特許第6184518号(P6184518)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6184518活性プラズマ内原位置測定のための高温センサウェーハ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6184518
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】活性プラズマ内原位置測定のための高温センサウェーハ
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/04 20140101AFI20170814BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20170814BHJP
   H01L 23/06 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   H01L25/04 Z
   H01L23/06 B
【請求項の数】57
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-551811(P2015-551811)
(86)(22)【出願日】2014年1月6日
(65)【公表番号】特表2016-505218(P2016-505218A)
(43)【公表日】2016年2月18日
(86)【国際出願番号】US2014010349
(87)【国際公開番号】WO2014107665
(87)【国際公開日】20140710
【審査請求日】2016年12月29日
(31)【優先権主張番号】61/749,872
(32)【優先日】2013年1月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/787,178
(32)【優先日】2013年3月6日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー−テンカー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サン メイ
(72)【発明者】
【氏名】ジェンセン アール
(72)【発明者】
【氏名】クリ ファルハト
(72)【発明者】
【氏名】シャラット スティーブン
【審査官】 木下 直哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−208249(JP,A)
【文献】 特表2006−513583(JP,A)
【文献】 特表2009−535855(JP,A)
【文献】 特開2012−163525(JP,A)
【文献】 特開2009−265025(JP,A)
【文献】 特開2008−009883(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/00−25/18
H01L 23/02−23/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理条件測定デバイス内の構成部品モジュールであって、
構成部品を支持するように構成された支持体と、
前記支持体を基板に対して離間された関係に吊すように構成された1本以上の脚と、
前記構成部品と、前記支持体と、前記1本以上の脚とを囲むように構成された導電性または低抵抗性の半導体筐体と、
を備え、
前記1本以上の脚が、一端において前記筐体の上部に取り付けられ、別の端において前記支持体を吊すように構成されるか、または一端において前記筐体の側面に取り付けられ、別の端において前記支持体を吊るすように構成された、
構成部品モジュール。
【請求項2】
3ミリメートル未満の総厚を有する、請求項1に記載の構成部品モジュール。
【請求項3】
前記構成部品が1つ以上の電源を含む、請求項1に記載の構成部品モジュール。
【請求項4】
前記構成部品が中央処理装置を含む、請求項1に記載の構成部品モジュール。
【請求項5】
処理条件測定デバイス内の構成部品モジュールであって、
構成部品を支持するように構成された支持体と、
前記支持体を基板に対して離間された関係に吊すように構成された1本以上の脚と、
前記構成部品と、前記支持体と、前記1本以上の脚とを囲むように構成された導電性または低抵抗性の半導体筐体と、
を備え、
前記支持体が、サファイアまたはアルミナで製造される、
構成部品モジュール。
【請求項6】
前記1本以上の脚が、一端において前記支持体の底面に取り付けられ、別の端において基板の上面に取り付けられるように構成された、請求項5に記載の構成部品モジュール
【請求項7】
3ミリメートル未満の総厚を有する、請求項5に記載の構成部品モジュール。
【請求項8】
前記構成部品が1つ以上の電源を含む、請求項5に記載の構成部品モジュール。
【請求項9】
前記構成部品が中央処理装置を含む、請求項5に記載の構成部品モジュール。
【請求項10】
記脚が、ステンレス鋼、水晶、またはガラスで製造されるか、エアロゲルまたは発泡体で製造される、請求項1に記載の構成部品モジュール。
【請求項11】
前記1本以上の脚が、一端において前記支持体の底面に取り付けられ、別の端において基板の上面に取り付けられるように構成された、請求項10に記載の構成部品モジュール
【請求項12】
3ミリメートル未満の総厚を有する、請求項10に記載の構成部品モジュール。
【請求項13】
前記構成部品が1つ以上の電源を含む、請求項10に記載の構成部品モジュール。
【請求項14】
前記構成部品が中央処理装置を含む、請求項10に記載の構成部品モジュール。
【請求項15】
記筐体が高導電型シリコンで製造される、請求項1に記載の構成部品モジュール。
【請求項16】
前記1本以上の脚が、一端において前記支持体の底面に取り付けられ、別の端において基板の上面に取り付けられるように構成された、請求項15に記載の構成部品モジュール
【請求項17】
3ミリメートル未満の総厚を有する、請求項15に記載の構成部品モジュール。
【請求項18】
前記構成部品が1つ以上の電源を含む、請求項15に記載の構成部品モジュール。
【請求項19】
前記構成部品が中央処理装置を含む、請求項15に記載の構成部品モジュール。
【請求項20】
記筐体の内面が研磨されて低放射率表面を形成するか低放射率材料で被覆され、または、前記筐体の内面が、研磨されるか、または金、プラチナ、アルミニウム、もしくは任意の高反射性膜で被覆される、請求項1に記載の構成部品モジュール。
【請求項21】
前記1本以上の脚が、一端において前記支持体の底面に取り付けられ、別の端において基板の上面に取り付けられるように構成された、請求項20に記載の構成部品モジュール。
【請求項22】
3ミリメートル未満の総厚を有する、請求項20に記載の構成部品モジュール。
【請求項23】
前記構成部品が1つ以上の電源を含む、請求項20に記載の構成部品モジュール。
【請求項24】
前記構成部品が中央処理装置を含む、請求項20に記載の構成部品モジュール。
【請求項25】
処理条件測定デバイスであって、
基板と、
請求項1に記載の構成部品モジュールと、
前記基板を覆うカバーであって、前記1つ以上の構成部品モジュールを収容するように構成された1つ以上の貫通穴を有するカバーと、
含む、デバイス。
【請求項26】
前記カバーと前記筐体とが同一の材料で製造される、請求項25に記載のデバイス。
【請求項27】
前記カバーと前記筐体とが高導電型シリコンで製造される、請求項25に記載のデバイス。
【請求項28】
前記筐体が前記カバーに対して封止され、20mTorr未満の圧力を有する、請求項25に記載のデバイス。
【請求項29】
前記構成部品モジュールが3ミリメートル未満の総厚を有する、請求項25に記載のデバイス。
【請求項30】
前記構成部品が中央処理装置を含む、請求項25に記載のデバイス。
【請求項31】
前記1本以上の脚が、前記支持体の底面に一端で取り付けられ、基板の上面に別の端で取り付けられるように構成された、請求項25に記載のデバイス。
【請求項32】
処理条件測定デバイスであって、
基板と、
前記基板上に据え付けられた1つ以上の構成部品モジュールと、
を備え、
前記1つ以上の構成部品モジュールが、構成部品を支持するための支持体と、前記支持体を基板に対して離間された関係に吊すように構成された1本以上の脚と、前記構成部品と前記支持体と前記1本以上の脚とを囲むように構成された導電性または低抵抗性の半導体筐体と、を含み、
前記基板と前記筐体とが同一の材料で製造される、デバイス。
【請求項33】
前記基板と前記筐体とが高導電型シリコンで製造される、請求項32に記載のデバイス。
【請求項34】
前記構成部品モジュールが3ミリメートル未満の総厚を有する、請求項32に記載のデバイス。
【請求項35】
前記構成部品が中央処理装置を含む、請求項32に記載のデバイス。
【請求項36】
前記1本以上の脚が、前記支持体の底面に一端で取り付けられ、基板の上面に別の端で取り付けられるように構成された、請求項32に記載のデバイス。
【請求項37】
記筐体の内面が、研磨されて低放射率表面を形成するか、低放射率材料で被覆される、請求項32に記載のデバイス。
【請求項38】
前記構成部品モジュールが3ミリメートル未満の総厚を有する、請求項37に記載のデバイス。
【請求項39】
前記構成部品が中央処理装置を含む、請求項37に記載のデバイス。
【請求項40】
前記1本以上の脚が、前記支持体の底面に一端で取り付けられ、基板の上面に別の端で取り付けられるように構成された、請求項37に記載のデバイス。
【請求項41】
記筐体が前記基板に対して封止され、20mTorr未満の圧力を有する、請求項32に記載のデバイス。
【請求項42】
前記構成部品モジュールが3ミリメートル未満の総厚を有する、請求項41に記載のデバイス。
【請求項43】
前記構成部品が中央処理装置を含む、請求項41に記載のデバイス。
【請求項44】
前記1本以上の脚が、前記支持体の底面に一端で取り付けられ、基板の上面に別の端で取り付けられるように構成された、請求項41に記載のデバイス。
【請求項45】
記構成部品が1つ以上のバッテリを含む、請求項32に記載のデバイス。
【請求項46】
前記構成部品モジュールが3ミリメートル未満の総厚を有する、請求項45に記載のデバイス。
【請求項47】
前記構成部品が中央処理装置を含む、請求項45に記載のデバイス。
【請求項48】
前記1本以上の脚が、前記支持体の底面に一端で取り付けられ、基板の上面に別の端で取り付けられるように構成された、請求項45に記載のデバイス。
【請求項49】
処理条件測定デバイスであって、
基板と、
前記基板上に据え付けられた1つ以上の構成部品モジュールと、
を備え、
前記1つ以上の構成部品モジュールが、構成部品を支持するための支持体と、前記支持体を基板に対して離間された関係に吊すように構成された1本以上の脚と、前記構成部品と前記支持体と前記1本以上の脚とを囲むように構成された導電性または低抵抗性の半導体筐体と、を含み、
前記1本以上の脚が、前記筐体の上部に一端で取り付けられ、前記支持体を別の端で吊すように構成されるか、または前記筐体の側面に一端で取り付けられ、前記支持体を別の端で吊すように構成された、デバイス。
【請求項50】
前記構成部品モジュールが3ミリメートル未満の総厚を有する、請求項49に記載のデバイス。
【請求項51】
前記構成部品が中央処理装置を含む、請求項49に記載のデバイス。
【請求項52】
処理条件測定デバイスであって、
基板であって、前記基板を覆う遮蔽層を有する基板と、
前記基板上に据え付けられた1つ以上の構成部品モジュールと、を備え、前記1つ以上の構成部品モジュールが、前記1つ以上の構成部品モジュールの電気的および熱的保護を提供するように構成された導電性モジュール遮蔽により覆われ、前記1つ以上の構成部品モジュールが1つ以上のバッテリを含む、デバイス。
【請求項53】
前記構成部品モジュールが1本以上の脚により前記基板上に据え付けられる、請求項52に記載のデバイス。
【請求項54】
前記遮蔽層が、高導電型シリコン、銅、アルミニウムまたはステンレス鋼で製造される、請求項52に記載のデバイス。
【請求項55】
前記モジュール遮蔽がアルミニウムまたはステンレス鋼で製造される、請求項52に記載のデバイス。
【請求項56】
前記モジュール遮蔽が中実または網目である、請求項52に記載のデバイス。
【請求項57】
前記モジュール遮蔽の頂部から前記基板の上面まで3ミリメートル未満の厚さを有する、請求項52に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2013年1月7日に提出され、「HIGH TEMPERATURE SENSOR WAFER FOR IN−SITU MEASUREMENTS IN ACTIVE PLASMA」と題する譲受人共通の、同時係属中の、Mei Sunに対する米国仮特許出願第61/749,872号の優先権の利益を主張し、その全開示が参照によりここに組み込まれる。
【0002】
本発明の実施形態は、高温処理条件測定デバイスに関し、より詳細には、デバイスが長期に亘り高温環境および/またはプラズマ処理動作環境に曝される間に、測定デバイスの構成部品を適切な動作温度に、かつプラズマから隔離して維持する、装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体製作には、一般に、数多くの精巧で複雑な処理ステップが含まれる。各処理ステップのモニタおよび評価は、製造精度を確保し、ひいては最終デバイスの所望の性能を達成する上で極めて重要である。撮像処理、堆積および成長処理、エッチングおよびマスキング処理等の、多くの処理工程の全体にわたり、例えば、温度、ガス流量、真空圧、ガスの化学成分またはプラズマ組成および露出距離を、各ステップ時に慎重に制御することが重要である。各ステップに関わる種々の処理条件に対する慎重な配慮は、最適な半導体または薄膜処理の必須条件である。最適な処理条件からの何らかの逸脱は、その後の集積回路またはデバイスが、標準にも満たないレベルでしか機能せず、または、更に劣悪に、完全に役に立たない事態を生じ得る。
【0004】
処理室内部で、処理条件は変動し得る。温度、ガス流量および/またはガス組成等の、処理条件の変動は、集積回路の形成、したがってその性能に大きく影響を及ぼす。集積回路またはその他のデバイスと同一または類似の処理条件を測定するための基板状デバイスの使用は、基板の熱伝導率が処理の対象となる実際の回路と同一であるため、最も正確な条件の測定値を提供する。勾配および変動は、処理室全体に亘り、実際に全ての処理条件に対して、存在する。したがって、これらの勾配は基板表面にも存在する。基板での処理条件を正確に制御するためには、処理室内処理条件の最適化を容易に達成し得るように、測定値を基板上で取り、示度を自動制御システムまたは作業者に対して入手し得ることが重要である。処理条件には、半導体または他のデバイスの製造を制御するために使用される諸パラメータまたは製造業者がモニタすることを望む諸条件が含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−127657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ロープロファイルの無線測定デバイスは、通常、基板上に据え付けられて処理条件の測定を行う。高温環境(例えば、約150℃を超える温度)で働くロープロファイルの無線測定デバイスに対して、薄型のバッテリおよびマイクロプロセッサ等の、デバイスの特定の主要構成部品は、デバイスが高温環に曝されるときでも、機能可能でなければならない。一般に、バックARコーティング(BARC)処理は、250℃動作し、PVD処理は、約300℃で動作し得、CVD処理は約500℃の温度で動作し得る。残念なことに、測定デバイスとの使用に適したバッテリおよびマイクロプロセッサは、150℃より高い温度に耐え得ない。加えて、測定デバイスは、プラズマ処理動作環境での測定用に使用され得る。これらのデバイスは、過度の温度、腐食性化学物質、および高エネルギーイオンによる衝撃、および鋼レベルの電磁および他の放射性ノイズ等の、過酷な条件に曝され得る。したがって、静電界および電磁界を測定デバイスからの信号との干渉から阻止し得る遮蔽を有するのが望ましい。
【0007】
そのような測定デバイスに課される追加の課題は、デバイスプロファイルの最小化である。そのようなデバイスは、種々の処理室内に上手く収まるために、基板の上面上に5mm以下のプロファイルを保たなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この関連において本発明の実施形態が生じる。
【0009】
本開示の態様に従えば、処理条件測定デバイス内の構成部品モジュールは、構成部品を支持するように構成される支持体と、支持体を基板に対して離間された関係に吊すように構成される1本以上の脚と、構成部品、支持体、および脚を、基板と筐体との間に囲むように構成される導電性または低抵抗性の半導体筐体とを備える。
【0010】
本開示の追加の態様に従えば、処理条件測定デバイスでは、基板と、基板上に据え付けられた1つ以上の構成部品モジュールとを備える。1つ以上の構成部品モジュールは、構成部品を支持するための支持体と、支持体を基板に対して離間された関係に吊すように構成される1本以上の脚と、構成部品、支持体、および脚を、基板と筐体との間に囲むように構成される導電性または低抵抗性の半導体筐体とを含む。
【0011】
本開示の追加の態様は、基板であって、基板を覆う遮蔽層を有する基板と、基板上に据え付けられる1つ以上の構成部品モジュールとを備える、処理条件測定デバイスを説明する。1つ以上の構成部品モジュールは、1つ以上の構成部品モジュールの電気的および熱的保護を提供するように構成される導電性モジュール遮蔽により覆われる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の目的および利点は、以下の詳細な説明を読むことによりまたは以下の添付図面を参照することにより、明らかになるであろう。
【0013】
図1A】本開示の実施形態に従った処理条件測定デバイスの概略図である。
図1B】本開示の実施形態に従った処理条件測定デバイスの概略図である。
図2A】本開示の実施形態に従った構成部品モジュールを有する処理条件測定デバイスの断面図である。
図2B】本開示の実施形態に従った処理条件測定デバイス上に据え付けられた構成部品モジュールの拡大断面図である。
図2C】本開示の代替的実施形態に従った処理条件測定デバイス上に据え付けられた構成部品モジュールの拡大断面図である。
図3】本開示の実施形態に従った構成部品モジュールを有する処理条件測定デバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の詳細な説明は、多くの特定の詳細事項を説明目的で含むが、当業者ならば誰でもが以下の詳細事項に対する変形例および改変例もまた本発明の範囲内であることを理解するであろう。したがって、以下に説明する本発明の例示の実施形態は、特許請求の範囲に記載した発明を、その何の一般性も失わず、それに限定を課すことなく、明記するものである。加えて、本発明の実施形態の構成要素は、いくつかの異なる向きで位置付けられ得るため、方向に関する用語が説明目的で使用されるが、決して限定的なものではない。本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用されてもよく、構成上または論理上の変更が行われてもよいことが理解されよう。
【0015】
本明細書では、1つ以上を包含するために、用語「a」および「an」を、特許書類中に通常あるように、使用する。本明細書では、用語「または」は、別途特に示さない限り、「AまたはB」が、「AだがBでない」、「BだがAでない」、および「AかつBである」のように、非排他的な「または」を指すように使用される。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味に解されるべきでなく、本発明の範囲は添付した特許請求の範囲により定義される。
【0016】
加えて、濃度、量、および他の数値データは、本明細書では範囲形式で示され得る。そのような範囲形式は、単に便宜上または簡潔さのために用いられ、範囲の限界として明示される数値のみならず、当該範囲内に含まれる全ての個々の数値または部分範囲もまた、あたかも各数値および部分範囲が明記されているがごとく、含むよう柔軟に解釈されるべきであることを理解すべきである。例えば、約1nm〜約200nmの厚さ範囲は、明記された約1nmおよび約200nmの範囲のみならず、記載された限界内に存在する、2nm、3nm、4nm等の、個々の寸法、および10nm〜50nm、20nm〜100nm等の、部分範囲もまた、それらに限定されることなく、含むように解釈されるべきである。
【0017】
本明細書の残りの部分は、本開示の実施形態を説明するときは、処理条件測定デバイスの構成部品に言及する。限定としてではなく例として、電子構成部品は、処理条件の測定および分析を容易にするように構成される、メモリ、トランシーバ、CPU、または任意の他の電子構成部品等の、電力またはエネルギー源を備え得る。
【0018】
本明細書で定義される場合、「処理条件」とは、集積回路を製造する際に使用される種々の処理パラメータを指す。処理条件には、限定されないが、温度、エッチ率、基板上の層厚、処理室圧力、処理室内のガス流量、処理室内のガス化学組成、処理室内の位置、電気プラズマ諸特性、光エネルギー密度、および処理室内のまたは処理室へまたはからの移動時のウェーハまたは他の基板の振動および加速等の、半導体製造を制御するために使用される任意のパラメータまたは製造業者がモニタすることを望み得る任意の条件を含む。異なる処理法が年月の経過により必然的に開発されるため、処理条件も時の経過により変化する。どのような条件であっても、以下に説明する実施形態は、そのような条件を測定し得ることが予見されるものとする。半導体ウェーハの処理時のこれらの条件の測定に加えて、本明細書に説明するシステムおよび技術は、ウェーハマスク等の、他の種類の基板の処理時の同様の条件のモニタに対しても適用され得る。
【0019】
図1Aは、処理条件測定デバイスの概略図である。測定デバイス100は、少なくとも1つのセンサ素子120と、必要な相互接続配線130とを有する、基板110を含む。
【0020】
基板110は、基板処理システムにより処理された標準的基板と、同一のサイズおよび形状であってもよい。基板110は、当該システムにより処理された標準的基板と、同一の材料で製造され得る。例えば、測定デバイスが、シリコンウェーハを処理する半導体ウェーハ処理システム内で処理条件をモニタするために用いられる場合、基板110はシリコンで製造され得る。標準的サイズのシリコン基板の例としては、150mm、200mm、300mm、および450mmが挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
センサ素子120および相互接続配線130は、基板表面上に直接形成され得る。限定としてではなく例として、センサ素子120は、電磁センサ、熱センサ、光または電気センサであり得る。一実施例では、センサは蛇行状の導電材料で製造される。種々の種類のセンサの詳細は、2010年9月28日付で提出され、全ての目的のために参照によりここに完全に組み込まれた、本発明の譲受人に譲渡された同時継続中の米国特許出願第12/892、841号に見出され得る。
【0022】
デバイス100は、電子構成部品を含む構成部品モジュール150を含み得る。限定としてではなく例として、構成部品モジュール150は、電源、メモリ、またはデバイスが基板処理ツール内に配置されたとき、測定デバイス100が処理パラメータを適切に測定および記録するために、主メモリ内に記憶された命令を実行するように構成されるプロセッサを含み得る。測定電子機器の特定の素子類は、構成部品モジュール内に含まれ得る。限定としてではなく例として、電源およびCPUが各々、構成部品モジュール内に囲まれ得る。以下に詳細に説明するように、1つ以上の構成部品モジュールが、基板110上に据え付けられる。
【0023】
任意選択的に、カバー140を基板110上に形成して、測定センサ素子120および相互接続配線130を覆うようにしてもよい。一実施例では、カバー140は、高導電型シリコンで製造される。実施例は、高度にリンをドープされたシリコンである、P+、および高濃度にホウ素をドープされたシリコンである、N+シリコンである。図1Bに示すように、カバー140は、1つ以上の貫通穴145を有し得、以下に説明するように基板110に据え付けられ得る構成部品モジュール150を収容する。あるいは、構成部品モジュール150は、カバー140に搭載されてもよく、このカバー140が次いで基板110を覆う。
【0024】
図2Aは、本発明の実施形態に従った構成部品モジュールを有する処理条件測定デバイスの断面図である。図2Aに示すように、2個の構成部品モジュール200が、基板110上に据え付けられる。図2Bは、1個の構成部品モジュール200の拡大断面図である。構成部品モジュール200は、制限された動作温度範囲を有する感温構成部品210と、構成部品用の支持体220と、基板110に据え付けられる1組の1本以上の脚230とを含む。図2Bに示すように、支持体220は、1本以上の脚230により基板110の上面に据え付けられる。あるいは、支持体220は、基板の上面に形成される基板空洞(図示せず)内の脚230上に据え付けられてもよい。
【0025】
例として、制限された動作温度範囲を有する構成部品210は、電源(例えば、バッテリ、超コンデンサ光起電力デバイス)、メモリ、トランシーバ、CPU等であり得る。適用およびその結果の電力ニーズに応じて、単一の電源または、それに替わる、2個以上の電源となり得る。構成部品210は、極薄型であり得る。例として、構成部品は、約0.15mm以下の総厚を有し得る。
【0026】
構成部品210は、支持体220上に載置され支持される。支持体220は、薄い、平坦な、容積測定上高熱容量の材料で製造され得る。一実施例では、支持体は、サファイアまたはアルミナ(Al)で製造される。一実施例では、支持体は空洞または凹部を有し得るので、構成部品は、支持体220内の当該空洞または凹部内に収まるように大きさおよび形状が決められ得る。支持体220の厚さは、約0.5mmである。
【0027】
1本以上の脚または支柱230が、支持体220の底面に据え付けられる。脚230は、構成部品モジュール200を基板110から離間して位置付けることを可能にし、基板の上面または筐体110の表面と支持体220の表面との間に隙間を形成する。そのような隙間は、真空であるか、または極低圧にあり得、追加の断熱層を提供する。したがって、基板110の熱エネルギーは、隙間/真空により形成される絶縁層と脚230の低熱伝導率とにより、支持体220および構成部品210にわずかにしか伝達されない。有効な断熱を得るためには、隙間はさほど大きくなくてもよい。限定としてではなく例として、基板の上面と支持体の底面との間の距離dが約0.25mmあれば、有効な断熱を得ることができる。加えて、基板110から支持体220へ極めて制限された導電熱エネルギー伝達路を提供するように、脚230を構成することができる。一実施例では、脚230は、直径またはが幅(丸み付けられない場合)1mm、高さが1mmであり得る。加えて、脚230の断面寸法は、脚を通過する熱エネルギー伝達を低減するために脚が比較的長く薄いようなものであり得る。しかも、基板110と支持体220との間の熱エネルギー伝達効率は、脚230を高強度低熱伝導率の材料で製作することにより、制限され得る。限定としてではなく例として、脚230は、ステンレス鋼、水晶、ガラス、発泡体、または基板上方に支持体230を支持するのに充分強靱で、低い熱エネルギー伝達特性を呈する他の任意の材料で構成され得る。
【0028】
筐体240は、構成部品210、支持体220および脚230を覆うように設けられ、筐体内部の構成部品を、イオン衝撃およびそれに伴う加熱から保護する。構成部品モジュール200は、3ミリメートル未満の総厚を有する。
【0029】
筐体240は、好ましくは、標準的製品ウェーハと同一の材料である半導体材料で製造される。例として、筐体240および基板110は、P+シリコン等の、低抵抗性の半導体材料で製造され得る。そのような構成は、測定デバイス100の全露出面がシリコンである点で有利である。一部の実装例では、カバー235は、例えば図1Bに示すように、基板110上を覆って据え付けられ得る。カバー235は、筐体240を収容するように構成される貫通穴を含み得る。そのような場合、カバー235および筐体240は、P+シリコン等の、例えば、導電材料または低抵抗性半導体等の、同一材料で製造される。
【0030】
筐体の肉厚は、約0.5mmであり得る。筐体240は、真空にされて基板110またはカバー140に接着されて、真空封止を形成し、更に構成部品210を断熱する。あるいは、処理環境が熱遅延を増大するのに充分に低い真空レベルに維持されれば、筐体240は真空密でなくてもよい。例として、筐体240内の真空レベルは、20mTorr未満であり得る。
【0031】
筐体240の内面は研磨されて、更なる熱遮蔽を可能にする低放射率表面を提供する。支持体220と構成部品210との表面も、熱エネルギーの吸収を低減するように、更に処理され得る。このことは、当該表面を研磨することによりおよびまたは低放射率膜で被覆することにより、達成され得る。あるいは、筐体240の内面を、低放射率薄膜材料260で被覆してもよい。本明細書中に使用される場合、0.0と0.2との間の放射率の表面を有する材料は、「低放射率」と見なし得る。処理室からの放射、イオン衝撃、および基板110からの伝導は、筐体240の上部および側壁上の温度上昇に寄与する。研磨および被覆により、筐体の上部および側壁の内面部分からの放射熱の顕著な低減が確実になされる。このことは、筐体240から構成部品210と支持体220とへの放射による熱伝達を低減し、構成部品210の加熱をより緩やかにする。例として、例えば、金、プラチナ、アルミニウムまたは任意の高反射性膜等の、高反射性材料が、筐体の内側に被覆され得、基板110および筐体240からの放射率および熱放射を低減させる。
【0032】
1つ以上の筐体240を基板110上に配置したら、それに結合工程により物理的および電気的に接続を施す。構成部品モジュール200の寸法は、測定デバイス100が使用される処理室の寸法により制約され得る。そのため、構成部品モジュール200の高さは、処理室の仕様に合致するように構成され得る。モジュールの高さとは、基板の上面と筐体240の上面との間の距離を指す。限定としてではなく例として、モジュール200の高さは、3mm未満、より好ましくは、2mm未満であり得る。
【0033】
図2Bに示す実装例について多くの変形例が可能であることに留意すべきである。例えば、一部の代替的実装例では、支持体220は、例えば、図2Cに示すデバイス100’に示すように、筐体240の内面から吊され得る。特に、支持体220は、例えば、筐体の上部から下に延在する脚230’により、筐体240の上部から吊され得る。あるいは、支持体220は、筐体240の1つ以上の側面に取り付けられて内方に延在する脚230’’により吊され得る。一部の実装例では、支持体220は、基板110に取り付けられて上方に延在する脚230、筐体240の上部から延在する脚230’、または筐体の1つ以上の側面に取り付けられて内方に延在する脚230’’のうちの2つ以上を含む組み合わせにより支持され得る。そのため、本開示の実施形態は、図示した実装例に限定されることはない。
【0034】
上述した本開示の一部の実施形態では、測定デバイス100の全露出部分は、標準的シリコンウェーハと同一の材料である高導電型シリコン(例えば、P+シリコン)で製造され得る。結果として、いかなる汚染の懸念も除かれ得る。加えて、高導電型シリコン筐体を有する構成部品モジュールは、高導電型シリコン基板に電気的に接続し、それにより当該構成部品の周囲にRF干渉を防止するファラデー遮蔽を形成する。更に、構成部品モジュールは、真空にされ基板またはカバーに真空封止されるので、モジュール内部の構成部品は、ウェーハ温度に対して温度上昇の顕著な遅延を有する。このことは、測定電子機器が処理室内でデータを収集するための充分な時間を与える。
【0035】
本開示の態様によれば、測定デバイス300は、基板の表面に形成されたセンサ320および相互接続配線(図示せず)を有する基板310と、基板上に据え付けられた少なくとも1つの構成部品モジュール340とを含む。構成部品モジュール340は、CPUまたはバッテリ等の、感温構成部品342を囲むための任意の既存のモジュールであり得る。一実施例では、構成部品モジュール340は、ステンレス鋼等の、容積測定上高熱容量の材料で製造され得る。ステンレス鋼は、容積測定上高熱容量を有し、そのため温度上昇には大きな熱エネルギー入力を要する。あるいは、モジュール340は、サファイア、Kovar(登録商標)、Invar(登録商標)、またはステンレス鋼の熱容量と同様の熱容量を呈する他の任意の材料で構成され得る。Kovarは、Pennsylvania州、ReadingのCarpenter Technology Corporationの登録商標である。Kovarは、ホウケイ酸ガラスの熱膨張係数に対処し得るように意図されたニッケルコバルト鉄合金を指す。Kovarの組成は、ニッケルが約29%、コバルトが7%、炭素が0.1%未満、シリコンが0.2%、マンガンが0.3%、で残りは鉄である。Invarは、仏国、Hauts−De−SeineのImphy Alloys Joint Stock Company Franceの登録商標である。FeNi36(米国内では、64FeNi)として一般名で公知でもある、Invarは、その比類なく低い熱膨張係数で注目に値するニッケル鋼合金である。構成部品モジュール340は、1本以上の脚346上に基板310から離間され得る。構成部品342は、ワイヤ結合344により基板110の配線に電気的に接続され得る。
【0036】
遮蔽層350は、基板310上のセンサ320と相互接続配線とを覆い得る。一実施例では、遮蔽層350は、ステンレス鋼、アルミニウムまたは銅で製造され得る。構成部品モジュール340に関しては、モジュール遮蔽360は、構成部品モジュールを電気的および熱的に保護するように提供される。一例としては、モジュール遮蔽360は、ステンレス鋼またはアルミニウム箔で製造され得る。モジュール遮蔽360は、中実または網目であり得る。デバイス300は、遮蔽層350の頂部から基板310の上面までを測定した場合に約3ミリメートル未満(例えば、約2〜3ミリメートル)の厚さを有する。
【0037】
本開示の態様は、確実な電気的、熱的、および電磁的な遮蔽を有する処理条件測定デバイスのための構成部品モジュールを提供する。そのような構成部品モジュールの遮蔽は、プラズマ環境内での処理条件測定デバイスの使用を容易にする。
【0038】
添付した特許請求の範囲は、手段プラス機能の限定を、そのような限定が「ための手段」の語句を用いて所与の特許請求の範囲中に明記されない限り、含むようには解釈されるべきではない。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3