(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ラジカル重合性化合物(B)成分として、さらに1分子内に1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である(b−2)成分を含む請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
(b−1)成分として、1分子あたり4〜6個のアルキレンオキサイドで変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート及び1分子あたり3〜6個のアルキレンオキサイドで変性されたトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのいずれかを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含むラジカル硬化型樹脂組成物である。ここで、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物から有機溶剤を除いた成分である固形分の90質量%以上であることが好ましい。また、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、揮発性有機溶剤削減及び樹脂組成物のリサイクルによる環境負荷低減の観点から、有機溶剤の含有量が1質量%以下である無溶剤系であることが好ましい。
【0023】
・(A)成分
(A)成分は、硬化収縮を低減させることにより、低反り性を向上させる成分である。(A)成分の質量平均分子量は、ゲルパーミネーションカラムクロマトグラフィーのポリスチレン換算で8000〜30000であり、10000〜20000が好ましい。(A)成分の質量平均分子量が8000以上であると光記録媒体の耐高温高湿性が良くなる。質量平均分子量が30000以下であると、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘度が低くなり、作業性が良くなる。また、質量平均分子量が20000以下であると、さらに作業性が良くなる。
【0024】
また、樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物の耐高温高湿性の観点から、(A)成分のガラス転移温度は、80℃以上であることが好ましく、90℃以上であることがより好ましい。なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量計測定により得られるDSC曲線から求めることができ、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状部分の曲線こう配が最大となるような点で引いた接線との交点の温度(補外ガラス転移開始温度)をガラス転移温度とした。
【0025】
(A)成分を構成するための原料である(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル及び(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、及び(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチルなどが挙げられる。これらは1種を単独で使用することができ、あるいは2種以上を併用し、(A)成分として共重合体を用いることもできる。共重合組成を変えることにより、(A)成分ひいては樹脂組成物を所望の物性に調整することができる。例えば、樹脂組成物の硬化物の硬度を高めるためには、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、及び(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルのようなガラス転移温度の高い(メタ)アクリル酸エステルの共重合比率を増やすことが好ましい。また、(B)成分との相溶性を高めるためには、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、及び(メタ)アクリル酸t−ブチルなどの短鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチルなどのヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの共重合比率を増やすことが好ましい。中でも、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの共重合比率を増やすことが好ましい。ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸
エステルの共重合比率は、(B)成分との相溶性の観点から2質量%以上が好ましく、耐高温高湿性の観点から20質量%以下が好ましい。
【0026】
(メタ)アクリル酸エステルは、例えば、「UV・EB硬化ハンドブック−原料編(1985年、高分子刊行会)」などに記載されており、(A)成分の原料として、これらの(メタ)アクリル酸エステルを適宜選択して用いることができる。なお、本発明において、「(メタ)アクリ」は、「アクリ」又は「メタクリ」を示す。
【0027】
(A)成分を得るための重合方法としては、例えば、溶液重合法、懸濁重合法及び乳化重合が挙げられ、重合開始剤、連鎖移動剤、固形分又は反応条件を調整することにより所望の重合体を得ることができる。
【0028】
環境負荷低減の観点から、有機溶剤の含有量が1質量%以下である無溶剤系の樹脂組成物の需要が高まっている。無溶剤系の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に使用する場合、(A)成分が有機溶剤を含まない固形粒子の状態であることが好ましいことから、(A)成分を得るための重合方法としては懸濁重合法が好ましい。
【0029】
(A)成分を得るための懸濁重合方法としては、例えば、水、分散剤及び単量体を含む水性懸濁液中に重合開始剤を添加した後に重合開始剤含有水性懸濁液を加熱して重合を実施し、次いで、重合後の水性懸濁液をろ過、洗浄、脱水及び乾燥する方法が挙げられる。
【0030】
上記の分散剤としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸メチルの共重合体のアルカリ金属塩、ケン化度70〜100%のポリビニルアルコ−ル及びメチルセルロ−スが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用して使用することができる。
【0031】
前記の水性懸濁重合における分散剤の添加量としては、懸濁重合における分散安定性並びに得られる粒状重合体の洗浄性、脱水性、乾燥性及び流動性の点で、重合させる単量体100質量部当たり0.005〜5質量部程度とすることができ、0.01〜1質量部が好ましい。
【0032】
水性懸濁重合の分散安定性向上を目的として、水性懸濁重合に際して炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マンガン等の電解質を使用することができる。
【0033】
前記の重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、及びt−ヘキシルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;過酸化水素、過硫酸ナトリウム、及び過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用して使用することができる。
【0034】
(A)成分に式(1)で示される構造を導入し、質量平均分子量を8000〜30000に調整するためには、連鎖移動剤として、例えば、ビス(ボロンジフルオロジフェニルグリオキシメイト)コバルト(II)等の遷移金属錯体を使用することができる。連鎖移動剤は1種を単独で又は2種以上を併用して使用することができる。遷移金属錯体の中でも、コバルト錯体がより好ましい。連鎖移動剤として遷移金属錯体を使用した場合、得られるポリマーが前記式(1)の構造を有することは、特開平11−124486号公報に開示されている。
【0035】
コバルト錯体としては、例えば、特許第3587530号公報、特公平6−23209号公報、特公平7−35411号公報、USP45269945号公報、USP4694054、USP4837326号公報、USP4886861号公報、USP5324879号公報、WO95/17435号公報、及び特表平9−510499号公報等に記載されているものを使用することができる。
【0036】
具体的には、ビス(ボロンジフルオロジメチルジオキシイミノシクロヘキサン)コバルト(II)、ビス(ボロンジフルオロジメチルグリオキシメイト)コバルト(II)、ビス(ボロンジフルオロジフェニルグリオキシメイト)コバルト(II)、ビシナルイミノヒドロキシイミノ化合物のコバルト(II)錯体、テトラアザテトラアルキルシクロテトラデカテトラエンのコバルト(II)錯体、N,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミノコバルト(II)錯体、ジアルキルジアザジオキソジアルキルドデカジエンのコバルト(II)錯体、及びコバルト(II)ポルフィリン錯体などが挙げられる。
【0037】
これらは一種以上を適宜選択して使用することができる。中でも、水性媒体中に安定に存在し、連鎖移動効果が高いビス(ボロンジフルオロジフェニルグリオキシメイト)コバルト(II)が特に好ましい。
【0038】
連鎖移動剤の添加量としては、(A)成分を構成するための原料である単量体100質量部に対して0.001〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましい。連鎖移動剤の添加量が0.001質量部以上でラジカルの連鎖移動により共重合体の分子量を低下させることができ、さらに連鎖移動剤の添加量を増やすことで、さらに分子量を低下させることができる。また、連鎖移動剤の添加量が10質量部以下で未反応の単量体や連鎖移動剤の残存量を抑制でき、(A)成分の臭気を抑制することができる。
【0039】
前記の水性懸濁重合温度としては、短時間での重合及び重合安定性の点で、50〜130℃が好ましく、60〜100℃がより好ましい。
【0040】
樹脂組成物における(A)成分の使用割合は、(A)成分及び(B)成分の合計量基準で(すなわち(A)成分と(B)成分の合計を100質量%としたとき)、5〜50質量%の範囲内である。下限値は10質量%以上が好ましく、上限値は40質量%以下が好ましい。(A)成分の量が5質量%以上の場合、硬化物の低反り性が良くなる。また、50質量%以下の場合、樹脂組成物の粘度が低くなり、塗装作業性が良くなる。
【0041】
・(B)成分
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物はラジカル重合性化合物である(B)成分を含み、(B)成分として少なくとも(b−1)成分が用いられる。樹脂組成物は、(B)成分として(b−1)成分のみを含んでもよく、あるいは(b−1)成分に加えて(b−2)成分も含むことができる。なお、ラジカル重合性化合物とは、ラジカルにより重合反応を起こす化合物である。
【0042】
(b−1)成分は、樹脂組成物の硬化物を架橋させることにより、硬化物の硬度を高める成分である。また、硬化物のシワなどの外観異常を抑制する成分である。
【0043】
(b−1)成分は、その1分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する。低反り性の観点から、1分子中の(メタ)アクリロイル基の数は6個以下が好ましく、3個以下がより好ましい。
【0044】
(b−1)成分の具体例としては、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート、エチレンオキサイドで変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイドで変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイドで変性されたトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイドで変性されたトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシレーテッドペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシレーテッドペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは一種を単独で用いることもでき、二種以上を併用することもできる。
【0045】
(b−1)成分としては、1分子内に2個又は3個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含むことが好ましく、硬度及び低反り性のバランスの観点から、1分子あたり4〜6個のアルキレンオキサイドで変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、1分子あたり3〜6個のアルキレンオキサイドで変性されたトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが好ましく、1分子あたり4〜6個のエチレンオキサイドで変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1分子あたり4〜6個のプロピレンオキサイドで変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、1分子あたり3〜6個のエチレンオキサイドで変性されたトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及び1分子あたり3〜6個のプロピレンオキサイドで変性されたトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0046】
(b−1)成分の使用割合は、(A)成分及び(B)成分の合計量基準で、20〜90質量%の範囲内が好ましい。下限値は25質量%以上がより好ましい。上限値は70質量%以下がより好ましい。(b−1)成分の量が20質量%以上の場合、硬化物の硬度及び硬化物の外観(平滑性)がより良くなる。また、90質量%以下の場合、硬化物の低反り性がより良くなる。
【0047】
(B)成分には、(b−2)成分である1分子内に1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含むことが好ましい。これは、樹脂組成物の粘度を下げる希釈成分であり、例えば、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−エチル−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−メチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性リン酸(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0048】
これらの中でも、希釈性の観点から、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、及び2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−メチル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0049】
樹脂組成物における(B)成分の使用割合は、(A)成分及び(B)成分の合計量基準で50〜95質量%の範囲内である。下限値60質量%以上が好ましく、上限値は90質量%以下が好ましい。(B)成分の量が50質量%以上の場合、樹脂組成物の粘度が低くなり、塗装作業性が良くなる。また、95質量%以下の場合、硬化物の低反り性が良くなる。
【0050】
・(C)成分
(C)成分は光重合開始剤であり、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を活性エネルギー照射により効率よく硬化させるための成分である。(C)成分の具体例としては、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン}、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、及び2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン及びメチルベンゾイルホルメートが挙げられる。
【0051】
これらの中で、樹脂組成物の硬化性及び硬化物の難黄変性の観点から、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン及び1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトンが好ましい。
【0052】
樹脂組成物における(C)成分の使用割合は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の空気雰囲気中での硬化性の観点から、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対し、1〜20質量部の範囲内とする。下限値は3質量部以上がより好ましく、上限値は10質量部以下がより好ましい。(C)成分の量が1質量部以上の場合、硬化性が良くなる。また、20質量部以下の場合、硬化物が黄変しにくい。
【0053】
・その他
本発明の効果が損なわれない範囲で、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物中に他の成分、例えば、防汚剤、スリップ剤、密着付与剤、熱重合開始剤、酸化防止剤や光安定剤、光増感剤、熱可塑性樹脂、レベリング剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、無機フィラー、有機フィラー及び表面有機化処理した無機フィラー等の公知の添加剤を適宜配合することができる。
【0054】
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を光記録媒体の光透過層用に用いる場合には、ダストやゲル物等の異物の存在による読み取り又は書き込みエラーを防止するために、5μm以上、好ましくは1μm以上の異物を除去できるろ過フィルターを用いてろ過することが好ましい。
【0055】
ろ過フィルターの素材としては、例えば、セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン及びナイロンが挙げられる。
【0056】
本発明の樹脂組成物は、金属、ガラス、セラミックス、紙、木材、プラスチックなどに塗布することができるが、金属上に塗布する場合に特に好適な材料である。なお、金属としては、金、銀、銅、鉄、パラジウム、インジウム、テルル、スズ、亜鉛、イットリウム、セリウム、アルミニウム、チタン、コバルト及びこれらの合金などが挙げられる。
【0057】
本発明の樹脂組成物は、その硬化物の反りが少なく、硬度が高いことから、各種物品の製造に好適に用いられ、特に光記録媒体の製造に好適に用いられる。光記録媒体では、光透過層もしくは保護層として利用できる。光記録媒体としてはブルーレイディスクなどが挙げられる。
【0058】
光記録媒体は、支持基体上に情報記録面を有し、この情報記録面上に光透過層を有する構造を具備することができる。また、この光透過層を通して記録光又は再生光が入射して、情報記録面に情報を記録したり、情報記録面の情報を読み出したりできる。
【0059】
光記録媒体の支持基体としては、例えば、金属、ガラス、セラミックス、プラスチック及びこれらの複合材料が挙げられる。特に、従来の光ディスク製造プロセスを利用できる点で、メチルメタクリレート系樹脂、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィン等の熱可塑性樹脂が好適である。
【0060】
光記録媒体の情報記録面の材料は特に限定されず、読み取り専用型媒体、相変化型記録媒体、ピット形成タイプ記録媒体、光磁気記録媒体等に適用可能な材料を必要に応じて使用することができる。例えば、金、銀、銀・Pd・Cu合金、銀・In・Te・Sb合金、銀・In・Te・Sb・Ge合金、アルミニウム、Al・Ti合金、Ge・Sb・Te合金、Ge・Sn・Sb・Te合金、Sb・Te合金、Tb・Fe・Co合金のような金属単体、合金が使用可能である。また、各種の金属化合物も使用可能である。一方、アゾ化合物などの有機色素も使用可能である。有機色素を使用する場合、有機色素により形成された記録層上に保護層を設けることが好ましい。保護層の材料としては、酸化珪素、特に二酸化珪素や、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化イットリウム等の酸化物;硫化亜鉛、硫化イットリウムなどの硫化物;窒化珪素などの窒化物;炭化珪素;酸化物と硫黄化合物との混合物などが使用可能である。
【0061】
情報記録面の少なくとも一方の側に、情報記録面の保護やレーザー光の反射率を変化させるといった光学的効果を目的として、SiN、ZnS、及びSiO
2等の誘電体層を設けることができる。
【0062】
光透過層は前述の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物であって、その厚みは0.5〜300μmが好ましい。光透過層の厚みは1〜200μmが好ましく、1.5〜150μmがより好ましい。また、情報記録面上への記録及び再生のために波長400nm程度のレーザー光に対する透明性を有していることが好ましい。光透過層に気泡が存在すると読み取り又は書き込みエラーの原因となるため、樹脂組成物は予め真空、超音波振動若しくは遠心回転条件下、又はその組み合わせの条件下において、脱気を行うことが好ましい。
【0063】
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は活性エネルギー線を照射することにより硬化させることができる。
【0064】
活性エネルギー線としては、例えば、α線、β線、γ線、X線、紫外線及び可視光線が挙げられる。作業性及び硬化性の観点から紫外線が特に好ましい。紫外線を照射する光源としては、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンフラッシュランプ、及びLEDランプなどが挙げられる。活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化性及び硬化物の耐摩耗性の観点から、高圧水銀灯及びメタルハライドランプが特に好ましい。
【0065】
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、作業性の観点から、基板上にスピンコート法、スプレーコート法、及びブラシコート法等の公知の塗工方法で塗工されることが好ましい。得られる塗膜の厚みは、硬化後に10〜300μmの厚みになるようにすることが好ましい。また、50〜150μmの厚みにすることがより好ましい。なお、基板とは、支持基体単独、もしくは支持基体上に金属等の無機物又は有機色素等の有機物の情報記録面が形成されたものを指す。
【0066】
上記で得られた塗膜は、活性エネルギー線により硬化され、情報記録面上に活性エネルギー線硬化型樹脂組成物からなる光透過層が形成され、光記録媒体が得られる。
【0067】
上記の塗膜に活性エネルギー線を照射する雰囲気としては、空気中又は窒素、アルゴン等の不活性ガス中のいずれでもよいが、製造コストの点で空気中が好ましい。
【0068】
本発明によれば、硬度及び低反り性に優れた光透過層を有し、耐高温高湿性に優れる光記録媒体が得られる。
【実施例】
【0069】
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を調製し、それを用いて評価用の光記録媒体を作成した。評価項目及びその評価方法を以下に示す。
【0070】
(1)低反り性
IOPC blu Tilt−scanner(商品名。dr.schwab InspectionTechnology GmbH製)を用い、23℃、相対湿度50%環境下にて反り角を測定した。尚、反り角とは、光記録媒体の中心から48mm位置におけるRadial Tiltを意味する。低反り性の判定基準は以下の通りである。
○:反り角の絶対値が0.30°以内。
×:反り角の絶対値が0.30°を超える。
【0071】
(2)硬度
Fischerscope HM2000(商品名。フィッシャースコープ社製)を用い、硬化物のマルテンス硬さを、ISO14577に準じて測定した。なお、圧子としては、ダイヤモンド製の四角錐型、対面角135度のものを使用した。具体的には、圧子を硬化物に対しdF/dt
2(F=荷重、t=経過時間)が一定となるよう10秒間で50mNまで加重し、次いで5秒間クリープさせ、その後加重時と同じ条件で除重させた。硬度の判定基準は以下の通りである。
◎:マルテンス硬さが100N/mm
2超える。
○:マルテンス硬さが50N/mm
2を超え、100N/mm
2以下。
×:マルテンス硬さが50N/mm
2以下。
【0072】
(3)耐高温高湿性
評価用試料(評価用光記録媒体)を、80℃、相対湿度85%の環境下に300時間静置した後、銀合金反射膜及び活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物の外観を目視にて確認した。耐高温高湿性の判定基準は以下の通りである。
○:銀合金反射膜上に腐食が見られなかった。
×:銀合金反射膜上に腐食が見られた。
【0073】
(4)質量平均分子量
ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)「HLC−8120」(東ソー(株)製、商品名)を用いて測定した。カラムとしては、TSKgel G5000HXL*GMHXL−L(東ソー(株)製、商品名)を使用した。また、標準ポリスチレンとして、F288/F80/F40/F10/F4/F1/A5000/A1000/A500(東ソー(株)製、商品名)及びスチレンを使用して検量線を作成した。
【0074】
重合体(アクリルポリマー)をテトラヒドロフランに濃度が0.4質量%になるように溶解した溶液100μlを使用して40℃で測定を行った。標準ポリスチレン換算にて質量平均分子量を算出した。
【0075】
(5)ガラス転移温度
高感度示差走査熱量計{商品名:ThermoplusEVOII/DSC8230、(株)リガク製}を用いて、窒素ガス雰囲気下、α−アルミナをリファレンスとし、JIS−K−7121に準拠して、試料約10mgを常温から120℃まで昇温速度20℃/minで昇温してDSC曲線を得た。このDSC曲線の低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状部分の曲線こう配が最大となるような点で引いた接線との交点の温度(補外ガラス転移開始温度)をガラス転移温度とした。
【0076】
(6)アクリルポリマー構造
重合体(アクリルポリマー)を重クロロホルムに溶解させ、核磁気共鳴装置(商品名:EXcalibur 270 超伝導FT−NMR、日本電子製)にて同定した。
【0077】
[製造例1]分散剤Aの製造
撹拌機、冷却管及び温度計を備えたフラスコ中に脱イオン水900質量部、メタクリル酸2−スルホエチルナトリウム60質量部、メタクリル酸カリウム10質量部及びメタクリル酸メチル12質量部を入れて撹拌し、フラスコ内を窒素置換しながら50℃に昇温した。次いで、フラスコ中に重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩0.08質量部を添加し、更に60℃に昇温した。昇温後、滴下ポンプを使用して、メタクリル酸メチル18質量部を0.24質量部/分の速度で連続的に滴下した。得られた反応溶液を60℃で6時間保持した後、室温に冷却して、透明な水溶液である固形分10質量%の分散剤(以下、分散剤Aという)を得た。
【0078】
[製造例2]連鎖移動剤Aの製造
撹拌装置を備えたフラスコ中に、窒素雰囲気下で、酢酸コバルト(II)四水和物1.00g、ジフェニルグリオキシム1.93g及び予め窒素バブリングにより脱酸素したジエチルエーテル80mlを入れ、室温で30分間攪拌した。次いで、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体10mlを加え、更に6時間攪拌した。得られた反応物を濾過し、固形分をジエチルエーテルで洗浄し、15時間真空乾燥して、赤褐色固体の連鎖移動剤(以下、連鎖移動剤Aという)2.12gを得た。
【0079】
[製造例3]アクリルポリマー(AP−A)の製造
撹拌機、冷却管及び温度計を備えたフラスコ中に、脱イオン水145質量部、硫酸ナトリウム0.1質量部及び分散剤A0.25質量部を入れて撹拌し、均一な水溶液とした。次いで、フラスコ中にアクリルモノマーとしてメタクリル酸メチル95質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル5質量部、連鎖移動剤A0.0030質量部及び1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート0.5質量部の単量体混合物を加え、水性懸濁液とした。この後、フラスコ内を窒素置換し、80℃に昇温して1時間反応させ、更に重合率を上げるため、93℃に昇温して1時間保持した。その後、反応液を40℃に冷却して、水性重合体懸濁液を得た。この水性重合体懸濁液を目開き45μmのナイロン製濾過布で濾過し、濾物を脱イオン水で洗浄し、脱水し、40℃で16時間乾燥し、アクリルポリマー(以下、AP−Aという)を得た。AP−Aの質量平均分子量は9000であり、ガラス転移温度は90℃であった。また、AP−Aには、式(1)においてRがメチル基である構造を有していた。
【0080】
[製造例4]アクリルポリマー(AP−B)の製造
連鎖移動剤Aの量を0.0020質量部に変更する以外は製造例3と同様にしてアクリルポリマー(以下、AP−Bという)を得た。AP−Bの質量平均分子量は、11000であり、ガラス転移温度は98℃であった。また、AP−Bには、式(1)においてRがメチル基である構造を有していた。
【0081】
[製造例5]アクリルポリマー(AP−C)の製造
連鎖移動剤Aの量を0.0014質量部に変更する以外は製造例3と同様にしてアクリルポリマー(以下、AP−Cという)を得た。AP−Cの質量平均分子量は、15000であり、ガラス転移温度は102℃であった。また、AP−Cには、式(1)においてRがメチル基である構造を有していた。
【0082】
[製造例6]アクリルポリマー(AP−D)の製造
連鎖移動剤Aの量を0.0009質量部に変更する以外は製造例3と同様にしてアクリルポリマー(以下、AP−Dという)を得た。AP−Dの質量平均分子量は、26000であり、ガラス転移温度は103℃であった。また、AP−Dには、式(1)においてRがメチル基である構造を有していた。
【0083】
[製造例7]アクリルポリマー(AP−E)の製造
メタクリル酸メチルの量を98質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチルの量を2質量部、連鎖移動剤Aの量を0.0017質量部に変更する以外は、製造例3と同様にしてアクリルポリマー(以下、AP−Eという)を得た。AP−Eの質量平均分子量は15000であり、また、ガラス転移温度は103℃であった。また、AP−Eには、式(1)においてRがメチル基である構造を有していた。
【0084】
[製造例8]アクリルポリマー(AP−F)の製造
メタクリル酸メチルの量を93質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチルの量を7質量部に変更する以外は、製造例5と同様にしてアクリルポリマー(以下、AP−Fという)を得た。AP−Fの質量平均分子量は15000であり、また、ガラス転移温度は102℃であった。また、AP−Fには、式(1)においてRがメチル基である構造を有していた。
【0085】
[製造例9]アクリルポリマー(AP−G)の製造
メタクリル酸メチルの量を100質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチルの量を0質量部、連鎖移動剤Aの量を0.0017質量部に変更する以外は、製造例3と同様にしてアクリルポリマー(以下、AP−Gという)を得た。AP−Gの質量平均分子量は15000であり、また、ガラス転移温度は104℃であった。また、AP−Gには、式(1)においてRがメチル基である構造を有していた。
【0086】
[製造例10]アクリルポリマー(AP−H)の製造
連鎖移動剤Aの量を0.0100質量部に変更する以外は製造例9と同様にしてアクリルポリマー(以下、AP−Hという)を得た。AP−Hの質量平均分子量は、3200であり、ガラス転移温度は57℃であった。また、AP−Hには、式(1)においてRがメチル基である構造を有していた。
【0087】
[製造例11]アクリルポリマー(AP−I)の製造
連鎖移動剤A0.0017質量部をn−ドデシルメルカプタン3.4質量部に変更する以外は製造例9と同様にしてアクリルポリマー(以下、AP−Iという)を得た。AP−Iの質量平均分子量は、15000であり、ガラス転移温度は104℃であった。また、AP−Iには、式(1)で示される構造を有していなかった。
【0088】
[製造例12]ウレタンアクリレート(UA)の製造
攪拌機、温度調節器、温度計及び凝縮器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート(住友バイエルウレタン社製デスモジュールI(商品名):加水分解塩素量60ppm)1112g(10モル当量)、及びジブチル錫ジラウレート0.5gを仕込んでウオーターバスで内温が70℃になるように加熱した。
【0089】
次いで、N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−ヒドロキシプロピルアミド193g(2.4モル当量)とポリブチレングリコール(n=12;数平均分子量:850)1105g(2.6モル当量)を均一に混合溶解させた液を側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を、上記フラスコ中の内容物を撹拌しつつ、フラスコ内温を65〜75℃に保ちながら4時間等速滴下により滴下し、同温度で2時間撹拌して反応させた。次いで、フラスコ内容物の温度を60℃に下げた後、別の滴下ロートに仕込んだ2−ヒドロキシエチルアクリレート581g(5モル当量)とハイドロキノンモノメチルエーテル1.5gを均一に混合溶解させた液をフラスコ内温を55〜65℃に保ちながら2時間等速滴下により滴下した後、フラスコ内容物の温度を75〜85℃に保って4時間反応させて、2官能のウレタンアクリレート(以下、UAという)を製造した。
【0090】
[実施例1]
表1に示す配合割合(質量部)で各原料を配合し、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を調製した。
【0091】
ポリカーボネート樹脂製光ディスク支持基体(直径12cm、板厚1.1mm、反り角0度)の片面に、Ag
98Pd
1Cu
1(原子比)合金を膜厚20nmとなるようにスパッタリング法にて製膜し、鏡面に銀合金反射膜を有する評価用光ディスク基板(反り角0度)を得た。得られた銀合金反射膜上に、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を、空気中、雰囲気温度23℃、相対湿度50%の環境下、スピンコーターを用いて塗工した。さらに、塗工面の上方より、高圧水銀灯を用いて、積算光量1500mJ/cm
2のエネルギー量(UV光量計、UV−351SN型、(株)オーク製作所製にて測定)で紫外線を照射、塗膜を硬化させて、平均膜厚が100μmの硬化物層を有する評価用試料(評価用光記録媒体)を得た。評価結果を表1に示す。
【0092】
[実施例2〜13及び比較例1〜4]
各例において、表1に示す配合割合(質量部)で各原料を配合した以外は実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を調製し、評価用試料を作製した。評価結果を表1に示す。
【0093】
【表1】
【0094】
表1中の略号は、以下の化合物を示す。
・(A)成分(アクリルポリマー)
AP−A:製造例3で得たアクリルポリマー。
AP−B:製造例4で得たアクリルポリマー。
AP−C:製造例5で得たアクリルポリマー。
AP−D:製造例6で得たアクリルポリマー。
AP−E:製造例7で得たアクリルポリマー。
AP−F:製造例8で得たアクリルポリマー。
AP−G:製造例9で得たアクリルポリマー。
【0095】
・(b−1)成分(ラジカル重合性化合物)
FA324A:ジ(メタ)アクリロイルポリエトキシレーテッドビスフェノールA、{商品名:ファンクリルFA−324A、日立化成工業(株)製}。
TMP6E:1分子あたり6個のエチレンオキサイドにより変性されたトリメチロールプロパントリアクリレート、{商品名:アロニックスM−360、東亞合成(株)製}。
UA:製造例12で得た2官能ウレタンアクリレート。
【0096】
・(b−2)成分
PEA:フェノキシエチルアクリレート{商品名:ニューフロンティアPHE、第一工業製薬(株)製}。
2HEA:アクリル酸−2−ヒドロキシエチル{商品名:HEA、大阪有機化学工業(株)製}。
4HBA:アクリル酸−4−ヒドロキシブチル{商品名:4−HBA、大阪有機化学工業(株)製}。
THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート{商品名:ビスコート#150、大阪有機化学工業(株)製}。
【0097】
・(C)成分
HCPK:1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン。
【0098】
・その他
AP−H:製造例10で得たアクリルポリマー。
AP−I:製造例11で得たアクリルポリマー。
APMA:2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート{商品名:カヤマーPM−2、日本化薬(株)製}。なお、APMAは金属への密着付与剤である。
【0099】
実施例1〜13は、低反り性、硬度および耐高温高湿性が良好であった。一方、実施例1の(A)成分をウレタンアクレートに置き換えた比較例1は硬度が不良であり、実施例12の(A)成分をウレタンアクレートに置き換えた比較例2は低反り性が不良であった。また、実施例1の(A)成分を(A)成分以外のアクリルポリマーに置き換えた比較例3および4は耐高温高湿性が不良であった。