特許第6180510号(P6180510)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6180510ESCの接着剤の浸食を防止するための方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6180510
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】ESCの接着剤の浸食を防止するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20170807BHJP
   H02N 13/00 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   H01L21/68 R
   H02N13/00 D
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-508932(P2015-508932)
(86)(22)【出願日】2012年9月21日
(65)【公表番号】特表2015-515760(P2015-515760A)
(43)【公表日】2015年5月28日
(86)【国際出願番号】US2012056617
(87)【国際公開番号】WO2013162641
(87)【国際公開日】20131031
【審査請求日】2015年9月10日
(31)【優先権主張番号】61/638,908
(32)【優先日】2012年4月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【弁理士】
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】リン シン
(72)【発明者】
【氏名】サン ジェニファー ワイ
(72)【発明者】
【氏名】バンダ サマンス
【審査官】 梶尾 誠哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−33181(JP,A)
【文献】 特開2006−80389(JP,A)
【文献】 特開2001−308165(JP,A)
【文献】 特開2007−110023(JP,A)
【文献】 特開2008−270721(JP,A)
【文献】 特開2003−249541(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H02N 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバ用の静電チャックであって、
上で基板を支持するように構成された上面と、上面と反対側の下面を有するチャック本体と、
チャック本体の下面に面する上面を有するチャックベースと、
チャック本体の下面とチャックベースの上面を接合する接合材と、
静電チャックの外部の環境に接合材の視線の露出を防止するように配置された保護要素を含み、保護要素は、
チャック本体の下面とチャックベースの上面の間に配置され、接合材を囲む第1保護シールであって、エラストマーを含む第1保護シールと、
各接合材内のリフトピン孔の周囲に、かつチャック本体の下面とチャックベースの上面との間に配置された3以上の第2保護シールとを含む静電チャック。
【請求項2】
第1保護シールは、チャックベースとチャック本体の間に形成された凹部内に配置される請求項1記載の静電チャック。
【請求項3】
凹部は、チャック本体の下面と、チャックベースの上面に形成された段差によって画定される請求項記載の静電チャック。
【請求項4】
凹部は、チャック本体の上面と、チャックベースの下面に形成された段差によって画定される請求項記載の静電チャック。
【請求項5】
凹部は、チャック本体の下面に形成された第1段差と、チャックベースの上面に形成された第2段差によって画定される請求項記載の静電チャック。
【発明の詳細な説明】
【背景】
【0001】
(発明の分野)
本発明の実施形態は、接合材によって接合され、熱的及び/又は化学的安定性を高めた複合構造体に関する。特に、本発明の実施形態は、接合材によって接合された2以上のコンポーネントを有する静電チャックに関する。
【0002】
(関連技術の説明)
半導体処理チャンバは、所望の特性を達成するために、多くの場合、2以上のコンポーネントを接合材で共に接合することによって形成されたパーツを含む。例えば、処理中に基板を支持し固定するために使用される静電チャックは、通常、熱伝導性の接合材により金属ベースに結合した誘電体パックを含む。接合材は、熱伝導性及び/又は電気絶縁性を提供しながら、異なるコンポーネント間の確実な接続を提供する。しかしながら、接合材は、特に、処理が高温で行われる場合に、又は過酷な化学的環境で行われる場合に、処理に悪影響を与える可能性がある。例えば、プラズマに曝露された場合、静電チャック内の接合材は浸食し、処理チャンバ内で粒子汚染を引き起こす粒子を生成する可能性がある。
【0003】
本発明の実施形態は、接合材の浸食及び粒子の発生を防止するための装置及び方法を提供する。
【概要】
【0004】
本発明の実施形態は、チャンバコンポーネント(例えば、静電チャック)を接合する際に用いられる接合材を、処理環境内で処理環境から保護するための装置及び方法を提供する。
【0005】
本発明の一実施形態は、処理チャンバ内で使用するための装置を提供する。装置は、第1コンポーネントと、第2コンポーネントと、第1コンポーネントと第2コンポーネントを接合する接合材を含む。装置は、処理チャンバ内で接合材が浸食するのを防止するための保護要素を更に含む。
【0006】
本発明の別の一実施形態は、処理チャンバ用の静電チャックを提供する。静電チャックは、上で基板を支持するように構成された上面と、上面と反対側の下面を有するチャック本体と、チャック本体の下面に面する上面を有するチャックベースと、チャック本体の下面とチャックベースの上面を接合する接合材を含む。静電チャックは、接合材が処理チャンバ内の環境に起因して浸食するのを防止するための保護要素を更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の上述した構成を詳細に理解することができるように、上記に簡単に要約した本発明のより具体的な説明を、実施形態を参照して行う。実施形態のいくつかは添付図面に示されている。しかしながら、添付図面は本発明の典型的な実施形態を示しているに過ぎず、したがってこの範囲を制限していると解釈されるべきではなく、本発明は他の等しく有効な実施形態を含み得ることに留意すべきである。
図1A】本発明の一実施形態に係る保護シールを有する静電チャックの断面側面図である。
図1B図1Aの静電チャックの拡大部分断面図である。
図1C】本発明の別の一実施形態に係る静電チャックの拡大部分断面図である。
図1D】本発明の別の一実施形態に係る静電チャックの拡大部分断面図である。
図1E】チャック本体を取り除いた図1Aの静電チャックの上面図である。
図2A】本発明の一実施形態に係る保護構造を有する静電チャックの断面側面図である。
図2B】本発明の別の一実施形態に係る保護構造を有する静電チャックの拡大部分断面図である。
図2C】本発明の別の一実施形態に係る保護構造を有する静電チャックの拡大部分断面図である。
図3】本発明の実施形態に係る静電チャックを有するプラズマ処理チャンバの断面側面図である。
【0008】
理解を促進するために、図面に共通する同一の要素を示す際には可能な限り同一の参照番号を使用している。また、一実施形態の要素及び構成を更なる説明なしに他の実施形態に有益に組み込んでもよいと理解される。
【詳細な説明】
【0009】
本発明の実施形態は、チャンバコンポーネント(例えば、静電チャック)を接合する際に用いられる接合材を、処理環境内で処理環境から保護するための装置及び方法を提供する。一実施形態では、保護シールが、処理環境への曝露から接合材の端部を囲むように配置される。別の一実施形態では、保護構造が、チャンバコンポーネント内で接合材の周囲に形成され、これによって処理環境への接合材の直接的な曝露を防止する。本発明の別の一実施形態によれば、シリコンフィラーとポリマー接着ベースを含む接合材は、粒子生成を削減したチャンバコンポーネントを接合する際に使用される。本発明の実施形態は、処理チャンバ内で使用される接合材の浸食を減少させ、したがって処理品質を向上させ、保守コストを削減する。
【0010】
図1Aは、本発明の一実施形態に係る静電チャック100の断面側面図である。静電チャック100は、処理中に基板を支持するために基板処理チャンバ内に移動可能に又は固定して配置することができる。静電チャック100は、接合材130によってチャックベース120に固定されたチャック本体110を含む。保護シール140が、接合材130の周囲に配置され、これによって処理環境から接合材130を保護する。
【0011】
チャック本体110は、基板102を上で支持するための実質的に平坦な上面112を有する。チャック本体110はまた、接合材130を受け入れ、チャックベース120に結合するための実質的に平坦な下面114を有する。チャック本体110は、誘電体材料から形成することができる。一実施形態では、チャック本体110は、セラミックス(例えば、酸化アルミニウム)から形成することができる。電極118は、チャック本体110内に埋め込むことができる。電極118は、薄い金属板又は金属メッシュとすることができる。電極118は、基板102の実質的に全領域を包含するのに十分な大きさであることができる。電極118は、電源(例えば、直流電圧源)に結合し、これによって基板120を上面112上に引き付け固定するための静電チャッキング力を生成することができる。オプションとして、電極118はまた、処理チャンバ内で容量結合プラズマを生成するためのRF電源に結合することができる。
【0012】
チャック本体110は、リフトピン104を通過可能にする3以上の貫通孔116を有することができる。チャック本体110は、処理される基板102の形状に応じて成形することができる。例えば、チャック本体110は、円形の基板(例えば、半導体基板)を支持するための円形ディスクであることができる。チャック本体110はまた、矩形基板(例えば、液晶ディスプレイデバイスを形成するためのガラス基板)を支持するための矩形の板であることができる。
【0013】
チャックベース120は、接合材130及びチャック本体110を受けるための上面122を有する。上面122は、実質的に平面であってもよい。チャックベース120は、熱伝導性材料(例えば、金属)から形成し、これによってチャック本体110の温度制御を提供することができる。一実施形態では、チャックベース120は、アルミニウムから形成される。チャックベース120は、内部に形成された冷却チャネル123を有することができる。冷却チャネル123は、冷却流体源(図示せず)に接続され、冷却流体をその中で循環させることができる。チャックベース120はまた、チャック本体110に加熱を提供するための内部に形成された1以上の加熱素子124を有することができる。チャックベース120は、貫通して形成され、リフトピン104を受け入れるためのチャック本体110内の貫通孔116と整列したリフトピン開口部126を有することができる。一実施形態では、ケーシング要素132、134、138は、リフトピン104を案内するためのリフトピン開口部126内に配置することができる。ケーシング要素132、134、138は、誘電体材料(例えば、VESPEL(商標名)ポリマー又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK))から形成し、これによってリフトピン104とチャックベース120との間に電気絶縁を提供することができる。
【0014】
接合材130は、チャック本体110の下面114と、チャックベース120の上面122の間に配置され、これによってチャック本体110とチャックベース120を共に接合する。接合材130は、チャック本体110及びチャックベース120と同様に成形されたシート状であることができる。一実施形態では、接合材130のシートは、リフトピン104用の貫通孔116に対応する3以上のリフトピン孔136を含むことができる。あるいはまた、接合材130は、液体ベースであってもよい。
【0015】
接合材130は、異種材料(例えば、セラミックスチャック本体110と金属チャックベース120)間で確実な接合を提供するように構成される。接合材130はまた、接合されたコンポーネント間に熱伝導を提供する。一実施形態では、接合材130は、熱伝導性を提供するために、フィラー材料を有するポリマー系接着剤であることができる。接合材130は、耐食性フィラーを有するポリマー系接着剤であってもよい。一実施形態では、フィラー材料は、シリコンを含み、ポリマー系材料は、シリコーンを含む。シリコーンベース内のフィラー材料の濃度は、1W/mKの熱伝導率を達成するように制御される。
【0016】
従来の接合材中のフィラーは、エッチング化学物質(例えば、NF又はNFとOを含む処理環境)中で浸食され、白色粒子を生成し、汚染を引き起こす可能性がある。従来のフィラーを有する接合材と比較して、シリコーンベースとシリコンフィラーを有する接合材130は、NF又はNFとOを含む処理化学物質内で粒子汚染を引き起こさず、こうして大幅に粒子汚染を低減する。例えば、NF化学物質中では、ベースポリマーのシリコーンは攻撃され、従来のフィラー(例えば、アルミナ(Al)フィラー)を残して、シリコーンは揮発し、後で粒子の問題を引き起こす。シリコンのフィラーが使用される場合、シリコンフィラーとシリコーンベースの両方が、NFの攻撃を受けて揮発し、粒子を発生させることはない。シリコンフィラーを含む接合材130は、単独で、又は保護シール140と組み合わせて使用することができる。
【0017】
一実施形態では、保護シール140は、接合材130を囲み、これによって接合材130と処理環境の間の相互作用を防止する。一実施形態では、凹部144が、チャック本体110とチャックベース120の間に形成され、これによって保護シール140を適切な位置に保持することができる。オプションで、保護シール142は、接合材130内の各リフトピン孔136の周囲に配置され、これによって接合材130がリフトピン孔136内の環境に曝露されるのを防止することができる。
【0018】
保護シール140、142は、処理環境に曝露された場合に、チャック本体110とチャックベース120との間のシールを維持する材料から形成することができる。保護シール140、142は、エラストマー(例えば、パーフルオロエラストマー)から形成することができる。NF又はNFとOを含むエッチング化学物質内での動作に対して、保護シール140、142は、KALREZ(商標名)8575パーフルオロエラストマー、DUPRA(商標名)192パーフルオロエラストマー、KALREZ(商標名)8085パーフルオロエラストマー、CHEMRAZ(商標名)XPEエラストマーのうちの1つによって形成することができるが、これらに限定されない。他の材料(例えば、L7505、SC513(Chemraz513)、L8015r1、G758(Perlast)、L8010)もまた、保護シール用に適している。保護シール140、142は、O−リング、ガスケット、カップシールの形態であっても、又は別の適切な形状を有していてもよい。オプションとして、保護シール140、142は、バネで留められてもよい。
【0019】
図1Bに示されるように、静電チャック100内の凹部144は、チャックベース120及びチャック本体110の下面114の中に形成された段差によって画定されることができる。チャックベース120だけが、凹部144を形成するために機械加工されるので、この構成は実施が簡単である。図1Eは、チャック本体110を除去して、保護シール140、142を可視化した静電チャック100のチャックベース120の上面図である。
【0020】
あるいはまた、保護シール140用の凹部は、チャック本体110とチャックベース120の両方に、又はチャック本体110のみに形成することができる。
【0021】
図1Cは、本発明の別の一実施形態に係る静電チャック100Cの拡大部分断面図である。静電チャック100Cは、保護シール140が、チャック本体110の下面114に形成された段差115Cと、チャックベース120の上面122に形成された段差128Cとによって画定される凹部144C内に固定されている以外は、図1Aの静電チャック100と同様である。この構成は、接合材130が保護シール140の中央部分によって覆われることを確実にする。
【0022】
図1Dは、本発明の別の一実施形態に係る静電チャック100Dの拡大部分断面図である。静電チャック100Dは、保護シール140が、チャック本体110の下面114に形成された段差115Dとチャックベース120の上面122によって画定される凹部144D内に固定されている以外は、図1Aの静電チャック100と同様である。チャック本体110だけが凹部144dを形成するために機械加工される。
【0023】
接合材の浸食を防止するために保護シールを使用することに加えて、又は代替して、本発明の実施形態はまた、接合材を保護するためのチャック本体及び/又はチャックベース内の遮蔽機能を有する静電チャックを提供する。
【0024】
図2Aは、本発明の一実施形態に係る、接合材保護構造、すなわち遮蔽機能を有する静電チャック200の断面側面図である。静電チャック200は、処理中に基板を支持するために基板処理チャンバ内に移動可能に又は固定して配置することができる。静電チャック100と同様に、静電チャック200は、接合材130と同じ接合材230によってチャックベース220に固定されたチャック本体210を含む。保護構造216が、チャック本体210及び/又はチャックベース220内に形成され、これによって処理環境から接合材230を遮蔽することができる。
【0025】
チャック本体210は、基板102を上で支持するための上面212と、接合材230を受けるための実質的に平坦な下面214を有する。チャック本体210は、誘電体材料で形成することができる。電極218は、チャック本体210内に埋め込まれてもよい。
【0026】
チャックベース220は、接合材230及びチャック本体210を受けるための上面222を有する。チャックベース220は、温度制御用に、内部に冷却チャネル223を形成し、内部に加熱素子224を埋め込むことができる。
【0027】
接合材230は、チャック本体210の下面214とチャックベース220の上面222の間に配置され、これによってチャック本体210とチャックベース220を共に接合する。チャック本体210の下面214とチャックベース220の上面222は、チャック本体210及びチャックベース220の外縁よりも小さくすることができ、これによってチャック本体210及び/又はチャックベース220によって形成された保護構造216によって、接合材230を取り囲むことができる。
【0028】
図2Aに示した実施形態によれば、チャックベース220は、上面222から降下する段差228を有する。保護構造216は、チャック本体210の下面214から下方へ延びるリップの形をしている。リップは連続的であってもよい。チャック本体210が、チャックベース220に固定される場合、リップ216形状の保護構造216は、段差228の上方に延び、チャック本体210の下面214とチャックベース220の上面との間の界面を覆い、こうして接合材230を横方向に囲み、接合材230をチャンバ内の環境への視線の露出から遮蔽する。保護シールを使用せずに、静電チャック200の保護構造216は、保護シールを維持し交換する必要性を排除し、したがって運用コストを削減する。一実施形態では、連続リップ217はまた、各々のリフトピン通路219の周りにも形成され、これによって接合材230が処理環境に曝露されることを防止することができる。
【0029】
保護構造216は、チャック本体210からリップの形状となるように図2Aには示されているが、接合材230を遮蔽するために任意の適切な構造を使用することができる。例えば、図2Bは、チャックベース220から上方へ延び、チャック本体210の外縁216Bを囲む保護リップ228Bの形態の保護構造を有する静電チャック200Bの拡大部分断面図である。図2Cに示される静電チャック200Cでは、チャックベース220は、チャック本体210からリップ215Cを受けるように構成された溝229を有する。溝229及びリップ215Cは、静電チャック200Cを囲む処理環境から接合材230を分離するための迷路を形成する。
【0030】
本発明の実施形態によれば、1以上の保護要素(例えば、保護シール、保護構造、又は耐食性フィラー)を単独又は組み合わせて使用することができ、これによって接合材の処理環境内での浸食を防止する。
【0031】
本発明の実施形態に係る静電チャックは、処理中に基板を支持するために、様々な処理チャンバ(例えば、プラズマエッチングチャンバ、化学蒸着チャンバ、プラズマ強化蒸着チャンバ、原子層堆積チャンバ、イオン注入チャンバ)内で使用することができる。
【0032】
図3は、静電チャック100を内部に配置したプラズマ処理チャンバ300の断面側面図である。静電チャック100は、各種の基板(例えば、半導体基板、レチクル)を支持するために使用することができ、各種の基板サイズを収容することができる。あるいはまた、上記のいずれかの静電チャックが、静電チャック100の位置で使用することができる。
【0033】
プラズマ処理チャンバ300は、処理容積341を画定する底部322、側壁326、及び側壁326の上方に配置されるチャンバ蓋343を含む。プラズマ処理チャンバ300は、処理容積341内に配置されたライナ323を更に含み、これによって側壁326が化学物質及び/又は処理副生成物から損傷及び汚染されるのを防止する。スリットバルブドア開口部335は、側壁326及びライナ323を貫通して形成され、これによって基板及び基板搬送機構の通過を可能にする。スリットバルブドア324は、スリットバルブドア開口部335を選択的に開閉する。
【0034】
静電チャック100は、処理容積341内に配置される。リフト327は、基板102の処理中及びロード/アンロード時に、静電チャック100に対してリフトピン(図示せず)を上下動させるように構成される。静電チャック100は、チャッキング力を発生させるためのバイアス電源321に結合され、これによって静電チャック100上に基板102を固定することができる。
【0035】
1以上の処理ガスは、ガス供給源303から入口344を介して処理容積341に供給することができる。真空ポンプ330は、処理容積341と流体連通している。真空ポンプ330は、処理容積341をポンピングし、プレナム336を介して低圧環境を維持するために使用することができる。
【0036】
プラズマ処理チャンバ300は、チャンバ蓋343の外側に配置されたアンテナアセンブリ370を含む。アンテナアセンブリ370は、マッチングネットワーク373を介して、高周波(RF)プラズマ電源374に結合することができる。処理中に、アンテナアセンブリ370は、電源374によって供給されるRF電力によって通電され、これによって処理容積341内に処理ガスのプラズマを点火し、基板102の処理中にプラズマを維持する。
【0037】
プラズマ処理チャンバ300は、様々なプラズマ処理のために使用することができる。一実施形態では、プラズマ処理チャンバ300は、1以上のエッチング剤を用いてドライエッチングを行うために使用することができる。例えば、プラズマ処理チャンバ300は、C(x及びyは異なる許容された組み合わせであることができる)、O、NF、又はそれらの組み合わせを含む前駆体からのプラズマの点火に使用することができる。本発明の実施形態はまた、フォトマスク用途のためにクロムをエッチングする、基板上に配置された酸化物層及び金属層を有するシリコン基板内において、プロファイル(例えば、ディープトレンチ及びスルーシリコンビア(TSV))をエッチングするのに使用することができる。
【0038】
接合材により接合された静電チャックが、上記に記載されてはいるものの、本発明の実施形態は、動作環境から接合材を保護するために接合材によって接合された任意の複合構造で使用することができる。例えば、本発明の実施形態は、接合材によって接合された2以上のコンポーネントを有するガス分配シャワーヘッドに適用することができる。
【0039】
上記は本発明の実施形態を対象としているが、本発明の他の及び更なる実施形態は本発明の基本的範囲を逸脱することなく創作することができ、その範囲は以下の特許請求の範囲に基づいて定められる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図3