特許第6182408号(P6182408)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6182408フラットケーブルと接続端子の接続方法、フラットケーブル付きコネクタユニットの製造方法、コネクタ集合体、フラットケーブル付きコネクタ、及びフラットケーブル付きコネクタユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6182408
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】フラットケーブルと接続端子の接続方法、フラットケーブル付きコネクタユニットの製造方法、コネクタ集合体、フラットケーブル付きコネクタ、及びフラットケーブル付きコネクタユニット
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/00 20060101AFI20170807BHJP
   H01B 7/08 20060101ALI20170807BHJP
   H01B 13/00 20060101ALI20170807BHJP
   H01R 43/00 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   H01B7/00 306
   H01B7/08
   H01B13/00 521
   H01B13/00 525G
   H01R43/00 J
【請求項の数】11
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-193362(P2013-193362)
(22)【出願日】2013年9月18日
(65)【公開番号】特開2015-60707(P2015-60707A)
(43)【公開日】2015年3月30日
【審査請求日】2016年7月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(72)【発明者】
【氏名】水谷 知章
(72)【発明者】
【氏名】浅見 和彦
【審査官】 和田 財太
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭60−092410(JP,U)
【文献】 特開平09−115344(JP,A)
【文献】 特開平11−329654(JP,A)
【文献】 特開平11−191324(JP,A)
【文献】 特開2010−092656(JP,A)
【文献】 特開2009−087833(JP,A)
【文献】 特開2004−032877(JP,A)
【文献】 特開2004−119293(JP,A)
【文献】 特開2012−182072(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 7/00
H01B 7/08
H01B 13/00
H01R 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平角導体と、絶縁被覆とを備えたフラットケーブルの前記平角導体に接続端子を接続する接続方法であって、
前記接続端子を保持する一方の保持部材と他方の保持部材とを、突き合わせ面で突き合わせて並列配置した状態で、前記フラットケーブルを、前記突き合わせ面同士が突き合わさる突き合わせ部分を跨ぐように接続面に配置するフラットケーブル配置工程と、
前記突き合わせ部分において、前記フラットケーブルを分断するフラットケーブル分断工程と、
前記接続端子と前記フラットケーブルの前記平角導体とが交差する所定の交差部分を接続部として両者を電気的に接続するフラットケーブル接続工程とを有する
フラットケーブルと接続端子の接続方法。
【請求項2】
前記フラットケーブルの長手方向において相対的に凹む凹部と、前記フラットケーブルの長手方向において相対的に突出する凸部とを前記突き合わせ面に備えた前記一方の保持部材と前記他方の保持部材とを、前記凹部と前記凸部とを互いに嵌合状態で突き合わせて並列配置した状態で、前記フラットケーブルを、前記突き合わせ部分を跨ぐように前記接続面に配置する前記フラットケーブル配置工程を有する
請求項1に記載のフラットケーブルと接続端子の接続方法。
【請求項3】
平角導体と、絶縁被覆とを備えたフラットケーブルの前記平角導体に接続する接続端子を備えたコネクタにより構成したフラットケーブル付きコネクタユニットの製造方法であって、
前記接続端子を保持するとともに、前記フラットケーブルの長手方向において相対的に凹む凹部と、前記フラットケーブルの長手方向において相対的に突出する凸部とを突き合わせ面に備えた第1保持部材と第2保持部材とを、前記凹部と前記凸部とを互いに嵌合状態で突き合わせて並列配置した状態で、前記フラットケーブルを、前記突き合わせ面同士が突き合わさる突き合わせ部分を跨ぐように接続面に配置するフラットケーブル配置工程と、
前記突き合わせ部分において、前記フラットケーブルを分断するフラットケーブル分断工程と、
前記接続端子と前記フラットケーブルの前記平角導体とが交差する所定の交差部分を接続部として両者を電気的に接続するフラットケーブル接続工程と有するとともに
方の保持部材と他方の保持部材とで構成したコネクタ集合体を、第1中間コネクタ集合体と第2中間コネクタ集合体として2組を備え、
前記第1中間コネクタ集合体のうちいずれか一方の前記第1保持部材と、前記第2中間コネクタ集合体のうちいずれか一方の前記第2保持部材とを、前記突き合わせ面のそれぞれの前記凸部同士が前記接続面の幅方向においてオーバーラップするように互いの前記凸部同士を突き合わせた状態で並列配置する保持部材配置工程を有する
フラットケーブル付きコネクタユニットの製造方法。
【請求項4】
平角導体と、絶縁被覆とを備えたフラットケーブルの前記平角導体に接続する接続端子を備えたコネクタにより構成したコネクタ集合体であって、
前記接続端子を保持する一方の保持部材と他方の保持部材とを一対備えるとともに、前記一方の保持部材と前記他方の保持部材とを互いに突き合わせ状態で並列配置可能に構成し、
前記一方の保持部材及び前記他方の保持部材のそれぞれに接続面を備えるとともに、
前記一方の保持部材及び前記他方の保持部材のそれぞれに、これら一対の保持部材を並列配置した状態で突き合わさる突き合わせ面を備え、
前記接続面を、前記突き合わせ面同士が突き合わさる突き合わせ部分を跨ぐように前記フラットケーブルを配置可能な幅を有するように構成し、
前記突き合わせ部分を、該突き合わせ部分を跨ぐように配置した前記フラットケーブルを分断可能に並列配置方向に連続するように構成した
コネクタ集合体。
【請求項5】
前記保持部材において、前記接続端子と前記フラットケーブルの前記平角導体とが交差する所定の交差部分で両者を電気的に接続する接続部と対応する位置に、前記接続端子より大きい幅を有するとともに、前記接続面から該接続面と反対側の面に向かって貫通する貫通孔を備えた
請求項4に記載のコネクタ集合体。
【請求項6】
前記保持部材において、前記接続端子の両側の位置に、前記接続面から突出するリブを備えた
請求項4または5に記載のコネクタ集合体。
【請求項7】
前記接続面に、前記フラットケーブルの位置を規制する位置決め部材を備えた
請求項4乃至6のうちいずれかに記載のコネクタ集合体。
【請求項8】
前記位置決め部材を、前記フラットケーブルの前記平角導体間を貫通するように前記接続面から突出し、溶着により前記フラットケーブルの前記絶縁被覆と接着される位置決め凸部により構成した
請求項7に記載のコネクタ集合体。
【請求項9】
請求項4乃至8のいずれかに記載のコネクタ集合体を構成する前記コネクタにおいて、前記接続端子と、前記突き合わせ面同士が突き合わさる突き合わせ部分を跨ぐように配置した前記フラットケーブルの前記平角導体とが交差する所定の交差部分を電気的に接続した接続部を備え、
前記保持部材に、前記突き合わせ部分で分断した前記フラットケーブルを配設した
フラットケーブル付きコネクタ。
【請求項10】
請求項4乃至8のいずれかに記載のコネクタ集合体を構成する一対の前記コネクタにおいて、前記保持部材を構成する第1保持部材及び第2保持部材の前記突き合わせ面を、前記フラットケーブルの長手方向において相対的に凹む凹部と、前記フラットケーブルの長手方向において相対的に突出する凸部とを備えて、互いに嵌合状態で突き合わさる面で構成し、
前記コネクタ集合体を、第1中間コネクタ集合体と第2中間コネクタ集合体として2組を備え、
前記第1中間コネクタ集合体のうちいずれか一方の前記第1保持部材と、前記第2中間コネクタ集合体のうちいずれか一方の前記第2保持部材とを、互いの前記突き合わせ面を突き合わせた状態において、該突き合わせ面のそれぞれの前記凸部同士が前記接続面の幅方向においてオーバーラップするように前記凹部及び前記凸部を配設し、
前記接続端子と、前記突き合わせ面同士が突き合わさる突き合わせ部分を跨ぐように配置した前記フラットケーブルの前記平角導体とが交差する所定の交差部分を電気的に接続した接続部を備え、
前記第1中間コネクタ集合体のうちいずれか一方の前記第1保持部材と、前記第2中間コネクタ集合体のうちいずれか一方の前記第2保持部材とに、前記突き合わせ部分で分断した前記フラットケーブルを配設し、
前記第1中間コネクタ集合体のうちいずれか一方の前記第1保持部材と、前記第2中間コネクタ集合体のうちいずれか一方の前記第2保持部材とを、互いの前記凸部同士を突き合わせた状態で並列配置した
フラットケーブル付きコネクタユニット。
【請求項11】
前記凸部と前記凹部とを前記突き合わせ面に1組備え、
前記凸部と前記凹部の境界部を、前記接続面に配置する前記フラットケーブルの幅方向中央部と対応する位置に配置した
請求項10に記載のフラットケーブル付きコネクタユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コネクタを効率的に製造することができるフラットケーブルと接続端子の接続方法、フラットケーブル付きコネクタユニットの製造方法、コネクタ集合体、フラットケーブル付きコネクタ、およびフラットケーブル付きコネクタユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、平角導体と、絶縁被覆とを備えたフラットケーブルの前記平角導体に、保持部材に保持された接続端子を接続したフラットケーブル付きコネクタが知られている(下記特許文献1,2参照)。
【0003】
上述したフラットケーブル付きコネクタを製造する際には、先ず、保持部材の接続面に、長尺のフラットケーブルを配置する。ここでは、接続端子と平角導体とが交差するように両者を接続面上で重ね合わせる。そして、保持部材の一端からはみ出たフラットケーブルを分断するとともに、接続端子と平角導体とを重ね合わせた交差部分で、両者を抵抗溶接や超音波溶接等の適宜の方法により電気的に接続する。
【0004】
しかしながら、フラットケーブルを分断する工程では、フラットケーブルの分断を適切に行うめに、保持部材からはみ出たフラットケーブルを手や治具等で押さえてふらつかないようにする必要があり、作業の煩雑化を招いたり、新たな治具が必要になったりする等の問題があった。このため、フラットケーブル付きコネクタを製造するする作業において、その効率の低下を招いていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−210417号公報
【特許文献2】特開2012−182072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、フラットケーブル付きコネクタを効率的に製造することができるフラットケーブルと接続端子の接続方法、フラットケーブル付きコネクタユニットの製造方法、コネクタ集合体、フラットケーブル付きコネクタ、およびフラットケーブル付きコネクタユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、平角導体と、絶縁被覆とを備えたフラットケーブルの前記平角導体に接続端子を接続する接続方法であって、前記接続端子を保持する一方の保持部材と他方の保持部材とを、突き合わせ面で突き合わせて並列配置した状態で、前記フラットケーブルを、前記突き合わせ面同士が突き合わさる突き合わせ部分を跨ぐように接続面に配置するフラットケーブル配置工程と、前記突き合わせ部分において、前記フラットケーブルを分断するフラットケーブル分断工程と、前記接続端子と前記フラットケーブルの前記平角導体とが交差する所定の交差部分を接続部として両者を電気的に接続するフラットケーブル接続工程とを有することを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、フラットケーブル付きコネクタを効率的に製造することができる。
詳しくは、フラットケーブルを、突き合わせ部分を跨ぐように接続面に配置することで、一方の保持部材の一端からはみ出たフラットケーブルを他方の保持部材(接続面)で保持することができ、フラットケーブル分断工程におけるフラットケーブルのふらつきを他方の保持部材を利用して抑制することができる。
【0009】
このため、フラットケーブルのふらつきを抑制するためにこれを手や治具等で押さえることが不要になり、作業の煩雑化や、新たな治具が必要になるといった不都合をなくすことができる。そして、フラットケーブルの分断によって、2つのフラットケーブル付きコネクタを一度に製造することができる。従って、フラットケーブル付きコネクタを効率的に製造することができる。
【0010】
なお、フラットケーブル接続工程をフラットケーブル分断工程の前に行った場合、フラットケーブルを分断した際に該フラットケーブルが切断刃にくっついてしまい、接続端子とフラットケーブルとの接続部を剥がしてしまう虞がある。このため、フラットケーブル接続工程は、フラットケーブル分断工程の後に行うのがより好ましい。
【0011】
この発明の態様として、前記フラットケーブルの長手方向において相対的に凹む凹部と、前記フラットケーブルの長手方向において相対的に突出する凸部とを前記突き合わせ面に備えた前記一方の保持部材と前記他方の保持部材とを、前記凹部と前記凸部とを互いに嵌合状態で突き合わせて並列配置した状態で、前記フラットケーブルを、前記突き合わせ部分を跨ぐように前記接続面に配置する前記フラットケーブル配置工程を有することができる。
【0012】
この発明により、フラットケーブルを分断した後、該フラットケーブルの端部が、その長手方向において凸部の先端から離間した位置に配置されることになる。
この場合、例えば、一方の保持部材と他方の保持部材とを並列配置した2組の中間コネクタ集合体を備え、第1中間コネクタ集合体のうちいずれか一方の保持部材と、第2中間コネクタ集合体のうちいずれか一方の保持部材を、突き合わせ面のそれぞれの凸部同士が接続面の幅方向においてオーバーラップするように互いの凸部同士を突き合わせた状態で並列配置することにより、2つのフラットケーブルの端部間に所定の間隔を形成することができる。
【0013】
このようにして、フラットケーブルの端部間に所定の間隔を形成することで、フラットケーブル同士の短絡を確実に防止でき、その結果、フラットケーブルにより構成した回路系統の電気的特性低下を防止できる。
【0014】
またこの発明は、平角導体と、絶縁被覆とを備えたフラットケーブルの前記平角導体に接続する接続端子を備えたコネクタにより構成したフラットケーブル付きコネクタユニットの製造方法であって、前記接続端子を保持するとともに、前記フラットケーブルの長手方向において相対的に凹む凹部と、前記フラットケーブルの長手方向において相対的に突出する凸部とを突き合わせ面に備えた第1保持部材と第2保持部材とを、前記凹部と前記凸部とを互いに嵌合状態で突き合わせて並列配置した状態で、前記フラットケーブルを、前記突き合わせ面同士が突き合わさる突き合わせ部分を跨ぐように接続面に配置するフラットケーブル配置工程と、前記突き合わせ部分において、前記フラットケーブルを分断するフラットケーブル分断工程と、前記接続端子と前記フラットケーブルの前記平角導体とが交差する所定の交差部分を接部として両者を電気的に接続するフラットケーブル接続工程と有するとともに、一方の保持部材と他方の保持部材とで構成したコネクタ集合体を、第1中間コネクタ集合体と第2中間コネクタ集合体として2組を備え、前記第1中間コネクタ集合体のうちいずれか一方の前記第1保持部材と、前記第2中間コネクタ集合体のうちいずれか一方の前記第2保持部材とを、前記突き合わせ面のそれぞれの前記凸部同士が前記接続面の幅方向においてオーバーラップするように互いの前記凸部同士を突き合わせた状態で並列配置する保持部材配置工程を有することを特徴とする。
【0015】
この発明により、フラットケーブルを分断した後、該フラットケーブルの端部が、その長手方向において凸部の先端から離間した位置に配置されることになる。このため、2つのフラットケーブルの端部間に所定の間隔を形成することができる。このようにして、フラットケーブルの端部間に所定の間隔を形成することで、フラットケーブル同士の短絡を確実に防止でき、その結果、フラットケーブルにより構成した回路系統の電気的特性低下を防止できるフラットケーブル付きコネクタユニットを提供することができる。
【0016】
またこの発明は、平角導体と、絶縁被覆とを備えたフラットケーブルの前記平角導体に接続する接続端子を備えたコネクタにより構成したコネクタ集合体であって、前記接続端子を保持する一方の保持部材と他方の保持部材とを一対備えるとともに、前記一方の保持部材と前記他方の保持部材とを互いに突き合わせ状態で並列配置可能に構成し、前記一方の保持部材及び前記他方の保持部材のそれぞれに接続面を備えるとともに、前記一方の保持部材及び前記他方の保持部材のそれぞれに、これら一対の保持部材を並列配置した状態で突き合わさる突き合わせ面を備え、前記接続面を、前記突き合わせ面同士が突き合わさる突き合わせ部分を跨ぐように前記フラットケーブルを配置可能な幅を有するように構成し、前記突き合わせ部分を、該突き合わせ部分を跨ぐように配置した前記フラットケーブルを分断可能に並列配置方向に連続するように構成したことを特徴とする。
【0017】
この発明により、フラットケーブル付きコネクタを効率的に製造することができる。
詳しくは、フラットケーブルを、突き合わせ部分を跨ぐように接続面に配置することで、一方の保持部材の一端からはみ出たフラットケーブルを他方の保持部材(接続面)で保持することができ、フラットケーブルを突き合わせ部分で分断する際、フラットケーブルのふらつきを他方の保持部材を利用して抑制することができる。
【0018】
このため、フラットケーブルのふらつきを抑制するためにこれを手や治具等で押さえることが不要になり、作業の煩雑化や、新たな治具が必要になるといった不都合をなくすことができる。そして、フラットケーブルの分断によって、2つのフラットケーブル付きコネクタを一度に製造することができる。従って、フラットケーブル付きコネクタを効率的に製造することができる。
なお、接続面でのフラットケーブルの保持は、例えば、接続面から突出する位置決め凸部による固定によって行うことができる。
【0019】
この発明の態様として、前記保持部材において、前記接続端子と前記フラットケーブルの前記平角導体とが交差する所定の交差部分で両者を電気的に接続する接続部と対応する位置に、前記接続端子より大きい幅を有するとともに、前記接続面から該接続面と反対側の面に向かって貫通する貫通孔を備えることができる。
【0020】
この発明により、端子溶接装置の電極を貫通孔に挿入することで、フラットケーブルと接続端子との接続を行うことができる。そして、貫通孔が接続端子より大きい幅を有することで、例えば、フラットケーブルと接続端子との接続を抵抗溶接等によって行う場合、溶接に伴って発生する熱を貫通孔を通じて接続面側及び底面側の両側に効率よく拡散させることができる。このため、前記熱によってフラットケーブルや保持部材が受けるダメージを軽減することができる。
【0021】
また、この発明の態様として、前記保持部材において、前記接続端子の両側の位置に、前記接続面から突出するリブを備えることができる。
この発明により、接続面とフラットケーブルとの間に空隙を形成することができる。これにより、例えば、フラットケーブルと接続端子との接続を抵抗溶接等によって行う場合、溶接に伴って発生する熱が、接続面とフラットケーブルとの間で滞留することを防止できる。このため、前記熱によってフラットケーブルや保持部材が受けるダメージを軽減することができる。
【0022】
また、この発明の態様として、前記接続面に、前記フラットケーブルの位置を規制する位置決め部材を備えることができる。
この発明により、保持部材に保持される接続端子に対して適切な位置にフラットケーブルを配置することができる。これにより、フラットケーブルと接続端子とを適切な位置で接続することができ、その結果、フラットケーブルにより構成される回路系統の電気的特性向上を図ることができる。
【0023】
また、この発明の態様として、前記位置決め部材を、前記フラットケーブルの前記平角導体間を貫通するように前記接続面から突出し、溶着により前記フラットケーブルの前記絶縁被覆と接着される位置決め凸部により構成することができる。
この発明により、新たな部材を追加することなく、フラットケーブルを確実に位置決めすることができる。
【0024】
またこの発明は、前記コネクタ集合体を構成する前記コネクタにおいて、前記接続端子と、前記突き合わせ面同士が突き合わさる突き合わせ部分を跨ぐように配置した前記フラットケーブルの前記平角導体とが交差する所定の交差部分を電気的に接続した接続部を備え、前記保持部材に、前記突き合わせ部分で分断した前記フラットケーブルを配設したフラットケーブル付きコネクタであることを特徴とする。
この発明により、効率的に製造することができるフラットケーブル付きコネクタとすることができる。
【0025】
またこの発明は、前記コネクタ集合体を構成する一対の前記コネクタにおいて、前記保持部材を構成する第1保持部材及び第2保持部材の前記突き合わせ面を、前記フラットケーブルの長手方向において相対的に凹む凹部と、前記フラットケーブルの長手方向において相対的に突出する凸部とを備えて、互いに嵌合状態で突き合わさる面で構成し、前記コネクタ集合体を、第1中間コネクタ集合体と第2中間コネクタ集合体として2組を備え、前記第1中間コネクタ集合体のうちいずれか一方の前記第1保持部材と、前記第2中間コネクタ集合体のうちいずれか一方の前記第2保持部材とを、互いの前記突き合わせ面を突き合わせた状態において、該突き合わせ面のそれぞれの前記凸部同士が前記接続面の幅方向においてオーバーラップするように前記凹部及び前記凸部を配設し、前記接続端子と、前記突き合わせ面同士が突き合わさる突き合わせ部分を跨ぐように配置した前記フラットケーブルの前記平角導体とが交差する所定の交差部分を電気的に接続した接続部を備え、前記第1中間コネクタ集合体のうちいずれか一方の前記第1保持部材と、前記第2中間コネクタ集合体のうちいずれか一方の前記第2保持部材とに、前記突き合わせ部分で分断した前記フラットケーブルを配設し、前記第1中間コネクタ集合体のうちいずれか一方の前記第1保持部材と、前記第2中間コネクタ集合体のうちいずれか一方の前記第2保持部材とを、互いの前記凸部同士を突き合わせた状態で並列配置したフラットケーブル付きコネクタユニットであることを特徴とする。
【0026】
この発明により、フラットケーブル付きコネクタユニットを構成するフラットケーブル付きコネクタを効率的に製造することができる。そして、フラットケーブルを分断した後、該フラットケーブルの端部が、その長手方向において凸部の先端から離間した位置に配置されることになるため、2つのフラットケーブルの端部間に所定の間隔を形成することができる。このようにして、フラットケーブルの端部間に所定の間隔を形成することで、フラットケーブル同士の短絡を確実に防止でき、その結果、フラットケーブルにより構成した回路系統の電気的特性低下を防止できる。
【0027】
この発明の態様として、前記凸部と前記凹部とを前記突き合わせ面に1組備え、前記凸部と前記凹部の境界部を、前記接続面に配置する前記フラットケーブルの幅方向中央部と対応する位置に配置することができる。
【0028】
この発明により、フラットケーブルの分断によって、同型のフラットケーブル付きコネクタを容易に製造することができる。
詳しくは、凹部と凸部の境界部を、フラットケーブルの幅方向の中央部からずれた位置に配置した場合、同型の一対の保持部材でコネクタ集合体を構成すると、フラットケーブルの配置位置が互いに幅方向にずれてしまい、フラットケーブルを配置することができなくなってしまう。
【0029】
これに対し、凸部と凹部の境界部を、フラットケーブルの幅方向の中央部と対応する位置に配置した場合には、保持部材が同型であったとしても、フラットケーブルの配置位置を幅方向において同じ位置に揃えることができる。これにより、突き合わせ部分を跨ぐようにフラットケーブルを配置することができ、同型の2つのフラットケーブル付きコネクタを容易に製造することができる。
【発明の効果】
【0030】
この発明によれば、フラットケーブル付きコネクタを効率的に製造することができるフラットケーブルと接続端子の接続方法、フラットケーブル付きコネクタユニットの製造方法、コネクタ集合体、フラットケーブル付きコネクタ、およびフラットケーブル付きコネクタユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の実施形態に係るフラットケーブル付きコネクタユニットを備えた回転コネクタ装置を示す斜視図。
図2】本発明の実施形態に係るフラットケーブル付きコネクタユニットを示す平面図。
図3図2の分解斜視図。
図4】保持部材の要部拡大図であり、凸部同士を突き合わせた部位及びその周辺を示す斜視図。
図5】接続部及びその周辺を示す縦断面図。
図6】凸部同士を突き合わせた部位におけるフラットケーブルの配置を示す平面図。
図7】コネクタ集合体を示す平面図。
図8】フラットケーブル配置工程を説明するための説明図。
図9】フラットケーブル分断工程を説明するための説明図。
図10】保持部材配置工程を説明するための説明図。
図11】凹部と凸部の境界部を、接続面に配置するフラットケーブルの幅方向中央部と対応する位置に配置する効果を説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
この発明の一実施形態を以下図面に基づいて詳述する。
なお、図1は本発明の実施形態に係るフラットケーブル付きコネクタユニット3を備えた回転コネクタ装置1を示す斜視図である。図2は本発明の実施形態に係るフラットケーブル付きコネクタユニット3を示す平面図であり、図3図2の分解斜視図である。図4は保持部材31A,31Bの要部拡大図であり、凸部31j,31j同士を突き合わせた部位及びその周辺を示す斜視図である。図5は接続部33及びその周辺を示す縦断面図、図6は凸部31j,31j同士を突き合わせた部位におけるフラットケーブル2A,2Bの配置を示す平面図である。
【0033】
図7図11はフラットケーブル付きコネクタユニット3の製造方法を説明するための説明図であり、図7は、フラットケーブル付きコネクタユニット3の製造の際に使用するコネクタ集合体7A,7Bを示す平面図、図8はフラットケーブル配置工程を説明するための説明図、図9はフラットケーブル分断工程を説明するための説明図、図10は保持部材配置工程を説明するための説明図である。図11は凹部31iと凸部31jの境界部を、接続面31aに配置するフラットケーブル2の幅方向中央部と対応する位置に配置する効果を説明するための説明図である。
【0034】
図1は、自動車等の車両においてステアリングホイール側と車体側(ステアリングコラム側)との間を電気的に接続するために用いられる回転コネクタ装置1であり、このコネクタ装置1は、ケーブルハウジング11と、図示省略のリテーナと、回転ロックユニット等で構成している。
【0035】
ケーブルハウジング11は、平面視中央部分に軸方向に貫通する差込孔Hが形成された略円筒状の形態で構成されている。なお、差込孔Hは、前記ステアリングコラム(図示省略)に支持された前記ステアリングシャフトの挿入を許容する径で形成されている。
また、前記ステアリングシャフトの上端部には、回転操作を行うためのステアリングホイールが固定されている。
【0036】
ケーブルハウジング11は、相対回転可能に嵌合されたステータ12とロテータ13とで構成している。ケーブルハウジング11の内部には、図2図3図5図6に示す後述のフラットケーブル2A,2Bを適宜巻いた状態で収容する収容空間を構成している。
【0037】
上述した収容空間は、相対回転可能に構成したステータ12の固定側リング板14および外周筒部15と、ロテータ13の回転側リング板16および内周筒部17とで構成されている。
【0038】
ステータ12は、車体側の適宜の部材、例えばステアリングコラムのコンビネーションブラケットスイッチ(図示省略)に固定されている。
また、ステータ12は、底板として環状に形成した固定側リング板14と、この固定側リング板14の外周縁から垂直に延びる円筒状の外周筒部15とで構成している。固定側リング板14の外周縁と外周筒部15の下端とは嵌合により一体に構成している。
【0039】
また、ステータ12には、ステータ側コネクタ収容部18を備えている。
ステータ側コネクタ収容部18は、第1ステータ側コネクタ収容部18Aと第2ステータ側コネクタ収容部18Bとがある。第1ステータ側コネクタ収容部18Aと第2ステータ側コネクタ収容部18Bとは、所定間隔を隔てて外周筒部15の外側に配置されている。
【0040】
また、ロテータ13には、該ロテータ13の回転に伴って一体的に回転するロテータ側コネクタ収容部19を備えている。
ロテータ側コネクタ収容部19は、第1ロテータ側コネクタ収容部19Aと第2ロテータ側コネクタ収容部19Bとがある。
【0041】
このうち、第2ロテータ側コネクタ収容部19Bには、図2図3に示すようなフラットケーブル付きコネクタユニット3(以下、コネクタユニット3と略記する)を収容している。コネクタユニット3は、上述したフラットケーブル2A,2Bを配設したフラットケーブル付きコネクタ30A,30B(以下、コネクタ30A,30Bと略記する)で構成している。
【0042】
フラットケーブル2A,2Bは、図2図3図5図6に示すように、所定間隔を隔てて幅方向Yに並設された複数本の扁平な平角導体21と、該平角導体21を被覆する絶縁被覆22とで構成した可撓性を有する帯状の伝送線である。なお、図中の幅方向Yは、コネクタ30A,30Bに配設したフラットケーブル2A,2Bの長手方向Xと平面視で直交する方向である。
【0043】
コネクタ30A,30Bは、いずれも長板状に形成した樹脂製の保持部材31A,31Bと、該保持部材31A,31Bにより所定位置に保持されたバスバーからなる複数の接続端子32とで構成している。
【0044】
保持部材31A,31Bは、それぞれ接続端子32とフラットケーブル2A,2Bとの重ね合わせによる接続を許容する接続面31aを備え、この接続面31aには、幅方向Yに延びる端子嵌め込み溝31bと、接続面31aから反対側の底面31c(図5参照)に向かって貫通する貫通孔31dと、接続面31aから突出するリブ31e、第1位置決め凸部31f、及び第2位置決め凸部31gとを一体形成している。
【0045】
端子嵌め込み溝31bは、長手方向Xに複数並設しており、各端子嵌め込み溝31bには、接続端子32が嵌め込まれる。接続端子32が端子嵌め込み溝31bに嵌め込まれた状態では、接続端子32が幅方向Yに延びてその一端が接続面31aから突出しているとともに、接続端子32の1つの面が接続面31a上に露出した露出面となっている。
【0046】
フラットケーブル2A,2Bと接続端子32は、抵抗溶接や超音波溶接等の方法によって電気的に接続しており、幅方向Yに延びる接続端子32と長手方向Xに延びるフラットケーブル2A,2Bの平角導体21とが交差する所定の交差部分で両者を接続している。上述した貫通孔31dは、接続端子32とフラットケーブル2A,2Bとの溶接の際に、図5に二点鎖線で示すように端子溶接装置の電極4が挿入される貫通孔であり、接続端子32とフラットケーブル2A,2B(平角導体21)との交差部分で両者を接続した接続部33と対応する位置に配置している。また、貫通孔31dは、接続端子32より大きい幅を有し、接続面31a側と底面31c側とを連通している。
【0047】
リブ31eは、隣接する端子嵌め込み溝31b(接続端子32)の間で幅方向Yに延びるように形成している。これにより、接続部33の長手方向Xの両側のフラットケーブル2A,2Bを、図5に示すように接続面31aから浮いた状態に保持しており、両者の間に空隙を形成している。
【0048】
第1位置決め凸部31fは、フラットケーブル2A,2Bの幅方向Yの両側に位置しており、接続端子32の露出面と接着している。接着前の状態では、第1位置決め凸部31fが、図3図4に示すように接続端子32の長手方向Xの両側に位置しており、コネクタユニット3では、図2図5図6に示すように接続端子32の両側の第1位置決め凸部31f,31f同士を溶着して前記露出面を覆うことにより、両者を接着している。このようにして、第1位置決め凸部31fを接続端子32の露出面に接着することで、接続端子32の位置決めを行っており、この位置決めによって、接続端子32を所定位置に保持している。
【0049】
第2位置決め凸部31gは、保持部材31A,31Bの長手方向Xの端部またはその近傍に位置しており、フラットケーブル2A,2Bの絶縁被覆22と接着している。フラットケーブル2A,2Bでは、図3に示すように一部の絶縁被覆22を予め除去しており、接着前の状態では、図3図4に示すように、第2位置決め凸部31gが、絶縁被覆22の除去により形成した平角導体21,21間の隙間と略対応する形状を有している。
【0050】
コネクタユニット3では、第2位置決め凸部31gが平角導体21,21間を貫通するようにフラットケーブル2A,2Bを配置した後、図2図6に示すように平角導体21の両側の第2位置決め凸部31g,31g同士及び絶縁被覆22を溶着することで、第2位置決め凸部31gと絶縁被覆22とを接着している。このようにして、第2位置決め凸部31gを絶縁被覆22に接着することで、フラットケーブル2A,2Bの位置決めを行っている。
【0051】
また、保持部材31A,31Bは、それぞれその側面に突き合わせ面31hを備えており、該突き合わせ面31hは、図3図4図6に示すように、長手方向Xにおいて相対的に凹む凹部31iと、長手方向Xにおいて相対的に突出する凸部31jとを1組備えている。そして、突き合わせ面31hでは、凹部31iと凸部31jとの境界部を、接続面31aに配置したフラットケーブル2A,2Bの幅方向Yの中央部(図2図6に一点鎖線L1で示す)と対応する位置に配置している。
【0052】
保持部材31A,31Bでは、図3図4図6に示すように、突き合わせ面31h,31hを突き合わせた状態において、突き合わせ面31h,31hのそれぞれの凸部31j,31j同士が接続面31aの幅方向(幅方向Y)においてオーバーラップするように凹部31i、凸部31jを形成しており、コネクタユニット3では、保持部材31A,31Bを、互いの凸部31j,31j同士を突き合わせた状態で並列配置している。
【0053】
また、コネクタユニット3では、フラットケーブル2A,2Bの端部を、長手方向Xにおいて凸部31jの先端から離間した位置に配置しており、フラットケーブル2A,2Bの端部同士を、所定の間隔G(図6参照)を隔てて対向配置している。
【0054】
また、保持部材31A,31Bでは、接続面31aと側面31kとの角部に、第2ロテータ側コネクタ収容部19Bに形成した係止爪(図示省略)と係合可能な被係合凹部31mを備えている。図1に示す回転コネクタ装置1では、被係合凹部31mに前記係合爪を係合させることで、コネクタユニット3(保持部材31A,31B)を第2ロテータ側コネクタ収容部19Bの所定位置に固定することを可能にしている。
【0055】
また、保持部材31A,31Bでは、図3図4に示すように、その底面31cにフラットケーブル2A,2B用の配索溝31nを備えている。便宜上、詳細な図示は省略するが、フラットケーブル2A,2Bは、保持部材31A,31Bの外部で底面31c側に折り返されるとともに、底面31cで適宜折り曲げられることにより配索方向が90度変換され、配索溝31nに通される。配索溝31nの幅方向(長手方向X)両端部には、フラットケーブル2A,2Bの厚み方向の変位を規制する爪部31n1,31n1を形成しており、これにより、保持部材31A,31Bから引き出されるフラットケーブル2A,2Bの位置決めを行っている。
【0056】
フラットケーブル2A,2Bは、配索溝31nから回転コネクタ装置1の前記収容空間内に引き出され、第2ステータ側コネクタ収容部18B内のコネクタ(図示省略)に電気的に接続される。ここで、第2ステータ側コネクタ収容部18B内のコネクタは、ロアコラムカバー(図示省略)内において車体側の電気回路等から引き出されたワイヤハーネスにそれぞれ接続される。
【0057】
また、図1図2に示すワイヤハーネス5は、例えばホーンスイッチ、エアバッグユニット等の電気回路に接続される。ワイヤハーネス5は、図1図2に示すように、撚り線51aを絶縁チューブ51bで被覆した複数本(ここでは4本)のリード線51と、該リード線51を束ねる絶縁被覆52とにより構成しており、その一端側には、上述したホーンスイッチ、エアバッグユニット等の電気回路に接続するためのコネクタ6を取付けている。
【0058】
コネクタユニット3では、ワイヤハーネス5の他端側を保持部材31A側の接続端子32に接続している。保持部材31Aには、図2図3に示すように、リード線接続部31pを一体形成しており、このリード線接続部31pでは、ワイヤハーネス5を構成するリード線51に対応して接続端子32を配設するとともに、該接続端子32毎に固定溝31qを一体形成している。
【0059】
リード線接続部31pの固定溝31qは、リード線51を嵌め込むためのものであり、固定溝31qの側壁に複数の突起31q1を形成している。これにより、リード線51を固定溝31qに嵌め込んだ時、絶縁チューブ51bが固定溝31qに確実に把持されるようになっている。
【0060】
ワイヤハーネス5と接続端子32との接続の際には、まず、リード線51を固定溝31qに嵌め込み、撚り線51aの先端を固定溝31q内で各接続端子32の面上に重ね合わせる。そして、固定溝31q内にセラミックスを注入し、各リード線51の撚り線51aと接続端子32とを溶着する。これにより、固定溝31q内における撚り線51aのばらつき、ひいては撚り線51aと接続端子32との接続ばらつきを防止することができる。
【0061】
続いて、上述したコネクタユニット3の製造方法について図7図10を用いて説明する。
まず、図7に示す2組のコネクタ集合体7A,7Bを用意する。図7(a)に示すネクタ集合体7Aは、一対の保持部材31A,31Cで構成している。ここで、保持部材31Cは、保持部材31A,31Bと同様、接続面31aや端子嵌め込み溝31b等を一体形成している。保持部材31Cでは、突き合わせ面31hを、保持部材31Aの突き合わせ面31hと嵌合状態で突き合わさる面で構成しており、詳しくは、突き合わせ面31hが、保持部材31Aの突き合わせ面31hの凹部31i、凸部31jと嵌合状態で突き合わさる凸部31j、凹部31iを備えている。
【0062】
コネクタ集合体7Aでは、上述した凹部31i、凸部31jを互いに嵌合状態で突き合わせて保持部材31A,31Cを並列配置している。なお、ここでいう嵌合状態とは、凹部31i、凸部31j同士が略隙間無く嵌合することを意味する。
【0063】
一方、図7(b)に示すネクタ集合体7Bは、同型の一対の保持部材31B,31Dで構成している。ここで、保持部材31Dは、保持部材31A,31Bと同様、接続面31aや端子嵌め込み溝31b等を一体形成している。保持部材31Dでは、突き合わせ面31hを、保持部材31Bの突き合わせ面31hと嵌合状態で突き合わさる面で構成しており、詳しくは、突き合わせ面31hが、保持部材31Bの突き合わせ面31hの凹部31i、凸部31jと嵌合状態で突き合わさる凸部31j、凹部31iを備えている。コネクタ集合体7Bでは、上述した凹部31i、凸部31jを互いに嵌合状態で突き合わせて保持部材31B,31Dを並列配置している。
【0064】
次に、図8に示すフラットケーブル配置工程を行う。このフラットケーブル配置工程では、コネクタ集合体7A,7Bのそれぞれに対し、フラットケーブル2を、突き合わせ面31h,31h同士が突き合わさる突き合わせ部分71,72を跨ぐように接続面31a,31aに配置する。ここでは、後述するフラットケーブル接続工程のために、第2位置決め凸部31gが平角導体21,21間を貫通するようにフラットケーブル2を配置する。なお、図8図10では、便宜上、接続部33の図示を省略している。
【0065】
次に、図9に示すフラットケーブル分断工程を行う。このフラットケーブル分断工程では、保持部材31A,31C及び保持部材31B,31Dの並列配置方向に連続した突き合わせ部分71,72でフラットケーブル2を分断する(図9に二点鎖線で示す分断線L2,L3参照)。
【0066】
これにより、フラットケーブル2A〜2Dをそれぞれ配設した4つのコネクタ30A〜30D(図10参照)を製造する。フラットケーブル2A〜2Dでは、突き合わせ部分71,72でフラットケーブル2を分断したことにより、フラットケーブル2A〜2Dの端部が、長手方向Xにおいて凸部31jの先端から離間した位置に配置される。
【0067】
次に、フラットケーブル接続工程を行う。このフラットケーブル接続工程では、まず、平角導体21の両側の第2位置決め凸部31g,31g同士及び絶縁被覆22を溶着することで、第2位置決め凸部31gと絶縁被覆22とを接着し、フラットケーブル2の位置決めを行う。そして、接続端子32とフラットケーブル2の平角導体21とが交差する所定の交差部分を溶接することにより、両者を電気的に接続する。
【0068】
次に、図10に示す保持部材配置工程を行う。この保持部材配置工程では、図10に実線で示すように、コネクタ集合体7Aのうち一方のコネクタ30A(保持部材31A)と、コネクタ集合体7Bのうち一方のコネクタ30B(保持部材31B)とを選択する。
【0069】
そして、突き合わせ面31h,31hのそれぞれの凸部31j,31j同士が接続面31aの幅方向においてオーバーラップするように互いの凸部31j,31j同士を突き合わせた状態で、保持部材31A,31Bを並列配置する。これにより、コネクタユニット3が完成する。コネクタユニット3では、フラットケーブル2A,2Bの端部が、長手方向Xにおいて凸部31jの先端から離間した位置に配置されることで、対向配置したフラットケーブル2A,2Bの端部間には、所定の間隔G(図6参照)が形成される。
【0070】
以上に示したように、平角導体21と、絶縁被覆22とを備えたフラットケーブル2A〜2Dの平角導体21に接続端子32を接続する接続方法は、接続端子32を保持する一方の保持部材31A,31Bと他方の保持部材31C,31Dとを、突き合わせ面31h,31hで突き合わせて並列配置した状態で、フラットケーブル2を、突き合わせ面31h,31h同士が突き合わさる突き合わせ部分71,72を跨ぐように接続面31aに配置するフラットケーブル配置工程と、突き合わせ部分71,72において、フラットケーブル2を分断するフラットケーブル分断工程と、接続端子32とフラットケーブル2の平角導体21とが交差する所定の交差部分を接続部33として両者を電気的に接続するフラットケーブル接続工程と有する。
【0071】
上述したフラットケーブル2A〜2Dと接続端子32の接続方法によれば、コネクタ30A〜30Dを効率的に製造することができる。
詳しくは、フラットケーブル2を、突き合わせ部分71,72を跨ぐように接続面31aに配置することで、一方の保持部材31A,31Bの一端からはみ出たフラットケーブル2を他方の保持部材31C,31D(接続面31a)で保持することができ、フラットケーブル分断工程におけるフラットケーブル2のふらつきを他方の保持部材31C,31Dを利用して抑制することができる。
【0072】
このため、フラットケーブル2のふらつきを抑制するためにこれを手や治具等で押さえることが不要になり、作業の煩雑化や、新たな治具が必要になるといった不都合をなくすことができる。そして、フラットケーブル2の分断によって、コネクタ30A,30C、コネクタ30B,30Dを一度に製造することができる。従って、コネクタ30A〜30Dを効率的に製造することができる。
【0073】
また、本実施形態のフラットケーブル2A〜2Dと接続端子32の接続方法では、長手方向Xにおいて相対的に凹む凹部31iと、長手方向Xにおいて相対的に突出する凸部31jとを突き合わせ面31hに備えた一方の保持部材31A,31Bと他方の保持部材31C,31Dとを、凹部31iと凸部31jとを互いに嵌合状態で突き合わせて並列配置した状態で、フラットケーブル2を、突き合わせ部分71,72を跨ぐように接続面31aに配置する前記フラットケーブル配置工程を有する。
【0074】
上述したフラットケーブル2A〜2Dと接続端子32の接続方法によれば、フラットケーブル2を分断した後、フラットケーブル2A〜2Dの端部が、長手方向Xにおいて凸部31jの先端から離間した位置に配置されることになる。
【0075】
この場合、例えば、一方の保持部材31A,31Bと他方の保持部材31C,31Dとを並列配置した2組のコネクタ集合体7A,7Bを備え、コネクタ集合体7Aのうちいずれか一方の保持部材31Aと、コネクタ集合体7Bのうちいずれか一方の保持部材31Bを、突き合わせ面31h,31hのそれぞれの凸部31j,31j同士が接続面31aの幅方向においてオーバーラップするように互いの凸部31j,31j同士を突き合わせた状態で並列配置することにより、2つのフラットケーブル2A,2Bの端部間に所定の間隔G(図6参照)を形成することができる。
【0076】
このようにして、フラットケーブル2A,2Bの端部間に所定の間隔Gを形成することで、フラットケーブル2A,2B同士の短絡を確実に防止でき、その結果、フラットケーブル2A,2Bにより構成した回路系統の電気的特性低下を防止できる。
【0077】
また、平角導体21と、絶縁被覆22とを備えたフラットケーブル2A,2Bの平角導体21に接続する接続端子32を備えたコネクタ30A,30Bにより構成した本実施形態のコネクタユニット3の製造方法は、接続端子32を保持するとともに、長手方向Xにおいて相対的に凹む凹部31iと、長手方向Xにおいて相対的に突出する凸部31jとを突き合わせ面31hに備えた第1の保持部材31A,31Dと第2の保持部材31C,31Bとを、凹部31iと凸部31jとを互いに嵌合状態で突き合わせて並列配置した状態で、フラットケーブル2を、突き合わせ面31h,31h同士が突き合わさる突き合わせ部分71,72を跨ぐように接続面31aに配置するフラットケーブル配置工程と、突き合わせ部分71,72において、フラットケーブル2を分断するフラットケーブル分断工程と、接続端子32とフラットケーブル2の平角導体21とが交差する所定の交差部分を接続部33として両者を電気的に接続するフラットケーブル接続工程と有するとともに、一方の保持部材31A、保持部材31Bと他方の保持部材31C、保持部材31Dとで構成したコネクタ集合体7A,7Bを、第1中間コネクタ集合体と第2中間コネクタ集合体として2組を備え、コネクタ集合体7Aのうちいずれか一方の第1の保持部材31Aと、コネクタ集合体7Bのうちいずれか一方の第2の保持部材31Bとを、突き合わせ面31h,31hのそれぞれの凸部31j,31j同士が接続面31aの幅方向においてオーバーラップするように互いの凸部31j,31j同士を突き合わせた状態で並列配置する保持部材配置工程を有する。
【0078】
上述したコネクタユニット3の製造方法によれば、フラットケーブル2を分断した後、フラットケーブル2A,2Bの端部が、長手方向Xにおいて凸部31jの先端から離間した位置に配置されることになる。このため、2つのフラットケーブル2A,2Bの端部間に所定の間隔Gを形成することができる。このようにして、フラットケーブル2A,2Bの端部間に所定の間隔Gを形成することで、フラットケーブル2A,2B同士の短絡を確実に防止でき、その結果、フラットケーブル2A,2Bにより構成した回路系統の電気的特性低下を防止できるコネクタユニット3を提供することができる。
【0079】
また、平角導体21と、絶縁被覆22とを備えたフラットケーブル2の平角導体21に接続する接続端子32を備えたコネクタ30A〜30Dにより構成した本実施形態のコネクタ集合体7A,7Bは、接続端子32を保持する一方の保持部材31A,31Bと他方の保持部材31C,31Dとを一対備えるとともに、一方の保持部材31A,31Bと他方の保持部材31C,31Dとを互いに突き合わせ状態で並列配置可能に構成し、一方の保持部材31A,31B及び他方の保持部材31C,31Dのそれぞれに接続面31aを備えるとともに、一方の保持部材31A,31B及び他方の保持部材31C,31Dのそれぞれに、これら一対の保持部材31A,31C、保持部材31B,31Dを並列配置した状態で突き合わさる突き合わせ面31hを備え、接続面31aを、突き合わせ面31h,31h同士が突き合わさる突き合わせ部分71,72を跨ぐようにフラットケーブル2を配置可能な幅を有するように構成し、突き合わせ部分71,72を、該突き合わせ部分71,72を跨ぐように配置したフラットケーブル2を分断可能に並列配置方向に連続するように構成している。
【0080】
上述したコネクタ集合体7A,7Bによれば、コネクタ30A〜30Dを効率的に製造することができる。
詳しくは、フラットケーブル2を、突き合わせ部分71,72を跨ぐように接続面31aに配置することで、一方の保持部材31A,31Bの一端からはみ出たフラットケーブル2を他方の保持部材31C,31D(接続面31a)で保持することができ、フラットケーブル2を突き合わせ部分71,72で分断する際、フラットケーブル2のふらつきを他方の保持部材31C,31Dを利用して抑制することができる。
【0081】
このため、フラットケーブル2のふらつきを抑制するためにこれを手や治具等で押さえることが不要になり、作業の煩雑化や、新たな治具が必要になるといった不都合をなくすことができる。そして、フラットケーブル2の分断によって、コネクタ30A,30C、コネクタ30B,30Dを一度に製造することができる。従って、コネクタ30A〜30Dを効率的に製造することができる。
【0082】
また、本実施形態のコネクタ集合体7A,7Bでは、保持部材31A〜31Dにおいて、接続端子32とフラットケーブル2の平角導体21とが交差する所定の交差部分で両者を電気的に接続する接続部33と対応する位置に、接続端子32より大きい幅を有するとともに、接続面31aから該接続面31aと反対側の底面31cに向かって貫通する貫通孔31dを備えている。
【0083】
上述したコネクタ集合体7A,7Bによれば、端子溶接装置の電極4(図5参照)を貫通孔31dに挿入することで、フラットケーブル2と接続端子32との接続を行うことができる。そして、貫通孔31dが接続端子32より大きい幅を有することで、例えば、フラットケーブル2と接続端子32との接続を抵抗溶接等によって行う場合、溶接に伴って発生する熱を貫通孔31dを通じて接続面31a側及び底面31c側の両側に効率よく拡散させることができる。このため、前記熱によってフラットケーブル2や保持部材31A〜31Dが受けるダメージを軽減することができる。
【0084】
また、本実施形態のコネクタ集合体7A,7Bでは、保持部材31A〜31Dにおいて、接続端子32の両側の位置に、接続面31aから突出するリブ31eを備えている。
【0085】
上述したコネクタ集合体7A,7Bによれば、接続面31aとフラットケーブル2との間に、図5に示すような空隙を形成することができる。これにより、例えば、フラットケーブル2と接続端子32との接続を抵抗溶接等によって行う場合、溶接に伴って発生する熱が、接続面31aとフラットケーブル2との間で滞留することを防止できる。このため、前記熱によってフラットケーブル2や保持部材31A〜31Dが受けるダメージを軽減することができる。
【0086】
また、本実施形態のコネクタ集合体7A,7Bでは、接続面31aに、フラットケーブル2の位置を規制する位置決め部材(第2位置決め凸部31g)を備えている。
【0087】
上述したコネクタ集合体7A,7Bによれば、保持部材31A〜31Dに保持される接続端子32に対して適切な位置にフラットケーブル2を配置することができる。これにより、フラットケーブル2と接続端子32とを適切な位置で接続することができ、その結果、フラットケーブル2(フラットケーブル2A〜2D)により構成される回路系統の電気的特性向上を図ることができる。
【0088】
また、本実施形態のコネクタ集合体7A,7Bでは、前記位置決め部材を、フラットケーブル2の平角導体21,21間を貫通するように接続面31aから突出し、溶着によりフラットケーブル2の絶縁被覆22と接着される第2位置決め凸部31gにより構成している。
上述したコネクタ集合体7A,7Bによれば、新たな部材を追加することなく、フラットケーブル2を確実に位置決めすることができる。
【0089】
なお、上述した実施形態では、第2位置決め凸部31gと絶縁被覆22との接着(溶着)によりフラットケーブル2の位置決めを行っているが、本発明は必ずしも、第2位置決め凸部31gと絶縁被覆22とを接着(溶着)しなくてよい。例えば、第2位置決め凸部31gを加熱等により柔らかくし、フラットケーブル2を押さえ込むような形状に加工することのみによって、フラットケーブル2を位置決めするようにしてもよい。
【0090】
また、本実施形態のコネクタ30A〜30Dは、コネクタ集合体7A,7Bを構成するコネクタ30A〜30Dにおいて、接続端子32と、突き合わせ面31h,31h同士が突き合わさる突き合わせ部分71,72を跨ぐように配置したフラットケーブル2の平角導体21とが交差する所定の交差部分を電気的に接続した接続部33を備え、保持部材31A〜31Dに、突き合わせ部分71,72で分断したフラットケーブル2A〜2Dを配設している。
上述したコネクタ30A〜30Dによれば、効率的に製造することができるコネクタ30A〜30Dとすることができる。
【0091】
また、本実施形態のコネクタユニット3は、コネクタ集合体7A,7Bを構成する一対のコネクタ30A,30C及び一対のコネクタ30B,30Dにおいて、第1の保持部材31A,31D及び第2の保持部材31C,31Bの突き合わせ面31hを、長手方向Xにおいて相対的に凹む凹部31iと、長手方向Xにおいて相対的に突出する凸部とを備えて、互いに嵌合状態で突き合わさる面で構成し、コネクタ集合体7A,7Bを、第1中間コネクタ集合体と第2中間コネクタ集合体として2組を備え、コネクタ集合体7Aのうちいずれか一方の第1の保持部材31Aと、コネクタ集合体7Bのうちいずれか一方の第2の保持部材31Bとを、互いの突き合わせ面31h,31hを突き合わせた状態において、該突き合わせ面31h,31hのそれぞれの凸部31j,31j同士が接続面31aの幅方向においてオーバーラップするように凹部31i及び凸部31jを配設し、接続端子32と、突き合わせ面31h,31h同士が突き合わさる突き合わせ部分71,72を跨ぐように配置したフラットケーブル2の平角導体21とが交差する所定の交差部分を電気的に接続した接続部33を備え、第1の保持部材31Aと第2の保持部材31Bとに、突き合わせ部分71,72で分断したフラットケーブル2A,2Bを配設し、第1の保持部材31Aと第2の保持部材31Bとを、互いの凸部31j,31j同士を突き合わせた状態で並列配置している。
【0092】
上述したコネクタユニット3によれば、該コネクタユニット3を構成するコネクタ30A,30Bを効率的に製造することができる。そして、フラットケーブル2を分断した後、フラットケーブル2A,2Bの端部が、長手方向Xにおいて凸部31jの先端から離間した位置に配置されることになるため、2つのフラットケーブル2A,2Bの端部間に所定の間隔Gを形成することができる。このようにして、フラットケーブル2A,2Bの端部間に所定の間隔Gを形成することで、フラットケーブル2A,2B同士の短絡を確実に防止でき、その結果、フラットケーブル2A,2Bにより構成した回路系統の電気的特性低下を防止できる。
【0093】
また、本実施形態のコネクタユニット3は、凸部31jと凹部31iとを突き合わせ面31hに1組備え、凸部31jと凹部31iの境界部を、接続面31aに配置するフラットケーブル2の幅方向Yの中央部と対応する位置に配置している。
【0094】
上述したコネクタユニット3によれば、フラットケーブル2の分断によって、同型の2つのコネクタ30B,30Dを容易に製造することができる。
詳しくは、図11(a)に示す保持部材131のように、凹部131iと凸部131jの境界部を、フラットケーブル2の幅方向Yの中央部からずれた位置(図11(a)に一点鎖線L4で示す)に配置した場合、同型の一対の保持部材131,131でコネクタ集合体107を構成すると、図11(b)に示すように、フラットケーブル2の配置位置が互いに幅方向Yにずれてしまい、フラットケーブル2を配置することができなくなってしまう。
【0095】
これに対し、凸部31jと凹部31iの境界部を、フラットケーブル2の幅方向Yの中央部と対応する位置に配置した場合には、保持部材31B,31Dが同型であったとしても、フラットケーブル2の配置位置を幅方向Yにおいて同じ位置に揃えることができる。これにより、突き合わせ部分72を跨ぐようにフラットケーブル2を配置することができ、同型の2つのコネクタ30B,30Dを容易に製造することができる。
【0096】
ところで、上述した実施形態では、保持部材31A〜31Dの突き合わせ面31hに凹部31i及び凸部31jを備えることとしたが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、平坦な突き合せ面を備える構成であってもよい。
【0097】
また、図10に示す保持部材配置工程では、コネクタ集合体7Aのうち一方のコネクタ30A(保持部材31A)と、コネクタ集合体7Bのうち一方のコネクタ30B(保持部材31B)とを選択して、コネクタユニット3を製造することとしたが、例えば、コネクタ集合体7Aのうち他方のコネクタ30C(保持部材31C)と、コネクタ集合体7Bのうち他方のコネクタ30D(保持部材31D)とを選択して、コネクタユニットを製造してもよい。
【0098】
また、上述した実施形態では、回転コネクタ装置1のコネクタユニット3(コネクタ30A,30B)に本発明を適用した場合について説明したが、フラットケーブルを接続端子に接続する構造であれば、回転コネクタ装置1のコネクタユニット3(コネクタ30A,30B)に必ずしも限定されない。
【0099】
この発明の構成と、実施形態との対応において、
この発明の第1保持部材は、保持部材31Aに対応し、
以下同様に、
第2保持部材は、保持部材31Bに対応し、
第1中間コネクタ集合体は、コネクタ集合体7Aに対応し、
第2中間コネクタ集合体は、コネクタ集合体7Bに対応し、
位置決め凸部は、第2位置決め凸部31gに対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【符号の説明】
【0100】
2,2A,2B,2C,2D…フラットケーブル
3…フラットケーブル付きコネクタユニット
7A,7B…コネクタ集合体
21…平角導体
22…絶縁被覆
30A,30B,30C,30D…フラットケーブル付きコネクタ
31A,31B,31C,31D…保持部材
31a…接続面
31c…底面
31d…貫通孔
31e…リブ
31g…第2位置決め凸部
31h…突き合わせ面
31i…凹部
31j…凸部
32…接続端子
33…接続部
71,72…突き合わせ部分
図1
図2
図3
図4
図5
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図9
図10
図11