特許第6180512号(P6180512)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6180512研磨剤粒子を有する印刷による化学機械研磨パッド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6180512
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】研磨剤粒子を有する印刷による化学機械研磨パッド
(51)【国際特許分類】
   B24B 37/20 20120101AFI20170807BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20170807BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20170807BHJP
【FI】
   B24B37/20
   H01L21/304 622F
   B33Y10/00
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-508994(P2015-508994)
(86)(22)【出願日】2013年4月5日
(65)【公表番号】特表2015-517922(P2015-517922A)
(43)【公表日】2015年6月25日
(86)【国際出願番号】US2013035513
(87)【国際公開番号】WO2013162856
(87)【国際公開日】20131031
【審査請求日】2016年4月5日
(31)【優先権主張番号】61/638,461
(32)【優先日】2012年4月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/591,051
(32)【優先日】2012年8月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】バジャージ, ラジーブ
(72)【発明者】
【氏名】チン, バリー リー
(72)【発明者】
【氏名】リー, テランス ワイ.
【審査官】 亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−531306(JP,A)
【文献】 特開2006−095680(JP,A)
【文献】 特開2002−028849(JP,A)
【文献】 特表2008−546167(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 37/20
H01L 21/304
B24D 11/00
B33Y 10/00
DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨パッドの研磨層を製造する方法であって、
3Dプリンタを用いて複数の層を連続して堆積させることを含み、前記複数の層の各層が、
前記複数の層の下層全体に、粉末材料および研磨剤粒子を含む粉末層を広げることと、
バインダ材料の液滴をノズルから前記粉末層へ噴射して、前記粉末材料と前記バインダ材料とでパッド材料の前駆体を提供することと、
前記パッド材料の前駆体を凝固させ、前記粉末材料と前記バインダ材料からなる接着された材料の、前記研磨剤粒子が内部に保持されたマトリクスを有する凝固させたパッド材料を形成すること
によって堆積される、方法。
【請求項2】
前記複数の層の各層の厚さが、前記研磨層の全体的な厚さの50%未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の層の各層の厚さが、前記研磨層の全体的な厚さの1%未満である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
コンピュータ上で動作する3D描画プログラムを用いて前記パッド材料の前駆体の噴射を制御することによって前記研磨層内に凹部を形成し、前記複数の層の少なくともいくつかにパターンを形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記凹部が、円筒形、角錐台、または角柱の1つまたは複数として成形される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記研磨剤粒子が、金属酸化物粒子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記金属酸化物粒子が、シリカ、アルミナ、酸化セリウム、またはこれらの組合せを含む、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学機械研磨中に使用される研磨パッドに関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路は、典型的には、導電層、半導電層、または絶縁層をシリコンウエハ上に連続して堆積させることによって、基板上に形成される。様々な製造プロセスで、基板上の層の平坦化が必要とされる。たとえば、特定の適用分野では、たとえば金属層を研磨してパターン層のトレンチ内にビア、プラグ、およびラインを形成するために、パターン層の頂面が露出するまで上層が平坦化される。他の適用分野では、たとえば、フォトリソグラフィ向けに誘電体層を平坦化するために、下層の上に所望の厚さが残るように上層が研磨される。
【0003】
化学機械研磨(CMP)は、一般に認められている1つの平坦化方法である。この平坦化方法では、典型的には、キャリアヘッド上に基板を取り付ける必要がある。基板の露出面は、典型的には、回転研磨パッドに接するように配置される。キャリアヘッドは、制御可能な負荷を基板上に提供して、基板を研磨パッドに押し当てる。典型的には、研磨剤粒子を含むスラリなどの研磨液が、研磨パッドの表面に供給される。
【0004】
化学機械研磨プロセスの一目的は、研磨の均一性である。基板上の異なる領域が異なる速度で研磨される場合、基板のいくつかの領域で除去される材料が多すぎたり(「過剰研磨」)、除去される材料が少なすぎたり(「研磨不足」)する可能性がある。
【0005】
従来の研磨パッドには、「標準」パッドおよび固定砥粒パッドが含まれる。標準パッドは、ポリウレタンの研磨層を有し、耐久性のある粗面を含んでおり、圧縮性のバッキング層を含むこともできる。対照的に、固定砥粒パッドは、閉じ込め媒体中に保持された研磨剤粒子を有しており、概して非圧縮性のバッキング層上で支持することができる。
【0006】
研磨パッドは、典型的には、ポリウレタン材料を成型、キャスティング、または焼結することによって作製される。成型の場合、研磨パッドは、たとえば射出成型によって、一度に1つずつ作製することができる。キャスティングの場合、液体の前駆体をキャスティングおよび硬化してケークにし、このケークを後に薄く切って個々のパッド片にする。次いで、これらのパッド片を最終の厚さまで機械加工することができる。研磨表面内に溝を機械加工することができ、または射出成型プロセスの一部として溝を形成することができる。
【0007】
平坦化に加えて、バフ研磨などの仕上げ作業に研磨パッドを使用することもできる。
【発明の概要】
【0008】
研磨の均一性を提供するために、研磨パッドは、基板表面全体にわたって均一の圧力をかけることができるように、研磨されている基板との均一の接触を形成する必要がある。パッドの厚さのばらつきは、基板表面全体にわたって圧力を不均一にする可能性がある。厚さのわずかなばらつきでも、印加圧力のばらつきを招き、したがって除去が不均一になるとともに、基板表面上の微小な引っ掻きなど、欠陥がより大きくなる。この影響は、硬質の研磨パッドの場合により大きくなり、低圧研磨プロセスでもより大きくなる。軟質の研磨パッドは、より大きな厚さのばらつきに対応することができるが、パッド内に溝切りを形成するプロセスでは、軟質の研磨パッドで不均一性が生じる可能性がより高くなる。
【0009】
改善された厚さの均一性を提供することができる研磨パッドを製造する技法は、3D印刷プロセスを使用することである。3D印刷プロセスでは、パッド前駆体、たとえば粉末の薄い層を累進的に堆積させて融解し、完全な3次元の研磨パッドを形成する。
【0010】
一態様では、研磨パッドの研磨層を製造する方法は、3Dプリンタを用いて複数の層を連続して堆積させることを含み、複数の研磨層の各層は、パッド材料の前駆体をノズルから噴射し、パッド材料の前駆体を凝固させて、凝固させたパッド材料を形成することによって堆積される。
【0011】
本発明の実装形態は、以下の特徴の1つまたは複数を含むことができる。複数の層の各層の厚さは、研磨層の全体的な厚さの50%未満とすることができる。複数の層の各層の厚さは、研磨層の全体的な厚さの1%未満とすることができる。コンピュータ上で動作する3D描画プログラムを用いてパッド材料の前駆体の噴射を制御することによって研磨層内に凹部を形成し、複数の層の少なくともいくつかにパターンを形成することができる。凹部は、研磨パッドの全体的な水平表面積の10%〜75%とすることができる。凹部間の平坦部の横方向の寸法は、0.1〜2.5mmとすることができる。凹部の深さは、0.25〜1.5mmとすることができる。凹部の最も幅広い横方向の寸法は、0.1mm〜2mmとすることができる。凹部は、円筒形、角錐台、または角柱の1つまたは複数として成形することができる。凹部は、溝とすることができる。パッド材料の前駆体を凝固させることは、パッド材料の前駆体を硬化させることを含むことができる。パッド材料の前駆体を硬化させることは、紫外(UV)硬化を含むことができる。パッド材料の前駆体は、ウレタンモノマーを含むことができる。凝固させたパッド材料は、ポリウレタンを含むことができる。凝固させたパッド材料内には、研磨剤粒子を供給することができる。研磨剤粒子は、金属酸化物粒子とすることができる。研磨パッドのバッキング層は、3Dプリンタを用いて複数の層を連続して堆積させることによって形成することができる。バッキング層を形成することは、研磨層の複数の層とは異なる量だけバッキング層の複数の層を硬化させることを含むことができる。バッキング層を形成することは、パッド前駆体材料とは異なる材料を噴射することを含むことができる。凝固させた研磨材料の硬度は、約40〜80ショアDとすることができる。パッド材料の前駆体は、溶融させたパッド材料とすることができ、パッド材料の前駆体を凝固させることは、溶融させたパッド材料を冷却することを含むことができる。
【0012】
本発明の潜在的な利点は、以下の1つまたは複数を含むことができる。研磨パッドは、非常に厳密な精度、すなわち厚さの良好な均一性をもって製造することができる。研磨パッド内には、厚さの均一性を歪ませることなく、溝を形成することができる。基板全体にわたる研磨の均一性は、特に0.8psi未満などの低圧で、またはさらには0.5psiもしくは0.3psi未満でも改善することができる。パッド製造プロセスは、異なる研磨パッド構成および溝パターンに適合させることができる。研磨パッドは、より速くかつより安価に製造することができる。
【0013】
1つまたは複数の実装形態の詳細について、添付の図面および以下の説明に示す。他の特徴、目的、および利点は、説明および図面ならびに特許請求の範囲から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】例示的な研磨パッドの概略横断面側面図である。
図1B】別の例示的な研磨パッドの概略横断面側面図である。
図1C】さらに別の例示的な研磨パッドの概略横断面側面図である。
図2】化学機械研磨ステーションの部分横断面の概略側面図である。
図3図1Aの研磨パッドに接触している基板を示す概略横断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
様々な図面の同様の参照記号は、同様の要素を示す。
【0016】
図1A〜1Cを参照すると、研磨パッド18は、研磨層22を含む。図1Aに示すように、研磨パッドは、研磨層22からなる単層のパッドとすることができ、または図1Cに示すように、研磨パッドは、研磨層22と少なくとも1つのバッキング層20とを含むマルチレイヤパッドとすることができる。
【0017】
研磨層22は、研磨プロセスで不活性の材料とすることができる。研磨層22の材料は、プラスチック、たとえばポリウレタンとすることができる。いくつかの実装形態では、研磨層22は、相対的に耐久性があり硬質の材料である。たとえば、研磨層22の硬度は、ショアDの尺度で約40〜80、たとえば50〜65とすることができる。
【0018】
図1Aに示すように、研磨層22は、均質な組成物の層とすることができ、または図1Bに示すように、研磨層22は、プラスチック材料、たとえばポリウレタンの基材29中に研磨剤粒子28を含むことができる。研磨剤粒子28は、基材29の材料より硬質である。研磨剤粒子28は、研磨層の0.05重量%〜75重量%とすることができる。たとえば、研磨剤粒子28は、研磨層22の1重量%未満、たとえば0.1重量%未満とすることができる。別法として、研磨剤粒子28は、研磨層22の10重量%より大きく、たとえば50重量%より大きくすることができる。研磨剤粒子の材料は、セリア、アルミナ、シリカ、またはこれらの組合せなどの金属酸化物とすることができる。
【0019】
いくつかの実装形態では、研磨層は、孔、たとえば小さいボイドを含む。これらの孔は、幅50〜100ミクロンとすることができる。
【0020】
研磨層18の厚さD1は、80ミル以下、たとえば50ミル以下、たとえば25ミル以下とすることができる。調整プロセスはカバー層を摩耗させる傾向があるため、研磨層22の厚さは、研磨パッド18で有用な寿命時間、たとえば3000回の研磨および調整サイクルが実現するように選択することができる。
【0021】
顕微鏡規模では、研磨層22の研磨表面24は、たとえば実効値で2〜4ミクロンの粗い表面テクスチャを有する可能性がある。たとえば、研磨層22を研削または調整プロセスにかけると、粗い表面テクスチャが生成される可能性がある。さらに、3D印刷により、たとえば200ミクロンまでの小さい均一の特徴を提供することができる。
【0022】
研磨表面24は顕微鏡規模では粗い可能性があるが、研磨層22は、研磨パッド自体の肉眼規模では良好な厚さの均一性を有することができる(この均一性とは、研磨層の底面に対する研磨表面24の高さの全体的な変動を指し、研磨層内に意図的に形成された肉眼で見えるいかなる溝または穿孔も考慮しない)。たとえば、厚さの不均一性は、1ミル未満とすることができる。
【0023】
任意選択で、研磨表面24の少なくとも一部分は、スラリを運ぶために形成された複数の溝26を含むことができる。溝26は、同心円、直線、クロスハッチ、螺旋など、ほぼ任意のパターンとすることができる。溝が存在すると仮定すると、研磨表面24、すなわち溝26間の平坦部は、研磨パッド22の全体的な水平表面積の25〜90%とすることができる。したがって、溝26は、研磨パッド18の全体的な水平表面積の10%〜75%を占めることができる。溝26間の平坦部の横方向の幅は、約0.1〜2.5mmとすることができる。
【0024】
いくつかの実装形態では、たとえばバッキング層20が存在する場合、溝26は、研磨層22全体を通って延びることができる。いくつかの実装形態では、溝26は、研磨層22の厚さの約20〜80%、たとえば40%を通って延びることができる。溝26の深さは、0.25〜1mmとすることができる。たとえば、厚さ50ミルの研磨層22を有する研磨パッド18内では、溝26の深さD2を約20ミルとすることができる。
【0025】
バッキング層20は、研磨層22より軟質で圧縮性のある層とすることができる。バッキング層20の硬度は、ショアAの尺度で80以下、たとえば約60ショアAとすることができる。バッキング層20は、研磨層22より厚くもしくは薄くすることができ、または研磨層22と同じ厚さとすることができる。
【0026】
たとえば、バッキング層は、ボイドを含むポリウレタンまたは多結晶シリコンなど、連続気泡または独立気泡フォームとすることができ、その結果、圧力を受けると気泡は崩壊し、バッキング層が圧縮される。バッキング層に適した材料には、コネチカット州ロジャーズのRogers Corporationが販売するPORON4701−30またはRohm&Haasが販売するSUBA−IVがある。バッキング層の硬度は、層の材料および多孔率の選択によって調整することができる。別法として、同じ前駆体から形成されたバッキング層20は、研磨層と同じ多孔率を有するが、硬化の程度が異なり、したがって異なる硬度を有する。
【0027】
図2を次に参照すると、1つまたは複数の基板14は、CMP装置の研磨ステーション10で研磨することができる。適した研磨装置の説明は、開示全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,738,574号に見ることができる。
【0028】
研磨ステーション10は、回転可能なプラテン16を含むことができ、回転可能なプラテン16上に研磨パッド18が配置される。研磨ステップ中、スラリ供給ポートまたは複合型のスラリ/リンスアーム32によって、研磨パッド18の表面に研磨液30、たとえば研磨剤スラリを供給することができる。研磨液30は、研磨剤粒子、ペーハー調整剤、または化学的に活性の構成要素を含有することができる。
【0029】
基板14は、研磨パッド18に接するようにキャリアヘッド34によって保持される。キャリアヘッド34は、カルーセルなどの支持構造から懸架され、キャリア駆動シャフト36によってキャリアヘッド回転モータに接続されており、その結果、キャリアヘッドは、軸38の周りを回転することができる。研磨液30の存在下で研磨パッド18と基板14が相対的に動く結果、基板14が研磨される。
【0030】
図3を参照すると、少なくとも研磨パッド18の研磨層22は、3D印刷プロセスを使用して製造される。製造プロセスでは、薄い材料層を累進的に堆積させて融解する。たとえば、パッド前駆体材料の液滴52は、液滴噴射プリンタ55のノズル54を噴射して、層50を形成することができる。液滴噴射プリンタは、インクジェットプリンタに類似しているが、インクではなくパッド前駆体材料を使用する。ノズル54は、支持体51を横切って平行移動する(矢印Aで示す)。
【0031】
第1の層50aを堆積させるために、ノズル54は支持体51上へ噴射することができる。次いで層50bを堆積させるために、ノズル54は、すでに凝固させた材料56上へ噴射することができる。各層50が凝固した後、その事前に堆積させた層の上に新しい層を堆積させて、完全な3次元の研磨層22を製造する。各層は、コンピュータ60上で動作する3D描画コンピュータプログラム内に記憶されているパターンで、ノズル54によって塗布される。各層50は、研磨層22の全体的な厚さの50%未満、たとえば10%未満、たとえば5%未満、たとえば1%未満である。
【0032】
支持体51は、剛性のベースとすることができ、または可撓性の膜、たとえばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)層とすることができる。支持体51が膜である場合、支持体51は、研磨パッド18の一部分を形成することができる。たとえば、支持体51は、バッキング層20、またはバッキング層20と研磨層22との間の層とすることができる。別法として、研磨層22は、支持体51から除去することができる。
【0033】
凝固は、重合によって実現することができる。たとえば、パッド前駆体材料層50は、モノマーとすることができ、このモノマーは、紫外(UV)硬化によってインサイチュで重合することができる。パッド前駆体材料は、堆積後実質上すぐに硬化させることができ、またはパッド前駆体材料層50全体を堆積させ、次いで層50全体を同時に硬化させることができる。
【0034】
しかし、3D印刷を実現するための代替の技術も存在する。たとえば、液滴52は、冷却時に凝固するポリマーメルトとすることができる。別法として、プリンタは、粉末層を広げてバインダ材料の液滴を粉末層上へ噴射することによって、研磨層22を作製する。この場合、粉末は、添加物、たとえば研磨剤粒子22を含むことができる。
【0035】
3D印刷手法により、高価な時間のかかる型を作製する必要がなくなる。また3D印刷手法により、成型、キャスティング、および機械加工などのいくつかの従来のパッド製造ステップの必要がなくなる。追加として、層ごとの印刷手法により、厳密な精度を実現することができる。また、1つの印刷システム(プリンタ55およびコンピュータ60を有する)を使用して、3D描画コンピュータプログラム内に記憶されているパターンを変えることによって簡単に、様々な異なる研磨パッドを製造することができる。
【0036】
いくつかの実装形態では、バッキング層20はまた、3D印刷プロセスによって製造することができる。たとえば、バッキング層20と研磨層22は、連続的な1つの作業でプリンタ55によって製造することができる。バッキング層20には、異なる硬化量、たとえば異なるUV放射強度を使用することによって、研磨層22とは異なる硬度を提供することができる。
【0037】
他の実装形態では、バッキング層20は、従来のプロセスによって製造され、次いで研磨層22に固定される。たとえば、研磨層22は薄い接着剤層28、たとえば感圧接着剤によってバッキング層20に固定することができる。
【0038】
複数の実装形態について説明した。それにもかかわらず、様々な修正を加えることができることが理解されよう。たとえば、研磨パッド、もしくはキャリアヘッド、またはその両方は、研磨表面と基板との間で相対的な運動を提供するように動くことができる。研磨パッドは、円形または何らかの他の形状とすることができる。研磨パッドの底面に接着剤層を塗布してパッドをプラテンに固定することができ、接着剤層は、研磨パッドがプラテン上に配置されるまで、取り外し可能なライナによって覆うことができる。さらに、垂直方向の位置決めに関する用語を使用したが、研磨表面および基板は、垂直配向または何らかの他の配向で裏返しに保持してもよいことを理解されたい。
【0039】
したがって、他の実装形態も、添付の特許請求の範囲内である。
図1A
図1B
図1C
図2
図3