【課題を解決するための手段】
【0017】
驚くことに、請求項1に記載のスピロビフルオレン化合物が、それらを有機エレクトロルミネセント素子での使用に特に好適にする特性スペクトルを有することが見いだされた。
【0018】
本発明の好ましい化合物は、従属請求項及び以下の明細事項に記載する。
【0019】
本発明の化合物は、以下の式1〜12:
【化3】
式中、n、m及びoは、同じでも異なっていてもよく、0〜3の整数を表すが、ここで、式1の化合物において、m又はoの少なくとも1つが0であり、
フェニル環の各々は、L
1以外のリガンドを担持しなくてもよいし、又はL
1以外のリガンドで置換されていてもよく、
L
1は、各位置において同じでも異なっていてもよく、式A:
【化4】
を有し、
式中、R
1及びR
2は、各位置において同じでも異なっていてもよく、水素、又は脂肪族基、炭素環式基、芳香族基若しくは複素環式基(これらは全て、1〜20個の炭素原子を含んでもよく、また、これらは全て、置換若しくは非置換のいずれであってもよい)、
又は基OR
3、基NR
4R
5若しくは基SR
6(R
3〜R
6は、同じでも異なっていてもよく、水素、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、炭素環式基、アリール基、ヘテロアリール基若しくは複素環式基を表す)を示し、また、
Ar
1及びAr
2は、4〜20個の環原子(式Iに示す複素環の2つの環原子は、環原子を数に入れる目的で、芳香環系若しくはヘテロ芳香環系の一部である)を含む、任意選択で置換された芳香環系又はヘテロ芳香環系を表す。
【0020】
本発明の目的のために、「脂肪族」という用語は、一般に、非環式炭化水素基を指し、これは、置換又は非置換のいずれであってもよく、また、この基において、主要骨格は、ヘテロ原子によって部分的に置換することができ、このヘテロ原子は、好ましくは、O、N及びSから選択するのが好ましい。狭義には、脂肪基は、開鎖中に連結した炭素原子を含む分子を指す。
【0021】
本発明の目的のために、「ヘテロアリール」という用語は、環又は環の少なくとも1つに、好ましくは、窒素、酸素又はイオウから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、単環又は多環芳香環系を包含する。
【0022】
第1の好ましい実施形態によれば、R
1及びR
2は、同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、炭素環基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、これらの基は、置換されているか、又は置換されていない。
【0023】
第2の好ましい実施形態によれば、R
1及びR
2は、同じでも異なっていてもよく、OR
3、NR
4R
5又はSR
6(R
3〜R
6は、上に定義したのと同じ意味を有する)を表す。
【0024】
本発明の化合物は、SBF又はOpen SBF単位が、窒素原子によって置換され、この窒素原子は、2つの芳香環又はヘテロ芳香環を含む環系の一部であるという、共通の特徴を有する。
【0025】
SBF系における置換は、SBF単位中のフェニル環を連結する結合に対して、パラ、メタ若しくはオルトであってもよいし、又はOpen SBF単位の同様の位置であってもよい。
【0026】
特定の目的のために、メタ位で少なくとも1個の置換基L
1を有する化合物は、有機電子素子に用いると、効率に関して有利となりうることがわかっている。
【0027】
化合物の第1の好ましい基は、L
1が、式A−1:
【化5】
(式中、R
1及びR
2は、上に定義した通りである)。
【0028】
R
1又はR
2がアルキル基を表す場合には、これらは、1〜20個、特に、1〜8個の炭素原子を有するのが好ましく、直鎖又は分枝状のいずれであってもよい。特に、メチル、エチル、i−又はn−プロピル及びi−、n−及びt−ブチルなどのC
1〜C
4アルキルが好ましい。アルキル基はそれ自体、置換又は非置換のいずれであってもよい。
【0029】
R
1及びR
2について好ましい炭素環基は、5〜7員炭素環系であり、飽和又は不飽和のいずれであってもよく、例を3つだけ挙げると、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン又はシクロヘキセンがある。アルキル基に関しては、炭素環式基は、置換又は非置換のいずれであってもよい。
【0030】
R
1及びR
2について好ましいアリール基は、フェニル、ナフチル、アントラセニル、ビフェニル又はテルフェニルであり、これらは、置換されていなくてもよいし、又は、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、シアノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリール及びヘテロアリール基からなる群から選択される置換基で置換されていてもよいし、あるいは、アリール基は、アニールされた環系の一部であってもよい。
【0031】
特に好ましいアリール置換基は、以下の置換又は非置換アリール系:
【化6】
から誘導され、そのうち、フェニル及びビフェニルが特に好ましい。
【0032】
R
1及びR
2について特に好ましいヘテロアリール基は、以下の通りである。
【化7】
【0033】
これらの環系全てにおいて、窒素原子の1つ以上を、以下に示すように例を2つだけ挙げると、O又はSのような別のヘテロ原子で置換してもよい。
【化8】
【0034】
ヘテロアリール置換基のさらに別の好ましい基は、以下に示す6員環系を含む。
【化9】
【0035】
ヘテロアリール基は、アニールされた環系を形成するか、又はその一部であってもよく、ここで複数の環が縮合又はアニールされている。
【0036】
前述した脂肪族、炭素環式、芳香族又は複素環式基の任意の置換基は、好ましくは、脂肪族基、炭素環式基、芳香族基若しくは複素環式基、オキソ、OR
7、NR
8R
9又はSR
10基から選択され、ここで、R
7〜R
10は、同じでも異なっていてもよく、水素、1〜20個の炭素原子を有する脂肪族基、炭素環式基、芳香族基又は複素環式基を表す。
【0037】
さらに別の好ましい実施形態によれば、脂肪族、炭素環式、芳香族又は複素環式基の置換基は、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、オキソ、アミノ、置換されたアミノ、シアノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリール及びヘテロアリール基、さらに好ましくは、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、シアノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリール及びヘテロアリール基からなる群から選択される。
【0038】
当業者には、立体化学的理由から、本発明の化合物においてR
1及びR
2の特定の組合せが排除されるか、又は困難となることは明らかであるため、これに関してさらに詳しい説明は本明細書では必要ない。
【0039】
Ar
1及びAr
2は、同じでも異なっていてもよく、置換基R
1〜R
5について前述した芳香環系又はヘテロ芳香環系から選択することができ、従って、この点についてはそれらを参照されたい。好ましくは、Ar
1及び又はAr
2は、同じでも異なっていてもよく、上に定義した通りのアリール環系であり、好ましくは、フェニル又はナフチルであり、これらは置換又は非置換のいずれであってもよい。
【0040】
本発明の好ましい化合物の別の基は、n、m又はoの少なくとも1つが、1〜3の整数を表すものである。
【0041】
また、m及びoが両方0である化合物も好ましい。
【0042】
さらに、このような化合物(m及びoが0である)のうち、以下の一般式:
【化10】
(L
1は、上に定義した意味のいずれかを有しうる)
の化合物も好ましい。
【0043】
SBF又は開放型(または開環型)SBF環系は、置換基L
1以外に追加の置換基を含んでも、含まなくてもよい。存在する場合、このような追加置換基は、それらが発生する各位置で同じでも異なっていてもよく、一般に、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、シアノ、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリール及びヘテロアリール基から選択される。