特許第6181178号(P6181178)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6181178低含量のオリゴマーを含むUV硬化性ホットメルト接着剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6181178
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】低含量のオリゴマーを含むUV硬化性ホットメルト接着剤
(51)【国際特許分類】
   C09J 133/04 20060101AFI20170807BHJP
   C09J 175/16 20060101ALI20170807BHJP
   C09J 11/00 20060101ALI20170807BHJP
   C09J 5/00 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   C09J133/04
   C09J175/16
   C09J11/00
   C09J5/00
【請求項の数】14
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-523396(P2015-523396)
(86)(22)【出願日】2013年7月22日
(65)【公表番号】特表2015-526553(P2015-526553A)
(43)【公表日】2015年9月10日
(86)【国際出願番号】CN2013079777
(87)【国際公開番号】WO2014015771
(87)【国際公開日】20140130
【審査請求日】2016年1月20日
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2012/079190
(32)【優先日】2012年7月26日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【弁理士】
【氏名又は名称】森住 憲一
(74)【代理人】
【識別番号】100172605
【弁理士】
【氏名又は名称】岩木 郁子
(72)【発明者】
【氏名】ハンス−ゲオルク・キンツェルマン
(72)【発明者】
【氏名】カオ・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ウーヴェ・フランケン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ・ホンシア
【審査官】 吉岡 沙織
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−225636(JP,A)
【文献】 特開2007−070618(JP,A)
【文献】 特開2012−046613(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/041719(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC C09J 1/00−201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(メタ)アクリレートポリマー、(メタ)アクリレート基含有ポリウレタンポリマーおよび(メタ)アクリレート基を含まないNCO基含有ポリウレタンプレポリマーの混合物を含んでなる反応性ホットメルト接着剤であって、低分子量(メタ)アクリレートウレタンの含量が接着剤の1重量%未満であり、(メタ)アクリレートポリマーは、(メタ)アクリル酸エステルとエチレン性不飽和コモノマーとの重合体からなる群から選択され、低分子量(メタ)アクリレートウレタンは、一般式:
【化1】
[ここで、Y=OH、NHRまたはSHであり、
=H、CHまたはCであり、
=C2nであり、n=2〜12である]
で示される化合物とモノマーモノまたはジイソシアネートとの反応生成物である、ホットメルト接着剤。
【請求項2】
(メタ)アクリレートポリマーは5000g/molより大きい分子量(M)を有する、請求項1に記載のホットメルト接着剤。
【請求項3】
接着剤は5〜45重量%の(メタ)アクリレートポリマーを含有しており、このポリマーは非反応性である、請求項2に記載のホットメルト接着剤。
【請求項4】
(メタ)アクリレート基含有ポリウレタンポリマーは、0.7:1〜1.01:1のOH基数:NCO基数の比で、OHアルキル置換(メタ)アクリレートエステルと1重量%未満のモノマージイソシアネートを含有するNCO含有PUプレポリマーとを反応させることによって調製されたものであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のホットメルト接着剤。
【請求項5】
接着剤は、5〜50重量%の(メタ)アクリレート基含有PUポリマーを含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のホットメルト接着剤。
【請求項6】
PUプレポリマーの量が接着剤の10〜50重量%であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のホットメルト接着剤。
【請求項7】
接着剤は、添加剤、例えば、充填材、安定剤、粘着付与剤、可塑剤、接着促進剤または他の非反応性ポリマーを更に含有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のホットメルト接着剤。
【請求項8】
ブルックフィールドデジタル粘度計RVT、EN ISO 2555、スピンドル27、10rpmにより測定した接着剤の粘度が、100℃で2000〜20000mPasであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のホットメルト接着剤。
【請求項9】
接着剤は2〜12重量%のNCO価を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のホットメルト接着剤。
【請求項10】
DIN 55672−1に従って測定されたモノマーイソシアネート含量が10重量%未満であるPUプレポリマーを調製し、0.7:1〜1.01:1のOH基数:NCO基数の比で少なくとも1種のOH含有アルキル(メタ)アクリレートモノマーと反応させ、このPUプレポリマーを、NCO含有PUプレポリマーおよび(メタ)アクリレートポリマーと混合することを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載のホットメルト接着剤の製造方法。
【請求項11】
製造方法を70〜120℃の温度で実施する、請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
(メタ)アクリレートポリマーはOHおよび/またはNH基を有さないことを特徴とする、請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
基材の結合方法であって、請求項1〜9のいずれかに記載のホットメルト接着剤の層で基材を被覆し、層をUV硬化に付し、未凝固状態で第二の基材を接着剤層と接合する、方法。
【請求項14】
接着剤を10〜500g/mの量で適用することを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応性ポリウレタンプレポリマー、(メタ)アクリレートポリマーおよび不飽和二重結合含有ポリウレタンポリマーを含んでなるホットメルト接着剤組成物に関する。本発明のポリマー組成物は、少量しかウレタン系アクリルオリゴマーを含まない。
【背景技術】
【0002】
WO 2001/012691は、製造工程中にOH含有アクリルポリマー、イソシアネート、ポリオールおよびOH含有アクリルモノマーの混合物として反応したPUプレポリマーを含有するポリウレタンプレポリマーを開示している。従って、そのような混合物は、後に、アクリル−イソシアネートオリゴマー反応生成物も含む。
【0003】
WO 2003/055929は、ポリオール成分と高分子量ポリイソシアネートとの反応生成物を開示している。この高分子量ポリイソシアネートは低含量のモノマージイソシアネートしか含まないことが記載されている。
【0004】
WO 2006/015659は、UV硬化性ポリマー、オリゴマー、およびナノスケール物としての充填材または顔料の混合物を含んでなるポリマーバインダーを開示している。UV硬化性ポリマーとして可能な化合物が列挙されている。非反応性ポリアクリレートは開示されていない。
【0005】
湿分硬化性PU接着剤は一般に知られている。そのような接着剤は比較的長い硬化時間を必要とし、その間中、結合される基材を固定しておかなければならない。ホットメルト接着剤の場合、溶融物が冷却されると第一結合力が発現するので、長い固定工程は必要とされない。ホットメルトの適用工程が粘度に依存することは知られており、このことは、高分子量ポリマーがより容易に凝固し、向上した生強度をもたらすことを意味する。この利点とは対照的に、溶融粘度が高いので、向上した適用のためには高温が必要とされる。この高温は、基材を破壊することがある。また、低分子量モノマー物質が蒸発する可能性もあり、労働者の健康維持のために付加的な測定が必要となる。
【0006】
UV硬化性組成物は、非常に迅速に架橋する。そのような組成物は、組成物の粘度を低下させる低分子量反応性アクリレート成分を含んでなり得る。しかしながら、そのような低分子量アクリレートモノマーは、環境上の理由から回避すべきである。また、様々な表面との接着が、既知のPU接着剤を用いた場合より低い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO 2001/012691
【特許文献2】WO 2003/055929
【特許文献3】WO 2006/015659
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、より低い温度で適用でき、適用時に向上した生強度をもたらすホットメルト接着剤を提供することである。従って、基材は穏やかな条件下で結合することができ、それと同時に最終硬化まで基材を固定する必要はない。よって、インライン結合法が可能である。更に、有害物質の量が低減される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、(メタ)アクリレートポリマー、(メタ)アクリレート基含有ポリウレタンポリマーおよびNCO基含有ポリウレタンプレポリマーの混合物を含んでなる反応性ホットメルト接着剤であって、低分子量(メタ)アクリレートウレタンの含量が接着剤の1重量%未満である、ホットメルト接着剤によって達成される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明はまた、低減された量のモノマーイソシアネートおよびアクリルモノマーしか含有しないUV硬化性NCO硬化性ホットメルト接着剤の製造方法も含む。
【0011】
本発明の組成物は、3つの異なった成分を含んでなる。第一の成分は、水分との反応によって架橋できるNCO基含有反応性PUプレポリマーである。組成物のもう1つの成分は、紫外線を照射すると反応し得る不飽和二重結合含有PUポリマーである。組成物の第三の成分は、組成物の他の成分と混合でき、(メタ)アクリレートモノマーに基づくポリマーである。
【0012】
ポリウレタンプレポリマーは、この分野で知られている。ポリウレタンプレポリマーは一般に、ポリウレタン鎖を生成するためのポリオールと過剰のポリイソシアネートとの反応生成物を含んでおり、これは、ポリマー鎖と結合したNCO基をなお有している。二官能性成分としてポリオールおよびイソシアネートを選択することにより、液状または溶融性の非ゲル化反応性PUを得ることができる。NCO:OH比を選択することにより、分子量やプレポリマー中反応性NCO基の量を制御することができる。
【0013】
本発明によれば、PUプレポリマーは、好ましくは、ポリイソシアネートとの反応により、単独成分としてまたは混合物としての、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールおよび/またはポリアルキレンジオールから調製される。
【0014】
適当なプレポリマーの1つの群は、ポリエステルに基づく。そのようなプレポリマーは、ポリエステルポリオールとジイソシアネートとの反応により調製される。適当なポリエステルポリオールは、多価、好ましくは二価アルコール(場合により少量の三価アルコールを伴ってよい)と多官能性、好ましくは二官能性および/または三官能性カルボン酸との反応生成物である。遊離ポリカルボン酸に代えて、対応するポリカルボン酸無水物、または好ましくは1〜3個の炭素原子を有するアルコールとの対応するポリカルボン酸エステルを使用することもできる。そのようなポリエステルポリオールの調製に適当なジオールは、例えば、エチレングリコール、1,2−または1,3−プロパンジオール、1,2−または1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、異性体ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ヒドロキシメチルシクロヘキサン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,4−ブタントリオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコールまたはポリブチレングリコールである。芳香族ジオールを使用することもできる。
【0015】
適当なポリカルボン酸は、脂肪族、脂環式、芳香族または複素環式、或いは組み合わせから選択することができる。そのようなポリカルボン酸は場合により、例えば、アルキル基、アルケニル基、エーテル基またはハライドによって置換されていてよい。適当な例は、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水グルタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、ダイマー脂肪酸またはそれらの混合物を包含する。トリカルボン酸の例は、クエン酸またはトリメリット酸を包含し、これらは場合により含まれてよい。
【0016】
OH官能性ポリエステルは、当業者に知られており、市販されている。3個または特に2個の末端OH基を有するポリエステルポリオールが特に好ましい。
【0017】
しかしながら、油脂化学由来のポリエステルポリオールを使用してもよい。そのようなタイプのポリエステルポリオールは、1種以上のC1〜12アルコールによる、少なくとも部分的にオレフィン性不飽和の脂肪酸を含有する脂肪混合物のエポキシ化トリグリセリドの完全開環、および続いての、アルキル基中に1〜12個の炭素原子を有するアルキルエステルポリオールへのトリグリセリド誘導体の部分的エステル交換によって調製することができる。
【0018】
ポリエステルポリオールは、好ましくは約200〜5000g/mol、特に2000g/mol未満の分子量(GPCにより測定された数平均分子量、M)を有する。特に、ポリマー主鎖に芳香族構造を有するポリエステルポリオールが適している。
【0019】
適当なプレポリマーの別の群は、ポリエーテルポリオールに基づく。そのようなプレポリマーは、例えば、ポリエーテルポリオールと過剰のポリイソシアネートとの反応によって調製される。
【0020】
ポリエーテルポリオールの例は、低分子量多価アルコールとアルキレンオキシドとの反応生成物を包含する。アルキレンオキシドは、好ましくは2〜4個の炭素原子を有する。適当な例は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはそれらの混合物と、脂肪族ジオール、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、異性体ブタンジオール、異性体ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチルプロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,4,4−トリメチルヘキサン−1,6−ジオール、2,2,4−トリメチルヘキサン−1,6−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、または芳香族ジオール、例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニルプロパン(ビスフェノールA)、ビスフェノールF、ピロカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンまたはそれらの混合物との反応生成物を包含する。また、多価アルコール、例えば、グリセリン、トリメチロールエタンまたはトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールまたは糖アルコールとアルキレンオキシドとの反応生成物も適している。本発明において、別の適当なポリオールは、テトラヒドロフランを重合することによって得られる(ポリTHF)。
【0021】
ポリエーテルポリオールは、当業者に既知の方法で調製され、市販されている。本発明では、低分子量ポリエーテルを選択すべきである。特に適当なポリエーテルポリオールは、200〜5000g/mol、特に3000g/molまで、有利には1500g/molまでの分子量を有する(GPCにより測定した数平均分子量、M)。ジオールが特に適しており、その例は、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールのホモポリマー、エチレングリコールおよびプロピレングリコールのブロックまたは統計コポリマー、特に第二級ヒドロキシル基を有するものである。
【0022】
PUプレポリマーを調製するために、ポリアルキレンジオールを使用することもできる。ポリアルキレンジオールは一般構造式:
【化1】

[ここで、n=2〜24、このましくは12以下である]
を有する。分岐ポリオールを使用することもできる。 好ましくは、OH基はポリマー鎖末端に配置されている。ポリアルキレンジオールは、単独成分として使用することができるが、好ましくはポリエーテルまたはポリエステルポリオールとの混合物としてもっぱら使用される。
【0023】
ポリオール(好ましくはジオール)の混合物を、化学量論的に過剰のポリイソシアネートと反応させる。既知の脂肪族または芳香族ジイソシアネートが適している。そのようなジイソシアネートは500g/mol未満の分子量を有する。使用できる適当なジイソシアネートの例は、エチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメトキシブタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、シクロヘキサン−1,3−および−1,4−ジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、2,4−および2,6−ヘキサヒドロトルイレンジイソシアネート、ヘキサヒドロ−1,3−または−1,4−フェニレンジイソシアネート、1,6−ジイソシアナト−2,2,4−トリメチルヘキサン、1,6−ジイソシアナト−2,4,4−トリメチルヘキサン、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、1,3−および1,4−フェニレンジイソシアネート、MDIの水素化シクロアルキル誘導体、例えば完全水素化MDI(H12−MDI)、モノ−、ジ−、トリ−またはテトラ−アルキルジフェニルメタンジイソシアネートである。
【0024】
別の態様では、ジオールに対して様々な反応性を有するNCO基を有する非対称イソシアネートを使用する。適当な脂環式非対称ジイソシアネートの例は、1−イソシアナトメチル−3−イソシアナト−1,5,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、1−メチル−2,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,4−ジイソシアナト−2,2,6−トリメチルシクロヘキサン(TMCDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)であり、好適なものは、芳香族非対称ジイソシアネート、例えば、2,4−または2,6−トルイレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート(MDI)、並びに4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと2,4’−MDI異性体(単独の異性体または複数の異性体の混合物のいずれか)との混合物、または上記芳香族ジイソシアネートの水素化生成物である。好ましくは、PUプレポリマーは、芳香族ジイソシアネートを用いて調製され、MDIが特に好ましい。
【0025】
モノマージイソシアネートとポリオールとの反応は、20℃〜150℃、好ましくは70℃〜120℃の温度で行う。ポリオールとイソシアネートとの比は、NCO末端プレポリマーが得られるように選択する。確実に低モノマー含量生成物が得られるよう、反応を制御する。ポリエステルポリオールの反応は、既知の方法に従って行うことができる。低含量の、例えば10重量%未満、特に5重量%未満のモノマーイソシアネートを含むべきである(DIN 55672−1に従って測定)。ジオールとジイソシアネートとの比を選択することにより、確実に、プレポリマーの分子量が有意に増加しないようにする。接着剤は、好ましくは、そのようなPUプレポリマーを10〜80重量%の量で含有する。
【0026】
組成物の別の成分は、不飽和二重結合含有PUポリマーからなる。そのような結合は、紫外線を照射すると反応できる。そのようなPUポリマーは、NCO末端PUプレポリマーから調製される。NCO末端PUプレポリマーを、そのNCO基のほとんどにおいて、UV硬化性基および求核性基、例えばNH、OHまたはSH基を有する成分と反応させる。
【0027】
そのような成分の前駆体として、二官能性または三官能性PUプレポリマーを、上記方法と類似した方法で調製することができる。本発明のために、プレポリマーは好ましくは、1500g/mol未満、好ましくは1000g/mol未満の分子量(GPCにより測定した数平均分子量M)を有するポリオールから調製される。ポリイソシアネートは著しく過剰に、例えば2:1〜10:1のNCO/OH比で使用される。そのような場合は一般に、末端NCO基を有するプレポリマーが得られる。次いで、イソシアネートの未反応画分をモノマーとして真空下で留去する。別の態様では、非対称イソシアネートを使用する。従って、適当な反応制御により蒸留を回避することができる。このようにして、理想的な構造のイソシアネート末端ポリオールを主に含む前駆体プレポリマーが得られる。
【0028】
これらのプレポリマーは、低含量のモノマーを含むべきである。これは、反応を制御することによって達成できる。別のアプローチは、蒸留により遊離モノマーイソシアネートの量を低減することである。モノマーイソシアネートの量は、プレポリマーに基づいて1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満でなければならない(DIN 55672−1に従って測定)。好ましくは、ポリエーテルに基づくプレポリマーを使用する。ポリエーテルプレポリマーは、好ましくは2個または3個のNCO基を有する。平均官能価は、例えば1.8〜3.3の官能価を有するプレポリマーを混合することによって得られる。
【0029】
前駆体プレポリマーを、求核性基および1つの(メタ)アクリレート官能基を有する化合物と反応させる。好ましい態様では、そのような化合物は、一般式:
【化2】

[ここで、Y=OH、NHR、SHであり、
=H、CH、Cであり、
=C2nであり、n=2〜12である]
で示される。別の態様では、Rは、少なくとも1つのR-O-基、例えば、(メタ)アクリロイルオキシ基、フェノキシ基、トルイルオキシ基、アセトキシ基によって置換されていてよい。更に別の態様では、Rはポリエーテル鎖であってよい。
【0030】
これらの態様に相当する好ましいアクリレートまたはメタクリレートは、ヒドロキシ(メタ)アクリレート(Y=OH)、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ−ル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコ−ル(メタ)アクリレート、1,3−グリセロールジ(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−トルイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−アセトキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートである。ヒドロキシアクリレートまたはメタクリレートは、単独でまたは混合物として使用される。
【0031】
前駆体ポリマーおよびヒドロキシル(メタ)アクリレートの量は、広い範囲で選択される。例えば、前駆体ポリマーのNCO基の数と、(メタ)アクリレート化合物のNCO反応性基Yの数との比は、1:0.5〜1:1.01、好ましくは1:0.7〜1:1.01、より好ましくは1:0.9〜1:1.0から選択される。この比は好ましくは、過剰の未反応モノマー(メタ)アクリレートが残留しないように選択される。そのような(メタ)アクリレート基含有PUポリマーの分子量は、好ましくは500〜2000g/mol、特に好ましくは500〜1500g/mol(GPCにより測定した数平均分子量、M)の範囲である。接着剤は、好ましくは5〜50重量%のそのような(メタ)アクリレート置換PUポリマーを含有する。低含量のモノマージイソシアネートしか含有しないように前駆体プレポリマーを選択するので、PUポリマーは、好ましくは1重量%未満の低分子量(メタ)アクリレートウレタン(DIN 55672−1に従って測定)を含有する。用語「低分子量(メタ)アクリレートウレタン」は、Y置換(メタ)アクリレートとモノマーモノまたはジイソシアネートとの反応生成物を意味しており、(メタ)アクリレート置換PUポリマーの合成中に副生物として得られる。低分子量(メタ)アクリレートウレタンは、モノマーウレタンアクリレートと称されることもある。そのような低分子量副生物は、UV硬化によっても反応し得るが、反応した不飽和ポリマーの網目および分子量に悪影響を及ぼし、反応の信頼性を低下させる。
【0032】
接着剤組成物に含まれる別の成分は、ポリ(メタ)アクリレートを包含する。本発明において使用されるポリ(メタ)アクリレートは、好ましくは10000〜約300000g/molの分子量(GPCにより測定した数平均分子量、M)を有する。そのようなポリ(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル酸エステルおよびコモノマーとしての実質的に任意の、そのような(メタ)アクリレートと重合できるエチレン性不飽和コモノマーの重合体を包含する。
【0033】
アクリル酸コモノマーは、約−20℃〜105℃、好ましくは15℃〜85℃の広い範囲のTg値(ISO 11357−2に従って測定)をもたらすように重合され得る。適当なコモノマーは、下記化合物を包含するがそれらに限定されるわけではないメタクリル酸およびアクリル酸のC1〜C12エステルを包含する:メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシル(ラウリル)メタクリレートまたは対応するアクリレート。適合する(メタ)アクリレートモノマーの混合物を使用することもできる。メタクリル酸およびアクリル酸とポリ(エチレングリコール)および/またはポリ(プロピレングリコール)および/またはグリコールエーテルとのエステルに基づくメタクリル酸およびアクリル酸コモノマーを使用することもできる。使用してよい他の更なるビニルコモノマーは、ビニルエステル(例えば、酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニル);ビニルエーテル;クロトン酸、マレイン酸、フマル酸およびイタコン酸のエステル;スチレン;アルキルスチレン;アクリロニトリル;ブタジエン;など、並びにそれらのコモノマーを包含する。選択される具体的なモノマーは、主に、接着剤の最終用途に依存する。例えば、金属との接着が必要とされる用途に使用される接着剤は、非感圧性用途またはより容易に結合される基材を含む用途において所望され得るTgより低いTgを有するポリマーが得られるように選択される。
【0034】
適当な酸官能性コモノマーは、メタクリル酸およびアクリル酸を包含するが、これらに限定されない。組み込むことができる適当なヒドロキシル官能化コモノマーは、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシルプロピルメタクリレートおよび2−ヒドロキシブチルメタクリレートまたは対応するアクリレートを包含するが、これらに限定されない。
【0035】
好ましくは、適当なポリ(メタ)アクリレートの分子量(GPCにより測定した数平均分子量、M)は、5000〜200000g/mol、好ましくは100000g/mol以下である。接着剤は、5〜45重量%のそのようなポリマーを含有する。
【0036】
本発明の接着剤は、1種以上の添加剤を含有してもよい。添加剤は、接着剤の特定の性質、例えば、接着性、凝固性、粘度、可撓性および安定性を改善し得る。
【0037】
接着剤において添加剤として使用するのに適した安定剤、より具体的にはUV安定剤、または酸化防止剤は、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ヒンダードピペリジン誘導体、亜リン酸塩、フェノール、立体障害フェノール、多官能性フェノール、イオウおよびリン含有フェノールを包含する。そのような添加剤は、典型的には約0.1〜3.0重量%の量でホットメルトに添加する。
【0038】
接着剤組成物は更に、天然または合成樹脂を含有してよい。天然樹脂は、植物由来のものまたは動物由来のものであってよい。樹脂の例は、セラックおよびコロホニー、ゴム樹脂またはウッドレジンを包含する。天然樹脂だけではなく、それらの誘導体を、不均化、二量化、水素化、重合、エステル化、塩形成、または不飽和化合物(例えばマレイン酸)添加のいずれによって得られたかにかかわらず、使用することもできる。合成樹脂の例は、炭化水素、テルペン、クマロン/インデン、フラン、アルキド、アルデヒド、ケトン、フェノール、グリセロールエステル、ポリエステル、エポキシ、ウレア、メラミン、ポリアミドおよびイソシアネート樹脂を包含する。その添加量は、接着剤組成物全体の約0〜30重量%である。
【0039】
接着剤は更に、0〜5重量%の少なくとも1種の光開始剤および/または光増感剤を含有してよく、0.1重量%より多い量が好ましい。基本的に、例えば実質的に均質な混合物として適合である任意の市販光開始剤を、使用することができる。光開始剤は、光の不存在下では安定であるが、放射線を照射するとラジカルまたはイオン重合を開始するエネルギーを吸収する物質または物質混合物である。
【0040】
特定の目的のために、染料、顔料または充填材を接着剤の配合することもできる。しかしながら、この場合は、この添加剤が確実に、接着剤への放射線の侵入および重合反応を阻害しないようにしなければならない。3つの主ポリマー化合物とは異なった非反応性熱可塑性ポリマーが少量存在することもできる。そのようなポリマーの例は、EVA、スチレンブロックコポリマー、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリウレタンを包含する。
【0041】
可塑剤成分として、種々の物質を選択することができ、その例は、フタル酸エステル、特にジアルキルフタレートエステル、4〜12個の炭素原子を有する直鎖アルカノールを含んでなるエステルである。安息香酸のエステル、ホスフェート軟化剤、例えば、t−ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ポリエチレングリコールおよびそれらの誘導体、例えば、ポリ(エチルグリコール)のアルキルエステル、脂肪酸のグリセロールエステル、および他の化合物を使用することもできる。
【0042】
接着剤は、0.1〜25重量%、好ましくは15重量%以下の量で添加剤を含有してよい。添加剤の選択および特性は、当業者に知られている。
【0043】
本発明の組成物は、少なくとも3つの異なったポリマー成分を含んでなる。成分は、別個の反応工程で調製することができるので、低分子量物質である(メタ)アクリレートウレタンを1重量%未満含有する不飽和二重結合含有PUポリマーを得ることができる。PUプレポリマーは独立して調製することができるので、高分子量PUプレポリマーの生成を回避することができる。
【0044】
3つのポリマー成分は、溶融状態で混合することができる。従って、有効な混合が可能である。別の態様では、ポリ(メタ)アクリレート成分の存在下でPUプレポリマーを調製することも可能である。従って、製造工程中の粘度を、個々の成分の粘度によって調節することができる。例として、種々の添加剤を混合し、最後の工程として接着剤組成物と一緒に均質化することができる。接着剤は室温で固体である。接着剤の粘度は、100℃で2000〜20000mPasの範囲(ブルックフィールドデジタル粘度計RVT、EN ISO 2555、スピンドル27、10rpmに従って測定)である。接着剤の軟化点は、80〜130℃の範囲で選択される(DIN EN 1238、環球式試験に従って測定)。感熱性基材を結合することもできる。
【0045】
1つの態様では、反応性ホットメルト接着剤は以下のように製造する:低モノマー含量のPUプレポリマーを調製し、0.5:1〜1.01:1、好ましくは0.7:1〜1.01:1、より好ましくは0.9:1〜1.0:1のOH:NCO比で、少なくとも1種のOH含有アルキル(メタ)アクリレートモノマーと反応させる。得られたPUポリマーを、(メタ)アクリレートポリマーおよびNCO含有PUプレポリマーと混合する。このNCO含有PUプレポリマーは、PUポリマーの合成に使用したPUプレポリマーと同じまたは別のものであってよい。更に、このNCO含有PUプレポリマーは、まず別個に調製し、次いで組成物に添加してもよいし、別の態様では、適当なポリオールおよびポリイソシアネートからイン・サイチューで合成してもよい。ホットメルト接着剤は、70〜120℃の温度で製造される。
【0046】
本発明は、感熱性である基材に低温で適用できる接着剤を提供する。組成物は、少ない量でしか反応性モノマー低分子量成分を含まない。モノマーウレタンアクリレート含量が1重量%未満であることにより、迅速な硬化特性が改善され、放射線硬化性ポリマーの高い分子量がもたらされる。架橋性基がポリマー鎖によって離されるので、網目が得られる。モノマー(メタ)アクリレートが存在しないことにより、適用の際の空気汚染が改善される。
【0047】
好ましい組成物は、10〜50重量%のNCO基含有反応性PUポリマー、20〜40重量%の共有結合(メタ)アクリレート基含有PUポリマー、25〜40重量%の1種以上のポリ(メタ)アクリレート、および1〜20重量%の添加剤を含有する。全成分の和は100%である。モノマーウレタンアクリレートの含量は、1重量%未満である。組成物は、100℃で2000〜10000mPasの粘度を有する。
【0048】
本発明の別の対象は、先に記載した接着剤を適用する方法である。本発明の接着剤は、ホットメルト接着剤である。接着剤は、20℃では固体であるが、100℃より高い温度では溶融できる。接着剤は、溶融状態で適用される。基材への適用後、組成物に、(メタ)アクリレート基の架橋を開始させる量および波長の放射線を照射する。直ちに、1つの成分の分子量が増加し、接着結合の生強度が上昇する。照射工程は、接着剤の適用後直ちに行う。接着剤のオープンタイムの間に基材を接合し、更なる処理のために基材を固定する。1つの態様では、照射工程は接着剤表面に行うことができ、反応した接着剤層を第二の基材と接合する。方法の別の態様では、2つの基材を接合し、一方の基材を通して接着剤層への照射を行う。そのような場合、紫外線の有意な透過性を示す基材を少なくとも1つ使用することが好ましい。最終的な接着力には、NCO反応による接着剤の硬化後に達する。従って、架橋は更に増加し、基材の接着が向上する。
【0049】
接着剤組成物は、通常は高分子量と関係がある迅速な生強度の発現をもたらす。一方、適用の際、放射線硬化性材料の分子量がまだ低いので、より低い温度で適用することができる。第二の架橋工程は緩慢に起こり、それによって第二のPUポリマーの相互貫入網目がもたらされる。
【0050】
接着剤の基材への適用は、そのような目的に通常使用されている機器を用いて行うことができる。バインダーの粘度は、典型的な加工条件下で約2000mPas〜約10000mPas(ブルックフィールドデジタル粘度計RVT、EN ISO 2555、100℃、スピンドル27、10rpmに従って測定)となるように選択される。
【0051】
接着剤は、実質的にはジイソシアネートまたはOH−アクリル酸エステルのような未反応モノマーを含有せず、ポリマーと結合したそのような反応性基を有するポリマー成分を含むので、高温での適用時、そのような潜在的に有害な物質は蒸発しない。従って、労働者の健康は、接着剤成分の蒸発によって悪影響を受けない。接着剤の生強度は迅速に増大し、厚い接着剤層は基材を十分接合する。
【0052】
本発明の接着剤は、様々な応用分野、例えば、建造物、木工業、金属の接合または紙材の接合において使用することができる。1つの応用分野は製本業である。そのような用途では、本の背表紙の接合が向上することが明らかとなった。接着剤は低温で厚い層として適用することができ、適用後直ちに層をUV硬化に付すと、冷却後、その生強度は向上し、接合された基材は更に処理され得る。天然産物で作られた基材との接着力が高く、そのような基材に含まれている湿気が、NCO−PUプレポリマーの硬化の促進に使用され得る。
【実施例】
【0053】
実施例:
結合した(メタ)アクリレート基を有するPUポリマー(ポリマーA):
10.0重量%の2−ヒドロキシエチルメタクリレートおよび90.0重量%のモノマー除去された(demonomerized)NCO末端プレポリマー(Desmodur VP LS 2397:ポリプロピレンエーテルグリコールおよびジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)に基づく直鎖プレポリマー、ISO 11909に従って測定したNCO含量:5.8重量%、DIN 55672−1に従って測定したモノマー含量:0.15重量%未満)を、撹拌機および温度計を備えた鋼製反応器に導入し、80℃で7時間乾燥した。得られたプレポリマーを容器に導入し、水分への暴露を防ぐためにヘッドスペースに乾燥窒素を導入した。NCO末端プレポリマー中のモノマー含量が0.15重量%未満と低いので、残留モノマージイソシアネート(MDI)および2−ヒドロキシエチルメタクリレートの反応生成物としての低分子量(メタ)アクリレートウレタンの含量は、PUポリマー中1重量%未満であった。
【0054】
ポリメタクリレート(ポリマーB):
このポリ(メタ)アクリレートは、コポリマーとしての、ブチルメタクリレート、メチルメタクリレートおよびメタクリル酸の重合生成物であった。
MFIは、150℃で60g/10分であった。
Tgは約59℃であった。
分子量(M)は約8000g/molであった。
【0055】
ポリオール1:
Dynacoll 7360、市販ポリエステルポリオール、分子量(M)約3500g/mol、ヒドロキシル価(OHV)約30mgKOH/g(DIN 53240に従って測定)。
【0056】
ポリオール2:
PPG 2000、OHV約56mgKOH/g(DIN 53240に従って測定)。
【0057】
ポリオール3:
ジエチレングリコールおよび無水フタル酸に基づくポリエステルポリオール。OH価約70mgKOH/g(DIN 53240に従って測定)、当量約800g/mol。
【0058】
接着剤、一般的な手順:
ポリマーAを先に記載したように調製した。ポリマーBは市販品であった。
溶融物としてのポリマーA、ポリマーB、ポリオール1、ポリオール2および3を配合し、真空下で混合することにより、接着剤を調製した。
次いで、MDIを添加し、反応が完了するまで真空下、120℃で1時間混合しながら重合させた。最後に、添加剤を添加し、更に10分間混合を継続した。
【0059】
低分子量(メタ)アクリレートウレタン含量は、1重量%未満であった(DIN 55672−1に従って測定)。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
10分後の接着強さ(生強度とも称する)およびオープンタイムを測定した。その結果を表2に示す。接着強さは、十字引張法によって測定した(STM−831に従う)。オープンタイムを測定するために、接着剤の適用後に異なった待ち時間で試験用試料を作成した。接着強さは、待ち時間の関数として、硬化後24時間測定した。その待ち時間より後は接着強さが有意に低下する時間を、オープンタイムと定義した。
【0063】
これらのデータ全ては、このUVデュアルキュアPURホットメルトを用いたことにより、高い初期強度および適当な適用条件が得られたことを示している。
比較例Dは、より小さい生強度を示した。
【0064】
同じ一般的な手順に従って、他の例も調製した。
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】
本発明の効果を示すために、更なる例も調製した。
【0068】
【表5】
【0069】
本発明の接着剤は低い粘度を有していた。その適用温度は低かった。
試験から、本発明の接着剤は向上したオープンタイムおよびより良好な接着性を有することが分かった。