(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記無機充填材が、シリカ、アルミナ、タルク、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム及びホウ珪酸ガラスから選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の積層板。
前記樹脂硬化物層に、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和イミド樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、オキセタン樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、シリコーン樹脂、トリアジン樹脂及びメラミン樹脂から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の積層板。
ガラス基板上に熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物からなるフィルムを真空ラミネーター又はロールラミネーターを用いて積層し、硬化することにより樹脂硬化物層を形成する請求項1に記載の積層板の製造方法。
ガラス基板上に熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物からなるフィルムを配置した後、プレスし、硬化することにより樹脂硬化物層を形成する請求項1に記載の積層板の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明について詳細に説明する。
先ず、本発明の積層板は、1層以上の樹脂硬化物層と1層以上のガラス基板層を含む積層板であって、前記樹脂硬化物層と前記ガラス基板層との間の25℃におけるせん断接着力が20MPa以上であることを特徴とするものである。
なお、本発明において、積層体とは、その構成成分である熱硬化性樹脂が未硬化又は半硬化であるものを意味し、積層板とは、その構成成分である熱硬化性樹脂が硬化、あるいは熱硬化性樹脂の90%以上が硬化しているものを意味する。この熱硬化性樹脂の硬化度は、示差走査熱量計から測定される反応率により求めることができる。
【0013】
本発明において、樹脂硬化物層とガラス基板層との間のせん断接着力は、
図1に示すように、樹脂硬化物層上に垂直となるようにアンダーフィル樹脂ポストを形成し、樹脂硬化物層とアンダーフィル樹脂ポストを接着する。このアンダーフィル樹脂ポストに対して樹脂硬化物層の表面に並行する応力を加え、アンダーフィル樹脂ポストを形成した部分の樹脂硬化物層がガラス基板より隔離する応力により測定することができる。
【0014】
積層板や多層積層板を用いたプリント配線板の取り扱い性、即ち、割れにくさは、3点曲げの最大応力で評価することができるが、このような樹脂硬化物層とガラス基板層との間のせん断接着力を高めることで破断する応力が高くなり、割れにくくなるので取り扱い性が改善される。
すなわち、ガラス材料は弾性が高いが小さな力で割れるので取り扱い性が困難であるが、樹脂硬化物層とガラス基板層とからなる積層板やプリント配線板において、これらの層間のせん断接着力を高めることにより割れにくくなり、取り扱い易いものとなる。
せん断接着力は温度依存性があるので、本発明では25℃(室温)でのせん断接着力で規定している。本発明の積層板は、このせん断接着力が20MPa以上のものであるが、好ましくは24MPa以上、更に好ましくは28MPa以上である。
【0015】
積層板の40℃における貯蔵弾性率は、好ましくは10〜70GPaである。10GPa以上であると、ガラス基板が保護され、積層板の割れが抑制される。70GPa以下であると、ガラス基板と樹脂硬化物層との熱膨張率の差による応力が抑制され、積層板のそり及び割れが抑制される。この観点から、樹脂硬化物層の貯蔵弾性率は、より好ましくは
1〜40GPaであり、更に好ましく3〜30GPaである。
なお、積層板の片面又は両面には銅やアルミニウムなどの金属箔を有していてもよい。金属箔は、プリント配線の用途で用いるものであれば、特に制限されない。
【0016】
[樹脂硬化物層]
本発明において、樹脂硬化物層は、熱硬化性樹脂が硬化、あるいは熱硬化性樹脂の90%以上が硬化しているものを示す。なお、熱硬化性樹脂の硬化度は示差走査熱量計から測定される反応率により測定することができる。
樹脂硬化物層の厚さは、好ましくは1〜40μmである。1μm以上であると、積層板の割れが抑制される。40μm以下であると、相対的にガラス基板の厚さが大きくなって積層板の低熱膨張率化及び高弾性率化が可能となる。また、積層板の薄型化、小型化の点においても好ましい。この観点から、樹脂硬化物層の厚さは、より好ましくは2〜30μmであり、更に好ましくは3〜20μmである。ただし、ガラス基板層の厚さや層の数、及び樹脂硬化物層の種類や層の数によって樹脂硬化物層の厚さの適正範囲は異なるため、適宜選択される。
【0017】
樹脂硬化物層には無機充填材を含有することが好ましい。樹脂硬化物層に無機充填材を含有することにより、低熱膨張率及び高弾性率を有し、そりが抑制され、割れの生じ難い積層板を得ることができる。
本発明の積層板は、樹脂硬化物層と、シリコンチップと同程度に低熱膨張率かつ高弾性率であるガラス基板層を有するため、低熱膨張率及び高弾性率なものとなり、「そり」が抑制され、割れが生じ難いものとなる。特に、この積層板は耐熱性の高いガラス基板層を有するため、100℃から樹脂硬化物のTg未満の温度領域において低熱膨張性が顕著である。また、樹脂硬化物層中に無機充填材を含有していることにより、樹脂硬化物層が低熱膨張率かつ高弾性率なものとなり、当該樹脂硬化物層を含む積層板は、より低膨張率かつ高弾性率なものとなる。
従って、本発明の積層板における樹脂硬化物層には熱硬化性樹脂と共に、無機充填材を含有していることが好ましい。
【0018】
<熱硬化性樹脂>
本発明の樹脂硬化物に含まれる熱硬化性樹脂としては特に制限はなく、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和イミド樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、オキセタン樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、シリコーン樹脂、トリアジン樹脂、メラミン樹脂が挙げられる。これらの中で、成形性や電気絶縁性に優れる点で、エポキシ樹脂が好ましい。
さらに、特に熱硬化性樹脂として、エポキシ樹脂(A)、エポキシ硬化剤(B)及び、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂及びポリイミド樹脂から選ばれる少なくとも一種の耐熱性樹脂(C)を含有する樹脂が好適に使用される。
【0019】
エポキシ樹脂(A)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリアジン骨格含有エポキシ樹脂、フルオレン骨格含有エポキシ樹脂、トリフェノールフェノールメタン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、キシリレン型エポキシ樹脂、アラルキルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能フェノール類及びアントラセン等の多環芳香族類のジグリシジルエーテル化合物が挙げられる。また、これらエポキシ樹脂にリン化合物を導入したリン含有エポキシ樹脂が挙げられる。これらの中で、耐熱性、難燃性の点からはアラルキルノボラック型エポキシ樹脂あるいはアラルキルノボラック型エポキシ樹脂を含むことが好ましい。これらのエポキシ樹脂は、2種以上を併用しても良い。
【0020】
エポキシ硬化剤(B)としては、各種フェノール樹脂類、酸無水物類、アミン類、ヒドラジット類等が使用できる。フェノール樹脂類としては、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂等が使用できる。酸無水物類としては、無水フタル酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、メチルハイミック酸等が使用できる。アミン類として、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、グアニル尿素等が使用できる。信頼性を向上させるためには、ノボラック型フェノール樹脂であることが好ましい。
耐熱性樹脂(C)としては、フェノール性水酸基含有ポリブタジエン変性ポリアミド樹脂が特に好適に用いられる。
【0021】
<無機充填材>
無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ珪酸ガラス等が挙げられる。これらの無機充填材は、2種類以上を併用しても良い。
【0022】
積層板の樹脂硬化物層上に微細配線を形成する場合、無機充填材として次のような特性を有することが好ましい。すなわち、無機充填材としては、比表面積が20m
2/g以上であることが好ましい。また、めっきプロセスにおける粗化処理後の表面形状を小さくする観点から、平均一次粒径は100nm以下であることが好ましい。
なお、ここでいう「平均一次粒径」とは、凝集した粒子の平均径、つまり二次粒子径ではなく、凝集していない単体での平均粒子径をいう。当該平均一次粒径は、例えば、レーザー回折式粒度分布計により測定して求めることができる。このような比表面積や平均一次粒径の条件を満たす無機充填材としては、ヒュームドシリカが好ましい。
さらに、無機充填材は、耐湿性を向上させるためにシランカップリング剤等の表面処理剤で表面処理していることが好ましく、分散性を向上させるために疎水性化処理されていることが好ましい。
【0023】
また、無機充填材の含有量としては、樹脂組成物中の20質量%以下であることが好ましい。配合量が20質量%以下であると、粗化処理後の良好な表面形状を維持することができ、めっき特性及び層間の絶縁信頼性の低下を防ぐことができる。一方で、無機充填材を含有することで樹脂組成物の低熱膨張化、高弾性化が期待できることから、微細配線形成と共に低熱膨張化、高弾性化も重視する場合、無機充填材の含有量は5〜20質量%とするのが好ましい。
【0024】
一方、積層板の樹脂硬化物層上に微細な配線を形成しない場合、無機充填材として低熱膨張性の点からシリカが好ましく、さらに熱膨張率が0.6ppm/K程度と非常に小さく、樹脂に高充填した際の流動性の低下が少ない球状非晶質シリカがより好ましい。また、球状非晶質シリカとしては、累積50%粒子径が0.1〜5μmのものが好ましく、0.3〜3μmのものがさらに好ましい。ここで累積50%粒子径とは、粉末の全体積を100%として粒子径による累積度数分布曲線を求めた時、ちょうど体積50%に相当する点の粒子径のことであり、レーザー回折散乱法を用いた粒度分布測定装置等で測定することができる。
樹脂硬化物中の無機充填材の含有量は、熱硬化性樹脂及び無機充填材の合計量の20〜60体積%であることが好ましい。無機充填材の含有量が熱硬化性樹脂及び無機充填材の合計量の20〜60体積%であると、熱膨張率の低減効果が十分となり、かつ適度な流動性を有して成形性に優れる。すなわち、無機充填材の含有量が20体積%以上であると、熱膨張率の低減効果が十分なものとなり、60体積%以下であると、流動性が増加して成形性が良好になる。また、無機充填材を加えることにより樹脂硬化物層の弾性率が高くなるため、積層板の弾性率を高める効果が期待できる。
【0025】
<その他の成分>
樹脂硬化物層には、上記成分以外に硬化剤、硬化促進剤、熱可塑性樹脂、エラストマー、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤、密着性向上剤等を添加することができる。
硬化剤としては、例えば、エポキシ樹脂を用いる場合には、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等の多官能フェノール化合物;ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等のアミン化合物;無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、無水マレイン酸共重合体等の酸無水物;ポリイミド等を用いることができる。これら硬化剤は何種類かを併用することもできる。
硬化促進剤としては、例えばエポキシ樹脂の硬化促進剤として、イミダゾール類及びその誘導体;有機リン系化合物;第二級アミン類、第三級アミン類、及び第四級アンモニウム塩;等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系やスチレン化フェノールの酸化防止剤等が挙げられる。
光重合開始剤の例としては、ベンゾフェノン類、ベンジルケタール類、チオキサントン系などの光重合開始剤等が挙げられる。
蛍光増白剤の例としては、スチルベン誘導体などの蛍光増白剤等が挙げられる。
密着性向上剤の例としては、尿素シランなどの尿素化合物やシランカップリング剤等の密着性向上剤等が挙げられる。
【0026】
[ガラス基板層]
ガラス基板層を構成するガラス基板の素材としては、ケイ酸アルカリ系ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等のガラスを使用することができるが、低熱膨張性の観点からケイ素分比率の高いガラスが好ましい。
このガラス基板は、積層体の薄型化を目的としていることや加工性の観点から30〜200μmの薄型のガラスフィルムが好ましく、取り扱いの容易性など実用性を勘案すると厚さは50〜150μmがより好ましい。さらに積層体の薄型化の観点からは30μm〜100μmとすることが好ましい。
このガラス基板層の熱膨張率は、シリコンチップの熱膨張率(3ppm/℃程度)に近いほど積層体又はこの積層体から得られる積層板のそりが抑制されてよいが、好ましくは8ppm/℃以下であり、より好ましくは6ppm/℃以下であり、更に好ましくは4ppm/℃以下である。
このガラス基板層の40℃における貯蔵弾性率は、大きいほどよいが、好ましくは20GPa以上、より好ましくは25GPa以上、更に好ましくは30GPa以上である。
【0027】
このガラス基板層は、隣接する樹脂組成物層及び樹脂硬化物層とのせん断接着強度を高めるために表面処理を行うことが好ましい。ガラスの表面処理としては、ガラスの表面洗浄及びシランカップリング剤等による表面処理が挙げられる。ガラスの表面洗浄としては、アルカリ、酸、有機溶剤、及び超音波による湿式洗浄や、UV、オゾン照射などによる乾式洗浄など、公知の方法を用いることができる。これらの洗浄は1種あるいは2種以上を組み合わせても構わない。
シランカップリング剤等による表面処理としては、ディップコート法による塗布など、湿式、乾式処理などの公知の方法で行うことができる。シランカップリング剤の種類は、使用する樹脂によって適宜選択することが好ましい。例えば、エポキシ樹脂を用いる場合には、エポキシ系やアミン系のシランカップリング剤を選択することが好ましい。
また、ガラス基板の表面処理としてフッ酸粗化液などを用いて粗化処理を行うこともできる。
【0028】
[積層体の製造方法]
本発明の積層板は、前記のような熱硬化性樹脂、或いは更に無機充填材やその他の成分を含む樹脂組成物からなる樹脂組成物層と、ガラス基板層を含む積層体の樹脂組成物層を硬化し、樹脂硬化物層をガラス基板の表面に形成することにより得ることができる。
上記積層体の製造方法には特に制限はなく、樹脂組成物からなるフィルムをガラス基板へラミネートする<ラミネートによる積層体の製造方法>や、樹脂組成物をガラス基板へ塗布・乾燥することによって製造する<塗布による積層体の製造方法>を用いることができる。これらのうちラミネートによる方法が、生産が容易である点から好ましい。
次に、各製造方法について詳細に説明する。
【0029】
<ラミネートによる積層体の製造方法>
上記の積層体は、真空ラミネートやロールラミネートのような加圧ラミネートにより、前記の樹脂組成物を用いた接着フィルムとガラス基板とをラミネートすることで製造することができる。この真空ラミネートやロールラミネートは、市販の真空ラミネーター、ロールラミネーターを使用して行うことができる。
なお、樹脂組成物中の熱硬化性樹脂としては、ラミネート時の温度以下で溶融するものが好適に用いられる。例えば、真空ラミネーター又はロールラミネーターを用いてラミネートする場合、一般には140℃以下で行うことから、樹脂組成物中の熱硬化性樹脂は、140℃以下で溶融するものが好ましい。
【0030】
上記のように真空ラミネーターや加圧ラミネーターを用いて積層体を製造する場合、上記の樹脂組成物は接着フィルムとして調製するのが一般的である。
この接着フィルムとしては、次の積層構造を有するものがある。
(1)支持体フィルム/樹脂組成物層からなるフィルム。
(2)支持体フィルム/樹脂組成物層からなるフィルム/保護フィルム。
保護フィルムは、本発明の熱硬化性樹脂組成物に対し支持体フィルムとは反対側に形成され、異物の付着やキズを防止する目的に使用するものである。
上記(1)及び(2)の積層構造を有する接着フィルムは、公知の方法に従って製造することができる。なお、これら接着フィルムから支持体フィルム及び保護フィルムを除いたものを、接着フィルム本体と称することがある。
【0031】
(1)の接着フィルムを製造する一例としては、有機溶剤に上記の樹脂組成物を溶解し、無機充填材が分散したワニスを調製し、次いで、支持体フィルムを支持体として、このワニスを塗布し、加熱や熱風吹きつけ等によって有機溶剤を乾燥させることにより、樹脂組成物層を形成することができる。
(2)の接着フィルムを製造する一例としては、有機溶剤に上記の樹脂組成物を溶解し、無機充填材が分散したワニスを調製し、次いで、支持体フィルムの一方に対してこのワニスを塗布し、加熱や熱風吹きつけ等によってこのワニスの有機溶剤を乾燥させることにより、樹脂組成物層を形成した後、支持体フィルムと接していない側の樹脂組成物層に保護フィルムを配置することで製造することができる。
【0032】
樹脂組成物層の塗工装置としては、コンマコーター、バーコーター、キスコーター、ロールコーター、グラビアコーター、ダイコーターなど、公知の塗工装置を用いることができ、作製する膜厚によって、適宜選択することが好ましい。
なお、上記の接着フィルムにおいて、樹脂組成物層は半硬化させておいてもよい。
上記の支持体フィルムは、接着フィルムを製造する際の支持体となるものであり、多層プリント配線板を製造する際に、通常、最終的に剥離、又は除去されるものである。
【0033】
支持体フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と省略することがある)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、更には離型紙や銅箔、アルミニウム箔などの金属箔を挙げることができる。
なお、金属箔の場合には、粗化されていない無粗化銅箔や表面粗さ(Ra)が0.4μm以下である低粗化銅箔、及びアルミ箔などが好ましい。また、これらの支持体フィルムは、離型処理されたものを用いても良い。
支持体フィルムに銅箔を用いた場合には、銅箔をそのまま導体層とし、回路形成することもできる。この場合、銅箔としては、圧延銅、電解銅箔などがあげられ、厚さが2〜36μmのものが一般的に用いられる。厚さの薄い銅箔を用いる場合には、作業性を向上させるために、キャリア付き銅箔を使用してもよい。
支持体フィルムには、樹脂組成物層または樹脂硬化物層との剥離を容易にするために表面がマット処理、コロナ処理の他、離型処理を施してあってもよい。
【0034】
支持体フィルムの厚さは、通常、10〜150μmであり、好ましくは、25〜50μmである。10μm以上とすることにより取扱い性が容易となる。一方、支持体フィルムは、前記のとおり、通常、最終的に剥離、又は除去されるため、省エネの観点から支持体フィルムの厚さを150μm以下とすることが好ましい。
なお、(2)接着フィルムの保護フィルムは、ラミネートや熱プレスの前に剥離する。保護フィルムとして、支持体フィルムと同様の材料を用いてもよく、異なる材料を用いてもよい。保護フィルムの厚さは特に限定されるものではなく支持
体フィルムと同様でよいが、より好ましくは1〜40μmの範囲である。
【0035】
次に、上記の接着フィルムを用いたラミネート方法の一例について説明する。
(2)の接着フィルムのように保護フィルムを有している場合には、保護フィルムを除去した後、接着フィルムを加圧及び加熱しながらガラス基板に圧着する。
ラミネートの条件は、接着フィルム及びガラス基板を必要によりプレヒートし、圧着温度(ラミネート温度)を好ましくは60℃〜140℃、圧着圧力を好ましくは0.1〜1.1MPaでラミネートすることが好ましい。また、真空ラミネーターを用いる場合、空気圧20mmHg(2.67kPa)以下の減圧下でラミネートすることが好ましい。また、ラミネートの方法は、バッチ式であっても、ロールでの連続式であってもよい。
接着フィルムをガラス基板にラミネートした後、室温付近に冷却する。支持体フィルムは必要に応じて剥離する。
【0036】
<塗布による積層体の製造方法>
塗布による積層体の製造方法には特に制限はない。例えば、有機溶剤に上記の樹脂組成物を溶解し、無機充填材が分散したワニスを調製する。このワニスをガラス基板に塗布し、加熱や熱風吹きつけ等によって有機溶剤を乾燥させることにより、樹脂組成物層を形成する。この樹脂組成物層は、更に半硬化させてもよい。このようにして、積層体を製造することができる。
【0037】
[積層板の製造方法]
本発明の積層板は、前記の樹脂組成物層とガラス基板層を含む積層体の樹脂組成物層を硬化し、樹脂硬化物層をガラス基板の表面に形成することにより得ることができる。
積層板の製造方法として次の方法を挙げることができる。
(I)ガラス基板上に前記樹脂組成物を塗布した後、乾燥及び硬化することにより樹脂硬化物層を形成する(樹脂組成物の塗布による方法)。
(II)樹脂組成物を有するフィルム(積層体)を、真空ラミネーター又はロールラミネーターを用いて前記ガラス基板上に積層し、乾燥及び硬化することにより樹脂硬化物層を形成する(積層体の乾燥及び硬化による方法)。
(III)ガラス基板上に前記樹脂組成物からなるフィルム(積層体)を配置した後、プレスし、硬化することにより樹脂硬化物層を形成する(積層体のプレスによる方法)。
【0038】
(I)の樹脂組成物の塗布による方法は、前記の塗布による積層体の製造方法と同様の方法でガラス基板上樹脂組成物層を形成し、乾燥後、加熱硬化を行う方法である。
(II)の積層体の乾燥及び硬化による方法では、前記のラミネートによって得られた積層体において、必要に応じて支持体フィルムを剥離した後、樹脂組成物層を加熱硬化させることにより、積層板を製造することができる。
積層板の製造における加熱硬化の条件は、好ましくは150〜220℃で20〜80分であり、より好ましくは160〜200℃で30〜120分である。離型処理の施された支持体フィルムを使用した場合には、加熱硬化させた後に、支持体フィルムを剥離してもよい。ここで、本発明の積層板の樹脂硬化物層は、その硬化度を制御することが重要である。硬化度は示差走査熱量計から測定される反応率により求めることができる。具体的には、樹脂硬化物層の反応率が90〜99%であることが必要である。このような反応率とすることで、めっき銅との接着力が低下することを防ぐことができる。
この方法によると、積層板の製造時に加圧する必要がないため、製造時に割れが生じることが抑制される。
【0039】
(III)の積層体のプレスによる方法では、例えば、前記のラミネートによって得られた積層体を、プレス法により加熱、加圧して硬化して、積層板を製造することができる。
また、前記の樹脂組成物を用いた接着フィルムや、当該接着フィルムから支持体フィルムや保護フィルムを除去してなる接着フィルム本体と、ガラス基板とを重ね合せ、プレス法により加熱、加圧して硬化することにより、積層板を製造することもできる。
さらに、ガラス基板に樹脂組成物を塗工・乾燥してBステージ状態としたものを重ね合せ、プレス法により加熱、加圧して硬化することにより、積層板を製造することもできる。
【0040】
[多層積層板及びその製造方法]
本発明の多層積層板は、積層された複数個の積層板における少なくとも1個の積層板が本発明の積層板であるものである。
この多層積層板の製造方法には特に制限はないが、例えば、前述の積層板を、前述の接着フィルムから支持体フィルムや保護フィルムを除去してなる接着フィルム本体を介して複数積層して多層化すること
により製造できる。また、前記の積層体を複数枚(例えば、2〜10枚)重ね、積層成形することにより、多層積層板を製造することもできる。
これらの多層積層板の製造では、多段プレス、多段真空プレス、連続成形機、オートクレーブ成形機などを使用し、温度100〜250℃程度、圧力2〜100MPa程度、及び加熱時間0.1〜5時間程度の範囲で成形することができる。
【0041】
[プリント配線板及びその製造方法]
本発明のプリント配線板は、本発明の積層板と、前記積層板の表面に設けられた配線回路とを有するものであり、本発明の多層プリント配線板は、多層積層板と、前記多層積層板の表面に設けられた配線回路とを有するものである。
次に、このプリント配線板及び多層プリント配線板の製造方法について説明する。
【0042】
<ビアホール等の形成>
本発明のプリント配線板では、本発明の積層板を、必要に応じてドリル、レーザー、プラズマ、又はこれらの組み合わせ等の方法により穴あけを行い、ビアホールやスルーホールを形成する。レーザーとしては、炭酸ガスレーザーやYAGレーザー、UVレーザー、エキシマレーザーなどが一般的に用いられる。ビアホール等の形成後、酸化剤を用いてデスミア処理してもよい。酸化剤としては、過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム等)、重クロム酸塩、オゾン、過酸化水素/硫酸、硝酸が好適であり、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム等の水酸化ナトリウム水溶液(アルカリ性過マンガン酸水溶液)がより好適である。
【0043】
<導体層の形成>
次いで、湿式めっきにより、積層板の表面の樹脂硬化物層上に導体層を形成する。
湿式めっきを行う場合には、多くの場合まずその表面に粗化処理が施される。この粗化処理後の樹脂硬化物層の表面粗さ(Ra)は0.5μm以下であることが好ましく、0.4μm以下であることがより好ましく、0.3μm以下であることが更に好ましい。表面粗さ(Ra)が0.5μm以下であることで、半導体パッケージの高密度化に十分に対応させることができる。
なお、粗化処理の条件は、後に説明する粗化処理条件を適用できる。
【0044】
回路を形成するための方法については、前記めっきプロセスを使用して回路を形成するセミアディティブ法に加えて、キャリアとして銅箔を使用し、キャリア銅箔と絶縁基板とを張り合わせた銅張り積層板を用い、銅箔の不要な部分をエッチング除去するサブトラクティブ法や、絶縁基板の必要な個所に無電解めっきによって回路を形成するアディティブ法等、公知の配線板の製造方法を用いることができる。
【0045】
更に、必要に応じて、回路層の表面を接着性に適した状態に表面処理するが、この手法も特に制限はない。例えば、次亜塩素酸ナトリウムのアルカリ水溶液により回路層1の表面に酸化銅の針状結晶を形成し、形成した酸化銅の針状結晶をジメチルアミンボラン水溶液に浸漬して還元する等公知の製造方法を用いることができる。
【0046】
本発明の積層板又は多層配線板の樹脂硬化物層上にめっき法で回路加工する場合は、まず、粗化処理を行う。この場合の粗化液としては、クロム/硫酸粗化液、アルカリ過マンガン酸粗化液、フッ化ナトリウム/クロム/硫酸粗化液、ホウフッ酸粗化液等の酸化性粗化液を用いることができる。粗化処理としては、例えば、まず膨潤液として、ジエチレングリコールモノブチルエーテルとNaOHとの水溶液を80℃に加温して積層板又は多層配線板を5分間浸漬処理する。次に、粗化液として、KMnO
4とNaOHとの水溶液を例えば80℃に加温して10分間浸漬処理する。これらのアルカリ性溶液の濃度及び処理時間、処理温度については、表面粗さ(Ra)で0.1〜0.5μmとなるように適宜条件を選択して用いることが好ましい。引き続き、中和液、例えば塩化第一錫(SnCl
2)の塩酸水溶液に室温で5分間浸漬処理して中和する。
【0047】
粗化処理後は、パラジウムを付着させるめっき触媒付与処理を行う。めっき触媒処理は、塩化パラジウム系のめっき触媒液に浸漬して行われる。次に、無電解めっき液に浸漬してめっきプロセス用プライマー層の表面全面に厚さが0.3〜1.5μmの無電解めっき層(導体層)を析出させる無電解めっき処理と行う。
【0048】
次にめっきレジストを形成した後に、電気めっき処理を行い所望な箇所に所望の厚みの回路を形成する。無電解めっき処理に使用する無電解めっき液は、公知の無電解めっき液を使用することができ特に制限はない。めっきレジストも公知のめっきレジストを使用することができ、特に制限はない。また、電気めっき処理についても公知の方法によることができ特に制限はない。これらのめっきは銅めっきであることが好ましい。さらに不要な箇所の無電解めっき層をエッチング除去して外層回路を形成してプリント配線板を製造することができる。また、さらに同様の工程を繰り返して層数の多い多層プリント配線板を製造できる。
【実施例】
【0049】
次に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例において、(1)積層板の熱膨張率の測定、(2)貯蔵弾性率の測定、(3)樹脂硬化物層とガラス基板との間のせん断接着力の測定及び(4)積層板の取り扱い性の評価(三点曲げ試験)を次の方法により行った。
【0050】
(1)積層板の熱膨張率の測定
各実施例及び比較例で得た無電解銅めっき層つき積層板の銅をエッチング処理により除去した後、4mm×30mmの試験片を切り出し、TMA試験装置(デュポン社製、TMA2940)を用い、試験片のTg未満の熱膨張特性を測定した。
TMA試験装置では、昇温速度5℃/minとし、1st runでは測定範囲20〜200℃、2nd runでは測定範囲−10〜280℃において、加重5g、チャック間10mmで引っ張り法にて測定し、30〜100℃の範囲の平均の熱膨張率を測定した。
【0051】
(2)積層板の貯蔵弾性率の測定
各実施例及び比較例で得た無電解銅めっき層つき積層板の、銅をエッチング処理により除去した後、積層板から5mm×30mmの試験片を切り出した。
広域粘弾性測定装置(レオロジ社製、DVE−V4型)を用い、スパン間を20mm、周波数を10Hz、振動変位1〜3μm(ストップ加振)の条件で、試験片の40℃における貯蔵弾性率を測定した。
【0052】
(3)樹脂硬化物層とガラス基板との間のせん断接着力の測定
各実施例及び比較例で得た積層板に、
図1に示すように、樹脂硬化物層上に、垂直となるように直径3mmのアンダーフィル樹脂ポストを形成し、樹脂硬化物層と接着した。樹脂硬化物層上から高さ50μmの位置にてせん断力をかけ、万能型ボンドテスター(デイジジャパン製、シリーズ4000)を用いて、25℃における樹脂硬化物層とガラス基板との間のせん断接着力を測定した。
【0053】
(4)積層板の取り扱い性の評価(三点曲げ試験)
積層板の取り扱い性を客観的に評価する方法として、三点曲げ試験における最大応力を用いた。まず、各実施例及び比較例で得た積層板サンプルから、20mm×10mmの試験片を切り出した。
三点曲げ試験はオートグラフ(島津製作所製、AG−1kNX)を用いて測定した。スパン間3.2mm、試料の幅は20mmとし、全て25℃で測定を行った。なお、サンプル厚さは180μm±10μmの範囲となるようにして測定した。
【0054】
実施例1
(接着フィルムAの製造)
フェノール性水酸基含有ポリブタジエン変性ポリアミド(日本化薬社製、商品名:BPAM−155)1.5gに、N、N−ジメチルアセトアミド(DMAc)を13.5g配合した後、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬社製、商品名:NC−3000H)10g、ノボラック型フェノール樹脂(DIC社製、商品名:TD−2090)3.6g、硬化促進剤として2−フェニルイミダゾール(四国化成工業社製、商品名:2PZ)0.1gを、ヒュームドシリカ(日本アエロジル社製、商品名:R972、比表面積130m
2/g)0.9gを添加した後、DMAc及びメチルエチルケトンからなる混合溶剤で希釈した(固形分濃度約25質量%)。その後、分散機(ナノマイザー、商品名、吉田機械興業株式会社製)を用いて、均一な樹脂ワニスAを得た。
次に、得られた樹脂ワニスAを、離型処理ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(PET−38X、リンテック社製、商品名)の離型処理面に乾燥後12μmになるように塗布し、180℃で10分間乾燥させて樹脂組成物層とPETフィルムからなる接着フィルムAを形成した。
【0055】
(ガラス基板の表面処理)
ガラス基板として、日本電気硝子製の極薄ガラスフィルム「OA−10G」(商品名、厚さ150μm)を用いた。まず、ガラス基板をメチルエチルケトン中に浸漬した後、純水にて流水洗浄した。次にガラス基板を濃硫酸(和光純薬製)に30分間浸漬して、ガラス基板の表面洗浄を行った。
ガラス基板の表面処理には、シランカップリング剤として、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業製、製品名:KBM573)を使用した。5gの酢酸(和光純薬製)と490gの純水を混合してなる1%酢酸水溶液を撹拌しながら、5gのシランカップリング剤(KBM573)を滴下により加え、30分間撹拌を継続して表面処理液Aを得た。
洗浄したガラス基板を純水にて流水洗浄した後、表面処理液A中に15分間浸漬した。その後純水でリンスしたガラス基板を105℃で30分間乾燥して、表面処理したガラス基板Aを得た。
【0056】
(積層板の作製)
次いで、積層体(樹脂組成物層/ガラス基板層/樹脂組成物層)を形成した。表面処理したガラス基板Aの両面上に、前記接着フィルムAの樹脂組成物層が表面処理したガラス基板Aに当接するように配置し、バッチ式の真空加圧ラミネーター「MVLP−500」(名機株式会社製、商品名)を用いてラミネートによって積層した。この際の真空度は30mmHg(40kPa)以下であり、温度は90℃、圧力は0.5MPaの設定とした。
室温に冷却後、支持体のPETフィルムを剥がし、180℃で60分間硬化して、3層構造の積層板(樹脂硬化物層/ガラス基板層/樹脂硬化物層)を得た。
得られた積層板の測定結果及び評価結果を第1表に示す。
【0057】
実施例2
実施例1のガラス基板の表面洗浄において、濃硫酸の代わりに濃塩酸とメタノールの1:1(体積比)の混合溶液を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、3層構造の積層板を得た。得られた積層板の測定結果及び評価結果を第1表に示す。
【0058】
実施例3
実施例1のガラス基板の表面洗浄において、濃硫酸の代わりに水酸化カリウムの10%水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、3層構造の積層板を得た。
得られた積層板の測定結果及び評価結果を第1表に示す。
【0059】
実施例4
実施例1のガラス基板の表面処理において、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの代わりに3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業製、商品名:KBM403)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、3層構造の積層板を得た。得られた積層板の測定結果及び評価結果を第1表に示す。
【0060】
実施例5
実施例1のガラス基板の表面処理において、濃硫酸の代わりにテトラフルオロほう酸13%水溶液に5分間浸漬した後、純水にて洗浄した。また、シランカプリング剤溶液による表面処理は行わなかった。それ以外は、実施例1と同様の操作を行い、3層構造の積層板を得た。得られた積層板の測定結果及び評価結果を第1表に示す。
【0061】
比較例1
実施例1のガラス基板の表面洗浄及び表面処理を行わなかった以外は、実施例1と同様の操作を行い、3層構造の積層板を得た。
得られた積層板の測定結果及び評価結果を第1表に示す。
【0062】
比較例2
実施例1のガラス基板の表面処理において、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの代わりにビニルトリメトキシシラン(信越化学工業製、商品名:KBM1003)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、3層構造の積層板を得た。
得られた積層板の測定結果及び評価結果を第1表に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
第1表から明らかなように、樹脂硬化物層とガラス基板層を含む積層板において、樹脂硬化物層とガラス基板層との間の25℃におけるせん断接着力が20MPa以上とすることで、低熱膨張、高弾性を有し、割れにくく取り扱い性に優れる積層板や、プリント配線板を製造することができることが分かる。