(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記筐体の内径をRB、開口部から底面までの深さをPB、前記底面から前記電極までの距離をd3とし、前記筐体の収容されるカプラの環状形状を有する電極の半径をR、開口部から底面までの深さをPとし、前記送受電用カプラ間の距離をd2とした場合に、これらの間に、
RB≧1.1×R
PB≧d3≧d2/2
が成立することを特徴とする請求項2に記載の無線電力伝送システム。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】直列共振を利用する無線電力伝送システムを構成する送電装置の詳細な構成例を示す図である。
【
図2】直列共振を利用する無線電力伝送システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図2に示す無線電力伝送システムの等価回路である。
【
図4】
図2に示す無線電力伝送システムの伝送効率および反射損の周波数特性を示す図である。
【
図5】
図2に示す送電用カプラのインピーダンスのスミスチャートを示す図である。
【
図6】
図2に示す送受電用カプラを地板の窓部内に配置した場合の状態を示す図である。
【
図7】
図6に示す場合の伝送効率および反射損の周波数特性を示す図である。
【
図8】
図6に示す場合の送電用カプラのインピーダンスのスミスチャートを示す図である。
【
図9】
図2に示す送受電用カプラの近傍に地板を配置した状態を示す図である。
【
図10】
図9に示す場合の伝送効率および反射損の周波数特性を示す図である。
【
図11】
図9に示す場合の送電用カプラのインピーダンスのスミスチャートを示す図である。
【
図12】本発明の第1実施形態の構成例を示す図である。
【
図14】
図1に示す送電用カプラを筐体に収容する状態を示す図である。
【
図15】筐体に収容した場合でも特性が変化しないための変形例を示す図である。
【
図16】
図12に示す第1実施形態の伝送効率および反射損の周波数特性を示す図である。
【
図17】
図12に示す第1実施形態の送電用カプラのインピーダンスのスミスチャートを示す図である。
【
図18】
図12に示す第1実施形態に地板を配置した状態を示す図である。
【
図19】
図18に示す状態における伝送効率および反射損の周波数特性を示す図である。
【
図20】
図18に示す状態における送電用カプラのインピーダンスのスミスチャートを示す図である。
【
図21】
図12に示す第1実施形態に地板を配置した状態を示す図である。
【
図22】
図21に示す状態における伝送効率および反射損の周波数特性を示す図である。
【
図23】
図21に示す状態における送電用カプラのインピーダンスのスミスチャートを示す図である。
【
図24】本発明の第2実施形態の原理を説明するための図である。
【
図25】
図24に示す例の伝送効率および反射損の周波数特性を示す図である。
【
図26】
図24に示す例の送電用カプラのインピーダンスのスミスチャートを示す図である。
【
図27】
図24に示す例の送受電用カプラの近傍に地板を配置した状態を示す図である。
【
図28】
図27に示す状態における伝送効率および反射損の周波数特性を示す図である。
【
図29】
図27に示す状態における送電用カプラのインピーダンスのスミスチャートを示す図である。
【
図30】本発明の第2実施形態の構成例を示す図である。
【
図31】筐体に収容した場合でも特性が変化しないための変形例を示す図である。
【
図32】
図30に示す第2実施形態の伝送効率および反射損の周波数特性を示す図である。
【
図33】
図30に示す第2実施形態の送電用カプラのインピーダンスのスミスチャートを示す図である。
【
図34】
図30に示す第2実施形態の送受電用カプラの近傍に地板を配置した状態を示す図である。
【
図35】
図34に示す状態における伝送効率および反射損の周波数特性を示す図である。
【
図36】
図34に示す状態における送電用カプラのインピーダンスのスミスチャートを示す図である。
【
図37】
図30に示す第2実施形態の送受電用カプラの近傍に地板を配置した状態を示す図である。
【
図38】
図37に示す状態における伝送効率および反射損の周波数特性を示す図である。
【
図39】
図37に示す状態における送電用カプラのインピーダンスのスミスチャートを示す図である。
【
図40】本発明の第3実施形態の原理を説明するための図である。
【
図41】
図40のインダクタ周辺の詳細な構成を示す図である。
【
図43】
図40に示す実施形態の電流分布のシミュレーション結果を示す図である。
【
図44】
図40に示す実施形態の伝送効率および反射損の周波数特性を示す図である。
【
図45】
図40に示す送電用カプラのインピーダンスのスミスチャートを示す図である。
【
図46】
図40に示す実施形態において送電用カプラをX方向にオフセットさせた状態を示す図である。
【
図47】
図46に示す位置ずれdxと伝送効率および反射損の関係を示す図である。
【
図48】
図40に示す実施形態において受電用カプラをY軸周りにdθ回転させた状態を示す図である。
【
図49】
図46に示す回転ずれdθと伝送効率および反射損の関係を示す図である。
【
図50】本発明の第3実施形態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施形態について説明する。
【0018】
(A)直列共振を利用した無線伝送システムの説明
以下では、直列共振を利用した無線伝送システムについて説明した後に、本発明の実施形態について説明する。
【0019】
図1は直列共振を利用した無線電力伝送システムを構成する送電用カプラの詳細な構成例を示している。この図に示すように、直列共振を利用した無線電力伝送システムでは、送電用カプラ110は、矩形の板状形状を有する絶縁部材(誘電体基板)によって構成される回路基板118の表(おもて)面118A上に、矩形形状を有する導電性部材によって構成される電極111,112が配置されて構成される。回路基板118の裏面118Bには、この
図1の例では、電極等は配置されていない。具体的な構成例としては、例えば、ガラスエポキシ基板やガラスコンポジット基板等によって構成される回路基板118上に、銅等の導電性の薄膜によって電極111,112が形成される。電極111,112は、所定の距離d1だけ離れた位置に平行に配置されている。また、距離d1を含む電極111,112の幅Dは、これらの電極から放射される電界の波長をλとした場合に、λ/2πで示される近傍界よりも狭くなるように設定されている。
【0020】
回路基板118の電極111,112の短手方向の端部には、インダクタ113,114の一端がそれぞれ接続されている。また、インダクタ113,114の他端は、接続線115,116の一端にそれぞれ接続されている。接続線115,116は、電極111,112の領域およびこれらに挟まれる領域を回避するように配置されるとともに、これらの領域から遠ざかる方向(
図1の左下方向)に伸延するように配置されている。より詳細には、電極111,112のそれぞれの矩形領域と、これら2つの電極111,112によって挟まれた領域を回避して配置されるとともに、これらの領域から遠ざかる方向に伸延するように配置されている。このように配置することで、電極111,112と接続線115,116の間の干渉を少なくすることができるので、伝送効率の低下を防止できる。接続線115,116は、例えば、同軸ケーブルまたは平衡ケーブルによって構成されている。なお、接続線115,116の他端は、図示しない交流電力発生部の出力端子にそれぞれ接続されている。接続線115,116によって送電用カプラ110に交流電力発生部が接続されることにより、送電装置が構成される。
【0021】
送電用カプラ110は、電極111,112が所定の距離d1を隔てて配置されることによって形成されるキャパシタのキャパシタンスCと、インダクタ113,114のインダクタンスLによる直列共振回路を構成するので、これらによる固有の共振周波数f
Cを有している。
【0022】
受電用カプラ120は、送電用カプラ110と同様の構成とされ、回路基板128の表面128A上に、矩形形状を有する導電性部材によって構成される電極121,122およびインダクタ123,124が配置され、インダクタ123,124の他端に接続線125,126が接続されて構成される。電極121,122によって形成されるキャパシタのキャパシタンスCと、インダクタ123,124のインダクタンスLによる直列共振回路の共振周波数f
Cは送電用カプラ110と略同じに設定される。接続線125,126は、例えば、同軸ケーブルまたは平衡ケーブルによって構成されている。受電用カプラ120の接続線125,126の他端には、図示しない負荷が接続される。接続線125,126によって受電用カプラ120に負荷が接続されることにより、受電装置が構成される。
【0023】
図2は、送電用カプラ110と受電用カプラ120を対向配置した状態を示す図である。この図に示すように、送電用カプラ110と受電用カプラ120は、回路基板118,128の表面118A,128Aが対向するように距離d2を隔て、回路基板118,128が平行になるように配置される。
【0024】
図3は、
図2に示す無線電力伝送システム1の等価回路を示す図である。この
図3において、交流電力発生部211は、共振周波数に対応する周波数の交流電力を生成して出力する。電源部負荷212は、接続線115,116および接続線125,126の特性インピーダンスと等しい値を示し、Z0の値を有している。インダクタ213はインダクタ113,114に対応し、L1の素子値を有している。抵抗214は、送電側回路、主にインダクタに付随する抵抗を示し、R1の素子値を有している。キャパシタ215は、電極111,112の間に生じる素子値C1のキャパシタである。キャパシタ221は、電極121,122の間に生じる素子値C2のキャパシタである。インダクタ222はインダクタ123,124に対応し、L2の素子値を有している。抵抗223は、受電側回路、主にインダクタに付随する抵抗を示し、R2の素子値を有している。負荷224は、交流電力発生部211から出力され、送電用カプラおよび受電用カプラを介して伝送された電力が供給される。キャパシタ241は、電極111,112と電極121,122の間に生じるキャパシタを示し、Cm1の素子値を有している。なお、負荷224は、例えば、整流装置および二次電池等によって構成されている。もちろん、これ以外であってもよい。
【0025】
つぎに、
図2に示す直列共振を利用した無線電力伝送システムの動作について説明する。
図4は、
図2に示す無線電力伝送システムの送電用カプラ110と受電用カプラ120を200mm隔てて対向配置した場合(d2=200mmの場合)における送電用カプラ110から受電用カプラ120への伝送効率η21(=|S21|
2)と、反射損η11(=|S11|
2)の周波数特性を示す図である。この図において横軸は伝送する交流電力の周波数(MHz)を示し、縦軸は伝送効率を示している。
図4に示す例では、27MHz周辺において、伝送効率約95%を達成していることが分かる。なお、
図2では、例えば、インダクタ113,114,123,124は、それぞれ、巻き数が13回、インダクタンス値が2.8μHとされ、回路基板118,128のサイズ(DとL)は250×250mmとされ、電極111,112および電極121,122間のギャップd1は34.4mmとされている。
【0026】
図5は、
図2に示す直列共振を利用した無線電力伝送システムの送電用カプラ110のインピーダンスS11のスミスチャートを示している。この場合、測定器のポートインピーダンスは接続線路の特性インピーダンスZ0(実数値)と等しい値に設定している。これらの図に示すように、
図2に示す無線電力伝送システムでは、送電用カプラ110および受電用カプラ120のインピーダンスの軌跡は、スミスチャートの円の中心付近を通過することから、この付近において伝送を行うように設定することにより反射を抑えて効率良く電力を伝送することができる。
【0027】
ところで、
図2に示す無線電力伝送システムの送電用カプラ110および受電用カプラ120は、グランドに対して近接して配置される場合がある。そのような場合には、グランドの影響を受けることがある。これについて説明する。
図6は、
図2に示す無線電力伝送システムの送電用カプラ110が窓部211を有する地板210の窓部211内に配置されるとともに、受電用カプラ120が窓部221を有する地板220の窓部221内に配置された状態を示している。なお、地板210,220のサイズは1000mm×1000mmであり、窓部211,221のサイズは450mm×350mmである。
図7は
図6に示す無線電力伝送システムの送電用カプラ110と受電用カプラ120を200mm隔てて対向配置した場合における送電用カプラ110から受電用カプラ120への伝送効率η21と、インピーダンスS11,S21の絶対値の周波数特性を示す図である。
図8は、
図6に示す無線電力伝送システムの送電用カプラ110のインピーダンスS11のスミスチャートを示している。
図7および
図8に示すように、共振周波数は
図2の場合の27MHzから26.1MHzに低下し、インピーダンスも50Ωが26Ωに低下し、また、伝送効率も95%が81%に低下している。
【0028】
図9は、
図2に示す無線電力伝送システムの送電用カプラ110が地板215に近接して配置されるとともに、受電用カプラ120が地板225に近接して配置された状態を示している。なお、地板215,225のサイズは1000mm×1000mmである。
図10は
図9に示す無線電力伝送システムの送電用カプラ110と受電用カプラ120を200mm隔てて対向配置するとともに地板215,225から100mm隔てて配置した場合における送電用カプラ110から受電用カプラ120への伝送効率η21と、インピーダンスS11,S21の絶対値の周波数特性を示す図である。
図11は、
図9に示す無線電力伝送システムの送電用カプラ110のインピーダンスS11のスミスチャートを示している。
図10および
図11に示すように、共振周波数は
図2の場合の27MHzから25.9MHzに低下し、インピーダンスも50Ωが31Ωに低下し、また、伝送効率も95%が89%に低下している。
【0029】
このように、カプラが地板に近接して配置されると、地板の影響を受けて共振周波数やインピーダンス特性が変化するとともに、伝送効率が低下してしまう。
【0030】
(B)本発明の第1実施形態の説明
つぎに、
図12から
図17を参照して、本発明の第1実施形態に係る無線電力伝送システムの基本構成について説明する。
図12は第1実施形態の構成例を示す図である。この図に示すように、第1実施形態では送電用カプラ110が筐体310に収容され、受電用カプラ120が筐体320に収容されている。筐体310,320はアルミニウムまたは銅等の良導電性の部材によって構成され、電極が配置される面が開口された立方体構造を有している。筐体310,320は電極が発生する電界に平行な方向の長さがDBであり、電界に直交する方向の長さがLBであり、開口部311,321から底面までの深さがPBである。
【0031】
図13は、
図12に示す第1実施形態を
図12に示すY軸の方向から眺めた図である。
図13に示すように、電極は筐体の開口部311,321の略中央に配置されている。また電極から底面までの距離はd3である。
【0032】
なお、
図14に示すように
図1に示す電極を筐体内に単に収容しただけでは、筐体の影響により共振周波数が変動する。このため、本実施形態では
図15に示すように2枚の電極を電界と平行な方向に離間(d1を増加)し、対向する方向(X方向)への電界の広がりを増加することにより、カプラ間の結合係数を増加してインピーダンスを補償している。
【0033】
このように送電用カプラ110および受電用カプラ120を筐体310,320内に収容することにより、カプラの背面方向および横方向への電界の広がりを抑制し、グランド(地板)との電界結合を減少することによって、周波数の変動を抑制することができる。
【0034】
なお、
図12および
図13に示すDB,D,LB,L,d2,PB,d3の間には、以下の式(1)〜(3)を満たすように設定されている。
DB≧1.2×D ・・・(1)
LB≧1.3×L ・・・(2)
PB≧d3≧d2/2 ・・・(3)
【0035】
ここで、DBがDに、また、LBがLに近い場合、筐体側面がカプラ電極に近づくため、カプラの電極と筐体側面間との電界結合が強くなり、送受カプラ間の電界結合が弱くなる。この場合、カプラの入力インピーダンスの低下と、伝送距離の短縮が生じる。よって、DB,LBはそれぞれD,Lに対して所定の値以上とする必要がある。送受伝送距離がEV(Electric Vehicle)その他の電力伝送を想定した20cmの場合、DB,LBはそれぞれD,Lの1.2倍、1.3倍程度確保できればインピーダンス整合が取れ、良好な電力伝送が可能となる。また、PBについては鏡像の原理から、送受電用カプラの対向距離d2の半分の値以上を確保できれば、インピーダンス整合が取れ、良好な電力伝送が可能となる。
【0036】
図16は
図12および
図13に示す無線電力伝送システムの送電用カプラ110から受電用カプラ120への伝送効率η21と、インピーダンスS11,S21の絶対値の周波数特性を示す図である。なお、
図16では、d1=158mm、d2=200mm、d3=100mm、D=350mm、L=250mm、DB=450mm、LB=350mm、PB≒100mmに設定してある。
図17は、無線電力伝送システムの送電用カプラ110のインピーダンスS11のスミスチャートを示している。
図16および
図17に示すように、共振周波数は
図2の場合と同様に26.9MHzであり、インピーダンスも50Ωであり、また、伝送効率も96%である。
【0037】
図18は
図12に示す第1実施形態に対して、
図6と同様に地板210,220を筐体310,320の開口部311,321付近に配置した状態を示している。なお、地板210,220のサイズは1000mm×1000mmとされている。
図19は
図18に示す状態において、送電用カプラ110から受電用カプラ120への伝送効率η21と、インピーダンスS11,S21の絶対値の周波数特性を示す図である。
図20は
図18に示す状態における送電用カプラ110のインピーダンスS11のスミスチャートを示している。
図19および
図20に示すように、地板315,325を配置した場合であっても、共振周波数は
図12の場合と同様に27MHzであり、インピーダンスも50Ωであり、また、伝送効率も96%であり、地板210,220の影響を受けない。
【0038】
図21は
図12に示す第1実施形態に対して、
図9と同様に地板215,225を筐体310,320の底面と同じ位置に配置した状態を示している。なお、地板215,225のサイズは1000mm×1000mmとされている。
図22は
図21に示す状態において、送電用カプラ110から受電用カプラ120への伝送効率η21と、インピーダンスS11,S21の絶対値の周波数特性を示す図である。
図23は
図21に示す状態における送電用カプラ110のインピーダンスS11のスミスチャートを示している。
図22および
図23に示すように、地板215,225を配置した場合であっても、共振周波数は
図12の場合と略同様に27.1MHzであり、インピーダンスも50Ωであり、また、伝送効率も96%であり、地板215,225の影響を受けない。
【0039】
以上に説明したように、本発明の第1実施形態によれば送電用カプラ110および受電用カプラ120を筐体内310,320内に収容し、筐体310,320によって背面方向および横方向への電界の広がりを抑制することで、地板と結合容量を減少し、地板による影響を低減することが可能になる。これにより、安定した特性を得ることが可能になる。
【0040】
(C)本発明の第2実施形態の説明
つぎに、
図24から
図37を参照して、本発明の第2実施形態に係る無線電力伝送システムの基本構成について説明する。まず、第2実施形態の基本源理について説明する。
図24は第2実施形態の原理を説明するための図である。この図に示す例では、円形状の中心電極411、円環状の環状電極412、インダクタ413,414、および、接続線415,416によって送電用カプラ410が構成され、円形状の中心電極421、円環状の環状電極422、インダクタ423,424、および、接続線425,426によって受電用カプラ420が構成される。
図24の例では、送電用カプラ410と受電用カプラ420を構成する各素子のサイズは同じとされている。もちろん、各素子のサイズが異なっても、共振周波数が同じになるように調整することで、電力を伝送することができる。なお、
図24の例では、電極だけが示されているが、
図1および
図2と同様に、ガラスエポキシ基板やガラスコンポジット基板等によって形成される基板または基材上に電極を形成するようにすることができる。
【0041】
ここで、中心電極411は、半径r1の円形形状を有する板状の導電性部材(例えば、銅、アルミニウム等の部材)によって構成される。環状電極412は、外周の半径がRであり幅wの円環形状を有する板状の導電性部材によって構成される。なお、中心電極411と環状電極412は同一平面上に配置され、中心電極411の外周と環状電極412の内周間の距離はd1とされている。インダクタ413の一端は中心電極411に接続され、他端は接続線415の一端に接続される。インダクタ414の一端は環状電極412に接続され、他端は接続線416の一端に接続される。接続線415,416は、例えば、同軸ケーブルまたは平衡ケーブルによって構成されている。接続線415,416の他端は、図示しない交流電力発生部の出力端子にそれぞれ接続されている。接続線415,416によって送電用カプラ410に交流電力発生部が接続されることにより、送電装置が構成される。なお、中心電極411と環状電極412によって形成されるキャパシタのキャパシタンスCと、インダクタ413,414のインダクタンスLによる直列共振回路の共振周波数はf
Cとされる。
【0042】
一方、受電用カプラ420を構成する中心電極421は、半径r1の円形形状を有する板状の導電性部材によって構成される。環状電極422は、外周の半径がRであり幅wの円環形状を有する板状の導電性部材によって構成される。中心電極421と環状電極422は同一平面上に配置され、中心電極421の外周と環状電極422の内周間の距離はd1とされている。また、中心電極411と環状電極412が配置される平面と、中心電極421と環状電極422が配置される平面は略平行に保たれる。インダクタ423の一端は中心電極421に接続され、他端は接続線425の一端に接続される。インダクタ424の一端は環状電極422に接続され、他端は接続線426の一端に接続される。接続線425,426は、例えば、同軸ケーブルまたは平衡ケーブルによって構成されている。接続線425,426の他端は、図示しない負荷の入力端子にそれぞれ接続されている。接続線425,426によって受電用カプラ420に負荷が接続されることにより、受電装置が構成される。なお、中心電極421と環状電極422によって形成されるキャパシタのキャパシタンスCと、インダクタ423,424のインダクタンスLによる直列共振回路の共振周波数f
Cは送電用カプラ410と同じになるように設定される。
【0043】
図25は、
図24に示す無線電力伝送システムの送電用カプラ410と受電用カプラ420を20cm隔てて対向配置した場合(d2=20cmの場合)における送電用カプラ410から受電用カプラ420への伝送効率η21(=|S21|
2)と、反射損η11(=|S11|
2)の周波数特性を示す図である。より詳細には、中心電極411,421の半径r1は7cmであり、環状電極412,422の外周の半径Rは24cmであり、環状電極412,422の幅wは1.5cmであり、d1は15.5cmに設定している。この
図25において横軸は伝送する交流電力の周波数(MHz)を示し、縦軸は伝送効率を示している。
図24に示す例では、27MHz周辺において、伝送効率約96%を達成している。
【0044】
図26は、
図24に示す無線電力伝送システムの送電用カプラ410のインピーダンスS11のスミスチャートを示している。この場合、測定器のポートインピーダンスは接続線路の特性インピーダンスZ0(実数値)と等しい値に設定している。この図に示すように、
図24に示す無線電力伝送システムでは、送電用カプラ410のインピーダンスの軌跡は、スミスチャートの円の中心付近を通過することから、この付近において伝送を行うように設定することにより反射を抑えて効率良く電力を伝送することができる。
【0045】
すなわち、
図24に示す構成では、中心電極411および環状電極412と、中心電極421および環状電極422とは、電界共振結合されており、中心電極411および環状電極412から中心電極421および環状電極422に対して電界によって交流電力が伝送される。つまり、
図24に示す形態では、中心電極411および環状電極412と、中心電極421および環状電極422とは、近傍界であるλ/2πよりも短い距離d2だけ隔てて配置されているので、中心電極411および環状電極412から放射される電界成分が支配的である領域に中心電極421および環状電極422が配置される。また、中心電極411と環状電極412の間に形成されるキャパシタおよびインダクタ413,414による共振周波数と、中心電極421と環状電極422の間に形成されるキャパシタおよびインダクタ423,424による共振周波数とは略等しくなるように設定されている。このように、中心電極411および環状電極412と、中心電極421および環状電極422とは、電界共振結合されていることから、送電用カプラ410から受電用カプラ420に対して電界によって交流電力が効率よく伝送される。
【0046】
図27は
図24に示す無線電力伝送システムの送電用カプラ410と受電用カプラ420の近傍に地板515,525を配置した状態を示している。なお、この例では地板515と送電用カプラ410の距離および地板525と受電用カプラ420の距離は約80mmに設定されている。
図28は
図27に示す状態において、送電用カプラ110から受電用カプラ120への伝送効率η21、反射損η11、インピーダンスS11,S21の絶対値の周波数特性を示す図である。
図29は、
図27に示す状態において、無線電力伝送システムの送電用カプラ110のインピーダンスS11のスミスチャートを示している。
図27および
図28に示すように、共振周波数は
図24の場合の27MHzから25.9MHzに低下し、インピーダンスも50Ωが28Ωに低下し、また、伝送効率も95%が87%に低下している。
【0047】
図30は、本発明の第2実施形態の構成例を示す図である。第1実施形態では
図24に示す送電用カプラ410および受電用カプラ420に対して円筒形状を有する筐体510および筐体520が追加されている。なお、これ以外の構成は
図24の場合と同様である。筐体510は開口部511を有する円筒形状の導電性部材によって構成される。この開口部511には送電用カプラ410が配置される。筐体520は開口部521を有する円筒形状の導電性部材によって構成される。導電性部材としては、例えば、銅またはアルミニウム等の良導電性部材を用いることができる。なお、
図24に示す電極を筐体内に単に収容しただけでは、筐体の影響により共振周波数が変動する。このため、第2実施形態では
図31に示すように2枚の電極のサイズを調整することにより、カプラ間の結合係数を増加してインピーダンスを補償している。より詳細には、
図31では、中心電極411,421の半径を70mmから90mmに変更し、環状電極412,422の半径を240mmから290mmに変更するとともにその幅を15mmから25mmに変更している。このような調整により、カプラ間の結合係数を増加させ、インピーダンスを補償している。
【0048】
ここで、
図30に示すRB,R,d2,PB,d3の間には、以下の式(4),(5)を満たすように設定されている。なお、RBは筐体510,520の内側の半径を示し、Rは環状電極412,422の半径を示し、d2は共振時におけるカプラ間の距離を示し、PBは筐体510,520の深さを示し、d3は電極412,422から筐体510,520の底面までの距離を示している。
RB≧1.1×R ・・・(4)
PB≧d3≧d2/2 ・・・(5)
【0049】
ここで、RBがRに近い場合、筐体側面がカプラ電極に近づくため、カプラの電極と筐体側面間との電界結合が強くなり、送受電用カプラ間の電界結合が弱くなる。この場合、カプラの入力インピーダンスの低下、伝送距離の短縮が生じる。よって、RBはRに対して所定の値以上とする必要がある。送受伝送距離がEVその他の電力伝送を想定した20cmの場合、RBはRの1.2倍程度確保できれば、インピーダンス整合が取れ、良好な電力伝送が可能となる。またPBについては鏡像の原理から、送受電用カプラの対向距離d2の半分の値以上を確保できれば、インピーダンス整合が取れ、良好な電力伝送が可能となる。
【0050】
図32は
図30に示す第2実施形態において、送電用カプラ110から受電用カプラ120への伝送効率η21と、反射損η11の周波数特性を示す図である。なお、この例では、中心電極411,421の半径は60mm、環状電極412,422の半径は290mm、送受電用カプラ間の距離は200mm、筐体510,520の半径は340mm、深さは100mmに設定されている。
図33は、第2実施形態に示す無線電力伝送システムの送電用カプラ410のインピーダンスS11のスミスチャートを示している。
図32および
図33に示すように、共振周波数は
図24の場合と同様の27.1MHzであり、インピーダンスも50Ωであり、また、伝送効率も96%である。
【0051】
図34は
図30に示す第2実施形態に
図27と同様の地板515,525を設けた場合の状態を示している。なお、
図34の例では、地板515,525は筐体510,520の開口部511,512付近に配置されている。
図35は
図34に示す状態において、送電用カプラ110から受電用カプラ120への伝送効率η21と、反射損η11の周波数特性を示す図である。
図36は、
図34に示す状態において、無線電力伝送システムの送電用カプラ110のインピーダンスS11のスミスチャートを示している。
図35および
図36に示すように、共振周波数は
図24の場合と同様に27MHzであり、インピーダンスも50Ωであり、また、伝送効率も96%である。この結果、第2実施形態では地板515,525を開口部511,521付近に設けてもその影響を受けないことが分かる。
【0052】
図37は
図30に示す第2実施形態に
図27と同様の地板515,525を筐体510,520の底面付近に配置した状態を示している。
図38は
図37に示す状態において、送電用カプラ110から受電用カプラ120への伝送効率η21と、反射損η11の周波数特性を示す図である。
図39は、
図37に示す状態において、無線電力伝送システムの送電用カプラ110のインピーダンスS11のスミスチャートを示している。
図38および
図39に示すように、共振周波数は
図24の場合と略同様に27.1MHzであり、インピーダンスも50Ωであり、また、伝送効率も96%である。この結果、第2実施形態では地板515,525を底面付近に設けてもその影響を受けないことが分かる。
【0053】
(D)本発明の第3実施形態の説明
つぎに、
図40から
図50を参照して、本発明の第3実施形態に係る無線電力伝送システムの基本構成について説明する。まず、第3実施形態の基本源理について説明する。
図40は第3実施形態の原理を説明するための図である。この図の例では、無線電力伝送システムは、送電用カプラ610および受電用カプラ620を有している。送電用カプラ610は、矩形形状を有する電極611と、同じく矩形形状を有する電極612と、インダクタ613と、接続線615,616とを有している。受電用カプラ620は、矩形形状を有する電極621と、同じく矩形形状を有する電極622と、インダクタ623と、接続線625,626とを有している。電極611,612,621,622は、例えば、銅またはアルミニウム等の導電性の板状部材によって構成される。
【0054】
なお、電極611,621は一辺の長さがWの正方形の形状を有し、電極612,622は一辺の長さがLの正方形の形状を有している。また、電極611と電極612の間隔はGとされ、電極621と電極622の間隔はGとされ、電極611と電極621の間隔はDとされている。ここで、W,D,Lの関係は、例えば、つぎの式(6),(7)を満たすように設定することができる。また、LはGの数倍以上に設定することができる。なお、以下では、一例として、D=200mm、G=100mm、L=1000mmの場合を例に挙げて説明する。
【0055】
G≧D/2 ・・・(6)
G≧W/2 ・・・(7)
【0056】
ここで、式(6)は後述の鏡像効果に基づき、電極611,621の電界結合が電極611と電極612、もしくは電極621と電極622、の電界結合以上に強くなる条件である。電極611の幅が電極611と電極612の間隔に対して狭くなると、電極611と電極612間に生じるフリンジ電界量が増加する。同様に電極621の幅が電極621と電極622の間隔に対して小さくなると、電極621と電極622間に生じるフリンジ電界量が増加する。フリンジ電界量が増加することで送電カプラ610と受電カプラ620の電界結合が生じやすくなる。式(7)はその条件を示している。
【0057】
インダクタ613は、例えば、電極611と電極612に挟まれた空間内に収まるように配置され、また、インダクタ623も、電極621と電極622に挟まれた空間内に収まるように配置される。
図40の例では、インダクタ613は、電極611の中央付近に配置され、また、インダクタ623は、電極621の中央付近に配置されている。
【0058】
図41は、
図40に示す受電用カプラ620のインダクタ623周辺の構成を示す断面図である。この
図41に示すように、受電用カプラ620の電極621の中央部にはインダクタ623の一方の端子が、半田または溶接による接合部621bによって電気的に接続されている。インダクタ623の他方の端子は接続線625に接続されている。接続線625は電極622の中央部に設けられた貫通孔622aを通じて電極622の外側に引き出される。また、電極622の貫通孔622aの近傍には接続線626が、半田または溶接による接合部622bによって電気的に接続されている。本構成において、受電用カプラ620は、直列共振の電気特性を示し、等価回路は
図3と同様となる。送電用カプラ610と結合していない状態では共振周波数での入力インピーダンスはほぼ0Ωとなる。送電用カプラ610と結合している状態では結合量の増加にともない、入力インピーダンスは増大する。なお、送電用カプラ610も受電用カプラ620と同様の構成とされているので、その説明は省略する。送電用カプラ610も直列共振の電気特性となる。
【0059】
図42は実施形態の動作を説明するための図である。本実施形態では、
図42に示すように、電極612がグランドとして機能することから、電極612を挟んで線対称の位置に電極611の鏡像611’が形成される。同様に、電極622がグランドとして機能することから、電極622を挟んで線対称の位置に電極621の鏡像621’が形成される。送受のカップリング量を増やすには送電用カプラの611と611’のカップリング量、もしくは受電用カプラの621、621’のカップリング量より611と621のカップリング量を増やすのが望ましい。電極の位置関係より、D≦2G以下であれば、611と621のカップリング量は送電用カプラの611と611’のカップリング量、もしくは受電用カプラの621、621’のカップリング量より大きくなる。すなわち本位置関係が上記式(6)に該当する。言い換えれば、式(6)を満たす電極配置となれば、送電用カプラ610と受電用カプラ620の電界結合が強くなることから、伝送距離を伸ばすことができる。
【0060】
図43は第3実施形態の基本形態の電流分布のシミュレーション結果を示す図である。なお、このシミュレーションでは、電極612,622は1000mm×1000mm(L=1000mm)のサイズとされ、電極611,621は200mm×200mm(W=200mm)のサイズとされている。また、電極611と電極612の間隔は100mm(G=100mm)とされ、電極621と電極622の間隔は100mm(G=100mm)とされ、また、電極611と電極621の間隔は200mm(D=200mm)とされている。また、インダクタ613,623は直径が42mm、長さが39.6mm、巻き数が10回とされている。
図43に示すように、電流はインダクタ113、123を中心に対称に分布しており、それに付随する磁界、電界も対称に分布することが容易に判断できる。
【0061】
図44は
図40に示す第3実施形態の基本形態の送電用カプラ610と受電用カプラ620を200mm隔てて対向配置した場合(D=200mmの場合)における送電用カプラ610から受電用カプラ620への伝送効率η21と、反射損η11の周波数特性を示す図である。この図において横軸は伝送する交流電力の周波数(MHz)を示し、縦軸は伝送効率を示している。
図44に示す例では、27MHz周辺において、伝送効率約95%を達成している。
【0062】
図45は、
図40に示す第3実施形態の基本形態の送電用カプラ610のインピーダンスS11のスミスチャートを示している。この場合、測定器のポートインピーダンスは接続線路の特性インピーダンスZ0(実数値)と等しい値に設定している。この図に示すように、
図40に示す実施形態では、送電用カプラ610および受電用カプラ620のインピーダンスの軌跡は、スミスチャートの円の中心付近を通過することから、この付近において伝送を行うように設定することにより反射を抑えて効率良く電力を伝送することができる。
【0063】
図46は、
図40に示す第3実施形態の基本形態の送電用カプラ610に対して受電用カプラ620をX方向にdx変位させた状態を示し、
図47は受電用カプラ620のずれ量と、伝送効率および反射損の関係を示す図である。
図47において横軸は
図46に示すX方向のずれdxを示し、縦軸は伝送効率η21および反射損η11を示す。この
図47に示すように、伝送効率はずれdxに応じて徐々に減衰し、特異点であるヌル点が存在しない。また、150mmの以下のずれであれば伝送効率は80%以上を達成することができる。なお、変位の方向をY方向に変えても、同様の結果が得られる。即ち変位による特性変化の方向性は生じない。
【0064】
図48は、
図40に示す第3実施形態の基本形態の送電用カプラ610に対して受電用カプラ620をY軸を中心としてdθの回転ずれを有する状態を示している。
図49は、回転ずれdθに対する伝送効率と反射損の変化を示す図である。
図49において横軸は送電用カプラ610に対する受電用カプラ620の回転ずれdθを示し、縦軸は伝送効率η21および反射損η11を示している。この図に示すように、伝送効率η21および反射損η11のグラフはフラットで、回転ずれdθに対する伝送効率と反射損の変化はほとんどない。
【0065】
以上に示したように、本発明の第3実施形態の基本形態によれば、位置ずれおよび回転ずれに対しても伝送特性の劣化を少なくすることができる。
【0066】
図50は、本発明の第3実施形態の構成例を示す図である。
図50の例では、
図40と比較して、筐体710,720が追加されている。これ以外の構成は、
図40の場合と同様である。筐体710は、銅またはアルミニウム等の良導性の部材によって構成され、開口部711を有している。この開口部711の中央には電極611が配置されている。また、筐体710の底面は電極612に電気的に接続されている。筐体720も、銅またはアルミニウム等の良導電性の部材によって構成され、開口部721を有している。この開口部721の中央には電極621が配置されている。また、筐体720の底面は電極622に電気的に接続されている。筐体が追加された本実施例においても、位置ずれおよび回転ずれに対する伝送特性の劣化を少なくする機能は引き継がれる。
【0067】
図50に示す第3実施形態の場合も第1および第2実施形態の場合と同様に、筐体710,720の遮蔽効果により、地板が接近して配置された場合でも、その影響を低減することができる。
【0068】
(D)変形実施形態
以上の各実施形態では、送電用カプラと受電用カプラの双方を筐体内に収容するようにしたが、これらの一方を収容するようにしてもよい。例えば、地板の影響を受けやすい方のカプラのみを収容するようにしてもよい。なお、その場合には、送電用カプラと受電用カプラの共振周波数が同じになるように調整すればよい。
【0069】
また、以上の各実施形態では、筐体の開口部は開放した状態としたが、例えば、開口部に樹脂製のレドームを設けるようにしてもよい。このようにレドームを設けることにより、電極を物理的な力や腐食から保護することができる。
【0070】
また、以上の各実施形態では、電極を固定する方法については具体的には示していないが、例えば、樹脂製の固定部材によって、電極を筐体内に固定するようにしてもよい。具体的には、電極の裏面に樹脂製の支柱を少なくとも1箇所以上設け、この支柱によって電極を固定するようにしてもよい。あるいは、前述したレドームに電極を固定するようにしてもよい。
【0071】
また、以上の各実施形態では、接続線115,116と電極111,112の間に2つのインダクタ113,114を挿入するようにしたが、これらのいずれか一方に挿入するようにしてもよい。同様に、接続線125,126と電極121,122の間に2つのインダクタ123,124を挿入するようにしたが、これらのいずれか一方に挿入するようにしてもよい。
【0072】
また、以上の実施形態では、インダクタとしては、導体線を円柱状に巻回して構成するようにしたが、例えば、マイクロストリップラインで使用されるような、平面上を蛇行する形状を有するものや、平面上で螺旋形状を有するものによって構成するようにしてもよい。