特許第6182805号(P6182805)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6182805
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】光学表示デバイスの生産システム
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/13 20060101AFI20170814BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20170814BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20170814BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   G02F1/13 101
   G02B5/30
   G02F1/1335 510
   G09F9/00 338
【請求項の数】4
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-105588(P2013-105588)
(22)【出願日】2013年5月17日
(65)【公開番号】特開2014-228563(P2014-228563A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2016年5月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100148884
【弁理士】
【氏名又は名称】▲廣▼保 直純
(74)【代理人】
【識別番号】100163496
【弁理士】
【氏名又は名称】荒 則彦
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 広之
(74)【代理人】
【識別番号】100126882
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 光永
(72)【発明者】
【氏名】土岡 達也
(72)【発明者】
【氏名】岸▲崎▼ 和範
【審査官】 三笠 雄司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−107452(JP,A)
【文献】 特開2005−37418(JP,A)
【文献】 特開2007−288010(JP,A)
【文献】 特開2008−262192(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0185100(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13
G02F 1/1335
G02B 5/30
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学表示部品に光学部材を貼合してなる光学表示デバイスの生産システムであって、
前記光学表示部品の表示領域の長辺と短辺のうちいずれか一方の辺の長さよりも広い幅の帯状の光学部材シートを原反ロールから巻き出しつつ、前記光学部材シートを前記表示領域の長辺と短辺のうちいずれか他方の辺の長さよりも長い長さでカットしてシート片とした後、前記シート片を前記光学表示部品に貼り合わせて貼合体とする貼合装置と、
前記貼合体において、前記シート片と前記光学表示部品との貼合面の外周縁を検出する検出装置と、
前記貼合体において、前記光学表示部品に貼合された前記シート片から前記貼合面に対応する部分の外側に配置された余剰部分を、前記外周縁に沿って切り離し、前記貼合面に対応する大きさの前記光学部材を形成する切断装置と、
前記余剰部分をチャックして前記光学部材から剥離し回収する回収装置と、を含み、
前記回収装置は、前記余剰部分を外周面に巻きつけて回転する剥離ロールと、前記光学表示部品を吸着し、前記光学表示部品の長辺および短辺を前記剥離ロールの回転軸に対して斜めに傾けた状態で前記光学表示部品を前記剥離ロールの回転軸と直交する方向に相対移動させる吸着テーブルと、を含み、
前記剥離ロールは、前記余剰部分をチャックするチャックユニットを内蔵しており、前記チャックユニットにより前記余剰部分をチャックした状態で回転することにより、前記余剰部分を巻き取り、
前記吸着テーブルは、前記チャックユニットによって前記余剰部分がチャックされた状態で前記剥離ロールの下方に相対変位することにより、前記余剰部分の一部を剥離させる光学表示デバイスの生産システム。
【請求項2】
前記回収装置は、前記余剰部分を前記シート片の角部に対応する部分から剥離し回収する請求項1に記載の光学表示デバイスの生産システム。
【請求項3】
前記回収装置は、前記吸着テーブルが前記剥離ロールの下方に相対変位した後、前記余剰部分の一部をニップして前記剥離ロールによる前記余剰部分の巻取り方向と同方向に前記余剰部分を送る送りロールを備えている請求項1又は2に記載の光学表示デバイスの生産システム。
【請求項4】
前記吸着テーブルは、前記光学表示部品の長辺および短辺を前記剥離ロールの回転軸に対して45°傾けた状態で前記光学表示部品を前記剥離ロールの回転軸と直交する方向に相対移動させる請求項ないしのいずれか1項に記載の光学表示デバイスの生産システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学表示デバイスの生産システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶ディスプレイ等の光学表示デバイスの生産システムにおいて、液晶パネル(光学表示部品)に貼合する偏光板等の光学部材は、長尺フィルムから液晶パネルの表示領域に合わせたサイズのシート片に切り出され、梱包されて別ラインに搬送された後、液晶パネルに貼合されることがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−255132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の構成では、液晶パネル及びシート片の各寸法バラツキ、並びに液晶パネルに対するシート片の貼合バラツキ(位置ズレ)を考慮して、表示領域よりも若干大きめのシート片を切り出している。そのため、表示領域の周辺部に余分な領域(額縁部)が形成され、機器の小型化が阻害されるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、表示領域周辺の額縁部を縮小して表示エリアの拡大及び機器の小型化を図ることができる光学表示デバイスの生産システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の光学表示デバイスの生産システムは、光学表示部品に光学部材を貼合してなる光学表示デバイスの生産システムであって、前記光学表示部品の表示領域の長辺と短辺のうちいずれか一方の辺の長さよりも広い幅の帯状の光学部材シートを原反ロールから巻き出しつつ、前記光学部材シートを前記表示領域の長辺と短辺のうちいずれか他方の辺の長さよりも長い長さでカットしてシート片とした後、前記シート片を前記光学表示部品に貼り合わせて貼合体とする貼合装置と、前記貼合体において、前記シート片と前記光学表示部品との貼合面の外周縁を検出する検出装置と、前記貼合体において、前記光学表示部品に貼合された前記シート片から前記貼合面に対応する部分の外側に配置された余剰部分を、前記外周縁に沿って切り離し、前記貼合面に対応する大きさの前記光学部材を形成する切断装置と、前記余剰部分をチャックして前記光学部材から剥離し回収する回収装置と、を含み、前記回収装置は、前記余剰部分を外周面に巻きつけて回転する剥離ロールと、前記光学表示部品を吸着し、前記光学表示部品の長辺および短辺を前記剥離ロールの回転軸に対して斜めに傾けた状態で前記光学表示部品を前記剥離ロールの回転軸と直交する方向に相対移動させる吸着テーブルと、を含み、前記剥離ロールは、前記余剰部分をチャックするチャックユニットを内蔵しており、前記チャックユニットにより前記余剰部分をチャックした状態で回転することにより、前記余剰部分を巻き取り、前記吸着テーブルは、前記チャックユニットによって前記余剰部分がチャックされた状態で前記剥離ロールの下方に相対変位することにより、前記余剰部分の一部を剥離させることを特徴とする。
【0007】
ここで、「シート片と光学表示部品との貼合面」とは、光学表示部品においてシート片と対向する面を指し、「貼合面の外周縁」とは、具体的には、光学表示部品においてシート片が貼合された側の基板の外周縁を指す。
【0008】
また、シート片の「貼合面に対応する部分」とは、シート片において、シート片と対向する光学表示部品の表示領域の大きさ以上、光学表示部品の外形状(平面視における輪郭形状)の大きさ以下の領域であって、かつ光学表示部品における電気部品取付部等の機能部分を避けた領域を指す。同様に「貼合面に対応する大きさ」とは、光学表示部品の表示領域の大きさ以上、光学表示部品の外形状(平面視における輪郭形状)の大きさ以下の大きさであって、かつ光学表示部品における電気部品取付部等の機能部分を避けた大きさを指す。
【0009】
本発明において、前記回収装置は、前記余剰部分を前記シート片の角部に対応する部分から剥離し回収してもよい。
【0013】
本発明において、前記回収装置は、前記吸着テーブルが前記剥離ロールの下方に相対変位した後、前記余剰部分の一部をニップして前記剥離ロールによる前記余剰部分の巻取り方向と同方向に前記余剰部分を送る送りロールを備えていてもよい。
【0014】
本発明において、前記吸着テーブルは、前記光学表示部品の長辺および短辺を前記剥離ロールの回転軸に対して45°傾けた状態で前記光学表示部品を前記剥離ロールの回転軸と直交する方向に相対移動させてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、表示領域周辺の額縁部を縮小して表示エリアの拡大及び機器の小型化を図ることができる光学表示デバイスの生産システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態におけるフィルム貼合システムの概略構成図である。
図2】光学表示部品の一構成例としての液晶パネルの平面図である。
図3図2のA−A断面図である。
図4】光学部材シートの断面図である。
図5】本発明の実施形態における回収装置の概略構成図である。
図6】本発明の実施形態における回収装置が余剰部分を剥離し回収する際の平面図である。
図7】本発明の実施形態における回収装置の動作を示す説明図である。
図8図7に続く、回収装置の動作を示す説明図である。
図9図8に続く、回収装置の動作を示す説明図である。
図10】回収装置が余剰部分を剥離し回収する際の第1変形例を示す平面図である。
図11】貼合面の外周縁を検出する第一検出装置の模式図である。
図12】貼合面の外周縁を検出する第一検出装置の変形例を示す模式図である。
図13】貼合面の外周縁を検出する位置を示す平面図である。
図14】貼合面の外周縁を検出する第二検出装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、光学表示デバイスの生産システムとして、その一部を構成するフィルム貼合システムについて説明する。
【0018】
図1は本発明の実施形態におけるフィルム貼合システム(光学表示デバイスの生産システム)1の概略構成図である。フィルム貼合システム1は、例えば液晶パネルや有機ELパネルといったパネル状の光学表示部品に、偏光フィルムや位相差フィルム、輝度向上フィルムといったフィルム状の光学部材を貼合するもので、前記光学表示部品及び光学部材を含んだ光学表示デバイスを生産する生産システムの一部として構成される。フィルム貼合システム1では、前記光学表示部品として液晶パネルPを用いている。図1では図示都合上、フィルム貼合システム1を上下二段に分けて記載している。
【0019】
図2は液晶パネルPをその液晶層P3の厚さ方向から見た平面図である。液晶パネルPは、平面視で長方形状をなす第1基板P1と、第1基板P1に対向して配置される比較的小形の長方形状をなす第2基板P2と、第1基板P1と第2基板P2との間に封入された液晶層P3とを備える。液晶パネルPは、平面視で第1基板P1の外形状に沿う長方形状をなし、平面視で液晶層P3の外周の内側に収まる領域を表示領域P4とする。
【0020】
図3図2のA−A断面図である。液晶パネルPの表裏面には、長尺帯状の第1及び第2光学部材シートF1,F2(図1参照、以下、光学部材シートFXと総称することがある。)から切り出した第1及び第2光学部材F11,F12(以下、光学部材F1Xと総称することがある。)が適宜貼合される。本実施形態では、液晶パネルPのバックライト側及び表示面側の両面には、偏光フィルムとしての第1光学部材F11及び第2光学部材F12がそれぞれ貼合される。尚、液晶パネルPのバックライト側の面に、第1光学部材F11に重ねて輝度向上フィルムとしての第3光学部材がさらに貼合されていてもよい。
【0021】
尚、第1及び第2光学部材F11,F12は、後述する第1及び第2シート片F1m,F2m(以下、シート片FXmと総称することがある。)から、その表示領域の外側の余剰部分を切り離すことにより形成されたものである。
【0022】
図4は液晶パネルPに貼合する光学部材シートFXの部分断面図である。光学部材シートFXは、フィルム状の光学部材本体F1aと、光学部材本体F1aの一方の面(図3では上面)に設けられた粘着層F2aと、粘着層F2aを介して光学部材本体F1aの一方の面に分離可能に積層されたセパレータシートF3aと、光学部材本体F1aの他方の面(図4では下面)に積層された表面保護フィルムF4aとを有する。光学部材本体F1aは偏光板として機能し、液晶パネルPの表示領域P4の全域とその周辺領域とにわたって貼合される。尚、図示都合上、図4の各層のハッチングは略す。
【0023】
光学部材本体F1aは、その一方の面に粘着層F2aを残しつつセパレータシートF3aを分離させした状態で、液晶パネルPに粘着層F2aを介して貼合される。以下、光学部材シートFXからセパレータシートF3aを除いた部分を貼合シートF5という。
【0024】
セパレータシートF3aは、粘着層F2aから分離されるまでの間に粘着層F2a及び光学部材本体F1aを保護する。表面保護フィルムF4aは、光学部材本体F1aと共に液晶パネルPに貼合される。表面保護フィルムF4aは、光学部材本体F1aに対して液晶パネルPと反対側に配置されて光学部材本体F1aを保護する。表面保護フィルムF4aは、所定のタイミングで光学部材本体F1aから分離される。尚、光学部材シートFXが表面保護フィルムF4aを含まない構成であったり、表面保護フィルムF4aが光学部材本体F1aから分離されない構成であったりしてもよい。
【0025】
光学部材本体F1aは、シート状の偏光子F6と、偏光子F6の一方の面に接着剤等で接合される第1フィルムF7と、偏光子F6の他方の面に接着剤等で接合される第2フィルムF8とを有する。第1フィルムF7及び第2フィルムF8は、例えば偏光子F6を保護する保護フィルムである。
【0026】
尚、光学部材本体F1aは、一層の光学層からなる単層構造でもよく、複数の光学層が互いに積層された積層構造でもよい。前記光学層は、偏光子F6の他に、位相差フィルムや輝度向上フィルム等でもよい。第1フィルムF7と第2フィルムF8の少なくとも一方は、液晶表示素子の最外面を保護するハードコート処理やアンチグレア処理を含む防眩などの効果が得られる表面処理が施されてもよい。光学部材本体F1aは、第1フィルムF7と第2フィルムF8の少なくとも一方を含まなくてもよい。例えば第1フィルムF7を省略した場合、セパレータシートF3aを光学部材本体F1aの一方の面に粘着層F2aを介して貼り合わせてもよい。
【0027】
図1に示すように、フィルム貼合システム1は、図中右側の液晶パネルPの搬送方向上流側から図中左側の液晶パネルPの搬送方向下流側に至り、液晶パネルPを水平状態で搬送する駆動式のローラコンベア5を備えている。
ローラコンベア5は、後述する第1旋回装置18を境に、上流側コンベア6と下流側コンベア7とに分かれる。上流側コンベア6では、液晶パネルPは表示領域P4の短辺を搬送方向に沿うようにして搬送され、下流側コンベア7では、液晶パネルPは表示領域P4の長辺を搬送方向に沿うようにして搬送される。この液晶パネルPの表裏面に対して、帯状の光学部材シートFXから所定長さに切り出した貼合シートF5が貼合される。フィルム貼合システム1の各部は、不図示の制御部により統括制御される。
【0028】
フィルム貼合システム1は、前段工程の搬出端に搬送された液晶パネルPを吸着して上流側コンベア6の搬入端に搬送すると共に液晶パネルPのアライメント(位置決め)を行う第1吸着装置11と、第1吸着装置11のパネル搬送下流側に設けられる第1集塵装置12と、第1集塵装置12よりもパネル搬送下流側に設けられる第1貼合装置(貼合装置)13と、第1貼合装置13よりもパネル搬送下流側に配置される第1反転装置14Aと、第1反転装置14Aよりもパネル搬送下流側に配置される第1切断装置(切断装置)15Aと、第1切断装置15Aよりもパネル搬送下流側に配置される第1回収装置(回収装置)30と、第1回収装置30よりもパネル搬送下流側に配置される第1旋回装置18と、を備えている。
【0029】
また、フィルム貼合システム1は、下流側コンベア7の搬入端よりもパネル搬送下流側に配置される第2集塵装置16と、第2集塵装置16よりもパネル搬送下流側に配置される第2貼合装置(貼合装置)17と、第2貼合装置17よりもパネル搬送下流側に配置される第2反転装置14Bと、第2反転装置14Bよりもパネル搬送下流側に配置される第2切断装置(切断装置)15Bと、第2切断装置15Bよりもパネル搬送下流側に配置される第2回収装置(回収装置)40と、第2回収装置40よりもパネル搬送下流側に配置される第2旋回装置19と、第2旋回装置19よりもパネル搬送下流側に配置される欠陥検査装置21と、を備えている。
【0030】
また、詳しくは後述するが、第1切断装置15Aのパネル搬送上流側には、第1切断装置15Aにおけるカット位置を設定するために用いる検出装置が設けられ、第2切断装置15Bのパネル搬送上流側には、第2切断装置15Bにおけるカット位置を設定するために用いる検出装置が設けられている。
【0031】
第1吸着装置11は、液晶パネルPを保持して上下方向及び水平方向に移動可能に液晶パネルPのアライメントを行うパネル保持部11aと、パネル保持部11aに設けられて液晶パネルPのアライメントを可能とするアライメントカメラ11bとを有する。
パネル保持部11aは、前段工程の搬出端に搬送された液晶パネルPを吸着テーブル25の吸着パッド26で真空吸着によって吸着保持し、その状態で上流側コンベア6の搬入端に搬送し、搬送が終わると液晶パネルPの吸着状態を解除して液晶パネルPを上流側コンベア6の搬入端に受け渡す。
【0032】
アライメントカメラ11bは、パネル保持部11aが保持した液晶パネルPを上流側コンベア6上に載置する際、液晶パネルPのアライメントマークや先端形状等を撮影する。
アライメントカメラ11bによる撮像データは制御装置に送信され、この撮像データに基づきパネル保持部11aが作動して上流側コンベア6に対する液晶パネルPのアライメントがなされる。このとき、液晶パネルPは、上流側コンベア6に対して、搬送方向と直交する方向、つまり上流側コンベア6の幅方向の所定の位置であって、液晶パネルPの垂直軸回りの旋回方向で位置決めされる。
【0033】
第1集塵装置12は、第1貼合装置13の貼合位置に近接してそのパネル搬送上流側に設けられ、貼合位置に導入される直前の液晶パネルPの下面側の静電気の除去及び集塵を行う。
【0034】
第1貼合装置13は、貼合位置に導入された液晶パネルPの下面に対して、所定サイズにカットした貼合シートF5の貼合を行う。
第1貼合装置13は、第1光学部材シートF1が巻回された原反ロールR1から第1光学部材シートF1を巻き出しつつ第1光学部材シートF1をその長手方向に沿って搬送する搬送装置22と、搬送装置22が第1光学部材シートF1から分離させた所定長さの貼合シートF5を上流側コンベア6により搬送される液晶パネルPの下面に貼合する挟圧ロール23とを備えている。
【0035】
搬送装置22は、セパレータシートF3aをキャリアとして貼合シートF5を搬送するもので、第1光学部材シートF1をその長手方向に沿って繰り出すロール保持部22aと、原反ロールR1から巻き出した第1光学部材シートF1を所定の搬送経路に沿って案内するために第1光学部材シートF1を巻き掛ける複数のガイドローラ22bと、搬送経路上の第1光学部材シートF1にハーフカットを施すカット部22cと、ハーフカットを施した第1光学部材シートF1を鋭角に巻きかけてセパレータシートF3aから貼合シートF5を剥離させつつこの貼合シートF5を貼合位置に供給するナイフエッジ22dと、ナイフエッジ22dを経て単独となったセパレータシートF3aを巻き取るセパレータロールR2を保持する巻き取り部22eを有する。
【0036】
第1光学部材シートF1は、その搬送方向と直交する水平方向(シート幅方向)で、液晶パネルPの表示領域P4の幅(表示領域P4の長辺と短辺のうちいずれか一方の辺の長さ、本実施形態では表示領域P4の長辺長さに相当)よりも広い幅を有している。
【0037】
搬送装置22の搬入端に位置するロール保持部22aと搬送装置22の搬出端に位置する巻き取り部22eとは互いに同期して駆動する。これにより、ロール保持部22aが第1光学部材シートF1をその搬送方向へ繰り出しつつ、巻き取り部22eがナイフエッジ22dを経たセパレータシートF3aを巻き取る。以下、搬送装置22における第1光学部材シートF1(セパレータシートF3a)の搬送方向上流側をシート搬送上流側、搬送方向下流側をシート搬送下流側という。
【0038】
各ガイドローラ22bは、搬送中の第1光学部材シートF1の進行方向を搬送経路に沿って変化させると共に、複数のガイドローラ22bの少なくとも一部が搬送中の第1光学部材シートF1のテンションを調整するべく可動する。
【0039】
カット部22cは、第1光学部材シートF1が前記シート幅方向と直交する長さ方向で表示領域P4の長さ(表示領域P4の長辺と短辺のうちいずれか他方の辺の長さ、本実施形態では表示領域P4の短辺長さに相当)よりも長い長さが繰り出される毎に、前記シート幅方向に沿って全幅にわたって、第1光学部材シートF1の厚さ方向の一部を切断するハーフカットを行う。これにより、第1光学部材シートF1から液晶パネルPの表示領域P4よりも大きい貼合シートF5のシート片(第1シート片(シート片)F1m)が切り出される。
【0040】
第1シート片F1mの大きさは、例えば液晶パネルPよりも大きいものとすることができる。なお、第1シート片F1mにおいて、液晶パネルPの外側にはみ出る部分の大きさ(第1シート片F1mの余剰部分の大きさ)は、液晶パネルPのサイズに応じて適宜設定される。例えば、第1シート片F1mを5インチ〜10インチの中小型サイズの液晶パネルPに適用する場合は、第1シート片F1mの各辺において第1シート片F1mの一辺と液晶パネルPの一辺との間の間隔を2mm〜5mmの範囲の長さに設定する。
【0041】
ハーフカットは、第1光学部材シートF1の搬送中に働くテンションによって第1光学部材シートF1(セパレータシートF3a)が破断せずセパレータシートF3aが所定の厚さだけ残るように、切断刃の進退位置を調整し、粘着層F2aとセパレータシートF3aとの境界面の近傍まで切り込みを入れる。尚、切断刃に代わるレーザー装置を用いてもよい。
【0042】
ハーフカット後の第1光学部材シートF1には、第1光学部材シートF1の幅方向の全幅にわたり、厚さ方向で光学部材本体F1a及び表面保護フィルムF4Aが切断された切込線が形成される。切込線は、帯状の第1光学部材シートF1の長手方向で表示領域P4の短辺長さ相当の長さを有する間隔に形成され、第1光学部材シートF1は、複数の切込線によって長手方向で複数の区画に分けられる。第1光学部材シートF1の長手方向で隣り合う一対の切込線に挟まれる区画部分それぞれが、貼合シートF5における一つのシート片(第1シート片F1m)となる。
【0043】
ナイフエッジ22dは、上流側コンベア6の下方に配置されて第1光学部材シートF1の幅方向で少なくともその全幅に渡って延在する。ナイフエッジ22dには、ハーフカット後の第1光学部材シートF1のセパレータシートF3a側が摺接するように巻きかけられる。
第1光学部材シートF1は、ナイフエッジ22dの先端部で鋭角に折れ曲がるようにして進行方向が変化する際に、第1シート片F1mからセパレータシートF3aを剥離させる。ナイフエッジ22dの先端部は、挟圧ロール23のパネル搬送下流側に近接配置され、ナイフエッジ22dによりセパレータシートF3aから剥離した第1シート片F1mは、上流側コンベア6によって搬送される液晶パネルPの下面に重なりつつ、挟圧ロール23の一対の貼合ローラ23a,23a間に導入される。
【0044】
挟圧ロール23は、互いに軸方向を平行にして配置された一対の貼合ローラ23a,23aを有する。一対の貼合ローラ23a,23a間には所定の間隙が形成され、この間隙の位置が第1貼合装置13の貼合位置となる。一対の貼合ローラ23a,23aの間隙に、液晶パネルP及び第1シート片F1mが重なり合って導入され、これら液晶パネルP及び第1シート片F1mが、各貼合ローラ23aに挟圧されつつパネル搬送下流側に送り出される。これにより、液晶パネルPの下面に第1シート片F1mが一体的に貼合されて、第1光学部材貼合体(貼合体)PA1となる。
【0045】
反転装置14Aは、第1光学部材貼合体PA1を第1切断装置15Aの切断位置へ搬送するとともに、この搬送時に第2光学部材貼合体PA2の表裏を反転し、液晶パネルPの第1シート片F1mが貼合された面を上面とした状態で第1切断装置15Aに受け渡す。
【0046】
第1切断装置15Aは、液晶パネルPに貼合された第1シート片F1mから液晶パネルPと第1シート片F1mとの貼合面に対応する部分の外側に配置された余剰部分Y(図6参照)を切り離し、液晶パネルPと第1シート片F1mとの貼合面に対応する大きさの第1光学部材F11(図3参照)を形成する。第1切断装置15Aにより第1光学部材貼合体PA1から第1シート片F1mの余剰部分Yが切り離されることにより、液晶パネルPの表裏一方の面に第1光学部材F11が貼合されてなる第2光学部材貼合体PA2が形成される。
【0047】
第1回収装置30は、余剰部分Yを外周面に巻きつけて回転する剥離ロール36と、液晶パネルPを吸着する吸着テーブル31と、を備えている。吸着テーブル31は、上流側コンベア6の下方に配置されている。第1回収装置30は、第1シート片F1mから切り離された余剰部分Yを第1シート片F1mの角部に対応する部分から剥離し回収する。以下、余剰部分Yにおいて第1シート片F1mの角部に対応する部分を余剰部分の角部(余剰部分のシート片の角部に対応する部分)Ye(図6参照)と称する。
【0048】
当該回収処理後、吸着テーブル31は、液晶パネルPの長辺及び短辺を剥離ロール36の回転軸36aに対して斜めに傾けた状態で液晶パネルPを第1旋回装置18の方向に移動する。
【0049】
第1旋回装置18は、第1切断装置15Aを経て上流側コンベア6の搬出端に達した第2光学部材貼合体PA2を吸着あるいは挟持することにより保持し、液晶パネルPの長辺及び短辺を剥離ロール36の回転軸36aに対して斜めに傾けた状態で搬送されていた第2光学部材貼合体PA2を表示領域P4の長辺に沿う方向に搬送されるように旋回させる。
第2光学部材貼合体PA2は、第1旋回装置18により旋回動作を行うことにより、液晶パネルPの表裏面に貼合される各偏光フィルムの偏光軸が互いに直角となる。
【0050】
したがって、上流側コンベア6及び下流側コンベア7は、共に図の右側から左側へ向う方向を液晶パネルPの搬送方向とするが、第1旋回装置18を経由することで、上流側コンベア6及び下流側コンベア7が平面視で幅方向に所定量オフセットする。
【0051】
ここで、第1旋回装置18は、第1吸着装置11のアライメントカメラ11bと同様のアライメントカメラ18cを備えており、第1吸着装置11のパネル保持部11aと同様のアライメント機能を有している。
【0052】
第2集塵装置16は、第2貼合装置17の貼合位置に近接してそのパネル搬送上流側に設けられ、貼合位置に導入される直前の第2光学部材貼合体PA2の下面側の静電気の除去及び集塵を行う。
【0053】
第2貼合装置17は、貼合位置に導入された第2光学部材貼合体PA2の下面に対して、所定サイズにカットした貼合シートF5の貼合を行う。第2貼合装置17は、第1貼合装置13と同様の搬送装置22及び挟圧ロール23を備えている。
第2貼合装置17のカット部22cは、この第2貼合装置17で用いる第2光学部材シートF2が前記シート幅方向と直交する長さ方向で表示領域P4の長さ(表示領域P4の長辺と短辺のうちいずれか他方の辺の長さ、本実施形態では表示領域P4の長辺長さに相当)よりも長い長さが繰り出される毎に、前記シート幅方向に沿って全幅にわたって、この第2光学部材シートF2に対してハーフカットを施し、帯状の第2光学部材シートF2の長手方向で並ぶ複数の切込線を形成する。切込線は、帯状の第2光学部材シートF2の長手方向で表示領域P4の長辺長さ相当の長さを有する間隔に形成され、第2光学部材シートF2は、複数の切込線によって長手方向で複数の区画に分けられる。第2光学部材シートF2の長手方向で隣り合う一対の切込線に挟まれる区画部分それぞれが、貼合シートF5における一つのシート片(第2シート片(シート片)F2m)となる。
【0054】
第2シート片F2mの大きさは、例えば液晶パネルPよりも大きいものとすることができる。なお、第2シート片F2mにおいて、液晶パネルPの外側にはみ出る部分の大きさ(第2シート片F2mの余剰部分の大きさ)は、液晶パネルPのサイズに応じて適宜設定される。例えば、第2シート片F2mを5インチ〜10インチの中小型サイズの液晶パネルPに適用する場合は、第2シート片F2mの各辺において第2シート片F2mの一辺と液晶パネルPの一辺との間の間隔を2mm〜5mmの範囲の長さに設定する。
【0055】
挟圧ロール23は、互いに軸方向を平行にして配置される一対の貼合ローラ23a,23aを有し、これら一対の貼合ローラ23a,23a間には所定の間隙が形成され、この間隙の位置が第2貼合装置17の貼合位置となる。間隙内には、第2光学部材貼合体PA2及び第2シート片F2mが重なり合った状態で導入され、これら第2光学部材貼合体PA2及び第2シート片F2mが、各貼合ローラ23aに挟圧されつつパネル搬送下流側に送り出される。これにより、第2光学部材貼合体PA2の表裏他方の面(第2光学部材貼合体PA2の第1光学部材F11が貼合された面とは反対側の面)に第2シート片F2mが一体的に貼合され、第3光学部材貼合体(貼合体)PA3となる。
【0056】
第2反転装置14Bは、第3光学部材貼合体PA3を第2切断装置15Bの切断位置へ搬送するとともに、この搬送時に第3光学部材貼合体PA3の表裏を反転し、液晶パネルPの第2シート片F2mが貼合された面を上面とした状態で第2切断装置15Bに受け渡す。
【0057】
第2切断装置15Bは、第3光学部材貼合体PA3に貼合された第2シート片F2mから液晶パネルPと第2シート片F2mとの貼合面に対応する部分の外側に配置された余剰部分を切り離し、液晶パネルPと第2シート片F2mとの貼合面に対応する大きさの第2光学部材F12(図3参照)を形成する。第2切断装置15Bにより第3光学部材貼合体PA3から第2シート片F2mの余剰部分が切り離されることにより、液晶パネルPの表裏他方の面に第2光学部材F12が貼合され、且つ、液晶パネルPの表裏一方の面に第1光学部材F11が貼合されてなる第4光学部材貼合体PA4が形成される。
【0058】
ここで、第1切断装置15Aおよび第2切断装置15Bは、例えばCOレーザーカッターである。第1切断装置15A、第2切断装置15Bによって、シート片F1m,F2mから、液晶パネルPと第1シート片F1mまたは第2シート片F2mとの貼合面に対応する部分の外側に配置された余剰部分Yを切り離し、液晶パネルPと第1シート片F1mまたは第2シート片F2mとの貼合面に対応する大きさの第1光学部材F11、第2光学部材F12を形成する。
【0059】
切断装置15は、後述する検出装置で検出された、液晶パネルPと、液晶パネルPに貼合されたシート片FXmと、の貼合面の外周縁に沿って、液晶パネルPに貼合されたシート片FXmを無端状に切断する。表示領域P4の外側には、液晶パネルPの第1及び第2基板P1,P2を接合するシール剤等を配置する所定幅の額縁部G(図3参照)が設けられており、この額縁部Gの幅内で切断装置15によるシート片FXmの切断(カットライン:WCL)が行われる。
【0060】
このような、貼合面の外周縁の検出および切断装置による切断は、詳しくは以下のようにして行う。
【0061】
図11は、貼合面の外周縁を検出する第一検出装置(検出装置)61の模式図である。本実施形態のフィルム貼合システム1が備える第一検出装置61は、第1光学部材貼合体PA1における、液晶パネルPと第1シート片F1mとの貼合面(以下、第一貼合面(貼合面)SA1と称することがある。)の外周縁EDの画像を撮像する撮像装置63と、外周縁EDを照明する照明光源64と、撮像装置63で撮像した画像の記憶や、画像に基づいて外周縁EDを検出するための演算を行う制御部65と、を有する。
【0062】
このような第一検出装置61は、図1における第1切断装置15Aのパネル搬送上流側であって、第1反転装置14Aと第1切断装置15Aとの間に設けられている。
【0063】
撮像装置63は、外周縁EDよりも第一貼合面SA1の内側に固定して配置されており、第一貼合面SA1の法線と、撮像装置63の撮像面63aの法線とが、角度θ(以下、撮像装置63の傾斜角度θと称する)をなすように傾斜した姿勢となっている。撮像装置63は、撮像面63aを外周縁EDに向け、第1光学部材貼合体PA1において第1シート片F1mが貼合された側から外周縁EDの画像を撮像する。
【0064】
撮像装置63の傾斜角度θは、第一貼合面SA1をなす第1基板P1の外周縁を確実に撮像できるように設定することが好ましい。例えば、液晶パネルPが、マザーパネルを複数枚の液晶パネルに分割する、いわゆる多面取りで形成されている場合、液晶パネルPを構成する第1基板P1と第2基板P2との外周縁にずれが生じ、第2基板P2の端面が第1基板P1の端面よりも外側にずれることがある。このような場合、撮像装置63の傾斜角度θは、撮像装置63の撮像視野内に第2基板P2の外周縁が入り込まないように設定することが好ましい。
【0065】
このような場合、撮像装置63の傾斜角度θは、第一貼合面SA1と撮像装置63の撮像面63aの中心との間の距離H(以下、撮像装置63の高さHと称する)に適合するように設定されることが好ましい。例えば、撮像装置63の高さHが50mm以上100mm以下の場合、撮像装置63の傾斜角度θは、5°以上20°以下の範囲の角度に設定されることが好ましい。ただし、経験的にずれ量が分かっている場合には、そのずれ量に基づいて撮像装置63の高さH及び撮像装置63の傾斜角度θを求めることができる。本実施形態では、撮像装置63の高さHが78mm、撮像装置63の傾斜角度θが10°に設定されている。
【0066】
撮像装置63の傾斜角度θは、0°であってもよい。図12は、第一検出装置61の変形例を示す模式図であり、撮像装置63の傾斜角度θが0°である場合の例である。この場合、撮像装置63及び照明光源64の各々が、第一貼合面SA1の法線方向に沿って外周縁EDに重なる位置に配置されていてもよい。
【0067】
第一貼合面SA1と撮像装置63の撮像面63aの中心との間の距離H1(以下、撮像装置63の高さH1と称する)は、第一貼合面SA1の外周縁EDを検出しやすい位置に設定されることが好ましい。例えば、撮像装置63の高さH1は、50mm以上150mm以下の範囲に設定されることが好ましい。
【0068】
照明光源64は、第1光学部材貼合体PA1における第1シート片F1mが貼合された側とは反対側に固定して配置されている。照明光源64は、外周縁EDよりも第一貼合面SA1の外側に配置されている。本実施形態では、照明光源64の光軸と撮像装置63の撮像面63aの法線とが平行になっている。
【0069】
なお、照明光源64は、第1光学部材貼合体PA1における第1シート片F1mが貼合された側(すなわち、撮像装置63と同じ側)に配置されていてもよい。
【0070】
また、照明光源64から射出される照明光により、撮像装置63が撮像する外周縁EDが照明されていれば、照明光源64の光軸と撮像装置63の撮像面63aの法線とが交差していてもよい。
【0071】
図13は、貼合面の外周縁を検出する位置を示す平面図である。図に示す第1光学部材貼合体PA1の搬送経路上には、検査領域CAが設定されている。検査領域CAは、搬送される液晶パネルPにおける、第一貼合面SA1の外周縁EDに対応する位置に設定されている。図では、検査領域CAは、平面視矩形の第一貼合面SA1の4つの角部に対応する4箇所に設定されており、第一貼合面SA1の角部を外周縁EDとして検出する構成となっている。図では、第一貼合面SA1の外周縁のうち、角部に対応する鉤状の部分を外周縁EDとして示している。
【0072】
図14の第一検出装置61は、4箇所の検査領域CAにおいて外周縁EDを検出する。具体的には、各検査領域CAには、それぞれ撮像装置63および照明光源64が配置されており、第一検出装置61は、搬送される液晶パネルPごとに第一貼合面SA1の角部を撮像し、撮像データに基づいて外周縁EDを検出する。検出された外周縁EDのデータは、図14に示す制御部65に記憶される。
【0073】
なお、第一貼合面SA1の外周縁が検出可能であれば、検査領域CAの設定位置はこれに限らない。例えば、各検査領域CAが、第一貼合面SA1の各辺の一部(例えば各辺の中央部)に対応する位置に配置されていてもよい。この場合、第一貼合面SA1の各辺(四辺)を外周縁として検出する構成となる。
【0074】
また、撮像装置63および照明光源64は、各検査領域CAに配置されている構成に限らず、第一貼合面SA1の外周縁EDに沿うように設定された移動経路を移動可能である構成であってもよい。この場合、撮像装置63と照明光源64とが各検査領域CAに位置した際に外周縁EDを検出する構成とすることで、撮像装置63と照明光源64とがそれぞれ1つずつ設けられていれば、外周縁EDの検出が可能となる。
【0075】
第1切断装置15Aによる第1シート片F1mについてのカット位置は、第一貼合面SA1の外周縁EDの検出結果に基づいて設定される。
【0076】
例えば、図11に示す制御部65が、記憶された第一貼合面SA1の外周縁EDのデータに基づいて、第1光学部材F11が液晶パネルPの外側(第一貼合面SA1の外側)にはみ出さない大きさとなるようにシート片F1mのカット位置を設定する構成とすることができる。また、カット位置の設定は、必ずしも第一検出装置61の制御部65で行う必要はなく、第一検出装置61で検出した外周縁EDのデータを用い、別途計算手段を用いて行うこととしても構わない。
【0077】
第1切断装置15Aは、制御部65によって設定されたカット位置においてシート片F1mを切断する。
【0078】
図1に戻り、第1切断装置15Aは、液晶パネルPに貼合された第1シート片F1mのうち第一貼合面SA1に対応する部分と、その外側の余剰部分とを、検出された外周縁EDに基づいて設定されたカット位置に沿って切り離し、第一貼合面SA1に対応する大きさの第1光学部材F11(図3参照)を切り出す。これにより、液晶パネルPの上面に第1光学部材F11が重ねて貼合された第2光学部材貼合体PA2が形成される。
【0079】
ここで、「第一貼合面SA1に対応する部分」とは、第1シート片F1mにおいて、対向する液晶パネルPの表示領域の大きさ以上、液晶パネルPの外形状(平面視における輪郭形状)の大きさ以下の領域であって、かつ液晶パネルPにおける電気部品取付部等の機能部分を避けた領域を指す。
【0080】
本実施形態では、平面視矩形状の液晶パネルPにおける機能部分を除いた三辺では、液晶パネルPの外周縁に沿って余剰部分をレーザーカットし、機能部分に相当する一辺では、液晶パネルPの外周縁から表示領域P4側に適宜入り込んだ位置で余剰部分をレーザーカットする構成を採用できる。例えば、第1基板P1がTFT基板の場合、機能部分に相当する一辺では機能部分を除くよう液晶パネルPの外周縁から表示領域P4側に所定量ずれた位置でカットする構成を採用できる。
【0081】
図14は、貼合面の外周縁を検出する第二検出装置62の模式図である。本実施形態のフィルム貼合システム1が備える第二検出装置62は、第3光学部材貼合体PA3における、液晶パネルPと第2シート片F2mとの貼合面(以下、第二貼合面(貼合面)SA2と称することがある。)の外周縁EDの画像を撮像する撮像装置63と、外周縁EDを照明する照明光源64と、撮像装置63で撮像した画像を記憶し、画像に基づいて外周縁EDを検出するための演算を行う制御部65と、を有する。第二検出装置62は、上述の第一検出装置61と同様の構成を有している。
【0082】
このような第二検出装置62は、図1における第2切断装置15Bのパネル搬送上流側であって、第2反転装置14Bと第2切断装置15Bとの間に設けられている。第二検出装置62は、第3光学部材貼合体PA3の搬送経路上において設定された検査領域において、上述の第一検出装置61と同様にして第二貼合面SA2の外周縁EDを検出する。
【0083】
第2切断装置15Bによる第2シート片F2mのカット位置は、第二貼合面SA2の外周縁EDの検出結果に基づいて設定される。
【0084】
例えば、図14に示す制御部65は、記憶された第二貼合面SA2の外周縁EDのデータに基づいて、第2光学部材F12が液晶パネルPの外側(第二貼合面SA2の外側)にはみ出さない大きさとなるように第2シート片F2mのカット位置を設定する構成とすることができる。また、カット位置の設定は、必ずしも第二検出装置62の制御部65で行う必要はなく、第二検出装置62で検出した外周縁EDのデータを用い、別途計算手段を用いて行うこととしても構わない。
【0085】
第2切断装置15Bは、制御部65によって設定されたカット位置において第2シート片F2mを切断する。
【0086】
第2切断装置15Bは、液晶パネルPに貼合された第2シート片F2mのうち第二貼合面SA2に対応する部分と、その外側の余剰部分とを、検出された外周縁EDに沿って切り離し、第二貼合面SA2に対応する大きさの第2光学部材F12(図3参照)を切り出す。これにより、第2光学部材貼合体PA2の上面に第2光学部材F12が貼合された第4光学部材貼合体PA4が形成される。
【0087】
ここで、「第二貼合面SA2に対応する部分」とは、第2シート片F2mにおいて、対向する液晶パネルPの表示領域の大きさ以上、液晶パネルPの外形状(平面視における輪郭形状)の大きさ以下の領域であって、かつ液晶パネルPにおける電気部品取付部等の機能部分を避けた領域を指す。
【0088】
上記実施形態では、切断装置15の一例としてCOレーザーを用いたが、切断装置15はこれに限定されない。切断刃などの他の切断手段を切断装置15として用いることも可能である。
【0089】
第2回収装置40は、余剰部分を外周面に巻きつけて回転する剥離ロール46と、液晶パネルPを吸着する吸着テーブル41と、を備えている。吸着テーブル41は、下流側コンベア7の下方に配置されている。第2回収装置40は、第2シート片F2mから切り離された余剰部分Yを第2シート片F2mの角部に対応する部分(余剰部分Yの角部Ye)から剥離し回収する。
【0090】
当該回収処理後、吸着テーブル41は、液晶パネルPの長辺及び短辺を剥離ロール46の回転軸に対して斜めに傾けた状態で液晶パネルPを第2旋回装置19の方向に移動する。
【0091】
第2旋回装置19は、液晶パネルPの長辺及び短辺を剥離ロール36の回転軸36aに対して斜めに傾けた状態で搬送されていた第4光学部材貼合体PA4を表示領域P4の短辺に沿う方向に搬送されるように旋回させる。
欠陥検査装置21は、第2旋回装置19を経て表示面側を上向きにした第4光学部材貼合体PA4を、その下面側(バックライト側)から光を当てて上面側(表示面側)よりカメラ21aで撮像し、この撮像データに基づき第4光学部材貼合体PA4の欠陥(貼合不良等)の有無を検査する。
【0092】
以下、第1回収装置30について説明するが、第2回収装置40も同様の構成を有するものとする。
【0093】
図5は、本発明の実施形態における第1回収装置30の概略構成図である。図6は、本発明の実施形態における第1回収装置30が、余剰部分Yを剥離し回収する際の平面図である。
図5及び図6に示すように、第1回収装置30は、余剰部分Yを外周面36sに巻きつけて回転する剥離ロール36と、液晶パネルPを吸着し、液晶パネルPの長辺および短辺を剥離ロール36の回転軸36aに対して斜めに傾けた状態で液晶パネルPを剥離ロール36の回転軸36aと直交する方向に相対移動させる吸着テーブル31と、余剰部分Yの一部をニップする送りロール38と、を備えている。剥離ロール36の回転、吸着テーブル31の移動、及び送りロール38による余剰部分Yのニップは、制御装置により制御される。
【0094】
図6に示すように、余剰部分Yは平面視矩形の枠状に形成されている。尚、図6において、符号Y1は余剰部分Yのうち液晶パネルPの長辺に沿う長手部分、符号Y2は余剰部分Yのうち液晶パネルPの短辺に沿う短手部分、符号Yeは余剰部分Yのうち長手部分Y1の端部と短手部分Y2の端部とが重なる角部である。符号θ1は液晶パネルPの長辺と剥離ロール36の回転軸36aとのなす角度、符号θ2は液晶パネルPの短辺と剥離ロール36の回転軸36aとのなす角度である。
【0095】
本実施形態において、吸着テーブル31は、制御装置の制御により、液晶パネルPの長辺および短辺を剥離ロール36の回転軸36aに対して45°傾けた状態で(θ1=θ2=45°)、液晶パネルPを剥離ロール36の回転軸36aと直交する方向に相対移動させるように構成されている。
【0096】
剥離ロール36は、パネル搬送方向と直交する方向と平行に配置されている。図5に示すように、剥離ロール36は、余剰部分Yの角部Yeを機械的な力でチャックするチャックユニット37を内蔵している。剥離ロール36は、制御装置の制御に基づき、チャックユニット37により余剰部分Yの角部Yeをチャックした状態で回転することにより、余剰部分Yを巻き取るよう構成されている。
【0097】
チャックユニット37は、余剰部分Yの角部Yeをチャックするチャック部37aと、チャック部37aに連結されたピストン・シリンダ機構37bと、を備えている。
【0098】
チャック部37aは、剥離ロール36の一部に形成された開口部36hから露出している。チャック部37aは、余剰部分Yの角部Yeをチャックする前の初期状態において、剥離ロール36の下方に位置し、余剰部分Yの角部Yeをチャックできるよう開いた状態になっている。
【0099】
ピストン・シリンダ機構37bは、チャック部37aを摺動自在に保持する。ピストン・シリンダ機構37bは、チャック部37aが余剰部分Yの角部Yeをチャックする前の開いた状態と、余剰部分Yの角部Yeをチャックしたときの閉じた状態と、を調整する。
【0100】
吸着テーブル31は、液晶パネルP(以下の説明では第2光学部材貼合体PA2を含む意味とする)をその下方から例えばエア吸引により吸着保持する。
【0101】
吸着テーブル31は、パネル搬送方向に沿って移動可能に設けられるテーブル本体32と、テーブル本体32に上下昇降可能に支持されるステージ33と、液晶パネルPの内側(表示領域P4)の下面を吸着するべくステージ33に支持される内側吸着パッド34と、液晶パネルPの外側(電気部品取り付け部等)の下面を吸着するべくステージ33に支持される外側吸着パッド35と、を有する。
【0102】
テーブル本体32は、制御装置の制御により、図1に示す第1切断装置15Aの下方位置と第1旋回装置18の下方位置との間で移動可能になっている。
【0103】
液晶パネルPは、例えばTFT(Thin Film Transistor)基板からなるベース板部(前記第1基板P1に相当)P6と、ベース板部P6に対向配置される対向板部P7とを有する。対向板部P7は、ベース板部P6と対向する比較的小形の基板(前記第2基板P2に相当)とこれらの間に封入される液晶層P3とを含む。第1回収装置30において、液晶パネルPはバックライト側(ベース板部P6側)を上側にして配置される。
【0104】
ステージ33の内側吸着パッド34は、液晶パネルPにおける対向板部P7を含む厚板部P8の下面に吸着し、ステージ33の外側吸着パッド35は、液晶パネルPにおける厚板部P8の外側でベース板部P6を主になる薄板部P9の下面に吸着する。厚板部P8の下面と薄板部P9の下面とは段差状に連なり、これらの間の略垂直な段差面に外側吸着パッド35が接することで、吸着テーブル31に対する液晶パネルPの位置決めがなされる。尚、液晶パネルPの表示領域P4は厚板部P8の外形内に形成される。
【0105】
吸着テーブル31は、制御装置の制御に基づき、チャックユニット37によって余剰部分Yの角部Yeがチャックされた状態で剥離ロール36の下方に相対変位することにより、余剰部分Yの一部を剥離させるように構成されている。
【0106】
送りロール38は、制御装置の制御に基づき、吸着テーブル31が剥離ロール36の下方に相対変位した後、余剰部分Yの一部をニップして剥離ロール36による余剰部分Yの巻取り方向と同方向(送りロール38によるニップ部分におけるロール38aの回転方向の接線方向)に余剰部分Yを送るように構成されている。
【0107】
ステージ33は、制御装置の制御により、ステージ33が下降位置にあるときに、各吸着パッド34,35を液晶パネルPの対応部位の下面に吸着させるように構成されている。この状態から、ステージ33が上昇位置に変位することで、ステージ33が吸着した液晶パネルPも一体的に上昇する。
【0108】
次に、第1回収装置30の作用について説明する。
図7図9は、本発明の実施形態における第1回収装置30の作用を示す説明図である。尚、図7図9においては、便宜上、吸着テーブル31の移動方向を図1に示すパネル搬送方向とは逆に示す。
【0109】
まず、図7(a)に示すように、ステージ33が下降位置にあるとき、吸着テーブル31は、余剰部分Yの角部Yeを剥離ロール36のチャック部37aの下方に移動させる。
本実施形態においては、図6に示すように、吸着テーブル31の移動により、液晶パネルPの長辺および短辺を剥離ロール36の回転軸36aに対して45°傾けた状態で、液晶パネルPを剥離ロール36の回転軸36aと直交する方向に移動させる。これにより、余剰部分Yの長手部分Y1及び短手部分Y2が均等に剥離される。
【0110】
尚、本実施形態においては、制御装置の制御により、剥離ロール36を移動させずに、吸着テーブル31のみを移動させているが、相対移動の形態はこれに限らない。例えば、吸着テーブル31を移動させずに剥離ロール36のみを移動させたり、吸着テーブル31及び剥離ロール36の双方を移動させたりすることにより、吸着テーブル31と剥離ロール36とを相対移動させる形態においても本発明を適用することができる。
【0111】
次いで、図7(b)に示すように、ステージ33を上昇させて、余剰部分Yの角部Yeをチャック部37aに近接させる。例えば、余剰部分Yの角部Yeをチャック部37aの開いた部分に入り込むよう移動させる。
【0112】
次いで、図8(a)に示すように、ピストン・シリンダ機構37bがチャック部37aを摺動させることにより、チャック部37aにより余剰部分Yの角部Yeをチャックする。
【0113】
次いで、図8(b)に示すように、チャック部37aによって余剰部分Yの角部Yeがチャックされた状態で、ステージ33を下降させ、余剰部分Yの一部を剥離する。これにより、余剰部分Yの角部Yeがチャック部37aによって持ち上げられる。
【0114】
図6に示すように、余剰部分Yの角部Yeと液晶パネルPの接触面積は、余剰部分Yの長手部分Y1と液晶パネルPの接触面積又は短手部分Y2と液晶パネルPの接触面積よりも小さい。
【0115】
余剰部分Yを、当該余剰部分Yの長手部分Y1又は短手部分Y2から剥離させた場合、液晶パネルPとの接触面積が大きいため強い負荷を必要とし、余剰部分Yに過度の力が加わり、余剰部分Yの一部がちぎれて余剰部分Yの回収を中断させることがある。
【0116】
これに対し、本実施形態においては、余剰部分Yを、当該余剰部分Yの角部Yeから剥離するため、余剰部分Yの長手部分Y1又は短手部分Y2から剥離する場合に比べて、剥離する際の負荷が低減され、剥離しやすくなる。
【0117】
次いで、図8(c)に示すように、余剰部分Yの角部Yeがチャック部37aによって持ち上げられた後、送りロール38が余剰部分Yの一部をニップする。余剰部分Yの一部がニップされることにより、余剰部分Yの剥離位置が規制される。
【0118】
ここで、剥離ロール36と送りロール38との間には、剥離ロール36の回転力を送りロール38に伝達する動力伝達機構39が配置されている。動力伝達機構39は、剥離ロール36に当接して配置された第1ギア39aと、第1ギア39aと送りロール38のロール38aに当接して配置された第2ギア39bと、を備えている。これにより、剥離ロール36の回転に同期して、第1ギア39a、第2ギア39b、及び送りロール38が回転するように構成されている。
【0119】
余剰部分Yは、剥離ロール36の回転によって、液晶パネルPより剥離されつつ巻き取られる。具体的には、送りロール38が余剰部分Yの一部をニップしつつチャック部37aにより余剰部分Yの角部Yeをチャックした状態で剥離ロール36が回転することにより、余剰部分Yが巻き取られる。送りロール38は、動力伝達機構39により、剥離ロール36の回転に同期して、剥離ロール36による余剰部分Yの巻取り方向と同方向に余剰部分Yを送る。
【0120】
図9(a)に示すように、剥離ロール36がさらに回転すると、余剰部分Yにおける剥離されずに残された部分(余剰部分Yの長手部分Y1及び短手部分Y2)がパネル搬送下流側から漸次剥離される。
【0121】
このとき、吸着テーブル31は、液晶パネルPの長辺及び短辺を剥離ロール36の回転軸36aに対して斜めに傾けた状態で液晶パネルPを剥離ロール36の回転軸36aと直交する方向(図9(a)の矢印方向)に移動する。吸着テーブル31は、剥離ロール36の回転に同期して、前記方向に移動する。このように、剥離ロール36の回転に同期して、第1ギア39a、第2ギア39b(図8参照)、及び送りロール38が回転するとともに吸着テーブル31が前記方向に移動するように構成されている。
【0122】
次いで、図9(b)に示すように、吸着テーブル31がさらに前記方向に移動し、剥離ロール36から離れる。一方、剥離ロール36の回転により、剥離ロール36に巻き取られた余剰部分Yが送りロール38によるニップから解除される。すると、余剰部分Yは、自身の弾性力によって、捲回された状態から側面視直線状に復元する。
【0123】
そして、図9(c)に示すように、制御装置の制御により、チャック部37aが開かれることにより、余剰部分Yが下方に配置された回収ボックス50に廃棄される。
【0124】
尚、余剰部分Yの回収後は、例えば、吸着テーブル31がもとの位置に戻り、ステージ33が所定量下降する。以下、吸着テーブル31が上流側の液晶パネルPを吸着した後、前記同様の各処理が繰り返される。
【0125】
以上説明したように、本実施形態のフィルム貼合システム1によれば、表示領域P4よりも大きいシート片FXmを液晶パネルPに貼合した後に、シート片FXmの余剰部分Yを切り離すことで、液晶パネルPとシート片FXmとの貼合面に対応する大きさの光学部材を液晶パネルPの面上で形成することができる。これにより、光学部材を表示領域P4の際まで精度よく設けることができ、表示領域P4外側の額縁部を狭めて表示エリアの拡大及び機器の小型化を図ることができる。
そして、シート片FXmから切り離した余剰部分Yを回収する際、余剰部分Yの角部Yeから剥離させることで、接触面積が小さいため弱い力で剥離させることができ、余剰部分Yの一部がちぎれることを抑制し、余剰部分Yの回収を中断させることなく余剰部分Yを途切れなく連続的に回収することができる。
【0126】
また、吸着テーブル31が液晶パネルPの長辺及び短辺を剥離ロール36の回転軸36aに対して斜めに傾けた状態で液晶パネルPを剥離ロール36の回転軸36aと直交する方向(図9(a)の矢印方向)に移動するため、余剰部分Yを剥離する際、剥離している部分に余分な力がかかることが抑制される。そのため、枠状の余剰部分Y全体が液晶パネルPより無理なく剥離される。
【0127】
また、送りロール38が剥離ロール36の回転に同期して回転するため、枠状の余剰部分Y全体が液晶パネルPより無理なく剥離される。
【0128】
また、吸着テーブル31が、液晶パネルPの長辺および短辺を剥離ロール36の回転軸36aに対して45°傾けた状態で、液晶パネルPを剥離ロール36の回転軸36aと直交する方向に移動させるため、余剰部分Yの長手部分Y1及び短手部分Y2が均等に剥離される。そのため、枠状の余剰部分Y全体が液晶パネルPより無理なく剥離される。
【0129】
尚、本実施形態においては、チャックユニット37として余剰部分Yの角部Yeを機械的な力でチャックするメカニカルチャックを挙げて説明したがこれに限らない。例えば、余剰部分Yの角部Yeを真空吸引して固定する真空チャックを用いてもよい。
【0130】
また、本実施形態においては、回収装置が余剰部分Yの角部Yeから剥離し回収する例を挙げて説明したが、これに限らない。
【0131】
例えば、図10に示すように、回収装置が余剰部分Yの短手部分Y2の一部CPから剥離し回収してもよい。この場合、吸着テーブル31は、制御装置の制御により、液晶パネルPの長辺を剥離ロール36の回転軸36aに対して直交させた状態で(θ3=90°)、液晶パネルPを剥離ロール36の回転軸36aと直交する方向に相対移動させるように構成される。そして、チャック部37a(図5参照)により余剰部分Yの短手部分Y2の一部CPをチャックする。以下、前記実施形態と同様の動作により余剰部分Yを剥離し回収する。
このような構成においても、本発明を適用可能である。
【0132】
また、回収装置が余剰部分Yの長手部分Y1の一部から剥離し回収してもよい。すなわち、回収装置が余剰部分Yをチャックして光学部材から剥離し回収するよう構成されていればよい。
【0133】
尚、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、余剰部分Yは平面視矩形の枠状に限らず、L字等の様々な平面視形状であってもよい。
【0134】
尚、この発明は前記実施形態に限られるものではなく、例えば、液晶パネルに偏光フィルムを貼合する場合について説明したが、光学部材が貼り付けられる光学表示部品としては液晶パネルに限られず、有機ELパネルにも適用でき、貼合される光学部材としては偏光フィルムに限られず、反射防止フィルム、光拡散フィルムなどにも適用できる。
【0135】
上記実施形態のフィルム貼合システム1では、検出装置を用いて複数の液晶パネルPごとに貼合面の外周縁を検出し、検出した外周縁に基づいて、個々の液晶パネルPごとに貼合したシート片F1m,F2mの切断位置を設定する。これにより、液晶パネルPやシート片F1m,F2mの大きさの個体差によらず所望の大きさの光学部材を切り離すことができるため、液晶パネルPやシート片F1m,F2mの大きさの個体差による品質バラツキをなくし、表示領域周辺の額縁部を縮小して表示エリアの拡大及び機器の小型化を図ることができる。
【0136】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0137】
1…フィルム貼合システム(光学表示デバイスの生産システム)、13…第1貼合装置(貼合装置)、15…切断装置、15A…第1切断装置(切断装置)、15B…第2切断装置(切断装置)、17…第2貼合装置(貼合装置)、30…第1回収装置(回収装置)、31,41…吸着テーブル、36,46…剥離ロール、36a…回転軸、37…チャックユニット、38…送りロール、40…第2回収装置(回収装置)、61…第一検出装置(検出装置)、62…第二検出装置(検出装置)、F…光学部材シート、F1m…第1シート片(シート片)、F2m…第2シート片(シート片)、P…液晶パネル(光学表示部品)、P4…表示領域、R1…原反ロール、Y…余剰部分、Ye…余剰部分の角部(余剰部分のシート片の角部に対応する部分)、PA1…第1光学部品貼合体(貼合体)、PA3…第3光学部品貼合体(貼合体)、ED…第一貼合面の外周縁、第二貼合面の外周縁、SA1…第一貼合面(貼合面)、SA2…第二貼合面(貼合面)
図1
図2
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