(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
半導体業界は、常に寸法が小さくなっている集積回路を印刷することができるリソグラフィ技術を開発し続けている。極紫外(EUV)光(時には軟X線とも称される)は、10〜110ナノメートル(nm)の波長を有する電磁放射線であると一般的に定義される。EUVリソグラフィは、一般的に、10〜14nmの範囲の波長でのEUV光を含むと一般的に考えられ、かつ極めて小さい特徴部(例えば、32nm未満の特徴部)をシリコンウェーハのような基板に生成するのに使用される。これらのシステムは、非常に信頼性が高く、かつ費用効率が高いスループット及び適切な処理許容範囲を与えなければならない。
【0003】
EUV光を生成する方法は、以下に限定されるものではないが、1つ又はそれよりも多くの輝線がEUV範囲にある1つ又はそれよりも多くの元素(例えば、キセノン、リチウム、錫、インジウム、アンチモン、テルル、アルミニウムなど)を有する材料をプラズマ状態に変換することを含む。レーザ生成プラズマ(LPP)と呼ばれることが多い1つのこのような方法では、必要とされるプラズマは、望ましい線放出元素を有する材料の液滴、流れ、又はクラスターのようなターゲット材料を照射部位でレーザビームを用いて照射することによって生成することができる。
【0004】
線放出元素は、純粋な形態又は合金の形態(例えば、望ましい温度で液体である合金)である場合があり、又は液体のような別の材料と混合又は分散させることができる。プラズマ開始のためにこのターゲット材料及びレーザビームをLPP EUV源プラズマチャンバ内の望ましい照射部位(例えば、1次焦点)に同時に送出することは、ある一定のタイミング及び制御上の問題を呈する。具体的には、レーザビームは、ターゲット材料が通過することになる位置にフォーカスされ、かつターゲットに適正に当たって良好なプラズマ及び従って良好なEUV光を得るためにその位置を通過する時にターゲット材料と交差するように時間調節されることが必要である。
【0005】
液滴発生器は、ターゲット材料を加熱し、かつ加熱されたターゲット材料を1次焦点のz軸に沿って進むレーザビームと交差するように1次焦点のx軸に沿って進む液滴として押し出す。理想的には、液滴は、1次焦点を通過するようにターゲットが定められる。レーザビームが1次焦点で液滴に衝突した時に、EUV光出力は最大になる。
【0006】
しかし、レーザが発射された時に、バースト内の先行する液滴から形成されたプラズマは、バースト内の後続液滴の軌跡を妨げ、それらの液滴を1次焦点のx軸から押し出す。この結果として、液滴は、レーザビームが衝突する時に1次焦点から離れる方向にy軸及び/又はz軸に沿って変位される(「押し出される」)。このプッシュアウトは、急速に(例えば、約15〜20msで)増大し、かつかなり大きい可能性がある(例えば、1次焦点から120μmの変位)。プッシュアウトの大きくかつ急速な性質は、特にEUVシステムの連続モード発射中に問題があり、その理由は、1次焦点への液滴の再位置合わせは、レーザが再び発射されて1次焦点の外側にある後続液滴をレーザ照射する前には達成することができないからである。すなわち、プッシュアウトの影響は、後続液滴から発生されたプラズマが、コレクターの1次焦点にフォーカスされず、その結果、EUV光出力が最適化されないことである。
【0007】
液滴プッシュアウトを補償する現在の方法は、プッシュアウトが発生した後で液滴を1次焦点に再位置合わせする液滴発生器の液滴毎のフィードバック制御に依存している。しかし、このような液滴毎のフィードバック制御は、液滴が進行する速度に対して液滴を再位置合わせするのに必要な比較的長い時間のために理想的ではない。例えば、レーザが連続モードで発射されている時に、第1の液滴からのプラズマがプッシュアウト外乱を引き起こした後の液滴毎のフィードバックは、次の液滴をその次の液滴にレーザビームが衝突する前に1次焦点ターゲットに完全に再位置合わせするには遅すぎる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
半導体ウェーハは、複数のダイに分割され、その各々は、同じタイプの集積回路をその上に製作させるためのものである。従って、ウェーハ上のダイは、同等の量のEUV光に露光される必要がある。この要件を満たすために、レーザは、全ての露光に対して同じ作動点に発射される。従って、発生するプッシュアウトは、サイズが類似のものである。プッシュアウトは、単一作動点において反復特性を有するが、プッシュアウトのサイズは、作動点にわたってかつEUVシステムにわたって異なる可能性がある。
【0014】
本明細書に説明するシステム及び方法の実施形態は、液滴プッシュアウトの大きさを学習し、かつプッシュアウトを予想して液滴発生器をバースト間に調節することにより、プッシュアウトのこの反復特性を利用して液滴プッシュアウトを適応的に事前補償する。具体的には、EUVシステムは、前のバーストにおいて観測されたプッシュアウトの大きさに基づいて、液滴を1次焦点からオフセットしているターゲット位置に後続バーストで送出するために液滴発生器を再位置決めする。液滴(再位置決めされた液滴発生器によって送出された)にレーザビームが衝突すると、その液滴のプッシュアウトの増大が始まり、それによって液滴が1次焦点に推し進められてプラズマを生成し、プラズマは、次に、楕円形コレクターによって中間フォーカス上へフォーカスされた後に、例えば、リソグラフィシステムに進められ、すなわち、リソグラフィシステムによって使用される。時間と共に、EUVシステムは、液滴位置をターゲット上に維持することを学習する。事前補償のこの適応的性質は、静的ターゲット適応化のための長い較正手順を回避するのに重要である。
【0015】
図1は、典型的なLPP EUVシステム100の構成要素の一部を示している。CO
2レーザのような駆動レーザ101は、ビーム送出システム103及びフォーカス光学系104を通過するレーザビーム102を生成する。フォーカス光学系104は、LPP EUV源プラズマチャンバ110内の照射部位での1次焦点105を有する。液滴発生器106は、照射部位でレーザビーム102が衝突した時にEUV光を射出するプラズマを発生させる適切なターゲット材料の液滴107を生成して放出する。楕円形コレクター108は、生成されたEUV光を例えばリソグラフィシステムに送出する中間フォーカス109にプラズマからのEUV光をフォーカスする。中間フォーカス109は、典型的には、EUV光に露光されることになっているウェーハのボートを含むスキャナ(図示せず)内にあり、現在照射中のウェーハを含むボートの一部は、中間フォーカス109に位置する。一部の実施形態において、フォーカス光学系104上に全て収束するビームを有する複数の駆動レーザ101がある場合がある。1つのタイプのLPP EUV源は、CO
2レーザ及び反射防止コーティング及び約6〜8インチの開口を有する亜鉛セレン(ZnSe)レンズを使用することができる。
【0016】
駆動レーザ101は、個別の液滴107に別々に衝突するためにパルス式に発射される。パルスの全ての連続はバーストになるが、駆動レーザ101は、異なるバーストモードで発射することができる。ストロボスコープモード(すなわち、短いバーストを伴うモード)では、バーストの長さは、1msに限定され、一方、連続モード(すなわち、長いバーストを伴うモード)では、予想バースト長さは、各ダイに対して3〜4秒である。
【0017】
駆動レーザ101をストロボスコープのモードで発射する時に、EUVシステム100は、閉回路(液滴毎)フィードバックを用いて適度に良好に液滴107をターゲット上に維持する。しかし、より高いEUV光電力出力をもたらすために、駆動レーザ101は、プラズマがより長い時間間隔中に生成される連続モード(長いバースト)の方で駆動されることが多い。発射のこれらのより長い連続バースト中に、液滴107は、プラズマと相互作用し、その結果、1次焦点105から離れる方向に押し出される。この変位、すなわち、「プッシュアウト」は、生成されるプラズマがもはや1次焦点内に集中しないのでEUV放射に悪影響を与え、従って、最大EUV光は、楕円形コレクター108によってフォーカスすることができず、下流での使用ために再フォーカスされる。
【0018】
閉回路(液滴毎)フィードバック制御システム(「液滴毎のフィードバックシステム」)は、従来、液滴107を駆動レーザ101のパルス発射中に1次焦点105上をターゲットとして保つために使用される。液滴毎のフィードバックシステムは、液滴107がレーザ照射されようとする時にy軸及び/又はz軸に沿って液滴位置を測定するセンサ(例えば、狭視野(NF)カメラ)と組み合わせた線レーザを含む。EUVシステム100は、測定された液滴位置を用いて、アクチュエータ(例えば、圧電(「PZT」)アクチュエータ)に液滴発生器106を再位置合わせするように指令し、後続液滴(先行する液滴107から生成されたプラズマによって1次焦点105から押し出された)が、1次焦点105に送出されるように再位置合わせされるようになっている。この液滴毎のフィードバックシステムの1つの短所は、複数のバーストにわたる位置の繰り返される誤差(すなわち、バースト間のターゲット誤差)を考慮することなく作動し、それによって液滴をターゲット上に再位置合わせするために使用することができるアクチュエータが制限されるということである。具体的には、粗移動アクチュエータ(例えば、ステッパモータ)は、液滴107を的外れに更に押し進めることになるEUVシステム振動を導入するので、粗移動アクチュエータは、液滴107をターゲット上に再位置合わせするには好ましくはない。微細移動アクチュエータ(例えば、PZTアクチュエータ)のみを使用して、振動の導入は回避されるが、液滴をターゲットに再位置合わせすることができる急速度、並びに液滴を再位置決めすることができる範囲が制限される。従って、閉回路(液滴毎)フィードバックシステムは、望ましいプッシュアウト外乱(例えば、ほぼ.4ms)を補正するのに更に時間を消費する。
【0019】
一実施形態によるEUV光生成の最適化に関わっているEUVシステム構成要素の拡大概略図を
図2に示している。レーザビーム102は、楕円形コレクター108を通って1次焦点105に送出される。y軸及びz軸に沿った1次焦点105の位置決めは、引用によって本明細書に全体が組み込まれる米国特許出願第13/549,261号明細書(Frihauf他)に説明されているように、フォーカス光学系104、すなわち、最終フォーカスレンズ(図示せず)及び最終フォーカスステアリングミラー(図示せず)によって決定される。LPP EUVシステムからのエネルギ出力は、いかに良好にレーザビーム102をフォーカスすることができ、かつレーザビームがフォーカスを液滴発生器106によって生成された液滴107上に時間と共に維持することができるかに基づいて変化する。最適エネルギは、レーザビーム102が衝突した時に液滴が1次焦点105に位置決めされた場合にEUVシステム100から出力される。液滴のこのような位置決めによって、楕円形コレクター108は、最大量のEUV光を生成されたプラズマから例えばリソグラフィシステムへの送出のためにフォーカスすることができる。センサ201(例えば、峡視野(NF)カメラ)は、液滴が1次焦点105に進行中にレーザのカーテンを通過する時に液滴を感知し、液滴毎のフィードバックをEUVシステム100に供給し、液滴毎のフィードバックは、液滴107を1次焦点105に(すなわち、「ターゲット上に」)再位置合わせするように液滴発生器106を調節するのに使用される。
【0020】
z軸に沿った液滴位置が連続バーストモードでどのようにレーザ発射中に変わるかを
図3a、
図3b、
図3c、
図3d、及び
図4を参照してここに説明する。
図3a、
図3b、
図3c、及び
図3dは、それぞれ、連続バーストモードでのレーザバースト発射前、開始時、発射中、及び発射後の液滴107の向きを概略的に示している。
図4は、0のz軸位置で実線によって示す1次焦点105と共に経時的なz軸に沿った液滴位置を示すグラフである。1次焦点105にある間にレーザ照射された液滴107は、プラズマを楕円形コレクター108の焦点内で生成する。矢印401a、401b、401c、及び401dは、
図3a、
図3b、
図3c、図及び3dがそれぞれ発生する時点を示している。
【0021】
最初に
図3aを参照すると、駆動レーザ101が発射される前に、液滴発生器106から液滴キャッチャ301に放出される液滴107は、1次焦点105のx軸に沿って直線で向けられる。
図4に矢印401aによって示す時点で、液滴107は、1次焦点105を通過する。
【0022】
図3bをここで参照すると、レーザビーム102のパルスが1次焦点105で第1の液滴107に衝突した時に、第1の液滴107のターゲット材料が気化し、プラズマ302が、1次焦点105で生成される。プラズマ302から射出されたEUV光は、楕円形コレクター108によってフォーカスされて中間フォーカス109上へ反射され、中間フォーカスで、EUV光は、例えば、リソグラフィシステムに入るか又はリソグラフィシステムによって使用される。
図4に矢印401aによって示す時点で、液滴107は、1次焦点105にある。
【0023】
図3cをここで参照すると、プラズマ302が液滴107の照射によって形成された状態で、周囲の液滴107が、楕円形コレクター108の1次焦点105から変位する(「押し出される」)。従って、レーザビーム102が第1の液滴107に衝突した時に、後続液滴107は、1次焦点105のz軸座標からz軸に沿って押し出される。
図4に矢印401cによって示す時点で、液滴107は、1次焦点105から変位している(この実施例ではほぼ75μm)。このプッシュアウトのために、プラズマ302は、1次焦点105でもはや生成されず、従って、生成されたEUV光は、中間フォーカス109で楕円形コレクター108によってフォーカスされはしない(すなわち、生成されたEUV光は、フォーカス外にある)。プッシュアウト現象が制御されない場合に、追加の後続液滴107の照射から生成されたプラズマ302は、後続液滴107のz軸からの加算的プッシュアウトをトリガする可能性がある。従って、EUV生成は、特に駆動レーザ101が連続モードで発射される時に、ウェーハ上のダイを露光中に破壊するほど有意に妨害される。駆動レーザ101を一定の作動点で発射することによって類似のサイズのプッシュアウトが生成されるが、プッシュアウトは、駆動レーザ101がより長い期間にわたって発射される時にドリフトする。
【0024】
図3dをここで参照すると、液滴プッシュアウトは、後続液滴107を1次焦点105に戻し始めるために、プッシュアウトが発生した後に液滴発生器106を調節する液滴毎のフィードバックシステムを通して従来は制御されてきた。本質的に、液滴毎のフィードバックシステムは、プッシュアウトを待って、その後に後続液滴107をターゲット(すなわち、1次焦点105)に再位置合わせするようにアクチュエータ(例えば、PZTアクチュエータ)で液滴発生器106を調節することによって外乱に対処する。しかし、液滴毎のフィードバック処理は、プッシュアウトが発生した後まで始まらないので、液滴107の実際の位置と1次焦点105との誤差が非常に増大する可能性がある。理想的には、バースト発射が始まって10ms後に、液滴107は、1次焦点105から±5μm内にあるべきである(かつ留まるべきである)。その結果、
図4に示すように、液滴毎のフィードバック処理には、液滴107をターゲット上に再位置決めするためにバースト開始後に有意な時間(例えば、ほぼ0.4秒)が必要である。液滴毎のフィードバック処理によって液滴107が1次焦点105に再位置合わせされた状態で(矢印4dによって示すように)、液滴毎のフィードバック制御信号によって、液滴107をバーストの持続時間にわたって1次焦点105の近くで保持することができる。
【0025】
現在の液滴毎のフィードバックシステムとは対照的に、本明細書に説明する実施形態は、プッシュアウト外乱のバースト間を利用し、かつそれによって液滴毎のフィードバックシステムが液滴をバースト中に正しいz軸位置に再位置合わせするのに必要な時間を短縮してプッシュアウト外乱を克服する。また、液滴毎のフィードバックも最小にすることによって、EUVシステム100は、液滴107を再位置決めし、かつステッパモータ(振動をEUVシステムに導入し、それによってターゲット上への液滴107の再位置決めの成功を妨げる)を使用せずに済むようにするためにPZTアクチュエータに依存することができる。
【0026】
図5をここで参照すると、EUV光を生成する公知のシステム及び方法とは対照的に、本明細書に説明するシステム及び方法の実施形態は、液滴をバースト間間隔中に(すなわち、バースト間に)、レーザビーム102がターゲット位置502で液滴107に衝突するように、1次焦点105から離れる方向に変位したターゲット位置502に再位置合わせする。レーザビーム102がターゲット位置502で液滴107に衝突した時に、液滴107は押し出されるが、プッシュアウト現象によって、液滴107は、プラズマ302が生成された時に、1次焦点105に押し(出されるのではなく)込まれる。従って、プラズマ302は、1次焦点105で生成され、すなわち、楕円形コレクター108の焦点内で生成されたEUV光は、中間フォーカス109で楕円形コレクター108によって集光されてフォーカスされる。当業者は、連続作動モードの第1の発射バーストに関して、ターゲット位置502は、必要ではないが1次焦点105と一致することができることを認識するであろう。
【0027】
一実施形態により液滴ターゲット位置を適応調節するのに使用される事前補償制御ループの概要を示すブロック図を
図6に示している。液滴発生器106は、液滴107をx軸に沿って液滴107が
図1に関して上述したようにレーザ照射されることになっているターゲット(x−、y−、z−)位置に放出する。LPP EUV源チャンバ110内側の1つ又はそれよりも多くのセンサ201は、放出された液滴107の1つ又はそれよりも多くの軸線方向位置を感知する(例えば、y軸に沿って、z軸に沿って、又は両方の軸線に沿って)。y軸に沿った液滴107の感知された軸線方向位置は、y軸コントローラ603Yに伝えられ、及び/又はz軸に沿った液滴107の感知された位置は、z軸コントローラ603Zに伝えられる。軸コントローラ603Y及び/又は603Zは、予想された液滴プッシュアウトを事前補償する液滴107の更新ターゲット位置を決定する(本明細書の他の箇所でより詳細に説明するように)。軸コントローラ603Y及び/又は603Zは、その後に、後続液滴107が事前補償された軸線方向ターゲット位置502に送出されるように液滴発生器106を調節する指令をそれぞれy軸アクチュエータ604Y及び/又はz軸アクチュエータ604Z(例えば、ステッパモータ及び/又はPZT)に出力する。
【0028】
別の実施形態において、事前補償制御ループは、液滴位置を適応調節するのに使用される。この実施形態において、軸コントローラ603Y及び/又は603Zは、予想された液滴プッシュアウトを事前補償する液滴107の更新された液滴位置を決定する(本明細書の他の箇所でより詳細に説明するように)。軸コントローラ603Y及び/又は603Zは、その後に、後続液滴107が事前補償された軸線方向液滴位置に送出されるように液滴発生器106を調節するマンドをそれぞれy軸アクチュエータ604Y及び/又はz軸アクチュエータ604Z(例えば、ステッパモータ及び/又はPZT)に出力する。
【0029】
図7をここで参照すると、液滴プッシュアウトを事前補償するように液滴ターゲット位置を適応調節する方法の一実施形態の流れ図が示されている。閉回路レーザ作動中(すなわち、バースト中)には、プッシュアウト外乱の大きさを直接に測定することはできない。これに代えて、液滴プッシュアウトを実質的に事前補償するために、EUVシステム100は、液滴がレーザ照射される直前に液滴の位置を測定してプッシュアウトの大きさを推定する。従って、段階701では、液滴107がターゲット位置502に向かう途中でレーザのカーテンを通過する時に、センサ201(例えば、NFカメラ)は、液滴107を感知し、液滴107に関するデータを軸コントローラ603Y及び/又は603Zに送る。一実施形態において、液滴位置の感知は、バーストの開始によってトリガされ、バーストの停止によって終了する。センサ201の視野は、液滴のサンプリング頻度を決定する(例えば、センサ201の視野を低減すると、フレーム率の増大が可能である)。
【0030】
段階702では、y軸及び/又はz軸に沿った感知された液滴の位置を計算する。これを行うために、センサ201は、液滴107の軸線方向位置を測定し(ピクセル単位で)、液滴107の垂直重心及び水平重心を決定する。軸コントローラは、その後に、座標変換を垂直及び水平重心に行う。従って、y軸コントローラ603Yは、垂直重心のピクセルを変換してy軸位置を計算し(例えば、μm単位で)、z軸コントローラ603Zは、水平重心のピクセルを変換して液滴107のz軸位置を計算する(例えば、μm単位で)。この変換によって、液滴107の測定された(y、z)位置に及ぼすセンサ傾きの影響が最小にされる。
【0031】
段階703では、軸コントローラは、感知された液滴107の軸線方向(z又はy)開ループ位置を推定する。概念的に、軸線方向開ループ位置は、液滴107を再位置決めするために液滴毎のフィードバックが適用されなかった場合の液滴107のz位置及び/又はy位置であり、すなわち、液滴107を1次焦点105に再位置合わせするための液滴毎のフィードバック制御なしの(z軸及び/又はy軸)に沿った液滴プッシュアウトである。軸コントローラは、あらゆる液滴毎のフィードバック調節を決定した液滴y位置及び/又はz位置から差し引くことによって軸線方向開ループ推定値を推定する。従って、y軸コントローラ603Yは、液滴107のy軸プッシュアウトを補償するために適用された液滴毎のフィードバック調節を段階702で決定されたy軸位置から差し引いて、感知された液滴107の推定開ループy軸位置を計算する。同様に、z軸コントローラ603Zは、液滴107のz軸プッシュアウトを補償するために適用された液滴毎のフィードバック調節を段階702で決定されたz軸位置から差し引いて、感知された液滴107の推定開ループz軸位置を計算する。
【0032】
段階704では、軸コントローラは、バーストが終了したか否かを決定する。バーストが終了していない場合に、処理は、段階701に戻って、段階701、702、703、及び704704が、別の液滴107に対して実行される。すなわち、段階701、702、703及び704は、バースト中にレーザ照射される液滴に対して反復される。
【0033】
バーストが終了していた場合に、段階705では、軸コントローラは、新しいターゲット位置を決定するために印加される事前補償補正を計算する。
数学的には、事前補償補正は、以下の通りである。
K
*(OL
avg-T
b)
ここで、Kは、学習利得であり、OL
avgは、前のバーストに対して段階703では計算された推定開ループ軸線方向位置データの平均であり、T
bは、1次焦点105の軸線方向位置である。事前補償補正は、計算されたOL
avgに反対方向であるべきである。OL
avgを計算するのに用いられるデータポイントの数は、液滴107を感知する時のセンサ201のフレーム/秒の速度及びバーストが発生した時間の長さに依存する。一実施形態において、センサ速度が常に一貫しているわけではなく、センサ201は常に良好な画像を捕捉することができるわけではないので、位置データは、定められた頻度でのデータサンプリングの前にデータフレーム間の間隙を埋めて「連続」信号を生成するために反復される。
【0034】
従って、y軸コントローラ603Yは、1次焦点のy軸位置からの前のバースト内の感知された液滴107の平均化された推定開ループy軸位置の偏りを決定してそのy軸の偏りに学習利得を掛けることによって事前補償補正を計算する。同様に、z軸コントローラ603Zは、1次焦点のz軸位置からの前のバーストにおいて感知された液滴107の平均化された推定開ループz軸位置の偏りを決定してそのz軸の偏りに学習利得(y軸事前補償補正を計算するのに使用される学習利得と同じ学習利得である場合がある)を掛けることによって事前補償補正を計算する。
【0035】
学習利得は、0〜1の範囲である場合があるが好ましくは約0.1又はそれ未満である調節可能なパラメータである。学習利得の決定には、ターゲット上への急速な収束と可変プッシュアウト外乱に対する脆弱性とのトレードオフが必要である。
【0036】
例えば、大きい学習利得(例えば、K=1)は、適応ループの第1の繰返しによく機能するが、その理由は、第1のバースト中に、システムが学習することができる前の情報がないからである。これに代えて、開ループ変位が実際に既知である場合に(推定されるのではなく)、1.0の学習利得は問題がなく、その理由は、液滴プッシュアウトの既知の大きさは、ターゲット位置502をどの程度まで1次焦点105からオフセットさせたらよいかを示すと考えられるからである。しかし、学習利得が1.0に設定されたままである場合に、更新ターゲット位置は、必ずしも正しいとある場合があるわけではない直前のバースト中の液滴の位置にほとんど完全に依存し続ける。例えば、第1のバースト中にプッシュアウトが何らかの理由で全く大きい場合に、ターゲット位置決めの殆どの変化は、学習利得が1.0である場合はそのバーストの開ループ平均位置から決定される。従って、ターゲット位置502は、1次焦点105から有意な距離を隔てて変位することになる。しかし、第2の(その後の)バーストのプッシュアウトが小さい場合に、液滴は、1次焦点105から遠過ぎるように変位されたことになり、従って、フォーカス105に押し込められるための正しいターゲット位置にはならず、生成されるプラズマは少なくなる。しかし、ここでもまた、システムは、第2のバースト後の新しいターゲット位置を計算する時にこの前の位置に依存し過ぎることになり、従って、ターゲット位置が少量だけ調節しなければならないと決定する。この処理によって、ターゲット位置は、極端なターゲット位置間で往復し続けることになり(例えば、1次焦点105からの小さい変位→1次焦点105からの大きい変位→1次焦点105からの小さい変位のような)、EUV出力不良及び不安定になる。
【0037】
他方、より小さい学習利得(例えば、K=0.1)は、開ループ変位がターゲット位置を決定する時の推定開ループ変位に対する過度の依存を回避するように推定される時(実際に測定されるのではなく)には好ましい。このより低い学習利得で、適応事前補償ループは、安定したターゲット位置502を時間と共に達成することを「学習する」。しかし、非常に小さい学習利得(例えば、K=0.1)が選択された場合に、ターゲット位置502は、前のバーストから収集されたデータに応答してかろうじて変わることになり、システムは、満足できる安定した変位を1次焦点105から学習する時間が長くなる。
【0038】
理想的には、次に、時間と共に変わる学習利得が好ましい。例えば、時間と共に減少する大きい学習利得によって、事前補償は、安定し、かつ時間と共に液滴位置の変動の影響を比較的受けない「最も良好な」ターゲット位置に急速に収束することができる。
【0039】
段階706では、軸コントローラは、更新された事前補償されたターゲットを取得するために段階705で計算される事前補償補正を前のバーストのターゲット位置502に追加することによってターゲット位置502を更新する。
数学的には、以下の通りである。
T
i+1=T
i-K
*(OL
avg-T
b)
ここで、T
iは、前のバーストの事前補償ターゲットであり、T
i+1は、更新された事前補償ターゲットである。従って、y軸コントローラ603Yは、y軸に沿って更新された事前補償ターゲットを計算し、z軸コントローラ603Zは、z軸に沿って更新された事前補償ターゲットを計算する。重要なことに、この更新された事前補償ターゲットは、1次焦点105ではなく、次のバーストが始まる時にプッシュアウト現象が液滴1次焦点105に押し戻すことを可能にする学習された変位である。当業者は、他の学習アルゴリズム(例えば、最小平均二乗又は再帰最小自乗方程式)を事前補償されたターゲットを更新するのに使用することができることを認識するであろう。
【0040】
前のバーストだけに基づく事前補償は、測定ノイズの影響を受けやすい場合がある。従って、一実施形態において、一部又は全部が前のバーストから得られたデータは、事前補償補正を事前補償されたターゲットを更新するためにその事前補償補正を使用する前に計算するのに使用される。
【0041】
段階707では、軸コントローラは、液滴発生器106から放出される液滴107がレーザ照射される時に更新された事前補償ターゲット位置にあるように軸線方向アクチュエータに液滴発生器106を再位置決めするように指令する。従って、y軸コントローラ603Yは、y軸アクチュエータにy軸に沿って液滴発生器の動きを制御する指令を送り、及び/又はz軸コントローラ603Zは、z軸アクチュエータにz軸に沿って液滴発生器の動きを制御する指令を送り、液滴発生器106から放出される液滴107は、更新された(すなわち、事前補償された)(y、z)ターゲットを通過する時にレーザ照射されるようになっている。レーザ照射された時に、液滴107は、ターゲット位置502から押し出されると1次焦点105に押し込まれ、生成されたプラズマ302からの光は、楕円形のミラー108によってフォーカスされ、かつ中間フォーカス109上へフォーカスされる。従って、能動ステアリングではなく、プッシュアウト自体の増大が、液滴107を1次焦点105に移動し、従って、いかに急速に液滴をターゲット上に移動することができるかを制限することができる。
【0042】
一実施形態において、事前補償補正の計算(段階705)、ターゲット位置502の更新(段階706)、及び軸線方向アクチュエータへの指令(段階707)は、バースト間の間隔中に行われる。
【0043】
一実施形態において、一部の適合化が、事前補償ターゲット適応化に及ぼす望ましくない影響を緩和するためにバースト中に実施される。例えば、ターゲット調節後に、プッシュアウト現象の増加又は低減(すなわち、増大及び減少)は、液滴毎のフィードバック制御なしで続くことを許容しなければならない。これに代えて、プッシュアウトは、レーザビーム102が液滴を1次焦点105に押し込めることになるので制御作動なしにそれ自体ターゲットに到達しなければならない。従って、これらの増加又は低減期間中に、液滴毎のフィードバックシステムは、作動不能にされる。この作動不能をもたらす1つの方法は、液滴毎のフィードバック行動が増加又は低減期間中に開始されないように液滴位置決めの誤差をゼロに設定することである。
【0044】
増加又は低減中の液滴毎のフィードバックの作動不能化は、ターゲット適応化が基本とする開ループ液滴位置推定の機能性に影響を与える可能性がある。典型的には、学習利得は、0.01に設定され、これは、開ループ液滴位置推定が、液滴の実際の位置を推定するために適用された液滴毎のフィードバックにほとんど専ら依存することを意味する。この依存の結果として、液滴毎のフィードバックシステムが作動不能のままであり、液滴位置がプッシュアウトのために急速に変わった時に、開ループ液滴位置推定は、実際の液滴位置とはかけ離れる方向にいる。従って、学習利得は、作動不能期間中に1に設定され、従って、開ループ液滴位置推定は、完全に位置測定に依存するものになる。
【0045】
図6の処理は、
図8の模範データで図示化して示されており、
図8は、閉回路(液滴毎)フィードバックの有無に関わらずレーザ発射バースト中の経時的な液滴位置を示している。図で分るように、1次焦点105にターゲットを定められた液滴は、バースト中に1次焦点105から離れる方向にz軸に沿ったプッシュアウト801を経て、最終的には1次焦点105に再位置合わせされる802(本明細書の他の箇所に説明するように液滴毎のフィードバック制御を通して)。開ループ推定値803が、液滴107に対して決定される。バーストが終了すると、開ループ推定値の平均(OL
avg)が計算され、その後に、事前補償補正を取得するために学習利得(K)が掛けられる。その後に、事前補償された補正は、更新ターゲット位置502を取得するために、前のターゲット位置(この実施例では1次焦点105)に追加される。液滴107をターゲット位置502に送出するための液滴発生器106の再位置合わせでは、レーザ照射された時に1次焦点105に押し込められるように(それによって生成されたプラズマを最適化するように)液滴を位置決めすることによって液滴107の潜在的なz軸変位を事前補償する。
【0046】
図7の方法が後続バーストに対して繰り返される時に、軸コントローラは、どの程度の液滴毎のフィードバックが平均してターゲット上に液滴107を再位置合わせするのに要求されるかに対してゆっくり学習する。簡単には、ターゲット位置502が第1のバーストにおけるプッシュアウト外乱を事前補償するように調節された後に、その後の(第2の)バーストのプッシュアウト外乱が低減される。ターゲット位置502が第2のバーストにおけるプッシュアウト外乱を事前補償するように調節された後に、その後の(第2の)バーストのプッシュアウト外乱は、更に低減される等々である。この学習された事前補償を
図9及び
図10に模擬データを用いて示している。
【0047】
図9は、ノイズを伴うブロック波プッシュアウトの模擬データの経時的なターゲット事前補償の収束を示している。この模擬データは、駆動レーザ101が0.5に等しい学習利得を用いて連続バーストモードで発射される時に時間と共にz軸に沿った液滴位置を示している。バーストは、付番された列によって示されている。バースト1中に(ターゲット位置502が1次焦点105に設定された時)、フォーカス105から離れたほぼ25μmのプッシュアウト901が観測されている。このプッシュアウトは、液滴位置を1次焦点105に再位置合わせする(バースト中に遅くであるが)液滴毎のフィードバック制御によって補正される。バースト1後のバースト間の間隔中に、更新ターゲット位置502(1次焦点105からz軸に沿ってほぼ−12μmでの)が決定される(z軸コントローラ603Zによって)。液滴107がバースト2中にレーザ照射された時に、液滴107は、更新ターゲット位置502(z軸に沿ってほぼ25μm)から、1次焦点105からz軸に沿って僅か約10μmである位置まで押し出される。プッシュアウトはバースト1よりも小さいので、液滴毎のフィードバック制御によって、液滴位置は、先行するバースト903におけるよりも急速に1次焦点105に再位置合わせされる。この処理が繰り返される時に、プッシュアウトは、大きさが益々小さくなり、かつその液滴がターゲット上のままであるように液滴毎のフィードバックで後続バースト中によって急速に調節される。この例では、EUVシステム100は、プラズマを発生させるために液滴が1次焦点105から適切な距離904以内まで(最小の液滴毎のフィードバックで)押し進められる十分な程度までターゲット位置502を事前補償することをバースト4によって学習している。
図9の模擬データの経時的なz軸に沿った液滴位置の誤差を
図10に示している。図示のように、EUVシステム100は、バースト4による液滴置誤差1004を1次焦点105から5μm以内までに低減している。上述したように、1次焦点105から5μm以内で生成されたプラズマによってEUV放射が最適化される。
【0048】
別の簡素化された実施形態において、バースト間のターゲット事前補償も液滴毎のフィードバック制御もバースト間には行われない。この作動不能をもたらす1つの方法は、(1)液滴毎のフィードバック行動がバースト間の間隔中に開始されないように、駆動レーザが発射されない時にバースト間の間隔全体中に液滴位置の誤差をゼロに設定し(すなわち、液滴毎のフィードバックをオフにし)、かつ(2)バースト間のターゲット事前補償をオフにすることである。この実施形態において、液滴は、1次焦点に向けてってターゲットが定められ、1次焦点との液滴位置の調節は、バースト内で液滴毎のフィードバックによって調節される。この実施形態は、実施コストが少なくて済むが、EUVシステム内の外乱が性能(例えば、EUV出力)に悪影響を与える可能性があるということでロバスト性が劣る。例えば、液滴ジャンプ(すなわち、例えば、デブリが液滴発生器のノズルを詰まらせ、従って、放出される液滴の軌跡が変わる時のような無作為な液滴の動き)がバースト間の間隔中に起こった場合に、EUVが再び生成されるまで、液滴発生器位置にステアリングする方法がない。従って、次のバースト内の液滴は、望ましい位置から実質的に変位する可能性があり、液滴毎のフィードバックは、液滴を望ましい位置に再位置決めするのに長い時間を消費する可能性があり、又は液滴を望ましい位置に再位置決めすることができない恐れさえある。それにもかかわらず、外乱がレーザシステム内にない場合に、この実施形態は、液滴のバーストが短時間にわたって(例えば、3〜4のバーストにわたって)液滴が1次焦点から満足できる距離に位置決めされる点に落ち着くことを可能にする。
【0049】
別の簡素化された実施形態において、バースト間の不感帯が、バースト間のターゲット事前補償、又は液滴毎のフィードバック制御の代わりに使用される。この不感帯は、レーザビームが液滴に衝突する領域として選択され、従って、液滴があらゆる暗−明遷移部で(例えば、レーザバースト−発射の開始時に)ターゲット上に押し出されることを可能にする。制御ループをステアリングする液滴発生器の不感帯パラメータは、液滴が1次焦点から大きい距離にある時に、液滴が、液滴毎のフィードバックでターゲットにステアリングされ、一方、液滴が1次焦点から近い範囲(例えば、20μm)内にある時に、液滴が、能動的にステアリングされない(液滴毎のフィードバックは作動不能である)ように設定される。液滴は短期間(例えば、数百msec)中にドリフトして離れないので、バースト間の不感帯は、液滴を液滴毎のフィードバック制御よりも正確に露光の開始時にターゲット上へ戻す。この実施形態は、プッシュアウトの振幅及び方向とは独立しており、典型的には較正する必要がない。
【0050】
更に別の実施形態において、逆制御信号は、バースト間のターゲット事前補償、又は液滴毎のフィードバック制御の代わりに、液滴をターゲット上に維持するようにアクチュエータを移動するためにフィードフォーワード的に使用することができる。この実施形態において、軸線方向液滴位置が決定され(
図7を参照して段階702で上述したように)、次に、位置の逆を決定する。液滴を逆の位置に送出するように液滴発生器を再位置決めするその逆の位置の制御信号がアクチュエータに送られる。液滴は高速で生成されるので、この実施形態は、高速アクチュエータが液滴発生器を再位置決めするために使用される場合に特に有効である。
【0051】
開示する方法及び装置をいくつかの実施形態を参照して先に説明した。他の実施形態は、この開示に照らせば当業者に明らかであろう。説明する方法及び装置のある一定の態様は、上述の実施形態に説明したもの以外の構成を使用して、又は上述したもの以外の要素に関連して容易に実施することができる。例えば、本明細書に説明するものよりも恐らくは複雑な異なるアルゴリズム及び/又は論理回路、並びに異なるタイプの駆動レーザ及び/又はフォーカスレンズを使用することができる。別の例として、開示するシステム及び方法の実施形態は、連続モードのレーザ発射を参照して説明してきたが、本明細書のシステム及び方法の実施形態は、ストロボスコープモードのレーザ発射でも実施することができる。
【0052】
更に、説明する方法及び装置は、処理、装置、又はシステムとしてのものを含む多くの方法で実行することができることも認識しなければならない。本明細書に説明する方法は、プロセッサにこのような方法を実行するように指示するプログラム命令、及びハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、又はデジタル多用途ディスク(DVD)のような光ディスク,フラッシュメモリのようなコンピュータ可読ストレージ媒体上に記録された命令、又はプログラム命令が光学的か又は電子通信リンクで送られるコンピュータネットワークによって実施することができる。本明細書に説明する方法の段階の順序は、変えられるが依然として本発明の開示の範囲にある場合があることに注意しなければならない。
【0053】
与えた例は、例示の目的に過ぎず、異なる表記法及び技術を用いて他の例及び実施形態に拡張することができることを理解しなければならない。いくつかの実施形態を説明したが、本発明の開示を本明細書に開示する実施形態に限定する意図はない。逆に、当業者に明らかである全ての代替物、修正物、及び均等物を網羅するように意図しているものである。
【0054】
以上の明細書では、本発明は、特定の実施形態を参照して説明したが、当業者は、本発明は、それらに限定されないことを認識するであろう。上述の本発明の様々な特徴及び態様は、個別に又は共同で使用することができる。更に、本発明は、本明細書のより広い精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に説明する環境及び用途を超えてあらゆる数の環境及び用途に利用することができる。従って、仕様及び図面は、制限ではなく例示であると見なさなければならない。本明細書で使用する時の用語「comprising」、「including」、及び「having」は、当業技術の無制限の技術用語として読まれることを特に意図していることは認められるであろう。