(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
[00019]電子デバイス製造では、様々な位置の間で基板が極めて正確で迅速に搬送されることが望まれるだけではなく、固定した空間的範囲(例えば、固定床面積)内で更なる処理能力が望まれる場合がある。具体的には、多くの既存のシステムは、パススルーチャンバによって接続される第1メインフレーム及び第2メインフレームを含む場合がある。これらのメインフレームの移送チャンバ内で受け入れられるロボットは、エンドエフェクタ上に載っている基板を基板処理システムの処理チャンバに搬入し、且つそこから搬出するように適合される1つ又は複数のエンドエフェクタを有してもよく、基板をメインフレームセクション間のパススルーを通して動かすように相互作用してもよい。場合によっては、単一のエンドエフェクタが使用される。しかしながら、「デュアルブレード」と呼ばれることもあるデュアルエンドエフェクタが、ロボットの端部に取り付けられ、基板の移送と交換を速めるために使用されてもよい。従来の水平多関節ロボット(SCARA)を使用してもよく、或いは、各メインフレームのオフセットファセットへのアクセスを可能にするために独立して作動する部材を有するロボットを使用してもよい。
【0012】
[00020]このような2つのメインフレームシステムにおいては、メインフレームセクションが互いに連結される。それは、特定のツールにおける処理に使用され得る、利用可能な処理チャンバの数を拡大するためである。2つのメインフレームセクション間のパススルーチャンバは、典型的には、2つのメインフレームセクションを互いから分離させるために両側にスリットバルブを有する。このスリットバルブは、種々の真空レベルで動作することができ、或いは、分離を保証する種々の処理を経ている場合がある。
【0013】
[00021]しかしながら、第2メインフレームセクションを追加しても、処理能力は制限される場合がある。多くの場合、更なる処理能力が望まれるが、メインフレームセクションの大きさを拡大することは、以上述べた理由により難しい場合がある。したがって、床面積のフットプリントサイズを実質的に増大させずに処理能力が増大する処理システムが望ましい。更に、メインフレームセクションが最小限の修正を要することが望まれる。
【0014】
[00022]本発明の1つ又は複数の実施形態に従って、既存のデュアルメインフレームシステム(「デュアルバッファシステム」と呼ばれるときもある)と実質的に同じフットプリントを有する基板処理システムにおいて処理能力の増大をもたらすために、改善された基板処理システムが提供される。改善された基板処理システムは、1つ又は複数のビアパススルーの物理的位置と同一場所に位置する更なる処理能力を提供する。例えば、ビア処理チャンバは、ビアパススルーチャンバの直上に設けられてもよいこのような処理能力を含むビアパススルー装置が本明細書で説明される。
【0015】
[00023]本発明の様々な実施形態の例示的な実施形態の更なる詳細が、本明細書の
図1から
図5を参照しながら説明される。
【0016】
[00024]ここで
図1を参照すると、本発明の実施形態による、電子デバイス処理システム100の実施例が開示される。電子デバイス処理システム100は、基板102上で1つ又は複数の処理を実行するのに有用である。例えば、基板102は、パターン化された又はパターン化されていない半導体ウェハ、ガラス板又はパネル、ポリマー基板、レチクル、マスクなどであってもよい。幾つかの実施形態では、基板は、シリコンウェハであってもよく、シリコンウェハは、1つ又は複数の層、パターン、又は上に形成された複数の不完全なチップを有する不完全な半導体ウェハなどの電子デバイス前駆体であってもよい。
【0017】
[00025]電子デバイス処理システム100は、第2メインフレームセクション104に隣接して設けられる第1メインフレームセクション103を含む。各メインフレームセクション103、104は、それぞれセクションハウジング106、108を含み、セクションハウジング106、108は、それぞれ中に移送チャンバ110、112を含む。セクションハウジング106、108は、チャンバファセットによって画定され得る多数の垂直側壁、並びに上壁及び底壁を含んでもよい。図示の実施形態では、セクションハウジング106、108は、巻き付くファセットを含み、各側壁上のファセットは、実質的に互いに平行である、すなわち、ファセットに連結されたそれぞれの対になったチャンバに入る方向が、わずかに角度が付くことがあっても、実質的に同時平行であり得る。搬送チャンバ110、112はそれぞれ、その側壁、並びに上壁及び低壁によって画定され、例えば真空に維持されることができる。各移送チャンバ110、112の真空レベルは、同じであってもよく、又は異なってもよい。
【0018】
[00026]第1及び第2ロボット114、116は、それぞれの第1及び第2移送チャンバ110、112において受容され、各ロボットは、アームと、基板105を支持且つ搬送するようにその上で動作可能に適合された1つ又は複数のエンドエフェクタとを含む。第1及び第2ロボット114、116は、基板102(例えば、黒丸として
図1に示される「半導体ウェハ」)を目的地から選び取る又は目的地に置くように適合されてもよい。目的地は、第1又は第2移送チャンバ110、112に連結される任意のチャンバであってもよい。例えば、目的地は、第1移送チャンバ110からアクセスされる第1ハウジング106に連結される1つ又は複数の第1処理チャンバ117又は第2処理チャンバ118、第2ハウジング108にすべて連結され、第2移送チャンバ112からアクセス可能である1つ又は複数の第3処理チャンバ119、第4処理チャンバ120、又は第5処理チャンバ121、第1ハウジング106に連結されることができ、第1移送チャンバ110からアクセス可能である1つ又は複数のロードロックチャンバ125、並びにビアパススルー装置124であってもよい。ビアパススルー装置124は、以下でより詳細に説明されるが、「ビア位置」において処理能力とパススルー能力の組み合わせを備える。本明細書で使用される「ビア位置」とは、ロボット114、116の両方によってアクセス可能である第1及び第2メインフレームセクション103、104を意味する。
【0019】
[00027]処理チャンバ117−121、及びビアパススルー装置124の処理チャンバは、堆積、酸化、酸化物除去、ニトロ化、エッチング、洗浄、軽減などの、基板102上の任意の数の処理又は処理工程を実行するように適合されてもよい。1つ又は複数の実施形態では、軽減はハロゲン化物除去を含んでもよい。別の実施形態では、酸化物除去は、酸化銅除去であってもよい。以上のいずれの処理も、ビアパススルー装置124内で実行されることができる。
【0020】
[00028]1つ又は複数のロードロックチャンバ125は、ファクトリインターフェース126のロードポート129においてドッキングすることができる基板キャリア128(例えば、前方開口型統一ポッド(FOUP))から基板102を受容することができるファクトリインターフェース126と相互作用するように適合されてもよい。ロード/アンロードロボット130(破線で図示)は、矢印で示されるように基板キャリア128とロードロックチャンバ125の間で基板102を移送するために使用されてもよい。移送は、任意の順序又は方向で行われてもよい。1つ又は複数の従来型スリットバルブ132は、各処理チャンバ117−121、ロードロックチャンバ125、及びビアパススルー装置124への入口に設けられてもよい。
【0021】
[00029]再び
図1を参照すると、各ロボット114、116は、移送チャンバ110、112の一部を形成する第1及び第2ハウジング106、108のそれぞれの壁(例えば、底面床)に取り付けられるように適合されるベースを含んでもよい。各ロボット114、116は、メインフレームセクション103、104と1つ又は複数のロードロックチャンバ125の間で基板102を移送するように適合される任意の適切なマルチアーム構成を含んでもよい。例えば、ロボット114、116は、マルチアームを含んでもよく、同一であってもよい。ロボット114、116は、図示の実施形態では実質的に剛性の片持ち梁であり得る上アーム134を含んでもよい。上アーム134は、時計回りの回転方向又は反時計回りの回転方向のいずれかでショルダー回転軸周囲を独立して回転するように適合されてもよい。ショルダー回転軸周囲の回転は、底面床の下に取り付けられる従来型の可変リラクタンスモータ又は永久磁石電気モータなど、各移送チャンバ110、112の外部に位置決めされるモータハウジング(図示せず)内で受容され得る上アーム駆動モータなどの任意の適切な原動部材によってもたらされてもよい。上アーム134の回転は、コントローラ135から上アーム駆動モータへの適切なコマンドによって制御されてもよい。幾つかの実施形態では、モータハウジング及びベースは、互いに一体になるようにつくられてもよい。他の実施形態では、ベースは、移送チャンバ110、112の底面床と一体になるようにつくられてもよい。
【0022】
[00030]ショルダー回転軸から離間される半径方向の位置において上アーム134の外側端で取り付けられ、回転可能に連結されるのは、前アーム136である。前アーム136は、半径方向の位置におけるエルボー回転軸周囲の上アーム134に対するX−Y平面において回転するように適合されてもよい。前アーム136は、モータハウジング(これも図示せず)に設けられることができる前アーム駆動モータ(図示せず)によって、ベース及び上アーム134に対するX−Y平面において独立して回転可能であってもよい。
【0023】
[00031]エルボー回転軸から離間される位置において前アーム136の外側端上に位置するのは、1つ又は複数のリスト部材138A、138Bであってもよい。リスト部材138A、138Bは、それぞれ、リスト回転軸周囲の前アーム136に対するX−Y平面における独立回転のために適合されてもよい。更に、リスト部材138A、138Bは、それぞれ、エンドエフェクタ140A、140B(さもなければ「ブレード」と呼ばれる)に連結されてもよく、エンドエフェクタ140A、140Bは、それぞれ、選び取る動作及び/又は置く動作の間に基板102を運び、移送するように適合される。エンドエフェクタ140A、140Bは、任意の適切な従来型の構造のものであってもよい。エンドエフェクタ140A、140Bは、受動的であってもよく、或いはメカニカルクランプなどの基板102を保持するための幾つかの能動的手段又は静電能力を含んでもよい。エンドエフェクタ140A、140Bは、機械的締結、接着、締め付けなどの任意の適切な手段によってリスト部材138A、138Bに連結されてもよい。任意選択的に、それぞれのリスト部材138A、138B、及びエンドエフェクタ140A、140Bは、1つの一体部分として形成されることによって、互いに連結されてもよい。各リスト部材138A、138Bの回転は、移送チャンバ110、112の外部にあり得るモータハウジング(図示せず)内に位置し得る、それぞれのリスト駆動モータによって付与されてもよい。
【0024】
[00032]図示の実施形態では、エンドエフェクタ140A、140Bは、各処理チャンバ117−121、1つ又は複数のビアパススルーチャンバ122、123のそれぞれ、及びビアパススルー装置124の各チャンバに挿入されてもよい。挿入は、概して真っ直ぐに行われてもよく、すなわち、それぞれのチャンバのファセットに対してほぼ直角の方向に挿入されるが、幾らかの微妙な角度オフセットが同様に許容され得る。平行のファセット(例えば、対になったチャンバ)にアクセスするこの能力は、挿入及び引き戻しされる際にエンドエフェクタ140A、104Bの作用線が、それぞれのロボット114、116のショルダー軸から水平にオフセットされるため、本明細書で軸外能力(off−axis capability)と呼ばれる。
【0025】
[00033]メイダン等(Maydan et al)による米国特許第5,855,681号で教示されるロボットのように、他の種類のロボットをこのような軸外のチャンバ又は対になったチャンバを処理するために使用してもよい。図示の実施形態では、1つ又は複数のビアパススルーチャンバ122、123は、ビアパススルー装置124から水平に反対側の第1メインフレームセクション103の側面上で第1メインフレームセクション103に連結される。パススルー装置124は、個別の構成要素として構成されてもよく、各メインフレームセクション103、104に取り付け可能な共通本体142を含んでもよい。
【0026】
[00034]
図2は、実施形態による、代表的なビアパススルー装置124の詳細を示す。ビアパススルー装置124は、第1側面上で第1メインフレームセクション103の第1ハウジング106、並びに他の側面上で第2メインフレームセクション104の第2ハウジング108に接続可能な剛性材料(例えば、アルミニウム)の共通本体242を含む。接続は、締結(例えば、ボルト締め)などの機械的接続による方法であってもよく、第1及び第2ハウジング106、108との接続界面は、幾つかの実施形態では、適切に密封されることができる。
【0027】
[00035]ビア装置124は、第1メインフレームセクション103と第2メインフレームセクション104との間で連結するように適合され、且つ基板102が移送チャンバ110、112の間を通過することを可能にするパススルーチャンバ244を含む。パススルーチャンバ244は、入口246及び出口248を含み、それぞれスリットバルブ132を有する。本明細書に使用される入口及び出口は、最終的に方向を示すわけではなく、入口246は時として出口として機能する場合がある。同様に、出口248は時として入口として機能する場合がある。したがって、基板102は、いずれの方向でもパススルーチャンバ244を通過することができる。スリットバルブ132は、米国特許番号第6,173,938号、及び第7,007,919号において教示されるように、任意の適切なスリットバルブ構造であってもよい。幾つかの実施形態では、スリットバルブ132は、例えば、Lモーション(L−motion)スリットバルブであってもよい。
【0028】
[00036]パススルーチャンバ244は、従来型の構造であってもよく、1つ又は複数の支持体250を含んでもよい。1つ又は複数の支持体250は、1つ又は複数の基板102(破線で示される)がその上に置かれ、支持されることを可能にするように適合される。1つ又は複数の支持体250上に置かれる基板102は、エンドエフェクタ140A、140Bを入口246及び出口248それぞれを通して延在させることによって、各ロボット114、116によってアクセス可能である。支持体250は、ピン、ペデスタル、スロット、タブ、プラットフォームなどの任意の適切な構造でつくられてもよい。幾つかの実施形態では、リフトアクチュエータ243が、1つ又は複数の支持体250を持ち上げるために使用されてもよい。
【0029】
[00037]ビアパススルー装置124は、ビア処理チャンバ252を更に含む。ビア処理チャンバ252は、パススルーチャンバ244とは異なる垂直階層に位置する。ビア処理チャンバ252は、その中に置かれる基板102上で処理を実行するように適合される。この態様では、基板処理システム100の更なる処理能力がビア位置において提供される。図示の実施形態では、チャンバ244、252の少なくとも一部が共通本体242内で形成される。図示の実施形態では、2つの鉛直レベルに位置するパススルーチャンバ244及びビア処理チャンバ252に処理を施すためにZ軸能力(Z−axis capability)がロボット114、116上に提供されてもよい。Z軸能力は、最大約200mmであることができる。基板102をクールダウン244Cに下降させることによって、冷却がパススルーチャンバ244に内部で行われることができる。ビアパススルーチャンバ244に供給される真空は、専用真空ポンプ(図示せず)によって供給され得る。
【0030】
[00038]図示の実施形態では、ビア処理チャンバ252は、パススルーチャンバ244の鉛直上方(例えば、直上)に配置され且つ位置決めされてもよい。図示の実施形態では、処理チャンバ252内への入口通路は、第2メインフレームセクション104の第2移送チャンバ112と連通する開口部254を通る。スリットバルブ234が、開口部254内に設けられてもよい。ビアパススルー装置124は、幾つかの実施形態では、ビア処理チャンバ252内への単一の開口部254を有してもよい。
【0031】
[00039]
図3の実施形態では、パススルーチャンバ344の鉛直上方に位置し且つ位置決めされるパススルーチャンバ344及びビア処理チャンバ352を有するが、複数の開口部354A、354Bがビア処理チャンバ352内に設けられる、ビアパススルー装置324の代替的な実施形態が提供される。スリットバルブ132、234、334が、各開口部354A、354B、並びに入口246、出口248に設けられてもよい。したがって、開口部354A及び354B、並びに入口246及び出口248は、それぞれ、基板102を移送チャンバ110、112の間を通し且つ移送するために使用されてもよい。したがって、この実施形態では、パススルー能力がビア処理チャンバ352を通して提供される。ビア処理チャンバ352は、第1メインフレームセクション103の第1移送チャンバ110に連結し、そこからアクセス可能であるように適合される第1開口部354A、及び第2メインフレームセクション104の第2移送チャンバ112に連結し、そこからアクセス可能であるように適合される第2開口部354Bを有する。
【0032】
[00040]ここで
図2と
図3の両方を参照すると、ビア処理チャンバ252、352は、それぞれ、処理される基板102が処理の間に支持されることができるペデスタル253を含んでもよい。ペデスタル253は、固定(例えば、移動しない)ペデスタルであってもよく、幾つかの実施形態では、その中に従来型の抵抗ヒータを含めることによって、加熱されることができる。ヒータは、基板102を、約0度(摂氏)と約300度(摂氏)の間の温度、幾つかの実施形態では、約250度(摂氏)を上回る温度、更なる実施形態では、約280度(摂氏)と約300度(摂氏)の間の温度などの所定の温度まで加熱するように機能することができる。パススルー装置124、324は、ビアパススルー装置124、324のビア処理チャンバ252、352内の基板102上で処理を実行することができる。具体的には、ビア処理チャンバ252、352内で実行される処理は、堆積処理、酸化処理、ニトロ化処理、アニール処理、エッチング処理、洗浄処理、又は軽減処理からなる処理群から選択される少なくとも1つであってもよい。1つの実施形態では、処理は、例えば、酸化銅(CuO)を除去するように適合される酸化物除去又は酸化物エッチング処理であってもよい。幾つかの実施形態では、処理はプラズマ支援処理であってもよい。
【0033】
[00041]他の実施形態では、ビア処理チャンバ252、352内で実行される処理は、基板102からハロゲン成分を除去するように適合される軽減処理であってもよい。 例えば、ハロゲン含有残留物を除去する軽減処理は、ビア処理チャンバ252、352内で実行されてもよい。軽減は、臭化水素(HBr)、塩素(Cl
2)、又は四フッ化炭素(CF
4)のうちの1つ又は複数を除去するように実行されてもよい。ハロゲン含有残留物の除去のために適切な軽減処理は、例えば、米国特許第8,293,016号において教示される。他の後処理残留物をビア処理チャンバ252、352内で除去することができる。例えば、基板102は、処理チャンバ(例えば、117−121)のうちの1つにおいて処理を経て、次いで、残留物除去処理又は他のガス軽減処理のために、それぞれのロボット114、116によってビア処理チャンバ252、352に移送されることができる。
【0034】
[00042]ビア処理チャンバ252、352内の真空圧は、そこで望まれる処理の実行に適切な真空範囲に、連結された真空ポンプ255によって制御することができる。真空ポンプ255は、ターボポンプ又は他の適切なポンプであってもよく、共通本体242、342の内部の1つ又は複数の通路256によって、各チャンバ252、352に連結されてもよい。ポンプ255は、各処理チャンバ252、352のための真空を供給するように動作することができる。
【0035】
[00043]1つ又は複数のガスは、望まれる処理を実行するために、ガス吸気口257を介して共通遠隔プラズマ源258、257、357内へ、ビア処理チャンバ252、352に供給されてもよい。例えば、窒素(N
2)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、水素(H2)、酸素(O
2)、オゾン(O
3)などのガスが、従来型のガス供給システム(図示せず)によって、ビア処理チャンバ252、352に供給されてもよい。このようなガス供給システムは、例えば、ガス供給容器、質量流量コントローラ及びバルブを含んでもよい。
【0036】
[00044]別の実施形態では、酸化銅除去処理がビア処理チャンバ252、352内で行われてもよい。適切な酸化銅除去処理が、例えば、米国特許第6,734,102号及び第6,946,401号で説明される。他の酸化銅除去処理が使用されてもよい。幾つかの処理では、図示の共通遠隔プラズマ源などのプラズマ源258が設けられ、ビア処理チャンバ252、352に連結されてもよい。
【0037】
[00045]更に、リフトアセンブリ272が、処理チャンバ252、352の内部の基板102を持ち上げるために設けられてもよい。
図4Aで最もよく示されるように、リフトアセンブリ272は、アルミニウム材料のフープ状フレームであり得るリフトフレーム473を含む。フィンガ471は、リフトフレーム473に連結され、ねじ又はボルトなどの適切な締め具によって取り付けられてもよく、或いは、リフトフレーム473と一体につくられてもよい。フィンガ471は、基板102を支持し、リフトアクチュエータ482がライザ部470によって上部位置に動かされたとき、ロボット112のエンドエフェクタ140Aが基板102を処理チャンバ252から抽出することを可能にするように、基板102が位置決めされる。
【0038】
[00046]フレーム473内に取り付けられているのは、格納リング475である。格納リング475は、石英又はアルミナリングであってもよい。格納リング475は、処理チャンバ252、352、452A、452B内で行われるプラズマ処理へのスリットバルブ開口部254、354A、354B、454A、454Bの影響を低減させるように機能することができる。格納リング475は、ペデスタル253と面板259の間を延在し、その間の縦方向の隙間を埋める。約3mmの半径方向の隙間をペデスタル253の周囲と格納リング475の内径の間に設けてもよい。他の隙間を使用することができる。格納リング475は、形状が環状であってもよく、リフトフレーム473内で形成されるポケットの置かれてもよい。
【0039】
[00047]
図4Dで見られるように、プラズマ支援処理がチャンバ452A内で行われるとき、格納リング475は、処理チャンバ452Aを実質的に囲む。同一の格納リング475が処理チャンバ452B内に設けられてもよい。リフトアクチュエータ482の作動によるライザ部470の動作を通してリフトフレーム473が持ち上げられるとき、リング475は、移動し、シャワーヘッド247から半径方向外側の環状上部ポケット478内に受容される。したがって、リング475は、移動可能な格納リングを含む。
【0040】
[00048]
図4Dは、処理チャンバ452A、452B、ロードロックチャンバ444A、444B、及び他の構成要素を示すビアパススルー装置424の代表断面図を示す。チャンバ452B上でリフトアセンブリ272が、交換のために上部位置に位置決めされているように示される。処理チャンバ452Bから基板102が交換されることを妨げないように格納リング475がスリットバルブの開口部454Bの上に持ち上げられることに留意されたい。左のチャンバ452Aは、フィンガ471がフィンガ凹部464を通して受容されることとともに下部位置におけるリフトアセンブリ272を示す。下部リフトアセンブリ467は、更に、べローズ466、下部リフトアクチュエータ243、支持体450、及びクールダウンプラットフォーム444Cを含むように示される。
【0041】
[00049]
図1の電子デバイス処理システム100は、横並び配置で配置されるパススルーチャンバ122、123を有するビアパススルー装置124を含む。ビアパススルー装置124のパススルーチャンバ122、123は、実質的に同一であってもよく、ビアパススルー装置124、324の構成によって置き換え且つ交換してもよい。幾つかの実施形態では、
図2に示されるビアパススルー装置124の種類の組み合わせは、1つのビアの位置において設けられてもよく、
図3に示されるビアパススルー装置324の種類は、そこから水平にオフセットされる別のビアの位置において設けられてもよい。
【0042】
[00050]ここで
図4C及び
図4Dを参照すると、パススルー装置424の実施形態の等角図及び断面図が示される。ビアパススルー装置424は、第1移送チャンバ110に連結され、且つそこからアクセス可能であるパススルーチャンバ444A、444Bに連結される入口446A、446Bを有する共通本体442を含む。出口は、他の側面に設けられ、第2移送チャンバ112に連結されてもよい。上述のように、ビア処理チャンバ452A、452Bは、パススルーチャンバ444A、444Bの上に位置する。
【0043】
[00051]
図4Cに示されるように、共通プラズマ源458は、マニフォールド460によって処理チャンバ452A、452Bそれぞれに連結されてもよい。図示の実施形態では、ビアパススルー装置424は、ビア処理チャンバ452A、452Bそれぞれに連結される共通遠隔プラズマ源458を含む。プラズマ源458は、ビア処理チャンバ452A、452Bそれぞれにおいてプラズマを生成することから共通であると呼ばれる。分配チャネル461A、461Bは、ビア処理チャンバ452A、452Bそれぞれを共通遠隔プラズマ源458に連結する。適切な真空ポンプ455を、共通本体442の下方に設けてもよく、且つ様々な処理チャンバ452A、452Bの内部に真空を生成するために使用してもよい。
【0044】
[00052]
図4Dで最も良く示されるのは、処理チャンバ452A、452B、ロードロックチャンバ444A、444B、及び他の構成要素を示すビアパススルー装置424の代表断面図である。処理チャンバ452B上でリフトアセンブリ472が、基板102の交換のために上部位置に位置決めされているように示される。処理チャンバ452Bにおける基板の交換を妨げないように格納リング475がスリットバルブの開口部454Bの上に持ち上げられることに留意されたい。処理チャンバ452Aは、フィンガ471がフィンガ凹部464を通して受容されることを伴う下部位置に位置するリフトアセンブリ472を示す。下部リフトアセンブリ467A、467Bは、更に、べローズ466、下部リフトアクチュエータ243、支持体250、及びクールダウンプラットフォーム444Cを含むように示される。
図4Dでは、マニフォールド460によってビア処理チャンバ452A及びビア処理チャンバ452Bに連結される共通遠隔プラズマ源458が更に示される。マニフォールド460内のチャネル461A、461Bは、プラズマをガスボックス462に供給し、シャワーヘッド247及び面板259に通す。1つ又は複数のガスが、吸気口257において導入されてもよい。補助的ガス吸気口がガスボックス462において設けられてもよい(吸気口は図示せず)。
【0045】
[00053]ここで
図4E及び4Fを参照すると、ペデスタル253が詳細に示される。ペデスタル253は、最上部プレート468を含む。最上部プレートは、基板102に接触するように適合されるアルミニウム材料であってもよい。ペデスタル253は、最上部プレート468の下方にあり、且つ支持体476内の溝に横たわる抵抗素子を有する内部抵抗性ヒータを含み得る支持体476(これもアルミニウムであり得る)を含んでもよい。ヒータは、基板102を、約0度(摂氏)と約300度(摂氏)の間の温度、又はそれを上回る温度などの適切な処理温度に加熱することができる。ヒータへの電力入力ケーブルは、チャネル477内で水平に延在してもよく、次いで、共通本体442内に形成されるヒータポートを通って垂直下方に延在してもよい。ヒータポートは、最上部プレート468の中央からオフセットされる。適切に密封された電気パススルー480が、ヒータポートを密封することができる。最上部プレート468で示されるのは、表面の下のフィンガ471を受容するように構成され、且つ適合される複数のフィンガ凹部464(例えば、3つのフィンガ)である。リフトアセンブリ472のフィンガ471(
図4A−
図4B)は、ロボット116を用いて基板を交換する間に、基板102に接触してそれを持ち上げるように適合される。フィンガ471の数は、例えば3つ以上であってもよい。フィンガは、接続フランジ
469によってライザ部470に接続されるリフトフレーム473などの接続部分から延在してもよい。フィンガは、基板102の下方で水平に延在してもよい。フィンガ471は、基板102を支持するために適切な半径方向の間隔で離間され、更に基板102に対するエンドエフェクタ140Aのアクセスを妨げないように離間されてもよい。
【0046】
[00054]
図5で示されるように、基板(例えば基板102)を処理する方法500が提供される。方法500は、502では、第1ロボット(例えば、第1ロボット114)を含む第1メインフレームセクション(例えば、第1メインフレームセクション103)を提供すること、及び504では、第2ロボット(例えば、第2ロボット116)を含む、第1メインフレームセクションに隣接する第2メインフレームセクション(例えば、第2メインフレームセクション104)を提供することが含まれる。方法500は更に、506では、第1メインフレームと第2メインフレームを連結するビアパススルー装置(例えば、ビアパススルー装置124、324、424)を提供すること、及び508では、ビアパススルー装置の1つ又は複数のビア処理チャンバ(例えば、ビア処理チャンバ252、352、452A、452B)内の1つ又は複数の基板上の処理を実行することが含まれる。
【0047】
[00055]前述の説明は、本発明の単なる例示的な実施形態を開示する。本発明の範囲に含まれる、以上で開示されたシステム、装置、及び方法の修正例は、当業者にはすぐに明らかになるだろう。したがって、本発明が、その例示的な実施形態に関連して開示されたが、他の実施形態が、以下の特許請求の範囲によって定義される、本発明の範囲に含まれうると理解されたい。