40内の上部空間に連通している。コンプレッサ70は、処理液Rを押し出すために容器40内を加圧する。コンプレッサ70から加圧管72への経路にはバルブV2が設けられている。バルブV2により上記経路の加圧管72の開閉が可能となっている。
【0050】
以上の構成により、容器40内が加圧されると、処理液Rが供給管50を介してノズル32に流れ込み、処理液RがウェハWの表面Wa上に吐出される。
【0051】
(供給管及び調節機構の詳細)
図5に示されるように、供給管50は、内管52と、外管54と、封止部56とを有している。内管52は、供給管50の内周面50aをなす。外管54は、供給管50の外周面50bをなし、空隙58をもって内管52を包囲している。外管54と内管52とは互いに同軸となるように設けられている。このように、供給管50は二重管構造となっている。封止部56は、内管52の先端部と外管54の先端部との間を全周に亘って封止している。これにより、空隙58が処理液Rから隔離される。供給管50のうち、少なくとも内管52と外管54は、容器40に比べ光信号の透過性が高い材料により構成されていてもよい。
【0052】
上記空隙58には、複数の光学式センサD1(第一センサ)及び光学式センサD2(第二センサ)が設けられている。すなわち、光学式センサD1及び光学式センサD2は、内周面50aと外周面50bとの間に設けられている。複数の光学式センサD1は、供給管50の長手方向に沿って並んでいる。複数の光学式センサD1のぞれぞれは、外周面50bの外側における処理液Rの有無を検出する。
【0053】
一例として、光学式センサD1は、
図6に示されるように、光Lを出射する光源Lsと、その反射光を検出する受光部Lrとを有する。光学式センサD1は、外管54側に向かうように配置されている。すなわち、光学式センサD1は、光源Lsが外管54側に光Lを出射し、受光部Lrが外管54側からの反射光を検出するように配置されている。これにより、光学式センサD1と略同じ高さにおいて、外周面50bの外側における処理液Rの有無が検出可能となる。例えば
図6の(A)に示されるように、処理液Rがない場合には、光Lが外周面50bで反射し、受光部Lrにより受光される。また、
図6の(B)に示されるように、処理液Rがある場合には、光Lが外周面50bで反射されず、受光部Lrにより受光されない。
【0054】
このような光学式センサD1によれば、液面Raの高さHに関する情報として、液面Raが光学式センサD1と略同じ高さよりも上方にあるか下方にあるかを検出することができる。そして、複数の光学式センサD1が配置されることにより、液面Raの高さHに関する情報がより高い分解能で検出される。
【0055】
光学式センサD2は、外周面50bと内周面50aとの間に設けられ、内周面50aの内側における処理液Rの有無を検出する。具体的には、光学式センサD2は、光学式センサD1と同様に構成され、内管52側に向かうように配置されている。
【0056】
光学式センサD1及び光学式センサD2は、例えば、空隙58内に挿入された棒状部材Bに固定されており、これにより位置決めされている。上述したように、内管52、外管54、及び封止部56により空隙58が処理液Rから隔離されるので、光学式センサD1及び光学式センサD2も処理液Rから隔離される。
【0057】
調節機構60は、キャップ42の上部に設けられている。調節機構60は、固定部62と、可動部64と、を有している。
【0058】
固定部62は、キャップ42に形成された貫通孔42aの周りから筒状に突出している。固定部62の外周面には、雄ねじ部62aが形成されている。可動部64は、固定部62を包囲する外筒部65と、その上部を塞ぐ蓋部66とを有する。外筒部65の内周面には、雄ねじ部62aに対応する雌ねじ部65aが形成されている。このため、可動部64を固定部62に対して回転させることで、可動部64を固定部62に対して上下動させられるようになっている。蓋部66には供給管50が挿入される開口66aが形成されている。供給管50の上部の外周には、蓋部66を挟む一対のフランジ部67が形成されている。これにより、可動部64の上下動に伴って、供給管50も上下動し、容器40内への供給管50の挿入長が変えられる。供給管50の上下動に伴い、光学式センサD1及び光学式センサD2も上下動する。すなわち、光学式センサD1及び光学式センサD2は、供給管50において挿入長の調節に伴って移動する部分に設けられていている。
【0059】
(制御部)
図4に戻り、制御部100について説明する。制御部100は、本体部100Aと、表示部100Bとを有する。本体部100Aは、塗布ユニットU1を用いた処理を実行するための構成要素として、搬送制御部110と、塗布制御部120と、第一検出部130と、第二検出部140と、表示制御部150とを有する。
【0060】
搬送制御部110は、塗布ユニットU1内へのウェハWの搬入及び搬出を行うように回転保持部20及び搬送アームA3を制御する。
【0061】
塗布制御部120は、ノズル32から処理対象のウェハW上に処理液Rを吐出するようにコンプレッサ70、バルブV1、及びバルブV2を制御し、ノズル32から吐出された処理液Rを処理対象のウェハW上に塗り広げるための回転数にて処理対象のウェハWを回転させるように回転保持部20を制御する。
【0062】
第一検出部130は、光学式センサD1からの出力に基づいて、容器40内における処理液Rの液面Raの高さHに関する情報を検出する。
【0063】
第二検出部140は、光学式センサD2からの出力に基づいて、内周面50aの内側における処理液Rの有無を検出する。
【0064】
表示制御部150は、第一検出部130及び第二検出部140の検出結果に基づいて、処理液Rの残状態を報知するように、表示部100Bを制御する。
【0065】
なお、本体部100Aは、例えば一つ又は複数の制御用コンピュータにより構成される。この場合、本体部100Aの各要素は、制御用コンピュータのプロセッサ及びメモリ等が協働してプログラムを実行することで構成される。このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えばハードディスク、コンパクトディスク、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、メモリーカード等が挙げられる。
【0066】
なお、本体部100Aの各要素を構成するハードウェアは、必ずしもプロセッサ及びメモリに限られない。例えば、本体部100Aの各要素は、その機能に特化した電気回路により構成されていてもよいし、当該電気回路を集積したASIC(Application Specific Integrated Circuit)により構成されていてもよい。また、上述した各構成要素は、制御部100の機能を便宜上複数のブロックに区切ったものに過ぎず、制御部100のハードウェアがこれらの構成要素ごとに分割されている必要はない。
【0067】
[液処理方法]
次に、液処理方法の一例として、塗布ユニットU1による処理液Rの塗布手順につて説明する。
【0068】
図7に示されるように、まず、制御部100はステップS01を実行する。ステップS01では、搬送制御部110が、ウェハWを塗布ユニットU1に搬入するように回転保持部20及び搬送アームA3を制御する。具体的に、搬送制御部110は、保持部21をカップ25外まで上昇させるように昇降部23を制御し、ウェハWを保持部21上に載置するように搬送アームA3を制御し、載置されたウェハWを吸着するように保持部21を制御し、ウェハWをカップ25内まで下降させるように昇降部23を制御する。
【0069】
次に、制御部100はステップS02を実行する。ステップS02では、ノズル32から処理対象のウェハW上に処理液Rを吐出するように塗布制御部120がコンプレッサ70、バルブV1、及びバルブV2を制御し、ノズル32から吐出された処理液Rを処理対象のウェハW上に塗り広げるための回転数にて処理対象のウェハWを回転させるように塗布制御部120が回転保持部20を制御する。
【0070】
次に、制御部100はステップS03を実行する。ステップS03では、ウェハWを塗布ユニットU1から搬出するように搬送制御部110が回転保持部20及び搬送アームA3を制御する。具体的には、搬送制御部110は、ウェハWをカップ25外まで上昇させるように昇降部23を制御し、ウェハWの吸着を解除するように保持部21を制御し、ウェハWを保持部21上から受け取って搬出するように搬送アームA3を制御し、保持部21をカップ25内まで下降させるように昇降部23を制御する。
【0071】
次に、制御部100はステップS04を実行する。ステップS04では、第一検出部130が、光学式センサD1からの出力に基づいて、容器内における処理液Rの液面Raの高さHに関する情報を検出する。
【0072】
次に、制御部100はステップS05を実行する。ステップS05では、第二検出部140が、光学式センサD2からの出力に基づいて、供給管50の内周面50aの内側における処理液Rの有無を検出する。
【0073】
次に、制御部100はステップS06を実行する。ステップS06では、ステップS04の検出結果に基づいて、液面Raの高さHが閾値より大きいか否かを表示制御部150が判定する。閾値は適宜設定可能である。
【0074】
ステップS06において、液面Raの高さHが閾値より大きいと判定すると、制御部100は処理を終了する。
【0075】
ステップS06において、液面Raの高さHが閾値と同じ又は小さいと判定すると、制御部100はステップS07を実行する。ステップS07では、第二検出部140の検出結果に基づいて、供給管50の管内が処理液Rで満たされているかを表示制御部150が判定する。表示制御部150は、例えば、ステップS05において内周面50aの内側に処理液Rがあることが検出されている場合に、供給管50の管内が処理液Rで満たされていると判定する。
【0076】
ステップS07において、供給管50の管内が処理液Rで満たされていると判定すると、制御部100はステップS08を実行する。ステップS08では、第一検出部130の検出結果に基づいて、容器40内の処理液Rの残状態を報知するように、表示制御部150が表示部100Bを制御する。例えば、表示制御部150は、残状態として処理液Rの残期間に関する情報を算出し、これを報知するように、表示部100Bを制御してもよい。
【0077】
具体的には、表示制御部150は、例えば、処理液Rの残状態を示す図柄を表示するように、表示部100Bを制御する。
図8の(a)〜(e)は、処理液Rの残状態を示す図柄の一例である。
【0078】
ステップS07において、供給管50の管内が処理液Rで満たされていないと判定されると、制御部100はステップS09を実行する。ステップS09では、容器40内が空であることを報知するように、表示制御部150が表示部100Bを制御する。ここで、容器40内が空であるとは、気体の混入なく処理液Rの供給を継続することができない状態まで残量が低下したことを意味する。
【0079】
以上説明したように、塗布ユニットU1は、基板処理用の処理液Rを収容するための容器40に挿入され、処理液Rの供給用の管路をなす供給管50と、供給管50の外周面50bと内周面50aとの間に設けられ、容器40内における処理液Rの液面Raの高さHに関する情報を検出する光学式センサD1と、を備える。
【0080】
この塗布ユニットU1によれば、処理液Rの残量に関する情報として、処理液Rの液面Raの高さHに関する情報が光学式センサD1により検出される。これにより、処理液Rの残量に関する情報を検出することができる。
【0081】
光学式センサD1は供給管50に組み込まれている。仮に容器40にセンサが設けられていると、容器40を交換する度に光学式センサD1を容器40に付け替える作業が必要となる。これに対し、光学式センサD1が供給管50に組み込まれていることにより、容器40を交換する作業の作業性低下を防止できる。また、光学式センサD1と供給管50とを別体で容器40内に挿入するのに比べて、構成を単純化できる。
【0082】
光学式センサD1は供給管50の外周面50bと内周面50aとの間に設けられているため、光学式センサD1が処理液Rから隔離される。よって、光学式センサD1から処理液Rへの異物の混入が抑制される。
【0083】
光学式センサD1は、外周面50bの外側における処理液Rの液面Raの高さHに関する情報を検出する。処理液Rの液面Raの高さHは、供給管50の外周面50bの外側に形成される。このため、外周面50bの外側における処理液Rの液面Raの高さHに関する情報を検出するように光学式センサD1を構成することにより、処理液Rの残量に関する情報を高精度に検出することができる。ただし、この構成は必須ではない。例えば、内周面50aの内側を見る場合であっても、供給管50内に気体が混入しているか否かに基づいて、液面Raが処理液Rの供給継続を可能な高さにあるか否かを検出できる。
【0084】
光学式センサD1は、処理液Rの液面Raの高さHに関する情報として処理液Rの有無を検出する。このため、検出対象の単純化により、光学式センサD1の構成を簡易にすることができる。ただし、この構成は必須ではない。光学式センサD1による検出対象を処理液Rの有無のみとした場合であっても、例えば、センサに比べ上側にあるのか下側にあるのかという情報のように、高さHに関する情報が得られる。光学式センサD1は、処理液Rの液圧等に応じて、高さHの値を検出するセンサに代えてもよい。
【0085】
塗布ユニットU1は、供給管50の長手方向に沿って配置された複数の光学式センサD1を備える。複数の光学式センサD1により、外周面50bの外側における処理液Rの液面Raの高さHに関する複数の情報が検出される。このため、より高精度に液面Raの高さHを判定することができる。ただし、光学式センサD1の数が1つ以上であれば、高さHに関する情報は得られるので、複数の光学式センサD1が配置される構成は必須ではない。
【0086】
塗布ユニットU1は、外周面50bと内周面50aとの間に設けられ、内周面50aの内側における処理液Rの有無を検出する光学式センサD2を更に備える。このため、内周面50aの内側における処理液Rの有無に基づいて、処理液Rの残量が供給を継続できる量か否かを検出できる。ただし、このように構成することは必須ではない。
【0087】
供給管50は、内周面50aをなす内管52と、空隙58をもって内管52を包囲し、外周面50bをなす外管54と、を有し、光学式センサD1は、外管54と内管52との間に設けられている。このため、内管52と外管54との間の空隙58を利用して、光学式センサD1を容易に配置することができる。ただし、このように構成することは必須ではない。例えば、
図9の(A)に示されるように、一重管の壁部に、供給管50の軸線方向に沿う細孔Pを形成し、細孔P内に光学式センサD1を配置してもよい。また、
図9の(B)に示されるように、周方向に沿って並ぶ複数の細孔Pを形成し、複数の細孔Pのそれぞれに光学式センサD1を配置してもよい。各細孔Pの深さを変えることにより、軸線方向において光学式センサD1を位置決めできる。更に、光学式センサD1は、一重管の壁部に埋め込まれていてもよい。
【0088】
第一センサとして光学式センサD1を用いる場合、供給管50は、容器40に比べ、光信号の透過性が高くてもよい。この場合、光学式センサの検出感度が高まるので、処理液Rの残量に関する情報をより高精度に検出することができる。また、処理液Rが感光性である場合、処理液Rの変性を防止するために容器40の遮光性を高めざるを得ない場合がある。このような場合、上記構成は特に有効である。
【0089】
なお、センサは、光学式センサD1又は光学式センサD2に限定されない。例えば、静電容量センサにより、液面Raの高さHを検出してもよい。供給管50の歪を検出するセンサにより処理液R内の圧力を推定し、これに基づいて液面Raの高さHを検出してもよい。超音波により液面Raの高さHを検出してもよい。
【0090】
塗布ユニットU1は、容器40に対する供給管50の挿入長を調節可能な調節機構60を更に備えており、光学式センサD1は、供給管50において挿入長の調節に伴って移動する部分に設けられていている。このため、容器40の深さに応じて供給管50の挿入長を変更するのに伴い光学式センサD1の位置も調整されるので、操作の煩雑さを伴わずに、容器40の深さに応じた光学式センサD1の位置調整を確実に行うことができる。このため、処理液Rの残量に関する情報をより高精度に検出することができる。調節機構60の機構は上述したものに限定されない。
【0091】
本実施形態における液処理方法は、基板処理用の処理液Rを収容するための容器40に挿入され、処理液Rの供給用の管路をなす供給管50を用いて処理液Rを供給すること、供給管50の外周面50bと内周面50aとの間に設けられた光学式センサD1を用いて処理液Rの液面Raの高さHに関する情報を検出すること、処理液Rの液面Raの高さHに関する情報に基づいて処理液Rの残状態を報知すること、を含む。
【0092】
この液処理方法によれば、処理液供給用の供給管50に設けられた光学式センサD1により、処理液Rの残量に関する情報として液面Raの高さHに関する情報を検出できる。更に検出された液面Raの高さHに関する情報に基づいて、残状態を報知することができるので、例えば、処理液Rの残状態を作業者に把握させることができる。
【0093】
液処理方法は、処理液Rの液面Raの高さHに関する情報に基づいて、処理液Rの残期間に関する情報を算出してもよく、残状態として処理液Rの残期間に関する情報を報知してもよい。この場合、例えば、処理液Rの残期間を作業者に把握させ、補充用の塗布液等の準備を促すことができる。
【0094】
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0095】
例えば、本開示を適用可能な装置は、半導体の製造装置に限られない。例えば、ウェハWは、半導体基板、ガラス基板、マスク基板、FPD(Flat Panel Display)基板その他の各種基板であってもよい。