(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記角度制御機構は前記ハンドル部分に対して動作可能に結合されたピボット制御要素を備え、前記剛体部材の前記近位部分は、前記ピボット制御要素の動作が前記剛体部材を前記シャフトの長さに沿って軸方向に並進移動させるように前記ピボット制御要素に対して結合され、前記ピボット制御要素および前記アクチュエータは、前記最大角度配向が前記シャフトの長さに沿った前記剛体部材のポジションに関係なく略同じであるように前記ピボット制御要素が前記アクチュエータの前記最終ポジションを調整するように機械的に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の器具。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一態様によれば、器具は、ハンドル部分と、このハンドル部分に対して動作可能に結合されたアクチュエータと、ハンドル部分およびアクチュエータに結合された近位端を有するシャフトと、剛体部材と、角度制御機構とを含む。アクチュエータは、開始ポジションと最終ポジションとの間で動作するよう構成される。シャフトは、電極領域を含む遠位端、および近位端と遠位端との間のフレキシブル領域を有する。アクチュエータの動作によって、ピボット領域の遠位に配置されたフレキシブル領域の一部が、シャフトの軸線に対する電極領域の角度配向および半径方向オフセットの両方がアクチュエータが最終ポジションに接近するにつれて増大し、かつ、それぞれ最大角度配向および最大半径方向オフセットに達するように屈曲させられ、アクチュエータが最終ポジションに到達したとき、ピボット領域はシャフトの長さに沿って配置される。剛体部材は近位部分および遠位部分を有し、かつ、当該剛体部材の遠位部分がピボット領域を画定するようにシャフトに対して動作可能に結合される。シャフトの長さに沿った剛体部材の動作によってピボット領域の一部がシャフトの長さに沿って軸方向に並進移動させられる。最大半径方向オフセットはシャフトの長さに沿ったピボット領域のポジションに依存して変化する。角度制御機構は、最大角度配向がシャフトの長さに沿った剛体部材のポジションに関係なく略等しいように、電極領域の角度配向を制御するよう構成される。
【0004】
この態様の実施形態は以下の特徴の一つ以上を含むことができる。例えば、器具は、近位部分および遠位部分を有するプルワイヤをさらに含むことができる。プルワイヤの近位部分はアクチュエータに結合されてもよく、プルワイヤの遠位部分はシャフトに結合されてもよい。アクチュエータの動作によって、ピボット領域の遠位に配置されたシャフトのフレキシブル領域の一部が屈曲するようにプルワイヤが引っ張られてもよい。アクチュエータは、スライド、レバーあるいはダイヤルの少なくとも一つを備えていてもよい。角度制御機構はハンドル部分に対して動作可能に結合されたピボット制御要素を備えていてもよい。剛体部材の近位部分は、ピボット制御要素の動作が剛体部材をシャフトの長さに沿って軸方向に並進移動させるようにピボット制御要素に対して結合されてもよい。ピボット制御要素およびアクチュエータは、最大角度配向がシャフトの長さに沿った剛体部材のポジションに関係なく略同じであるようにピボット制御要素がアクチュエータの最終ポジションを調整するように機械的に連結されていてもよい。ピボット制御要素は、スライド、レバーあるいはダイヤルの少なくとも一つを備えていてもよい。シャフト軸線に対する電極領域の最大角度配向は110度であってもよい。フレキシブル領域は、シャフトの長さに沿って屈曲切り込みを備えていてもよい。剛体部材は、シャフト上をスライドするアウターチューブを備えていてもよい。剛体部材は、シャフト内をスライドするインナーチューブを備えていてもよい。剛体部材の遠位端は、剛体部材の長さに沿って屈曲切り込みを備えていてもよい。上記器具はシャフト回転機構をさらに備えていてもよい。シャフト回転機構の動作によってシャフトはシャフト軸線周りに回転させられてもよい。
【0005】
別の態様によれば、器具は、ハンドル部分と、ハンドル部分に対して結合された近位端を有するシャフトと、第1の部位においてシャフトに対して遠位で結合された第1のプルワイヤおよび第1の部位とは異なる第2の部位においてシャフトに対して遠位で結合された第2のプルワイヤとを含む。シャフトは、電極領域を備えた遠位端と、近位端と遠位端との間のフレキシブル領域とを有する。第1のプルワイヤを引っ張ることによって、ピボット領域の遠位に配置されたシャフトのフレキシブル領域の一部が、第1のフレキシブル領域が第1の半径方向オフセットを有するように屈曲させられる。第2のプルワイヤを引っ張ることによって、ピボット領域の遠位に配置されたシャフトのフレキシブル領域の一部が、電極領域が第1の半径方向オフセットとは異なる第2の半径方向オフセットを有するように屈曲させられる。
【0006】
この態様の器具は以下の特徴の一つ以上を含むことができる。例えば、第1の半径方向オフセットを有する電極領域の最大角度配向は、第2の半径方向オフセットを有する電極領域の最大角度配向と略等しくてもよい。
【0007】
別の態様によれば、器具のシャフトを制御する方法は、シャフトの遠位端が第1の最大角度配向および第1の最大半径方向オフセットへと曲がるようにアクチュエータを動作させることと、ピボット領域のポジションを並進移動させることと、ピボット領域のポジションを並進移動させた後、シャフトの遠位端が第2の最大角度配向および第2の最大半径方向オフセットへと曲がるようにアクチュエータを動作させることとを含む。シャフトはフレキシブル領域を含むと共にアクチュエータに対して近位に結合される。アクチュエータの動作によって、ピボット領域の遠位に配置されたフレキシブル領域の一部が曲げられる。第1および第2の最大角度配向は略等しく、かつ、第1および第2の最大半径方向オフセットは異なる。
【0008】
この態様の器具は以下の特徴の一つ以上を含むことができる。例えば、ピボット領域のポジションを並進移動させることは、シャフトの長さに沿って軸方向に剛体部材を並進移動させることを含んでもよい。ピボット領域のポジションを第1のピボットポジションまで並進移動させることは、第1の最終ポジションを越えてアクチュエータが動作することを制限してもよい。ピボット領域のポジションを第2のピボットポジションまで並進移動させることは、第2の最終ポジションを越えてアクチュエータが動作することを制限してもよい。当該方法は、さらに、シャフトに沿って軸方向に配置された剛体部材を並進移動させることによってピボット領域のポジションを並進移動させるために、かつ、シャフトの遠位端の略等しい最大角度配向に対応するようにアクチュエータの最終ポイントを調整するために、ピボット制御要素を動作させることを含んでもよい。アクチュエータを動作させることによってプルワイヤが引っ張られ、プルワイヤは、このプルワイヤを引っ張ることによってシャフトの遠位端が曲がるように、アクチュエータに対して近位にかつシャフトに対して遠位に結合されてもよい。当該方法は、さらに、シャフトの軸線周りにシャフトを回転させることを含んでもよい。
【0009】
一つ以上の実施形態の詳細について図面を用いて以下で説明する。その他の特徴、態様、および利点は、以下の説明、図面および特許請求の範囲の記載から明らかとなるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0011】
関節鏡検査プローブなどの外科プローブは、手術部位へ、RFエネルギーなどのエネルギーを供給する能動的フレキシブルチップを含むことができる。外科プローブのチップが撓むかまたは曲がるとき、チップは、プローブのシャフトに対して、最大高さおよび最大角度配向に達することができる。ある実施形態では、最大高さは最大角度配向を変化させることなく変更するこができる。
【0012】
図1Aおよび
図1Bを参照すると、プローブ10は、近位端14および遠位端16を有するシャフト12を含む。シャフト12は、その近位端14においてプローブ本体15に結合され、そして本体15は、概ねユーザーの手に合致するような形状とされた静止ハンドル部分18を含む。本体15はまた、矢印Bで示される方向にシャフト12の遠位端16を曲げるために、例えば、矢印Aで示される方向に、ユーザーによって動かすことができるアクチュエータ20を含む。最大限に屈曲した遠位端16によって達成される最大高さあるいは半径方向オフセットは、以下でさらに説明するように変更可能である。さらに、以下でさらに説明するように、プローブ10は、遠位端16の最大半径方向オフセットh
a,h
bに関係なく、シャフト12の遠位端16が、実質的に一定の最大角度配位Θ
a,Θ
bを達成することを可能とする角度制御機構を含む。
【0013】
特に、プローブ10のシャフト12は、シャフト12に対してスライド式に結合しかつ剛体部材と接触状態となる部分においてシャフト12の剛性を高める、剛体スリーブ22のような剛体部材を含む。剛体スリーブ22、および以下にさらに説明するような剛体性部材のその他の実施形態は、シャフト12のピボット領域を平行移動させるために、シャフト12の長さに沿って軸方向に平行移動できる。例えば、
図1Aおよび
図1Bに示すように、剛体スリーブ22の遠位部分24は、アクチュエータ20の動作に応じてシャフト12が曲がり始めるピボット領域25を画定する。それに関して、ユーザーは、シャフト軸線に沿ってシャフト12上で剛体スリーブ22を平行移動させることによって、シャフト12の長さに沿ってピボット領域25のポジションを変更し、したがってアクチュエータ20の動作に応じてシャフト12が曲がるかあるいは撓む程度を変化させることができる。例えば、
図1Aは第1のポジション27aでピボット領域25を示し、そして
図1Bは第2のポジション27bでピボット領域25を示している。シャフト12は、このシャフト12の近位および遠位端14,16間に配置されたフレキシブル領域26を含み、これは、当該領域におけるシャフト12の柔軟性を高める。シャフト12と剛体スリーブ22は、ポリマー、プラスチック、セラミック、金属またはそれらの組み合わせを含む適切な生体適合性材料から形成することができる。
【0014】
シャフト12の遠位端16は、例えば、患者の体内の手術部位にエネルギーを供給することができる電極領域28を含む。供給されるエネルギーは、手術部位の治療および/または診断に役立つRFエネルギー、電気エネルギー、力学的エネルギーなどであってもよい。電極領域28へのそしてそこからの信号は、外部ソース/モニター(図示せず)につながる電気接続部32を介して提供することができる。
【0015】
ユーザーが矢印Aの方向に最終ポジション34a,34bまでアクチュエータ20を動作させるとき、電極領域28はこの動作に応答して相応に動作する。例えば、ユーザーがアクチュエータ20を最終ポジション34aまで移動させ、かつ、剛体スリーブ22がピボット領域24aを画定するとき、電極領域28は最終ポジション28aまで動作する(
図1A)。同様に、ユーザーがアクチュエータ20を最終ポジション34bまで動作させ、かつ、剛体スリーブ22がピボット領域24bを画定するとき、電極領域28は最終ポジション28bまで動作する(
図1A)。したがって、最終ポジション28aへの電極領域28の動作によって、電極領域28は最大角度配向Θ
aおよび最大半径方向オフセットh
aに到達し、一方、最終ポジション28bへの電極領域28の動作によって、電極領域28は最大角度配向Θ
bおよび最大半径方向オフセットh
bに到達する。以下でさらに説明するように、角度制御機構は、達成された最大半径方向オフセットに関係なく、電極領域28の最大角度配向が実質的に一定であることを保証する。電極領域28の最大角度配向は約90度ないし110度であってもよい。ある例では、最大角度配向は110度よりも大きくてもよい。
図2を参照すると、シャフト12のフレキシブル領域26は近位および遠位端14,16間に配置される。ある例では、シャフト12の全長はフレキシブル領域26を含むことができる。上述したように、フレキシブル領域26は、フレキシブル領域26を含むシャフトの一部でシャフトの柔軟性を高めるのを助けることができる。ある例では、フレキシブル領域26を含まないシャフト12の一部は依然としてフレキシブルであってもよい。さらに、
図2から分かるように、フレキシブル領域26は、シャフト12の屈曲を改善するために、シャフトの一つ以上の側に沿って一つ以上の屈曲カット36を含むことができる。屈曲カット36は、より高い柔軟性をシャフト12に付与する、連続スパイラルカット、インターロッキングカット、パズルカット、あるいはその他の適切なカット形態であってもよい。代替的にあるいは付加的に、フレキシブル領域26は、柔軟性を高めるのを助ける一つ以上の材料を含むことができる。使用中、
図2に示すように、剛体スリーブ22は、シャフト12の全長をカバーすることができ、スリーブ22の遠位部分24によって画定されたピボット領域24cはシャフト12の遠位端16付近に配置される。ある例では、そして以下で説明するように、剛体スリーブ22は、屈曲カット36を含む部分を有することができる。
【0016】
シャフト12はまた、シャフト12の遠位端16を能動的に屈曲させるためにアクチュエータ20(
図1)によって作動させることができる一つ以上のステアリングあるいはプルワイヤ38を収容できる。例えば、プルワイヤ38の近位部分はアクチュエータ20に対して結合させることができ、かつ、プルワイヤ38の遠位部分(これはシャフト接続ブロック40において終端できる)はシャフト12に対して結合させることができる。使用時、ユーザーがアクチュエータ20を動作させるとき、プルワイヤ38は、ピボット領域の遠位に配置されたシャフト12の一部がプルワイヤ38の移動に応じて屈曲できるように引っ張られる。
【0017】
図3〜5は、
図1および2の剛性部材およびフレキシブルシャフトのさまざまな実施形態を示している。
【0018】
図3Aおよび
図3Bを参照すると、シャフト50は、このシャフト50の外側部材にスライド可能に結合された剛体アウター部材52を有する。アウター部材52の遠位部分54は、シャフト50の長さに沿って動作可能なピボット領域54a,54bを画定する。例えば、矢印Cで示す方向に剛体アウター部材52を軸方向に並進移動させることによって、シャフト50のピボット領域はピボット領域54aからピボット領域54bへと移動し、これによってアクチュエータ20(
図1)の動作に応じて屈曲するシャフト50の部分が増加する。
【0019】
図2に関して先に説明したように、ユーザーがアクチュエータ20を動作させるとき、プルワイヤ58は、ピボット領域54a,54bの遠位のシャフト50の一部が曲がるように引っ張られる。ピボット領域54a,54bを画定するアウター部材52によって、電極領域28は、それぞれ、最大半径方向オフセットh
1,h
2を得ることができる。以下に説明するように、角度制御機構は、シャフト50の長さに沿ったピボット領域のポジションに関係なく、実質的に同じ最大角度まで電極領域28が常に曲がることを実現する。屈曲カット56はシャフト50の柔軟性を改善できる。
【0020】
図4Aおよび
図4Bを参照すると、シャフト60は、このシャフト60のインナー部分にスライド可能に結合された剛体インナー部材62を有する。ある例では、剛体インナー部材62は、プルワイヤ58を含むインナースリーブであってもよい。代替的に、剛体インナー部材は剛体ロッド状構造体であってもよい。インナー部材62の遠位部分64は、シャフト60の長さに沿って移動可能なピボット領域64a,64bを画定する。例えば、矢印Dで示す方向に剛体インナー部材62を軸方向に並進移動させることによって、シャフト50のピボット領域はピボット領域64aからピボット領域64bへと移動し、これによってアクチュエータ20(
図1)の動作に応じて屈曲するシャフト50の部分が増加する。
図3に関して先に説明したように、それぞれピボット領域64a,64bを画定するインナー部材62によって、電極領域28は、最大半径方向オフセットh
3,h
4を得ることができる。角度制御機構は、シャフト60の長さに沿ったピボット領域のポジションに関係なく、同じ最大角度まで電極領域28が常に曲がることを実現する。
【0021】
図5を参照すると、シャフト70は、遠位部分76に屈曲カット74を有する剛体アウター部材72を有する。屈曲カット74は、この屈曲カット74を含む部材72の一部においてアウター部材72の柔軟性を向上させることができるので、剛体アウター部材72の一部はアクチュエータ20(
図1)の動作に応じて曲がることができる。シャフト70の剛体部分からフレキシブル部分への形状移行ポイントを付与する代わりに、屈曲カット74は、部材72の長さに沿った漸進的ピボット領域78を提供する。漸進的ピボット領域78を有することで、例えば、ピボット領域における応力集中の可能性を低減しかつ/またはシャフト70のより均一な湾曲を実現することができる。これに代えてあるいは付加的に、アウター部材72の一部に沿ったその他の構造的あるいは材料の変化はアウター部材72の改善された柔軟性をもたらすことができる。例えば、アウター部材72の全てまたは一部は柔軟なカテーテルチューブまたはその他の形態のフレキシブルチューブを含むことができる。シャフト60の剛体インナー部材62はまた、アウター部材72に関して上述したようにフレキシブル部分を含んでいてもよい。
【0022】
図6Aおよび
図6Bを参照すると、プローブ10(
図1)の特定の実施形態は、アクチュエータ20の作動を制限することによって、フレキシブルチップの角度を維持することができる角度制御機構を含む。図示するように、プローブ80は、近位端82aと遠位端82bを有するシャフト82を含む。シャフト82の近位端82aは、プローブ本体84に連結され、かつ、本体84はアクチュエータ20を含む。アクチュエータ20は、シャフト82につながったスライド、レバー、ダイヤル、またはその他の機械的制御要素であってもよく、その動作によって、シャフト82の遠位端82bは、それに応じて曲がるかあるいは屈曲させられる。例えば、アクチュエータ20は、プルワイヤ58に連結されかつヒンジポイント88において本体84に対して回転可能に取り付けられたレバー部分86を含むことができる。使用時、ユーザーがレバー部分86を引き戻すためにアクチュエータ20を作動させるとき、プルワイヤ58は、シャフト82の一部がそれに応答して曲がることができるように引っ張られる。例えば、矢印EおよびJで示される方向にアクチュエータ20を動作させることで、それぞれ矢印FおよびKで示される方向に電極領域28が移動させられる。
【0023】
シャフト82は、このシャフト82の内面にスライド可能に結合された剛体インナースリーブ92を有する。インナー部材92の遠位端94は、シャフト82の長さに沿って移動可能なピボット領域95を画定する。例えば
図6Aは第1のポジション97aにおいてピボット領域95を示し、そして
図6Bは第2のポジション97bにおいてピボット領域95を示している。これに代えて、シャフトは、
図3に関連して上述したように剛体アウタースリーブを有することができる。プルワイヤ58はインナースリーブ92内に配置され、そしてシャフト82の内面に対して遠位に結合される。プルワイヤ58の近位部分は、アクチュエータ20の動作が電極領域28を作動させるようにプルワイヤ58を引っ張るように、アクチュエータ20のレバー部分86に対して結合される。
【0024】
角度制御機構は、上述したように、ピボット領域のポイントに関係なく、電極領域28が実質的に一定の最大角度配向を達成することを可能とすることができる。さまざまな手動、機械式、電気式および/または電子式機構が、電極領域28の所望の一定の最大角度配向を実現するために利用可能である。例えば、プローブ80は、ピボット制御要素96の形態で角度制御機構を有することができる。
【0025】
ピボット制御要素96は、
図6Aおよび
図6Bに示すように、プローブ80の本体84内に配置されたスライド要素である。ピボット制御要素96はインナースリーブ92に結合され、かつ、ユーザー制御部分96aおよびアクチュエータブロッキング部分96bを含む。使用時、ピボット制御要素96は、後述するように、アクチュエータ20の端部ポジションを調整することができる。インナースリーブ92とピボット制御要素96とは、例えば接続部分96cを介して機械的に連結され、これによってピボット制御要素96の動作は、インナースリーブ92を、したがってシャフトに沿ったピボット領域95のポジションを並進移動させる。使用時、ユーザーは、矢印Hで示すようにピボット領域95をポジション97aへと並進移動させるために、例えば、矢印Gで示す方向に、ユーザー制御部分96aをスライドさせることができる。同様に、ユーザーは、矢印Mで示すようにピボット領域95をポジション97bへと並進移動させるために、矢印Lで示す方向にユーザー制御部分96aをスライドさせることができる。
【0026】
シャフト82に沿ったピボット領域の特定のポジションは、概して、ユーザーが、所望の最大角度配向に到達するように電極領域28を移動させるためにアクチュエータ20を、どの程度、移動させる必要があるかを決定する。例えば、
図6Aにおいて、電極領域28は、アクチュエータ20が最終ポジション90aまで移動させられたとき、最大角度配向を有する最終ポジション28cに到達する。ここで、最終ポジション90aを越えてアクチュエータ20を移動させることによって、電極領域28は所望の最大角度配向よりも大きな角度配向に到達させられる。同様に、
図6Bにおいて、電極領域28は、アクチュエータ20が最終ポジション90bまで移動させられたとき、最大角度配向を有する最終ポジション28dに到達する。ここで、最終ポジション90aまでアクチュエータ20を移動させることによって、電極領域28は所望の最大角度方向配向よりも小さな角度配向に到達する。
【0027】
ピボット制御要素96のアクチュエータブロッキング部分96bは、例えば、それがピボットポジション97aおよび最終ポジション90aに対応する最終ポジション90aに到達したときにアクチュエータ20の動作を機械的にブロックすることによって、あるいはそれがピボットポジション97bおよび最終ポジション28dに対応する最終ポジション90bに到達したときにアクチュエータ20の動作をブロックすることによって、電極領域28の角度制御を実現できる。アクチュエータブロッキング部分96bおよびレバーアーム86の形状、形態および/または相対的配置は、ピボット領域のポジションに関係なく、電極領域28の最大角度配向が略同じであることを保証するために、変更しかつ微調整することができる。ある例では、電極領域28の最大角度配向はプローブ80の使用前あるいは使用中にユーザーによって変更可能である。例えば、アクチュエータブロッキング部分96bとレバーアーム86との間の接触を維持しながらピボット制御要素96をスライドさせることによって、その角度配向を変化させることなく、概して、電極領域28の半径方向オフセットが変更される。
【0028】
アクチュエータ20の動作を物理的に制限するためにアクチュエータブロッキング部分96bなどの要素を使用する代わりに、角度制御機構のその他の実施形態は、アクチュエータ20が電極領域28の所望の動作に対応するポジションに到達したことをユーザーに知らせるビジュアル、オーディオおよび/または触覚フィードバック機構を含むことができる。ある例では、角度制御機構は、電極領域28の一定の最大角度配向を維持するために電子センサーおよび/またはアクチュエータを含むことができる。
【0029】
図7Aおよび
図7Bを参照すると、プローブ80(
図6)の実施形態は回転シャフトを含むことができる。図示のように、プローブ100は、その近位端において回転制御機構104につながる回転シャフト102を有する。シャフト102と回転制御機構104とは、矢印Xで示す方向への回転制御機構104の動作が矢印Yで示す方向へのシャフト軸線30を中心とするシャフト102の回転を生じるように、機械的に連結される。例えば、
図7Bに示すように、回転制御機構104は、シャフト102に対して取り付けられたシャフトギヤ106と、トリガー110に対して取り付けられた制御ギヤ108とを含むことができる。シャフトギヤ106および制御ギヤ108は、ユーザーがトリガー110を作動させたとき、上述したようにシャフトの回転動作を可能とするように機械的に係合させられる。ある例では、シャフトギヤ106および制御ギヤ108は、ベベルギヤまたはその他の類似のギヤ機構の一部であってもよい。
【0030】
図8A〜8Cを参照すると、角度制御機構の代替実施形態は、最大角度配向を変化させることなく、フレキシブルチップの最大半径方向オフセットを変化させるために複数のプルワイヤを使用する。図示されるように、シャフト120は、第1の接続部位124においてシャフト120の内面に結合された第1のプルワイヤ122と、第2の接続部位128においてシャフト120の内面に結合された第2のプルワイヤ126とを含む。第1および第2の接続部位124,128は、第1のプルワイヤ122を引っ張ることによって生じる曲げ動作が、第2のプルワイヤ126を引っ張ることによって生じる曲げ動作とは異なるように、シャフトの長さに沿って異なるポジションに配置される。
【0031】
図8A〜8Cに示す例では、第2の接続部位128は第1の接続部位124の遠位に配置される。使用時、プルワイヤ122,126を引っ張ることによって、シャフト120の遠位部分129は、シャフト120のピボット領域130を起点として屈曲させられる。上述したように、ピボット領域130は、このピボット領域130に対して近位に配置された剛体部材によって画定することができる。これに代えて、ピボット領域130は、剛体部材を使用することなく、ピボット領域130に対して遠位に配置されたフレキシブル領域、例えば屈曲カットを有するシャフトの一部を導入することにより、画定できる。ある実施形態では、剛体部材およびフレキシブル領域の両方は、ピボット領域130を画定するために一緒に使用可能である。
【0032】
図8Bに示すように、矢印Pで示す方向に第1のプルワイヤ122を引っ張ることによって遠位部分129は屈曲させられ、ピボット領域130と第1の接続部位124との間に湾曲領域132を生じる。第1の接続部位124と第2の接続部位128と間に位置する直線状領域134は直線状態のままである。半径方向オフセットh
cが、シャフト120の軸線と遠位部分129のチップとの間に生じる。同様に、
図8Cに示すように、矢印Qで示す方向に第2のプルワイヤ126を引っ張ることによって遠位部分129は屈曲させられ、ピボット領域130と第2の接続部位128との間に湾曲領域136を生じる。半径方向オフセットh
dが、シャフト120の軸線と遠位部分129のチップとの間に生じる。図示する例では、h
cは、直線状領域134の存在によってh
dよりも大きく、かつ、湾曲領域132の曲率半径は湾曲領域136の曲率半径よりも小さい。
【0033】
シャフト120の遠位部分129の一定の最大角度配向は、第1のプルワイヤ122の近位部分に結合された第1のアクチュエータ(図示せず)および第2のプルワイヤ126の近位部分に結合された第2のアクチュエータ(図示せず)を有する角度制御機構を使用することにより、最大半径方向オフセットに関係なく、維持することができる。例えば、第1および第2のアクチュエータは、第1の最終ポジションへと第1のアクチュエータを動作させることによって、
図8Bに示すように、遠位部分129が最大オフセットh
cおよび例えば約90度の最大角度配向まで屈曲させられるように構成あるいは適合させることができる。同様に、第2の最終ポジションへと第2のアクチュエータを動作させることによって、
図8Cに示すように、遠位部分120が最小オフセットh
dおよび例えば約90度の最大角度配向まで屈曲させられる。さらに、第1および第2のプルワイヤ122,126の両方は、シャフト120の遠位部分129の追加的な曲げ形態を生じるように同時に作動させることができる。ある例では、第1および第2の接続部位124,128のポジションは、例えば、湾曲領域132,136の長さおよび/またはポジションを変化させるために、シャフト120の長さに沿って並進移動させることができる。
【0034】
本明細書は多くの具体的な実施形態の詳細を含むが、これらは、実施のあるいは特許請求されるものの範囲の限定として解釈すべきではなく、特定の実施形態の特定の実施形態に固有の特徴の説明として解釈すべきである。別個の実施形態のコンテクストにおいて本明細書中で説明したある特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施形態のコンテクストにおいて説明されたさまざまな特徴は、複数の実施形態において別個に、あるいは適切な部分組み合わせにおいて実施することもできる。さらに、特徴は特定の組み合わせにおいて作用するように説明した、そして初めにそのようなものとして主張さえしたが、主張した組み合わせからの一つ以上の特徴は、ある例では、この組み合わせから除去されてもよく、かつ、主張された組み合わせは、部分組み合わせあるいは部分組み合わせの変形例を対象としてもよい。したがって、対象事項の特定の実施形態について説明した。その他の実施形態は特許請求の範囲の範疇にある。