(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の化合物(クマリン6)は、熱的安定性の点で液晶表示装置等の表示装置のカラーフィルタに用いられる染料として十分に満足できるものではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の発明を含む。
〔1〕 式(I)で表される化合物。
[式(I)中、
R
1〜R
4は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表すか、R
1及びR
3が結合して隣接するベンゼン環上の炭素原子および隣接する窒素原子とともに環を形成し、R
2及びR
4が結合して隣接するベンゼン環上の炭素原子および隣接する窒素原子とともに環を形成し、または、R
1及びR
2が結合して隣接する窒素原子とともに環を形成する。該1価の炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、−N(R
5)−、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、該1価の炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、−SO
3M、−CO
2M、ヒドロキシ基又はアミノ基に置き換わっていてもよい。
R
5は、水素原子又は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表す。R
5が複数存在する場合、それらは互いに同一又は相異なる。
Mは、水素原子又はアルカリ金属原子を表す。]
〔2〕 R
1〜R
4は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表すか、R
1及びR
3が結合して隣接するベンゼン環上の炭素原子および隣接する窒素原子とともに環を形成し、または、R
2及びR
4が結合して隣接するベンゼン環上の炭素原子および隣接する窒素原子とともに環を形成する〔1〕記載の化合物。
〔3〕 R
1〜R
4は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表すか、R
1及びR
3が結合して隣接するベンゼン環上の炭素原子および隣接する窒素原子とともに環を形成し、並びに、R
2及びR
4が結合して隣接するベンゼン環上の炭素原子および隣接する窒素原子とともに環を形成する〔1〕または〔2〕記載の化合物。
〔4〕 式(II)で表される化合物。
[式(II)中、
R
1及びR
2は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表す。該1価の炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、−N(R
5)−、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、該1価の炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、−SO
3M、−CO
2M、ヒドロキシ基又はアミノ基に置き換わっていてもよい。
R
5は、水素原子又は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表す。R
5が複数存在する場合、それらは互いに同一又は相異なる。
Mは、水素原子又はアルカリ金属原子を表す。]
〔5〕 R
1及びR
2が、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表し、該1価の炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子に置き換わっていてもよく、該1価の炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子に置き換わっていてもよい〔4〕記載の化合物。
〔6〕 〔1〕〜〔5〕のいずれか記載の化合物を含む染料。
【発明の効果】
【0006】
本発明の化合物は、熱的安定性が高いため、液晶表示装置等の表示装置のカラーフィルタに用いられる染料として優れる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の化合物は、式(I)で表される化合物(以下、化合物(I)ということがある。)である。本発明の化合物には、その互変異性体やそれらの塩も含まれる。
[式(I)中、
R
1〜R
4は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表すか、R
1及びR
3が結合して隣接するベンゼン環上の炭素原子および隣接する窒素原子とともに環を形成し、または、R
2及びR
4が結合して隣接するベンゼン環上の炭素原子および隣接する窒素原子とともに環を形成する。該1価の炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、−N(R
5)−、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、該1価の炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、−SO
3M、−CO
2M、ヒドロキシ基又はアミノ基に置き換わっていてもよい。
R
5は、水素原子又は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表す。R
5が複数存在する場合、それらは互いに同一又は相異なる。
Mは、水素原子又はアルカリ金属原子を表す。]
【0008】
式(I)中、R
1〜R
4におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
【0009】
式(I)中、R
1〜R
4における炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、(2−エチル)ブチル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、ペンチル基、イソペンチル基、3−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、2−ペンテニル基、(3−エチル)ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、5−メチルヘキシル基、(2−エチル)ヘキシル基、ヘプチル基、(3−エチル)ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、オクダデシル基等の脂肪族炭化水素基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプチル基、1−メチルシクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、1,2−ジメチルシクロヘキシル基、1,3−ジメチルシクロヘキシル基、1,4−ジメチルシクロヘキシル基、2,3−ジメチルシクロヘキシル基、2,4−ジメチルシクロヘキシル基、2,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,6−ジメチルシクロヘキシル基、3,4−ジメチルシクロヘキシル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,2−ジメチルシクロヘキシル基、3,3−ジメチルシクロヘキシル基、4,4−ジメチルシクロヘキシル基、2,4,6−トリメチルシクロヘキシル基、2,2,6,6−テトラメチルシクロヘキシル基、3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル基などの脂環式炭化水素基;
フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、ベンジル基、フェネチル基、ビフェニリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等の芳香族炭化水素基;
及び、それらの組み合わせによる基が挙げられる。
【0010】
これら1価の炭化水素基を構成するメチレン基が、酸素原子、硫黄原子、−N(R
5)−、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わったり、1価の炭化水素基に含まれる水素原子が、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルバモイル基、スルファモイル基、−SO
3M、−CO
2M、ヒドロキシ基又はアミノ基に置き換わったりした基としては、例えば、
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、(2−エチル)ヘキシルオキシ基等のアルコキシ基;
フェノキシ基等のアリールオキシ基;
ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;
アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基;
【0011】
N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−イソプロピルカルバモイル基、N−ブチルカルバモイル基、N−イソブチルカルバモイル基、N−sec−ブチルカルバモイル基、N−tert−ブチルカルバモイル基、N−ペンチルカルバモイル基、N−(1−エチルプロピル)カルバモイル基、N−(1,1−ジメチルプロピル)カルバモイル基、N−(1,2−ジメチルプロピル)カルバモイル基、N−(2,2−ジメチルプロピル)カルバモイル基、N−(1−メチルブチル)カルバモイル基、N−(2−メチルブチル)カルバモイル基、N−(3−メチルブチル)カルバモイル基、N−シクロペンチルカルバモイル基、N−ヘキシルカルバモイル基、N−(1,3−ジメチルブチル)カルバモイル基、N−(3,3−ジメチルブチル)カルバモイル基、N−ヘプチルカルバモイル基、N−(1−メチルヘキシル)カルバモイル基、N−(1,4−ジメチルペンチル)カルバモイル基、N−オクチルカルバモイル基、N−(2−エチルヘキシル)カルバモイル基、N−(1,5−ジメチル)ヘキシルカルバモイル基、N−(1,1,2,2−テトラメチルブチル)カルバモイル基等のN−1置換カルバモイル基;
N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−エチルメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N,N−プロピルメチルカルバモイル基、N,N−イソプロピルメチルカルバモイル基、N,N−tert−ブチルメチルカルバモイル基、N,N−ブチルエチルカルバモイル基、N,N−ビス(1−メチルプロピル)カルバモイル基、N,N−ヘプチルメチルカルバモイル基、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)カルバモイル基等のN,N−2置換カルバモイル基;
【0012】
N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−イソプロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−イソブチルスルファモイル基、N−sec−ブチルスルファモイル基、N−tert−ブチルスルファモイル基、N−ペンチルスルファモイル基、N−(1−エチルプロピル)スルファモイル基、N−(1,1−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(1,2−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(2,2−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(1−メチルブチル)スルファモイル基、N−(2−メチルブチル)スルファモイル基、N−(3−メチルブチル)スルファモイル基、N−シクロペンチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−(1,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N−(3,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N−ヘプチルスルファモイル基、N−(1−メチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,4−ジメチルペンチル)スルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−(2−エチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,5−ジメチル)ヘキシルスルファモイル基、N−(1,1,2,2−テトラメチルブチル)スルファモイル基等のN−1置換スルファモイル基;
N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−エチルメチルスルファモイル基、N,N−ジエチルスルファモイル基、N,N−プロピルメチルスルファモイル基、N,N−イソプロピルメチルスルファモイル基、N,N−tert−ブチルメチルスルファモイル基、N,N−ブチルエチルスルファモイル基、N,N−ビス(1−メチルプロピル)スルファモイル基、N,N−ヘプチルメチルスルファモイル基、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)スルファモイル基等のN,N−2置換スルファモイル基;
【0013】
N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−イソプロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N−イソブチルアミノ基、N−sec−ブチルアミノ基、N−tert−ブチルアミノ基、N−ペンチルアミノ基、N−(1−エチルプロピル)アミノ基、N−(1,1−ジメチルプロピル)アミノ基、N−(1,2−ジメチルプロピル)アミノ基、N−(2,2−ジメチルプロピル)アミノ基、N−(1−メチルブチル)アミノ基、N−(2−メチルブチル)アミノ基、N−(3−メチルブチル)アミノ基、N−シクロペンチルアミノ基、N−ヘキシルアミノ基、N−(1,3−ジメチルブチル)アミノ基、N−(3,3−ジメチルブチル)アミノ基、N−ヘプチルアミノ基、N−(1−メチルヘキシル)アミノ基、N−(1,4−ジメチルペンチル)アミノ基、N−オクチルアミノ基、N−(2−エチルヘキシル)アミノ基、N−(1,5−ジメチル)ヘキシルアミノ基、N−(1,1,2,2−テトラメチルブチル)アミノ基等のN−アルキルアミノ基;
N,N−ジメチルアミノ基、N,N−エチルメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−プロピルメチルアミノ基、N,N−イソプロピルメチルアミノ基、N,N−tert−ブチルメチルアミノ基、N,N−ブチルエチルアミノ基、N,N−ビス(1−メチルプロピル)アミノ基、N,N−ヘプチルメチルアミノ基、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノ基等のN,N−ジアルキルアミノ基;
【0014】
N−メチルアミノメチル基、N−エチルアミノメチル基、N−プロピルアミノメチル基、N−イソプロピルアミノメチル基、N−ブチルアミノメチル基、N−イソブチルアミノメチル基、N−sec−ブチルアミノメチル基、N−tert−ブチルアミノメチル基、N−ペンチルアミノメチル基、N−(1−エチルプロピル)アミノメチル基、N−(1,1−ジメチルプロピル)アミノメチル基、N−(1,2−ジメチルプロピル)アミノメチル基、N−(2,2−ジメチルプロピル)アミノメチル基、N−(1−メチルブチル)アミノメチル基、N−(2−メチルブチル)アミノメチル基、N−(3−メチルブチル)アミノメチル基、N−シクロペンチルアミノメチル基、N−ヘキシルアミノメチル基、N−(1,3−ジメチルブチル)アミノメチル基、N−(3,3−ジメチルブチル)アミノメチル基、N−ヘプチルアミノメチル基、N−(1−メチルヘキシル)アミノメチル基、N−(1,4−ジメチルペンチル)アミノメチル基、N−オクチルアミノメチル基、N−(2−エチルヘキシル)アミノメチル基、N−(1,5−ジメチル)ヘキシルアミノメチル基、N−(1,1,2,2−テトラメチルブチル)アミノメチル基等のN−アルキルアミノメチル基;
N,N−ジメチルアミノメチル基、N,N−エチルメチルアミノメチル基、N,N−ジエチルアミノメチル基、N,N−プロピルメチルアミノメチル基、N,N−イソプロピルメチルアミノメチル基、N,N−tert−ブチルメチルアミノメチル基、N,N−ブチルエチルアミノメチル基、N,N−ビス(1−メチルプロピル)アミノメチル基、N,N−ヘプチルメチルアミノメチル基、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル基等のN,N−ジアルキルアミノメチル基;
【0015】
トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロイソプロペニル基、ペルフルオロ(1−プロペニル)基、ペルフルオロ(2−プロペニル)基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロイソブチル基、ペルフルオロ(sec−ブチル)基、ペルフルオロ(tert−ブチル)基、ペルフルオロ(2−ブテニル)基、ペルフルオロ(1,3−ブタジエニル)基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロ(イソペンチル)基、ペルフルオロ(3−ペンチル)基、ペルフルオロネオペンチル基、ペルフルオロ(tert−ペンチル)基、ペルフルオロ(1−メチルペンチル)基、ペルフルオロ(2−メチルペンチル)基、ペルフルオロ(2−ペンテニル)基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロイソヘキシル基、ペルフルオロ(5−メチルヘキシル)基、ペルフルオロ(2−エチルヘキシル)基、ペルフルオロヘプチル基、ペルフルオロオクチル基、ペルフルオロノニル基、ペルフルオロデシル基、ペルフルオロウンデシル基、ペルフルオロドデシル基、ペルフルオロオクタデシル基等のフッ素原子を有する脂肪族炭化水素基;
【0016】
ペルフルオロシクロプロピル基、ペルフルオロシクロブチル基、ペルフルオロシクロペンチル基、ペルフルオロシクロヘキシル基、ペルフルオロシクロヘキセニル基、ペルフルオロシクロヘプチル基、ペルフルオロ(1−メチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(2−メチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(3−メチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(4−メチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(1,2−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(1,3−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(1,4−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(2,3−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(2,4−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(2,5−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(2,6−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(3,4−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(3,5−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(2,2−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(3,3−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(4,4−ジメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(2,4,6−トリメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(2,2,6,6−テトラメチルシクロヘキシル)基、ペルフルオロ(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)基等のフッ素原子を有する脂環式炭化水素基;
【0017】
ペルフルオロフェニル基、ペルフルオロ(o−トリル)基、ペルフルオロ(m−トリル)基、ペルフルオロ(p−トリル)基、ペルフルオロキシリル基、ペルフルオロメシチル基、ペルフルオロ(o−クメニル)基、ペルフルオロ(m−クメニル)基、ペルフルオロ(p−クメニル)基、ペルフルオロベンジル基、ペルフルオロフェネチル基、ペルフルオロビフェニリル基、ペルフルオロ(1−ナフチル)基、ペルフルオロ(2−ナフチル)基、1−トリフルオロメチルフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基等のフッ素原子を有する芳香族炭化水素基;
【0018】
ペルフルオロメトキシ基、ペルフルオロエトキシ基、ペルフルオロプロポキシ基、ペルフルオロ(イソプロポキシ)基、ペルフルオロブトキシ基、ペルフルオロ(イソブトキシ)基、ペルフルオロ(sec−ブトキシ)基、ペルフルオロ(tert−ブトキシ)基、ペルフルオロペンチルオキシ基、ペルフルオロフェノキシ基、ペルフルオロベンジルオキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、(ペルフルオロエチル)メトキシ基、(ペルフルオロプロピル)メトキシ基、(ペルフルオロ(イソプロピル))メトキシ基、(ペルフルオロ(イソプロペニル))メトキシ基、(ペルフルオロ(1−プロペニル))メトキシ基、(ペルフルオロ(2−プロペニル))メトキシ基、(ペルフルオロブチル)メトキシ基、(ペルフルオロ(イソブチル))メトキシ基、(ペルフルオロ(sec−ブチル))メトキシ基、(ペルフルオロ(tert−ブチル))メトキシ基、(ペルフルオロ(2−ブテニル))メトキシ基、(ペルフルオロ(1,3−ブタジエニル))メトキシ基、(ペルフルオロペンチル)メトキシ基、(ペルフルオロ(イソペンチル))メトキシ基、(ペルフルオロ(3−ペンチル))メトキシ基、(ペルフルオロ(ネオペンチル))メトキシ基、(ペルフルオロ(tert−ペンチル))メトキシ基、(ペルフルオロ(1−メチルペンチル))メトキシ基、(ペルフルオロ(2−メチルペンチル))メトキシ基、(ペルフルオロ(2−ペンテニル))メトキシ基、(ペルフルオロヘキシル)メトキシ基、(ペルフルオロ(イソヘキシル))メトキシ基、(ペルフルオロ(5−メチルヘキシル))メトキシ基、(ペルフルオロ((2−エチル)ヘキシル))メトキシ基、(ペルフルオロヘプチル)メトキシ基、(ペルフルオロオクチル)メトキシ基、(ペルフルオロノニル)メトキシ基、(ペルフルオロデシル)メトキシ基、(ペルフルオロウンデシル)メトキシ基、(ペルフルオロドデシル)メトキシ基、(ペルフルオロオクタデシル)メトキシ基等のフッ素原子を有する置換オキシ基;
【0019】
2,3−ビス(トリフルオロメチル)フェニルメチル基、2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニルメチル基、2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルメチル基、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニルメチル基、3,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニルメチル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルメチル基等が挙げられる。
【0020】
R
1及びR
2としては、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基が好ましい。該脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基で置き換わっていてもよい。該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基で置き換わっていてもよい。該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基で置き換わっていてもよい。
【0021】
R
1としては、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基が好ましい。中でも、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、(2−エチル)ヘキシル基及びオクチル基がより好ましく、エチル基、ブチル基、ヘキシル基及び(2−エチル)ヘキシル基がさらに好ましく、(2−エチル)ヘキシル基が特に好ましい。R
1がこれらの基である本発明の化合物は溶媒への溶解性に優れる。
【0022】
R
2としては、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基が好ましい。中でも、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、(2−エチル)ヘキシル基及びオクチル基がより好ましく、エチル基、ブチル基、ヘキシル基及び(2−エチル)ヘキシル基がさらに好ましく、ヘキシル基及び(2−エチル)ヘキシル基が特に好ましい。R
2がこれらの基である本発明の化合物は溶媒への溶解性に優れる。
【0023】
R
3及びR
4は、製造し易さの点で、水素原子であることが好ましい。
【0024】
R
1及びR
3が結合して隣接するベンゼン環上の炭素原子および隣接する窒素原子とともに環を形成し、またはR
2及びR
4が結合して隣接するベンゼン環上の炭素原子および隣接する窒素原子とともに環を形成する場合、*−R
1−R
3−*及び*−R
2−R
4−*としては、*−CH
2−CH
2−*、*−CF
2−CF
2−*、*−CH
2−C(CH
2)
5−*、*−CH
2−C(CH
3)
2−*等が挙げられ、*−CH
2−CH
2−*及び*−CH
2−C(CH
3)
2−*が好ましく、その中でも*−CH
2−C(CH
3)
2−*が特に好ましい。*は結合手を表す。
【0025】
R
1及びR
2が結合して隣接する窒素原子とともに環を形成する場合、*−R
1−R
2−*としては、*−(CH
2)
2−*、*−(CH
2)
3−*、*−(CH
2)
4−*、*−(CH
2)
5−*、*−(CH
2)
6−*、*−(CH
2)
7−*、*−(CF
2)
2−*、*−(CF
2)
3−*、*−(CF
2)
4−*、*−(CF
2)
5−*、*−(CF
2)
6−*、*−(CF
2)
7−*等が挙げられ、*−(CH
2)
4−*、*−(CH
2)
5−*、*−(CH
2)
6−*、*−(CF
2)
4−*、*−(CF
2)
5−*及び*−(CF
2)
6−が好ましく、その中でも*−(CH
2)
4−*、*−(CH
2)
5−*及び*−(CH
2)
6−*が好ましく、*−(CH
2)
4−*及び*−(CH
2)
5−*が特に好ましい。*は結合手を表す。
【0026】
R
5における炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、(2−エチル)ブチル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、ペンチル基、イソペンチル基、3−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、2−ペンテニル基、(3−エチル)ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、5−メチルヘキシル基、(2−エチル)ヘキシル基、ヘプチル基、(3−エチル)ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、オクダデシル基等の脂肪族炭化水素基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプチル基、1−メチルシクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、1,2−ジメチルシクロヘキシル基、1,3−ジメチルシクロヘキシル基、1,4−ジメチルシクロヘキシル基、2,3−ジメチルシクロヘキシル基、2,4−ジメチルシクロヘキシル基、2,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,6−ジメチルシクロヘキシル基、3,4−ジメチルシクロヘキシル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,2−ジメチルシクロヘキシル基、3,3−ジメチルシクロヘキシル基、4,4−ジメチルシクロヘキシル基、2,4,6−トリメチルシクロヘキシル基、2,2,6,6−テトラメチルシクロヘキシル基、3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル基等の脂環式炭化水素基;
フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、ベンジル基、フェネチル基、ビフェニリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等の芳香族炭化水素基;
及び、それらを組み合わせた基が挙げられる。
【0027】
Mは、水素原子又はアルカリ金属原子を表し、好ましくは水素原子、ナトリウム原子又はカリウム原子であり、より好ましくは水素原子である。
【0028】
化合物(I)としては、例えば、式(I−1)〜式(I−44)でそれぞれ表される化合物及びそれらの塩が挙げられる。
【0051】
合成のしやすさの観点から、化合物(I)としては、化合物(I−1)〜化合物(I−8)及び化合物(I−15)〜化合物(I−42)が好ましく、その中でも化合物(I−1)〜化合物(I−4)、化合物(I−15)〜化合物(I−32)及び化合物(I−39)〜化合物(I−42)が好ましく、その中でも化合物(I−1)〜化合物(I−4)、化合物(I−15)〜化合物(I−20)、化合物(I−27)〜化合物(I−28)、化合物(I−31)〜化合物(I−32)及び化合物(I−39)〜化合物(I−42)がさらに好ましい。
【0052】
本発明の化合物(I)は、例えば、Dyes and Pigments (2008), 77, 556-558.に記載された方法に準じて製造することができる。
化合物(I)の具体的な製造方法としては、式(a1)で表される化合物、式(a2)で表される化合物及びシアノ酢酸エチルを、安息香酸及び溶媒存在下、環化反応させる方法が挙げられる。反応温度は、0℃〜200℃が好ましく、100℃〜150℃がより好ましい。反応時間は、1時間〜24時間が好ましく、8時間〜16時間がより好ましい。前記溶媒としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−オクタノール又はN−メチルピロリドン等が挙げられ、1−ペンタノールが好ましい。
[式(a1)及び式(a2)中、R
1〜R
4及びMは、それぞれ上記と同じ意味を表す。
]
【0053】
化合物(I)の製造において、式(a1)で表される化合物の使用量は、式(a2)で表される化合物1モルに対して、好ましくは1モル〜10モルであり、より好ましくは1モルであり、さらに好ましくは1モル〜3モルであり、さらにより好ましくは1モルである。
【0054】
化合物(I)の製造において、シアノ酢酸エチルの使用量は、式(a2)で表される化合物1モルに対して、好ましくは1モル〜10モルであり、より好ましくは1モル〜4モルであり、より好ましくは1モル〜3モルであり、より好ましくは1モルである。
【0055】
化合物(I)の製造において、安息香酸の使用量は、式(a2)で表される化合物1モルに対して、好ましくは0.1モル〜3モルであり、さらに好ましくは0.3モル〜3モルであり、さらにより好ましくは0.3モル〜1.2モルであり、特に好ましくは0.3〜0.4モルである。
【0056】
反応混合物から目的化合物である本発明の化合物(I)を取得する方法は特に限定されず、公知の種々の手法が採用できる。例えば、反応混合物の温度を適宜調整する方法、又は反応混合物を化合物(I)が溶解しない溶媒に加える方法で結晶を析出させ、該結晶を濾取することが好ましい。濾取した結晶は、水、アセトニトリル、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−オクタノール、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸、酢酸エチル、ヘキサン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、クロロホルム又はこれらの混合液等の溶媒で洗浄又は再結晶し、次いで乾燥することが好ましい。また必要に応じて、カラムクロマトグラフィー又は再結晶等の公知の手法によってさらに精製してもよい。
【実施例】
【0057】
次に実施例等を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
実施例及び比較例中、含有量や使用量を表す%及び部は、特記ない限り、質量基準である。
【0058】
以下の実施例において、化合物の構造はNMR(JMM−ECA−500;日本電子(株)製)又は質量分析(LC;Agilent製1200型、MASS;Agilent製LC/MSD6130型)で確認した。
【0059】
実施例1
4−アミノ−3−ヒドロキシ安息香酸(東京化成工業(株)製)10.0部、4−(ジエチルアミノ)サリチルアルデヒド(東京化成工業(株)製)12.8部、安息香酸(東京化成工業(株)製)2.73部、1−ペンタノール(東京化成工業(株)製)157部及びシアノ酢酸エチル(東京化成工業(株)製)7.43部を混合し、120℃で3時間攪拌した。シアノ酢酸エチル(東京化成工業(株)製)7.46部、安息香酸(東京化成工業(株)製)2.79部、1−ペンタノール(東京化成工業(株)製)49.8部及び4−(ジエチルアミノ)サリチルアルデヒド(東京化成工業(株)製)12.7部を加え、120℃で14時間攪拌した。シアノ酢酸エチル(東京化成工業(株)製)3.76部、安息香酸(東京化成工業(株)製)1.41部、1−ペンタノール(東京化成工業(株)製)52.5部及び4−(ジエチルアミノ)サリチルアルデヒド(東京化成工業(株)製)6.35部を加え、120℃で8時間攪拌した。上記の反応液を室温まで冷却後、析出した結晶を吸引ろ過の残渣として得た。この残渣にテトラヒドロフラン140部を加え、70℃で1時間撹拌した後、不溶物を吸引ろかの残渣として得た。この残渣にテトラヒドロフラン120部を加え、70℃で1時間撹拌した後、不溶物を吸引ろかの残渣として得た。この残渣にN,N−ジメチルホルムアミド340部を加え、90℃に加熱して溶解させた後、0℃〜5℃で静置した。析出した結晶を吸引ろ過の残渣として得た。この残渣を、60℃で減圧乾燥して、式(I−1)で表される化合物5.69部を得た。
1H−NMRにて構造を確認した。
<式(I−1)で表される化合物の同定>
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6):1.14(6H,t),3.47(4H,q),6.57(1H,d),6.78(1H,dd),7.68(1H,d),7.79(1H,d),7.96(1H,dd),8.15(1H,d),8.80(1H,s),13.11(1H,s)
【0060】
実施例2
4−(ジブチルアミノ)サリチルアルデヒド(東京化成工業(株)製)24.8部、4−アミノ−3−ヒドロキシ安息香酸(東京化成工業(株)製)15.3部、安息香酸(東京化成工業(株)製)4.20部、1−ペンタノール(東京化成工業(株)製)242部及びシアノ酢酸エチル(東京化成工業(株)製)11.3部を混合し、120℃で5時間攪拌した。シアノ酢酸エチル(東京化成工業(株)製)4.61部、安息香酸(東京化成工業(株)製)1.70部、4−(ジブチルアミノ)サリチルアルデヒド(東京化成工業(株)製)10.1部及び1−ペンタノール(東京化成工業(株)製)10.0部を加え、120℃で3時間攪拌した。シアノ酢酸エチル(東京化成工業(株)製)4.60部、安息香酸(東京化成工業(株)製)1.70部、4−(ジブチルアミノ)サリチルアルデヒド(東京化成工業(株)製)10.2部及び1−ペンタノール(東京化成工業(株)製)10.0部を加え、120℃で3時間攪拌した。シアノ酢酸エチル(東京化成工業(株)製)4.61部、安息香酸(東京化成工業(株)製)1.71部及び4−(ジブチルアミノ)サリチルアルデヒド(東京化成工業(株)製)10.3部を加え、120℃で18時間攪拌した。上記の反応液を室温まで冷却後、ヘキサン1900部に加え撹拌した。析出した結晶を吸引ろ過の残渣として得た。この残渣にテトラヒドロフラン328部を加え、60℃で再結晶した。析出した結晶を吸引ろかの残渣として得た。この残渣にテトラヒドロフラン160部を加え撹拌し、不溶物を吸引ろかの残渣として得た。この残渣を、60℃で減圧乾燥して、式(I−3)で表される化合物18.9部を得た。
1H−NMRにて構造を確認した。
<式(I−3)で表される化合物の同定>
1H−NMR(500MHz,DMSO−d
6):0.92(6H,t),1.34(4H,qt),1.54(4H,tt),3.41(4H,t),6.56(1H,d),6.78(1H,dd),7.69(1H,d),7.80(1H,d),7.98(1H,dd),8.17(1H,d),8.82(1H,s),13.11(1H,s).
【0061】
実施例3
4−アミノ−3−ヒドロキシ安息香酸(東京化成工業(株)製)4.32部、4−(ビス(2−エチルヘキシル)アミノ)サリチルアルデヒド(特表2007−508275に記載された方法に準じて合成した)10.2部、安息香酸(東京化成工業(株)製)1.18部、1−ペンタノール(東京化成工業(株)製)68.0部及びシアノ酢酸エチル(東京化成工業(株)製)3.19部を混合し、120℃で3時間攪拌した。この反応溶液に4−(ビス(2−エチルヘキシル)アミノ)サリチルアルデヒド(特表2007−508275に記載された方法に準じて合成した)15.3部、安息香酸(東京化成工業(株)製)1.80部、1−ペンタノール(東京化成工業(株)製)10.0部及びシアノ酢酸エチル(東京化成工業(株)製)4.80部を加え、120℃で12時間攪拌した。上記の反応液を室温まで冷却後、ロータリーエバポレーターで溶媒留去し、残渣を得た。この残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(I−15)で表される化合物6.32部を得た。
<式(I−15)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 547.3
Exact Mass: 546.3
【0062】
実施例4
レゾルシノール(東京化成工業(株)製)275部とn−ヘキシルアミン(東京化成工業(株)製)101部を混合し、150〜155℃で生成する水を除去しながら20時間撹拌した。放冷後、反応混合物をトルエン433部に溶解し、このトルエン溶液を水1000部で3回洗浄した。このトルエン溶液に無水硫酸マグネシウム50部を加えて撹拌した後、ろ過した。ろ液の溶媒を留去して粗生成物を得た。この粗生成物をトルエン234部に溶解し、0℃以下で撹拌し、晶析物を濾過により取り出した。この晶析物を50℃で減圧乾燥して、式(pt1)で表される化合物95.7部を得た。
<式(pt1)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 194.2
Exact Mass: 193.2
【0063】
式(pt1)で表される化合物95.3部と水48.0部を混合し、80℃で撹拌した。続いて、1−ブロモ−2−エチルヘキサン(東京化成工業(株)製)107部を加えながら、80℃で3時間撹拌した後、48%水酸化ナトリウム水溶液22.4部を加えた。この混合物を110℃で18時間撹拌した。放冷後、反応混合物を10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを5に調整し、トルエン130部を加えて撹拌し、トルエン層を抽出した。トルエン抽出液を水500部で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウム25.0部を加えて撹拌し、ろ過した。ろ液の溶媒を留去し、式(pt2)で表される化合物を主成分として含む残渣154部を得た。
<式(pt2)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 306.3
Exact Mass: 305.3
【0064】
得られた式(pt2)で表される化合物を主成分として含む残渣154部とN,N―ジメチルホルムアミド597部を混合し、−6℃〜3℃で撹拌した。これに、液温を−6℃〜3℃に保ちながら、塩化ホスホリル(和光純薬工業(株)製)258部を加えた。この混合物を室温で1時間撹拌した後、60℃で4時間撹拌した。放冷後、反応混合物を氷1500部に加え、48%水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和した。これにトルエン867部を加え、トルエン層を抽出した。このトルエン抽出液を15%塩化ナトリウム水溶液1200部で2回洗浄した。このトルエン抽出液に無水硫酸マグネシウム60.0部を加えて撹拌した後、ろ過した。ろ液の溶媒を留去して残渣を得た。この残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(pt3)で表される化合物94.4部を得た。
<式(pt3)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 334.3
Exact Mass: 333.3
【0065】
4−アミノ−3−ヒドロキシ安息香酸(東京化成工業(株)製)6.89部、式(pt3)で表される化合物15.0部、安息香酸(東京化成工業(株)製)1.87部、1−ペンタノール(東京化成工業(株)製)110部及びシアノ酢酸エチル(東京化成工業(株)製)5.09部を混合し、120℃で3時間攪拌した。この反応溶液に式(pt3)で表される化合物22.5部、安息香酸(東京化成工業(株)製)2.85部、1−ペンタノール(東京化成工業(株)製)10.0部及びシアノ酢酸エチル(東京化成工業(株)製)7.66部を混合し、120℃で12時間攪拌した。上記の反応液を室温まで冷却後、溶媒を留去し、残渣を得た。この残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(I−17)で表される化合物8.86部を得た。
<式(I−17)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 519.3
Exact Mass: 518.3
【0066】
実施例5
レゾルシノール138部に2−エチルヘキシルアミン64.5部を加え、この混合物を150℃〜155℃で生成する水を除去しながら18時間撹拌した。放冷後、反応混合物にトルエン250部を加え、水500部で3回洗浄した。このトルエン溶液に無水硫酸マグネシウム20.0部を加えて撹拌した後、ろ過した。ろ液の溶媒を留去し、式(pt4)で表される化合物を主成分として含む残渣113部を得た。
<式(pt4)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 222.2
Exact Mass: 221.2
【0067】
得られた式(pt4)で表される化合物を主成分として含む残渣を58.5部に水23.0部を加え、撹拌しながら、液温を60℃にした。この温度で、硫酸ジエチル39.3部と48%水酸化ナトリウム水溶液10.6部を加えながら9時間撹拌した。その後、60℃下で5時間撹拌した。放冷後、反応混合物を10%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、トルエン300部を加えた。このトルエン溶液を水500部で3回洗浄した。このトルエン溶液に無水硫酸マグネシウム20.0部加えて撹拌した後、ろ過した。ろ液の溶媒を留去して、式(pt5)で表される化合物を主成分として含む残渣を67.5部得た。
<式(pt5)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 250.2
Exact Mass: 249.2
【0068】
得られた式(pt5)で表される化合物を主成分として含む残渣を67.5部に、N,N−ジメチルホルムアミド323部を加えた。この混合溶液の温度を−6℃〜4℃に保ちながら、オキシ塩化リン105部を加えた。この反応液の温度を室温に戻して1時間撹拌した後、反応液の温度を60℃に上げて3時間撹拌した。放冷後、反応混合物を氷水1500部に加え、撹拌しながら48%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和した。これにトルエン500部を加え、トルエン層を抽出した。このトルエン溶液を水1000部で洗浄した。次に、このトルエン溶液を飽和塩化ナトリウム水溶液1500部で洗浄した。このトルエン溶液に、無水硫酸マグネシウム25.0部を加えて撹拌した後、ろ過した。ろ液の溶媒を留去して残渣を得た。この残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(pt6)で表される化合物36.7部を得た。
<式(pt6)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 278.2
Exact Mass: 277.2
【0069】
4−アミノ−3−ヒドロキシ安息香酸(東京化成工業(株)製)8.28部、式(pt6)で表される化合物15.0部、安息香酸(東京化成工業(株)製)2.25部、1−ペンタノール(東京化成工業(株)製)130部及びシアノ酢酸エチル(東京化成工業(株)製)6.12部を混合し、120℃で3時間攪拌した。この反応溶液に式(pt6)で表される化合物22.5部、安息香酸(東京化成工業(株)製)3.40部、1−ペンタノール(東京化成工業(株)製)10.0部及びシアノ酢酸エチル(東京化成工業(株)製)9.20部を混合し、120℃で12時間攪拌した。上記の反応液を室温まで冷却後、溶媒を留去し、残渣を得た。この残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(I−19)で表される化合物8.75部を得た。
<式(I−19)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 463.2
Exact Mass: 462.2
【0070】
実施例6
4−アミノ−3−ヒドロキシ安息香酸(東京化成工業(株)製)8.01部、2−ヒドロキシ−4−(ピロリジン−1−イル)ベンズアルデヒド(Chem. Commun.2011,47, 2435.に準じて合成した)10.0部、安息香酸(東京化成工業(株)製)2.18部、1−ペンタノール(東京化成工業(株)製)127部及びシアノ酢酸エチル(東京化成工業(株)製)5.91部を混合し、120℃で3時間攪拌した。この反応溶液に2−ヒドロキシ−4−(ピロリジン−1−イル)ベンズアルデヒド(Chem. Commun.2011,47, 2435.に準じて合成した)15.0部、安息香酸(東京化成工業(株)製)3.30部、1−ペンタノール(東京化成工業(株)製)10.0部及びシアノ酢酸エチル(東京化成工業(株)製)8.90部を混合し、120℃で12時間攪拌した。上記の反応液を室温まで冷却後、溶媒を留去し、残渣を得た。この残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(I−39)で表される化合物6.50部を得た。
<式(I−39)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 377.1
Exact Mass: 376.1
【0071】
〔耐熱性評価〕
示差熱熱重量同時測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー製 TG/DTA6200R)を用いて、実施例1〜実施例6でそれぞれ得られた化合物並びにクマリン6(東京化成工業(株)製)の示差走査熱量測定を行った。一回の測定に用いた試料量は5mgであった。測定温度は、最初、25℃から開始し、毎分10℃の速度で昇温し、600℃まで測定した。空気中において重量減少率が5%となる温度T5(空気下)、空気中において重量減少率が10%となる温度T10(空気下)、窒素雰囲気下において重量減少率が5%となる温度T5(窒素下)、および窒素雰囲気下において重量減少率が10%となる温度T10(窒素下)を求めた。結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
表1の結果から、本発明の化合物は熱的安定性が高いことがわかる。
【0073】
実施例7
4−アミノ−3−ヒドロキシ安息香酸(東京化成工業(株)製)9.21部、8−ヒドロキシジュロリジン−9−カルボキシアルデヒド(東京化成工業(株)製)13.1部、安息香酸(東京化成工業(株)製)2.51部、1−ペンタノール(東京化成工業(株)製)145部及びシアノ酢酸エチル(東京化成工業(株)製)6.80部を混合し、120℃で3時間攪拌する。シアノ酢酸エチル(東京化成工業(株)製)10.2部、安息香酸(東京化成工業(株)製)3.80部、8−ヒドロキシジュロリジン−9−カルボキシアルデヒド(東京化成工業(株)製)19.6部及び1−ペンタノール(東京化成工業(株)製)10.0部を加え、120℃で12時間攪拌する。上記の反応液を室温まで冷却後、ロータリーエバポレーターで溶媒留去し、残渣を得る。この残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(I−5)で表される化合物を得る。
【0074】
実施例8
4−アミノ−3−ヒドロキシ安息香酸(東京化成工業(株)製)9.21部、8−ヒドロキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−カルボキシアルデヒド(東京化成工業(株)製)16.4部、安息香酸(東京化成工業(株)製)2.51部、1−ペンタノール(東京化成工業(株)製)145部及びシアノ酢酸エチル(東京化成工業(株)製)6.80部を混合し、120℃で3時間攪拌する。シアノ酢酸エチル(東京化成工業(株)製)10.2部、安息香酸(東京化成工業(株)製)3.80部、8−ヒドロキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−カルボキシアルデヒド(東京化成工業(株)製)24.7部及び1−ペンタノール(東京化成工業(株)製)10.0部を加え、120℃で12時間攪拌する。上記の反応液を室温まで冷却後、ロータリーエバポレーターで溶媒留去し、残渣を得る。この残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(I−7)で表される化合物を得る。