特許第6180433号(P6180433)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6180433
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】昇降装置および小型製造装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20170807BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20170807BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   H01L21/68 N
   H01L21/30 562
   G03F7/20 521
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-550989(P2014-550989)
(86)(22)【出願日】2013年10月29日
(86)【国際出願番号】JP2013079254
(87)【国際公開番号】WO2014087762
(87)【国際公開日】20140612
【審査請求日】2016年8月30日
(31)【優先権主張番号】特願2012-265079(P2012-265079)
(32)【優先日】2012年12月4日
(33)【優先権主張国】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成24年度、経済産業省委託研究「エネルギー使用合理化技術開発等委託費(革新的製造プロセス技術開発)」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】594192349
【氏名又は名称】リソテック ジャパン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】504466719
【氏名又は名称】株式会社パルサ
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】扇子 義久
(72)【発明者】
【氏名】原 史朗
(72)【発明者】
【氏名】クンプアン ソマワン
(72)【発明者】
【氏名】武内 翔
(72)【発明者】
【氏名】土井 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】荒崎 成雄
(72)【発明者】
【氏名】杉山 幸弘
(72)【発明者】
【氏名】服部 晃一
【審査官】 梶尾 誠哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開平8−186074(JP,A)
【文献】 特表2008−537317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/027
G03F 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理基板を、所定の位置に位置決めされた状態で、昇降自在に支持する昇降装置であって、
所定の位置決め中心を中心とする円周上に配置された3つ以上の昇降自在のピン部材を有し、
前記各ピン部材はそれぞれ、前記処理基板の下面に接触して当該処理基板をほぼ水平に支持する基板支持部と、この基板支持部と一体に形成され、前記処理基板の側面に接触して当該処理基板をその中心が前記位置決め中心に近付くように案内するガイド部とを有し、
前記各ピン部材はそれぞれ少なくとも上部がほぼ板状を呈しており、
該板状の部分の横側端面が前記位置決め中心に対向するように、放射状に配置されており、
該板状の部分は、前記基板支持部が薄板状に形成されているとともに、該基板支持部より厚く形成された部分を有している、
ことを特徴とする昇降装置。
【請求項2】
前記ガイド部は、前記基板支持部より上方へ突出し、前記位置決め中心側を向く形でテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の昇降装置。
【請求項3】
前記処理基板は、直径が20mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の昇降装置。
【請求項4】
請求項1に記載の昇降装置を備えていることを特徴とする小型製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、直径が20mm以下の小口径の半導体ウェハを受け渡す際に適用するのに好適な昇降装置および小型製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体製造技術においては、大口径(例えば、直径8インチ、12インチ等)の半導体ウェハに対して、レジストの塗布、露光、現像、エッチング加工など各種の処理が行われる。そして、ある処理が終わって次の処理に移行する際には、搬送ロボットで半導体ウェハを受け渡す。このとき、搬送ロボットの左右一対のアームが保持している半導体ウェハを昇降装置で下から押し上げる形で受け取る場合がある。
【0003】
このような昇降装置としては、従来、3つ以上(例えば、3つ)の昇降自在の棒状のピン部材が円周上に等角度間隔(例えば、120°間隔)で配置されたものが多用されている(例えば、特許文献1参照)。この昇降装置は、ピン部材の上面が半導体ウェハの下面に接触して半導体ウェハを水平に支持するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−71294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、半導体デバイスの多品種少量生産に対する要望が高まっている。また、研究開発等において半導体デバイスを試作する場合には、半導体デバイスを1個或いは数個単位で製造することが望まれる。
【0006】
さらに、大規模な工場で同一品種の製品を大量に製造する場合、市場の需要変動に合わせて生産量を調整することが非常に困難となる。少量の生産では、工場の運営コストに見合う利益を確保できないからである。
【0007】
加えて、半導体製造工場は、高額の建設投資や運営費用が必要であるため、中小企業が参入し難いという欠点もある。
【0008】
以上のような理由から、小規模な製造工場等で、小口径の半導体ウェハや小型の製造装置を用いて、半導体デバイスの多品種少量生産を安価に行うための技術が望まれる。
【0009】
しかしながら、半導体ウェハが小口径(例えば、直径20mm以下)である場合、従来の半導体製造技術で用いられる大口径の半導体ウェハに比べて小型で軽量である。そのため、上述したような従来の昇降装置をそのまま適用すると、搬送ロボットから半導体ウェハを昇降装置で受け取る際に、昇降装置から半導体ウェハに作用する衝撃力により、半導体ウェハが昇降装置によって弾かれたり、位置ずれを起こしたりして、半導体ウェハの受取ミスにつながる恐れがあるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ピン部材の形状に工夫を凝らすことにより、小口径の半導体ウェハであっても受取ミスを低減することが可能な昇降装置および小型製造装置を提供することを目的とする。
【0011】
かかる目的を達成するために、本発明の昇降装置は、処理基板を、所定の位置に位置決めされた状態で、昇降自在に支持する昇降装置であって、所定の位置決め中心を中心とする円周上に配置された3つ以上の昇降自在のピン部材を有し、前記各ピン部材はそれぞれ、前記処理基板の下面に接触して当該処理基板をほぼ水平に支持する基板支持部と、この基板支持部と一体に形成され、前記処理基板の側面に接触して当該処理基板をその中心が前記位置決め中心に近付くように案内するガイド部とを有し、前記各ピン部材はそれぞれ少なくとも上部がほぼ板状を呈しており、該板状の部分の横側端面が前記位置決め中心に対向するように、放射状に配置されており、該板状の部分は、前記基板支持部が薄板状に形成されているとともに、該基板支持部より厚く形成された部分を有していることを特徴とする。
【0014】
本発明において、前記ガイド部は、前記基板支持部より上方へ突出し、前記位置決め中心側を向く形でテーパ状に形成されていることが望ましい。
【0015】
本発明において、前記処理基板は、直径が20mm以下であることが望ましい。
【0016】
本発明の小型製造装置は、上記本発明の昇降装置を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、搬送ロボットから処理基板を昇降装置で受け取る際に、処理基板が昇降装置によって弾かれる事態を抑制するとともに、複数のピン部材のガイド部で処理基板を昇降装置上の所定の位置に案内して容易に位置決めすることができる。したがって、処理基板が小口径の半導体ウェハであっても、その受取ミスを低減することが可能となる。
【0018】
本発明において、各ピン部材を、前記板状の部分の側面が前記位置決め中心に対向するように放射状に配置することにより、基板支持部を板状に形成した場合でも、処理基板を安定して支持することができる。
【0019】
本発明において、基板支持部を薄板状に形成することにより、処理基板の面内熱分布を均一にすることができるとともに、コンタミネーションの付着を防ぐことができる。また、基板支持部より厚く形成された部分を設けることにより、ベークの熱による変形に伴う処理基板の搬送不良を防止することができる。
【0020】
本発明において、ガイド部をテーパ状にすることにより、半導体ウェハの位置決め動作を円滑に行うことができる。
【0021】
本発明によれば、処理基板の径が20mm以下の場合であっても、受取ミスを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施の形態1に係る小型半導体製造装置の全体構成を示す概念的斜視図である。
図2】本発明の実施の形態1に係るレジスト塗布装置の構成を示す概念的平面図である。
図3A】本発明の実施の形態1に係る昇降装置の、ピン部材が最も上昇した状態を示す縦断面図である。
図3B】本発明の実施の形態1に係る昇降装置の、ピン部材が最も下降した状態を示す縦断面図である。
図4】本発明の実施の形態1に係る昇降装置のピン部材を示す図であって、(a)はその正面図、(b)はその左側面図、(c)はその右側面図、(d)はその拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
[発明の実施の形態1]
図1乃至図4には、本発明の実施の形態1を示す。
【0024】
実施の形態1に係る小型半導体製造装置(本発明の「小型製造装置」に相当する)100は、図1に示すように、処理室としてのレジスト塗布装置110と、装置前室120とを収容する。レジスト塗布装置110と装置前室120とは、分離可能に構成されている。
【0025】
レジスト塗布装置110は、図示しないウェハ搬送口を介して装置前室120から半導体ウェハ(本発明の「処理基板」に相当する)を受け取る。そして、この半導体ウェハに対して、公知のレジスト膜形成処理を行う。レジスト塗布装置110についての詳細な説明は、省略する。この実施の形態1では、半導体ウェハとして、直径が20mm以下(例えば12.5±0.2mm)の小径のものを使用する。
【0026】
一方、装置前室120は、ウェハ搬送容器(図示せず)に収容された半導体ウェハを取り出して、レジスト塗布装置110に搬送するための部屋である。装置前室120の天板120aには、ウェハ搬送容器を載置するための容器載置台121と、載置されたウェハ搬送容器を上方から押圧固定する押さえレバー122と、小型半導体製造装置100の操作を行うための操作釦等を備えた操作パネル124が設けられている。また、装置前室120は、ウェハ搬送容器から下方に取り出した半導体ウェハをレジスト塗布装置110に搬入するための搬送ロボット(図示せず)を備えている。
【0027】
図2に示すように、この実施の形態1では、1台のレジスト塗布装置110(例えば縦30cm、横30cm)の内部に、搬送ユニット210、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理ユニット220、コーターカップ部230、レジストノズル240、EBR(Edge Bead Removal)ノズル250、ベーク処理ユニット260等が収容されている。
【0028】
搬送ユニット210は、半導体ウェハを上述の搬送ロボット(図示せず)から受け取っ、HMDS処理ユニット220、コーター部230、ベーク処理ユニット260に順次搬送する。搬送ユニット210の本体部211は、一対の開閉自在のハンド部212a,212bを備えている。ハンド部212a,212bの先端部分には、円弧状のウェハ載置部213a,213bが、互いに対向するように形成されている。半導体ウェハは、これらウェハ載置部212a,212bに外縁部が当接するように、載置される。搬送ユニット210は、図示しない機構により、本体部211を回転させることができると共に、ハンド部212a,212bを伸縮させることができる。
【0029】
HMDS処理ユニット220は、HMDS処理(すなわち、フォトレジストと半導体ウェハとの密着性を向上させるために、半導体ウェハ表面のOH基をHMDSで置換する処理)を行うための機構である。HMDS処理ユニット220は、ホットプレート221と、昇降装置223とを備えている。
【0030】
昇降装置223は、図2および図3に示すように、HMDS処理ユニット220に搬送された半導体ウェハ300を、昇降自在に支持する。この昇降装置223は、半導体ウェハ300を、ホットプレート221上に、位置決めされた状態で載置する。このために、昇降装置223は、所定の位置決め中心CT1を中心とする円周上に等角度間隔(90°間隔)で配置された、4つの昇降自在のピン部材222(図2では222a〜222d)を有している。
【0031】
各ピン部材222は、それぞれ、図3および図4に示すように、下部226が円柱状を呈しているとともに、上部227がほぼ板状を呈している。各ピン部材222は、半導体ウェハ300の下面301の外周部に接触して半導体ウェハ300をほぼ水平に支持する基板支持部224と、この基板支持部224と一体に形成され、半導体ウェハ300の側面302に接触して半導体ウェハ300をその中心が位置決め中心CT1に近付くように案内するガイド部225とを有している。
【0032】
板状の上部227は、図2および図3に示すように、その側面が位置決め中心CT1に対向するように、放射状に配置されている。
【0033】
ここで、基板支持部224は薄板状(例えば、厚さ0.1〜1mmの板状)に形成されているとともに、ガイド部225は基板支持部224より厚い板状(例えば、厚さ0.5〜2mmの板状)に形成された部分を有している。また、ガイド部225は、図3および図4に示すように、基板支持部224より上方へ突出し、位置決め中心CT1側を向く形でテーパ状に形成されている。なお、下部226の最下端側面には、ピン部材222の回転位置を位置決めするための面取り部228が平面状に形成されている。
【0034】
コーターカップ部230は、半導体ウェハ300に対するレジスト膜の形成や、EBR処理、裏面洗浄処理等を行うための機構である。コーターカップ部230は、半導体ウェハ300を保持して回転させるための回転台231を備えている。
【0035】
レジストノズル240は、レジスト膜形成工程において、回転する半導体ウェハ300に、フォトレジスト液を供給するためのノズルである。フォトレジストを供給する際、レジストノズル240は、回転台231に載置された半導体ウェハ300の中心部上方までノズル口241を回転移動させて、この半導体ウェハ300上に、フォトレジスト液を滴下する。
【0036】
EBRノズル250は、EBR工程(すなわち、半導体ウェハ300の周縁部に形成されたレジスト膜を除去する工程)において、半導体ウェハ300の周縁部にレジスト溶解液を供給するためのノズルである。EBR工程に際して、EBRノズル250は、回転台231に載置された半導体ウェハ300の周縁部上方までノズル口251を回転移動させて、レジスト溶液を滴下する。
【0037】
ベーク処理ユニット260は、フォトレジスト膜を固化するために半導体ウェハ300を加熱する機構である。ベーク処理ユニット260は、ホットプレート261と、昇降装置263とを備えている。この昇降装置263は、上述した昇降装置223と同様の構成を有している。すなわち、昇降装置263は、半導体ウェハ300を、ホットプレート261上の所定位置に載置するために、等角度間隔(90°間隔)で配置された、4つの昇降自在のピン部材262a〜262dを有している(図2参照)。
【0038】
次に、このレジスト塗布装置110において、半導体ウェハ300にレジストを塗布する動作について説明する。
【0039】
まず、第1工程で、搬送ユニット210により、上述の搬送ロボット(図示せず)から半導体ウェハ300を受け取ってレジスト塗布装置110へ搬入し、HMDS処理ユニット220に供給し、昇降装置223により、ホットプレート221上に半導体ウェハ300を載置する。それには、ハンド部212a,212bのウェハ載置部213a,213b上に半導体ウェハ300を載置した状態で、搬送ユニット210の本体部211を、ホットプレート221に対向する位置まで回転させ、さらに、ハンド部212a,212bをホットプレート221上まで前進させる。そして、ピン部材222a〜222dを上昇させて半導体ウェハ300を昇降装置223で下から持ち上げることにより、ハンド部212a,212bから離間させる(図3(a)参照)。続いて、このハンド部212a,212bを開いた後、後退させる。その後、ホットプレート221内に収容される位置まで、載置ピン222a〜222dを下降させることにより、ホットプレート221上に半導体ウェハ300が載置される(図3(b)参照)。
【0040】
上述したとおり、各ピン部材222(図2では222a〜222d)はそれぞれ、半導体ウェハ300の下面301の外周部に接触して半導体ウェハ300をほぼ水平に支持する基板支持部224と、この基板支持部224と一体に形成されて、半導体ウェハ300の側面302に接触して半導体ウェハ300をその中心が位置決め中心CT1に近付くように案内するガイド部225とを有している。このため、半導体ウェハ300が直径20mm以下の小径のものであっても、搬送ロボットから半導体ウェハ300を昇降装置223で受け取る際に、昇降装置223から半導体ウェハ300に作用する衝撃力により、半導体ウェハ300が昇降装置223によって弾かれたり、位置ずれを起こしたりして、半導体ウェハ300の受取ミスにつながる恐れは無い。すなわち、この実施の形態1によれば、半導体ウェハ300が昇降装置223によって弾かれる事態を抑制するとともに、複数のピン部材222のガイド部225で半導体ウェハ300を昇降装置223上の所定の位置に案内して容易に位置決めすることができる。しかも、ガイド部225は、基板支持部224より上方へ突出し、位置決め中心CT1側を向く形でテーパ状に形成されているため、半導体ウェハ300の位置決め動作を円滑に行うことができる。したがって、半導体ウェハ300が小口径のものであっても、その受取ミスを低減することが可能となる。なお、搬送ロボットから半導体ウェハ300を昇降装置223で受け取る際に、半導体ウェハ300が位置ずれを起こさなかった場合、つまり、導体ウェハ300の中心が位置決め中心CT1にほぼ一致した場合には、半導体ウェハ300は、ガイド部225に案内されることなく所定の位置に位置決めされる。
【0041】
次に、第2工程に移行し、HMDS処理ユニット220において、半導体ウェハ300に対してHMDS処理を行う。
【0042】
その後、第3工程に移行し、搬送ユニット210により、半導体ウェハ300をHMDS処理ユニット220からコーターカップ部230へ搬送する。
【0043】
次いで、第4工程に移行し、コーターカップ部230において、半導体ウェハ300に対して、レジスト膜の形成、EBR処理、裏面洗浄処理等を行う。
【0044】
次に、第5工程に移行し、上述した第1工程と同様にして、搬送ユニット210により、半導体ウェハ300を、コーターカップ部230からベーク処理ユニット260へ搬送する。そして、昇降装置263により、ホットプレート261上に、半導体ウェハ300が載置される。
【0045】
このときも、第1工程と同様の理由により、搬送ロボットから半導体ウェハ300を昇降装置263で受け取る際に、半導体ウェハ300が小口径のものであっても、その受取ミスを低減することが可能である。
【0046】
その後、第6工程に移行し、ベーク処理ユニット260において、ホットプレート261上の半導体ウェハ300に対して、フォトレジスト膜を固化するために加熱する。
【0047】
最後に、第7工程に移行し、搬送ユニット210により、上述の搬送ロボット(図示せず)に半導体ウェハ300を受け渡して装置前室120へ搬出する。
【0048】
ここで、半導体ウェハ300にレジストを塗布する動作が終了する。
【0049】
このように、この実施の形態1によれば、第1工程および第5工程において、半導体ウェハ300の受取ミスを低減しつつ、レジスト塗布動作を歩留まりよく実行することができる。
【0050】
また、昇降装置223の各ピン部材222(図2では222a〜222d)が、基板支持部224が薄板状に形成されているために、半導体ウェハ300との接触面積が小さいこと、及び、この基板支持部224が半導体ウェハ300の下面301の外周部に接触することにより、半導体ウェハ300の面内熱分布を均一にできるとともに、コンタミネーションの付着を防ぐことができる。一方、ガイド部225は基板支持部224より厚い板状に形成された部分を有しているので、ガイド部225の曲げ剛性が向上し、ベークの熱による変形に伴う半導体ウェハ300の搬送不良を防止することができる。しかも、ピン部材222は、基板支持部224にガイド部225が一体に形成されているので、このガイド部225でピン部材222全体の曲げ剛性を確保することができる。したがって、基板支持部224を薄くして半導体ウェハ300との接触面積を小さくすることが可能となる。このことは、昇降装置263のピン部材262a〜262dについても、同様である。
【0051】
さらに、各ピン部材222を、基板支持部224の側面が位置決め中心CT1に対向するように、放射状に配置したので、半導体ウェハ300を安定して支持することができる。
[発明のその他の実施の形態]
なお、上述した実施の形態1では、半導体ウェハ300を用いる半導体製造装置を例に採って説明したが、本発明は、他の種類の基板(例えば、サファイア基板等の絶縁性基板や、アルミニウム基板等の導電性基板)や、非円盤形状(例えば、矩形)の処理基板からデバイスを製造する製造装置にも適用することができる。
【0052】
また、上述した実施の形態1では、ガイド部225がテーパ状に形成されている場合について説明した。しかし、半導体ウェハ300の側面302に接触して半導体ウェハ300をその中心が位置決め中心CT1に近付くように案内することができる限り、ガイド部225は必ずしもテーパ状に形成する必要はない。
【0053】
さらに、上述した実施の形態1では、本発明を小口径の半導体ウェハ300に適用した場合について説明したが、8インチや12インチ等の大口径の半導体ウェハ等にも本発明を同様に適用することができる。
【0054】
加えて、上述した実施の形態1では、本発明をレジスト塗布装置110に適用した場合を例に採って説明したが、本発明を、例えば現像装置等の他の製造装置に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0055】
100 小型半導体製造装置(小型製造装置)
110 レジスト塗布装置
120 装置前室
210 搬送ユニット
220 HMDS処理ユニット
221 ホットプレート
222 ピン部材
223 昇降装置
224 基板支持部
225 ガイド部
226 下部
227 上部
230 コーターカップ部
240 レジストノズル
250 EBRノズル
260 ベーク処理ユニット
261 ホットプレート
263 昇降装置
300 半導体ウェハ(処理基板)
301 下面
302 側面
CT1 位置決め中心
図1
図2
図3A
図3B
図4