特許第6181104号(P6181104)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6181104プロテーゼデバイスのために骨を前処理するための方法ならびに装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6181104
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】プロテーゼデバイスのために骨を前処理するための方法ならびに装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/46 20060101AFI20170807BHJP
   A61F 2/36 20060101ALI20170807BHJP
   A61B 17/56 20060101ALI20170807BHJP
   A61B 17/16 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   A61F2/46
   A61F2/36
   A61B17/56
   A61B17/16
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-98279(P2015-98279)
(22)【出願日】2015年5月13日
(62)【分割の表示】特願2010-528106(P2010-528106)の分割
【原出願日】2008年10月1日
(65)【公開番号】特開2015-142834(P2015-142834A)
(43)【公開日】2015年8月6日
【審査請求日】2015年5月13日
(31)【優先権主張番号】60/976,717
(32)【優先日】2007年10月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】60/976,697
(32)【優先日】2007年10月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032219
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アリーシャ・バーギン
(72)【発明者】
【氏名】ジェリー・ジョーンズ
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・ランバート
【審査官】 宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/106752(WO,A2)
【文献】 特開2002−238912(JP,A)
【文献】 特開2000−210314(JP,A)
【文献】 米国特許第05201882(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/32
A61F 2/36
A61F 2/46
A61B 17/16
A61B 17/32
A61B 17/56 − A61B 17/60
A61B 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロテーゼのために、長軸線を有する長尺な骨を前処理するためのシステムであって、
a.骨の遠位部分から骨を除去するよう構成された遠位器具であって、前記長尺な骨の前記長軸線に沿って骨を除去するよう構成された骨除去部分と、前記長尺な骨の前記長軸線に沿って前記骨除去部分から延在するシャフトと、を有する遠位器具と、
b.前記長尺な骨内で前記遠位器具の前記シャフトの上に重なるよう構成された近位器具と、
を具備してなり、
前記遠位器具の前記シャフトは、前記遠位器具が前記長尺な骨の前記遠位部分を前処理してしまった後、前記長尺な骨の近位部分を前処理するために、前記近位器具をガイドするようになっており、
前記システムは、摩擦からの前記遠位器具および前記近位器具の保護のために、前記近位器具の孔内へとスライド可能なインサートをさらに具備することを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記遠位器具はリーマであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記近位器具はリーマであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記遠位器具および前記近位器具の少なくとも一方に対して連結されるよう構成されたトライアルネック体を、さらに具備してなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記トライアルネック体を前記遠位器具から離間させるよう構成されたトライアルスペーサを、さらに具備してなることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記トライアルスペーサおよび前記トライアルネック体は、半径方向ポジションを調整可能に適合させるよう構成された係合機構を具備してなることを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記係合機構は漸進的に調整可能であることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して臀部手術に関し、さらに詳しくは、大腿骨を前処理すると共に、インプラントのために大腿骨を治験するための手術方法およびツールに関する。
【0002】
本願は、2007年10月1日付け提出の米国仮出願第60/976,717号ならびに2007年10月1日付け提出の米国仮出願第60/976,697号の利益を主張する。各出願の内容はこの引用によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
ほとんどのモジュラー式システムは、インプラントを複製するために、遠位ステムトライアル、近位スリーブトライアル、近位本体セグメントトライアルおよびトライアルネックを備えた計測器具を必要とする。インプラントは、患者にとっての最良のフィット状態を実現するトライアル計測に基づいて選択される。遠位ステムトライアルの使用は、システムにおける器具の数を増やし、したがって在庫経費および製造コストを増大させる。器具が増えると、ORにおける混乱を生じ、そしてより大掛かりな浄化/殺菌処理が必要になる。大きく、重い器具セットを取り扱うことによって外科アシスタントが苦しまないように器具を簡素化することも求められている。
【0004】
既存のシステムによれば、外科医は、大腿管から遠位リーマを取り外し、それらを、近位ステムトライアルに対して接続された遠位ステムトライアルによって置き換える必要がある。リーマを取り外し、そして遠位ステムトライアルをその特定の場所に挿入する際には、常に、破損のリスクおよび/または過度に骨を除去してしまうリスクが伴う。なぜなら、遠位ステムトライアルは、さらなるスクラッチ嵌合ステップを付加するからである。骨の質が良くない場合、こうしたリスクは実質的に増大する。各リーマ除去ステップに関する、増大する破損のリスクに加えて、手術のためのOR時間が増大する。大腿管をリーマ処理し、大腿管からリーマを取り外し、そして遠位ステムトライアルを移植するために要する時間はコストを増大させる。
【0005】
本発明は既存の方法に比べてさらに有利である。というのは、遠位リーマは一つではなく二つの目的に役立ち、これによって同一の外科処置を実施するために必要なステップおよび部品の数を減らせるからである。遠位リーマは、まず大腿管を遠位リーマ処理するために使用され、そして続いてそれは管内で適所に残される。遠位リーマは、トライアル整復が遠位リーマが切削を停止した直後に実施できるよう、近位トライアルおよびトライアルネックアセンブリを、それに対して接続することを可能とするよう構成される。本発明に係るモジュラー式ネックセグメントは、依然として大腿管内にあるリーマを用いて素早いトライアル整復が可能となる。リーマ機能から離れてトライアルすることによって、本発明は別個のステムトライアルのセットを排除できる。
【0006】
臀部システムを移植するための標準的な手法は、第1の器具のセットを用いて骨を前処理し、続いて、第1のセットとは異なる第2の器具のセットを用いてトライアル整復を実施するというものである。従来、リーマが大腿管内の通路をきれいにし、続いてトライアルステムがキットから選択され、そして通路内に挿入されていた。トライアル整復はとトライアルステムを用いて行われる。間接が整復された後、トライアルステムは大腿管から取り外され、続いて対応するサイズのインプラントステムによって置き換えられる。この標準的な手法は、概して、実施するのに多くの時間を必要とし、そして本発明よりも効率が低い。なぜなら、同じ処置を実施するために、より多くの器具および方法ステップが必要となるからである。ORにおける時間が長くなることは、患者をより大きなリスクにさらすことを、そして病院経費が増大することを意味する。臀部システムを移植するためのその他の手法は、器具の第1のセットを用いて骨を前処理し、続いて器具の同じ第1のセットを用いてトライアル整復を実施することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様では、プロテーゼのために、長軸線を有する長尺な骨を前処理するためのシステムは、遠位器具および近位器具を具備してなる。遠位器具は、骨の遠位部分から骨を除去するよう構成される。遠位器具は、長尺な骨の長軸線に沿って骨を除去するよう構成された骨除去部分と、長尺な骨の長軸線に沿って骨除去部分から延在するシャフトとを有する。近位器具は、長尺な骨で遠位要素のシャフトの上に重なるよう構成される。遠位シャフトは、遠位器具が長尺な骨の遠位部分を前処理してしまった後、長尺な骨の近位部分を前処理するために、近位器具をガイドする。
【0008】
他の実施形態では、遠位器具はリーマである。
【0009】
さらに他の実施形態では、近位器具はリーマである。
【0010】
さらに他の実施形態は、さらに、遠位器具および近位器具の少なくとも一方に対して取り付けられるよう構成されたトライアルネック体を、さらに具備してなる。
【0011】
代替的に、他の実施形態はさらに、トライアルネック体を遠位器具から離間させるよう構成されたトライアルスペーサを具備してなる。
【0012】
他の実施形態は、トライアルスペーサと、半径方向ポジションを調整可能に適合させるよう構成された係合機構を具備してなるトライアルネック体とを含む。
【0013】
他の実施形態では、係合機構は漸進的に調整可能である。
【0014】
さらに他の実施形態では、係合機構はロック可能である。
【0015】
代替的に、ある実施形態はさらに、モジュラー式トライアルネックセグメントを具備してなる。このモジュラー式トライアルネックセグメントは、トライアルコンポーネントのオフセット、転位(version)あるいは高さのうちの少なくとも一つを調整できるよう構成される。
【0016】
他の実施形態は、長軸線を有する長尺な骨を前処理するための方法を含む。当該方法は、骨の遠位部分から骨を除去し、これによって長尺な骨の前記長軸線に沿ってキャビティを残すことを具備する。本方法はさらに、長尺な骨内に遠位器具を残すことを具備する。他のステップは、骨の近位部分において骨を除去するために遠位器具の一部の上で近位器具を案内することを含む。
【0017】
代替的に、上記案内するステップは、骨の長軸線に沿って整列させられたシャフトの上で近位器具を案内することを備えていてもよい。
【0018】
他の実施形態においては、上記除去するステップは、骨をリーマ処理することを備えていてもよい。
【0019】
さらに他の実施形態では、さらなるステップは、遠位器具および近位器具の少なくとも一方に対してトライアルネック体を取り付けることを含んでいてもよい。
【0020】
他の実施形態はさらに、遠位器具からトライアルネック体を離間させることを備える。
【0021】
代替的に、他の実施形態はさらに、半径方向ポジションを適合させるために、遠位器具に対してトライアルネック体を調整可能に係合させることを備える。
【0022】
他の実施形態では、調整可能に係合させるステップは漸進的に調整可能なものである。
【0023】
さらに他の実施形態では、調整可能に係合させるステップは、遠位器具に対してトライアルネック体をロックすることを備える。
【0024】
他の実施形態は、複数の多重ネックセグメントを交換可能に使用することによって、トライアルコンポーネントのオフセット、転位(version)および高さのうちの少なくとも一つを調整することを含む。
【0025】
以下、本発明のさらなる特徴、態様および利点について、本発明のさまざまな実施形態の構造ならびに機能と共に、図面を参照して詳しく説明する。
【0026】
図面(これは本明細書に組み込まれかつその一部を形成する)は本発明の実施形態を示しており、そして本明細書と共に発明の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一態様に基づくリーミングシステムの分解図および組立図である。
図2】本発明の一態様に基づくトライアリングシステムの分解図および組立図である。
図3】リーミングシステム用のクイックコネクトアセンブリの外観図である。
図4】トライアルネック体の外観図である。
図5】キャップを備えた遠位リーマの外観図である。
図6】インサートおよび近位リーマの分解図および組立図である。
図7】大腿骨を前処理しかつ大腿骨を治験するためのステップを示す図である。
図8】スペーサを含むリーミングシステムの外観図である。
図9】遠位リーマおよびエクステンダーの分解図および組立図である。
図10】遠位リーマおよびスターター近位リーマの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図面(同じ参照数字は同じ要素を示す)を参照すると、図1は本発明の一態様に基づくリーミングシステム10の分解図および組立図である。骨物質を除去するためのシステム10は、遠位切削器具12(たとえばリーマ)および近位切削器具14を具備してなる。遠位リーマ12は、少なくとも一つの切削エッジ16と、シャフト部18と、機械的停止機構20とを含む。近位切削器具14は、少なくとも一つの切削エッジ22と、シャフト部24と、孔26と、孔26内の機械的停止機構とを含む。近位切削器具14の孔26は、遠位切削器具12のシャフト18を受ける。二つの切削器具12および14の機械的ストッパー(シャフト部と一体であるかあるいは別個の部品)は、遠位切削器具12に沿った、それ以上の軸方向移動を制限するべく当接する。
【0029】
ある実施形態では、各シャフト部18および24は、ドリルを受けるよう構成される。ドリルは、まず、骨の遠位部分をリーマ処理するために遠位器具12を回転させ、続いて遠位シャフト部18から分離させられ、そして近位骨部分をリーマ処理するために近位シャフト部24に対して再接続されてもよい。切削溝16および22は、近位器具14の回転が骨の遠位部分をそれ以上切削しないよう、同じ方向に切削するように配置されても、あるいは反対方向に切削するよう配置されてもよい。シャフト18および24はまた、近位器具14を回転させても遠位器具12が回転しないように、互いに分離させられていてもよい。
【0030】
近位器具14の孔26および遠位器具12のシャフト18は軸方向に整列しており、この結果、切削器具12および14は同軸状に整列する。孔26は遠位器具12にトルクを伝達するよう構成されてもよく、あるいはシャフト18を中心として自由に回転するよう構成されてもよい。そうした実施形態では、遠位シャフト18は、遠位切削器具12の上端上に近位切削器具14を誘導する役割を果たす。
【0031】
この実施形態ではシステム10はリーマを含むが、他の実施形態は骨物質に衝撃を与えるインパクターを含んでいてもよい。そうしたシステムは、遠位嵌入(impaction)器具および近位嵌入器具を含むことができる。遠位嵌入器具は、滑らかな円形部、シャフト部および機械的停止機構を含んでいてもよい。近位嵌入器具は、滑らかな円形部、シャフト部、孔、および機械的停止機構含んでいてもよい。近位嵌入器具の孔は遠位嵌入器具のシャフトを受け、かつ、二つの嵌入器具の機械的停止機構は軸方向の移動を制限するために当接する。
【0032】
図2は、本発明の一態様に基づくトライアリングシステム28の分解図および組立図である。好ましい実施形態のトライアリングシステム28は、概して、三つのコンポーネント、すなわち近位トライアルスペーサ30と、トライアルネック体アセンブリ32と、遠位切削器具12とを具備してなる。近位トライアルスペーサ30は、主として、遠位シャフト18のネジ部分34を用いて、遠位リーマシャフト18上でトライアルネック体アセンブリ32を支持するために使用されるが、このスペーサ30は必要とされないこともある。
【0033】
トライアルモジュラー式ネックセグメント(図示せず)は、インターフェース面38を介して、トライアルネック体アセンブリ38とつながる。ネックセグメントはヘッド(たとえば大腿あるいは上腕骨ヘッド)を支持するよう構成され、かつ、予定されたインプラントに関する変動する高さ、オフセット、転位および動きの範囲を評価するために、異なるサイズおよび形状の複数のトライアルモジュラー式ネックセグメントを備えていてもよい。トライアルモジュラー式ネックセグメントはトライアルネック体アセンブリ32と(たとえばインターフェース面38上でモールステーパーを使用して)「固着嵌め」あるいは圧入嵌めを生じるよう構成されてもよく、そしてトライアルモジュラー式ネックセグメント(したがってインターフェース面38)はリバーシブルであっても、そうでなくてもよく、そしてキー止めされても、あるいはそうされなくてもよい。
【0034】
近位トライアルスペーサ30およびトライアルネック体アセンブリ32は、半径方向に延在する、軸方向に配置された凸条および溝の対などの係合機構36を備えていてもよく、これらは、近位トライアルスペーサ30および遠位リーマ12の両方に対して、トライアルネック体アセンブリ32の向きを漸進的に調整することを可能とする。トライアルネック体アセンブリ32はまた、切欠き部を有していてもよく、これは、最終インプラントを適切に配置するために、外科医が、手術用マーカーあるいはボビーを用いて骨に対してシステムのネック向きの印を付けることを可能とする。
【0035】
図3は、リーミングシステム用のクイックコネクトアセンブリ40を示している。このクイックコネクトアセンブリ40は、内側円筒体42と、外側円筒体44と、フランジ46と、ドリルコネクター50とを備える。内側円筒体42は、外側円筒体44内で軸方向にスライド可能であり、かつ、ドリルコネクター50がフランジ46から離れるように押圧されるように付勢されている。付勢手段は、たとえばピン(図示せず)によって、外側円筒体42に対して軸方向に固定されていてもよく、そして外側および内側円筒体42および44を経て突出する。ピンは、スロット内で内側円筒体42を経て突出する。スロットはまたスプリングを収容するが、これは、内側円筒体42のドリルコネクター50をフランジ46から軸方向に離れるよう軸方向に付勢する。
【0036】
内側円筒体42が外側円筒体44内で軸方向にスライドさせられる(すなわちドリルコネクター50がフランジ46に向かって押し下げられる)とき、一対の受け部がクイックコネクトアセンブリ40の底からスライドできる。受け部は、外側円筒体44の内径よりも大きな距離だけ、クイックコネクトアセンブリ40から半径方向外側に突出する。内側円筒体42から突出する受け部によって、クイックコネクトアセンブリ40はリーマ12および14に対してつながるよう配置される。
【0037】
クイックコネクトアセンブリ40は、続いて、(クイックコネクトアセンブリ40に対して取り付けられた)ドリルを素早く、遠位リーマ12および近位リーマ14に接続し、そして分離させるために使用可能である。したがって、ドリルをリーマに対して接続し、分離させ、再接続するのに要する時間は最小限に抑えられる。これによって、特に遠位リーマ12および近位リーマ14のさらなるパスが必要なとき、総手術時間を短縮できる。
【0038】
図4はトライアルネック体32を示している。トライアルネック体アセンブリ32は係合機構36を含んでいてもよい。係合機構36は、半径方向に延在する、軸方向に配置された凸条および溝の対であってもよく、これらは、近位トライアルスペーサ30および遠位リーマ12の両方に対してトライアルネック体アセンブリ32の向きを漸進的に調整することを可能とする。トライアルネック体アセンブリ32は、治験(trailing)中にトライアルネックの適切な配置を可能とするために回転調整されてもよい。トライアルネック体アセンブリ32はまた、トライアルネック体アセンブリ32が最終決定インプラントポジション上で配置されたポジションに最終インプラントを適切に配置するために、手術用マーカーあるいはボビーを用いて外科医が骨に対してシステムのネック向きの印を付けることを可能とする切欠き部60を備えていてもよい。トライアルネック体アセンブリ32を貫通するネック孔62は、ロックナットによって、遠位リーマ12のネジ34に対してトライアルネック体アセンブリ32を固定することを可能とする。トライアルネック体アセンブリ32と遠位リーマ12との間の接続は、トライアルを適所でロックするために係合面36を圧縮する。この実施形態はロックナットおよび半径方向に延在する、軸方向に配置された凸条を含むが、トライアルネック体アセンブリ32を適所で一時的にロックする、その他のデバイスでも、本実施形態と同様の機能を発揮するであろう。
【0039】
図5はキャップ64を備えた遠位リーマ12を示している。キャップ64は、リーマのネジ部34のプロテクターとして機能する。キャップ64は、ドリルが遠位リーマ12を回転させるとき、ネジ部を損傷から保護する。
【0040】
図6はインサート70および近位リーマ14を示している。インサート70は近位リーマ14の孔26内へとスライド可能である。インサート70は近位リーマ14および遠位リーマ12を摩擦(これはリーマ12および14を結合することがあり、あるはリーマ12および14間のチャタリングを増大させることがある)から保護できる。さらに、チャタリングによって、遠位リーマが遠位骨を貫通して切削し続けてしまうことがある。そうした、付加的動作によってインプラントの遠位固定状態が劣化することがある。
【0041】
図7は、大腿骨を前処理しかつ大腿骨80を治験するためのステップを示している。大腿骨ネック骨切除術および寛骨臼処理(図示せず)がまず実施される。大腿管がリーミングのために前処理される。クイックコネクトデバイスが適切なサイズの遠位リーマに対して取り付けられてもよく、あるいはリーマがドリルに対して直に取り付けられてもよい。リーミングは、テンプレートサイズよりも4〜6mm小さい遠位リーマを用いて開始される。常時、リーミングは、リーマがほとんどあるいは全く抵抗を生じないように実施されるべきであり、これによって骨内の熱を最小限に抑えることができる。適切なリーミング深さを測るために、リーマは、プロテーゼのニュートラルヘッド中心に対応する、リーマ上の、あるいはクイックコネクト器具の上の、深さ目印を使用してもよい。深さ目印は大転子を基準としてもよい。大腿管が、順次、遠位リーマを用いて拡張される。たとえば、リーマは、最終リーマが選択されたインプラントサイズに合致するまで、0.5mm刻みでサイズを変更可能である。最終リーマサイズは、骨の質、解剖学的構造および外科医の選択に基づいて調整される必要がある。
【0042】
遠位リーマ深さもまた変更可能である。遠位リーマ12は最短リーマであってもよい。中間サイズ遠位リーマ96は、より遠位固定を可能とし、一方、長尺なリーマは深遠位リーミングを可能とする。リーマの直径サイズもまた、骨の質、解剖学的構造および外科医の選択に基づいて変更可能である。長さの選択はまた、遠位方向および近位方向のいずれにも、骨の質、解剖学的構造および外科医の選択に依存する。
【0043】
遠位リーミングが完了した後、最終遠位リーマがその場所に残される。最終遠位リーマの上端上のスターターリーマは近位大腿骨をリーマ処理する。スターターリーマは、近位リーミング処理を妨げるであろう転子骨を除去できる。スターターリーマは、遠位リーマに当接しかつ過剰な骨の除去を阻止する機械的軸方向ストッパーを有する。
【0044】
近位リーマ14,100および102は、モジュラー式スリーブインプラントのために大腿骨を前処理する。これらリーマは、コーン(cone)サイズおよび遠位直径に基づいたサイズとされる。まず、ステムの遠位直径に対応する最小コーンサイズを備えたリーマが遠位リーマの上端上でリーマ処理する(たとえば、サイズ13に関しては、まず、13S近位リーマが選択される)。段階的に、より大きな直径およびコーンサイズのリーマが、所望のフィット状態が実現されるまで使用される。遠位リーマの長さはスリーブの長さに対応し、かつ、トライアルの脚部長さ(A)を実現する。
【0045】
近位大腿骨がリーマ処理された後、続いて、トライアルスペーサ108が近位大腿骨凹部110内に配置される。トライアルネック体アセンブリ32は遠位リーマに対して取り付けられる。ネックセグメント120およびヘッド122は臀部および評価脚部長さならびにジョイントテンション/安定性を低減するためにトライアルに対して組み付けられる。トライアルネックセグメント120を変更することによって、異なるトライアルモジュラー式ネックセグメント120を選択することによってネックオフセット(D)およびネック高さ(C)を調整可能である。ネック転位(E)は、組み込まれた特殊な転位アングルを有するトライアルモジュラー式ネックセグメントを用いることで、あるいはトライアルネック体アセンブリネジを緩めかつ最適な転位(B)を伴ってトライアルネック体アセンブリを半径方向に配置することによって調整可能である。所望の転位は、ボビー(bovie)あるいはスキンマーカーを用いて、トライアルネック体アセンブリ上の整列マーカーに対して目印を付けることが可能である。トライアル器具は骨から取り出される。
【0046】
遠位ステムおよび近位スリーブ/本体が組み立てられる。ステムおよびスリーブ/本体インプラントは、前処理された管内へと押し込まれ、そしてスキンマーカーあるいはボビー(bovie)を用いて付された目印を参照して配置される。先のトライアル整復処置において使用したトライアルコンポーネントに基づいてモジュラー式ネックセグメントおよびヘッドが選択される。モジュラー式ネックセグメントは本体に対して押し付けられ、そしてヘッドが組み立てられる。臀部は正確な安定性およびジョイントテンションを保証するために整復される。
【0047】
この処置について原臀部システムに関して説明してきたが、転位臀部システムは、欠陥が生じた原システムを除去した後、同様に続行する。このインプラントシステムは、インプラントのモジュラー選択が異なる骨の欠陥に適合することを可能とするので、転位に関してより有益であろう。特にETO(拡張転子骨切除術)を伴う場合、ケーブル、ストラットおよびオーグメント(金属、活性、および/または生体吸収性)などの利用を含む大腿骨の復元に付随する余分なステップが明らかに存在してもよいことを理解されたい。
【0048】
本発明の代替実施形態は、以下の特徴のいくつかあるいは全てと組み合わされた上記特徴のいくつかを有するリーマを含んでいてもよい。遠位リーマシャフトの上端は、遠位リーマシャフトの上端でリーマ処理するとき近位リーマの軸方向移動を制限するための機械的ストッパー機構として機能する。機械的ストッパー機構は、概して、シェルフ、レッジ、段、リング、フランジ、プレート、端部、雄/雌接続部のいずれか一つを、あるいは、さらなる軸方向移動を阻止し得る、いかなるその他の機構を備えていてもよい。
【0049】
遠位および近位リーマは、本発明に係るクイックコネクトアダプターデバイスを用いてあるいはそれを要さずに、病院の標準的なドリル/リーマデバイスに対して直に接続可能である。遠位および近位リーマは、本発明に係るクイックコネクトアダプターベースを用いてあるいはそれを要さずに、無動力T型ハンドルに対して直に接続可能である。近位リーマの孔の上端は、遠位リーマシャフトの上端でリーマ処理するとき、近位リーマの軸方向移動を制限するための機械的ストッパー機構として機能し得る。遠位リーマの遠位端部は、遠位リーマシャフトの上端でリーマ処理するとき、近位リーマの軸方向移動を制限する機械的ストッパー機構として機能し得る。近位リーマは、骨あるいはその他の組織に対する基準に対応する深さ目印あるいはその他の整列目印を有していても、有していなくてもよい。近位トライアルスペーサは、骨あるいはその他の組織に対する基準に対応する深さ目印あるいはその他の整列目印を有していても、あるいは有していなくてもよい。トライアルネック体アセンブリは、骨あるいはその他の組織に対する基準に対応する深さ目印あるいはその他の整列目印を有していても、あるいは有していなくてもよい。
【0050】
図8は、スペーサ130を含むリーミングシステムを示している。スペーサ130は、遠位リーマから近位リーマ14を離間させる。一つ以上のスペーサコンポーネント130が近位および遠位リーマ間に嵌まり込む。スペーサコンポーネント130は、サイズ、長さおよびジオメトリーを変更可能であるが、単一長さのスペーサコンポーネントを備えることが好ましい。
【0051】
図9は遠位リーマ12およびエクステンダー140の分解図および組立図である。取り外し可能な遠位リーマエクステンションは、遠位リーマが大腿管内でさらにリーマ処理することを可能とするために、遠位リーマの近位方向上端に(図示のとおり)あるいはその遠位方向下方に(図示せず)嵌め込み可能である。リーマおよびエクステンションは、単一の一体部品として形成されてもよい。
【0052】
図10は、遠位リーマ144およびスターター近位リーマ150を分離状態で示している。さらなる付加的スターターリーマーコンポーネントが、近位リーマステップに先立って、管を開放するために使用されてもよい。この「スターター」リーマは、遠位リーマコンポーネントの上端に嵌め込み可能である。これに代えて、著しい近位骨欠損が存在する場合、近位リーマあるはスターターリーマを用いた近位リーミングは省略可能である。
【0053】
本発明の代替実施形態は、好ましい実施形態の少なくとも三つのコンポーネント(遠位ステム、近位トライアルスペーサおよびトライアルネック体アセンブリ)のうちの二つを互いに一体化することを含む。たとえば、近位トライアルスペーサおよびトライアルネック体アセンブリは、単一の一体部品として形成でき、かつ、いくつかの利用可能なサイズおよび形状を利用可能とされてもよい。これに代えて、トライアルネック体アセンブリおよびトライアルモジュラー式ネックセグメント(図示せず)が単一の一体部品として形成されてもよい。他の実施形態では、上述した遠位リーマエクステンションが遠位リーマと一体化されてもよい。他の実施形態は上述した保護スリーブを含んでいてもよく、そして近位リーマは互いに一体化されてもよい。すなわち、保護スリーブは類似のあるいは異なる素材から形成され、そして近位リーマ内に圧入されてもよく、あるいは保護スリーブジオメトリーは近位リーマに「組み込まれ」、そして単一の一体部品として形成されてもよい。
【0054】
本発明と共に使用されるトライアルモジュラー式ネックセグメントは、一連のトライアルモジュラー式ネックセグメントが、最終インプラントを複製するために、さまざまなネック長さ、高さ、オフセットおよび転位などに対応できるように設計されてもよい。
【0055】
近位トライアルスペーサは、近位リーマによって創出されたリーマ処理された骨に当接可能である。単一の近位トライアルが、いくつかの異なるサイズの近位リーマのリーマ処理された領域にフィットするように選択できるよう、複数のサイズの近位トライアルスペーサが存在してもよい。近位トライアルスペーサ、近位リーミングが必要でない場合には、遠位リーマと一体化されてもよい。
【0056】
近位トライアルスペーサ、トライアルネック体アセンブリおよびトライアルモジュラー式ネックセグメントは、近位インプラントのためのリーミングに先立って取り付けられてもよい。言い換えれば、近位リーミングは、最初のトライアル整復および脚部長さ評価が完了した後に実施されてもよい。
【0057】
さらに他の実施形態では、本発明のシステムは、少なくとも二つの異なるサイズの遠位リーマと、少なくとも二つの異なるサイズの近位リーマと、近位トライアルスペーサとを具備してなる。近位トライアルスペーサは全てにフィットするワンサイズであってもよく、あるいは複数のサイズおよびジオメトリーの近位トライアルスペーサコンポーネントが提供されてもよい。加えて、当該システムはさらに、一つ以上のトライアルネック体アセンブリ、および/または一つ以上のトライアルモジュラー式ネックセグメントを備えていてもよい。トライアルモジュラー式ネックセグメントは、それらが、修正製品ラインおよび/または主要製品ライン間で普遍的にあるいは選択的に使用できるように、あるいは特定の製品ライン内で特定のステムサイズ範囲内で使用できるように、キー止めされてもよい。
【0058】
その上、さらに他の実施形態では、本発明は、脛骨あるいは大腿骨内に孔をあけるために膝関節形成術において使用可能である。たとえば、膝修復において、遠位髄内頸骨リーマが、孔をあけると共に、この孔内にそれ自体を固定するために使用できる。近位髄内リーマは続いて、頸骨の近位部分をきれいにするために、あるいはより大径の孔を必要とするフィンあるいはその他のステム機構のためにさらに近位方向に孔を広げるために、遠位髄内頸骨リーマの上に配置できる。トライアル頸骨トレイ/インサートコンポーネントは、続いて、遠位髄内リーマと上記トライアル頸骨トレイ/インサートコンポーネントとの間で支持近位トライアルスペーサを使用して、あるいはそれを使用することなく、上記遠位髄内リーマに対して取り付け可能である。トライアル整復が実施され、そして、その後、最もよくフィットするインプラントサイズおよびジオメトリーが選択される。遠位髄内リーマ(および適切ならば支持近位トライアルスペーサ)が続いて取り外され、そしてその後、インプラントが取り付けられる。本発明を利用することで、トライアル頚骨トレイを頸骨内に挿入する必要はなくなる。なぜなら、全ての治験は、本来の場所に残された遠位髄内リーマから切り離して実施されるからである。
【0059】
上記説明から、本発明のさまざまな利点が実現されることは明らかであろう。
【0060】
実施形態は、それによって当業者がさまざまな実施形態において、かつ、予測される特別な用途に適合したさまざまな変更を伴って本発明を最も効果的に利用することを可能とするために、本発明の原理およびその実際的な用途を最も効果的に説明するために選択し図説した。
【0061】
本発明の趣旨から逸脱することなく、本明細書において説明し図示した構成および方法に、さまざまな変更を施すことができるので、上記説明に包含されかつ添付図面に示された全ての事項は、限定ではなく、例証であると解釈すべきである。したがって、本発明の広がりおよび範囲は上記代表的実施形態によって限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載およびその等価物に基づいてのみ規定されるべきである。
【符号の説明】
【0062】
10 リーミングシステム
12 遠位切削器具
14 近位切削器具
16 切削エッジ
18 シャフト部
20 機械的停止機構
22 切削エッジ
24 シャフト部
26 孔
28 トライアリングシステム
30 近位トライアルスペーサ
32 トライアルネック体アセンブリ
34 ネジ部分
36 係合機構
38 インターフェース面
40 クイックコネクトアセンブリ
42 内側円筒体
44 外側円筒体
46 フランジ
50 ドリルコネクター
60 切欠き部
62 ネック孔
64 キャップ
70 インサート
80 大腿骨
96 中間サイズ遠位リーマ
100,102 近位リーマ
108 トライアルスペーサ
110 近位大腿骨凹部
120 ネックセグメント
122 ヘッド
130 スペーサ
140 エクステンダー
144 遠位リーマ
150 スターター近位リーマ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10