(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、係る遊技機は、全部でn個の遊技球を1個ずつゲームフィールドに放出して当選判定を行うため、プレイ時間が長くなるという問題点があった。そして係る遊技機では、複数のリーチ穴が存在しても、これらが離れている場合には、同時クリアは不可能であった。
【0006】
またクレーン装置を用いてプライズを獲得するクレーンゲームはよく知られたゲームであり、プライズを獲得できるので人気が高い。しかしクレーン装置を用いたゲームはプライズを持ち上げて獲得ポイントへ落下させるような単調なものがほとんどであり、クレーン装置で運ぶ遊技媒体量や移動先を重要なゲーム要素として組み込んだ遊技機は存在しなかった。
【0007】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技媒体を用い、ビンゴ的要素を加えた遊技機において、素早く結果が出るビンゴを実現してゲーム時間を短縮するとともに、離れた場所の複数リーチの同時クリアを可能にする遊技機を提供することにある。
【0008】
また本発明の他の目的は、クレーンゲームの「狙って掬う」要素と、「ビンゴ」のゲーム性を融合した新しいタイプの遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明は、複数の遊技媒体と、判定領域を含むゲーム空間を形成する筐体と、プレーヤの操作入力を受け付ける操作部を含む遊技機であって、操作部からの操作入力に基づき、複数の遊技媒体を、ゲーム空間の判定領域に放出する遊技媒体放出手段と、放出された前記遊技媒体の、前記判定領域に設けられた複数の判定ポイントに対する所定の事象の有無の状態を検出する検出手段と、判定領域における複数の判定ポイントの所定の事象の有無の状態に基づき当選判定を行う判定手段と、を含み、前記判定手段は、所定事象有状態の複数の判定ポイントが当選条件を満たす場合に当選と判定することを特徴とする遊技機に関する。
【0010】
遊技媒体は、遊技球(ボール)、メダル、コイン、サイコロ、その他の物でもよい。
【0011】
当選結果に基づき、特典を付与する手段を含んでもよい。特典はゲーム内通貨、メダル、アイテム、特典引き換えカード、プライズ、その他のもの、又は電気的な情報、電子データ、電子コンテンツ等でもよい。
【0012】
遊技媒体放出手段は、複数の遊技媒体が放出可能に構成されているが、結果として1つの遊技媒体しか放出されない場合であっても、複数の遊技媒体が放出可能に構成されていれば、本発明の範囲内である。
【0013】
遊技媒体放出手段は操作部からの操作入力に基づき、同時に又は1回の放出で、複数の遊戯媒体を判定領域に放出する。1回の放出は、1回の操作で行う場合に限られず、一連の操作で行われてもよい。複数の遊技媒体は同時に放出されてもよいし、連続的に放出されてもよい。連続的に放出される場合には、連続的な放出の終了後に当選判定が行われる。
【0014】
プレーヤは投入したクレジットに応じて遊技媒体の放出を繰り返し行うことができる。
【0015】
判定領域は、例えば盤面のように2次元的に構成されていてもよいし、ゲーム空間の一部に3次元的に構成されていてもよい。
【0016】
判定ポイントに対する所定の事象の有無の状態は、判定ポイントにおける遊技媒体の配置状態を検出し、配置の有無で決定してもよい。例えば判定ポイントに遊技媒体が配置されている場合に所定の事象が有と判定してもよい。また判定ポイントに設けられた通過検出手段(例えばチャッカ)を遊技媒体が通過したか否か検出し、通過した場合に所定の事象が有と判定してもよい。
前記所定の事象の有無は、前記遊技媒体の前記判定ポイントに対する配置、通過、衝突のいずれかの有無でもよい。
【0017】
検出手段は、例えばCCDカメラで判定領域を撮影することにより、判定領域における遊技媒体の配置位置を検出して、判定ポイントに対する所定の事象の有無を検出してもよい。また判定領域に、遊技媒体の通過又は配置を検出するセンサ等を設けることにより所定の事象の有無を検出してもよい。
【0018】
当選条件は、所定の事象有状態の複数の判定ポイントの位置関係で規定されおり、所定の事象有状態の複数の判定ポイントが所定の位置関係を満たす場合、当選と判定してもよい。また当選条件は、所定の事象有状態の複数の判定ポイントの組合せ(複数の判定ポイントの集合)で規定されおり、組合せで規定されている複数の判定ポイントのすべてが所定の事象有状態の場合に当選と判定してもよい。
【0019】
また判定手段は、遊技媒体の放出が行われる毎に当選判定を行うようにしてもよい。
【0020】
それぞれ当選となる異なる複数の当選条件を規定してもよい。本発明によれば、1回の放出操作で、放出される遊技媒体が複数なので、1回の放出操作で、複数の当選条件を満たすことが可能となる。例えば従来のビンゴゲームにおけるダブルリーチやトリプルリーチなどは、1点が複数のリーチ条件を満たした場合に限定されていたので、重複した判定ポイントを有しない場合には、1回の放出操作で複数当選するゲームは実現できなかった。本発明のように1回の放出操作で複数の遊戯媒体を放出する場合には、離れた複数の判定ポイントを同時に所定の事象有状態にすることが可能なので、1回の放出操作で同時
複数当選が可能となり、プレーヤの期待度やゲーム意欲を高めることができる。
【0021】
本発明によれば一度に複数の遊技媒体が放出されるので、当選が確定するまでの放出回数(ゲーム時間)が短くなり、ゲームの稼働率を向上させることができる。
【0022】
(2)この遊戯機において、前記判定ポイントは、放出された前記遊技媒体が配置可能に構成されており、前記検出手段は、放出された前記技媒体が前記判定ポイントに配置されている場合に、当該判定ポイントを所定の事象有状態として検出してもよい。
【0023】
遊技媒体の実際の配置に基づいて当選判定が行われるので、より臨場感にあふれたゲームを楽しむことができる。また後から放出された遊技媒体が先に配置されていた遊技媒体に衝突して位置が変化する等、現実の事象に左右されるので、より変化にとんだゲームを楽しむことができる。
【0024】
(3)この遊戯機において、前記遊技媒体放出手段は、操作部からの操作入力に基づき、前記判定領域における放出位置を決定し、決定された放出位置に前記遊技媒体を放出してもよい。
【0025】
遊技媒体放出手段は、例えばクレーンゲーム機等に採用されるクレーン装置等で実現してもよい。このようにすると、クレーン装置の放出位置を指定して、判定ポイントを所定の事象有状態を狙うという新たな遊技機を提供することができる。
【0026】
(4)この遊戯機において、前記ゲーム空間内には遊技媒体が置かれた遊技媒体置き場が設けられ、前記遊技媒体放出手段は、操作部からの操作入力に基づき前記遊技媒体置き場に置かれている遊技媒体を捕獲する捕獲手段を含み、前記捕獲手段によって捕獲した遊技媒体を前記判定領域に放出してもよい。
【0027】
捕獲手段は、クレーン装置のアーム、電磁石等で遊技媒体を捕獲する装置、バキューム装置等である。このようにすると、クレーンゲーム等の「狙って捕獲する」要素と、「ビンゴ」のゲーム性の長所を融合した新たな遊技機を提供することができる。
【0028】
(5)この遊戯機において、前記判定手段の当選判定の後に、当選条件を満たした複数の判定ポイントの所定の事象有状態をリセットする第1のリセット手段をさらに含んでもよい。
【0029】
前記判定ポイントは、放出された前記遊技媒体が配置可能に構成されており、前記検出手段は、放出された前記技媒体が前記判定ポイントに配置されている場合に、当該判定ポイントを所定の事象有状態として検出する構成の場合には、前記第1のリセット手段は、前記判定手段の当選判定の後に、当選条件を満たした複数の判定ポイントに配置されている遊技媒体を、判定ポイントから排除する構成でもよい。
【0030】
排除された遊技媒体は、遊技媒体置き場に排出してもよい。
【0031】
遊技媒体を判定ポイントに配置する構成の場合には、盤面上に配置されている遊技媒体が増えて、配置可能な判定ポイントが減少し、放出により遊技媒体を判定ポイントに配置させる楽しみが減少する。本発明によれば、当選条件を満たした複数の判定ポイントをリセットする(遊技媒体の配置状態を解消する)ので、複数回の放出においても、放出により遊技媒体を判定ポイントに配置させる楽しみを維持することができる。
【0032】
(6)この遊戯機において、前記判定領域には、前記当選条件を満たすために所定の事象
有状態であることが必要な入賞判定ポイントと、必要でない非入賞判定ポイントが設定されており、前記判定手段の当選判定の後に、非入賞判定ポイントに配置されている遊技媒体を、非入賞判定ポイントから排除する第2のリセット手段をさらに含んでもよい。
【0033】
排除された遊技媒体は、遊技媒体置き場に排出してもよい。
【0034】
非入賞位置は、当選条件として定義されていない位置ではあるが、非入賞位置に遊技媒体がおかれた場合に、特典やポイントを付与してもよい。また入賞位置であるか非入賞位置であるかにかかわらず、判定ポイントが所定の事象有状態である場合には、ポイント等を付与してもよい。
【0035】
遊技媒体を判定ポイントに配置する構成の場合には、盤面上に配置されている遊技媒体が増えて、配置可能な判定ポイントが減少し、放出により遊技媒体を判定ポイントに配置させる楽しみが減少する。本発明によれば、非入賞判定ポイントに配置されている遊技媒体当選条件を満たした複数の判定ポイントをリセットする(遊技媒体の配置状態を解消する)ので、複数回の放出においても、放出により遊技媒体を判定ポイントに配置させる楽しみを維持することができる。
【0036】
(7)この遊戯機において、非プレイ時に、前記判定ポイントの所定の事象の有無の状態が所定の条件を満たすか否か判定し、前記所定の条件を満たすと判断された場合には、プレーヤの操作入力によらず、前記判定領域に遊技媒体を放出させる制御を行う自動プレイ制御手段を含んでもよい。
【0037】
非プレイ時とは、例えばアトラクト時等である。このようにすることで、アトラクト時等に、アトラクト演出も兼ねて、判定領域の判定ポイントのヒット状態を調節することができる。アトラクト時に、もう少しで当選となりそうな状態とすることで、プレーヤにゲーム開始への強い動機づけを与えることができる。
【0038】
(8)この遊戯機において、ゲーム空間の前記判定領域の外縁の一部に、放出された前記遊技媒体が滞留可能な滞留領域が設けてもよい。
【0039】
判定領域を、盤面等で構成する場合、盤面に放出された遊技媒体は、判定ポイントに配置されない場合、盤面外に落ちてしまうことになる。滞留領域を設けることにより、判定領域から盤面外に落ちる遊技媒体の一部が滞留領域に滞留する。
【0040】
滞留領域に滞留している遊技媒体が、判定領域の外縁を構成する壁として機能し、判定領域から移動してくる遊技媒体が、滞留領域の遊技媒体に衝突して跳ね返り、再び判定領域のほうに移動することにより、跳ね返りにより所定の事象有状態になる確率を高めることができる。
【0041】
(9)この遊戯機において、
前記当選判定の結果の履歴情報に基づき難易度を調整する難易度調整手段を、さらに含んでもよい。
【0042】
当選判定の結果の履歴情報とは、過去の所定期間(例えば過去x時間)における当選結果の統計情報当でもよい。
【0043】
履歴情報を所定の基準と比較して、難易度を調整してもよい。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0046】
1.構成
1−1.構成図
図1は、本発明の実施の形態に係る遊技機1の外観構成を示す斜視図である。
図2、
図3は、それぞれ本実施の形態にかかる遊技機1の構成例を説明するための部分断面の縦断面図、上面透視図である。
【0047】
本実施形態の遊技機1は、クレーン装置10で遊技球30(遊技媒体の一例)を把持して移動させ、盤面50(判定領域の一例)上で遊技球30を放出して、盤面50に設けられた判定ポイントHP(放出された遊技球の配置の有無を判定するための位置又はエリアであり、例えば穴や窪みや溝のように遊技球が配置可能な場所)に遊技球30を配置するゲームを行うものである。
【0048】
本実施形態の遊技機1は、筐体2の前面と左右の側面の上部に透明のアクリル板やガラス版等により構成され、プレーヤが筐体2の内部のゲーム空間を視認可能になっているとともに、プレーヤが筐体2の内部を触れることができないようになっている。そして本実施形態では、筐体2の内部をゲーム空間として機能させている。
【0049】
ゲーム空間には、遊戯球30が配置可能に構成された複数の判定ポイントHPが設けられた盤面50(判定領域の一例)が設けられている。
【0050】
ゲーム空間の盤面50の奥側には、遊技球30が詰み上げられた遊技球貯留場40が設けられている。
【0051】
図2に示すように、盤面50は、水平面に対して傾けて(プレーヤに対して手前側が奥
側に比べて低くなるように)配置されている。盤面の傾きαは図示しない盤面傾き制御モータ52によって制御可能に構成されている。
【0052】
盤面50の外縁には、遊技球30が滞留する玉どまり60(滞留領域の一例)が設けられている。クレーン装置10により、ゲーム空間内に放出された遊技球30は、盤面50を転がり、盤面50に設けられた判定ポイントHPに入って、判定ポイントHPに配置されたり、盤面50の外縁に転がり玉どまり60に入って滞留したり、盤面50から筐体下部に転がり落ちたりする。
【0053】
また
図2に示すように、筐体2の内部のゲーム空間の奥側には、奥側面3が鉛直に設けられており、筐体2の下部及び奥側面3の裏に、盤面50から転がり落ちた遊技球30の移動経路70、移動用リフト72、内部貯留場74が設けられている。筐体下部に転がり落ちた遊技球30は、移動経路70を移動して、移動用リフト72により内部貯留場74まで持ち上げられ、遊技球貯留場40に排出される。
【0054】
ゲーム空間の上部には、複数の遊技球30を把持してゲーム区間内を移動して遊技球を放出するクレーン装置10(遊技媒体放出手段の一例)と、当該クレーン装置を盤面50や遊技球貯留場40の上方のゲーム空間内で略水平に移動させるXYステージ12(遊技媒体放出手段の一例)とが設けられている。また、これらを電子制御する制御基盤100が筐体2に内蔵されている。クレーン装置10とXYステージ12と制御基盤100は遊技媒体放出手段として機能する。
【0055】
XYステージ12は、制御基盤100により、プレーヤのステージ移動操作に応じて動作制御される直動ステージであって、例えばガントリ型ステージなどにより実現される。
【0056】
具体的には、XYステージ12は、遊技機1の略水平左右方向(X軸方向;装置正面に向かって左右方向であり右方向が正方向、Y軸方向;装置正面に向かって手前/奥行方向であり奥行方向が正方向。
図3参照。)に固定された平行なY軸レール12cと、このY軸レールそれぞれ上をスライド移動可能な1対のY軸スライダ12bとを備える。Y軸レール12aは、遊技機2の略奥行き方向を向く。Y軸方向は奥行き方向が正となる。Y軸スライダ12bの少なくとも一方には、制御基板の電子制御によりY軸レール12aに対して駆動する駆動部と、Y軸レール12aの所定基準位置に対する相対位置を検出する位置検出手段とを備える。位置検出手段は、例えば、測距センサ、駆動部の回転数カウンタなどにより実現される。位置検出手段により検出された位置検出情報は制御基盤100にフィードバックされる。
【0057】
そして更に、XYステージ12は、それら1対のY軸スライダ12bに掛け渡すように設けられたX軸レール12cと、当該X軸レール12cに沿って移動可能なX軸スライダ12dとを備える。X軸レール12cは、Y軸レール12aと直交ねじれ関係をなしている。X軸レール12cは、遊技機2の略水平方向を向く。X軸スライダ12dは、Y軸スライダ12bと同様の構成を有し、制御基盤100の制御によりX軸レール12cの所定基準位置に対して位置決め自在にスライド移動できる。
【0058】
図2、
図3に示すように、クレーン装置10は、昇降装置等を内蔵したクレーンベース10aがX軸スライダ12dに垂下されており、制御基盤100の電子制御によって、クレーンヘッド10bを昇降制御するとともに、クレーンヘッド10bに設けられた遊技媒体把持アーム10cを開閉することができる。
【0059】
プレーヤの第1の移動操作に応じて、XYステージ12により、クレーン装置10を、基準位置18から遊技球貯留場40の上方のエリア42の所望位置に移動させる移動動作
制御が行われる。そして、移動動作制御が終了すると、XYステージ12により、遊技媒体把持アーム10cを開いた状態で遊技球貯留場40へ向けてクレーンヘッド10bを降下させて近づける降下動作制御が行われる。
【0060】
降下動作制御ののち、XYステージ12により、クレーン装置10の遊技媒体把持アーム10cを閉じる把持動作制御が行われ、次いでクレーンヘッド10bを上方へ引き上げるに引き上げ動作制御が行われる。遊技媒体把持アーム10cは、複数の遊技球30を一度に把持可能に形成されているので、第1の移動操作により行われる一連の制御で、複数の遊技球30を捕獲することができる。
【0061】
第1の移動操作による一連の動作制御が終了すると、プレーヤの第2の移動操作に応じて、XYステージ12により、遊技媒体把持アーム10cに遊技球を把持させた状態で、クレーン装置10を盤面50の情報エリア52の所望位置に移動させる移動動作制御が行われる。
【0062】
そして、移動動作制御が終了すると、XYステージ12により、盤面50へ向けてクレーンヘッド10bを降下させて近づける降下動作制御が行われ、遊技媒体把持アーム10cを開く放出動作制御が行われる。これにより遊技媒体把持アーム10cが把持していた遊技球が盤面上に放出される。
【0063】
このように本実施の形態では第1の移動操作及び第2の移動操作の一連の操作に対応して行われる一連の制御により、クレーン装置による放出が行われ、1回の放出により複数の遊戯球が盤面上に放出される。
【0064】
本実施形態における遊技機1は、ゲーム空間の上部であって、遊技球貯留場40と盤面50の境界位置の上方にスライダストッパー14を備えており、Y軸方向へのクレーン装置10の移動を制限可能に構成されている。
【0065】
また本実施形態の遊技機1では、
図1に示すように装置前面に操作台16が設けられている。操作台16には、ゲームプレイの対価としての硬貨を投入するための硬貨投入口18と、ゲーム操作を入力するための操作部22(操作ボタン22aと操作レバー22b)とが備えられている。
【0066】
硬貨投入口18から投入された硬貨は、操作台16に内蔵された硬貨計算機19にて検知・収容される。硬貨計算機19は、硬貨投入を検知すると、検知信号を制御基盤100へ出力する装置であって、コインカウンターなどとも呼ばれる。尚、硬貨投入口18及び硬貨計算機19は、プリペイドカードやクレジットカードの挿入口及びそれらカードのリーダライター装置に置き換えることができる。勿論、両者を併設するとしても良い。
【0067】
第1の移動操作及び第2の移動操作は、操作部22(操作ボタン22aと操作レバー22b)から入力される。
【0068】
第1の移動操作及び第2の移動操作では、それぞれX軸正方向(正面から見て右方向)、Y軸正方向(奥行方向)の移動操作はそれぞれ一回切り有効となっている。例えば、操作ボタン22aを押下して、第1の移動操作の開始を指示し、その後に操作レバー22bを操作して、球技球貯留場の上方にクレーン装置10を移動させ遊戯球を捕獲したのち、再び作レバー22bを操作して、盤面の上方にクレーン装置10を移動させ遊戯球を放出しするよう構成してもよい。
【0069】
より具体的には、XYステージ12は、ゲーム開始当初、クレーン装置10を所定のホ
ームポジション(
図3の92)に維持する。プレーヤが操作ボタン22aを押下して操作レバー22bを前後左右に倒すと、XYステージ12によるクレーン装置10の前後左右方向の移動が開始され、操作レバー22bを離すと移動が終了する。そして、Y軸方向とX軸方向の各方向の移動がそれぞれ終了すると、自動的にクレーン装置10による獲得動作が行われる。すなわち、クレーン装置10が遊技媒体把持クレーン装置10cを開いた状態で降下し、降下限界まで降下したところで遊技媒体把持クレーン装置10cを閉じ、再び上昇するように動作制御される。
【0070】
次にプレーヤ操作レバー22bを前後左右に倒すと、再びXYステージ12によるクレーン装置10の前後左右方向の移動が開始され、操作レバー22bを離すと移動が終了する。そして、Y軸方向とX軸方向の各方向の移動がそれぞれ終了すると、自動的にクレーン装置10による放出動作が行われる。すなわち、クレーン装置10の遊技媒体把持クレーン装置10cを開いて把持していた遊技球を放下し、クレーン装置10を初期位置に戻すようにXYステージ12が制御される。
【0071】
尚、操作ボタン22aや操作レバー22bの数や種類は、これに限らずゲームルールに応じて適宜設定することができる。例えば、第2の移動操作の開始を入力するトリガーを追加しても良いし、操作レバー(ジョイスティック)に替えて、Y軸方向移動ボタン及びX軸方向移動ボタンとしても良いし、ジョイスティック以外のレバーやダイヤル、タッチパネルなどを用いても良い。
【0072】
本実施形態の遊技機1では、操作テーブル16内に設けられた制御基盤100は、所定の制御プログラムを演算処理して遊技機1の各部の動作を電子制御することで、統合的にゲームの進行を制御する。
【0073】
1−2.ハードウェアの構成例
図4は、本実施形態における各ハードウェアの電子・電気接続関係を説明するためのハードウェア構成例を示す図である。
【0074】
制御基板100は、CPU(Central Processing Unit)152と、RAM154やROM156等の各種ICメモリを搭載する。これらは、バス回路158を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。
【0075】
そして、バス回路158には、I/Oインタフェース回路160を介してゲーム対価支払装置163と、クレーン位置センサ164と、操作ボタン22(22a)及び操作レバー22(22b)とが接続されている。
【0076】
I/Oインタフェース回路160は、各種入出力部との信号の中継をする回路である。例えば、接続される入出力部の規格に合わせた信号を生成する複数種類のI/OインタフェースICを含むとしても良い。
【0077】
ゲーム対価支払装置163は、ゲームプレイの対価の支払いをする装置である。
図1の例では硬貨計算機19がこれに該当するが、プリペイドカードやクレジットカード、電子マネーを対価支払いの手段として認める場合には、それらの記録媒体でなるカードのリーダライター装置がこれに該当する。また、記録媒体でなるカードに、ゲームプレイの対価としてポイントを記録しておき(例えば、100円当たり10ポイントで販売する等)、1回のゲーム対価として10ポイントと引き換えに、付与ポイント(例えば10ポイント)をプレーヤに付与することとしてもよい。この場合のゲーム対価のポイントと付与ポイントとの交換比率は適宜定めることとしてよい。
【0078】
クレーン位置センサ164は、例えば、XYステージ12の基準位置に対するX軸スライダ12bやY軸スライダ12dの現在座標を検出する。例えば、ロータリエンコーダや、距離センサや、駆動系に含まれる歯車やプーリの回転センサなどで実現される。
【0079】
CCDカメラ181は、例えば盤面50が撮影可能な位置に配置される。CCDカメラ181の撮影画像に基づき、盤面50上に設けられた複数の判定ポイントHPに対する遊技球の配置(所定の事象)の有無を検出することができる。
【0080】
CPU152は、I/Oインタフェース回路160を介して、デジタルスイッチの現在設定値やクレーン装置10の位置座標情報、操作ボタン22aや操作レバー22bに対する操作入力の情報を取得することができる。
【0081】
また、I/Oインタフェース回路160を介して、第1のリセット制御ドライバ182、第2のリセット制御ドライバ183と、XYステージドライバ168と、クレーンドライバ170と、リフト制御ドライバ174と、スライダストッパードライバ176と、ポイント表示パネルドライバ178と、が電気的に接続されている。
【0082】
ここで言う「ドライバ」とは、CPU152の制御信号に応じて、対象とする表示素子やモータ等の駆動素子を駆動制御するための制御信号を生成・出力することのできる電子素子及び回路である。
【0083】
すなわち、第1のリセット制御ドライバ182は、CPU152からの制御信号に基づいて、第1のリセット制御部183に当選条件を満たした判定ポイントに対応する穴に配置された遊技球を判定ポイントから排除させるための第1のリセット駆動信号を生成する。
【0084】
第2のリセット制御ドライバ184は、CPU152からの制御信号に基づいて、第2のリセット制御部185に、非入賞ポイントに対応する穴に配置された遊技球を穴から排除させるための第2のリセット駆動信号を生成する。
【0085】
ディスプレイドライバ166は、CPU152からの制御信号に基づいて、フラットパネルディスプレイ(図示せず)に画像を表示させるための駆動信号を生成する。
【0086】
XYステージドライバ168はX軸スライダ12bやY軸スライダ12dに搭載されているX軸方向駆動モータ12xやY軸方向駆動モータ12yの駆動信号を生成する。
【0087】
また、クレーンドライバ170は、クレーン装置10のクレーンヘッド10bの昇降モータ10d、及び遊技媒体把持クレーン装置10cの開閉モータ10eを駆動させるための駆動信号を生成する。リフト制御ドライバ174は、遊戯球移動用リフト72の昇降モータを駆動させる駆動信号を生成する。
【0088】
スライダストッパードライバ76は、スライドストッパー14を駆動させる信号を生成してストッパーを出現・収容させる。
【0089】
盤面傾き制御ドライバ178は、CPU152からの制御信号に基づいて、盤面傾き制御モータ20に、盤面の傾きを変更させるための制御信号を生成する。
【0090】
制御基盤100に搭載される演算素子はCPU152のみに限らず、適宜GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサを含む構成とすることができる。また、ASIC(Application Specific Integrat
ed Circuit)を含む構成としても良い。尚、RAM154やROM156のICメモリについても適宜VRAM等の特定用途のRAMやフラッシュメモリ等を含む構成としても良い。
【0091】
1−3.機能ブロックの説明
図5は、遊技機1の構成例を機能面から説明するための機能ブロック図である。
【0092】
遊技機1は、撮影部181’(
図4のCCDカメラ181に相当)と、ゲーム対価支払検知部104(
図4のゲーム対価支払装置163に相当)163と、操作入力部106と、目標位置検出部108と、処理部200と、音出力部308と、画像表示部310と、球放出部312を含む。
【0093】
ゲーム対価支払検知部104は、ゲーム対価の支払を検知し、検知信号を処理部200へ出力する。例えば、
図1の硬貨計算機19がこれに該当するが、プリペイドカードやクレジットカード、電子マネーを利用する構成では、それらカードや電子マネー情報を記憶したICチップ等から情報を読取・書き込みできるリーダライター装置がこれに該当する。
【0094】
操作入力部106は、遊技球を把持して移動させ、盤面上に放出する操作の入力(第1の操作入力、第2の操作入力)を受け付けるものであり、本実施形態では、クレーン装置10の移動操作入力を行う
図1の操作ボタン22a、操作レバー22bがこれに該当する。プッシュスイッチや、ジョイスティック、タッチパッド、トラックなどにより実現しても良い。
【0095】
目標位置検出部108は、クレーン装置10の目標位置を検出する。本実施形態では、クレーン装置10を移動させて、遊技球捕獲、放出を行う構成なので、遊戯球の捕獲位置や放出位置を検出することとなる。
図1のXYステージ12が備えるX軸スライダ12b及びY軸スライダ12dの位置を検出するクレーン位置センサ164等がこれに該当する。
【0096】
処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC(特定用途向け集積回路)、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や記憶部500を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号に基づいて各種の演算処理を実行して、遊技機2の動作を制御する。
図1の制御基盤100が処理部200に該当する。
【0097】
処理部200は、ゲーム進行に関する各種制御を実行するもので、判定処理部202、検出処理部204と、第1のリセット処理部205、第2のリセット処理部206、音生成部208、画像生成部210、放出制御処理部212、自動プレイ制御処理部214、難易度調整処理部216を含む。
【0098】
放出制御処理部212は、操作部からの操作入力に基づき、複数の遊技媒体を、ゲーム空間の判定領域に放出するための制御を行う。
【0099】
検出処理部204は、検出手段を用いて、判定領域に設けられた複数の判定ポイントに対する所定の事象の有無(ヒットの有無)の状態を検出するための処理を行う。本実施の形態では、検出手段として、撮影部181’例えばCCDカメラを用いて、判定領域を撮影し、撮影画像から判定領域における遊技媒体の配置位置を解析し、所定の事象有となった判定ポイント位置を検出しているが、判定領域に、遊技媒体の配置、通過、衝突、接触のいずれかの有無を検知するセンサ等の検出手段を設け、当該検出手段を用いて、所定の
事象有状態の判定ポイント位置(ヒット位置)を検出するようにしてもよい。
【0100】
判定処理部202は、判定領域における複数の判定ポイントの所定の事象の有無の状態に基づき当選判定を行うものであり、所定の事象有状態の複数の判定ポイントが当選条件を満たす場合に当選と判定する処理を行う。
【0101】
検出処理部204は、放出された前記技媒体が前記判定ポイントに配置されている場合に、当該判定ポイントを所定の事象有状態として検出してもよい。
【0102】
放出制御処理部212は、操作部からの操作入力に基づき、前記判定領域における放出位置を決定し、決定された放出位置に前記遊技媒体を放出する制御を行う。
【0103】
放出制御処理部212は、操作部からの操作入力に基づき前記遊技媒体置き場に置かれている遊技媒体を捕獲する制御を行い、捕獲した遊技媒体を前記判定領域に放出する制御をおこなってもよい。
【0104】
第1のリセット処理部205は、当選判定の後に、当選条件を満たした複数の判定ポイントの所定の事象有状態をリセットするための処理を行う。
【0105】
第2のリセット処理部206は、当選判定の後に、非入賞判定ポイントに配置されている遊技媒体を、非入賞判定ポイントから排除するための処理を行う。
【0106】
自動プレイ制御処理部214は、非プレイ時に、前記判定ポイントの所定の事象の有無の状態が所定の条件を満たすか否か判定し、前記所定の条件を満たすと判断された場合には、プレーヤの操作入力によらず、前記判定領域に遊技媒体を放出させる制御を行う。
【0107】
難易度調整処理部216は、前記当選判定の結果の履歴情報に基づき難易度を調整するための処理を行う。
【0108】
本実施形態では、音出力部308へ音声による通知をさせるための音声信号を生成する音生成部208と、画像表示部310で光による通知をさせるための画像信号を生成する画像生成部210とを含む。
【0109】
音生成部208は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成ICなどのプロセッサ、音声ファイル再生可能なオーディオコーデック等によって実現され、景品配置台別の目標可否判定結果を読み上げるアナウンス等の音声信号を生成し、音出力部308に出力する。音出力部308は、音生成部208から入力される音信号に基づいて効果音やBGM等を音出力する装置によって実現される。
図1のスピーカ40がこれに該当する。
【0110】
画像生成部210は、例えば、GPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデックなどのプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。画像生成部210は、盤面上の判定ポイントの通知や当選結果の表示の画像を生成し、生成した画像の画像信号を画像表示部310に出力する。画像表示部310は、画像生成部210から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。本実施形態では、
図1のフラットパネルディスプレイがこれに該当する。尚、フラットパネルディスプレイに代えて目標可否判定結果を点灯する電飾などを設けた場合には、この電飾の点灯を制御するものとする。
【0111】
放出制御処理部212は、操作入力部106からの操作入力信号に応じて放出部312を動作させるように動作制御信号を出力する。
【0112】
放出部312は、遊技球貯留場に配置されている遊技球を獲得し、運搬し、放出する手段であり、クレーン装置10及びXYステージ12が放出部312として機能する。
【0113】
記憶部500は、処理部200にプログラムや各種データ等を記憶する。また、記憶部500は、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。こうした機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。
図1の制御基盤100が搭載するICメモリがこれに該当する。
【0114】
本実施形態では、記憶部500は遊技機2を統合的に制御させるための諸機能を実現するための制御プログラム501と、可動範囲設定データ502と当選条件データ504と、を予め記憶している。
【0115】
図13は、可動範囲設定データの例を示す図である。
【0116】
可動範囲設定データ502は、放出部312の移動可能範囲を定義するデータであって、本実施形態では遊技球貯留場と盤面について可動範囲を示す2次元領域を定義する。例えば、
図13に示すようにエリア指定ID(遊技球貯留場ID、盤面ID)と対応づけて可動範囲座標502を格納してもよい。本実施形態の遊技球貯留場や盤面が上面視四角形をしているので、可動範囲座標として、遊技球貯留場や盤面の対角点の座標を格納してもよい。例えば遊技球貯留場IDに対応づけて、遊技球貯留場エリア(
図3の42)の対角点の座標P1(X1、Y1)、P2(X2、Y2)を記憶させてもよい。また例えば盤面IDに対応づけて、盤面エリア(
図3の52)の対角点の座標P3(X1、Y3)、P4(X2、Y4)を記憶させてもよい。
【0117】
可動範囲座標の座標系は、放出部312の移動制御に用いる座標系、すなわち目標位置検出部108で検出された位置の座標系と対応づけられており、より具体的にはXYステージ12の各スライダの座標系と対応させてもよい。
【0118】
2.処理
2−1.当選判定
本実施の形態では、放出された遊技球(遊技媒体の一例)の、盤面(判定領域の一例)に設けられた複数の判定ポイントの所定の事象の有無の状態に基づき当選判定を行う。所定の事象の有状態の複数の判定ポイントが当選条件を満たす場合に当選と判定する。以下、所定の事象を満たした場合をヒット有として、所定の事象有の状態をヒット有状態という。
【0119】
以下では、判定ポイントに遊技球が配置可能に構成されており、放出された遊戯球が判定ポイントに配置されている場合に、当該判定ポイントをヒット有状態として検出する場合を例にとり説明する。
【0120】
図6(A)(B)は、本実施の形態の当選判定の一例について説明するための図である。
【0121】
図6(A)は、判定領域である盤面に設けられた判定ポイントHPの例を示しており、
図6(B)は当選条件データの一例を示している。
【0122】
判定ポイントHPは、放出された遊技球がヒットしたか否かを判定するための位置又はエリアであり、遊技球が配置可能な場所(例えば穴や窪みや溝)として構成されている。ここでは放出された遊技球が判定ポイントHPに配置された状態を、ヒット有状態として検出する場合を例にとり説明するが、これに限られない。例えば判定ポイントを遊技球が通過するように構成し、遊技球が通過した場合に判定ポイントをヒット有状態として検出する場合でもよい。
【0123】
本実施の形態では、ヒットした複数の判定ポイントの位置関係、又はヒットした複数の判定ポイントの組み合わせが当選条件を満たすか否か判定する。
【0124】
図6(A)の領域A1、A2、A3、A4は、それぞれ当選条件を満たすための判定ポイントの集合(組み合わせ)をプレーヤが視認できるように表示したものである。例えば領域A1、A2、A3、A4に対応して所与の絵を描いてもよいし、周囲と差別化できる色を付けてもよいし、電飾等で特別表示してもよい。このようにすることでプレーヤに当選条件を告知することができる。なお当選条件が「ビンゴ」と同じ場合のように、当然にプレーヤがわかる場合には、あえて告知表示しなくてもよい。
【0125】
領域A1に含まれている3つの判定ポイントHP11、HP21、HP31に遊技球を配置させると当選と判定される。プレーヤは領域A1、A2、A3、A4に含まれる判定ポイントをめがけて遊戯球を放出することで当選をねらうことができる。
【0126】
なお領域A1、A2、A3、A4に含まれる判定ポイントを入賞判定ポイントと呼ぶ。また領域A1、A2、A3、A4に含まれない判定ポイントを非入賞判定ポイントと呼ぶ。
【0127】
図6(B)は、
図6(A)の判定領域の判定ポイントに対して設定されている当選条件の例である。当選条件は、予め記憶部に記憶されていてもよいし、判定条件としてプログラムに組み込まれていてもよい。
【0128】
当選条件として、当選条件識別IDに対応付けて、当選条件と当選時の特典とを記憶させるようにしてもよい。当選条件は、当選するためにヒット有状態にすることが必要な判定ポイントの組合せで定義してもよい。
【0129】
第1の当選条件は、領域A1に対応する当選条件であり、判定ポイントHP11、HP21、HP31がすべてヒット有状態である場合に当選と判定し特典を30ポイント付与することが規定されている。また、第2の当選条件は、領域A2に対応する当選条件であり、判定ポイントHP32、HP42、HP52、HP62がすべてヒット有状態ある場合に当選と判定し、特典を40ポイント付与することが規定されている。また第3の当選条件は、領域A3に対応する当選条件であり、判定ポイントHP33、HP34がすべてヒット有状態である場合に当選と判定し特典を20ポイント付与することが規定されている。また第4の当選条件は、領域A4に対応する当選条件であり、判定ポイントHP54、HP64がすべてヒット有状態である場合に当選と判定し、特典を20ポイント付与することが規定されている。
【0130】
盤面上のヒット有状態の判定ポイントが、第1の当選条件乃至第4の当選条件のいずれかに該当すると、当選となる。複数の当選条件に該当する場合には、複数当選となる。例えば、ヒットポイントHP11、HP21、HP31、HP54、HP64に遊技球が配置されている場合には、第1の組合せと第4の組合せの両方の当選条件を満たしているの
で第1の組合せと第4の組合せのダブル当選となる。
【0131】
判定ポイントに対するヒット有状態は、リセットされるまで保持されるようにしてもよい。例えば1回目の放出でHP11にヒットして、その結果が保持され、2回目の放出でHP21、HP31にヒットすると、2回目の放出後に第1の当選条件を満たし、当選と判定される。なお、1回目の放出でヒットポイントHP11、HP21、HP31にヒットした場合には1回目の放出後に第1の当選条件を満たし、当選と判定される。本実施の形態では1回の放出で複数の遊戯球をゲーム空間に放出するので、1度に複数の遊戯球がヒットする可能性があり、当選条件として規定されている組合せの穴の数より少ない放出回数でも当選可能である。
【0132】
また例えば1回目の放出でHP11、HP21、HP54にヒットして、その結果が保持され、2回目の放出でHP31、HP64にヒットすると、2回目の放出後に第1の当選条件と第2の当選条件の両方を満たし、ダブル当選と判定される。なお、1回目の放出でヒットポイントHP11、HP21、HP31、HP54、HP64にヒットした場合には1回目の放出後に第1の当選条件と第2の当選条件の両方を満たし、当選と判定される。
【0133】
このように本実施の形態では、1度に複数の遊戯球が放出されるので、1回の放出で複数の当選条件を満たすことも可能である。
【0134】
なお1回のプレイで1つの遊技媒体のヒットしか判定しない従来型のビンゴゲームでは、ダブルリーチやトリプルリーチなどは、1点が複数のリーチ条件を満たした位置に限定されており、
図6(A)(B)に示すように複数の当選条件に重複した判定ポイントを有しない場合には、1回にプレイで複数当選するゲームは実現できなかった。
【0135】
ところが本発明のように1回の放出で複数の遊戯媒体を放出する場合には、上述したHP31、HP64のように離れた複数の判定ポイントに遊技媒体をヒットさせることが可能となる。
【0136】
当選すると、当選条件として規定されているポイントが付与される。
【0137】
2−2.入賞判定ポイントと非入賞判定ポイント
本実施の形態の判定領域には、上述したように、当選条件を満たすために前記遊技媒体がヒットする(遊技媒体がおかれる又はチャッカを通過する)ことが必要な入賞判定ポイントと、必要でない非入賞判定ポイントが設定されている。
【0138】
例えば
図6(A)に示すように盤面(判定領域の一例)に複数のHP11〜64が設定されており、
図6(B)に示すように、第1の当選条件〜第4の当選条件が規定されている場合、第1の当選条件を満たすために前記遊技媒体がヒットする(遊技媒体がおかれる又はチャッカを通過する)ことが必要なのはHP11、HP21、HP31であるから、これらは入賞判定ポイントである。また第2の当選条件を満たすために前記遊技媒体がヒットすることが必要なのはHP32、HP42、HP52、HP62であるから、これらも入賞判定ポイントである。また第3の当選条件を満たすために前記遊技媒体がヒットすることが必要なのはHP33、HP34であるから、これらも入賞判定ポイントである。また第4の当選条件を満たすために前記遊技媒体がヒットすることが必要なのはHP54、HP64あるから、これらも入賞判定ポイントである。
【0139】
そして上記以外の判定ポイントHP41、HP51、HP61、・・・が非入賞判定ポイントである。
【0140】
非入賞判定ポイントがヒット有状態になった場合には、当選条件とは無関係に特典(ポイントなど)を付与する場合も本発明の範囲内である。例えば当選条件とは別に、いずれかの判定ポイントがヒット有状態になった場合には、特典が付与されるようにしてもよい。
【0141】
2−3.リセット制御
本実施の形態では、当選判定後に、当選条件を満たした複数の判定ポイントのヒット有状態をリセットする第1のリセット処理を行う。
【0142】
また当選判定後に、非入賞判定ポイントに配置されている遊技媒体を、非入賞判定ポイントから排除する第2のリセット処理を行う。
【0143】
図7は、第1のリセット処理及び第2のリセット処理について説明するための図である。
【0144】
50−t1は、当選判定時の盤面の状態を示したものであり、判定ポイントHP11,HP21、HP31、HP61、HP32、HP52、HP23、HP54がヒット有状態(例えば遊技球が配置された状態)である。ヒットポイントHP11、HP21、HP31がヒット有状態なので、第1の当選条件を満たしている。
【0145】
従って当選判定後に、第1の当選条件を満たした複数の判定ポイントHP11、HP21、HP31のヒット有状態をリセットする第1のリセット処理が行われる。例えば、当選条件を満たした複数の判定ポイントに配置されている遊技球を、判定ポイントから排除する処理を行う。
【0146】
50−t2は、第1のリセット処理が行われた後の盤面の状態を示したものであり、判定ポイントHP11,HP21、HP31のヒット有状態が解除されている。
【0147】
ここで、非入賞ポイントHP61、HP23がヒット有状態(遊技球が配置された状態)なので、非入賞判定ポイントに配置されている遊技媒体を、非入賞判定ポイントから排除する第2のリセット処理を行う。
【0148】
50−t3は、第2のリセット処理が行われた後の盤面の状態を示したものであり、判定ポイントHP61,HP23のヒット有状態が解除されている。
【0149】
図8、
図14(A)(B)は、第1のリセット処理を実現するための構成例について説明するための図である。
【0150】
例えば、
図8、
図14(A)(B)に示すように、盤面50を、複数の判定ポイントに対応する複数の穴612が設けられた板状の第1の部材610と、穴612に入った遊技球を配置する板状の第4の部材640の2層構造にして、上面に盤面部材610を配置し、下面に配置部材640を配置して構成してもよい。第4の部材640には、第1の部材の穴612に対応する位置に、当該穴に配置されている遊技球を穴の外に放出するための放出機能(例えばソレノイド)642が設けられている。各放出機構(例えばソレノイド)642は、排除信号を受けると駆動され、穴に配置されている遊戯球を穴の外に突き出す。
図8では、排除信号によりソレノイド642−2が駆動され、配置されていた遊技球b2が穴の外に放出される様子を示している。
【0151】
第1のリセット処理部は、当選判定後に当選条件を満たしている判定ポイントに対応す
る放出機能(例えばソレノイド)を駆動するための排除信号の生成を指示する処理を行うようにしてもよい。例えば第1の抽選条件を満たした場合には、判定ポイントHP11,HP21、HP31に対応する放出機能(例えばソレノイド)を駆動して、これらの判定ポイントに配置されている遊技球を穴の外に放出させる。
【0152】
図9、
図10(A)〜(C)は、第2のリセット処理を実現するための構成例について説明するための図である。
【0153】
例えば、
図8、
図10(A)〜(C)に示すように、盤面50を、複数の判定ポイントに対応する複数の穴612が設けられた板状の第1の部材610と、複数の判定ポイントに対応する複数の穴622が設けられた板状の第2の部材620と、複数の判定ポイントに対応する複数の穴632が設けられ、非入賞判定ポイントに対応する穴(
図10(B)の630の白丸部分)はふさがれておらず遊戯球が通過可能となっているが、入賞判定ポイントの穴(
図10(B)の630の黒丸部分)は遊戯球が通過できないようにふさがれている板状の第3の部材の3層構造となっている。上面に第1の部材610を配置し、下面に第3の部材630を配置して、上面と下面の間にスライド可能に形成された第2の部材620を配置する。第1の部材610穴と第2の部材の穴は、
図9、
図10に示すように、第2の部材をS方向にlだけスライドさせることにより、重なるように構成してもよい。このようにすると、第2の部材620をスライドさせることにより、非入賞ポイントに配置された遊技球は下方(筐体下部)に落下するので、判定ポイントから排除することができる。
【0154】
2−3.玉どまり
図11、
図18は、玉どまりについて説明するための図である。
【0155】
図11は、盤面と玉どまりの上面図、
図18は、盤面と玉どまりの縦断面図である。本実施の形態では、
図11に示すように、盤面(判定領域の一例)50の外枠の3辺(プレーヤからみて、左右と奥の辺)に遊技球が滞留可能な玉どまり60が形成されている。
【0156】
玉どまり60は、
図18に示すように盤面の端の外側に盤面に沿って設けられた溝上部材(軒樋のような形状の部材であり、遊戯球が転がりやすいように弧状の溝として形成してもよい)として形成される。玉どまりにおける遊戯球の滞留位置は、盤面よりもやや窪んだ位置となるが、
図18に示すように玉どまりにおかれた球技球の上部が盤面よりは上にくるので、玉どまりに遊技球が滞留することにより、壁の役割を果たし、放出されて盤面を移動する遊戯球が、玉どまりに滞留した遊技球に跳ね返されて、盤面外に落ちにくくなるという効果ある。このため放出された遊戯球が判定ポイントに配置されやすくなる。
【0157】
図12(A)〜(C)は、玉どまりの玉の滞留度合の調整について説明するための図である。
【0158】
図11の64は、玉どまりに設けられた落下防止バーであり、玉どまりの盤面とは反対側の端に設けられている。
【0159】
図12(A)の落下防止バーの高さをh2、
図12(B)の落下防止バーの高さをh1、
図12(C)の落下防止バーの高さをh3とすると、h1<h2<h3であり、落下防止バーが高いほど、玉の落下防止効果が高くなり、遊技球が玉どまりに滞留しやすくなる。従って玉どまりの壁としての効果が高くなり、遊技球が判定ポイントに配置されやすい状況を作ることができる。
【0160】
2−4.アトラクト処理
本実施の形態では、遊技機1は、アトラクト時に、判定ポイントの所定の事象の有無の状態が所定の条件を満たすか否か判定し、前記所定の条件を満たすと判断された場合には、プレーヤの操作入力によらず、前記判定領域に遊技媒体を放出させる制御を行う自動プレイ制御をおこなってもよい。
【0161】
このようにすることで、アトラクト時等に、アトラクト演出も兼ねて、判定領域の判定ポイントのヒット状態を調節することができる。アトラクト時に、もう少しで当選となりそうな状態することで、プレーヤにゲーム開始への強い動機づけを与えることができる。
【0162】
2−5.難易度調整処理
本実施の形態では、遊技機1は、当選判定の結果の履歴情報に基づき難易度を調整する難易度調整を行ってもよい。
【0163】
当選判定の結果の履歴情報とは、過去の所定期間(例えば過去x時間)における当選結果の統計情報当でもよい。
【0164】
履歴情報を所定の基準と比較して、難易度を調整してもよい。
【0165】
例えば、遊技媒体放出手段の、放出位置を調節することにより難易度を調整してもよい。放出位置が高い場合には低い場合に比べて遊技媒体が判定ポイントに配置されにくくなる。従って難易度を高くする場合には放出位置をより高くする方向の調整を行ってもよい。
【0166】
また例えば、遊技媒体放出手段が、遊技媒体置き場におかれている遊技媒体を把持部で捕獲する際の把持力の強弱を調節することにより難易度を調整してもよい。把持力が強いほど遊技媒体を把持しやすくなり、把持する量も増える。従って難易度を高くする場合には把持力をより弱くする方向の調整を行ってもよい。
【0167】
また例えば、判定領域を構成する盤面の傾きを調節することにより難易度を調整してもよい。盤面の傾き(傾斜)が急になるほど遊技媒体が判定ポイントに配置されにくくなる。従って難易度を高くする場合には盤面の傾き(傾斜)をより急にする方向の調整を行ってもよい。
【0168】
また例えば、滞留領域の外縁に設けられ、遊技媒体が滞留領域外に移動することを防ぐ落下防止部材の高さや角度を調節することにより、難易度を調整してもよい。例えば落下防止部材の高さが高くなるほど遊技媒体が滞留領域から落下しにくくなる。すなわち滞留領域に滞留する遊技媒体の数が増えて壁効果が高くなるので、遊技媒体が判定ポイントに配置されやすくなる。従って難易度を高くする場合には落下防止部材の高さを低くする方向の調整を行ってもよい。
【0169】
2−6.処理の流れ
図15は、遊技機の全体処理の流れを説明するためのフローチャート図である。
【0170】
遊技機は、コインが投入されていない状態ではアトラクト処理が行われる(ステップS10)。アトラクト処理として、例えば判定ポイントのヒットの有無の状態が所定の条件を満たすか否か判定し、前記所定の条件を満たすと判断された場合には、プレーヤの操作入力によらず、前記判定領域に遊技媒体を放出させる制御を行う自動プレイ制御をおこなってもよい。
【0171】
コインの投入を検出すると(ステップS20でY)、以下の処理が行われる。まず、変
数nの初期設定を行う(ステップS30)。変数nは、プレイ回数(放出操作の回数)をカウントするための変数である。プレイ回数は投入されたコインに応じて決定される。例えばコインがn枚投入された場合にはプレイ回数はN回(規定回数はN)としてもよい。規定回数がNであれば、プレーヤはN回、遊技媒体の放出操作を行うことができる。
【0172】
次に遊技媒体放出処理を行い(ステップS40)、その後に当選判定処理を行う(ステップS50)。そして、変数nを更新して(ステップS60)、変数nが規定回数に達したか否か判断する(ステップS70)。変数nが規定回数に達していない場合には(ステップS70でY)、ステップS40に戻って、ステップS40〜ステップS70の処理を行う。変数nが規定回数に達した場合には(ステップS70でN)、ゲームを終了して(ステップS80)、ステップS10に戻る。
【0173】
図16は、本実施の形態の遊技媒体放出処理の流れを説明するためのフローチャート図である。
【0174】
n回目の放出操作の開始入力を受け付けると(ステップS110でY)、以下の処理を行う。第1の操作入力を受け付けると(ステップS120でY)、第1の操作入力に基づきクレーン装置を移動させ、クレーンのアームに遊技媒体を把持させる制御を行う(ステップS130)。
【0175】
第2の操作入力を受け付けると(ステップS140でY)、第2の操作入力に基づきクレーン装置を移動させ、クレーンのアームから遊技媒体を放出させる制御を行う(ステップS150)。
【0176】
図16は、本実施の形態の当選判定処理の流れを説明するためのフローチャート図である。
【0177】
遊技装置は、判定領域に設けられた複数の判定ポイントに対するヒットの有無の状態を検出する(ステップS210)。次に、ヒット有状態の複数の判定ポイントの位置関係又は複数の判定ポイントの組み合わせが当選条件を満たしていれば(ステップS220でY)、該当する当選条件に対応するポイントを付与し(ステップS240)、遊技装置は、当選条件を満たした複数の判定ポイントに配置されている遊技媒体を判定ポイントから排除する(ステップS250)。 そして、非入賞判定ポイントに配置されている遊技媒体を、非入賞判定ポイントから排除する(ステップS260)。
【0178】
上記実施形態で説明した手法は、一例を示したに過ぎず、上記実施形態の手法と同様の効果を奏する均等な手法を採用した場合においても本発明の範囲に含めることができる。また本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。そして上記実施形態の手法や、変形例として後述する各種の手法は、本発明を実現する手法として適宜組み合わせて採用することができる。