(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6179180
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】示差屈折率計
(51)【国際特許分類】
G01N 21/41 20060101AFI20170807BHJP
G01N 30/74 20060101ALN20170807BHJP
【FI】
G01N21/41 B
!G01N30/74 Z
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-101985(P2013-101985)
(22)【出願日】2013年5月14日
(65)【公開番号】特開2014-222197(P2014-222197A)
(43)【公開日】2014年11月27日
【審査請求日】2016年4月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】藤井 崇史
(72)【発明者】
【氏名】福川 一成
【審査官】
塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭56−068145(JP,U)
【文献】
特開2005−192612(JP,A)
【文献】
実開昭48−045692(JP,U)
【文献】
実開昭48−045691(JP,U)
【文献】
特表2002−538424(JP,A)
【文献】
米国特許第06094262(US,A)
【文献】
米国特許第02772597(US,A)
【文献】
特開昭63−132139(JP,A)
【文献】
YONG ZHAO et al.,Optical Salinity Sensor System Based on Fiber-Optic Array,IEEE SENSORS JOURNAL,2009年 9月,Vol. 9, No. 9,pp. 1148-1153
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/41
G01N 30/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源部と、内部が斜板で仕切られた、参照液と試料液を通過させるための二つの中空部を有するフローセルと、前記フローセルを通過した透過光の偏向を検出するための光センサと、前記透過光を前記光センサに照射するための光伝達手段と、前記光センサの出力信号から屈折率を演算する演算手段と、を備えた、示差屈折率計において、前記光伝達手段の受光面が分割境界を境に二つの領域に分割され、それぞれの領域に入射した光は対応した出射面の領域から照射されるよう、受光領域と経路とが対応付けられており、前記光伝達手段の光センサ側が二つに分岐されている、前記示差屈折率計。
【請求項2】
二つに分岐された前記光伝達手段の各出射領域に個別の光センサを備えた、請求項1に記載の示差屈折率計。
【請求項3】
光源部から発せられた光をフローセルに照射するための光伝達手段をさらに備えた、請求項1または2に記載の示差屈折率計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体クロマトグラフ等に用いられる、測定試料を含む液体と含まない液体との間の屈折率の差に基づき物質濃度を測定する示差屈折率計に関する。特に本発明は、高温状態の試料の分析に適した示差屈折率計に関する。
【背景技術】
【0002】
示差屈折率計は、光源部と、参照液(測定試料を含まない液体)と試料液(測定試料を含む液)を通過させるための中空部を有するフローセルと、光センサを備え、前記フローセルを通過する液体の屈折率の差を検出する装置である。
【0003】
示差屈折率計のうち、特許文献1で開示されているようなブライス型示差屈折率計は、光源部と、内部が斜板で仕切られた、参照液と試料液を通過させるための中空部を有するフローセルと、前記フローセルを通過した光の偏向を検出する光センサを備えており、参照液と試料液との屈折率の差を、フローセルを通過する時に屈折した光の、光センサに照射される位置の変化量によって検出する。多くの場合、特許文献1で開示されているように、フローセルを通過した光をミラーで反射してフローセルに戻すことにより、当該位置の変化量を拡大させている。ブライス型示差屈折率計で用いる光センサとしては、分割型フォトダイオードやイメージセンサ等が用いられる。
【0004】
示差屈折率計を備えた液体クロマトグラフにおいて、測定試料が例えば合成高分子のように高温でないと溶媒に溶けない試料である場合、測定試料とその溶解温度に応じて溶媒を選択した上で、試料導入装置、分離カラム、示差屈折率計のフローセルや、それらを接続する流路を適宜加温する。この際、示差屈折率計内での試料の析出を防止するため、示差屈折率計のうち試料液が通る部分を高温に保つ必要がある。実際には、高温環境下で溶媒や検出器の温度変動に由来するノイズを低減するために、示差屈折率計全体の温度を高温に保つ温度調節機能を備えたり、示差屈折率計を高温に保たれた恒温槽内に設置したりした、高温用示差屈折率計が知られている。
【0005】
高温用示差屈折率計では、耐熱性に劣る光センサが熱に曝されないように、非特許文献1で開示されているような、フローセルを通過した光を、光ファイバ等の耐熱性を有した光伝達手段を用いて、低温部に設けた光センサに照射する態様が知られている。また非特許文献1では、光源部の耐熱性が低い場合や光源部の保守性を改善するために、低温部に設けた光源部から発せられた光を、別途設けた光伝達手段を用いて、フローセルに照射する高温用示差屈折率計も開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭63−027733号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】東ソー研究報告、42、3−16(1998)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
非特許文献1で開示の技術を利用した高温用示差屈折率計を備えた高温GPC装置であるHLC−8121GPC/HT(東ソー製)では、フローセルを通過した光を光センサに照射するための光伝達手段として、2つの領域に分かれた光バンドルファイバを使用している。前記光バンドルファイバは、各領域内では光ファイバがランダムに配置されているが、各領域間の光ファイバは1対1で対応するよう配置されている。フローセルを通過した光は、前記光バンドルファイバにより2分割された態様で伝達され、位置検出光センサに照射される。光センサも同様に2つの分割された領域からなり、各領域における光量の差から屈折率の差を検出する。
【0009】
光伝達手段により伝達された複数の領域に分割されたフローセルを通過した光を、光センサに光学的に結合させるには、光伝達手段の分割境界と位置検出光センサの分割境界との位置を合わせる必要がある。そのため、位置調整機構をさらに設ける必要があり、また位置の調整に手間が掛かる問題があった。さらに、外気温の変動や振動、荷重等の外乱により、光伝達手段と光センサとの位置関係が変動すると、各々の分割境界の位置関係も変動し、その変動がノイズとなる問題があった。
【0010】
そこで本発明の目的は、フローセルを通過した光を光伝達手段を用いて光センサに照射させる示差屈折率計において、前記光伝達手段と光センサとの分割境界の位置を調整する手間を省き、前記分割境界のずれに起因するノイズを抑えた、示差屈折率計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を鑑みてなされた本発明は、以下の態様を包含する。
【0012】
すなわち本発明の第一の態様は、
光源部と、内部が斜板で仕切られた、参照液と試料液を通過させるための二つの中空部を有するフローセルと、前記フローセルを通過した透過光の偏向を検出するための光センサと、前記透過光を前記光センサに照射するための光伝達手段と、前記光センサの出力信号から屈折率を演算する演算手段と、を備えた示差屈折率計において、
前記光伝達手段の光センサ側が複数に分岐されている、前記示差屈折率計である。
【0013】
また本発明の第二の態様は、複数に分岐された前記光伝達手段の各々に個別の光センサを備えた、前記第一の態様に記載の示差屈折率計である。
【0014】
また本発明の第三の態様は、光源部から発せられた光をフローセルに照射するための光伝達手段をさらに備えた、前記第一または第二の態様に記載の示差屈折率計である。
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】
本発明の示差屈折率計における光伝達手段としては、光ファイバやイメージガイド、イメージコンジット等が使用できる。イメージガイドは、光ファイバを束ねたもので、画像(イメージ)を伝達できるように光ファイバが両端で正しく対応するよう配列されている。イメージコンジットは、イメージガイドの個別光ファイバを熱熔着したものである。
【0017】
本発明の示差屈折率計における光源部としては、アルゴンやクリプトンなどの不活性ガスを封入したタングステンランプ、タングステンランプに微量のヨウ素や臭素などを添加したハロゲンランプ、発光ダイオードが例示できる。なお光源部から生成される光を前述した光伝達手段を用いてフローセルに照射させてもよい。
【0018】
示差屈折率計において、フローセルを透過させる光は平行光(概ね平行光を含み、以下同じ)である必要がある。そのためには前記光源部から発せられた光、または前記光源部から発せられた後、光伝達手段によりフローセルに照射される光を、平行光に変換させる必要がある。平行光への変換方法としては、以下の方法が例示できる。
(1)レンズ付ランプやレンズ付発光ダイオードを用いる方法。
(2)光源または光伝達手段とコリメータレンズを組み合わせる方法。
(3)光源または光伝達手段の出射面から十分離れた位置にフローセルを設置する方法。
なお、前記(1)から(3)の方法を組み合せてもよい。前記(2)の方法においてレンズの口径は、当該レンズの有効径がフローセルを通過する所要平行光の断面の長手方向の長さをカバーするように選択すればよい。レンズの焦点距離は特に限定されないが、レンズの焦点距離の位置に光源または光伝達手段の出射面を設置すればよい。しかしながら発光ダイオード等の光源が発した光を有効に利用するためには、レンズと光源の距離を近づけた上で、レンズの開口数を大きくすることが好ましく、レンズは、開口数に応じて大きくなる球面収差を抑えるために非球面レンズ、またはアクロマティックレンズに代表される貼合せレンズを使うことができる。平行光断面内の光強度分布はフローセルにおける参照液流路および試料液流路の幅方向の範囲で概ね均一であればよい。また、光強度分布の均一性を改善するために、ビーム変換レンズを使ったり、強度分布と逆の透過特性をもたせたフィルタなどを用いたりしてもよい。
【0019】
本発明の示差屈折率計は、フローセルを通過した透過光を光センサに照射するための光伝達手段として、光センサ側が複数に分岐した光伝達手段を用いることを特徴としている。一例として、分岐し、かつ受光領域と経路とが対応付けられた光バンドルファイバや、分岐したイメージガイドや、分岐したイメージコンジットがあげられる。分岐し、かつ受光領域と経路とが対応付けられた光バンドルファイバの具体例として、光ファイバの束を、受光面側で個別光ファイバが存在する領域に対応して、他端側で2分岐した光バンドルファイバがあげられる。分岐したイメージガイドの具体例として、円形または矩形の受光面と、2個の半円形または矩形の出射面を有したイメージガイドがあげられる。フローセルを通過した透過光を光センサに照射するための光伝達手段の長さに特に限定はない。ただし光伝達手段の中を前記透過光が伝達する際、光伝達手段の中で全反射を繰り返しながら伝達されるが、全反射回数が多いほど光伝達手段から出た光の分布を均一化でき、外乱による光伝達手段と位置検出センサの位置ずれの影響を受けにくくなるため、損失を考慮する必要はあるが、光伝達手段は長いほどよい。
【0020】
本発明の示差屈折率計における光センサとしては、例えば、複数の独立したフォトダイオードを並べた光センサや、一つのパッケージに複数のフォトダイオードを封止した光センサや、一つのパッケージに複数のフォトダイオードを封止しCCD(またはCMOS)プロセスによる読み出し回路を設けたCCD(またはCMOS)センサを用いることができる。前記光センサにて検出した透過光は、光源部の光量に変動がなければ、各素子に生じる光電流を電流電圧変換回路等を用いて電圧信号に変換した後、差回路を使うことによって、出力として示差屈折率信号を得ることができる。一方、周辺温度変化や経時により光源部の強度が変動する場合には、差回路と和回路を使って2素子の差信号と和信号を求め、さらに割算回路を使って差信号を和信号で割ることによって、出力として示差屈折率信号を得ることもできる。示差屈折率信号を得る際は、ノイズ信号を抑制するために適宜ローパスフィルタ回路を用いることができる。電流電圧変換回路はノイズやドリフトを減らすため、オフセット電流やバイアス電流が小さい高精度オペアンプを使うと好ましい。
【0021】
また、アナログ演算回路を用いる代わりに、各素子から得られた電圧信号を、逐次比較型AD変換器、積分型AD変換器、ΔΣ型AD変換器などのAD変換器でデジタル値に変換し、デジタル処理回路で差演算、和演算、割算演算を行ない、示差屈折率信号を得ることができる。逐次比較型あるいはΔΣ型などのAD変換器の前には適宜アンチエリアスフィルタ回路を挿入することが好ましい。また、デジタル値に変換した後、ローパス特性や商用周波数カット特性などをもつデジタルフィルタを適宜掛けてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明の示差屈折率計は、光源部と、内部が斜板で仕切られた、参照液と試料液を通過させるための二つの中空部を有するフローセルと、前記フローセルを通過した透過光の偏向を検出するための光センサと、前記透過光を前記光センサに照射するための光伝達手段と、前記光センサの出力信号から屈折率を演算する演算手段と、を備え、かつ前記光伝達手段の光センサ側が複数に分岐されていることを特徴としている。本発明の示差屈折率計は、従来の高温用示差屈折率計では必要な作業であった、光センサと光伝達手段との位置調整を省くことができる。さらに本発明の示差屈折率計は、外乱による光伝達手段と光センサとの位置ずれに起因するノイズを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】従来からある高温用示差屈折率計を示す図である。
【
図2】
図1の高温用示差屈折率計のうち、光センサ、およびフローセルを通過した透過光を前記光センサに照射するための光伝達手段の部分を拡大した図である。
【
図3】本発明の高温用示差屈折率計の一態様を示す図である。
【
図4】
図3の高温用示差屈折率計のうち、光センサ、およびフローセルを通過した透過光を前記光センサに照射するための光伝達手段の部分を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
【0025】
図1は従来からある高温用示差屈折率計を示す図である。従来からある高温用示差屈折率計は、光源部10と、レンズ30と、内部が斜板で仕切られた、参照液と試料液を通過させるための二つの中空部を有するフローセル40と、光源部10から発せられた光をレンズ30(フローセル40)に照射するための光伝達手段21と、ミラー50と、フローセルを通過した透過光の偏向を検出するための光センサ60と、フローセル40を通過した透過光を光センサ60に照射するための光伝達手段26と、光センサ60の出力信号から屈折率を演算する演算手段(不図示)と、を備えている。なお、光源部10と光センサ60は低温部側に、レンズ30とフローセル40とミラー50は高温部70側にそれぞれ設置している。また通常、室温変動に起因するノイズを低減しつつ、高温条件下で試料を分析するために、示差屈折率計の周囲を断熱処理したり、示差屈折率計内の環境温度を一定に保つ温度調整機能を備えたり、示差屈折率計のうち高温部70を高温に保たれた恒温槽内に入れたりすることが一般的に行なわれる。
【0026】
光源部10から発せられた光は、光伝達手段21により高温部70に導入され、レンズ30により平行光(概ね平行光を含み、以下同じ)に変換後、フローセル40に照射される。フローセル40に照射された平行光は、フローセル40内を前記平行光と直交する方向に流れる参照液と試料液の屈折率差によって偏向しフローセル40を通過する。フローセル40を通過した透過光はミラー50で反射され、再びフローセル40、レンズ30を通過した後、光伝達手段26により低温部に設置した光センサ60に照射される。光センサ60は、光の偏向を検出し、検出した信号出力を基に演算手段で屈折率差を演算する。
【0027】
図2は、
図1の高温用示差屈折率計のうち、光センサ60、およびフローセルを通過した透過光を光センサ60に照射するための光伝達手段26の部分を拡大した図である。光伝達手段26は、分割境界cを境に二つの領域a、bに分割されており、フローセルを通過した透過光dが受光面26aに入射されると、領域aに入射した光は出射面26bにおける領域a’から、領域bに入射した光は出射面26bにおける領域b’から、それぞれ光センサ60に照射される。光センサ60も光伝達手段26と同様分割境界gを境に二つの受光領域e、fに分割されている。光伝達手段26と光センサ60とを光学的に結合させるため、光伝達手段26の出射面26bにおける分割境界c’と光センサ60の分割境界gとが一致するよう設置する必要がある。
【0028】
図3は本発明の高温用示差屈折率計の一態様を示す図である。従来からある高温用示差屈折率計との違いは、フローセル40(およびレンズ30)を通過した透過光を光センサに照射するための光伝達手段として光センサ側で二つに分岐した光伝達手段27を用いる点、および分岐した光伝達手段27のそれぞれに光センサ60a・60bを備えている点である。
【0029】
図4は、
図3の高温用示差屈折率計のうち、光センサ60a・60b、およびフローセルを通過した透過光を光センサ60a・60bに照射するための光伝達手段27の部分を拡大した図である。
図3の高温用示差屈折率計では光伝達手段27として、途中で2分岐した光バンドルファイバを用いている。光伝達手段27のうち、受光面27aは分割境界cを境に二つの領域a、bに分割されており、フローセルを通過した透過光dが受光面27aに入射されると、領域aに入射した光は出射面27bにおける領域a’から光センサ60aに、領域bに入射した光は出射面27cにおける領域b’から光センサ60bに、それぞれ照射される。
図3の高温用示差屈折率計で用いる光センサ60a・60bは、光伝達手段27から出た光のすべてを受光できるようなセンサであれば、必ずしも従来の高温用示差屈折率計(
図1)で用いるような1つのパッケージに封止された分割型光センサである必要はなく、単素子型の光センサであってもよい。光センサ60a・60bの受光面が光伝達手段27の径より大きければ問題ないが、光センサ60a・60bの受光面が光伝達手段27の径より小さい場合であってもレンズ等によりセンサ上に集光させればよい。なお
図3の高温用示差屈折率計では光伝達手段27として、途中で2分岐した光バンドルファイバを用いたが、光バンドルファイバの代わりに、イメージガイドやイメージコンジットを用いることもできる。
【0030】
従来の高温用示差屈折率計(
図1)では、光伝達手段26の出射面26bと光センサ60とを光学的に結合させるため、それぞれの分割境界を合わせて設置する必要があった。一方、本発明の高温用示差屈折率計(
図3)では光伝達手段27の出射面27b・27cには分割境界が存在しないため、設置の際、厳密な位置調整を省くことができる。また光伝達手段の出射面と光センサの位置関係が外乱によってずれた際、従来の高温用示差屈折率計(
図1)では分割境界の位置ズレに起因するノイズが発生するが、本発明の高温用示差屈折率計(
図3)では十分に広い受光面を有した光センサを備えれば、当該ノイズを抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の示差屈折率計は、従来の高温用示差屈折率計では必要な作業であった、フローセルを通過した透過光の偏向を検出するための光センサと前記透過光を前記光センサに照射するための光伝達手段との位置調整を省くことができる。さらに本発明の示差屈折率計は、外乱による前記光伝達手段と前記光センサとの位置ずれに起因するノイズを抑えることができる。
【符号の説明】
【0032】
10:光源部
21・26・27:光伝達手段
26a・27a:受光面
26b・27b・27c:出射面
30:レンズ
40:フローセル
50:ミラー
60:光センサ
70:高温部