(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6183020
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】野積み粉体の固結防止方法及び固結防止剤
(51)【国際特許分類】
C09K 3/00 20060101AFI20170814BHJP
C04B 24/08 20060101ALI20170814BHJP
C04B 22/06 20060101ALI20170814BHJP
C04B 5/00 20060101ALI20170814BHJP
B65G 3/02 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
C09K3/00 R
C04B24/08
C04B22/06 A
C04B5/00 C
B65G3/02 Z
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-146613(P2013-146613)
(22)【出願日】2013年7月12日
(65)【公開番号】特開2015-17223(P2015-17223A)
(43)【公開日】2015年1月29日
【審査請求日】2016年6月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001063
【氏名又は名称】栗田工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
(72)【発明者】
【氏名】吉川 たかし
【審査官】
齊藤 光子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−053456(JP,A)
【文献】
特開平06−126268(JP,A)
【文献】
特開2001−259604(JP,A)
【文献】
特開平08−010739(JP,A)
【文献】
特開2006−289365(JP,A)
【文献】
特開平01−146984(JP,A)
【文献】
特開平01−038723(JP,A)
【文献】
特公昭50−025436(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K3/
C04B5/,7/,18/
B65G3/
B09B1/−5/
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
野積み保管される粉体の保管中の固結を防止する方法であって、
該粉体が、石炭、焼却灰、焼却飛灰、溶融飛灰、セメント、スラグ、石炭灰及びフライアッシュよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であり、該粉体を野積みする前に、該粉体に疎水性を有する微粒子を添加、混合することを特徴とする野積み粉体の固結防止方法。
【請求項2】
請求項1において、前記疎水性を有する微粒子が、炭素数10以上の高級脂肪酸金属塩の微粒子及び疎水性フュームドシリカよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする野積み粉体の固結防止方法。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記疎水性を有する微粒子の平均粒径が1〜200μmであることを特徴とする野積み粉体の固結防止方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項において、前記粉体に対する前記疎水性を有する微粒子の添加量が0.1〜2重量%であることを特徴とする野積み粉体の固結防止方法。
【請求項5】
野積み保管される粉体の保管中の固結を防止する固結防止剤であって、該粉体が、石炭、焼却灰、焼却飛灰、溶融飛灰、セメント、スラグ、石炭灰及びフライアッシュよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であり、炭素数10以上の高級脂肪酸金属塩及び疎水性フュームドシリカよりなる群から選ばれる1種又は2種以上の疎水性を有する微粒子よりなることを特徴とする野積み粉体の固結防止剤。
【請求項6】
請求項5において、前記疎水性を有する微粒子の平均粒径が1〜200μmであることを特徴とする野積み粉体の固結防止剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野積み石炭等の野積み粉体の固結防止方法及び固結防止剤に関する。詳しくは、石炭等の粉体を長期間野積み保管している間に、該粉体が固結することを防止して、保管後の取り扱い性を維持するための固結防止方法及び固結防止剤に関する。
【背景技術】
【0002】
製鉄所や発電所では、コークス原料や燃料としての石炭を屋外貯蔵ヤードに野積みして保管している。しかし、石炭を長期間貯蔵ヤードに野積み保管しておくと、雨が降り自重で押し固められた結果、固結し、運搬し難くなったり、ホッパーに入れても下部より払出しし難い状況となる。
【0003】
従来、野積み石炭に対しては、発塵防止、劣化防止、自然発火防止、降雨による流出防止、含水率等の変化防止を目的として、被覆剤を散布する技術が提案されているが、野積み石炭等の野積みされた粉体の固結防止に関しては、特別な検討はなされていない。
例えば、特開平10−259390号公報や特開2000−080355号公報では、野積み石炭に撥水剤等を被覆して発塵や自然発火などを防止することが提案されているが、これらは、基本的に石炭を固結させる技術であり、本発明で目的とする固結防止とはむしろ相反する技術である。
【0004】
一方で、粉末(粉体)自体の固結防止に関する技術自体は公知であり、例えば特開2001−029771号公報には、焼却灰等の固結防止を目的として、グルコン酸ナトリウム等の水溶液を添加することが提案されている。また、水砕スラグの固結防止剤として、特公昭58−35944号公報には、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸、リンゴ酸等の脂肪族オキシカルボン酸を添加することが、特公昭58−35735号公報には、リグニンスルホン酸を添加することが記載されている。これら特公昭58−35944号公報及び特公昭58−35735号公報においても、いずれも固結防止剤は水溶液として用いられる。
【0005】
しかしながら、上記の固結防止技術は、いずれも、基本的に、固結防止対象粉体から、固結を引き起こす何らかの物質が析出するとの想定のもとに、その固結誘引物質の析出自体を薬剤を用いることで防止しようというものであるため、用いる固結防止剤の固結防止効果は、析出する固結誘引物質が異なると有効に発揮されなくなる。しかも、従来の析出防止タイプの固結防止剤は、固結防止剤を均一な水溶液として用いていることから、様々な物質が添加後に蒸発乾固して固結する結果、固結防止が困難な場合もある。
【0006】
このようなことから、従来、例えば、野積み石炭については、特別な固結防止対策はとられておらず、貯蔵ヤードに野積み保管した後の石炭が固結してリクレーマーやショベルカーなどで払い出せなくなった場合には、粉砕用の重機を持ち込み、粉砕後に搬送することが行われている。また、搬送後の石炭をホッパーに装入する際、塊の混入防止のためにホッパー上部に設けられたストレーナーに石炭の塊が溜まった場合には、人力で塊を壊すなどして対応しているが、この作業は高所の危険な作業となる。また、搬送時の重機持ち込み、人手による作業などは、頻度が高いと操業への悪影響が大きいものとなる。
【0007】
このため、野積み石炭等の野積み粉体の固結を抑制し、また固結した場合であってもその強度を低くすることで、払い出し時のトラブルを防止する技術が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−259390号公報
【特許文献2】特開2000−080355号公報
【特許文献3】特開2001−029771号公報
【特許文献4】特公昭58−35944号公報
【特許文献5】特公昭58−35735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記従来の実状に鑑みてなされたものであって、野積み石炭等の粉体の固結を効果的に防止する方法とそのための固結防止剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、粉体を野積みする前に疎水性を有する微粒子を粉体に混合することにより、野積み保管中の粉体の固結を有効に防止することができることを見出した。
【0011】
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
【0012】
[1] 野積み保管される粉体の保管中の固結を防止する方法であって、
該粉体が、石炭、焼却灰、焼却飛灰、溶融飛灰、セメント、スラグ、石炭灰及びフライアッシュよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であり、該粉体を野積みする前に、該粉体に疎水性を有する微粒子を添加、混合することを特徴とする野積み粉体の固結防止方法。
【0013】
[2] [1]において、前記疎水性を有する微粒子が、炭素数10以上の高級脂肪酸金属塩の微粒子及び疎水性フュームドシリカよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする野積み粉体の固結防止方法。
【0014】
[3] [1]又は[2]において、前記疎水性を有する微粒子の平均粒径が1〜200μmであることを特徴とする野積み粉体の固結防止方法。
【0015】
[4] [1]ないし[3]のいずれかにおいて、前記粉体に対する前記疎水性を有する微粒子の添加量が0.1〜2重量%であることを特徴とする野積み粉体の固結防止方法。
【0017】
[
5] 野積み保管される粉体の保管中の固結を防止する固結防止剤であって、
該粉体が、石炭、焼却灰、焼却飛灰、溶融飛灰、セメント、スラグ、石炭灰及びフライアッシュよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であり、炭素数10以上の高級脂肪酸金属塩及び疎水性フュームドシリカよりなる群から選ばれる1種又は2種以上の疎水性を有する微粒子よりなることを特徴とする野積み粉体の固結防止剤。
【0018】
[
6] [
5]において、前記疎水性を有する微粒子の平均粒径が1〜200μmであることを特徴とする野積み粉体の固結防止剤。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、野積み前の粉体に疎水性を有する微粒子を混合するという簡便な方法で、野積み保管される粉体の保管中の固結を効果的に抑制し、固結させることなく、また、固結が生じた場合であってもその固結強度を著しく低いものとすることができ、野積み保管後の粉体の取り扱いに際して、粉砕等の手間を要することなく、容易に取り扱うことができるようになる。
このため、例えば、貯蔵ヤードに野積み保管された石炭を搬送する際にも、容易に払い出せることから、粉砕のための重機の搬入は不要とされ、また、ホッパーに投入する際にも、ホッパー上から石炭を落下させる時に塊が問題となることもなく、塊を壊すための手作業も不要となる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に本発明の野積み粉体の固結防止方法及び固結防止剤の実施の形態を詳細に説明する。
【0022】
以下においては、野積みされる粉体として主として石炭の場合を例示して本発明を説明するが、本発明で固結を防止する粉体は、石炭に何ら限定されるものではない。本発明が対象とする粉末は、水分に暴露されることにより固結する粉体であり、そのうちのひとつとして、構成成分が水和反応性無機成分を含む粉末である。その水和反応性無機成分としては、水と反応して水和物を生成する成分や、水酸化カルシウム、珪酸塩化合物、珪酸アルミニウム塩化合物、アルカリ金属水酸化物、珪酸カルシウム、珪酸カルシウム塩化合物、アルミン酸カルシウム等の水硬性物質が挙げられる。また、水の存在により水硬性物質を容易に形成する化学成分を含むものであっても良い。かかる水和反応性無機成分を含む粉体としては、例えば、焼却灰、焼却飛灰、溶融飛灰、セメント、スラグ、石炭灰又はフライアッシュ等が挙げられる。更に、水に溶解した成分が、水が蒸発する際に析出し、固結する場合もある。
本発明で固結防止対象とする粉体は、これらの1種のみを含むものであってもよく、2種以上を含むものであってもよい。
これらの粉体の粒径は通常の0.1〜10mm、好ましくは0.1〜5mm程度である。この範囲より大きい場合には、そもそも接触点が小さく固結しにくい。また、小さすぎるものは野積みされない。
【0023】
なお、後掲の比較例5に示されるように、野積みされる前の粉体が水分を含んでいると、これに疎水性を有する微粒子を添加、混合しても固結防止効果は得られない。従って、疎水性を有する微粒子を添加、混合する粉体は、十分な乾燥状態であることが望ましい。水分含有率としては0〜20重量%以下、特に0〜10重量%であることが好ましい。
【0024】
また、本発明で用いる疎水性を有する微粒子の「疎水性」とは、当該微粒子をシャーレ上に広げ、純水を1mL用スポイトで一滴添加したときに、1時間経過後も水が浸透しないようなものをさす。
【0025】
本発明においては、粉体を野積みする前に、該粉体に疎水性を有する微粒子を添加、混合することにより、該粉体の野積み保管中の固結を防止する。
このように、野積みされる前の粉体に疎水性を有する微粒子を添加、混合することによる固結防止の作用機構は、以下の通りである。
【0026】
即ち、例えば、野積み石炭が固結する理由は以下の通りである。
石炭が水分に曝されることで、石炭中の成分が一旦溶解し、水分が蒸発、乾燥する時には石炭粒子間でこの溶出成分が濃縮、乾燥するため、これがバインダーとなって石炭粒子間を結合させ、石炭全体が固結することとなる。
疎水性を有する微粒子が石炭に添加され、石炭粒子に付着すると、石炭粒子の周辺は疎水性を有する微粒子の存在でミクロ的に水に濡れ難い状況となる。そのため、溶解した石炭成分がバインダー効果を発揮する部分が、疎水性を有する微粒子が付着した石炭微粒子周辺以外の限定された部分となり、その分石炭粒子同士が固結する力が弱まり、固結し難くなる結果、固結が防止される。
【0027】
このように、疎水性を有する微粒子による固結防止の作用機構は、固結誘引物質の析出を防止するものではなく、その疎水性によって水をはじき、溶出成分によるバインダー作用が及ぶ箇所を減らすことに基くものであるため、粉体の種類や溶出成分に影響されることなく、固結防止効果を有効に発揮することができる。
【0028】
本発明で用いる疎水性を有する微粒子としては、疎水性を有し、かつ適用する粉体に対して悪影響を及ぼすものでなければよく、特に制限はないが、例えば炭素数10以上の高級脂肪酸の金属塩や、疎水性フュームドシリカなどを用いることができる。
【0029】
炭素数10以上の高級脂肪酸としては、直鎖状でも分岐鎖状でもよいが、好ましくは疎水性、取り扱い性の面から炭素数10〜22の飽和高級脂肪酸であり、例えばカプリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等が挙げられる。また、その金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、その他、亜鉛塩、アルミニウム塩等が挙げられる。これらのうち、高級脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸金属塩、ラウリン酸金属塩が好ましく、特にそのカルシウム塩やマグネシウム塩が好ましい。
【0030】
また、疎水性を有する微粒子は、粒径が大き過ぎるとその疎水性により水を寄せ付けない箇所が少なくなるため、粒径の小さい微粒子であることが好ましく、また、粒径が小さ過ぎると取り扱い時の飛散等の問題があり好ましくないことから、平均粒径1〜200μm、特に5〜20μm程度であることが好ましい。粉体と微粒子との粒径比(粉体/微粒子)は5〜10000、好ましくは100〜5000、より好ましくは400〜2000である。この範囲であればより均一に分散させることができる。
【0031】
疎水性を有する微粒子は、1種を単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
【0032】
野積み粉体への疎水性を有する微粒子の添加方法としては特に制限はないが、野積みされた粉体は、一旦降雨に曝され含水率が上昇し、更に圧密することで固化していくため、疎水性を有する微粒子は、粉体の水分が上昇する前に添加し、ショベルカー等で混合した後野積みする。またはベルトコンベアー上で輸送される石炭に疎水性を有する微粒子を添加し、乗り継ぎ部で石炭全体に混合させた後、野積みしてもよい。疎水性を有する微粒子は、対象となる粉体に均一に混合されることが望ましい。
【0033】
疎水性を有する微粒子の添加量については特に制限はないが、少な過ぎると十分な固結防止効果を得ることができず、多過ぎても対象粉体以外の成分が増えてしまうことから、粉体に対して0.1〜2重量%程度、特に0.3〜1.0重量%程度添加することが好ましい。
【0034】
疎水性を有する微粒子を添加、混合した後の粉体は、常法に従って、貯蔵ヤードに野積みして保管される。
【実施例】
【0035】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、何ら以下の実施例に限定されるものではない。
【0036】
[実施例1〜3,比較例1〜4]
各種の薬剤の固結防止効果を確認するために以下の試験を実施した。
試験方法としては、篩で−5mm粒度とした石炭(含水率5%)を筒に詰め、上から水を散布して1週間荷重をかけた後、筒内の塊を取出し、この塊を30cmの高さから自然落下させ、砕かれた状況を目視で確認することで固結状況を調べる方法を採用した。
具体的には、筒には、150A、長さ20cmの塩ビ配管を用い、これを直立させた。この筒に、薬剤処理した石炭を1500g入れ、その後、150mLの水を霧吹きで筒上から散布した後、石炭上に筒の内径と同じ外径の短棒を載せ、更に20kgの重しを載せた状態で1時間静置した。更に1週間の間に、20kgの重しを載せて1時間静置する荷重印加を合計5回となるように行い、更に1週間静置後に筒内の塊を取り出して、落下試験を実施した。
薬剤は、筒に入れる前の石炭に添加し、スコップで1分間混合した後筒に詰めた。薬剤の添加量は、いずれも薬剤純分の添加量として石炭重量に対して0.5重量%とした。
【0037】
薬剤としては以下のものを用いた。
薬剤A:ステアリン酸カルシウム微粒子
平均粒径=8μm
薬剤B:ステアリン酸マグネシウム微粒子
平均粒径=5μm
薬剤C:疎水性フュームドシリカ微粒子
平均粒径=10μm
薬剤D:親水性フュームドシリカ微粒子
平均粒径=8μm
薬剤E:アルキルスルホコハク酸ナトリウム希釈液(4倍水希釈)
薬剤F:ヘキサメタリン酸ナトリウム希釈液(4倍水希釈)
薬剤G:ポリアクリル酸ナトリウム希釈液(4倍水希釈)
【0038】
塊の落下試験結果は、下記基準で評価した。
○:砕かれる。
△:一部分砕かれるが、大部分が元の形で残っている。
×:元の形で残っている。
【0039】
実施例1〜3及び比較例1〜4では、表1に示す薬剤を用いて上記の方法で試験を行い、結果を表1に示した。
【0040】
[比較例5]
篩で−5mm粒度とした石炭(含水率5%)を、実施例1におけると同量の水で濡らした後に、表1に示す薬剤を薬剤の純分として石炭重量に対して0.5重量%添加混合したもの1500gを、筒に入れ、実施例1におけると同様に1週間に5回の荷重印加を行った後、同様に落下試験を実施し、結果を表1に示した。
【0041】
[比較例6]
薬剤を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に試験を行い、結果を表1に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
表1より、野積み前の粉体に疎水性を有する微粒子を添加、混合することにより、固結を防止することができることが分かる。これに対して親水性の微粒子では固結防止効果が十分でなく(比較例1)、また、疎水性を有する微粒子であっても水散布後に添加した場合には固結防止効果は得られない(比較例5)。
また、従来の水溶液タイプの固結防止剤でも十分な固結防止効果を得ることはできない(比較例2〜4)。