特許第6184825号(P6184825)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6184825皮膚洗浄組成物を調製するためのキット、皮膚洗浄組成物、及び皮膚洗浄組成物の調製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6184825
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】皮膚洗浄組成物を調製するためのキット、皮膚洗浄組成物、及び皮膚洗浄組成物の調製方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/43 20060101AFI20170814BHJP
   A61K 8/368 20060101ALI20170814BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20170814BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20170814BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20170814BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20170814BHJP
   A61K 8/365 20060101ALI20170814BHJP
   C11D 17/00 20060101ALI20170814BHJP
   C11D 1/66 20060101ALI20170814BHJP
   C11D 3/48 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   A61K8/43
   A61K8/368
   A61Q19/10
   A61K8/86
   A61K8/34
   A61K8/44
   A61K8/365
   C11D17/00
   C11D1/66
   C11D3/48
【請求項の数】12
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2013-205807(P2013-205807)
(22)【出願日】2013年9月30日
(65)【公開番号】特開2015-67595(P2015-67595A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2015年12月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100139022
【弁理士】
【氏名又は名称】小野田 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100172557
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 啓靖
(72)【発明者】
【氏名】真鍋 里香
(72)【発明者】
【氏名】三宅 大輔
(72)【発明者】
【氏名】坂東 健司
(72)【発明者】
【氏名】三小田 千穂
【審査官】 池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−061000(JP,A)
【文献】 特開2012−197250(JP,A)
【文献】 特開2002−255737(JP,A)
【文献】 特開2013−116868(JP,A)
【文献】 特開2013−151447(JP,A)
【文献】 特開2004−277364(JP,A)
【文献】 特開2003−095815(JP,A)
【文献】 特開2013−121922(JP,A)
【文献】 特開2013−079291(JP,A)
【文献】 特開2003−095917(JP,A)
【文献】 特開2013−129611(JP,A)
【文献】 特開2001−206818(JP,A)
【文献】 特開2002−003306(JP,A)
【文献】 特開2011−032306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚洗浄組成物の調製方法であって、
(i)(a1)ポリアミノプロピルビグアナイドの塩酸塩であるポリカチオン型抗菌剤及び(a2)クエン酸及びエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウムから選ばれるキレート性化合物を含む水溶液をA剤として調製するステップ、
(ii)(b)ポリオキシエチレン硬化ひまし油である非イオン性界面活性剤を(b2)プロピレングリコールである多価アルコールと混合してから水に添加することにより(b)ポリオキシエチレン硬化ひまし油及び(b2)プロピレングリコールを含む水溶液をB剤として調製するステップ、
(iii)(c1)安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール及びp−ヒドロキシ安息香酸メチルから選ばれる防腐剤を含むC剤を調製するステップ、
(iv)A剤と、B剤又はC剤のいずれか一方とを含む第1の組成物を生成するステップ、そして
(v)第1の組成物と、B剤又はC剤の残りの一方を含む第2の組成物とを混合するステップ、
を含むことを特徴とする、前記調製方法。
【請求項2】
第1の組成物が、A剤と、B剤又はC剤のいずれか一方と、追加の水とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第2の組成物が、B剤又はC剤の残りの一方と、追加の水とを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
A剤の有効成分の濃度が、0.02〜25質量%であり、B剤の有効成分の濃度が、0.02〜95質量%であり、そしてC剤の有効成分の濃度が、0.05〜100質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
C剤が、(c1)前記防腐剤を含む水溶液であり、C剤の有効成分の濃度が、0.05〜30質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
A剤、B剤及びC剤が、前記皮膚洗浄組成物が、(a1)前記ポリカチオン型抗菌剤及び(a2)前記キレート性化合物を、前記皮膚洗浄組成物の有効成分計100質量部に基づいて、それぞれ、0.1〜30質量部及び2〜50質量部の比率で含むような割合で混合される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
A剤、B剤及びC剤が、前記皮膚洗浄組成物が、(b1)前記非イオン性界面活性剤及び(b2)前記多価アルコールを、前記皮膚洗浄組成物の有効成分計100質量部に基づいて、それぞれ、2〜40質量部及び3〜70質量部の比率で含むような割合で混合される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
A剤、B剤及びC剤が、前記皮膚洗浄組成物が、(c1)前記防腐剤を、前記皮膚洗浄組成物の有効成分計100質量部に基づいて、1〜70質量部の比率で含むような割合で混合される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
B剤が、香料をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
A剤、B剤及びC剤が、前記皮膚洗浄組成物が、前記皮膚洗浄組成物の有効成分計100質量部に基づいて、前記香料を0.5〜25質量部の比率で含むような割合で混合される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記皮膚洗浄組成物の有効成分の濃度が、2〜70質量%である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記皮膚洗浄組成物が、3〜6のpHを有する、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、皮膚洗浄組成物を調製するためのキット、当該キットから調製された皮膚洗浄組成物、及び皮膚洗浄組成物の調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人が衛生的に生活していくためには、外界からの汚れ、あるいは皮脂、汗等の分泌物による汚れを定期的に落とすことが好ましい。通常、上記汚れは、入浴時等に、固形又は液体の石けん等を用いて除去される。しかし、乳児、身体の不自由な人等においては、保護者、介護者等が、濡れタオルを用いて、彼らの体を清拭する場合がある。
【0003】
上記清拭には、温湯で希釈して用いられる清拭剤、清拭ウェットシート等が用いられるのが一般的である。特に、清拭ウェットシートは、利便性が高く、そして衛生的であるため、赤ちゃん用のおしり拭き、ボディシート、フェイシャルシート等として市販されている。
【0004】
上記清拭ウェットシートには、一般的に、皮膚洗浄組成物が含まれており、清拭ウェットシートが肌に直接接触するものであることから、これまでに、肌荒れ防止、抗菌性、防黴性等を目的とするものが、種々提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1には、防菌・防黴性能のよいウエットティッシュ用薬液を提供することを目的とした薬液が記載されている。特許文献1に記載の薬液は、以下の構成を有する:水解性不織布に含浸させてウエットティッシュを形成する薬液であって、該薬液が、安息香酸ナトリウムと、乳酸ナトリウムおよび/またはフェノキシエタノールとを水性媒体に溶解してなることを特徴とするウエットティッシュ用薬液。
【0006】
また、特許文献2には、防腐抗菌性の改善を目的とした水性組成物が記載されている。特許文献2に記載の水性組成物は、以下の構成を有する:水性媒体中に、少なくとも、フェノキシエタノールと、乳酸および/または乳酸塩とが溶解もしくは分散されている水性組成物であって、該水性組成物中におけるD−乳酸およびD−乳酸塩の含有量が、L−乳酸およびL−乳酸塩の含有量よりも多いことを特徴とする防腐抗菌性が改善された水性組成物。
【0007】
その他、防腐剤として、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム等の4級アンモニウム塩、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール等のフェノール、グルコン酸クロルヘキシジン、ポリヘキサメチレンビグアナイド塩酸塩等のビグアナイド系化合物が、皮膚洗浄組成物、手洗い石鹸、洗口液、ニキビ用洗顔料、抗菌効果を謳う繊維用柔軟剤等の幅広い分野で用いられている。
また、パラベンフリーの流れとして、ポリカチオン型抗菌剤として、安全性の高いポリアミノプロピルビグアナイド系抗菌剤が用いられる傾向にある。
【0008】
しかし、皮膚洗浄組成物では、その成分の組み合わせによっては、著しい白濁、沈殿等を生じる問題があり、透明な外観が損われ、そして品質上の問題を生じることがあった。例えば、ポリカチオン型抗菌剤及び多価アニオン性化合物を含む皮膚洗浄組成物では、白濁又は沈殿が生じやすく、ポリカチオン型抗菌剤と、多価アニオン性化合物との間の静電的作用が、その原因であると考えられていた。
【0009】
上記白濁及び沈殿の問題を解決するために、例えば、特許文献3では、ポリカチオン型抗菌剤、一般式(1)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル及び/または一般式(2)で表わされるポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アニオン性化合物、及び水を含有することを特徴とする水系組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2001−206818号公報
【特許文献2】特開2002−3306号公報
【特許文献3】特開2011−32306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、特許文献3に記載の非イオン性界面活性剤は、独特の臭気を有し、そして特許文献3に記載の水系組成物には、白濁及び沈殿の抑制にさらなる改善の余地があった。
従って、本開示は、白濁及び沈殿の生じにくい皮膚洗浄組成物を調製するためのキットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明者らは、種々検討の結果、A剤、B剤及びC剤を含む、皮膚洗浄組成物を調製するためのキットであって、A剤が、(a1)ポリカチオン型抗菌剤及び(a2)キレート性化合物を含む水溶液であり、B剤が、(b1)非イオン性界面活性剤及び(b2)多価アルコールを含む水溶液であり、そしてC剤が、(c1)防腐剤を含むことを特徴とするキットを見出した。
【発明の効果】
【0013】
本開示のキットから調製される皮膚洗浄組成物は、白濁及び沈殿が生じにくい。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の皮膚洗浄組成物を調製するためのキット、当該キットから調製された皮膚洗浄組成物、及び皮膚洗浄組成物の調製方法について詳細に説明する。
【0015】
[定義]
本明細書で用いられる用語について、その一部を定義する。
[有効成分]
本明細書では、「有効成分」は、皮膚洗浄組成物を調製するためのキット、及び皮膚洗浄組成物において、水以外の成分を意味する。
例えば、A剤では、有効成分には、(a1)ポリカチオン型抗菌剤及び(a2)キレート性化合物が含まれ、そしてA剤が、防腐剤をさらに含む場合には、防腐剤も有効成分に含まれる。
【0016】
同様に、B剤では、(b1)非イオン性界面活性剤及び(b2)多価アルコールが有効成分に含まれ、そしてB剤が、香料及び/又は防腐剤を含む場合には、それらも有効成分に含まれる。
また、C剤では、(c1)防腐剤が有効成分に含まれる。
【0017】
[希釈タイプ]
本明細書において、「希釈タイプ」は、キット及び皮膚洗浄組成物の濃度に関する用語であり、キット及び皮膚洗浄組成物が、ユーザーの皮膚に触れることを想定した濃度にあることを意味する。例えば、希釈タイプのキット及び皮膚洗浄組成物は、希釈せずに清拭ウェットシートに含浸させ、当該清拭ウェットシートを市販することができる。
【0018】
[濃縮タイプ]
本明細書において、「濃縮タイプ」は、キット及び皮膚洗浄組成物の濃度に関する用語であり、キット及び皮膚洗浄組成物が、ユーザーの皮膚に触れる前に、水等で希釈する必要がある濃度にあることを意味する。例えば、濃縮タイプのキット及び皮膚洗浄組成物は、水等で希釈した後に、清拭ウェットシートに含浸させ、当該清拭ウェットシートを市販することができる。
【0019】
[皮膚洗浄組成物を調製するためのキット]
本開示の皮膚洗浄組成物を調製するためのキット(以下、単に「キット」、「本開示のキット」等と称する場合がある)は、A剤、B剤及びC剤を含む。
また、本開示のキットは、A剤、B剤及びC剤から成ることができ、又はA剤、B剤及びC剤の他に、別の薬剤を含むことができる。
さらに、本開示のキットは、A剤、B剤及びC剤の少なくとも3種の薬剤から構成され、そしてA剤、B剤及びC剤は、それぞれ、独立して存在している、例えば、別の容器に保管されている。
【0020】
[A剤]
本開示のキットでは、A剤は、(a1)ポリカチオン型抗菌剤及び(a2)キレート性化合物を少なくとも含む水溶液であり、その他の成分を含んでもよい。
皮膚洗浄組成物を調製する前に、A剤として、(a1)ポリカチオン型抗菌剤及び(a2)キレート性化合物を含む水溶液を準備することにより、A剤及び皮膚洗浄組成物の白濁及び沈殿が抑制される。
【0021】
(a1)ポリカチオン型抗菌剤は、皮膚洗浄組成物に抗菌性を付与する成分であり、また、A剤にも抗菌性を付与する成分である。
本開示において、(a1)ポリカチオン型抗菌剤は、水に溶解すると電離して2以上の正電荷を有する有機化合物を意味する。(a1)ポリカチオン型抗菌剤は、抗菌剤の1種として、種々の分野における水性組成物で用いられている。
【0022】
例えば、化粧品類に配合されうるポリカチオン型抗菌剤は、薬事法第42条第2項の規定に基づく化粧品基準の別表3、欧州化粧品指令別添6、米国化粧品工業会CTFAによるInternational Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook等に記載されている。
【0023】
(a1)ポリカチオン型抗菌剤の具体例として、ポリアミノプロピルビグアナイド及びその塩、例えば、塩酸塩、ステアリン酸塩、リン酸塩等、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、ポリヘキサメチレングアニジン塩酸塩、ポリヘキサメチレングアニジンリン酸塩、ポリヘキサメチレンビグアナイド塩酸塩、ポリヘキサメチレンビグアナイドステアリン酸塩、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロリド]、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
なお、本明細書では、ポリアミノプロピルビグアナイド及びその塩を、「ポリアミノプロピルビグアナイド系抗菌剤」と称する。
【0024】
(a1)ポリカチオン型抗菌剤としては、ポリアミノプロピルビグアナイド系抗菌剤、特にポリアミノプロピルビグアナイドの塩、特にポリアミノプロピルビグアナイドの塩酸塩が、水溶性が高い一方で、皮膚刺激性が低いために好ましい。
ポリアミノプロピルビグアナイドの塩酸塩は、例えば、LONZAからCOSMOCIL CQの商品名で、20質量%水溶液として市販されている。
【0025】
(a2)キレート性化合物は、皮膚洗浄組成物において、キレート剤として作用する成分である。
(a2)キレート性化合物は、キレート剤として作用しうる化合物、より具体的には、水、不織布等に存在する金属イオン、皮膚洗浄組成物に混入する金属イオン等とキレート化合物を形成しうる化合物であれば、特に制限されないが、例えば、(a21)多価アニオン性化合物が挙げられる。
【0026】
(a21)多価アニオン性化合物は、水に溶解すると電離して2価以上の負電荷を有する有機化合物又は無機化合物を意味し、例えば、多価カルボン酸又はその塩、多価リン酸及びその塩、ガム類等が挙げられる。
【0027】
上記多価カルボン酸又はその塩としては、ポリアクリル酸又はそれらの塩、クエン酸及びその塩、エチレンジアミン四酢酸(以下、「EDTA」と称する場合がある)及びその塩、ヒアルロン酸及びその塩、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。上記塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等が挙げられ、例えば、EDTAの塩としては、エチレンジアミン四酢酸一水素三ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸三水素四ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム等が挙げられ、エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウムが好ましい。
上記多価リン酸及びその塩としては、例えば、ポリリン酸及びその塩が挙げられる。
【0028】
上記例示において、例えば、ガム類及びポリアクリル酸誘導体は、皮膚洗浄組成物及びA剤の粘度調整剤としての作用をさらに有し、クエン酸及びその塩、並びにEDTA及びその塩は、キレート剤の他に、pH調整剤としての作用をさらに有する。
(a21)多価アニオン性化合物としては、クエン酸及びエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウムが好ましく、そしてpH調整剤としても作用しうるクエン酸がより好ましい。
【0029】
(a1)ポリカチオン型抗菌剤及び(a2)キレート性化合物は、それらの静電的作用から、白濁及び沈殿の原因物質であると考えられていたが、本願発明者は、(a1)ポリカチオン型抗菌剤及び(a2)キレート性化合物を含むA剤を形成した後、皮膚洗浄組成物を調製すると、皮膚洗浄組成物が白濁及び沈殿しにくいことのみならず、皮膚洗浄組成物の高濃度化が可能であり、さらにA剤そのものも高濃度化が可能であることを見出した。
【0030】
本開示のキットにおいて、A剤は、A剤の総量に基づいて、好ましくは0.02質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上、そしてさらにいっそう好ましくは、0.5質量%以上の有効成分の濃度を有する。また、A剤は、A剤の総量に基づいて、好ましくは25質量%以下、より好ましくは23質量%以下、さらに好ましくは21質量%以下、そしてさらにいっそう好ましくは20質量%以下の有効成分の濃度を有する。
【0031】
上記濃度が0.02質量%を下回ると、皮膚洗浄組成物を調製するに当たり、A剤そのものの添加量が増え、生産性が低下する傾向があり、そして上記濃度が25質量%を超えると、A剤中の有効成分が沈殿し、A剤及び皮膚洗浄組成物が白濁する場合がある。
【0032】
本開示のキットはまた、濃縮タイプであることができる。本開示のキットが濃縮タイプである場合にも、A剤、B剤及びC剤は、長期保存後に、白濁及び沈殿を生じにくく、そしてA剤〜C剤の長期保存後に、皮膚洗浄組成物を調製した場合であっても、皮膚洗浄組成物は、白濁及び沈殿を生じにくい。
【0033】
本開示のキットが濃縮タイプである場合には、A剤は、A剤の総量に基づいて、好ましくは2.0質量%以上、より好ましくは3.0質量%以上、さらに好ましくは5.0質量%以上、そしてさらにいっそう好ましくは10.0質量%以上の有効成分の濃度を有する。また、本開示のキットが濃縮タイプである場合には、A剤は、A剤の総量に基づいて、好ましくは25質量%以下、より好ましくは23質量%以下、さらに好ましくは21質量%以下、そしてさらにいっそう好ましくは20質量%以下の有効成分の濃度を有する。
【0034】
上記濃度が2.0質量%未満であると、高濃度化の利点が小さくなり、そして上記濃度が25質量%を超えると、A剤中の有効成分が沈殿し、A剤及び皮膚洗浄組成物が白濁する場合がある。
【0035】
なお、皮膚洗浄組成物は、一般的に、有効成分が1.0質量%であることから勘案すると、A剤の有効成分の濃度が25質量%である場合には、A剤は、約25倍濃縮物に相当する。
本開示のキットが濃縮タイプである場合に、B剤及びC剤が取りうる有効成分の濃度の範囲については、後述する。
【0036】
[B剤]
本開示のキットでは、B剤は、(b1)非イオン性界面活性剤及び(b2)多価アルコールを少なくとも含む水溶液であり、そしてその他の成分を含んでもよい。
【0037】
(b1)非イオン性界面活性剤は、皮膚洗浄組成物に、汚れ除去能を付与する成分である。
(b1)非イオン性界面活性剤としては、特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー及びアルカノールアミド、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
1)非イオン性界面活性剤としては、特に安全性が高く、油溶性成分、例えば、親油性の香料の溶解性に優れ、そして臭気が少ないことから、ポリオキシエチレン硬化ひまし油が好ましい。
【0038】
(b1)非イオン性界面活性剤は市販されており、例えば、ポリオキシエチレン硬化ひまし油は、BASFジャパンから、クレモフォールCO60の商品名の下で、市販されている。
【0039】
(b2)多価アルコールは、皮膚洗浄組成物を含むウェットティッシュの使用感を向上させる成分である。
また、(b2)多価アルコールは、(b1)非イオン性界面活性剤が、B剤及び皮膚洗浄組成物に溶解することを補助する作用を有する。ポリオキシエチレン硬化ひまし油等の非イオン性界面活性剤は、水に投入するとゲル化し、水への溶解に時間を要する場合があり、非イオン界面活性剤を、多価アルコールと事前に混合してから水に添加することにより、ゲル化が抑制され、生産性の向上を図ることができる。
【0040】
(b2)多価アルコールは、2価以上のアルコールを意味し、そして水溶性を有することが好ましい。水溶性を有する(b2)多価アルコールとしては、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、例えば、数平均分子量が600〜20,000のポリエチレングリコール、ソルビトール及びマルチトール、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0041】
(b2)多価アルコールとしては、皮膚洗浄組成物を含むウェットティッシュ等の使用感の観点から、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、及び数平均分子量が600〜20,000のポリエチレングリコール、並びにそれらの任意の組み合わせが好ましく、そしてプロピレングリコールが特に好ましい。
【0042】
本開示のキットにおいて、B剤は、B剤の総量に基づいて、好ましくは0.02質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上、そしてさらにいっそう好ましくは、0.5質量%以上の有効成分の濃度を有する。また、B剤は、B剤の総量に基づいて、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは85質量%以下、そしてさらにいっそう好ましくは80質量%以下の有効成分の濃度を有する。
上記濃度が0.02質量%を下回ると、皮膚洗浄組成物を調製する際にB剤そのものの添加量が増え、生産性が低下する傾向があり、そして上記濃度が95質量%を超えると、B剤中の有効成分が沈殿し、B剤及び皮膚洗浄組成物が白濁する傾向がある。
【0043】
本開示のキットが濃縮タイプである場合には、B剤は、B剤の総量に基づいて、好ましくは2.0質量%以上、より好ましくは3.0質量%以上、さらに好ましくは5.0質量%以上、そしてさらにいっそう好ましくは10.0質量%以上の有効成分の濃度を有する。また、本開示のキットが濃縮タイプである場合には、B剤は、B剤の総量に基づいて、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは85質量%以下、そしてさらにいっそう好ましくは80質量%以下の有効成分の濃度を有する。
上記濃度が2.0質量%を下回ると、高濃度化の利点が小さくなり、そして上記濃度が95質量%を超えると、B剤中の有効成分が沈殿し、B剤及び皮膚洗浄組成物が白濁する傾向がある。
【0044】
なお、皮膚洗浄組成物は、一般的に、有効成分が1.0質量%であることから勘案すると、B剤の有効成分の濃度が95質量%である場合には、B剤は、約95倍濃縮物に相当する。
【0045】
[C剤]
本開示のキットでは、C剤は、(c1)防腐剤を少なくとも含み、その他の成分を含んでもよい。また、C剤は、少なくとも(c1)防腐剤を含む水溶液であってもよい。
(c1)防腐剤は、C剤及び皮膚洗浄組成物に防腐性を付与する成分である。(c1)防腐剤としては、当技術分野で防腐剤として用いられているものであれば、特に制限されず、例えば、安息香酸又はその塩、p−ヒドロキシ安息香酸エステル及びフェノキシエタノール、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられ、安息香酸ナトリウムが好ましい。
【0046】
安息香酸ナトリウムは、エゴノキ科アンソクコウノキの樹脂の成分であり、各種の微生物に対して増殖を抑制する効果がある。安息香酸ナトリウムは、水への溶解性が高いため、A剤、B剤、それらの混合物、希釈用の水等にそのまま添加し、溶解させることができる。
【0047】
本開示のキットにおいて、C剤は、(c1)防腐剤のみから成ることができ、又は(c1)防腐剤を含む水溶液であることができる。C剤は、C剤の総量に基づいて、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上、そしてさらにいっそう好ましくは、0.4質量%以上の有効成分の濃度を有する。また、C剤は、C剤の総量に基づいて、好ましくは100質量%以下、より好ましくは98質量%以下、さらに好ましくは95質量%以下、そしてさらにいっそう好ましくは90質量%以下の有効成分の濃度を有する。
【0048】
上記濃度が0.05質量%を下回ると、皮膚洗浄組成物を調製する際にC剤そのものの添加量が増え、生産性が低下する傾向があり、そして上記濃度が高くなると、防腐剤の種類によっては、C剤が、A剤、A剤及びB剤の混合物、水等と混合しにくくなる傾向があり、そしてC剤そのものが白濁する場合もある。
なお、C剤の有効成分の濃度が100質量%であることは、C剤が水を含まないこと、例えば、C剤が(c1)防腐剤のみから成ることを意味する。
【0049】
本開示のキットが濃縮タイプである場合には、C剤は、C剤の総量に基づいて、好ましくは3.0質量%以上、より好ましくは4.0質量%以上、さらに好ましくは5.0質量%以上、そしてさらにいっそう好ましくは10.0質量%以上の有効成分の濃度を有する。また、本開示のキットが濃縮タイプである場合には、C剤は、C剤の総量に基づいて、好ましくは100質量%以下、より好ましくは98質量%以下、さらに好ましくは95質量%以下、そしてさらにいっそう好ましくは90質量%以下の有効成分の濃度を有する。
上記濃度が3.0質量%を下回ると、高濃度化の利点が小さくなる。
【0050】
C剤が、(c1)防腐剤を含む水溶液である場合には、C剤は、C剤の総量に基づいて、好ましくは30質量%以下、より好ましくは28質量%以下、さらに好ましくは23質量%以下、そしてさらにいっそう好ましくは20質量%以下の有効成分の濃度を有する。上記濃度が高くなると、C剤中で、(c1)防腐剤が析出し、沈殿が生する場合がある。
【0051】
なお、皮膚洗浄組成物は、一般的に、有効成分が1.0質量%であることから勘案すると、C剤の有効成分の濃度が100質量%である場合には、C剤は、約100倍濃縮物に相当する。
【0052】
[その他の成分]
本開示のキットは、嗜好性の向上及び不快臭のマスキングの観点から、香料をさらに含むことができる。上記香料は、A剤、B剤及びC剤のいずれにも含まれうるが、香料の溶解性が高く、長期保存後に沈殿、分離等が生じにくいため、上記香料は、B剤に含まれることが好ましい。
上記香料としては、当技術分野で用いられているものであれば、特に制限されず、例えば、合成香料、天然香料、又はそれらを調合した調合香料が挙げられる。
【0053】
上記香料としては、下記が例示される。
6〜C12アルデヒド(例えば、ヘキシルアルデヒド、デシルアルデヒド等)、アニスアルデヒド、アセトアルデヒドフェニルエチルプロピルアセタール、アセトフェノン、アセチルセドレン、アドキサール、アリルアミルグリコレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、アリルヘプタノエート、α−ダマスコン、β−ダマスコン、アンブレットリッド、アンブロキサン、アミルシンナミックアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒドジメチルアセタール、アミルバレリアネート、アミルサリシレート、イソアミルアセテート、ブチルアセテート、エチルブチレート、アセチルユゲノール、イソアミルサリシレート、インドール、アリルカプロエート、エチルカプロエート、エチルプロピオネート、エチルアセトアセテート、
【0054】
α−イオノン、β−イオノン、α−メチルイオノン、α−イソメチルイオノン、β−メチルイオノン、β−イソメチルイオノン、γ−メチルイオノン、γ−イソメチルイオノン、インデン、エチルバニリン、オウランチオール、オークモスNo.1、オリボン、オキシフェニロン、カリオフィレン、カシュメラン、カルボン、ガラキソリッド、キャロン、クマリン、p−クレジールメチルエーテル、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ゲラニルニトリル、テトラヒドロゲラニオール、テトラヒドロゲラニールアセテート、コアボン、サンダロア、サンデラ、サンタレックス、サンタリノール、メチルサリシレート、シンナミックアルコール、シンナミックアルデヒド、cis−ジャスモン、
【0055】
シトラール、シトラールジメチルアセタール、シトラサール、シトロネラール、シトロネロール、シトロネリルアセテート、シトロネリルフォーメート、シトロネリルニトリル、シクラメンアルデヒド、シンナミルアセテート、ジヒドロジャスモン、ジメトール、イソシクロシトラール、ジャスマール、ジャスモラクトン、ジャスモフィラン、スチラリルアセテート、スチラリールプロピオネート、セドロアンバー、セドリルアセテート、セドロール、セレストリッド、ターピネオール(α−ターピネオール、γ−ターピネオール)、ターピニルアセテート、チモール、デルタダマスコン、デルタC6〜C13ラクトン、トナリッド、トラセオライド、トリプラール、イソノニルアセテート、ネロール、ネリールアセテート、ネオベルガメート、ノピールアセテート、ノピールアルコール、
【0056】
バクダノール、ヒヤシンスジメチルアセタール、ヒドロトロピックアルコール、ヒドロキシシトロネロール、ヒドロキシシトロネラール、α−ピネン、β−ピネン、ブチルブチレート、p−tert−ブチルシクロヘキサノール、p−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、o−tert−ブチルシクロヘキサノール、o−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート,ジフェニルオキサイド、フルイテート、フェンチールアルコール、フェニルエチルフェニルアセテート、イソブチルキノリン、フェニルエチルアルコール、フェニルエチルアセテート、フェニルアセトアルデハイドジメチルアセタール、ベンジルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルサリシレート、ベンズアルデヒド、ベンジルフォーメート、ジメチルベンジルカルビノール、ヘリオナール、ヘリオトロピン、
【0057】
cis−3−ヘキセノール、cis−3−ヘキセニールアセテート、cis−3−ヘキセニールサリシレート、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘキシルサリシレート、ペンタリッド、ベルドックス、オルトボルニルアセテート、イソボルニルアセテート、イソボルネオール、ボルネオール、マンザネート、マイヨール、ミューゲアルデヒド、ミラックアルデヒド、ミルセノール、ジヒドロミルセノール、ジミルセトール、ムゴール、ムスクTM−II、ムスク781、ムスクC14、ムスクT、ムスクケトン、ムスクチベチン、ムスクモスケン、メンサニールアセテート、メンソネート、メチルアンスラニレート、メチルユゲノール、メントール、メチルフェニルアセテート、ユゲノール、イソユゲノール、メチルイソユゲノール、
【0058】
γ−C6〜C13ラクトン(例えば、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン等)、ライムオキサイド、メチルラベンダーケトン、ジヒドロリナロール、リグストラール、リモネン、リナロール、リナロールオキサイド、テトラヒドロリナロール、テトラヒドロリナリールアセテート、リナリルアセテート、リラール、ルバフラン、ローズフェノン、ローズオキサイド、ベンゾイン、ペルーバルサム、トルーバルサム、チュベローズ油、ムスクチンキ、カストリウムチンキ、シベットチンキ、アンバーグリスチンキ、ジヒドロターピニルアセテート、1,8−シネオール、7−アセチ−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタハイドロ−1,1,6,7−テトラメチルナフタレン、カンフル、4−アセトキシ−3−アミルテトラハイドロピラン、トリシクロデセニルアセテート、
【0059】
β−ナフチルメチルエステル、ベンゾフェノン、ベンジルベンゾエート、ジメチルヘプタノール、クミンアルデヒド、マイラックアルデヒド、クミンアルコール、メントン、チオメントン、シクロヘキシサリシレート、サンタリナアルコール、バニリン、エチルバニリン、ボルネオール、イソロンギフォラノン、バグダノール、3,7−ジメチル−7−メトキシオクタン−2−オール、2,4,6−トリメチル−2−フェニル−1,3−ジオキサン、4,6,6,7,8,8−ヘキサメチル−1,3,4,6,7,8−ヘキサハイドロシクロペンタベンゾピラン、ジメチルベンジルアセテート、メチルジヒドロジャスモネート、ウンデカラクトンガンマ、シクロガルバナム、ネロール、テルペニルアセテート、cis−3−ヘキサノール、cis−3−ヘキシルアセテート、1,4−シネオール、α−ターピネン、p−サイメン、cis−オシメン、リメトール、トランス−β−オシメン、ターピノレン、2−ペンチロキシグリコール酸アリル、2−n−ペンチルシクロペンタノン、ベンジルブチレート、エチルアセテート、カプロン酸エチル、イソアミルブチレート、
【0060】
ペパーミント油、ペリラ油、プチグレン油、パイン油、ローズ油、ローズマリー油、しょう脳油、芳油、クラリーセージ油、サンダルウッド油、スペアミント油、スターアニス油、ラバンジン油、ラベンダー油、レモン油、レモングラス油、ライム油、ネロリ油、オークモス油、オコチア油、パチュリ油、タイム油、トンカ豆チンキ、テレピン油、ワニラ豆チンキ、バジル油、ナツメグ油、シトロネラ油、クローブ油、ボアドローズ油、カナンガ油、カルダモン油、カシア油、シダーウッド油、オレンジ油、マンダリン油、タンジェリン油、アニス油、ベイ油、コリアンダー油、エレミ油、ユーカリ油、フェンネル油、ガルバナム油、ゼラニウム油、ヒバ油、桧油、ジャスミン油、ベチバー油、ベルガモット油、イランイラン油、グレープフルーツ油、ゆず油等、並びにそれらの任意の組み合わせ。
【0061】
上記香料としては、C6〜C12アルデヒド(例えば、ヘキシルアルデヒド、デシルアルデヒド等)、アリルアミルグリコレート、イソアミルアセテート、ブチルアセテート、エチルブチレート、イソアミルサリシレート、アリルカプロエート、エチルカプロエート、エチルプロピオネート、エチルアセトアセテート、カルボン、シトラール、α−ピネン、β−ピネン、ブチルブチレート、cis−3−ヘキセン−1−オール、cis−3−ヘキセニールアセテート、cis−3−ヘキセニールサリシレート、マンザネート、ミルセノール、ジヒドロミルセノール、メントール、ジヒドロリナロール、リグストラール、リモネン、リナロール、リナロールオキサイド、テトラヒドロリナロール、テトラヒドロリナリールアセテート、リナリルアセテート、スチラリルアセテート、1,8−シネオール、1,4−シネオール、α−ターピネン、p−サイメン、cis−オシメン、リメトール、トランス−β−オシメン、ターピノレン、ベンジルブチレート、エチルアセテート、イソアミルブチレート、ペパーミント油、パイン油、ローズ油、ローズマリー油、クラリーセージ油、スペアミント油、スターアニス油、ラバンジン油、ラベンダー油、レモン油、レモングラス油、ライム油、ネロリ油、カナンガ油、オレンジ油、マンダリン油、タンジェリン油、ユーカリ油、フェンネル油、ゼラニウム油、ヒバ油、ベルガモット油、イランイラン油、グレープフルーツ油、ゆず油が好ましい。上記香料により、明るく、フレッシュで、さわやかな香りが、皮膚洗浄組成物に付与される。
【0062】
本開示のキットにおいて、B剤及び/又はC剤は、ポリカチオン型抗菌剤等の防腐剤を含むことができる。上記防腐剤を含むことにより、B剤及びC剤、並びに調製される皮膚洗浄組成物が防腐性に優れる。上記ポリカチオン型抗菌剤としては、「A剤」において、(a1)ポリカチオン型抗菌剤として例示されるものが挙げられる。
【0063】
皮膚洗浄組成物を調製するに当たり、A剤、B剤及びC剤を混合する割合は、それらの有効成分の濃度、各成分の比率、皮膚洗浄組成物の達成すべき性能等によって変わりうる。一般的には、A剤、B剤及びC剤は、調製される皮膚洗浄組成物が、(a1)ポリカチオン型抗菌剤を、当該皮膚洗浄組成物の有効成分計100質量部に基づいて、好ましくは0.1〜30質量部、より好ましくは0.2〜25質量部、そしてさらに好ましくは0.3〜20質量部の比率で含むような割合で混合される。
(a1)ポリカチオン型抗菌剤の量が0.1質量部を下回ると、皮膚洗浄組成物の抗菌性が低下する傾向があり、そして30質量部を上回ると、皮膚洗浄組成物の安定性が低下する、皮膚刺激性が強くなる等の傾向がある。
【0064】
同様に、A剤、B剤及びC剤は、調製される皮膚洗浄組成物が、(a2)キレート性化合物を、当該皮膚洗浄組成物の有効成分計100質量部に基づいて、好ましくは2〜50質量部、より好ましくは3〜45質量部、そしてさらに好ましくは4〜40質量部の比率で含むような割合で混合される。
(a2)キレート性化合物の量が2質量部を下回ると、キレート剤の作用が弱くなる傾向があり、そして50質量部を上回ると、皮膚洗浄組成物の安定性が低下し、長期保存後に、分離、沈殿等が発生しやすくなる傾向がある。
【0065】
同様に、A剤、B剤及びC剤は、調製される皮膚洗浄組成物が、(b1)非イオン性界面活性剤を、当該皮膚洗浄組成物の有効成分計100質量部に基づいて、好ましくは2〜40質量部、より好ましくは4〜35質量部、そしてさらに好ましくは5〜30質量部の比率で含むような割合で混合される。
(b1)非イオン性界面活性剤の量が2質量部を下回ると、有効成分が皮膚洗浄組成物から析出し、白濁及び沈殿が生じやすくなる傾向があり、そして40質量部を上回ると、手指、物品等の拭き取り面に、(b1)非イオン性界面活性剤が残存し、べたつき感を生じさせる場合がある。
【0066】
同様に、A剤、B剤及びC剤は、調製される皮膚洗浄組成物が、当該皮膚洗浄組成物の有効成分計100質量部に基づいて、(b2)多価アルコールを、好ましくは3〜70質量部、より好ましくは4〜60質量部、そしてさらに好ましくは5〜55質量部の比率で含むような割合で混合される。
(b2)多価アルコールの量が3質量部を下回ると、(b1)非イオン性界面活性剤の皮膚洗浄組成物への溶解性が劣る傾向があり、そして70質量部を上回ると、手指、物品等の拭き取り面に、(b2)多価アルコールが残存し、べたつき感を生じさせる場合がある。
【0067】
同様に、A剤、B剤及びC剤は、調製される皮膚洗浄組成物が、(c1)防腐剤を、当該皮膚洗浄組成物の有効成分計100質量部に基づいて、好ましくは1〜70質量部、より好ましくは2〜60質量部、そしてさらに好ましくは3〜55質量部の比率で含むような割合で混合される。
(c1)防腐剤の量が1質量部を下回ると、皮膚洗浄組成物の防腐性が劣る傾向があり、そして70質量部を上回ると、皮膚洗浄組成物の安定性が低下する、皮膚刺激性が強くなる等の傾向がある。
【0068】
本開示のキットが香料をさらに含む場合には、A剤、B剤及びC剤は、調製される皮膚洗浄組成物が、香料を、当該皮膚洗浄組成物の有効成分計100質量部に基づいて、好ましくは0.5〜25質量部、より好ましくは1〜20質量部、そしてさらに好ましくは1.5〜15質量部の比率で含むような割合で混合される。
上記香料の量が0.5質量部を下回ると、皮膚洗浄組成物のマスキング性能等が劣る傾向があり、そして25質量部を上回ると、皮膚洗浄組成物の安定性が低下する、香料を溶解させるための(b1)非イオン性界面活性剤の量が増加する等の傾向がある。
なお、上記香料は、A剤、B剤及びC剤のいずれにも含まれうる。
【0069】
[皮膚洗浄組成物]
本開示の皮膚洗浄組成物は、A剤と、B剤又はC剤のいずれか一方とを含む混合物に、B剤又はC剤の残りの一方を添加することにより調製される。
上記皮膚洗浄組成物の調製手順については、「皮膚洗浄組成物の調製方法」の箇所で詳しく説明する。
【0070】
本開示の皮膚洗浄組成物は、(a1)ポリカチオン型抗菌剤、(a2)キレート性化合物、(b1)非イオン性界面活性剤、(b2)多価アルコール、及び(c1)防腐剤を含む水溶液である。
各成分については、「皮膚洗浄組成物を調製するためのキット」に関する記載を参照されたい。
【0071】
本開示の皮膚洗浄組成物は、希釈タイプであることができる。本開示の皮膚洗浄組成物が希釈タイプである場合には、皮膚洗浄組成物は、皮膚洗浄組成物の総量に基づいて、好ましくは0.3〜5.0質量%、より好ましくは0.4〜4.0質量%、そしてさらに好ましくは0.5〜3.5質量%の有効成分濃度を有する。
上記濃度が0.3質量%未満であると、皮膚の洗浄性が低下する傾向があり、そして上記濃度が5.0質量%を超えると、皮膚洗浄組成物の濃度が高く、皮膚への残存、カブレ等の問題が生ずる場合がある。
【0072】
本開示の皮膚洗浄組成物はまた、濃縮タイプであることができる。本開示の皮膚洗浄組成物が濃縮タイプである場合には、水等で希釈し、希釈タイプとして使用される。
本開示の皮膚洗浄組成物が濃縮タイプである場合には、皮膚洗浄組成物は、皮膚洗浄組成物の総量に基づいて、好ましくは2質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは8質量%以上、さらにいっそう好ましくは10質量%以上、そしてさらにいっそう好ましくは12質量%以上の有効成分の濃度を有する。上記有効成分濃度が2質量%を下回ると、濃縮の効果、例えば、保管コスト、輸送コスト等の効果が低くなる傾向がある。
【0073】
本開示の皮膚洗浄組成物が濃縮タイプである場合には、皮膚洗浄組成物は、皮膚洗浄組成物の総量に基づいて、好ましくは70質量%以下、より好ましくは65質量%以下、そしてさらに好ましくは60質量%以下の有効成分濃度を有する。上記有効成分濃度が70質量%を上回ると、有効成分が沈殿し、皮膚洗浄組成物が白濁する場合がある。
【0074】
本開示の皮膚洗浄組成物は、希釈タイプの濃度において、そして濃縮タイプの濃度において、長期保存後に白濁及び沈殿が発生しにくい。特に濃縮タイプは、保管コスト及び輸送コストの観点から、非常に有用である。
【0075】
本開示の皮膚洗浄組成物は、希釈タイプである場合に、(a1)ポリカチオン型抗菌剤を、皮膚洗浄組成物の総量に基づいて、好ましくは0.001〜1.9質量%、より好ましくは0.005〜1.0質量%、そしてさらに好ましくは0.01〜0.5質量%の濃度で含む。上記濃度が0.001質量%未満であると、抗菌性が不十分である場合があり、そして上記濃度が1.9質量%を超えると、コスト的に不利となる場合がある。
【0076】
本開示の皮膚洗浄組成物は、希釈タイプである場合に、(a2)キレート性化合物を、皮膚洗浄組成物の総量に基づいて、好ましくは0.002〜1.9質量%、より好ましくは0.02〜1.0質量%、そしてさらに好ましくは0.02〜0.5質量%の濃度で含む。上記濃度が0.002質量%未満であると、キレート剤としての作用が十分でない場合があり、そして上記濃度が1.9質量%を超えると、コスト的に不利となる場合がある。
【0077】
本開示の皮膚洗浄組成物は、希釈タイプである場合に、(b1)非イオン性界面活性剤を、皮膚洗浄組成物の総量に基づいて、好ましくは0.01〜1.4質量%、より好ましくは0.05〜1.0質量%、そしてさらに好ましくは0.05〜0.75質量%の濃度で含む。上記濃度が0.01質量%未満であると、汚れ除去能が低下する場合があり、そして上記濃度が1.4質量%を超えると、コスト的に不利となる場合があり、そしてベタつき感を生ずる場合がある。
【0078】
本開示の皮膚洗浄組成物は、希釈タイプである場合に、(b2)多価アルコールを、皮膚洗浄組成物の総量に基づいて、好ましくは0.01〜2.0質量%、より好ましくは0.05〜1.5質量%、そしてさらに好ましくは0.05〜1.0質量%の濃度で含む。上記濃度が0.01質量%未満であると、汚れ除去能が低下する場合があり、そして上記濃度が2.0質量%を超えると、コスト的に不利となる場合があり、そしてベタつき感等、使用感が低下する場合がある。
【0079】
本開示の皮膚洗浄組成物は、希釈タイプである場合に、(c1)防腐剤を、皮膚洗浄組成物の総量に基づいて、好ましくは0.01〜1.0質量%、より好ましくは0.05〜1.0質量%、そしてさらに好ましくは0.1〜1.0質量%の濃度で含む、上記濃度が0.01質量%未満であると、防腐作用が不十分な場合があり、そして上記濃度が1.0質量%を超えると、コスト的に不利となる場合がある。
【0080】
本開示の皮膚洗浄組成物は、香料をさらに含むことができる。添加される香料については、「皮膚洗浄組成物を調製するためのキット」に関する記載を参照されたい。
本開示の皮膚洗浄組成物が香料をさらに含む場合には、皮膚洗浄組成物は、希釈タイプである場合に、香料を、皮膚洗浄組成物の総量に基づいて、好ましくは0.01〜1.9質量%、より好ましくは0.05〜1.0質量%、そしてさらに好ましくは0.05〜0.5質量%の濃度で含む。上記濃度が0.01質量%未満であると、マスキング作用等が不十分である場合があり、そして上記濃度が1.9質量%を超えると、コスト的に不利となる場合があり、そして油浮き等の問題が生ずる場合がある。
【0081】
本開示の皮膚洗浄組成物は、希釈タイプである場合に、好ましくは3〜6、そしてより好ましくは3.5〜5.5のpHを有する。
上記皮膚洗浄組成物は、清拭ウェットシート、例えば、おしり拭き、フェイシャルシート、ボディシート、介護用おしぼり、化粧落とし用シート等に用いられうる。
【0082】
[皮膚洗浄組成物の調製方法]
本開示の皮膚洗浄組成物の調製方法は、A剤と、B剤又はC剤のいずれか一方とを含む第1の組成物を生成するステップ(以下、「ステップ1」と称する)と、第1の組成物と、B剤又はC剤の残りの一方を含む第2の組成物とを混合するステップ(以下、「ステップ2」と称する)とを含む。
上記調製方法では、B剤とC剤とを混合する前に、A剤と、B剤又はC剤のいずれか一方とをあらかじめ混合しておくことにより、調製される皮膚洗浄組成物が、希釈タイプのみならず、濃縮タイプであっても、長期保存後に白濁及び沈殿を生じにくい。
【0083】
ステップ1では、A剤と、B剤又はC剤のいずれか一方とを含む第1の組成物を生成する。
ステップ1がバッチ式で行われる場合には、ステップ1は、例えば、(i)容器にA剤を添加し、次いで容器にB剤又はC剤のいずれか一方を添加することにより実施され、あるいは、(ii)容器にB剤又はC剤のいずれか一方を添加し、次いで容器にA剤を添加することにより実施される。
【0084】
第1の組成物は、所望により、希釈用の追加の水を含むことができる。第1の組成物が追加の水を含む場合には、追加の水は、(i)においては、A剤を添加する前、A剤の添加と、B剤又はC剤のいずれか一方の添加との間、あるいはB剤又はC剤のいずれか一方を添加した後、並びにそれらの任意の組み合わせにおいて添加されうる。
なお、ステップ1が連続式で行われる場合にも、バッチ式の場合と同様に、任意のタイミングにおいて、追加の水を添加することができる。
【0085】
ステップ2では、第1の組成物と、B剤及びC剤の残りの一方を含む第2の組成物とを混合する。
ステップ2がバッチ式で行われる場合には、ステップ2は、例えば、(i)第1の組成物を含む容器に、第2の組成物を添加することにより実施される。
【0086】
第2の組成物は、所望により、希釈用の追加の水を含むことができる。
なお、本明細書において、「追加の水」は、A剤、B剤及びC剤に由来しない水を意味する。
【0087】
上記調製方法により調製された皮膚洗浄組成物は、長期保存保存後に、白濁及び沈殿を生じにくい。また、上記調製方法により調製された皮膚洗浄組成物は、希釈タイプのみ成らず、濃縮タイプであっても、長期保存後に、白濁及び沈殿を生じにくいため、保管コスト及び移送コストが低く、経済的にも有用である。
【実施例】
【0088】
次に実施例により、本開示をさらに具体的に説明するが、本開示は、実施例に限定されるものではない。
【0089】
[製造例1]
(a1)ポリカチオン型抗菌剤としての、ポリアミノプロピルビグアナイドの塩酸塩(20質量%水溶液)(0.1質量部)と、(a2)キレート性化合物としてのクエン酸(0.2質量部)と、イオン交換水(39.7質量部)とを混合し、A剤No.1(40質量部)を調製した。
また、(b1)非イオン性界面活性剤としてのポリオキシエチレン硬化ひまし油(0.23質量部)と、(b2)多価アルコールとしてのプロピレングリコール(1.0質量部)と、香料(0.1質量部)と、イオン交換水(38.67質量部)とを混合し、B剤No.1(40質量部)を調製した。
【0090】
さらに、(c1)防腐剤としての安息香酸ナトリウム(0.4質量部)と、イオン交換水(19.6質量部)とを混合し、C剤No.1(20質量部)を調製した。
A剤No.1、B剤No.1及びC剤No.1の有効成分濃度は、それぞれ、0.55質量%、3.33質量%及び2.00質量%であった。
【0091】
次いで、混合容器を攪拌しながら、A剤No.1(40質量部)、B剤No.1(40質量部)及びC剤No.1(20質量部)を、その順で混合容器に添加し、皮膚洗浄組成物No.1(100質量部)を調製した。皮膚洗浄組成物No.1のpHは、4.1であった。また、皮膚洗浄組成物No.1の有効成分の濃度は、1.95質量%であった。
【0092】
[製造例2]
(a1)ポリカチオン型抗菌剤としてのポリアミノプロピルビグアナイドの塩酸塩(20質量%水溶液)(0.1質量部)と、(a2)キレート性化合物としてのクエン酸(0.2質量部)と、イオン交換水(9.7質量部)とを混合し、A剤No.2(10質量部)を調製した。
また、(b1)非イオン性界面活性剤としてのポリオキシエチレン硬化ひまし油(0.23質量部)と、(b2)多価アルコールとしてのプロピレングリコール(1.0質量部)と、香料(0.1質量部)と、イオン交換水(1.67質量部)とを混合し、B剤No.2(3.0質量部)を調製した。
【0093】
さらに、(c1)防腐剤としての安息香酸ナトリウム(0.4質量部)と、イオン交換水(1.6質量部)とを混合し、C剤No.2(2.0質量部)を調製した。
A剤No.2、B剤No.2及びC剤No.2の有効成分の濃度は、それぞれ、2.20質量%、44.33質量%及び20.00質量%であった。
【0094】
次いで、混合容器を攪拌しながら、イオン交換水(85質量部)、A剤No.2(10質量部)、C剤No.2(2.0質量部)及びB剤No.2(3.0質量部)を、その順で混合容器に添加し、皮膚洗浄組成物No.2(100質量部)を調製した。
なお、皮膚洗浄組成物No.2の有効成分の濃度は、1.95質量%であった。
【0095】
[製造例3]
(a1)ポリカチオン型抗菌剤としてのポリアミノプロピルビグアナイドの塩酸塩(20質量%水溶液)(0.05質量部)と、(a2)キレート性化合物としてのクエン酸(0.2質量部)と、イオン交換水(9.75質量部)とを混合し、A剤No.3(10質量部)を調製した。
また、(b1)非イオン性界面活性剤としてのポリオキシエチレン硬化ひまし油(0.23質量部)と、(b2)多価アルコールとしてのプロピレングリコール(1.0質量部)と、香料(0.1質量部)と、イオン交換水(1.62質量部)とを混合し、B剤No.3(2.95質量部)を調製した。
【0096】
さらに、(c1)防腐剤としての安息香酸ナトリウム(0.4質量部)と、ポリアミノプロピルビグアナイドの塩酸塩(20質量%水溶液)(0.05質量部)と、イオン交換水(1.6質量部)とを混合し、C剤No.3(2.05質量部)を調製した。
A剤No.3、B剤No.3及びC剤No.3の有効成分濃度は、それぞれ、2.10質量%、45.08質量%及び20.00質量%であった。
【0097】
次いで、混合容器を攪拌しながら、イオン交換水(45質量部)、A剤No.3(10質量部)、B剤No.3(2.95質量部)及びC剤No.3(2.05質量部)を、その順で混合容器に添加し、濃縮タイプの皮膚洗浄組成物No.3(60質量部)を調製した。濃縮タイプの皮膚洗浄組成物No.3の有効成分の濃度は、3.25質量%であった。また、濃縮タイプの皮膚洗浄組成物No.3を、25℃の条件下で24時間放置したところ、白濁及び沈殿は観察されなかった。
【0098】
濃縮タイプの皮膚洗浄組成物No.3(60質量部)を、イオン交換水(40質量部)で希釈し、皮膚洗浄組成物No.3(100質量部)を調製した。
なお、皮膚洗浄組成物No.3の有効成分の濃度は、1.95質量%であった。
【0099】
[比較製造例1]
混合容器を攪拌しながら、香料(0.1質量部)と、(b1)非イオン性界面活性剤としてのポリオキシエチレン硬化ひまし油(0.23質量部)と、(b2)多価アルコールとしてのプロピレングリコール(1.0質量部)と、イオン交換水(97.97質量部)と、(c1)防腐剤としての安息香酸ナトリウム(0.4質量部)と、(a1)ポリカチオン型抗菌剤としてのポリアミノプロピルビグアナイドの塩酸塩(20質量%水溶液)(0.1質量部)と、(a2)キレート性化合物としてのクエン酸(0.2質量部)とを、その順で混合容器に添加し、皮膚洗浄組成物No.101(100質量部)を調製した。
【0100】
[試験例1]
皮膚洗浄組成物No.1〜No.3及びNo.101の保存安定性を評価した。各皮膚洗浄組成物を、遮光下且つ5℃、25℃又は50℃の温度条件の下で保存し、経時で、その状態を目視評価した。
評価基準は、以下の通りである。
○:皮膚洗浄組成物の状態に変化がなかった
△:皮膚洗浄組成物に白濁が生じた。
×:皮膚洗浄組成物に、沈殿が生じた。
結果を、下記表1に示す。
【0101】
【表1】
【0102】
[試験例2]
製造例2において製造された、A剤No.2〜C剤No.2と、製造例3において製造されたA剤No.3〜C剤No.3との保存安定性を評価した。試験手順は、以下の通りである。
各薬剤を、遮光下且つ5℃、25℃又は50℃の温度条件の下、4週間保存した。また、対照として、比較製造例1に従って調製した皮膚洗浄組成物No.101を、同条件の下で保存した。
【0103】
次いで、保存後のA剤No.2〜C剤No.2を、製造例2に記載の手順に従って混合し、皮膚洗浄組成物No.2'(5℃保存)、皮膚洗浄組成物No.2''(25℃保存)及び皮膚洗浄組成物No.2'''(50℃保存)を調製した。また、各温度で保存後のA剤No.3〜C剤No.3を、製造例3に記載の手順に従って混合し、皮膚洗浄組成物No.3'(5℃保存)、皮膚洗浄組成物No.3''(25℃保存)及び皮膚洗浄組成物No.3'''(50℃保存)を調製した。皮膚洗浄組成物No.2'〜2'''及びNo.3'〜3'''は、同条件で保存された、対照の皮膚洗浄組成物No.101と同等の透明性を有していた。
【0104】
[製造例4]
(a1)ポリカチオン型抗菌剤としてのポリアミノプロピルビグアナイドの塩酸塩(20質量%水溶液)(0.1質量部)と、(a2)キレート性化合物としてのクエン酸(0.15質量部)と、イオン交換水(39.75質量部)とを混合し、A剤No.4(40質量部)を調製した。
また、(b1)非イオン性界面活性剤としてのポリオキシエチレン硬化ひまし油(0.07質量部)と、(b2)多価アルコールとしてのプロピレングリコール(0.08質量部)と、イオン交換水(39.85質量部)とを混合し、B剤No.4(40質量部)を調製した。
【0105】
さらに、(c1)防腐剤としての安息香酸ナトリウム(0.4質量部)と、イオン交換水(19.6質量部)とを混合し、C剤No.4(20質量部)を調製した。
A剤No.4、B剤No.4及びC剤No.4の有効成分濃度は、それぞれ、0.43質量%、0.38質量%及び2.00質量%であった。
【0106】
次いで、混合容器を攪拌しながら、A剤No.4(40部)、B剤No.4(40質量部)、及びC剤No.4(20質量部)を、その順で混合容器に添加し、皮膚洗浄組成物No.4(100質量部)を調製した。
なお、皮膚洗浄組成物No.4の有効成分の濃度は、0.72質量%であった。
【0107】
[製造例5]
(a1)ポリカチオン型抗菌剤としてのポリアミノプロピルビグアナイドの塩酸塩(20質量%水溶液)(0.1質量部)と、(a2)キレート性化合物としてのクエン酸(0.2質量部)と、イオン交換水(9.7質量部)とを混合し、A剤No.5(10質量部)を調製した。
また、(b1)非イオン性界面活性剤としてのポリオキシエチレン硬化ひまし油(0.3質量部)と、(b2)多価アルコールとしてのプロピレングリコール(1.0質量部)と、香料(0.1質量部)と、イオン交換水(48.6質量部)とを混合し、B剤No.5(50質量部)を調製した。
【0108】
さらに、(c1)防腐剤としての安息香酸ナトリウム(0.4質量部)と、イオン交換水(39.6質量部)とを混合し、C剤No.5(40質量部)を調製した。
A剤No.5、B剤No.5及びC剤No.5の有効成分濃度は、それぞれ、2.20質量%、2.80質量%及び1.00質量%であった。
【0109】
次いで、混合容器を攪拌しながら、A剤No.5(10質量部)、C剤No.5(40質量部)及びB剤No.5(50質量部)を、その順で混合容器に添加し、皮膚洗浄組成物No.5(100質量部)を調製した。
なお、皮膚洗浄組成物No.5の有効成分の濃度は、2.02質量%であった。
【0110】
[製造例6]
(a1)ポリカチオン型抗菌剤としてのポリアミノプロピルビグアナイドの塩酸塩(20質量%水溶液)(0.1質量部)と、(a2)キレート性化合物としてのクエン酸(0.2質量部)と、イオン交換水(1.0質量部)とを混合し、A剤No.6(1.3質量部)を調製した。
また、(b1)非イオン性界面活性剤としてのポリオキシエチレン硬化ひまし油(0.05質量部)と、(b2)多価アルコールとしてのプロピレングリコール(0.1質量部)と、イオン交換水(2.85質量部)とを混合し、B剤No.6(3.0質量部)を調製した。
【0111】
さらに、(c1)防腐剤としての安息香酸ナトリウム(0.1質量部)と、イオン交換水(1.9質量部)とを混合し、C剤No.6(2.0質量部)を調製した。
A剤No.6、B剤No.6及びC剤No.6の有効成分濃度は、それぞれ、16.92質量%、5.00質量%及び5.00質量%であった。
【0112】
次いで、混合容器を攪拌しながら、イオン交換水(93.7質量部)、A剤No.6(1.3質量部)、C剤No.6(2.0質量部)、及びB剤No.6(3.0質量部)を、その順で混合容器に添加し、皮膚洗浄組成物No.6(100質量部)を調製した。
なお、皮膚洗浄組成物No.6の有効成分の濃度は、0.47質量%であった。
【0113】
[製造例7]
(a1)ポリカチオン型抗菌剤としてのポリアミノプロピルビグアナイドの塩酸塩(20質量%水溶液)(0.05質量部)と、(a2)キレート性化合物としてのクエン酸(0.2質量部)と、イオン交換水(1.75質量部)とを混合し、A剤No.7(2.0質量部)を調製した。
また、(b1)非イオン性界面活性剤としてのポリオキシエチレン硬化ひまし油(0.75質量部)と、(b2)多価アルコールとしてのプロピレングリコール(1.70質量部)と、香料(0.2質量部)と、ポリアミノプロピルビグアナイドの塩酸塩(20質量%水溶液)(0.05質量部)と、イオン交換水(0.3質量部)とを混合し、B剤No.7(3.0質量部)を調製した。
【0114】
さらに、(c1)防腐剤としての安息香酸ナトリウム(0.1質量部)と、イオン交換水(0.9質量部)とを混合し、C剤No.7(1.0質量部)を調製した。
A剤No.7、B剤No.7及びC剤No.7の有効成分濃度は、それぞれ、10.50質量%、88.67質量%及び10.00質量%であった。
【0115】
次いで、混合容器を攪拌しながら、イオン交換水(50質量部)、A剤No.7(2.0質量部)、B剤No.7(3.0質量部)及びC剤No.7(1.0質量部)を、その順で混合容器に添加し、濃縮タイプの皮膚洗浄組成物No.7(56質量部)を調製した。濃縮タイプの皮膚洗浄組成物No.7の有効成分の濃度は、5.30質量%であった。また、濃縮タイプの皮膚洗浄組成物No.7を、25℃の条件下で24時間放置したところ、白濁及び沈殿は観察されなかった。
【0116】
濃縮タイプの皮膚洗浄組成物No.7(56質量部)を、イオン交換水(44質量部)で希釈し、皮膚洗浄組成物No.7(100質量部)を調製した。
なお、皮膚洗浄組成物No.7の有効成分の濃度は、2.97質量%であった。
【0117】
[製造例8]
(a1)ポリカチオン型抗菌剤としてのポリアミノプロピルビグアナイドの塩酸塩(20質量%水溶液)(0.05質量部)と、(a2)キレート性化合物としてのエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム(0.1質量部)及びクエン酸(0.1質量部)と、イオン交換水(19.75質量部)とを混合し、A剤No.8(20質量部)を調製した。
また、(b1)非イオン性界面活性剤としてのポリオキシエチレン硬化ひまし油(0.1質量部)と、(b2)多価アルコールとしてのプロピレングリコール(0.05質量部)と、イオン交換水(59.85質量部)とを混合し、B剤No.8(60質量部)を調製した。
【0118】
さらに、(c1)防腐剤としてのフェノキシエタノール(0.25質量部)及びp−ヒドロキシ安息香酸メチル(0.01質量部)と、イオン交換水(19.74質量部)とを混合し、C剤(20質量部)を調製した。
A剤No.8、B剤No.8及びC剤No.8の有効成分の濃度は、それぞれ、1.05質量%、0.25質量%及び1.30質量%であった。
【0119】
次いで、混合容器を攪拌しながら、A剤No.8(20質量部)、B剤No.8(60質量部)、及びC剤(20質量部)を、その順で混合容器に添加し、皮膚洗浄組成物No.8(100質量部)を調製した。
なお、皮膚洗浄組成物No.8の有効成分の濃度は、0.62質量%であった。
【0120】
[試験例3]
製造例4〜8において製造された各薬剤の保存安定性を評価した。具体的には、各薬剤を、遮光下且つ5℃、25℃又は50℃の温度条件の下で4週間保存し、その状態を目視評価した。結果を、下記表2に示す。
なお、評価基準は、試験例1と同一である。
【0121】
【表2】
【0122】
[製造例9]
(a1)ポリカチオン型抗菌剤としてのポリアミノプロピルビグアナイドの塩酸塩(20質量%水溶液)(0.05質量部)と、(a2)キレート性化合物としてのクエン酸(0.2質量部)と、イオン交換水(1.75質量部)を混合し、A剤No.9(2.0質量部)を調製した。
また、(b1)非イオン性界面活性剤としてのポリオキシエチレン硬化ひまし油(0.25質量部)と、(b2)多価アルコールとしてのプロピレングリコール(1.0質量部)と、香料(0.08質量部)と、ポリアミノプロピルビグアナイドの塩酸塩(20質量%水溶液)(0.05質量部)と、イオン交換水(1.62質量部)とを混合し、B剤No.9(3.0質量部)を調製した。
【0123】
さらに、(c1)防腐剤としての安息香酸ナトリウム(0.4質量部)と、イオン交換水(1.6質量部)とを混合し、C剤No.9(2.0質量部)を調製した。
A剤No.9、B剤No.9及びC剤No.9の有効成分の濃度は、それぞれ、10.50質量%、44.67質量%及び20.00質量%であった。
【0124】
次いで、混合容器を攪拌しながら、C剤No.9(2.0質量部)、イオン交換水(93質量部)、A剤No.9(2.0質量部)、及びB剤No.9(3.0質量部)を、その順で混合容器に添加し、皮膚洗浄組成物No.9(100質量部)を調製した。皮膚洗浄組成物No.9は、5℃,4週間の保存後も透明性を有し、保存安定性に優れていた。
なお、皮膚洗浄組成物No.9の有効成分の濃度は、1.95質量%であった。
【0125】
[製造例10]
B剤No.9(3.0質量部)、イオン交換水(93質量部)、A剤No.9(2.0質量部)、及びC剤No.9(2.0質量部)を、その順で混合容器に添加した以外は、製造例9と同様にして、皮膚洗浄組成物No.10(100質量部)を調製した。皮膚洗浄組成物No.9は、5℃、4週間の保存後も透明性を有し、保存安定性に優れていた。
なお、皮膚洗浄組成物No.10の有効成分の濃度は、No.9と同様、1.95質量%であった。
【0126】
[製造例11]
イオン交換水(93質量部)、C剤No.9(2.0質量部)、A剤No.9(2.0質量部)、及びB剤No.9(3.0質量部)を、その順で混合容器に添加した以外は、製造例9と同様にして、皮膚洗浄組成物No.11(100質量部)を調製した。皮膚洗浄組成物No.11は、5℃,4週間の保存後も透明性を有し、保存安定性に優れていた。
なお、皮膚洗浄組成物No.11の有効成分の濃度は、No.9と同様、1.95質量%であった。
【0127】
[製造例12]
A剤No.9(2.0質量部)、B剤No.9(3.0質量部)、イオン交換水(93質量部)、及びC剤No.9(2.0質量部)を、その順で混合容器に添加した以外は、製造例9と同様にして、皮膚洗浄組成物No.12(100質量部)を調製した。皮膚洗浄組成物No.12は、5℃,4週間の保存後も透明性を有し、保存安定性に優れていた。
【0128】
[参考製造例1]
C剤No.9(2.0質量部)、B剤No.9(3.0質量部)、A剤No.9(2.0質量部)、及びイオン交換水(93質量部)を、その順で混合容器に添加した以外は、製造例9と同様にして、皮膚洗浄組成物No.102(100質量部)を調製した。皮膚洗浄組成物No.102は、B剤No.9を添加した辺りから白濁を生じ、イオン交換水を全量添加した後も、白濁が残存したままであった。
【0129】
[参考製造例2]
C剤No.9(2.0質量部)、イオン交換水(93質量部)、B剤No.9(3.0質量部)及びA剤No.9(2.0質量部)を、その順で混合容器に添加した対外は、製造例9と同様にして、皮膚洗浄組成物No.103(100質量部)を調製した。皮膚洗浄組成物No.103は、B剤No.9を添加した辺りから白濁を生じ、全成分を添加した後も白濁したままであった。
【0130】
[比較製造例2]
イオン交換水97.97質量部を含む混合容器に、内容物を攪拌しながら、(a1)ポリカチオン型抗菌剤としてのポリアミノプロピルビグアナイドの塩酸塩(20質量%水溶液)(0.1質量部)と、(b2)多価アルコールとしてのプロピレングリコール(1.0質量部)と、(c1)防腐剤としての安息香酸ナトリウム(0.4質量部)と、(a2)キレート性化合物としてのクエン酸(0.2質量部)と、香料(0.1質量部)と、(b1)非イオン性界面活性剤としてのポリオキシエチレン硬化ひまし油(0.23質量部)とを、その順で添加し、皮膚洗浄組成物No.104(100質量部)を調製した。
皮膚洗浄組成物No.104は、香料(0.1質量部)及び(b1)非イオン性界面活性剤を添加した辺りから白濁を生じ、全成分を添加した後も白濁したままであった。
【0131】
本開示は、以下のJ1〜J15に関する。
[J1]
A剤、B剤及びC剤を含む、皮膚洗浄組成物を調製するためのキットであって、
A剤が、(a1)ポリカチオン型抗菌剤及び(a2)キレート性化合物を含む水溶液であり、
B剤が、(b1)非イオン性界面活性剤及び(b2)多価アルコールを含む水溶液であり、そして
C剤が、(c1)防腐剤を含む、
ことを特徴とする、上記キット。
【0132】
[J2]
A剤の有効成分の濃度が、0.02〜25質量%であり、B剤の有効成分の濃度が、0.02〜95質量%であり、そしてC剤の有効成分の濃度が、0.05〜100質量%である、J1に記載のキット。
【0133】
[J3]
C剤が、(c1)防腐剤を含む水溶液であり、C剤の有効成分の濃度が、0.05〜30質量%である、J1又はJ2に記載のキット。
【0134】
[J4]
A剤、B剤及びC剤が、上記皮膚洗浄組成物が、(a1)ポリカチオン型抗菌剤及び(a2)キレート性化合物を、上記皮膚洗浄組成物の有効成分計100質量部に基づいて、それぞれ、0.1〜30質量部及び2〜50質量部の比率で含むような割合で混合される、J1〜J3のいずれか一項に記載のキット。
【0135】
[J5]
A剤、B剤及びC剤が、上記皮膚洗浄組成物が、(b1)非イオン性界面活性剤及び(b2)多価アルコールを、上記皮膚洗浄組成物の有効成分計100質量部に基づいて、それぞれ、2〜40質量部及び3〜70質量部の比率で含むような割合で混合される、J1〜J4のいずれか一項に記載のキット。
【0136】
[J6]
A剤、B剤及びC剤が、上記皮膚洗浄組成物が、(c1)防腐剤を、上記皮膚洗浄組成物の有効成分計100質量部に基づいて、1〜70質量部の比率で含むような割合で混合される、J1〜J5のいずれか一項に記載のキット。
【0137】
[J7]
B剤が、香料をさらに含む、J1〜J6のいずれか一項に記載のキット。
[J8]
A剤、B剤及びC剤が、上記皮膚洗浄組成物が、上記皮膚洗浄組成物の有効成分計100質量部に基づいて、上記香料を0.5〜25質量部の比率で含むような割合で混合される、J7に記載のキット。
[J9]
A剤及び/又はC剤が、防腐剤をさらに含む、J1〜J8のいずれか一項に記載のキット。
【0138】
[J10]
J1〜J9のいずれか一項に記載のキットから調製された皮膚洗浄組成物であって、
上記皮膚洗浄組成物が、A剤と、B剤又はC剤のいずれか一方とを含む混合物に、B剤又はC剤の残りの一方を混合することにより調製された、
ことを特徴とする、上記皮膚洗浄組成物。
【0139】
[J11]
上記皮膚洗浄組成物の有効成分の濃度が、2〜70質量%である、J10に記載の皮膚洗浄組成物。
[J12]
上記皮膚洗浄組成物が、3〜6のpHを有する、J10又はJ11に記載の皮膚洗浄組成物。
【0140】
[J13]
J10〜J12のいずれか一項に記載の皮膚洗浄組成物の調製方法であって、
A剤と、B剤又はC剤のいずれか一方とを含む第1の組成物を生成するステップ、そして
第1の組成物と、B剤又はC剤の残りの一方を含む第2の組成物とを混合するステップ、
を含むことを特徴とする、上記調製方法。
【0141】
[J14]
第1の組成物が、A剤と、B剤又はC剤のいずれか一方と、追加の水とを含む、J13に記載の方法。
[J15]
第2の組成物が、B剤又はC剤の残りの一方と、追加の水とを含む、J13又はJ14に記載の方法。