特許第6178661号(P6178661)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6178661
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】光学表示デバイスの生産システム
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20170731BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20170731BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20170731BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20170731BHJP
【FI】
   G09F9/00 342
   G02F1/13 101
   G02B5/30
   G02F1/1335 510
   G09F9/00 313
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-165502(P2013-165502)
(22)【出願日】2013年8月8日
(65)【公開番号】特開2015-34882(P2015-34882A)
(43)【公開日】2015年2月19日
【審査請求日】2016年7月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100148884
【弁理士】
【氏名又は名称】▲廣▼保 直純
(74)【代理人】
【識別番号】100163496
【弁理士】
【氏名又は名称】荒 則彦
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 広之
(74)【代理人】
【識別番号】100126882
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 光永
(72)【発明者】
【氏名】松本 力也
【審査官】 角田 光法
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−073425(JP,A)
【文献】 特開2011−232383(JP,A)
【文献】 特開2009−175653(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/13
1/1335
1/13363
1/137−1/141
G09F9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学表示部品の一方面及び他方面に第一光学部材及び第二光学部材をそれぞれ貼合してなる光学表示デバイスの生産システムであって、
前記光学表示部品の一方面に前記第一光学部材を貼合して第一光学部材貼合体を形成する第一貼合装置と、
前記第一光学部材貼合体を旋回及び反転させる旋回反転装置と、
前記第一光学部材貼合体における前記光学表示部品の他方面に前記第二光学部材を貼合して第二光学部材貼合体を形成する第二貼合装置と、
前記第二光学部材貼合体を前記旋回反転装置によって旋回又は反転させるべく、前記第二貼合装置から前記旋回反転装置に前記第二光学部材貼合体を移動させる移動装置と、を含む光学表示デバイスの生産システム。
【請求項2】
前記第一貼合装置と前記第二貼合装置との間に、前記光学表示部品に対する前記第一光学部材及び前記第二光学部材の相対貼合位置を検出する検出装置を含み、
前記第一貼合装置は、前記光学表示部品を前記検出装置側に向けて搬送しつつ前記第一光学部材の貼合処理を行い、
前記第二貼合装置は、前記光学表示部品を前記検出装置側に向けて搬送しつつ前記第二光学部材の貼合処理を行う請求項1に記載の光学表示デバイスの生産システム。
【請求項3】
搬送ラインに沿って、前記第一貼合装置、前記検出装置、前記第二貼合装置、前記旋回反転装置の順に配置されている請求項2に記載の光学表示デバイスの生産システム。
【請求項4】
前記旋回反転装置は、前記第一光学部材貼合体及び前記第二光学部材貼合体を旋回させる旋回装置と、前記第一光学部材貼合体及び前記第二光学部材貼合体を反転させる反転装置と、を含む請求項1から3までのいずれか一項に記載の光学表示デバイスの生産システム。
【請求項5】
光学表示部品の一方面及び他方面に第一光学部材及び第二光学部材をそれぞれ貼合してなる光学表示デバイスの生産システムであって、
前記光学表示部品の一方面に前記第一光学部材を貼合して第一光学部材貼合体を形成する第一貼合装置と、
前記第一光学部材貼合体における前記光学表示部品の他方面に前記第二光学部材を貼合して第二光学部材貼合体を形成する第二貼合装置と、
前記光学表示部品に対する前記第一光学部材及び前記第二光学部材の相対貼合位置を検出する検出装置と、を含み、
前記検出装置は、前記第一貼合装置と前記第二貼合装置との間に配置され、
前記第一貼合装置は、前記光学表示部品を前記検出装置側に向けて搬送しつつ前記第一光学部材の貼合処理を行い、
前記第二貼合装置は、前記光学表示部品を前記検出装置側に向けて搬送しつつ前記第二光学部材の貼合処理を行う光学表示デバイスの生産システム。
【請求項6】
前記第一光学部材貼合体を旋回及び反転させる旋回反転装置を含み、
搬送ラインに沿って、前記第一貼合装置、前記検出装置、前記第二貼合装置、前記旋回反転装置の順に配置されている請求項5に記載の光学表示デバイスの生産システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学表示デバイスの生産システムに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネル(光学表示部品)に偏光板(光学部材)を貼合する方式として、RTP(Roll to Panel)方式と呼ばれる貼合方式が知られている(例えば、特許文献1参照)。この貼合方式は、原反ロールから巻き出された長尺状の偏光板を所定サイズにカットし、ライン上を搬送される液晶パネルに直接貼合するものである。液晶パネルの表面と裏面には、偏光軸の方向が異なる偏光板が貼合されるため、偏光板の貼合装置も表面用と裏面用の2種類が用意される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4669070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液晶パネルの両面に偏光板を貼合するフィルム貼合システムには、上述した2種類の貼合装置のほか、液晶パネルを搬送する搬送装置、液晶パネルを旋回する旋回装置、液晶パネルを反転する反転装置、液晶パネルと偏光板との相対貼合位置を検出(貼合不良の検査)する検出装置など、種々の装置が備えられる。通常は、裏面の貼合、貼合不良検査、旋回、反転、表面の貼合、貼合不良検査、旋回、反転という順序で各々の処理が行われるが、これらの処理に応じて処理装置を順番に並べていくと、設備が大型化し、初期投資やメンテナンス費用も膨大になる。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、設備の小型化及び低コスト化を図ることができる光学表示デバイスの生産システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用した。
(1)すなわち、本発明の第一の態様に係る光学表示デバイスの生産システムは、光学表示部品の一方面及び他方面に第一光学部材及び第二光学部材をそれぞれ貼合してなる光学表示デバイスの生産システムであって、前記光学表示部品の一方面に前記第一光学部材を貼合して第一光学部材貼合体を形成する第一貼合装置と、前記第一光学部材貼合体を旋回及び反転させる旋回反転装置と、前記第一光学部材貼合体における前記光学表示部品の他方面に前記第二光学部材を貼合して第二光学部材貼合体を形成する第二貼合装置と、前記第二光学部材貼合体を前記旋回反転装置によって旋回又は反転させるべく、前記第二貼合装置から前記旋回反転装置に前記第二光学部材貼合体を移動させる移動装置と、を含むことを特徴とする。
【0007】
(2)上記(1)に記載の光学表示デバイスの生産システムでは、前記第一貼合装置と前記第二貼合装置との間に、前記光学表示部品に対する前記第一光学部材及び前記第二光学部材の相対貼合位置を検出する検出装置を含み、前記第一貼合装置は、前記光学表示部品を前記検出装置側に向けて搬送しつつ前記第一光学部材の貼合処理を行い、前記第二貼合装置は、前記光学表示部品を前記検出装置側に向けて搬送しつつ前記第二光学部材の貼合処理を行ってもよい。
【0008】
(3)上記(2)に記載の光学表示デバイスの生産システムでは、搬送ラインに沿って、前記第一貼合装置、前記検出装置、前記第二貼合装置、前記旋回反転装置の順に配置されていてもよい。
【0009】
(4)上記(1)から(3)までのいずれか一項に記載の光学表示デバイスの生産システムでは、前記旋回反転装置は、前記第一光学部材貼合体及び前記第二光学部材貼合体を旋回させる旋回装置と、前記第一光学部材貼合体及び前記第二光学部材貼合体を反転させる反転装置と、を含んでいてもよい。
【0010】
(5)本発明の第二の態様に係る光学表示デバイスの生産システムは、光学表示部品の一方面及び他方面に第一光学部材及び第二光学部材をそれぞれ貼合してなる光学表示デバイスの生産システムであって、前記光学表示部品の一方面に前記第一光学部材を貼合して第一光学部材貼合体を形成する第一貼合装置と、前記第一光学部材貼合体における前記光学表示部品の他方面に前記第二光学部材を貼合して第二光学部材貼合体を形成する第二貼合装置と、前記光学表示部品に対する前記第一光学部材及び前記第二光学部材の相対貼合位置を検出する検出装置と、を含み、前記検出装置は、前記第一貼合装置と前記第二貼合装置との間に配置され、前記第一貼合装置は、前記光学表示部品を前記検出装置側に向けて搬送しつつ前記第一光学部材の貼合処理を行い、前記第二貼合装置は、前記光学表示部品を前記検出装置側に向けて搬送しつつ前記第二光学部材の貼合処理を行うことを特徴とする。
【0011】
(6)上記(5)に記載の光学表示デバイスの生産システムでは、前記第一光学部材貼合体を旋回及び反転させる旋回反転装置を含み、搬送ラインに沿って、前記第一貼合装置、前記検出装置、前記第二貼合装置、前記旋回反転装置の順に配置されていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、設備の小型化及び低コスト化を図ることができる光学表示デバイスの生産システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態のフィルム貼合システムの概略構成を示す平面図である。
図2】本実施形態のフィルム貼合システムの概略構成を示す側面図である。
図3】液晶パネルの平面図である。
図4図3のA−A断面図である。
図5】液晶パネルに貼合する光学部材シートの部分断面図である。
図6】切断装置の動作を示す図である。
図7】フィルム貼合システムの動作フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
尚、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。また、以下の説明及び図面中、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0015】
(光学表示デバイスの生産システム)
本実施形態では、光学表示デバイスの生産システムとして、その一部を構成するフィルム貼合システムについて説明する。フィルム貼合システムは、例えば液晶パネルや有機ELパネルといったパネル状の光学表示部品に、偏光フィルムや反射防止フィルム、光拡散フィルムといったフィルム状の光学部材を貼合するものである。本実施形態では、一例として、液晶パネル(光学表示部品)の両面に偏光フィルム(光学部材)がそれぞれ貼合されることにより液晶表示装置(光学表示デバイス)が生産される構成を挙げて説明する。
【0016】
図1は、本実施形態のフィルム貼合システム1の概略構成を示す平面図である。図2は、本実施形態のフィルム貼合システム1の概略構成を示す側面図である。
【0017】
以下の説明においては、必要に応じてXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。本実施形態においては、光学表示部品である液晶パネルの搬送方向をX方向としており、液晶パネルの面内においてX方向に直交する方向(液晶パネルの幅方向)をY方向、X方向及びY方向に直交する方向をZ方向としている。
【0018】
図1及び図2に示すように、本実施形態のフィルム貼合システム1は、液晶パネルPの製造ラインの一工程として設けられている。フィルム貼合システム1の各部は、電子制御装置としての制御装置9により統括制御される。
【0019】
図3は、液晶パネルPをその液晶層P3の厚さ方向から見た平面図である。
図3に示すように、液晶パネルPは、平面視で長方形状をなす第1基板P1と、第1基板P1に対向して配置される比較的小形の長方形状をなす第2基板P2と、第1基板P1と第2基板P2との間に封入された液晶層P3とを備える。液晶パネルPは、平面視で第1基板P1の外形状に沿う長方形状をなし、平面視で液晶層P3の外周の内側に収まる領域を表示領域P4とする。
【0020】
図4図3のA−A断面図である。
図4に示すように、液晶パネルPの表裏面には、長尺帯状の第一光学部材シートF1及び第2光学部材シートF2(図1参照、以下、光学部材シートFXと総称することがある。)からそれぞれ切り出した第一光学部材F11及び第2光学部材F12(以下、光学部材F1Xと総称することがある。)が適宜貼合される。本実施形態では、液晶パネルPのバックライト側及び表示面側の両面には、偏光フィルムとしての第一光学部材F11及び第2光学部材F12がそれぞれ貼合される。
【0021】
表示領域P4の外側には、液晶パネルPの第1及び第2基板を接合するシール剤等を配置する所定幅の額縁部Gが設けられている。
【0022】
図5は液晶パネルPに貼合する光学部材シートFXの部分断面図である。
図5に示すように、光学部材シートFXは、フィルム状の光学部材本体F1aと、光学部材本体F1aの一方面(図5では上面)に設けられた粘着層F2aと、粘着層F2aを介して光学部材本体F1aの一方面に分離可能に積層されたセパレータF3aと、光学部材本体F1aの他方面(図5では下面)に積層された表面保護フィルムF4aとを有する。光学部材本体F1aは偏光板として機能し、液晶パネルPの表示領域P4の全域とその周辺領域とにわたって貼合される。尚、図示都合上、図5の各層のハッチングは略す。
【0023】
光学部材本体F1aは、その一方面に粘着層F2aを残しつつセパレータF3aを分離させた状態で、液晶パネルPに粘着層F2aを介して貼合される。以下、光学部材シートFXからセパレータF3aを除いた部分を貼合シートF5という。
【0024】
セパレータF3aは、粘着層F2aから分離されるまでの間に粘着層F2a及び光学部材本体F1aを保護する。表面保護フィルムF4aは、光学部材本体F1aと共に液晶パネルPに貼合される。表面保護フィルムF4aは、光学部材本体F1aに対して液晶パネルPと反対側に配置されて光学部材本体F1aを保護する。表面保護フィルムF4aは、所定のタイミングで光学部材本体F1aから分離される。尚、光学部材シートFXが表面保護フィルムF4aを含まない構成であったり、表面保護フィルムF4aが光学部材本体F1aから分離されない構成であったりしてもよい。
【0025】
光学部材本体F1aは、シート状の偏光子F6と、偏光子F6の一方面に接着剤等で接合される第1フィルムF7と、偏光子F6の他方面に接着剤等で接合される第2フィルムF8とを有する。第1フィルムF7及び第2フィルムF8は、例えば偏光子F6を保護する保護フィルムである。
【0026】
尚、光学部材本体F1aは、一層の光学層からなる単層構造でもよく、複数の光学層が互いに積層された積層構造でもよい。光学層は、偏光子F6の他に、位相差フィルムや輝度向上フィルム等でもよい。第1フィルムF7と第2フィルムF8の少なくとも一方は、液晶表示素子の最外面を保護するハードコート処理やアンチグレア処理を含む防眩などの効果が得られる表面処理が施されてもよい。光学部材本体F1aは、第1フィルムF7と第2フィルムF8の少なくとも一方を含まなくてもよい。例えば第1フィルムF7を省略した場合、セパレータF3aを光学部材本体F1aの一方面に粘着層F2aを介して貼り合わせてもよい。
【0027】
次に、本実施形態のフィルム貼合システム1について、詳しく説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態のフィルム貼合システム1は、図中右側の液晶パネルPの搬送方向上流側(+X方向側)から図中左側の液晶パネルPの搬送方向下流側(−X方向側)に至り、液晶パネルPを水平状態で搬送する駆動式のローラコンベア6(第一コンベア61、第二コンベア62、第三コンベア63及び第四コンベア64)を備えている。ここで、ローラコンベア6は、特許請求の範囲に記載の移動装置に相当する。
【0028】
第一コンベア61、第二コンベア62、第三コンベア63及び第四コンベア64のそれぞれは、液晶パネルPの搬送方向を−X方向と+X方向とに切換え可能に構成されている。
【0029】
詳細は後述するが、液晶パネルPは、第一コンベア61、第二コンベア62、第三コンベア63、第四コンベア64、第三コンベア63、第二コンベア62、第三コンベア63、第四コンベア64の順で搬送される。液晶パネルPは、+X方向と−X方向の双方に搬送されるが、液晶パネルPは、ローラコンベア6の+X方向側の端部から搬入されて−X方向側の端部から搬出されるため、以下の説明では、便宜上、+X方向側を「パネル搬送上流側」と呼び、−X方向側を「パネル搬送下流側」と呼ぶこととする。
【0030】
また、本実施形態のフィルム貼合システム1は、供給装置2、第一貼合装置3、旋回反転装置4、第二貼合装置5、検出装置7、搬送台車8及び制御装置9を備えている。
【0031】
本実施形態では、液晶パネルPの搬送方向(X方向)に沿って搬送ライン1Lが形成されている。搬送ライン1Lに沿って、第一貼合装置3、検出装置7、第二貼合装置5、旋回反転装置4の順に配置されている。
【0032】
尚、第一貼合装置3、検出装置7、第二貼合装置5、旋回反転装置4の配置順はこれに限らない。例えば、搬送ライン1Lに沿って、第一貼合装置3、第二貼合装置5、検出装置7、旋回反転装置4の順に配置されていたり、第一貼合装置3、検出装置7、旋回反転装置4、第二貼合装置5の順に配置されていたりしてもよい。第一貼合装置3、検出装置7、第二貼合装置5、旋回反転装置4の配置順は、必要に応じて適宜変更することができる。
【0033】
供給装置2は、第一コンベア61上を搬送される液晶パネルPを吸着して第一貼合装置3に供給する。供給装置2は、パネル保持部20を有する。
【0034】
パネル保持部20は、液晶パネルPを上下方向及び水平方向に移動可能に保持すると共に液晶パネルPのアライメントを行う。例えば、パネル保持部20は、液晶パネルPの上面を真空吸着によって吸着保持する。パネル保持部20は、液晶パネルPを吸着保持した状態で移動して液晶パネルPを搬送する。パネル保持部20は、搬送が終わると吸着保持を解除する。第一コンベア61では、液晶パネルPは表示領域P4の短辺を搬送方向に沿うようにして搬送される。
【0035】
尚、供給装置2は、液晶パネルPのアライメント(位置決め)を行ってもよい。この場合、例えば、パネル保持部20にはアライメントカメラが設けられる。アライメントカメラは、液晶パネルPをパネル保持部20が保持し、上昇した状態で液晶パネルPのアライメントマークや先端形状等を撮像する。アライメントカメラによる撮像データは制御装置9に送信され、この撮像データに基づき、パネル保持部20が作動して搬送先の第一貼合装置3(挟圧ロール32)に対する液晶パネルPのアライメントがなされる。つまり、液晶パネルPは、第一貼合装置3に対する搬送方向、搬送方向と直交する方向、及び液晶パネルPの垂直軸回りの旋回方向でのズレ分を加味した状態で第一貼合装置3に搬送される。
【0036】
第一貼合装置3は、供給装置2よりもパネル搬送下流側に設けられている。第一貼合装置3は、貼合位置Q1に導入された液晶パネルPの下面に対して、所定サイズにカットした貼合シートF5のシート片(第一光学部材F11)の貼合を行う。
【0037】
第一貼合装置3は、搬送装置31と、挟圧ロール32とを備えている。
搬送装置31は、光学部材シートFXが巻回された原反ロールR1から光学部材シートFXを巻き出しつつ光学部材シートFXをその長手方向に沿って搬送する。搬送装置31は、セパレータF3aをキャリアとして貼合シートF5を搬送する。
搬送装置31は、ロール保持部31aと、複数のガイドローラ31bと、切断装置31cと、ナイフエッジ31dと、巻き取り部31eと、を備えている。
【0038】
ロール保持部31aは、帯状の光学部材シートFXを巻回した原反ロールR1を保持すると共に光学部材シートFXをその長手方向に沿って繰り出す。
複数のガイドローラ31bは、原反ロールR1から巻き出した光学部材シートFXを所定の搬送経路に沿って案内するべく光学部材シートFXを巻きかける。
切断装置31cは、搬送経路上の光学部材シートFXにハーフカットを施す。
ナイフエッジ31dは、ハーフカットを施した光学部材シートFXを鋭角に巻きかけてセパレータF3aから貼合シートF5を分離させつつこの貼合シートF5を貼合位置Q1に供給する。
巻き取り部31eは、ナイフエッジ31dを経て単独となったセパレータF3aを巻き取るセパレータロールR2を保持する。
【0039】
搬送装置31の始点に位置するロール保持部31aと搬送装置31の終点に位置する巻き取り部31eとは、例えば互いに同期して駆動する。これにより、ロール保持部31aが光学部材シートFXをその搬送方向へ繰り出しつつ、巻き取り部31eがナイフエッジ31dを経たセパレータF3aを巻き取る。以下、搬送装置31における光学部材シートFX(セパレータF3a)の搬送方向上流側をシート搬送上流側、搬送方向下流側をシート搬送下流側という。
【0040】
各ガイドローラ31bは、搬送中の光学部材シートFXの進行方向を搬送経路に沿って変化させると共に、複数のガイドローラ31bの少なくとも一部が搬送中の光学部材シートFXのテンションを調整するべく可動する。
【0041】
尚、ロール保持部31aと切断装置31cとの間には、図示しないダンサローラが配置されていてもよい。ダンサローラは、光学部材シートFXが切断装置31cで切断される間に、ロール保持部31aから搬送される光学部材シートFXの繰り出し量を吸収する。
【0042】
図6は、本実施形態の切断装置31cの動作を示す図である。
図6に示すように、切断装置31cは、光学部材シートFXが所定長さ繰り出された際、光学部材シートFXの長手方向と直交する幅方向の全幅にわたって、光学部材シートFXの厚さ方向の一部を切断するハーフカットを行う。本実施形態の切断装置31cは、光学部材シートFXに対してセパレータF3aとは反対側から光学部材シートFXに向かって進退可能に設けられている。
【0043】
切断装置31cは、光学部材シートFXの搬送中に働くテンションによって光学部材シートFX(セパレータF3a)が破断しないように(所定の厚さがセパレータF3aに残るように)、切断刃の進退位置を調整し、粘着層F2とセパレータF3aとの界面の近傍までハーフカットを施す。尚、切断刃に代わるレーザー装置を用いてもよい。
【0044】
ハーフカット後の光学部材シートFXには、その厚さ方向で光学部材本体F1a及び表面保護フィルムF4aが切断されることにより、光学部材シートFXの幅方向の全幅にわたる切込線L1,L2が形成される。切込線L1,L2は、帯状の光学部材シートFXの長手方向で複数並ぶように形成される。例えば同一サイズの液晶パネルPを搬送する貼合工程の場合、複数の切込線L1,L2は光学部材シートFXの長手方向で等間隔に形成される。光学部材シートFXは、複数の切込線L1,L2によって長手方向で複数の区画に分けられる。光学部材シートFXにおける長手方向で隣り合う一対の切込線L1,L2に挟まれる区画は、それぞれ貼合シートF5における一つのシート片(光学部材F1X)とされる。
【0045】
図1及び図2に戻り、ナイフエッジ31dは、第一コンベア61の下方に配置されて光学部材シートFXの幅方向で少なくともその全幅にわたって延在する。ナイフエッジ31dは、ハーフカット後の光学部材シートFXのセパレータF3a側に摺接するようにこれを巻きかける。
【0046】
第一貼合装置3において、ナイフエッジ31dは、その先端部に第一光学部材シートF1を鋭角に巻きかける。第一光学部材シートF1は、ナイフエッジ31dの先端部で鋭角に折り返す際、セパレータF3aから貼合シートF5のシート片(第一光学部材F11)を分離させる。ナイフエッジ31dの先端部は、挟圧ロール32のパネル搬送下流側に近接して配置される。ナイフエッジ31dによりセパレータF3aから分離した第一光学部材F11は、液晶パネルPの下面に重なりつつ、挟圧ロール32の一対の貼合ローラ32a間に導入される。
【0047】
一方、ナイフエッジ31dにより、貼合シートF5と分離されたセパレータF3aは巻き取り部31eに向かう。巻き取り部31eは、貼合シートF5と分離されたセパレータF3aを巻き取り、回収する。
【0048】
挟圧ロール32は、搬送装置31が第一光学部材シートF1から分離させた第一光学部材F11を供給装置2により供給される液晶パネルPの下面に貼合する。
【0049】
挟圧ロール32は、互いに軸方向を平行にして配置された一対の貼合ローラ32a,23aを有する(上の貼合ローラ32aは上下する)。一対の貼合ローラ32a,32a間には所定の間隙が形成され、この間隙内が第一貼合装置3の貼合位置Q1となる。
【0050】
液晶パネルPは、供給装置2により、貼合位置Q1に向けて+X方向側から−X方向側に搬送される。そして、貼合ローラ32a,32aの間隙内に、液晶パネルP及び第一光学部材F11が重なり合って導入される。これら液晶パネルP及び第一光学部材F11が、各貼合ローラ32aに挟圧されつつ第二コンベア62に送り出される。本実施形態では、挟圧ロール32により液晶パネルPのバックライト側の面に第一光学部材F11が貼合されることにより、第一光学部材貼合体PA1が形成される。
【0051】
旋回反転装置4は、第二貼合装置5よりもパネル搬送下流側に設けられている。旋回反転装置4は、第一光学部材貼合体PA1を旋回及び反転させる。
【0052】
旋回反転装置4は、旋回装置41と、反転装置42と、を備えている。
旋回装置41は、第三コンベア63の上方(+Z方向側)に配置されている。旋回装置41は、第一光学部材貼合体PA1及び後述する第二光学部材貼合体PA2を、吸着パッド41aに吸着した状態で、液晶パネルPの垂直軸回りの旋回方向で旋回させる。
【0053】
反転装置42は、旋回装置41よりもパネル搬送下流側に設けられている。反転装置42は、第四コンベア64上を搬送された第一光学部材貼合体PA1及び後述する第二光学部材貼合体PA2を一対の支持材42a,42bで上下から挟み込んで裏返すことにより、第一光学部材貼合体PA1及び二光学部材貼合体PA2の表裏を反転させる。
【0054】
尚、旋回反転装置4は、旋回装置41と、反転装置42と、を別個に備えていなくてもよい。例えば、旋回反転装置4は、搬送ラインL1の長手方向に対して斜め45°をなす反転軸を有する反転機構を備えることにより、旋回機能及び反転機能を一回の反転動作で実現する旋回反転装置であってもよい。この場合、反転機構により、旋回処理及び反転処理の双方の処理が行われるため、別個に旋回装置を設ける必要がない。
【0055】
第二貼合装置5は、旋回装置41よりもパネル搬送上流側に設けられている。第二貼合装置5は、貼合位置Q2に導入された第一光学部材貼合体PA1の下面に対して、所定サイズにカットした貼合シートF5のシート片(第二光学部材F11)の貼合を行う。第二貼合装置5は、第一貼合装置3と同様の搬送装置31及び挟圧ロール32を備えている。
【0056】
旋回反転装置4によって旋回及び反転された第一光学部材貼合体PA1は、第三コンベア63によって、貼合位置Q2に向けて−X方向側から+X方向側に搬送される。そして、貼合ローラ32a,32aの間隙内(第二貼合装置5の貼合位置Q2)に、第一光学部材貼合体PA1及び第二光学部材F12が重なり合って導入される。これら第一光学部材貼合体PA1及び第二光学部材F12が、各貼合ローラ32aに挟圧されつつ第二コンベア62側に送り出される。本実施形態では、挟圧ロール32により液晶パネルPの表示面側の面(第一光学部材貼合体PA1の第一光学部材F11が貼合された面とは反対側の面)に第二光学部材F12が貼合されることにより、第二光学部材貼合体PA2が形成される。
【0057】
第二光学部材貼合体PA2には、必要に応じて、輝度向上フィルムなどの他の光学部材が貼合され、さらに、液晶パネルPの電子部品取付部に電子部品の実装処理などが施されることにより、光学表示デバイスとなる。
【0058】
本実施形態では、搬送ラインL1上を搬送される液晶パネルPの搬送方向が、第一貼合装置3において第一光学部材F11が貼り合わされるとき(−X方向)と、第二貼合装置5において第二光学部材F12が貼り合わされるとき(+X方向)とで逆向きとなっている。
【0059】
検出装置7は、第一貼合装置3と第二貼合装置5との間に設けられている。検出装置7は、液晶パネルPに対する光学部材F1Xの相対貼合位置を検出する。検出装置7は、フィルム貼合がなされたワーク(液晶パネルP)において光学部材F1Xの位置が適正か否か(位置ズレが公差範囲内にあるか否か)等の判定を行う。
【0060】
検出装置7は、パネル搬送方向と直交する方向(Y方向)に配列された複数のカメラ7aを有する。複数のカメラ7aは、第二コンベア62の上方(+Z方向側)に配置されている。カメラ7aは、液晶パネルPにおける光学部材F1Xの端縁を含む画像を撮像する。カメラ7aによる撮像データは制御装置9に送信され、この撮像データに基づき、液晶パネルPにおける光学部材F1Xの貼合位置が適正か否かが判定される。液晶パネルPに対する光学部材F1Xの位置が適正ではないと判定されたワークは、不図示の払い出し手段によりライン外に排出される。
【0061】
本実施形態では、第一貼合装置3と第二貼合装置5とが検出装置7を挟んで向かい合うように配置されている。第一貼合装置3は、液晶パネルPを検出装置7側に向けて搬送しつつ第一光学部材F11の貼合処理を行い、第二貼合装置5は、液晶パネルPを検出装置7側に向けて搬送しつつ第二光学部材F12の貼合処理を行う。第一貼合装置3及び第二貼合装置5で貼合処理された液晶パネルP(第一光学部材貼合体PA1、第二光学部材貼合体PA2)は、いずれも検出装置7に向けて搬出されるため、貼合装置3,5から検出装置7に液晶パネルPを搬送する時間が大幅に省略され、生産効率が向上する。
【0062】
第三コンベア63は、第二貼合装置5よりもパネル搬送下流側に設けられている。第三コンベア63は、第二光学部材貼合体PA2を旋回反転装置4によって旋回又は反転させるべく、第二貼合装置5から旋回反転装置4に第二光学部材貼合体PA2を移動させる。
【0063】
搬送台車8は、搬送ライン1Lに隣り合う位置に配置されている。搬送台車8は、紙継ぎのためにロールR1を貼合装置3,5に搬送する。ロールR1は、紙継ぎのために搬送ライン1Lと隣り合う位置に待機している。
【0064】
搬送台車8は、ロールR1を支持するロール支持部8aを有する。搬送台車8は、複数のロールR1がストックされたロール収容エリア(図示略)と貼合装置3,5との間を往復移動可能に設けられている。搬送台車8としては、有軌道式や磁気誘導式の無人搬送台車(AGV:automated guided vehocle)を用いることができる。
【0065】
搬送台車8は、第一搬送台車81と、第二搬送台車82と、を備えている。第一搬送台車81は、第一貼合装置3にロールR1を搬送するべく、ロール収容エリアと第一貼合装置3との間を往復移動可能となっている。第二搬送台車82は、第二貼合装置5にロールR1を搬送するべく、ロール収容エリアと第二貼合装置5との間を往復移動可能となっている。
【0066】
本実施形態においてフィルム貼合システム1の各部を統括制御する電子制御装置としての制御装置9は、コンピュータシステムを含んで構成されている。このコンピュータシステムは、CPU等の演算処理部と、メモリやハードディスク等の記憶部とを備える。
本実施形態の制御装置9は、コンピュータシステムの外部の装置との通信を実行可能なインターフェースを含む。制御装置9には、入力信号を入力可能な入力装置が接続されていてもよい。上記の入力装置は、キーボード、マウス等の入力機器、あるいはコンピュータシステムの外部の装置からのデータを入力可能な通信装置等を含む。制御装置9は、フィルム貼合システム1の各部の動作状況を示す液晶表示ディスプレイ等の表示装置を含んでいてもよいし、表示装置と接続されていてもよい。
【0067】
制御装置9の記憶部には、コンピュータシステムを制御するオペレーティングシステム(OS)がインストールされている。制御装置9の記憶部には、演算処理部にフィルム貼合システム1の各部を制御させることによって、フィルム貼合システム1の各部に光学部材シートFXを精度よく搬送させるための処理を実行させるプログラムが記録されている。記憶部に記録されているプログラムを含む各種情報は、制御装置9の演算処理部が読み取り可能である。制御装置9は、フィルム貼合システム1の各部の制御に要する各種処理を実行するASIC等の論理回路を含んでいてもよい。
【0068】
記憶部は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などといった半導体メモリや、ハードディスク、CD−ROM読取り装置、ディスク型記憶媒体などといった外部記憶装置などを含む概念である。記憶部は、機能的には、供給装置2、第一貼合装置3、旋回反転装置4、第二貼合装置5、検出装置7、搬送台車8、ローラコンベア6の動作の制御手順が記述されたプログラムソフトを記憶する記憶領域、その他各種の記憶領域が設定される。
【0069】
以下、図1図2及び7を参照して、フィルム貼合システム1の動作の一例を説明する。
図7は、フィルム貼合システムの動作フローを示す図である。
【0070】
まず、液晶パネルPが第一コンベア61上を搬送され、供給装置2により第一貼合装置3に供給される(図7に示すステップS1)。液晶パネルPは、第一コンベア61により、表示領域P4の短辺を搬送方向に沿うようにして貼合位置Q1に向けて−X方向に移動される。
【0071】
液晶パネルPが表示領域P4の短辺を搬送方向に沿うようにして移動されることにより、ローラコンベア6(第一コンベア61)の搬送ライン1Lに沿う長さを短くすることができる。これにより、装置の小型化を図り易くなる。
尚、液晶パネルPは、表示領域P4の長辺を搬送方向に沿うようにして移動されてもよい。ただし、ローラコンベア6(第一コンベア61)の搬送ライン1Lに沿う長さを短くする観点からは、液晶パネルPは、表示領域P4の短辺を搬送方向に沿うようにして移動されることが好ましい。
【0072】
次に、第一貼合装置3により、貼合位置Q1に導入された液晶パネルPの下面に対して、所定サイズにカットした貼合シートF5のシート片(第一光学部材F11)の貼合が行われる(図7に示すステップS2)。これにより、第一光学部材貼合体PA1が形成される。第一光学部材貼合体PA1は、第二コンベア62により、検出装置7に向けて−X方向に移動される。
【0073】
次に、検出装置7により、液晶パネルPに対する第一光学部材F11の相対貼合位置が検出される(図7に示すステップS3)。液晶パネルPにおける第一光学部材F11の貼合位置が適正であると判定された第一光学部材貼合体PA1は、第三コンベア63により、旋回装置41を通過して、反転装置42に向けて−X方向に移動される。
【0074】
次に、反転装置42により、液晶パネルPの表示面側が上面にされた第一光学部材貼合体PA1が表裏反転されて液晶パネルPのバックライト側が上面にされる(図7に示すステップS4)。液晶パネルPのバックライト側が上面にされた第一光学部材貼合体PA1は、第四コンベア64により、旋回装置41に向けて+X方向に移動される。
【0075】
次に、旋回装置41により、第一光学部材貼合体PA1が液晶パネルPの垂直軸回りの旋回方向で90°旋回される(図7に示すステップS5)。これにより、第一光学部材貼合体PA1は、表示領域P4の短辺が搬送方向に沿った姿勢から表示領域P4の長辺が搬送方向に沿った姿勢となる。
【0076】
次に、第三コンベア63により、第一光学部材貼合体PA1が表示領域P4の長辺を搬送方向に沿うようにして貼合位置Q2に向けて+X方向に移動される(図7に示すステップS6)。
【0077】
次に、第二貼合装置5により、貼合位置Q2に導入された液晶パネルPの下面に対して、所定サイズにカットした貼合シートF5のシート片(第二光学部材F12)の貼合が行われる(図7に示すステップS7)。これにより、一対の偏光フィルムの偏光軸同士が互いに直交して配置(クロスニコル配置)された、第二光学部材貼合体PA2が形成される。第二光学部材貼合体PA2は、第二コンベア62により、検出装置7に向けて−X方向に移動される。
【0078】
次に、検出装置7により、液晶パネルPに対する第二光学部材F12の相対貼合位置が検出される(図7に示すステップS8)。
【0079】
検出装置7を構成する複数のカメラ7aがパネル搬送方向と直交する方向(Y方向)に配列されているため、第二光学部材貼合体PA2が表示領域P4の長辺を搬送方向に沿うようにして移動されることにより、カメラ7aの設置数を削減することができる。これにより、装置の低コスト化を図ることができる。
尚、第二光学部材貼合体PA2は、表示領域P4の短辺を搬送方向に沿うようにして移動されてもよい。ただし、カメラ7aの設置数を削減する観点からは、第二光学部材貼合体PA2は、表示領域P4の長辺を搬送方向に沿うようにして移動されることが好ましい。
【0080】
次に、第三コンベア63により、液晶パネルPにおける第二光学部材F12の貼合位置が適正であると判定された第二光学部材貼合体PA2が、旋回装置41に向けて−X方向に移動される(図7に示すステップS9)。
【0081】
次に、旋回装置41により、第二光学部材貼合体PA2が液晶パネルPの垂直軸回りの旋回方向で90°旋回される(図7に示すステップS10)。これにより、第二光学部材貼合体PA2は、表示領域P4の長辺が搬送方向に沿った姿勢から表示領域P4の短辺が搬送方向に沿った姿勢となる。
【0082】
次に、第四コンベア64により、反転装置42を通過して、第二光学部材貼合体PA2が表示領域P4の短辺を搬送方向に沿うようにして次工程に向けて−X方向に移動される(図7に示すステップS11)。
【0083】
尚、本実施形態では、ステップS10において、旋回装置41により、第二光学部材貼合体PA2が旋回されているが、これに限らず、旋回されていなくてもよい。また、反転装置42を通過しているが、これに限らず、第二光学部材貼合体PA2が反転されていてもよい。すなわち、ステップS10においては、次工程の目的に応じて、第二光学部材貼合体PA2が旋回又は反転されていればよい。場合によっては、第二光学部材貼合体PA2を旋回も反転もせずにそのまま搬出してもよい。
【0084】
以上説明したように、本実施形態の本実施形態のフィルム貼合システム1によれば、旋回反転装置4と検出装置7が、第一光学部材貼合体PA1と第二光学部材貼合体PA2について共用されている。そのため、設備の小型化と低コスト化を実現することができる。また、第一貼合装置3と第二貼合装置5が検出装置7を挟んで向かい合うように配置され、貼合後の液晶パネルPが検出装置7に直接向かうように構成されている。そのため、貼合装置3,5から検出装置7に液晶パネルPを搬送する時間が省略され、生産効率が向上する。
【0085】
尚、本実施形態では、貼合装置3,5の構成として、挟圧ロール32で液晶パネルPと光学部材F1Xとの貼合処理を行う構成を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、貼合装置3,5は、セパレータから剥離した光学部材をいったん転写体である貼合ヘッドや貼合ドラム等の貼合部に貼着し、この貼合部を液晶パネルPに対してアライメントして、貼合部に貼着された光学部材を液晶パネルに貼合するものであってもよい。
【0086】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0087】
1…フィルム貼合システム(光学表示デバイスの生産システム)、3…第一貼合装置、4…旋回反転装置、5…第二貼合装置、6…ローラコンベア(移動装置)、7…検出装置、41…旋回装置、42…反転装置、F11…第一光学部材、F12…第二光学部材、F1X…光学部材、1L…搬送ライン、V1…向き、V2…向き、PA1…第一光学部材貼合体、PA2…第二光学部材貼合体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7