【課題を解決するための手段】
【0014】
このような目的を達成するための本発明に係る電池パックは、
正極と負極との間に分離膜が介在している構造の電極組立体が電解液と共に電池ケースの内部に密封されており、密封余剰部を含む一面に電極端子が形成されている板状型の電池セルを含み、前記密封余剰部に保護回路モジュール(PCM)が装着されている構造の電池パックであって、
前記電池セルの電極端子は、板状型の導電性部材からなっており、
前記PCMは、PCB(保護回路印刷基板)、電池セルの一側の電極端子とPCBとの間に電気的に接続されているか、または前記PCB上に搭載された安全素子、及び前記PCB及び安全素子を取り囲んでいる電気絶縁性のモジュールケースを含んでおり、
前記モジュールケースは、PCB及び安全素子が収納される組立式締結構造の上部ケース及び下部ケースを含み、
前記モジュールケース、PCB及び電極端子には、第1接続締結部材及び第2接続締結部材が貫通できる大きさの第1開口部及び第2開口部がそれぞれ形成されており、
前記PCBは、上部ケース及び下部ケースに収納された状態で電池セルの密封余剰部上に搭載されており、前記第1接続締結部材及び第2接続締結部材によって電池セルの電極端子と結合されて電気的に接続されている構成となっている。
【0015】
したがって、本発明の電池パックは、上部ケース、下部ケース、第1開口部及び第2開口部を含んでいる保護回路モジュールケースを電池パックに適用することによって、電池パックの部品及び結合構造を簡素化させ、電池パックの製造工程性及び安定性を向上させることができる。
【0016】
また、本発明の電池パックは、特定の構造のモジュールケースを電池パックに適用することによって、電池パックのコンパクトな構造を有すると共に、同一規格の電池パックで電気容量を増大させることができる。
【0017】
一具体例において、前記板状型電池セルは、密封余剰部の一側面または両側面に、電極端子が露出するための開口が形成されている構造であってもよく、前記電極端子の最外側端部は、密封余剰部の外周面と一致する大きさを有する構造であってもよい。また、前記開口は、密封余剰部が切り取られた構造で形成されている構造であってもよい。
【0018】
他の具体例において、前記板状型電池セルは、密封余剰部を含む一側面に電極端子が外部に延びて形成されている板状型電池セルであってもよい。
【0019】
このような板状型電池セルは、例えば、パウチ型二次電池であってもよい。
【0020】
前記パウチ型二次電池は、具体的には、樹脂層と金属層を含むラミネートシートに電極組立体が密封されている構造であってもよく、前記電極組立体は、正極、負極及び正極と負極との間に介在する分離膜構造であり、電解液と共に前記電池ケースの内部に密封されている構造であってもよい。
【0021】
前記二次電池は、好ましくは、高いエネルギー密度、放電電圧、及び出力安定性のリチウム二次電池であってもよい。このようなリチウム二次電池のその他の構成要素について、以下で詳細に説明する。
【0022】
一般に、リチウム二次電池は、正極、負極、分離膜、リチウム塩含有非水電解液などで構成されている。
【0023】
正極は、例えば、正極集電体上に正極活物質、導電材及びバインダーの混合物を塗布した後、乾燥して製造され、必要に応じて、充填剤をさらに添加することもある。負極はまた、負極集電体上に負極材料を塗布、乾燥して作製され、必要に応じて、上述したような成分がさらに含まれてもよい。
【0024】
前記分離膜は、負極と正極との間に介在し、高いイオン透過度及び機械的強度を有する絶縁性の薄い薄膜が使用される。
【0025】
リチウム塩含有非水系電解液は、非水電解液とリチウム塩からなっており、非水電解液としては、液状非水電解液、有機固体電解質、無機固体電解質などが使用される。
【0026】
前記集電体、電極活物質、導電材、バインダー、充填剤、分離膜、電解液、リチウム塩などは当業界に公知となっているので、それについての詳細な説明は本明細書では省略する。
【0027】
このようなリチウム二次電池は、当業界に公知となっている通常の方法により製造することができる。例えば、正極と負極との間に多孔性分離膜を挿入し、それに電解液を注入して製造することができる。
【0028】
正極は、例えば、活物質として、 リチウム遷移金属酸化物、導電材及びバインダーを含有したスラリーを集電体上に塗布した後、乾燥して製造することができる。同様に、負極は、例えば、 炭素活物質、導電材及びバインダーを含有したスラリーを薄い集電体上に塗布した後、乾燥して製造することができる。
【0029】
本発明において、前記密封余剰部は、電池ケースの熱融着密封によって形成された上端シーリング部を意味する。
【0030】
具体的には、電極組立体がラミネートシートの電池ケースに密封されるときに形成される密封された外周面のうち、一面に形成された余分な空間を持つ密封部を密封余剰部という。しかし、同じ意味を内包しているものであれば、前記密封余剰部は、シーリング余剰部、熱融着余剰部、シーリングテラス、密封テラスなどのような用語に代替できることは勿論である。
【0031】
一具体例において、前記安全素子は、電池パックが装着されるデバイスと電気的に接続される負極及び正極端子と、電池パックの過充電、過電流などの異常な状態を効果的に制御できる素子であって、安全素子の例としては、PTC(Positive Temperature Coefficient)素子、ヒューズ(fuse)またはTCO(Thermal Cutoff、Cutout)などがある。
【0032】
他の具体例において、前記組立式締結構造は、下部ケースの一側に形成された2つ以上の締結突起、及び前記締結突起に対応する構造で上部ケース上に形成されている2つ以上の締結溝からなる構造であってもよい。
【0033】
また、前記第1接続締結部材は第1開口部を貫通し、第2接続締結部材は第2開口部を貫通し、前記第1接続締結部材及び第2接続締結部材が、モジュールケース、PCB及び電極端子にそれぞれ形成された第1開口部及び第2開口部を一直線に貫通できるように、モジュールケース、PCB及び電極端子に形成された第1開口部及び第2開口部は、それぞれ一直線上に整列して形成されている構造であってもよい。
【0034】
前記第1接続締結部材及び第2接続締結部材は電気導電性素材で構成され得、このような場合、第1接続締結部材及び第2接続締結部材は、モジュールケース、PCB及び電極端子とボルティング(bolting)で固定された後、前記ボルト頭部が外部入出力端子として活用される構造であり得る。
【0035】
また、前記第1接続締結部材及び第2接続締結部材は、モジュールケース、PCB及び電極端子をボルティング(bolting)で固定できるように、ボルト(bolt)頭部、及び外部にねじ山が形成されているボルトボディーを含むボルト構造であってもよい。したがって、このような構造の第1接続締結部材及び第2接続締結部材は、前記電池パックが装着されるデバイスの装着部までボルティングで固定できるので、電池パックの安定した装着効果を達成することができる。
【0036】
このような構造のモジュールケースは、特定の構造の上部ケース及び下部ケースを含んでいるので、PCB及び安全素子を内部に容易に収納固定することができる。また、モジュールケースは、追加の固定部材または保護部材を必要としない構造となっているので、簡素化された組立工程によって向上した生産効率性を達成することができる。さらに、PCB及び安全素子は、モジュールケースの内部に収納された後、第1接続締結部材及び第2接続締結部材によって強固且つ安定的に固定されると同時に、外部から保護できるので、PCMの全体的な機械的剛性を高めることができる。
【0037】
また、内部にPCB及び安全素子を収納できる構造のモジュールケースは、例えば、外観が滑らかな直方体構造であるので、電池セルの密封余剰部上に容易に搭載することができる。
【0038】
結果的に、本発明に係る電池パックは、従来と比較して、よりコンパクトな構造を達成することができ、従来のPCM、PCM固定部材またはPCM保護部材が占める空間を電気容量の増大のための空間として活用できるので、電池パックの電気的容量の拡大効果を達成することができる。
【0039】
一具体例において、外部入出力端子を除いたPCM及び電池セルの外面を覆う形態でラベルが付着している構造からなることができ、これによって、全般的に絶縁状態を維持しながら、電池セルの電極端子とPCBとの電気的接続状態をより安定的に担保することができる。
【0040】
本発明はまた、前記電池パックの構成に使用される特定の構造の保護回路モジュールを提供する。
【0041】
具体的には、本発明に係る保護回路モジュールは、正極と負極との間に分離膜が介在している構造の電極組立体が電解液と共に電池ケースの内部に密封されている板状型の電池セルの密封余剰部上に搭載される保護回路モジュール(PCM)であって、
PCB(保護回路印刷基板)、電池セルの一側の電極端子とPCBとの間に電気的に接続されているか、または前記PCB上に搭載された安全素子、及び前記PCB及び安全素子を取り囲んでいる電気絶縁性のモジュールケースを含み、
前記モジュールケースは、PCB及び安全素子が収納される組立式締結構造の上部ケース及び下部ケースを含み、
前記モジュールケース、PCB及び電極端子には、第1接続締結部材及び第2接続締結部材が貫通できる大きさの第1開口部及び第2開口部がそれぞれ形成されており、
前記PCBは、上部ケース及び下部ケースに収納された状態で電池セルの密封余剰部上に搭載され、前記第1接続締結部材及び第2接続締結部材によって電池セルの電極端子と結合されて電気的に接続される構成となっている。
【0042】
一般的な内蔵型電池パックの組立過程では、接続部材、F−PCMなどを結合し、各ステップ毎に絶縁性テープを付着する過程により電池セル上にPCMアセンブリを設置する。したがって、多数の部品を用いてPCMアセンブリを電池セル上に装着するため、多数の工程が要求され、機械的剛性だけでなく構造的安定性が低いという問題が誘発される。
【0043】
これとは異なり、本発明に係る保護回路モジュールは、安全素子がPCBに結合された状態でモジュールケースに内蔵された構造となっているので、電池パックの構造的安定性が向上し、電池パックの製造工程を大きく簡素化させることができる。
【0044】
一具体例において、前記第1接続締結部材は第1開口部を貫通し、第2接続締結部材は第2開口部を貫通し、前記第1接続締結部材及び第2接続締結部材が、モジュールケース、PCB及び電極端子にそれぞれ形成された第1開口部及び第2開口部を一直線に貫通できるように、モジュールケース、PCB及び電極端子に形成された第1開口部及び第2開口部は、それぞれ一直線上に整列して形成されている構造であってもよい。
【0045】
前記第1接続締結部材及び第2接続締結部材は電気導電性素材で構成され得、この場合に、第1接続締結部材及び第2接続締結部材は、モジュールケース、PCB及び電極端子とボルティング(bolting)で固定された後、前記ボルト頭部が外部入出力端子として活用され得る。
【0046】
また、前記第1接続締結部材及び第2接続締結部材は、モジュールケース、PCB及び電極端子をボルティング(bolting)で固定できるように、ボルト(bolt)頭部、及び外部にねじ山が形成されているボルトボディーを含むボルト構造であり得る。したがって、このような構造の第1接続締結部材及び第2接続締結部材は、前記電池パックが装着されるデバイスの装着部までボルティングで固定できるので、電池パックの安定した装着効果を達成することができる。
【0047】
本発明はまた、前記電池パックを製造する方法を提供する。
【0048】
具体的には、本発明に係る電池パックを製造する方法は、
(a)PCBをモジュールケースに装着する過程;
(b)PCMを電池セルの密封余剰部上に搭載する過程;
(c)第1接続締結部材及び第2接続締結部材を第1開口部及び第2開口部にそれぞれ組立て締結する過程;及び
(d)PCM及び電池セルの外面を覆う形態でラベルを付着する過程;
を含む方法で製造することができる。
【0049】
このような製造方法は、従来の内蔵型二次電池パックの製造工程と比較して、作業工程数を減少させ、構造的安定性が向上した電池パックを提供することができる。
【0050】
本発明はまた、前記電池パックを電源として含んでいるモバイルデバイスを提供する。
【0051】
本発明に係る電池パックを使用できるモバイルデバイスの具体的な例としては、携帯電話、ノートパソコン、ネットブック、タブレットPC、スマートパッドなどのようなモバイルデバイスを挙げることができる。
【0052】
前記のようなデバイス乃至装置は当業界に公知となっているので、本明細書では、それについての具体的な説明を省略する。