(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
アイスクリーム類に代表される冷凍菓子(冷菓)は、水に、水以外の固形分として、脂肪分、乳成分、糖類、乳化剤、安定剤等を混合乳化して液状のミックスを調製し、得られたミックスを必要に応じて含気しながらフリージングし、その後冷凍することによって製造される。アイスクリーム類は一般に、−18℃以下の温度で冷凍保存され、流通されるが、流通過程あるいは家庭での保存中に急激な温度変化によるヒートショックを受けることがある。アイスクリーム類が流通過程や保存中にヒートショックを受けると、融解したり、保形性が低下したりする問題があった。特に、脂肪分としてバター脂の配合を高めたものは、風味豊かで嗜好性が高いものではあるが、ヒートショックに弱いという難点があった。
【0003】
アイスクリーム類のヒートショックによる品質の低下を防止するために、アイスクリームミックスに、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、微細セルロース等の安定剤や、蔗糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド等の合成乳化剤を添加するといったことが行われている。しかしながら、安定剤の添加により、アイスクリーム類が糊様の食感になったり、合成乳化剤の添加により、乳本来の風味が損なわれたりするという難点があった。
【0004】
一方で、アイスクリーム類に使用されるバター脂以外の脂肪としては、口どけや保形性を考慮して、例えば、ヤシ油とパーム油の混合油(特許文献1)や、ラウリン系油脂とSUS型油脂の混合油(特許文献2)が提案されている。しかしながら、バター脂にこれらの油脂を混合すると共融現象を起こし、期待するほど保形性が得られないため、安定剤や合成乳化剤の添加に頼らざるを得ないという難点があった。
従って、脂肪分としてバター脂を含む冷凍菓子用ミックスであって、バター脂やその他乳成分の風味を生かすために、安定剤や合成乳化剤に頼らなくても良好なヒートショック耐性および保形性を有する冷凍菓子用ミックスの開発が望まれていた。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態に係わる冷凍菓子用ミックスは、油脂中にバター脂を2〜75質量%含有する。本発明におけるバター脂は、乳由来の油脂であり、バター、バターオイル、バターオイル分別油、生クリーム、牛乳、濃縮乳、練乳、チーズ、全脂粉乳等の乳由来成分に含まれる油脂が挙げられる。本発明の実施の形態に係わる冷凍菓子用ミックス中の油脂におけるバター脂の含量は、保形性がよく乳風味豊かな冷菓とするために、10〜70質量%であることが好ましく、20〜65質量%であることがより好ましい。
なお、本発明の実施の形態に係わる冷凍菓子用ミックスにおけるバター脂の含量は、乳由来成分の含量に含油率を掛けることによって求めることができる。例えば、冷凍菓子用ミックス中に油脂含量45質量%の生クリームが20質量%配合される場合、これによる冷凍菓子用ミックス中のバター脂含量は、9質量%(=20×0.45)と求められる。
【0011】
本発明の実施の形態に係わる冷凍菓子用ミックスは、油脂中に油脂Aを20〜93質量%含有する。油脂Aは、ヨウ素価が25〜50であって、トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸残基の総炭素数が42〜48であるトリアシルグリセロール(以下、C42〜48と表記することがある)の含量が40質量%以上である油脂である。冷凍菓子用ミックス中に油脂Aをバター脂と併用した場合に、良好な口どけと保形性を得るために、油脂Aのヨウ素価は29〜45であることが好ましく、33〜42であることがより好ましい。また、同様の理由で、油脂AのC42〜48含量は、45質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。油脂AのC42〜48含量の上限値は特に設定されないが、エステル交換等により油脂Aを効率良く得るには、75質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましい。また、同様理由で、本発明の実施の形態に係わる冷凍菓子用ミックスは、油脂中に油脂Aを25〜85質量%含有することが好ましく、30〜75質量%含有することがより好ましい。
【0012】
本発明における油脂Aは、上記C42〜48以外のトリアシルグリセロール成分として、トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸残基の総炭素数が30〜40であるトリアシルグリセロール(以下、C30〜40と表記することがある)を5〜40質量%含むことが好ましく、10〜30質量%含むことがより好ましい。油脂Aは、また、トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸残基の総炭素数が50〜54であるトリアシルグリセロール(以下、C50〜54と表記することがある)を5〜40質量%含有することが好ましく、10〜30質量%含有することがより好ましい。油脂AのC30〜40含量およびC50〜54含量が上記範囲にあると、冷凍菓子用ミックスに、バター脂と油脂Aを併用した場合に、良好な口どけと保形性のある冷菓が得られるので好ましい。
【0013】
本発明における油脂Aとしては、ヨウ素価が25〜50であって、トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸残基の総炭素数が42〜48であるトリアシルグリセロール(C42〜48)の含量が40質量%以上であるという条件を満たせば、特に制限されることなく、通常の食用油脂(大豆油、菜種油、コーン油、ひまわり油、紅花油、ごま油、綿実油、米油、オリーブ油、落花生油、亜麻仁油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、カカオ脂や、これらの油脂の混合油、これらの油脂又は混合油の加工油脂(エステル交換油、分別油、水素添加油等)等)を用いることができる。
【0014】
本発明における油脂Aのより具体的な例としては、構成脂肪酸として、ラウリン酸とミリスチン酸を合計で20〜45質量%、パルミチン酸とステアリン酸を合計で20〜45質量%およびオレイン酸とリノール酸を合計で20〜45質量%含有するエステル交換油脂であることが好ましく、ラウリン酸とミリスチン酸を合計で20〜40質量%、パルミチン酸とステアリン酸を合計で20〜40質量%およびオレイン酸とリノール酸を合計で20〜40質量%含有するエステル交換油脂であることがより好ましい。
【0015】
本発明における油脂Aのさらに具体的な例としては、原料油脂としてラウリン系油脂とパーム系油脂とを含むエステル交換油脂であることが好ましい。本発明においてラウリン系油脂とは、全構成脂肪酸中にラウリンを30質量%以上含有する油脂のことである。ラウリン系油脂の具体例としては、パーム核油やヤシ油、これらの混合油、これらの油脂または混合油の加工油脂(エステル交換油、分別油、水素添加油等)が挙げられる。また、本発明においてパーム系油脂とは、パーム油自体や、パーム油の加工油脂(エステル交換油、分別油、水素添加油等)のことである。パーム系油脂の具体例としては、パーム油、パームオレイン、パームステアリン等が挙げられる。
【0016】
本発明において油脂Aとして用いる、原料油脂としてラウリン系油脂とパーム系油脂とを含むエステル交換油脂としては、ラウリン系油脂として、パーム核油および/またはパーム核オレインと、パーム系油脂として、パーム油および/またはパームステアリンを含むエステル交換油脂であることが好ましい。本発明において油脂Aとして用いる、ラウリン系油脂とパーム系油脂とを含むエステル交換油脂において、ラウリン系油脂とパーム系油脂の配合比は、ラウリン系油脂:パーム系油脂の質量比で、好ましくは25:75〜65:35であり、より好ましくは30:70〜60:40であり、最も好ましくは35:65〜55:45である。本発明において油脂Aとして用いる上記エステル交換油は、ラウリン系油脂とパーム系油脂とからなるエステル交換油脂であることが好ましい。
【0017】
本発明において油脂Aとして用いる、原料油脂としてラウリン系油脂とパーム系油脂とを含むエステル交換油脂を調製するためのエステル交換反応としては、特に制限はなく、位置選択性の低いエステル交換反応である非選択的エステル交換(ランダムエステル交換)、位置選択性の高いエステル交換反応である選択的エステル交換(位置特異的エステル交換)のどちらでもよいが、非選択的エステル交換であることが好ましい。また、本発明で用いるラウリン系油脂とパーム系油脂とを含むエステル交換油脂を調製するためのエステル交換の方法としては、特に制限はなく、化学的エステル交換、酵素的エステル交換のどちらの方法でもよいが、化学的エステル交換であることが好ましい。なお、化学的エステル交換は、触媒としてナトリウムメチラート等の化学触媒を用いて行われるものであり、反応は位置選択性の低い非選択的エステル交換となる。
【0018】
化学的エステル交換は、例えば、常法に従って、原料油脂を十分に乾燥させ、触媒を原料油脂に対して0.1〜1質量%添加した後、減圧下、80〜120℃で0.5〜1時間攪拌しながら反応を行うことができる。エステル交換反応終了後は、水洗にて触媒を洗い流した後、通常の食用油の精製工程で行われる脱色、脱臭処理を施すことができる。
【0019】
酵素的エステル交換は、触媒としてリパーゼ製剤を用いて行われるものであり、リパー
ゼ製剤の選択により、1,3位選択性のあるエステル交換が可能である。酵素的エステル
交換は、例えば、常法に従って、原料油脂にリパーゼ製剤を対油脂0.01〜5質量%添
加した後、30〜70℃で、1〜40時間攪拌しながら反応を行うことができる。エステ
ル交換反応終了後は、ろ過によりリパーゼ製剤を除去した後、通常の食用油の精製工程で
行われる脱色、脱臭処理を施すことができる。
【0020】
本発明の実施の形態に係わる冷凍菓子用ミックスは、上記のバター脂と油脂Aとを含め、油脂を2〜20質量%含有する。本発明の実施の形態に係わる冷凍菓子用ミックス中の油脂含量は、3〜16質量%であることが好ましく、4〜14質量%であることがより好ましい。
なお、本発明において冷凍菓子用ミックス中の油脂含量は、ミックスに配合される含油成分中の油脂の含量も含める。例えば、油脂含量が12質量%であるココアパウダーをミックス中に5質量%含む場合、ミックス中の油脂含量としてココアパウダー由来の油脂0.6質量%(=5×0.12)を含める。
【0021】
本発明の実施の形態に係わる冷凍菓子用ミックスは、油脂含量が2〜20質量%であって、油脂中にバター脂を2〜75質量%、油脂Aを20〜93質量%含む、という条件を満たす限り、バター脂および油脂A以外のその他の油脂を含んでもよい。
【0022】
上記その他油脂としては、ミックスに配合される含油成分由来の油脂を除いては、ラウリン系油脂やパーム系油脂を単独、もしくは二種以上で使用することが好ましい。ここでラウリン系油脂やパーム系油脂は、すでに説明したとおりである。パーム系油脂としては、パーム油やパームオレイン、パーム中融点部(PMF)であることが好ましく、ラウリン系油脂としては、ヤシ油、パーム核油、パーム核分別油およびそれらの水素添加油であることが好ましい。水素添加の方法は、特に制限はなく、通常の方法により行うことができる。水素添加は、例えば、ニッケル触媒の下、水素圧0.02〜0.3Mpa、160〜200℃の条件にて行うことができる。
【0023】
本発明の実施の形態に係わる冷凍菓子用ミックス中への、上記その他の油脂としてのパーム系油脂および/またはラウリン系油脂の使用は、ミックスの油脂中に、4〜50質量%であることが好ましく、4〜30質量%であることがより好ましく、4〜20質量%であることがさらに好ましい。冷凍菓子用ミックス中に、パーム系油脂および/またはラウリン系油脂を上記範囲使用することで、ミックスを使用した冷菓の口どけと保形性のバランスを最適化できるので好ましい。
【0024】
本発明の実施の形態に係わる冷凍菓子用ミックスは、合成乳化剤、安定剤の使用量を低減しても、これを使用した冷菓のヒートショック耐性、保形性を維持できる。上記合成乳化剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび有機酸モノグリセリドを例示することができ、本発明の実施の形態に係わる冷凍菓子用ミックス中に、0.1質量%以下含有させることが好ましく、0.05質量%以下含有させることがより好ましく、含有させないことがさらに好ましい。
【0025】
上記安定剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ジェランガム、アラビアガムのようなガム類、コーンスターチ、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、CMC、微細セルロース、ゼラチン、寒天、ペクチン等の他、リン酸塩のような塩類を例示することができ、本発明の実施の形態に係わる冷凍菓子用ミックス中に、0.1質量%以下含有させることが好ましく、0.05質量%以下含有させることがより好ましく、含有させないことがさらに好ましい。
【0026】
本発明の実施の形態に係わる冷凍菓子用ミックスは、油脂と、上記乳化剤、安定剤の他、通常冷凍菓子用ミックスに使用される、水、乳製品、糖類、香料および呈味剤等を使用することができ、一般的な水中油型乳化物の製造方法に従って製造することができる。例えば、水に牛乳、生クリーム、バター、脱脂粉乳等の乳製品、砂糖、デキストリン等の糖質、植物性油脂、乳化剤および安定剤等を加熱溶解し、ホモジナイザー(均質機)にかけてエージングすることによりミックスを調製することができる。
【0027】
本発明の実施の形態に係わる冷凍菓子用ミックスに使用する、上記乳製品としては、例えば、牛乳、脱脂乳、生クリーム、バター、脱脂粉乳、全脂粉乳、加糖全脂練乳、加糖脱脂粉乳、濃縮乳等が挙げられる。また、上記糖類としては、砂糖、ぶどう糖、果糖、異性化糖、水あめ、粉あめ、デキストリン等が挙げられる。上記呈味剤としては、カカオマス、ココアパウダー、果汁、果肉等が挙げられる。
【0028】
本発明の実施の形態に係わる冷凍菓子用ミックスは、乳化安定性を高め、ミックスを使用した冷菓のコク味向上のために卵黄を含むことが好ましい。卵黄は、液卵黄、加糖卵黄、もしくは乾燥卵黄等を使用することができ、本発明の実施の形態に係わる冷凍菓子用ミックス中に、0.1〜5質量%含まれることが好ましく、0.5〜3質量%含まれることがより好ましい。
【0029】
本発明の実施の形態に係わる冷凍菓子は、本発明の実施の形態に係わる冷凍菓子用ミックスを使用して得られる冷凍菓子である。本発明の実施の形態に係わる冷凍菓子は、例えば、本発明の実施の形態に係わる冷凍菓子用ミックスに、必要に応じて、香料、呈味剤等を添加してフリージング、冷凍硬化工程を経て製造することができる。
【0030】
本発明の実施の形態に係わる冷凍菓子は、乳等省令および公正競争規約で定められているところのアイスクリーム類の分類による、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスであることが好ましく、アイスクリーム、アイスミルクであることがより好ましい。
【実施例】
【0031】
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例の内容に限定して解釈されるものではない。
【0032】
<測定方法>
以下に示す油脂の各脂肪酸含量、各トリアシルグリセロール含量およびヨウ素価は以下の方法により測定した。
油脂中の各脂肪酸含量は、ガスクロマトグラフィー法により測定した。
油脂中の各トリアシルグリセロール含量は、ガスクロマトグラフィー法により測定した。
油脂のヨウ素価は、社団法人日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の「2.3.4.1−1996 ヨウ素価(ウィイス−シクロヘキサン法)」に準じて測定した。
【0033】
<油脂の調製>
以下の油脂を準備した。
(油脂A−1)
パーム核油(日清オイリオグループ株式会社製)40質量部とパーム油(日清オイリオグループ株式会社製)60質量部とを混合した混合油脂を、減圧下120℃に加熱することにより十分に乾燥させた後、対油0.2質量%のナトリウムメチラートを添加し、減圧下、110℃で0.5時間攪拌しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、ナトリウムメチラートを水洗除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して、油脂A−1(ヨウ素価39.0、C42〜48含量56.8質量%、C30〜40含量13.6質量%、C50〜54含量27.1質量%、ラウリン酸とミリスチン酸を合計で26.0質量%、パルミチン酸とステアリン酸を合計で33.6質量%およびオレイン酸とリノール酸を合計で36.7質量%)を得た。
【0034】
(油脂A−2)
パーム核オレイン(日清オイリオグループ株式会社製)55質量部とパームステアリン(日清オイリオグループ株式会社製)45質量部とを混合した混合油脂を、減圧下120℃に加熱することにより十分に乾燥させた後、対油0.2質量%のナトリウムメチラートを添加し、減圧下、110℃で0.5時間攪拌しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、ナトリウムメチラートを水洗除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して、油脂A−2(ヨウ素価29.6、C42〜48含量58.6質量%、C30〜40含量22.1質量%、C50〜54含量19.1質量%、ラウリン酸とミリスチン酸を合計で31.7質量%、パルミチン酸とステアリン酸を合計で35.6質量%およびオレイン酸とリノール酸を合計で27.9質量%)を得た。
【0035】
(油脂a−1)
パーム核油(日清オイリオグループ株式会社製)15質量部とパーム油(日清オイリオグループ株式会社製)85質量部とを混合した混合油脂を、減圧下120℃に加熱することにより十分に乾燥させた後、対油0.2質量%のナトリウムメチラートを添加し、減圧下、110℃で0.5時間攪拌しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、ナトリウムメチラートを水洗除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して、油脂a−1(ヨウ素価47.1、C42〜48含量33.9質量%、C30〜40含量2.6質量%、C50〜54含量59.7質量%、ラウリン酸とミリスチン酸を合計で10.6質量%、パルミチン酸とステアリン酸を合計で43.0質量%およびオレイン酸とリノール酸を合計で45.1質量%)を得た。
【0036】
(パーム核油)
パーム核油(日清オイリオグループ株式会社製、C42〜48含量27.9質量%、C30〜40含量61.8質量%、C50〜54含量9.4質量%)を準備した。
(パーム油)
パーム油(日清オイリオグループ株式会社製、C42〜48含量7.7質量%、C30〜40含量0質量%、C50〜54含量88.6質量%)を準備した。
(パーム中融点部:PMF)
PMF(日清オイリオグループ株式会社製、C42〜48含量4.8質量%、C30〜40含量0質量%、C50〜54含量92.9質量%)を準備した。
【0037】
<冷菓用ミックスおよび冷菓の調製、評価>
表1、2の配合に従って、実施例1〜6、比較例1〜6のミックスを以下の手順に従って調製し、調製したミックスを使用して、以下の手順に従ってアイスクリーム類(アイスクリーム<比較例6>、アイスミルク<実施例1〜6、比較例1〜4>、ラクトアイス<比較例5>)を調製した。調製したアイスクリーム類について、口どけ、風味および保形性を以下の基準に従って評価した。結果を表1、2に示す。
【0038】
(冷菓用ミックスおよび冷菓の調製方法)
表1、2の配合に従って、無塩バター、脱脂粉乳、グラニュー糖、水あめ、水等、油脂以外の成分を混合し、温度70℃まで撹拌昇温後、油脂を加え更に80℃まで昇温した。次いでホモゲナイザーを用いて微細均質化し、実施例1〜6、比較例1〜6のミックスを調製した。調製した各ミックスについて、アイスクリーマーを用いて実施例1〜6、比較例1〜6のアイスクリーム類を調製した。
【0039】
(口どけおよび風味の評価方法)
−20℃で24時間保管したアイスクリーム類の口どけおよび風味について、5人のパネルにより生食し、次に示す基準により総合的に評価した。
口どけの評価基準
◎・・・非常に口どけが良い
○・・・口どけが良い
△・・・ふつう
×・・・口どけが悪い
風味の評価基準
◎・・・乳風味・コク味に非常に優れている
○・・・乳風味・コク味に優れている
△・・・ふつう
×・・・乳風味・コク味に乏しい
【0040】
(保形性の評価方法)
シャーレの上に網を敷き、そこにアイスクリーム類を載せ、30℃で25分間保持したのち、目視にて状態を確認し、次に示す基準により評価を行った。
◎・・・元の形を維持している。
○・・・若干溶けて離水を生じている。
△・・・元の形が崩れ、離水も多く生じている。
×・・・元の形をとどめておらず、大半が溶けている。
【0041】
【表1】
*1;脂肪分84質量%. *2;脂肪分30質量%.
*3;ミックスの油脂含量. *4;ミックスの油脂中の含量.
【0042】
【表2】
*1;脂肪分84質量%. *2;脂肪分30質量%.
*3;ミックスの油脂含量. *4;ミックスの油脂中の含量.