【課題を解決するための手段】
【0027】
上記目的を達成するための、本発明に係る電極組立体は、
分離板を挟んで互いに反対の極性を有する極板が平面を基準として高さ方向に積層されており、最上段と最下段の極板の極性が互いに同一であり、電極タブが極板から突出して形成されている構造の偶数個の単位セルと、
前記単位セルの一面及び対向面と、電極タブ非形成部位である単位セルの側面とを覆っている一単位のシート状の分離フィルムとを含み、
前記単位セルは、前記分離フィルムを挟んで、互いに反対の極性を有する極板が対面するように、平面を基準として高さ方向に沿って積層されており、
互いに異なる大きさの単位セルの積層構造を含んでいることを特徴とする。
【0028】
前記単位セルの積層構造は、1つ又は2つ以上の単位セルと大きさが互いに同一または異なる単位セルを1つ又は2つ以上含んでいてもよい。
【0029】
互いに同じ大きさの偶数個の単位セルは、前記極板の積層方向に積層されて、最上段と最下段の極板の極性が互いに反対である2つ以上の電極群を形成することができる。
【0030】
前記電極群は互いに大きさが異なり、互いに異なる大きさの電極群の積層構造は、幅と高さがある1つ又は2つ以上の階段構造を形成していてもよい。
【0031】
前記階段構造は、積層面の面積が互いに異なるn個の電極群が積層された場合、段の個数はn段であり得る。このとき、nは、2以上の自然数であり、nは、デバイスの容量ないしデバイスの外周面の曲率などを考慮して適宜調節することができる。
【0032】
前記極板は、互いに大きさが同一であっても、異なっていてもよい。大きさの異なる極板は、全幅及び/又は全長が異なる極板を意味することができる。
【0033】
前記極板の形状は、特に限定されないので、平行六面体の形状であってもよく、平面視で多角形、円形などであってもよい。
【0034】
詳細には、前記極板は、全幅、全長及び全高を有する平行六面体の形状であってもよい。前記平行六面体は、平面視で四角形状であってもよく、このとき、前記全幅は、電極タブが突出している辺の長さであってもよく、前記全長は、電極タブが突出していない辺の長さであってもよい。また、前記全高は、前記平行六面体の高さであってもよい。
【0035】
より具体的な例において、前記極板は、全長が全幅よりも長く、前記全幅が全高よりも長い直方体形状であってもよい。すなわち、全長、全幅、全高の長さは、全長>全幅>全高の大きさを有する。
【0036】
また、前記極板は、全長と全幅が同一であり、全幅に比べて全高が短い直方体形状であってもよく、全長、全幅及び全高が全て同一である立方体形状であってもよい。
【0037】
前記極板の角は、全て直角に処理されていてもよく、少なくとも1つの角が曲線処理されていてもよい。より具体的に、平面視で四角形状の極板の4つの角のうち少なくとも1つは曲線をなしていてもよい。
【0038】
上記のように、少なくとも1つの角が曲線処理されている場合、落下時に、曲線処理された角に加わる衝撃を緩和することができるので、落下安全性が向上するという効果がある。
【0039】
前記極板の一端には電極タブが突出して形成されており、電極タブのそれぞれの大きさは同一であっても、互いに異なっていてもよい。具体的に、全幅、全長、全高のうちの1つ以上が互いに異なっていてもよく、全幅、全長、全高が全て同一であってもよい。
【0040】
より具体的に、極板の電極タブは、全幅、全長、全高が全て同一であってもよく、全幅、全長、全高のうちの1つ以上、特に、全幅または全長が互いに異なっていてもよい。
【0041】
前記極板において、電極タブが突出した面を前面と呼び、前記前面に対向する面を後面と呼ぶことができ、前記平面と平行な面を、それぞれ一面及び対向面と呼ぶことができ、前記一面及び対向面と垂直であり、前記高さ方向に平行な面を一側面と呼び、前記一側面に対向する面を対向側面と呼ぶことができる。一側面及び/又は対向側面は、統一して側面と呼ぶことができる。
【0042】
前記分離板は、熱融着による接着機能を有していてもよい。これについての詳細は、本出願人の韓国特許出願第1999−57312号で具体的に説明している。
【0043】
前記単位セルは、互いに反対の極性を有する正極板と負極板を、分離板を挟んで交互に積層することによって作製することができる。
【0044】
前記単位セルは積層型単位セルを含み、前記積層型単位セルは、正極板と負極板のいずれか1つと分離板とが最外郭を構成するように、正極板、負極板、分離板が積層された状態で接合(laminate)されている構造の第1極板積層体を含むことができる。
【0045】
前記積層型単位セルは、分離板が最外郭を構成するように、正極板、負極板、分離板が積層された状態で接合(laminate)されている第2極板積層体を含むことができる。
【0046】
前記積層型単位セルは、正極板と負極板が最外郭を構成し、分離板が正極板と負極板との間に介在するように、正極板、負極板、分離板が積層された状態で接合されている第3極板積層体を含むことができる。
【0047】
前記積層型単位セルは、正極板及び負極板のいずれか1つと1つの分離板とが積層された状態で接合されている第4極板積層体を含むことができる。
【0048】
前記積層型単位セルは、前記第1極板積層体のみが積層された構造であってもよく、第2極板積層体のみが積層された構造であってもよく、第3極板積層体のみが積層された構造であってもよく、第4極板積層体のみが積層された構造であってもよく、またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0049】
例えば、前記第1極板積層体は、正極板、分離板、負極板、分離板が順次にスタックされた状態で接合(laminate)された構造、または負極板、分離板、正極板、分離板が順次にスタックされた状態で接合された構造であってもよい。
【0050】
前記積層型単位セルは、前記第1極板積層体のみがスタックされていてもよい。
【0051】
前記第1極板積層体の最上段または最下段には、第2極板積層体がスタックされていてもよい。
【0052】
第2極板積層体のみが積層されている構造は、第2極板積層体の間に正極板または負極板のいずれか1つが介在していてもよい。
【0053】
前記第1極板積層体ないし第4極板積層体には、正極板、分離板、負極板のスタック構造をより堅固に維持する固定部材をさらに付加することができる。
【0054】
前記固定部材は、第1極板積層体ないし第4極板積層体とは別個の外部部材であって、極板積層体の外周面の一部又は全部を覆っている粘着テープまたは接着テープであってもよい。
【0055】
前記極板積層体の外周面は、極板積層体の側面、平面、前面、後面などを全て含む概念であり得る。
【0056】
前記固定部材は、極板積層体を構成する分離板の一部であってもよく、この場合、分離板の末端を熱融着させることによって極板積層体を固定させることができる。但し、これに限定されるものではない。
【0057】
前記固定部材は、第1極板積層体ないし第4極板積層体を固定させる機能を行うことができる部材を全て含む。
【0058】
前記の第1極板積層体ないし第4極板積層体を含んで積層型電極組立体を構成する場合、正極板、負極板、分離板が単純にスタックされている構造の積層型電極組立体に比べて、量産性ないし良品率を向上させることができる。
【0059】
また、第1極板積層体単位で正極板、分離板、負極板が互いに接合されている状態であるので、スウェリングによる体積膨張を最小化することができるという利点がある。
【0060】
前記の第1極板積層体ないし第4極板積層体を含んで積層型電極組立体を構成する場合、フォールディング工程で具現される電極組立体のアラインメント不良や工程設備を除去し、1つのラミネーターのみを用いて第1極板積層体ないし第4極板積層体の形成を完了し、単純なスタックで積層型電極組立体を具現できるようになるので、フォールディング工程時に発生する電極損傷が減少し、電解液の濡れ性を向上させることができ、外部に露出される分離板に片面有無機複合分離膜(SRS分離膜)を適用できるようになるので、セルの厚さが減少すると共に、工程コストを低減することができる。
【0061】
前記単位セルは、最上段と最下段の極板の極性が互いに同一であるS型単位セルであって、前記S型単位セルは、最上段と最下段の極板の極性が全て正極であるSC型単位セルと、最上段と最下段の極板の極性が全て負極であるSA型単位セルとに区分することもできる。
【0062】
互いに異なる大きさの単位セルは、それをそれぞれ構成する極板の全長及び/又は全幅が互いに異なっていてもよい。
【0063】
また、大きさが互いに同一である単位セルの電極タブは、全幅、全長、全高が全て同一であってもよく、大きさが互いに異なる単位セルの電極タブは、全幅、全長、全高のいずれか1つ以上、特に、全幅または全長が互いに異なっていてもよい。大きさが互いに同一である単位セルの場合にも、電極タブの全幅、全長、全高が全て異なっていてもよく、全幅または全長のいずれか1つが異なっていてもよく、大きさが互いに異なる単位セルの場合にも、電極タブの全幅、全長、全高が全て同一であってもよい。
【0064】
前記単位セルにおいて、電極タブが突出した面を前面と呼び、前記前面に対向する面を後面と呼ぶことができ、前記平面と平行な面を、それぞれ一面及び対向面と呼ぶことができ、前記一面及び対向面と垂直であり、前記高さ方向に平行な面を一側面と呼び、前記一側面に対向する面を対向側面と呼ぶことができる。一側面及び/又は対向側面は、統一して側面と呼ぶことができる。
【0065】
前記単位セルは、前面、後面、側面のうち少なくとも1つが一致しないように、または同一平面上に存在しないように積層することができる。具体的に、前記単位セルは、前面のみが同一平面上に存在するように積層してもよく、後面のみが同一平面上に存在するように積層してもよく、一側面のみが又は一側面と対向側面のみが同一平面上に存在するように積層してもよく、前面、後面、一側面、対向側面が全て同一平面上に存在しないように積層してもよい。
【0066】
例えば、前面、後面、一側面、対向側面が全て同一平面上に存在しないように積層される場合、本発明に係る電極組立体は、四角錐台の形状を有することができる。
【0067】
前記の単位セルの積層配列は、本発明に係る一つの具体例であるので、単位セルの配列が前記の例に限定されるものではない。
【0068】
積層された単位セルの境界において、互いに対面している正極と負極の大きさまたは対向面積が互いに異なっていてもよい。
【0069】
例えば、積層された単位セルのうち、下段に積層されている単位セルの最上端面を構成する電極と、上段に積層されている単位セルの最下端を構成する電極との大きさまたは対向面積が互いに異なっていてもよい。
【0070】
単位セルの境界での正極と負極の対向面積に対する容量比(N/P ratioまたは対抗比)は、積層された単位セルのうち対向面積が相対的に大きい単位セルを構成する正極と負極の対向面積に対する容量比(N/P ratioまたは対抗比)と同一または大きい。
【0071】
単位セルの境界での対抗比が、対向面積が相対的に大きい単位セルを構成する正極と負極の対抗比よりも小さい場合には、本発明に係る電極組立体を内蔵するリチウム二次電池の性能に問題が発生するため好ましくない。
【0072】
単位セルの境界において対面する正極と負極の対抗比と、単位セルを構成する正極と負極の対抗比との比は、1:1〜3:1、1:1〜2:1、1:1〜1.5:1であってもよい。
【0073】
前記対抗比は、下記の式1を用いて算出することができる。
【0074】
【数1】
【0075】
上記式中、
単位面積当たりの負極の充電容量は、単位面積当たりの負極のローディング量(g/cm
2)×活物質における負極活物質の比率(%)×単位重量当たりの負極の充電容量(mAh/g)であり、
負極の効率は、(負極の放電容量/負極の充電容量)×100であり、
正極の単位面積当たりの設計容量は、設計容量/コーティングされた正極の面積であり、
設計容量は、正極のローディング量(g/cm
2)×活物質における正極活物質の比率(%)×単位重量当たりの正極の充電量(mAh/g)−負極の不可逆容量(mAh)である。
【0076】
重量当たりの正極の充電容量、単位重量当たりの負極の充電容量、放電容量及び不可逆容量などは、それぞれ下記のような方法で測定することができる。
【0077】
1)単位重量当たりの正極の充電容量の測定方法:ハーフセル(Half Cell)を作製して、片方の電極を評価しようとする正極とし、対向電極をリチウム金属で構成して、低いレート(0.2C以降)で充電するときの容量を測定して、ハーフセル(Half Cell)の重量で正規化(Normalize)した値
【0078】
2)単位重量当たりの負極の充電容量の測定方法:ハーフセル(Half Cell)を作製して、片方の電極を評価しようとする負極とし、対向電極をリチウム金属で構成して、低いレート(0.2C以降)で充電するときの容量を測定して、ハーフセル(Half Cell)の重量で正規化(Normalize)した値
【0079】
3)単位重量当たりの負極の放電容量の測定方法:ハーフセル(Half Cell)を作製して、片方の電極を評価しようとする負極とし、対向電極をリチウム金属で構成して、低いレート(0.2C以降)で充電した後、放電するときの容量を測定して、ハーフセル(Half Cell)の重量で正規化(Normalize)した値
【0080】
4)単位重量当たりの負極の不可逆容量の測定方法:負極のハーフセル(Half Cell)の1回の充放電時に生じる容量の差を測定
【0081】
5)単位面積当たりの負極のローディング量の定義:単位面積当たりの負極集電体にコーティングされる負極活物質の重量
【0082】
6)単位面積当たりの正極のローディング量の定義:単位面積当たりの正極集電体にコーティングされる正極活物質の重量
【0083】
単位セルの境界での対抗比を、対向面積が相対的に大きい単位セルを構成する正極と負極の対抗比よりも大きくするための一つの具体的な実施例において、n番目の単位セルを構成する正極のローディング量と、n+1番目の単位セルを構成する正極のローディング量とは同一であり、n+1番目の単位セルを構成する負極のローディング量は、n番目の単位セルを構成する負極のローディング量よりも大きくてもよい。
【0084】
また、n+1番目の単位セルを構成する負極のローディング量と、n番目の単位セルを構成する負極のローディング量とは同一であり、n番目の単位セルを構成する正極のローディング量は、n+1番目の単位セルを構成する正極のローディング量よりも大きくてもよい。
【0085】
この場合、n番目の単位セルを構成する正極と負極の対抗比と、n番目の単位セル上に積層されたn+1番目の単位セルを構成する正極と負極の対抗比との比が1:1であってもよい。
【0086】
この場合、n番目の単位セルを構成する正極と負極の対抗比よりも、n番目の単位セル上に積層されたn+1番目の単位セルを構成する正極と負極の対抗比が大きくてもよい。
【0087】
このとき、n番目の単位セルを構成する電極の大きさまたは面積は、n+1番目の単位セルを構成する電極の大きさまたは面積に比べて大きい。
【0088】
単位セルの境界での対抗比を、単位セルを構成する正極と負極の対抗比よりも大きくするための他の一つの具体的な実施例において、n−1番目の単位セルを構成する正極のローディング量、n番目の単位セルを構成する正極のローディング量及びn+1番目の単位セルを構成する正極のローディング量は同一であり、n−1番目の単位セルを構成する負極のローディング量及びn+1番目の単位セルを構成する負極のローディング量は、n番目の単位セルを構成する負極のローディング量よりも大きくてもよい。
【0089】
また、n−1番目の単位セルを構成する負極のローディング量、n番目の単位セルを構成する負極のローディング量及びn+1番目の単位セルを構成する負極のローディング量は同一であり、n番目の単位セルを構成する正極のローディング量は、n−1番目の単位セルを構成する正極のローディング量及びn+1番目の単位セルを構成する正極のローディング量よりも大きくてもよい。
【0090】
この場合、n番目の単位セルを構成する正極と負極の対抗比と、n番目の単位セル上に積層されたn+1番目の単位セルを構成する正極と負極の対抗比との比は1:1であり、n番目の単位セルを構成する正極と負極の対抗比と、平面を基準として高さ方向の反対方向にn番目の単位セル上に積層されたn−1番目の単位セルを構成する正極と負極の対抗比との比は1:1であってもよい。
【0091】
この場合、n番目の単位セルを構成する正極と負極の対抗比よりも、n番目の単位セル上に積層されたn+1番目の単位セルを構成する正極と負極の対抗比が大きく、n番目の単位セルを構成する正極と負極の対抗比よりも、平面を基準として高さ方向の反対方向にn番目の単位セル上に積層されたn−1番目の単位セルを構成する正極と負極の対抗比が大きくてもよい。
【0092】
このとき、n番目の単位セルを構成する電極の大きさまたは面積は、n−1番目の単位セルを構成する電極の大きさまたは面積及びn+1番目の単位セルを構成する電極の大きさまたは面積に比べて大きい。
【0093】
単位セルの境界での対抗比が、積層された単位セルのうち対向面積が相対的に大きい単位セルを構成する正極と負極の対抗比と同一または大きい条件を満足する限り、対向面積が相対的に小さい単位セルを構成する正極と負極の対抗比は、対向面積が相対的に大きい単位セルを構成する正極と負極の対抗比と同一または大きくてもよい。
【0094】
また、単位セルの境界での対抗比が、積層された単位セルのうち対向面積が相対的に大きい単位セルを構成する正極と負極の対抗比と同一または大きい条件を満足する限り、対向面積が相対的に小さい単位セルを構成する負極のローディング量は、対向面積が相対的に大きい単位セルを構成する負極のローディング量と同一または大きくてもよい。
【0095】
また、単位セルの境界での対抗比が、積層された単位セルのうち対向面積が相対的に大きい単位セルを構成する正極と負極の対抗比と同一または大きい条件を満足する限り、対向面積が相対的に小さい単位セルを構成する正極のローディング量は、対向面積が相対的に大きい単位セルを構成する正極のローディング量と同一または小さくてもよい。
【0096】
電極の空隙率が同じ条件において、電極のローディング量は、電極の厚さで確認することができ、電極の厚さは、イオンミリングを用いて確認することができる。
【0097】
前記単位セルは、4つ以上の偶数個の単位セルからなることができ、前記極板の積層方向に積層されて、最上段と最下段の極板の極性が互いに反対である2つ以上の電極群を形成することができる。前記単位セルは、分離フィルムを挟んで互いに反対の極性を有する極板が互いに対面するように、平面を基準として高さ方向に沿って積層することができる。
【0098】
前記電極群において、電極タブが突出した面を前面と呼び、前記前面に対向する面を後面と呼ぶことができ、前記平面と平行な面を、それぞれ一面及び対向面と呼ぶことができ、前記一面及び対向面と垂直であり、前記高さ方向に平行な面を一側面と呼び、前記一側面に対向する面を対向側面と呼ぶことができる。一側面及び/又は対向側面は、統一して側面と呼ぶことができる。
【0099】
前記電極群の大きさは全て異なっていてもよい。互いに異なる大きさの電極群の積層構造から階段構造を形成することができる。
【0100】
積層された電極群の境界において、互いに対面している正極と負極の対向面積が互いに異なっていてもよい。
【0101】
例えば、積層された電極群のうち、下段に積層されている電極群の最上端面を構成する電極と、上段に積層されている電極群の最下端を構成する電極の大きさまたは対向面積が互いに異なっていてもよい。
【0102】
電極群の境界での正極と負極の対向面積に対する容量比(N/P ratioまたは対抗比)は、積層された電極群において対向面積が相対的に大きい電極群を構成する正極と負極の対向面積に対する容量比(N/P ratioまたは対抗比)と同一または大きい。
【0103】
電極群の境界での対抗比が、対向面積が相対的に大きい電極群を構成する正極と負極の対抗比よりも小さい場合には、本発明に係る電極群積層体を内蔵するリチウム二次電池の性能に問題が発生するため好ましくない。
【0104】
電極群の境界で対面する正極と負極の対抗比と、電極群を構成する正極と負極の対抗比との比は、1:1〜3:1、1:1〜2:1、1:1〜1.5:1であってもよい。
【0105】
前記対抗比は、上記の式1を用いて算出することができる。
【0106】
電極群の境界での対抗比を、対向面積が相対的に大きい電極群を構成する正極と負極の対抗比よりも大きくするための一つの具体的な実施例において、n番目の電極群を構成する正極のローディング量とn+1番目の電極群を構成する正極のローディング量とは同一であり、n+1番目の電極群を構成する負極のローディング量は、n番目の電極群を構成する負極のローディング量よりも大きくてもよい。
【0107】
また、n+1番目の電極群を構成する負極のローディング量とn番目の電極群を構成する負極のローディング量とは同一であり、n番目の電極群を構成する正極のローディング量は、n+1番目の電極群を構成する正極のローディング量よりも大きくてもよい。
【0108】
この場合、n番目の電極群を構成する正極と負極の対抗比と、n番目の電極群上に積層されたn+1番目の電極群を構成する正極と負極の対抗比との比が1:1であってもよい。
【0109】
この場合、n番目の電極群を構成する正極と負極の対抗比よりも、n番目の電極群上に積層されたn+1番目の電極群を構成する正極と負極の対抗比が大きくてもよい。
【0110】
このとき、n番目の電極群を構成する電極の大きさまたは面積は、n+1番目の電極群を構成する電極の大きさまたは面積に比べて大きい。
【0111】
電極群の境界での対抗比を、電極群を構成する正極と負極の対抗比よりも大きくするための他の一つの具体的な実施例において、n−1番目の電極群を構成する正極のローディング量、n番目の電極群を構成する正極のローディング量及びn+1番目の電極群を構成する正極のローディング量は同一であり、n−1番目の電極群を構成する負極のローディング量及びn+1番目の電極群を構成する負極のローディング量は、n番目の電極群を構成する負極のローディング量よりも大きくてもよい。
【0112】
また、n−1番目の電極群を構成する負極のローディング量、n番目の電極群を構成する負極のローディング量及びn+1番目の電極群を構成する負極のローディング量は同一であり、n番目の電極群を構成する正極のローディング量は、n−1番目の電極群を構成する正極のローディング量及びn+1番目の電極群を構成する正極のローディング量よりも大きくてもよい。
【0113】
この場合、n番目の電極群を構成する正極と負極の対抗比と、n番目の電極群上に積層されたn+1番目の電極群を構成する正極と負極の対抗比との比は1:1であり、n番目の電極群を構成する正極と負極の対抗比と、平面を基準として高さ方向の反対方向にn番目の電極群上に積層されたn−1番目の電極群を構成する正極と負極の対抗比との比は1:1であってもよい。
【0114】
この場合、n番目の電極群を構成する正極と負極の対抗比よりも、n番目の電極群上に積層されたn+1番目の電極群を構成する正極と負極の対抗比が大きく、n番目の電極群を構成する正極と負極の対抗比よりも、平面を基準として高さ方向の反対方向にn番目の電極群上に積層されたn−1番目の電極群を構成する正極と負極の対抗比が大きくてもよい。
【0115】
このとき、n番目の電極群を構成する電極の大きさまたは面積は、n−1番目の電極群を構成する電極の大きさまたは面積及びn+1番目の電極群を構成する電極の大きさまたは面積に比べて大きい。
【0116】
電極群の境界での対抗比が、積層された電極群のうち対向面積が相対的に大きい電極群を構成する正極と負極の対抗比と同一または大きい条件を満足する限り、対向面積が相対的に小さい電極群を構成する正極と負極の対抗比は、対向面積が相対的に大きい電極群を構成する正極と負極の対抗比と同一または大きくてもよい。
【0117】
また、電極群の境界での対抗比が、積層された電極群のうち対向面積が相対的に大きい電極群を構成する正極と負極の対抗比と同一または大きい条件を満足する限り、対向面積が相対的に小さい電極群を構成する負極のローディング量は、対向面積が相対的に大きい電極群を構成する負極のローディング量と同一または大きくともよい。
【0118】
また、電極群の境界での対抗比が、積層された電極群のうち対向面積が相対的に大きい電極群を構成する正極と負極の対抗比と同一または大きい条件を満足する限り、対向面積が相対的に小さい電極群を構成する正極のローディング量は、対向面積が相対的に大きい電極群を構成する正極のローディング量と同一または小さくてもよい。
【0119】
電極の空隙率が同じ条件において、電極のローディング量は、電極の厚さで確認することができ、電極の厚さは、イオンミリングを用いて確認することができる。
【0120】
前記の単位セルの積層構造または電極群の積層構造において、同じ極性を有する極板のそれぞれの電極タブは、同一の仮想の垂直線を共有する位置に配列されるようにそれぞれの極板から突出して形成されていてもよい。
【0121】
すなわち、同じ極性を有する極板のうち最も小さい大きさの極板の電極タブが形成された位置を基準として、残りの電極タブは、前記の最も小さい大きさの極板の電極タブと仮想の垂直線を共有する位置に形成されていてもよい。
【0122】
例えば、それぞれの正極タブは、最も小さい大きさの正極板の正極タブが形成された位置を基準として、前記最も小さい大きさの正極板の正極タブと仮想の垂直線を共有する位置に形成されていてもよい。
【0123】
上記において、平面は、任意の平面を意味するので、地面であってもよく、地面に垂直な平面であってもよい。したがって、前記の極板は、地面から高さ方向に積層されていてもよく、地面に垂直な平面において高さ方向に沿って積層されていてもよい。
【0124】
理解の便宜のため、以下では、前記平面は地面を示すものとする。この場合、前記平面からの高さ方向は重力の反対方向を示し、高さ方向の反対方向は重力方向を示す。
【0125】
例えば、上記において、“平面を基準として高さ方向に沿って積層される”ということは、極板が地面から重力方向及び/又は重力の反対方向に積層されることを意味することができる。したがって、極板の積層方向は、重力方向及び/又は重力の反対方向であってもよい。
【0126】
具体的に、前記階段構造は、互いに異なる大きさの2つの電極群が、分離フィルムを挟んだ状態で積層され、分離フィルムで電極群の一側面、対向側面、または一側面及び対向側面を覆う場合に形成可能である。
【0127】
また、前記階段構造は、互いに異なる大きさの3つの電極群が、分離フィルムを挟んで互いに反対の極性を有する極板が対面するように積層され、分離フィルムでそれぞれの電極群の一側面、対向側面、または一側面及び対向側面を覆う場合にも形成可能である。
【0128】
上記の説明から、3つ以上の階段構造が形成される場合もまた当業者が容易に理解できるので、これについては、これ以上の詳細な説明を省略する。
【0129】
このような階段構造が形成される部位は、特に限定されない。
【0130】
具体的に、前記電極群が、前面のみが同一平面上に存在するように積層される場合、階段構造は、電極群の後面、一側面、または対向側面で形成され、前面、後面、側面が全て同一平面上に存在しないように積層される場合には、階段構造は、電極群の前面、後面、側面で全て形成され得る。具体例において、前記階段構造は、後面、側面のように電極タブ非形成部位に形成されていてもよい。
【0131】
上記の説明から、階段構造が形成される部位は当業者が容易に理解できるので、これについては、これ以上の詳細な説明を省略する。
【0132】
前記階段構造は、幅と高さを有し、前記幅は、積層された電極群の全幅または全長の差に対応する長さを有し、前記高さは、それぞれの段の高さの和であり、前記段の高さは、積層されたそれぞれの電極群の高さに対応する長さであり得る。前記幅及び/又は段の高さは、電極組立体を内蔵した電池セルが装着されたデバイスの曲率に応じて変化することができる。
【0133】
前記階段構造は、(i)段の高さは同一であり、幅が異なるか、または(ii)幅と段の高さが全て異なっていてもよい。
【0134】
互いに異なる大きさの電極群の積層構造において、分離フィルムを挟んで隣接している極板のうち、相対的に大きさが大きい極板の極性は全て負極であってもよく、全て正極であってもよい。また、相対的に大きさが大きい極板の極性は正極または負極であってもよい。
【0135】
分離フィルムを挟んで隣接している極板のうち、相対的に大きさが大きい極板が負極板である場合には、前記負極板は、外部から針状体などの物体が電池を押圧または貫通する場合、安全部材として作用して、一次的に微細短絡を誘発するので、電池の発火及び爆発を防止することができるという効果がある。
【0136】
このような負極板の安全部材としての機能は、電池モジュールまたは電池パックを構成する一つの電池の発火及び爆発が、電池モジュール及び電池パック全体の発火及び爆発に繋がることがある電池モジュール及び電池パックにおいて特に重要である。
【0137】
また、分離フィルムを挟んで隣接している極板のうち、相対的に大きさが大きい極板が負極板である場合には、分離フィルムを挟んで隣接している極板のうち、相対的に大きさが大きい極板が正極板である場合に比べて、充放電時に樹枝状成長を最小化することができる。
【0138】
例えば、上記のように、分離フィルムを挟んで隣接している極板のうち、相対的に大きさが大きい極板の極性が全て負極である場合には、前記積層された単位セルのうち、最下段に積層されている単位セルの最下段の極板の極性は正極であってもよい。このとき、最下段の正極板は、分離板と接触する一面にのみ正極スラリーが塗布されていてもよく、詳細には、前記正極板の一面は、分離板を挟んで積層されている負極板の一面または対向面と対面する部位にのみ正極スラリーが塗布されていてもよい。
【0139】
更に他の例として、分離フィルムを挟んで隣接している極板のうち、相対的に大きさが大きい極板の極性が全て正極である場合には、前記積層された単位セルのうち、最下段に積層されている単位セルの最下段の極板の極性は負極であってもよい。
【0140】
本発明に係る電極組立体は、平面を基準として高さ方向に積層された単位セルと対称または非対称的に前記高さ方向の反対方向に、分離フィルムを挟んで互いに反対の極性を有する極板が対面するように、1つまたは2つ以上の単位セルが積層されていてもよい。
【0141】
すなわち、電極群は、平面を基準として高さ方向及びその反対方向、すなわち、両方向に積層されていてもよく、この場合、平面を基準として高さ方向に積層される電極群と、前記高さ方向の反対方向に積層される電極群とは、互いに対称をなしながら積層されるか、または非対称的に積層されてもよい。
【0142】
具体的に、前記電極群が対称的に両方向に積層される場合、高さ方向には前面のみが同一平面上に存在するように積層され、高さ方向の反対方向には、後面のみが同一平面上に存在するように積層されてもよく、また、高さ方向及び高さ方向の反対方向に、積層される電極群の一側面及び対向側面がそれぞれ同一平面上に存在することもできる。前記の配列は、本発明に係る一つの具体的な例であるので、単位セルの配列が前記の例に限定されるものではない。
【0143】
上記でのように、電極群が、高さ方向には前面のみが同一平面上に存在するように積層され、高さ方向の反対方向には、後面のみが同一平面上に存在するように積層される場合、本発明に係る電極組立体は、高さ方向及び高さ方向と反対方向の両方向に積層された電極群が互いに非対称的に積層され得る。
【0144】
また、前記電極群は、両方向に、前面、後面、一側面、対向側面が全て同一平面上に存在しないように積層されてもよく、この場合、本発明に係る電極組立体は、対称的な八角錐台の形状を有することができる。勿論、この場合にも、非対称的な八角錐台の形状を有するように電極群が積層されてもよいことは、上記の説明から当業者が容易に理解できるであろう。
【0145】
前記一単位のシート状の分離フィルムは、互いに異なる単位セルの対面する正極と負極の短絡を防止するために、単位セルの一面及び対向面に位置することができ、一側面又は対向側面、または、一側面及び対向側面を覆うことによって、繰り返される充放電によって極板と分離板との間及び単位セルと分離フィルムとの間の界面接触を堅固に維持することができる。具体的に、分離フィルムを巻き取るときに発生する引張力は、極板と分離板との間及び単位セルと分離フィルムとの間の界面を密着する圧力を提供する。
【0146】
上記のような分離フィルムは、上記の単位セルの一面及び対向面と一側面又は対向側面、または、一側面及び対向側面を全て覆う長さで形成することができる。
【0147】
また、前記分離フィルムは、上記の長さよりも長い長さで形成されてもよく、この場合、単位セルの一面及び対向面と一側面又は対向側面、または一側面及び対向側面を全て覆ってから残った分離フィルムは、積層された単位セル全体を覆い、末端が熱融着またはテープで固定されてもよい。例えば、熱溶接機または熱板などを仕上げされる分離フィルムに接触させて、分離フィルム自体が熱により溶融されて接着固定されるようにすることができる。これによって、極板と分離板との間及び単位セルと分離フィルムとの間の界面接触をより堅固に維持することができる。
【0148】
上記のような分離フィルムで単位セルの一面及び対向面と一側面又は対向側面、または一側面及び対向側面を全て覆う場合、分離フィルムは、単位セルの一面及び対向面に密着可能である。
【0149】
但し、前記分離フィルムで単位セルの一面及び対向面と側面を覆った後、積層された単位セル全体を再び覆う場合には、前記分離フィルムは、互いに異なる大きさの単位セルの一側面、対向側面、または一側面及び対向側面に密着していないことがある。
【0150】
したがって、この場合には、前記一側面、対向側面、または一側面及び対向側面から離隔している分離フィルムの部位を切断したり熱処理したりして、前記分離フィルムが、一側面、対向側面、または一側面及び対向側面に密着するようにすることができる。
【0151】
また、前記分離フィルムで単位セルの一面及び対向面と一側面、対向側面、または一側面及び対向側面のみを覆う場合にも、前記分離フィルムは、互いに異なる大きさの単位セルの一側面、対向側面、または一側面及び対向側面に密着していないことがある。
【0152】
したがって、この場合にも、前記一側面、対向側面、または一側面及び対向側面から離隔している分離フィルムの部位を切断したり熱処理したりして、前記分離フィルムが、一側面、対向側面、または一側面及び対向側面に密着するようにすることができる。
【0153】
本発明はまた、前記の電極組立体が電池ケース内に内蔵されて電解質で含浸され、密封された構造からなるリチウム二次電池を提供する。前記リチウム二次電池の電極端子は、前記電極組立体のそれぞれの電極タブのそれぞれが電極リードに結合された構造であってもよい。
【0154】
前記電極リードのそれぞれは、全幅、全長、全高のうちの1つ以上が互いに異なるか、または全幅、全長、全高が全て同一であってもよい。
【0155】
前記電池ケースは、樹脂層及び金属層を含むラミネートシートの電池ケースであって、本発明に係る階段構造の電極組立体が内蔵される収納部が形成されていてもよく、前記収納部は、本発明に係る階段構造の電極組立体の形状に対応する階段構造の形状を有することができる。
【0156】
前記リチウム二次電池は、携帯電話、携帯用コンピュータ、スマートフォン、スマートパッド、ネットブック、LEV(Light Electronic Vehicle)、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車、及び電力貯蔵装置などの電源として使用することができる。