(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6186071
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】パウチ型二次電池
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20170814BHJP
H01M 10/0585 20100101ALI20170814BHJP
H01M 2/02 20060101ALI20170814BHJP
H01M 2/18 20060101ALI20170814BHJP
H01M 2/16 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M10/0585
H01M2/02 K
H01M2/18 Z
H01M2/16 L
【請求項の数】28
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-504267(P2016-504267)
(86)(22)【出願日】2014年9月15日
(65)【公表番号】特表2016-517144(P2016-517144A)
(43)【公表日】2016年6月9日
(86)【国際出願番号】KR2014008570
(87)【国際公開番号】WO2015046792
(87)【国際公開日】20150402
【審査請求日】2015年9月16日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0114248
(32)【優先日】2013年9月26日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0120115
(32)【優先日】2014年9月11日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【弁理士】
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 京子
(72)【発明者】
【氏名】ミン キホン
(72)【発明者】
【氏名】ナ スンホ
(72)【発明者】
【氏名】バン ジンホ
【審査官】
守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−260600(JP,A)
【文献】
特表2013−524460(JP,A)
【文献】
特表2003−523060(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0108906(US,A1)
【文献】
特開2004−111219(JP,A)
【文献】
特開2001−167743(JP,A)
【文献】
特開2014−175247(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/009423(WO,A1)
【文献】
特開2000−149994(JP,A)
【文献】
特開2013−134881(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 10/0585
H01M 2/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体がパウチ外装材の収納部に収納されているパウチ型二次電池において、
前記収納部の内側面の頂点部位はラウンド状となっており、
前記電極組立体は、(a)互いに同一の個数の電極と分離膜が交互に配置されて一体に結合された1種の基本単位体が繰り返して配置された構造、または(b)互いに同一の個数の電極と分離膜が交互に配置されて一体に結合された2種以上の基本単位体が所定の順に従い配置された構造を有する単位体スタック部を含み、
前記分離膜の末端は隣接した分離膜の末端と接合されず、
前記(a)の1種の基本単位体は、第1電極、第1分離膜、第2電極及び第2分離膜が順次積層された4層構造や、前記4層構造が繰り返して積層された構造を有し、
前記(b)の2種以上の基本単位体をそれぞれ1つずつ所定の順に従い積層すれば、前記4層構造や前記4層構造が繰り返して配置された構造が形成され、
前記分離膜の頂点部位は、前記収納部の内側面の頂点部位に対応されるようにラウンド状となっており、
前記電極組立体の一辺と前記収納部の内側面との間の間隔D3は、前記電極組立体の頂点と前記収納部の内側面との間の間隔D2と同一である、
ことを特徴とするパウチ型二次電池。
【請求項2】
前記電極組立体は、複数個の基本単位体を含み、
前記複数個の基本単位体のうち少なくとも一つの基本単位体は、他の基本単位体より横方向及び縦方向のサイズが小さいことを特徴とする請求項1に記載のパウチ型二次電池。
【請求項3】
前記収納部の内側面と底面が当接する角はラウンド状となっていることを特徴とする請求項2に記載のパウチ型二次電池。
【請求項4】
他の基本単位体より横方向及び縦方向のサイズが小さい前記基本単位体は、前記収納部の底面側に配置されたことを特徴とする請求項3に記載のパウチ型二次電池。
【請求項5】
前記電極の頂点部位は、ラウンド状となっていることを特徴とする請求項1に記載のパウチ型二次電池。
【請求項6】
前記分離膜の頂点部位は、レーザカッティング、超音波カッティング、金型カッティングを介してラウンド状に切り取られることを特徴とする請求項1に記載のパウチ型二次電池。
【請求項7】
前記単位体スタック部内で前記基本単位体は、隣接した基本単位体と結合されないか、前記基本単位体内で前記電極と前記分離膜が互いに結合された結合力と異なる結合力で隣接した基本単位体と結合されることを特徴とする請求項1に記載のパウチ型二次電池。
【請求項8】
前記(a)の1種の基本単位体は、前記4層構造や前記4層構造が繰り返して配置された構造を有する第1基本単位体を含み、
前記単位体スタック部は、前記第1基本単位体が繰り返して配置された構造を有することを特徴とする請求項1に記載のパウチ型二次電池。
【請求項9】
前記(b)の2種以上の基本単位体は、
第1電極、第1分離膜、第2電極、第2分離膜、第1電極及び第1分離膜が順に配置されて一体に結合された第2基本単位体と、
第2電極、第2分離膜、第1電極、第1分離膜、第2電極及び第2分離膜が順に配置されて一体に結合された第3基本単位体とを含み、
前記単位体スタック部は、前記第2基本単位体と前記第3基本単位体が交互に配置された構造を有することを特徴とする請求項1に記載のパウチ型二次電池。
【請求項10】
前記電極は、それぞれの基本単位体内で隣接した分離膜に接着されることを特徴とする請求項1に記載のパウチ型二次電池。
【請求項11】
前記電極は、前記隣接した分離膜に対向する面で全体的に前記隣接した分離膜に接着されることを特徴とする請求項10に記載のパウチ型二次電池。
【請求項12】
前記電極と前記分離膜との間の接着は、前記電極と前記隣接した分離膜に圧力を加えることによる接着、または前記電極と前記隣接した分離膜に圧力と熱を加えることによる接着であることを特徴とする請求項10に記載のパウチ型二次電池。
【請求項13】
前記基本単位体内で前記電極と前記隣接した分離膜との間の接着力は、前記単位体スタック部内で前記基本単位体間の接着力より大きいことを特徴とする請求項10に記載のパウチ型二次電池。
【請求項14】
前記分離膜は、多孔性の分離膜基材、及び前記分離膜基材の一面または両面に全体的にコーティングされる多孔性のコーティング層を含み、
前記コーティング層は、無機物粒子と前記無機物粒子を互いに連結及び固定するバインダー高分子の混合物で形成され、
前記電極は、前記コーティング層によって前記隣接した分離膜に接着されることを特徴とする請求項10に記載のパウチ型二次電池。
【請求項15】
前記無機物粒子は、充填構造(densely packed structure)をなして前記コーティング層で全体的に無機物粒子間のインタースティシャルボリューム(interstitial volumes)を形成し、前記無機物粒子が限定するインタースティシャルボリュームによって前記コーティング層に気孔構造が形成されることを特徴とする請求項14に記載のパウチ型二次電池。
【請求項16】
前記単位体スタック部は、最上側または最下側に位置する電極である末端電極に積層される第1補助単位体をさらに含み、
前記末端電極が正極の際、前記第1補助単位体は前記末端電極から順に分離膜、負極、分離膜及び正極が積層されて形成され、
前記末端電極が負極の際、前記第1補助単位体は前記末端電極から順に分離膜及び正極が積層されて形成されることを特徴とする請求項1に記載のパウチ型二次電池。
【請求項17】
前記第1補助単位体の正極は、
集電体;及び
前記集電体の両面のうち前記基本単位体に対向する一面のみにコーティングされる活物質を備えることを特徴とする請求項16に記載のパウチ型二次電池。
【請求項18】
前記単位体スタック部は、最上側又は最下側に位置する分離膜である末端分離膜に積層される第2補助単位体をさらに含み、
前記基本単位体で前記末端分離膜に接した電極が正極の際、前記第2補助単位体は前記末端分離膜から順に負極、分離膜及び正極が積層されて形成され、
前記基本単位体で前記末端分離膜に接した電極が負極の際、前記第2補助単位体は正極に形成されることを特徴とする請求項1に記載のパウチ型二次電池。
【請求項19】
前記第2補助単位体の正極は、
集電体;及び
前記集電体の両面のうち前記基本単位体に対向する一面のみにコーティングされる活物質を備えることを特徴とする請求項18に記載のパウチ型二次電池。
【請求項20】
前記単位体スタック部は、最上側又は最下側に位置する電極である末端電極に積層される第1補助単位体をさらに含み、
前記末端電極が正極の際、前記第1補助単位体は前記末端電極から順に分離膜及び負極が積層されて形成され、
前記末端電極が負極の際、前記第1補助単位体は前記末端電極から順に分離膜、正極、分離膜及び負極が積層されて形成されることを特徴とする請求項1に記載のパウチ型二次電池。
【請求項21】
前記第1補助単位体は、前記負極の外側に分離膜をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載のパウチ型二次電池。
【請求項22】
前記単位体スタック部は、最上側又は最下側に位置する分離膜である末端分離膜に積層される第2補助単位体をさらに含み、
前記基本単位体で前記末端分離膜に接した電極が正極の際、前記第2補助単位体は負極に形成され、
前記基本単位体で前記末端分離膜に接した電極が負極の際、前記第2補助単位体は前記末端分離膜から順に正極、分離膜及び負極が積層されて形成されることを特徴とする請求項1に記載のパウチ型二次電池。
【請求項23】
前記第2補助単位体は、前記負極の外側に分離膜をさらに含むことを特徴とする請求項22に記載のパウチ型二次電池。
【請求項24】
前記単位体スタック部は、最上側又は最下側に位置する分離膜である末端分離膜に積層される第2補助単位体をさらに含み、
前記基本単位体で前記末端分離膜に接した電極が負極の際、前記第2補助単位体は前記末端分離膜から順に第1正極、分離膜、負極、分離膜及び第2正極が積層されて形成されることを特徴とする請求項1に記載のパウチ型二次電池。
【請求項25】
前記第2補助単位体の第2正極は、
集電体;及び
前記集電体の両面のうち前記基本単位体に対向する一面のみにコーティングされる活物質を備えることを特徴とする請求項24に記載のパウチ型二次電池。
【請求項26】
前記単位体スタック部は、最上側又は最下側に位置する分離膜である末端分離膜に積層される第2補助単位体をさらに含み、
前記基本単位体で前記末端分離膜に接した電極が正極の際、前記第2補助単位体は前記末端分離膜から順に第1負極、分離膜、正極、分離膜及び第2負極が積層されて形成されることを特徴とする請求項1に記載のパウチ型二次電池。
【請求項27】
前記収納部の内側面と底面が当接する角はラウンド状となっており、
前記基本単位体と前記補助単位体のうち前記収納部の底面と最も近く配置された単位体は、残りの単位体より横方向及び縦方向のサイズが小さいことを特徴とする請求項16から請求項26のいずれか一項に記載のパウチ型二次電池。
【請求項28】
前記補助単位体に備えられた頂点部位は、前記収納部の内側面の頂点部位に対応されるようにラウンド状となっていることを特徴とする請求項27に記載のパウチ型二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパウチ型二次電池に関し、さらに詳しくは、電気容量の向上に適する構造を有するパウチ型二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
韓国公開特許第2008−0052869号を参照すると、一般的な二次電池の構造が開示されており、さらに詳しくは左右対称であり、直方体形状であるパウチ型二次電池の構造が開示されている。
【0003】
図1は、従来の技術によるパウチ型二次電池の分解斜視図であり、
図1を参照すれば、パウチ型二次電池は一般に、電極タブ11、12が引き出されている電極組立体10、この電極タブにそれぞれ連結されている電極リード13、14の一部が外部に露出し得るように電極組立体10を収納部4に収納するパウチ外装材1を備え、パウチ外装材1が収納部4に収納された状態で上部ケース2と下部ケース3を当接させてシーリングすることによりパウチ型二次電池が製造される。
【0004】
図2は、従来の技術によるパウチ型二次電池に備えられた電極組立体とパウチ外装材との間の空間の部分拡大図である。
【0005】
通常、パウチ外装材1に収納部4を形成する工程は、ディープドローイング工法により行われ、工程中に収納部4の角部分に荷重が集中されて破れることを防止するために収納部4の角はラウンド状に形成され、具体的に底面4Bと内側面4Aの境界だけでなく、横方向内側面4Aと縦方向内側面4Aもラウンド状に形成される。これに反して、電極組立体10の頂点は、
図2に示すように直角を成している。
【0006】
一方、短絡防止のために電極組立体10とパウチ内装材は、特定の間隔以上離隔されなければならず、電極組立体10の頂点と収納部の内側面4Aとの間の間隔D
0が電極組立体10と収納部4との間の最小間隔であるため、前記間隔D
0は短絡防止のための最小間隔以上離隔されなければならない。
【0007】
しかし、
図2で確認できるように電極組立体10の一辺とパウチ外装材1の内側面4Aとの間の間隔D
1は前記間隔D
0より遥かに大きいため、D
1は短絡防止のための最小間隔より遥かに大きく離隔されるしかない。
【0008】
したがって、収納部4の体積より相当小さな体積の電極組立体10が収納部4に収納されるしかなく、これによりパウチ型二次電池の電気容量を増やすことに限界がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前述した問題点を解決するために着想されたものであって、二次電池の電気容量の向上に適する構造を有するパウチ型二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記のような目的を達成するため、本発明の好ましい実施例によるパウチ型二次電池は、電極組立体がパウチ外装材の収納部に収納されているパウチ型二次電池において、前記収納部の内側面の頂点部位はラウンド状となっており、前記電極組立体は(a)互いに同一の個数の電極と分離膜が交互に配置されて一体に結合された1種の基本単位体が繰り返して配置された構造、または(b)互いに同一の個数の電極と分離膜が交互に配置されて一体に結合された2種以上の基本単位体が所定の順に従い配置された構造を有する単位体スタック部を含み、前記分離膜の末端は隣接した分離膜の末端と接合されず、前記(a)の1種の基本単位体は、第1電極、第1分離膜、第2電極及び第2分離膜が順次積層された4層構造や前記4層構造が繰り返して積層された構造を有し、前記(b)の2種以上の基本単位体をそれぞれ1つずつ所定の順に従い積層すれば、前記4層構造や前記4層構造が繰り返して配置された構造が形成され、前記分離膜の頂点部位は前記収納部の内側面の頂点部位に対応されるようにラウンド状となっていることもある。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、二次電池の電気容量の向上に適する構造を有するパウチ型二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
従来の技術によるパウチ型二次電池の分解斜視図である。
【
図2】
従来の技術によるパウチ型二次電池に備えられた電極組立体とパウチ外装材との間の空間の部分拡大図である。
【
図3】
本発明に係るパウチ型二次電池の概略縦断面図である。
【
図4】
本発明に係るパウチ型二次電池に備えられた電極組立体とパウチ外装材との間の空間の部分拡大図である。
【
図6】
図5とは異なる形状の電極を有する基本単位体の平面図である。
【
図7】
小型基本単位体を一構成として有するパウチ型二次電池の縦断面図である。
【
図8】
小型補助単位体を一構成として有するパウチ型二次電池の縦断面図である。
【
図9】本発明に係る基本単位体の第1構造を示している側面図である。
【
図10】本発明に係る基本単位体の第2構造を示している側面図である。
【
図11】
図9の基本単位体の積層により形成される単位体スタック部を示している側面図である。
【
図12】本発明に係る基本単位体の第3構造を示している側面図である。
【
図13】本発明に係る基本単位体の第4構造を示している側面図である。
【
図14】
図12の基本単位体と
図5の基本単位体の積層により形成される単位体スタック部を示している側面図である。
【
図15】本発明に係る基本単位体を製造する工程を示している工程図である。
【
図16】本発明に係る基本単位体と第1補助単位体を含む単位体スタック部の第1構造を示している側面図である。
【
図17】本発明に係る基本単位体と第1補助単位体を含む単位体スタック部の第2構造を示している側面図である。
【
図18】本発明に係る基本単位体と第2補助単位体を含む単位体スタック部の第3構造を示している側面図である。
【
図19】本発明に係る基本単位体と第2補助単位体を含む単位体スタック部の第4構造を示している側面図である。
【
図20】本発明に係る基本単位体と第1補助単位体を含む単位体スタック部の第5構造を示している側面図である。
【
図21】本発明に係る基本単位体と第1補助単位体を含む単位体スタック部の第6構造を示している側面図である。
【
図22】本発明に係る基本単位体と第2補助単位体を含む単位体スタック部の第7構造を示している側面図である。
【
図23】本発明に係る基本単位体と第2補助単位体を含む単位体スタック部の第8構造を示している側面図である。
【
図24】本発明に係る基本単位体と第1補助単位体を含む単位体スタック部の第9構造を示している側面図である。
【
図25】本発明に係る基本単位体、第1補助単位体及び第2補助単位体を含む単位体スタック部の第10構造を示している側面図である。
【
図26】本発明に係る基本単位体と第2補助単位体を含む単位体スタック部の第11構造を示している側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、図を参照して本発明の好ましい実施例を詳しく説明する。しかし、本発明が以下の実施例によって制限されたり限定されたりするものではない。
【0014】
本明細書及び特許請求の範囲に用いられた用語や単語は通常的かつ辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は自分の発明を最良の方法で説明するために用語の概念を適宜定義することができるとの原則に即して、本発明の技術的思想に符合する意味と概念に解釈されなければならない。
【0015】
図で、各構成要素又はその構成要素をなす特定部分の大きさは、説明の便宜及び明確性のため誇張又は省略されるか、概略的に示された。したがって、各構成要素の大きさは、実際の大きさを全的に反映するものではない。関連した公知機能あるいは構成に対する具体的な説明が、不要に本発明の要旨を濁し得ると判断される場合、そのような説明は略する。
【0016】
図3は、本発明に係るパウチ型二次電池の概略縦断面図であり、
図4は本発明に係るパウチ型二次電池に備えられた電極組立体とパウチ外装材との間の空間の部分拡大図である。
【0017】
図3及び
図4を参照すれば、本発明に係るパウチ型二次電池は収納部の内側面4Aの頂点部位がラウンド状となっており、電極組立体100は単位体スタック部を含み、単位体スタック部は1種の基本単位体が繰り返して配置された構造を有するか、2種以上の基本単位体が所定の順に従い、例えば交互に配置された構造を有する。基本単位体110の詳しい構造は後述し、
図3は概路図であるため基本単位体110自体の詳細的な構造は省略されて示されていることを明らかにしておく。
【0018】
図4及び
図5を参照すれば、基本単位体110に備えられた第1分離膜112と第2分離膜114の頂点部位は、収納部の内側面4Aの頂点部位に対応されるようにラウンド状となっている。
図5では電極111、113の頂点部位は直角となっており、分離膜112、114のみラウンド状となっている構造が示されているが、
図6のように分離膜112、114だけでなく、電極111、113もラウンド状となっている構造を採用することもできる。
【0019】
分離膜112、114は電極111、113に比べて熱による変形率が高い。よって、分離膜112、114が収縮しすぎる場合、第1電極111と第2電極113が互いに短絡され得る。
図6に示された構造を採用する場合、
図5に示された構造に比べて、分離膜112、114の収縮による第1電極111と第2電極113の短絡の危険性をさらに低めることができる長所がある。但し、
図6に示された構造の長所に対する説明が、
図5に示された構造が第1電極111と第2電極113が短絡される危険性が相当あることを意味してはいないことを明らかにしておく。
【0020】
分離膜112、114の頂点部位をラウンド状に作製する工程は、レーザカッティング、超音波カッティング、金型カッティングを介して分離膜112、114の頂点を切り取ることによって行われ得る。
【0021】
一方、分離膜112、114は電極111、113に比べて横(または縦)方向のサイズがさらに大きく(
図9及び
図10参照)、したがって電極組立体100の横(または縦)方向の辺は、結局分離膜112、114の横(または縦)方向の辺に該当する。
【0022】
このようにみたとき、本発明は
図2に示された従来の技術とは異なり、電極組立体100の横(または縦)方向の辺と収納部の内側面4Aとの間の間隔D
3が、電極組立体100の頂点と収納部の内側面4Aとの間の間隔D
2と大きく差がなく、従来の技術に比べて電極組立体100と収納部の内側面4Aとの間の間隔D
2、D
3を狭くすることが可能である。よって、従来の技術に比べて本発明は二次電池の電気容量が向上され得る。
【0023】
一方、電気容量の最大化の側面では、前記二つの間隔D
2、D
3は同一であるのが好ましい。但し、ここで、二つの間隔D
2、D
3が同一であることは厳密な数学的意味での同一または辞書的意味での同一だけを意味するものではなく、肉眼で一見した時、差を容易に感じ得る程度の同一性も含む意味として用いられるものであることを明らかにしておく。
【0024】
図7は、小型基本単位体を一構成として有するパウチ型二次電池の縦断面図である。
【0025】
図3のように電極組立体100に備えられた複数個の基本単位体110が全て同一の横縦サイズを有する場合も想定することができるが、これとは異なり
図7に示すように複数個の基本単位体110のうち収納部の底面4Bの方に配置される基本単位体110は、他の基本単位体110より横方向及び縦方向のサイズが小さく形成されることがあり、このように残りの基本単位体110より横方向及び縦方向のサイズが小さい基本単位体110を、小型基本単位体と称する。
【0026】
特に、パウチ外装材1に形成されている収納部の内側面4Aと底面4Bが当接する角がラウンド状となっている場合、電極組立体100が前記のような小型基本単位体を備えれば、二次電池の電気容量を最大化することにさらに有利であるが、その理由は次の通りである。
【0027】
図7において、電極組立体100に備えられた4つの基本単位体110のうち上側の3つの基本単位体110が収納部の内側面4Aと最適の距離だけ離隔されていると仮定する。もし、
図7とは異なり、最下層の基本単位体110が小型基本単位体ではない残りの3つの基本単位体110と同一のサイズを有していれば、最下層の基本単位体110は収納部の内側面4Aに接近しすぎるか、収納部の内側面4Aに接触する可能性が高い。この場合、電極組立体100とパウチ外装材1が互いに短絡される危険性が高くなる。よって、収納部の内側面4Aと底面4Bが当接する角がラウンド状となっている場合には、電極組立体100が小型基本単位体を有するのが好ましく、特に収納部の底面4Bの方に配置される基本単位体110は、小型基本単位体であるのがよい。
【0028】
図8は、小型補助単位体を一構成として有するパウチ型二次電池の縦断面図であって、後で詳しく説明するが、電極組立体100は補助単位体130、140を備えることもあり、
図8は電極組立体100が基本単位体110だけでなく、補助単位体130、140も含んでいる場合を示している。補助単位体130、140の具体的な構成に対しては後述し、補助単位体130、140も基本単位体110と同様に頂点部位が収納部の内側面4Aの頂点部位に対応されるようにラウンド状となっている。
【0029】
もし、収納部の内側面4Aと底面4Bが当接する角がラウンド状となっており、補助単位体130、140が収納部の底面4Bに対向するのであれば、この補助単位体130、140は
図8の3つの基本単位体110より横方向及び縦方向のサイズがさらに小さい補助単位体130、140である小型補助単位体として形成するのが好ましく、これは
図7に対する説明と同一の理由に基づく。
【0030】
図8とは異なり、もし補助単位体130、140が電極組立体100の最上層に位置し、電極組立体100の残りの層は基本単位体110からなる場合であれば、収納部の底面4Bに対向する基本単位体110が小型基本単位体として形成されるが、補助単位体130、140は通常のサイズで形成されるのが好ましい。
【0031】
また他の例示として、もし、電極組立体100の最上層と最下層に補助単位体130、140が位置し、電極組立体100の残りの層は全て基本単位体110からなる場合であれば、二つの補助単位体130、140のうち収納部の底面4Bに対向する補助単位体130、140のみ小型補助単位体として形成され、他の一つの補助単位体130、140は通常のサイズで形成され、基本単位体110等は通常のサイズで形成されるのが好ましい。
【0032】
今までは基本単位体110の構造に対して単純に第1電極111/第1分離膜112/第2電極113/第2分離膜114の順に各層を積層した構造を含むことだけで簡単に説明した。また、基本単位体110を成している互いに別個の層の相対位置を固定して、一つの基本単位体110に作製するか、基本単位体110を含む電極組立体100を作製する具体的な過程に対しても詳しく説明してはいない。
【0033】
よって、実際に基本単位体110を如何なる工程を介して作製し得るのかと、本発明に採用され得る多様な電極組立体100の構造に対して以下で説明する。
【0034】
[基本単位体の構造]
本発明に係る電極組立体における基本単位体は、電極と分離膜が交互に配置されて形成される。この際、電極と分離膜は同数ほど配置される。例えば、
図9で示す通り、基本単位体110aは、2つの電極111、113と2つの分離膜112、114が積層されて形成され得る。この際、正極と負極は当然分離膜を介して互いに対向することができる。基本単位体がこのように形成されると、基本単位体の一側末端に電極(
図9と
図10で図面符号111の電極を参照)が位置することになり、基本単位体の他側末端に分離膜(
図9と
図10で図面符号114の分離膜を参照)が位置することになる。
【0035】
本発明に係る電極組立体は、基本単位体の積層だけで単位体スタック部(すなわち、電極組立体)を形成することができるとの点に基本的な特徴がある。すなわち、本発明は、1種の基本単位体を繰り返して積層するか、2種以上の基本単位体を所定の順に従い積層して単位体スタック部を形成することができるとの点に基本的な特徴がある。このような特徴を具現するため、基本単位体は以下のような構造を有することができる。
【0036】
第一、基本単位体は、第1電極、第1分離膜、第2電極及び第2分離膜が順次積層されて形成され得る。より具体的に、基本単位体110a、110bは、
図9で示しているように、第1電極111、第1分離膜112、第2電極113及び第2分離膜114が上側から下側へ順次積層されて形成されるか、
図10で示しているように第1電極111、第1分離膜112、第2電極113及び第2分離膜114が下側から上側へ順次積層されて形成され得る。このような構造を有する基本単位体を、以下で第1基本単位体と記す。この際、第1電極111と第2電極113は互いに逆の電極である。例えば、第1電極111が正極であれば、第2電極113は負極である。
【0037】
このように第1電極、第1分離膜、第2電極及び第2分離膜が順次積層されて基本単位体が形成されると、
図11で示しているように、1種の基本単位体110aを繰り返して積層することだけでも単位体スタック部100aを形成することができる。ここで、基本単位体は、このような4層構造以外にも8層構造や12層構造を有することができる。すなわち、基本単位体は、4層構造が繰り返して配置された構造を有することができる。例えば、基本単位体は第1電極、第1分離膜、第2電極、第2分離膜、第1電極、第1分離膜、第2電極及び第2分離膜が順次積層されて形成されてもよい。
【0038】
第二、基本単位体は、第1電極、第1分離膜、第2電極、第2分離膜、第1電極及び第1分離膜が順次積層されて形成されるか、第2電極、第2分離膜、第1電極、第1分離膜、第2電極及び第2分離膜が順次積層されて形成され得る。前者の構造を有する基本単位体を以下で第2基本単位体と記し、後者の構造を有する基本単位体を以下で第3基本単位体と記す。
【0039】
より具体的に、第2基本単位体110cは
図12に示されているように、第1電極111、第1分離膜112、第2電極113、第2分離膜114、第1電極111及び第1分離膜112が上側から下側へ順次積層されて形成され得る。また、第3基本単位体110dは、
図13に示されているように、第2電極113、第2分離膜114、第1電極111、第1分離膜112、第2電極113及び第2分離膜114が上側から下側へ順次積層されて形成され得る。これと逆に、下側から上側へ順次積層されて形成されてもよい。
【0040】
第2基本単位体110cと第3基本単位体110dを1つずつのみ積層すれば、4層構造が繰り返して積層された構造が形成される。したがって、第2基本単位体110cと第3基本単位体110dを1つずつ交互に引き続き積層すれば、
図14で示しているように、第2及び第3基本単位体の積層だけでも単位体スタック部100bを形成することができる。
【0041】
このように本発明で1種の基本単位体は、第1電極、第1分離膜、第2電極及び第2分離膜が順次配置された4層構造や、4層構造が繰り返して配置された構造を有する。また、本発明で2種以上の基本単位体をそれぞれ1つずつ所定の順に従い配置すれば、4層構造や4層構造が繰り返して配置された構造が形成される。例えば、前述の第1基本単位体は4層構造を有し、前述の第2基本単位体と第3基本単位体をそれぞれ1つずつ合計2つを積層すれば、4層構造が繰り返して積層された12層構造が形成される。
【0042】
したがって、本発明で1種の基本単位体を繰り返して積層するか、2種以上の基本単位体を所定の順に従い積層すれば、単に積層だけでも単位体スタック部(すなわち、電極組立体)を形成することができる。
【0043】
本発明で単位体スタック部は、基本単位体が基本単位体単位に積層されて形成される。すなわち、先ず基本単位体を製作した後、これを繰り返して、または所定の順に従い積層して単位体スタック部を製作する。このように本発明は、基本単位体の積層だけで単位体スタック部を形成することができる。したがって、本発明は基本単位体を非常に精密に整列させることができる。基本単位体が精密に整列されれば、電極と分離膜も単位体スタック部で精密に整列され得る。また、本発明は、単位体スタック部(電極組立体)の生産性を非常に向上させることができる。工程が非常に単純になるためである。
[基本単位体の製造]
【0044】
図15を参照し、代表的に第1基本単位体を製造する工程に対して検討してみる。先ず、第1電極材料121、第1分離膜材料122、第2電極材料123及び第2分離膜材料124を準備する。ここで、第1分離膜材料122と第2分離膜材料124は互いに同一の材料であり得る。その後、第1電極材料121をカッター(C
1)を介して所定の大きさに切断し、第2電極材料123もカッター(C
2)を介して所定の大きさに切断する。その後、第1電極材料121を第1分離膜材料122に積層し、第2電極材料123を第2分離膜材料124に積層する。
【0045】
その後、ラミネータ(L
1、L
2)で電極材料と分離膜材料を互いに接着させることが好ましい。このような接着で、電極と分離膜が一体に結合された基本単位体が製造可能である。結合の方法は多様であり得る。ラミネータ(L
1、L
2)は、接着のため材料に圧力を加えるか圧力と熱を加える。このような接着は、単位体スタック部を製造する際、基本単位体の積層をより容易にする。また、このような接着は、基本単位体の整列にも有利である。このような接着後に第1分離膜材料122と第2分離膜材料124をカッター(C
3)を介して所定の大きさに切断すれば、基本単位体110aが製造され得る。このような過程中に分離膜の末端は隣接した分離膜の末端と接合されない。
【0046】
このように基本単位体における電極は、隣接した分離膜に接着され得る。または、分離膜が電極に接着されるとみることもできる。この際、電極は分離膜に対向する面で全体的に分離膜に接着されることが好ましい。このようにすれば、電極が安定的に分離膜に固定され得るためである。通常、電極は分離膜より小さい。
【0047】
このため、接着剤を分離膜に塗布することができる。しかし、このように接着剤を利用するためには、接着剤を接着面に亘ってメッシュ(mesh)形態やドット(dot)形態に塗布する必要がある。接着剤を接着面の全体に万遍なく塗布すれば、リチウムイオンのような反応イオンが分離膜を通過することができないためである。したがって、接着剤を利用すれば、電極を全体的に(すなわち、接着面の全体にかけて)分離膜に接着させることはできるとしても、全体的に万遍なく接着させることは困難である。
【0048】
もしくは、接着力を有するコーティング層を備える分離膜を介して全体的に電極を分離膜に接着させることができる。より詳述する。分離膜は、ポリオレフィン系列の分離膜基材のような多孔性の分離膜基材、及び分離膜基材の一面又は両面に全体的にコーティングされる多孔性のコーティング層を含むことができる。 この際、コーティング層は無機物粒子等と無機物粒子等を互いに連結及び固定するバインダー高分子の混合物で形成され得る。
【0049】
ここで、無機物粒子は、分離膜の熱的安定性を向上させることができる。すなわち、無機物粒子は、高温で分離膜が収縮されることを防止することができる。 また、バインダー高分子は、無機物粒子を固定させて分離膜の機械的安定性も向上させることができる。また、バインダー高分子は、電極を分離膜に接着させることができる。バインダー高分子は、コーティング層に全体的に分布するので、 前述の接着剤とは異なり接着面の全体で万遍なく接着が発生し得る。したがって、このような分離膜を利用すれば、電極をより安定的に分離膜に固定させることができる。このような接着を強化するため、前述のラミネータを利用することができる。
【0050】
ところが、無機物粒子等は、充填構造(densely packed structure)をなしてコーティング層で全体的に無機物粒子等の間のインタースティシャルボリューム(interstitial volumes)を形成することができる。この際、無機物粒子等が限定するインタースティシャルボリュームにより、コーティング層には気孔構造が形成され得る。このような気孔構造により、分離膜にコーティング層が形成されているとしてもリチウムイオンが分離膜を良好に通過することができる。参考までに、無機物粒子等が限定するインタースティシャルボリュームは、位置によってバインダー高分子により詰まっていることもある。
【0051】
ここで充填構造は、ガラス瓶に砂利が満たされていることのような構造で説明され得る。したがって、無機物粒子等が充填構造をなすと、コーティング層で局部的に無機物粒子等の間のインタースティシャルボリュームが形成されるのではなく、コーティング層で全体的に無機物粒子等の間のインタースティシャルボリュームが形成される。これにより、無機物粒子の大きさが増加すれば、インタースティシャルボリュームによる気孔の大きさも共に増加する。このような充填構造のため、分離膜の全体面でリチウムイオンが円滑に分離膜を通過することができる。
【0052】
一方、単位体スタック部で基本単位体も基本単位体どうし互いに接着され得る。例えば、
図9で第2分離膜114の下面に接着剤が塗布されるか、前述のコーティング層がコーティングされるのであれば、第2分離膜114の下面に他の基本単位体が接着され得る。
【0053】
この際、基本単位体で電極と分離膜との間の接着力は、単位体スタック部で基本単位体間の接着力より大きいことがある。もちろん、基本単位体間の接着力はないこともある。この通りであれば、電極組立体(単位体スタック部)を分離する時、接着力の差のため基本単位体単位に分離される可能性が高い。参考までに、接着力は剥離力に表現することもできる。例えば、電極と分離膜との間の接着力は、電極と分離膜を互いに取り離すとき必要な力に表現することもできる。このように、単位体スタック部内で基本単位体は、隣接した基本単位体と結合されないか、基本単位体内で電極と分離膜が互いに結合された結合力と異なる結合力で隣接した基本単位体と結合され得る。
【0054】
参考までに、分離膜が前述のコーティング層を含む場合、分離膜に対する超音波融着は好ましくない。分離膜は、通常電極より大きい。これに伴い、第1分離膜112の末端と第2分離膜114の末端とを超音波融着で互いに結合させようとする試みがあり得る。ところが、超音波融着は、ホーンで対象を直接加圧する必要がある。しかし、ホーンで分離膜の末端を直接加圧すれば、接着力を有するコーティング層により分離膜にホーンがくっつくことがある。これにより、装置の故障が齎され得る。
[補助単位体]
【0055】
単位体スタック部は、第1補助単位体と第2補助単位体のうち少なくともいずれか1つをさらに含むことができる。先ず、第1補助単位体に対して検討してみる。本発明における基本単位体は、一側末端に電極が位置し、他側末端に分離膜が位置する。したがって、基本単位体を順次積層すれば、単位体スタック部の最上側や最下側に電極(
図16で図面符号116の電極を参照、以下「末端電極」と記す)が位置することになる。第1補助単位体は、このような末端電極に追加して積層される。
【0056】
より具体的に、末端電極116が正極であれば、第1補助単位体130aは
図16で示しているように、末端電極116から順に、すなわち末端電極116から外側へ分離膜114、負極113、分離膜112及び正極111が順次積層されて形成され得る。また、末端電極116が負極であれば、第1補助単位体130bは
図17で示しているように、末端電極116から順に、すなわち末端電極116から外側へ分離膜114及び正極113が順次積層されて形成され得る。
【0057】
単位体スタック部100d、100eは、
図16と
図17に示されているように、第1補助単位体130a、130bを介して末端電極側の最外側に正極を位置させることができる。この時、最外側に位置する正極、すなわち第1補助単位体の正極は、集電体の両面のうち基本単位体に対向する一面(
図16を基準に下側を向く一面)のみに活物質層がコーティングされることが好ましい。このように活物質層がコーティングされると、末端電極側の最外側に活物質層が位置しなくなるので、活物質層の無駄遣いを防止することができる。参考までに、正極は (例えば)リチウムイオンを放出する構成なので、最外側に正極を位置させると電池容量において有利である。
【0058】
次に、第2補助単位体に対して検討してみる。第2補助単位体は、基本的に第1補助単位体と同様の役割を果たす。より詳述する。本発明における基本単位体は、一側末端に電極が位置し、他側末端に分離膜が位置する。したがって、基本単位体を順次積層すれば、単位体スタック部の最上側や最下側に分離膜(
図18で図面符号117の分離膜を参照、以下「末端分離膜」と記す)が位置することになる。第2補助単位体は、このような末端分離膜に追加して積層される。
【0059】
より具体的に、基本単位体で末端分離膜117に接した電極113が正極であれば、第2補助単位体140aは、
図18で示しているように、末端分離膜117から順に負極111、分離膜112及び正極113が積層されて形成され得る。また、基本単位体で末端分離膜117に接した電極113が負極であれば、第2補助単位体140bは、
図19で示しているように正極111に形成され得る。
【0060】
単位体スタック部100f、100gは、
図18と
図19に示されているように、第2補助単位体140a、140bを介して末端分離膜側の最外側に正極を位置させることができる。この際、最外側に位置する正極、すなわち第2補助単位体の正極も第1補助単位体の正極と同様に、集電体の両面のうち基本単位体に対向する一面(
図18を基準に上側を向く一面)のみに活物質層がコーティングされることが好ましい。
【0061】
ところが、第1補助単位体と第2補助単位体とは、前述の構造と異なる構造を有することもできる。先ず、第1補助単位体に対し検討してみる。
図20で示しているように、末端電極116が正極であれば、第1補助単位体130cは分離膜114及び負極113が末端電極116から順次積層されて形成され得る。また、
図21に示されているように、末端電極116が負極であれば、第1補助単位体130dは分離膜114、正極113、分離膜112及び負極111が、末端電極116から順次積層されて形成され得る。
【0062】
単位体スタック部100h、100iは、
図20と
図21に示されているように、第1補助単位体130c、130dを介して末端電極側の最外側に負極を位置させることができる。
【0063】
次に、第2補助単位体に対して検討してみる。
図22で示しているように、基本単位体で末端分離膜117に接した電極113が正極であれば、第2補助単位体140cは負極111に形成され得る。また、
図23で示しているように、基本単位体で末端分離膜117に接した電極113が負極であれば、第2補助単位体140dは正極111、分離膜112及び負極13が末端分離膜117から順次積層されて形成され得る。単位体スタック部100j、100kは、
図22と
図23に示しているように、第2補助単位体140c、140dを介して末端分離膜側の最外側に負極を位置させることができる。
【0064】
参考までに、負極は、電位差により電池ケース(例えば、パウチ型ケース)のアルミニウム層と反応を引き起こし得る。したがって、負極は分離膜を介して電池ケースから絶縁されることが好ましい。このため、
図20から
図23において、第1及び第2補助単位体は負極の外側に分離膜をさらに含むこともできる。例えば、
図20の第1補助単位体130cに比べ、
図24の第1補助単位体130eは最外側に分離膜112をさらに含むこともできる。参考までに、補助単位体が分離膜を含めば、補助単位体を基本単位体に整列する時に一層容易である。
【0065】
一方、
図25で示しているように、単位体スタック部100mを形成することもできる。基本単位体110bは、下側から上側へ第1電極111、第1分離膜112、第2電極113及び第2分離膜114が順次積層されて形成され得る。この際、第1電極111は正極であってもよく、第2電極113は負極であってもよい。
【0066】
また、第1補助単位体130fは、分離膜114、負極113、分離膜112及び正極111が末端電極116から順次積層されて形成され得る。この際、第1補助単位体130fの正極111は、集電体の両面のうち基本単位体110bに対向する一面のみに活物質層が形成され得る。
【0067】
また、第2補助単位体140eは、末端分離膜117から順次正極(第1正極)111、分離膜112、負極113、分離膜114及び正極(第2正極)118が積層されて形成され得る。この際、第2補助単位体140eの正極のうち最外側に位置した正極(第2正極)118は、集電体の両面のうち基本単位体110bに対向する一面のみに活物質層が形成され得る。
【0068】
最後に、
図26で示しているように、単位体スタック部100nを形成することもできる。基本単位体110eは、上側から下側へ第1電極111、第1分離膜112、第2電極113及び第2分離膜114が積層されて形成され得る。この際、第1電極111は負極であってもよく、第2電極113は正極であってもよい。また、第2補助単位体140fは負極111、分離膜112、正極113、分離膜114及び負極119が末端分離膜117から順次積層されて形成され得る。
【0069】
前述したような本発明の詳細な説明では具体的な実施例に関して説明した。しかし、本発明の範疇から外れない限度内では幾つかの変形が可能である。本発明の技術的思想は本発明の記述した実施例に限って定められてはならず、特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等なものなどによって定められなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明のパウチ型二次電池によれば、二次電池の電気容量の向上に適する構造が提供され得る。