(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
液晶表示板でカラー表示される表示内容の色度が、所期の色度範囲となるように調整された液晶表示装置のバックライトとして利用可能なバックライト光源ユニットの製造方法であって、
青色光を発光可能な青色LEDダイスを用意する工程と、
前記青色LEDダイスの発光面の周囲に、該青色LEDダイスが発する青色光を、該青色光と異なる波長の第一スペクトルに波長変換可能な波長変換部材を配置して、前記青色LEDダイスからの青色光と前記波長変換部材で波長変換された波長変換光とが混色された白色光を発光可能な白色光源を得る工程と、
前記得られた白色光源の内、該白色光源が発する白色光源光の発光スペクトルと、液晶表示装置が備える、赤色光を透過させるRのカラーフィルタ、緑色光を透過させるGのカラーフィルタ、青色光を透過させるBのカラーフィルタの各カラーフィルタの分光透過率とを乗じて得られる色度が、所期の色度範囲となる白色光源を選別する工程と
を含むことを特徴とするバックライト光源ユニットの製造方法。
液晶表示板でカラー表示される表示内容の色度が、所期の色度範囲となるように調整された液晶表示装置のバックライトとして利用可能なバックライト光源ユニットであって、
青色光を発光可能な青色LEDダイスと、
赤色光を発光可能な赤色LEDダイスと、
緑色光を発光可能な緑色LEDダイスと
を含み、前記青色光と赤色光と緑色光とを混色させて白色光を発光可能な一以上の白色光源と、
前記白色光源を実装した実装基板と
を備えており、
前記白色光源が発する白色光の色度が、液晶表示装置の所期の色度範囲と合致せず、かつ、
前記白色光源から発する白色光を、
液晶表示装置が備えるBのカラーフィルタに透過させた青色成分の発光スペクトルと、
液晶表示装置が備えるRのカラーフィルタに透過させた赤色成分の発光スペクトルと、
液晶表示装置が備えるGのカラーフィルタに透過させた緑色成分の発光スペクトルとを混色させた合成スペクトルの色度が、所期の色度範囲に含まれるように構成されてなることを特徴とするバックライト光源ユニット。
【背景技術】
【0002】
液晶のバックライト用光源には、冷陰極管(Cold Cathode Fluorescent Lamp:CCFL)に代わり、水銀を用いない発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)が利用されるようになっている。LEDを用いたバックライトは、CCFLに比べ、長寿命、低消費電力で応答速度に優れ、薄型化し易い等の利点があり、CCFLを置き換えるものとして広く普及している。
【0003】
このようなLEDを用いたバックライト用光源としては、
図1に示すような青色LEDダイスと、その青色光を吸収して異なる波長に変換する波長変換部材(蛍光体)を用いた白色LEDや、赤、緑、青(R、G、B)のそれぞれに発光する3種類のLEDダイスを搭載した白色LED(3in1タイプ)、また、RGBのLEDダイスをそれぞれ別のLEDに搭載してバックライト全体で白色LEDとしたものが知られている。蛍光体を用いる白色LEDの場合蛍光体は1種類でもよく、また、
図2に示すように二種類以上の蛍光体を用いることもできる。これら白色LEDからの光を、液晶側に設けたR、G、Bカラーフィルタを介することで、カラー表示が可能な液晶表示装置とすることができる。
【0004】
このような白色発光の液晶バックライト用光源を用いてフルカラーの液晶表示を表現するためには、上述の通りR、G、Bのカラーフィルタを組み合わせる必要がある。各カラーフィルタは、
図3のグラフに示すように、R、G、Bに対応する特定の波長域の光のみをそれぞれ透過させる。例えば、青色光については、
図3のBのカラーフィルタを通過させることで、
図4に示すように白色光から青色光の発光スペクトルが得られる。これによって
図5の模式図に示すように、白色LED1wからの白色光を一旦R、G、Bフィルタ58r、58g、58bを通すことで赤色光、緑色光、青色光に分光させ、各色毎の表示を得た後、最終的にこれらを合成することでフルカラーの表示を得ている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
半導体発光素子であるLEDダイスは、その発光波長に個体差がある。例えば、青色LEDダイスの場合、同じウエハから切り出された青色LEDダイスであっても、そのピーク波長が440nm〜470nの範囲でばらつきを生じることが知られている。そのため、蛍光体と組み合わせる白色LEDの場合、まず青色LEDダイスをピーク波長で選別した後、その選別した青色LEDダイスに合わせて蛍光体の量や組成を調整することで、所望の色度の白色LEDとしている。つまり、同じ色調ランクの白色LEDであっても、その発光スペクトルが異なるものが混在していることになる。
【0007】
一例として、ピーク波長が440nm、445nm、450nm、455nmの4種類の青色LEDダイスと、この青色LEDダイスを励起光源として黄色の蛍光を発する蛍光とを組み合わせた白色LEDの発光スペクトルを、
図6Aに示す。これら4つのスペクトルから得られる色度点を、
図14に示す色度図上で表すと、4つの白色LEDの色度は、図の左下に示す(x、y)=(0.281,0.246)の略一点に重なる。
図14においては(0.281,0.246)の位置に■のみが表示されているように見えるが、440nm、445nm、450nm、455nmの4点が重なっている。さらに
図6Aのグラフに、R、G、Bの液晶用カラーフィルタの光透過率を重ねたグラフを、
図6Bに示す。この図に示す例では、Bのカラーフィルタの光透過率のピークは、480nm付近にあって各青色LEDダイスのピーク波長よりも長波長側に位置しているため、各青色LEDダイスのピーク波長が分布する領域では急峻な変化(長波長側から短波長側にかけての勾配が急峻な下り勾配(左肩下がり勾配)を示している。そのため、青色LEDダイスとカラーフィルタの組み合わせによっては、青色光の透過率が大きく変化する結果、カラーフィルタを通過して最終的に得られる光、すなわち、液晶表示装置として得られる光は、
図7に示すように、特に青色光の成分も大きく変化し、色度も異なることとなる。
図7に示す4つのスペクトルから得られる色度点を、
図14に示す色度図上に表すと、図中の右上に示す4点のように、色度がそれぞれ全く異なる位置に表される。特に、同じ白色LEDでも、
図6Aに示した白色LEDのスペクトルのうち、青色LEDダイスのピーク波長が短波側である白色LEDの方が、青色のカラーフィルタの光透過率が低下する傾向にあることから、カラーフィルタ透過後の色度のシフト量も大きくなる。
【0008】
本発明は、従来のこのような問題点に鑑みてなされたものである。本発明の主な目的は、液晶表示の品質を一定に揃えることが可能なバックライト光源ユニット及びその製造方法並びに液晶表示装置を提供することにある。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の一の側面に係るバックライト光源ユニットの製造方法によれば、液晶表示板でカラー表示される表示内容の色度が、所期の色度範囲となるように調整された液晶表示装置のバックライトとして利用可能なバックライト光源ユニットの製造方法であって、青色光を発光可能な青色LEDダイスを用意する工程と、前記青色LEDダイスの発光面の周囲に、該青色LEDダイスが発する青色光を、該青色光と異なる波長の第一スペクトルに波長変換可能な波長変換部材を配置して、前記青色LEDダイスからの青色光と前記波長変換部材で波長変換された波長変換光とが混色された白色光を発光可能な白色光源を得る工程と、前記得られた白色光源の内、該白色光源が発する白色光源光の発光スペクトルと、液晶表示装置が備える、赤色光を透過させるRのカラーフィルタ、緑色光を透過させるGのカラーフィルタ、青色光を透過させるBのカラーフィルタの各カラーフィルタの分光透過率とを乗じて得られる色度が、所期の色度範囲となる白色光源を選別する工程とを含む。これにより、カラーフィルタ透過後の分光を合成した合成光の発光スペクトルが、所期の色度範囲内に収まる白色光源を選別でき、色ずれを抑えて品質の揃った液晶表示装置を実現できる。
【0010】
また、他の側面に係る液晶表示装置によれば、前記青色LEDダイスが発する青色光で励起されて、該青色光と異なる波長の第一スペクトルに波長変換可能な波長変換部材とを含み、前記青色光と第一スペクトルの波長変換光とを混色させて白色光を発光可能な一以上の白色光源と、前記白色光源からの光の少なくとも一部を入光させて、R成分の発光スペクトルに分光するためのRカラーフィルタと、前記白色光源からの光の少なくとも一部を入光させて、G成分の発光スペクトルに分光するためのGカラーフィルタと、前記白色光源からの光の少なくとも一部を入光させて、B成分の発光スペクトルに分光するためのBカラーフィルタと、前記R、G、Bカラーフィルタを組み合わせて、前記白色光源からの光でもってカラー表示可能な液晶表示板とを備え、前記液晶表示板でカラー表示される表示内容の色度が、所期の色度範囲となるように調整された液晶表示装置であって、前記白色光源が発する白色光の色度が、液晶表示装置の所期の色度範囲と合致せず、かつ、青色成分の発光スペクトルを、Bのカラーフィルタに透過させた後の発光スペクトルと、赤色成分の発光スペクトルを、Rのカラーフィルタに透過させた後の発光スペクトルと、緑色成分の発光スペクトルを、Gのカラーフィルタに透過させた後の発光スペクトルとを混色させた合成スペクトルの色度が、所期の色度範囲に含まれるようにしている。
【0011】
さらに、他の側面に係る液晶表示装置によれば、青色光を発光可能な青色LEDダイスと、赤色光を発光可能な赤色LEDダイスと、緑色光を発光可能な緑色LEDダイスとを含み、前記青色光と赤色光と緑色光とを混色させて白色光を発光可能な一以上の白色光源と、前記白色光源からの光の少なくとも一部を入光させて、R成分の発光スペクトルに分光するためのRカラーフィルタと、前記白色光源からの光の少なくとも一部を入光させて、G成分の発光スペクトルに分光するためのGカラーフィルタと、前記白色光源からの光の少なくとも一部を入光させて、B成分の発光スペクトルに分光するためのBカラーフィルタと、前記R、G、Bカラーフィルタを組み合わせて、前記白色光源からの光でもってカラー表示可能な液晶表示板とを備え、前記液晶表示板でカラー表示される表示内容の色度が、所期の色度範囲となるように調整された液晶表示装置であって、前記白色光源が発する白色光の色度が、液晶表示装置の所期の色度範囲と合致せず、かつ、青色成分の発光スペクトルを、Bのカラーフィルタに透過させた後の発光スペクトルと、赤色成分の発光スペクトルを、Rのカラーフィルタに透過させた後の発光スペクトルと、緑色成分の発光スペクトルを、Gのカラーフィルタに透過させた後の発光スペクトルとを混色させた合成スペクトルの色度が、所期の色度範囲に含まれるよう構成できる。
【0012】
さらにまた、他の側面に係るバックライト光源ユニットによれば、液晶表示板でカラー表示される表示内容の色度が、所期の色度範囲となるように調整された液晶表示装置のバックライトとして利用可能なバックライト光源ユニットであって、青色光を発光可能な青色LEDダイスと、前記青色LEDダイスが発する青色光で励起されて、該青色光と異なる波長の第一スペクトルに波長変換可能な波長変換部材とを含み、前記青色光と第一スペクトルの波長変換光とを混色させて白色光を発光可能な一以上の白色光源と、前記白色光源を実装した実装基板とを備えており、前記白色光源が発する白色光の色度が、液晶表示装置の所期の色度範囲と合致せず、かつ、前記白色光源から発する白色光を、液晶表示装置が備えるBのカラーフィルタに透過させた青色成分の発光スペクトルと、液晶表示装置が備えるRのカラーフィルタに透過させた赤色成分の発光スペクトルと、液晶表示装置が備えるGのカラーフィルタに透過させた緑色成分の発光スペクトルとを混色させた合成スペクトルの色度が、所期の色度範囲に含まれるように構成できる。
【0013】
さらにまた、他の側面に係るバックライト光源ユニットによれば、液晶表示板でカラー表示される表示内容の色度が、所期の色度範囲となるように調整された液晶表示装置のバックライトとして利用可能なバックライト光源ユニットであって、青色光を発光可能な青色LEDダイスと、赤色光を発光可能な赤色LEDダイスと、緑色光を発光可能な緑色LEDダイスとを含み、前記青色光と赤色光と緑色光とを混色させて白色光を発光可能な一以上の白色光源と、前記白色光源を実装した実装基板とを備えており、前記白色光源が発する白色光の色度が、液晶表示装置の所期の色度範囲と合致せず、かつ、前記白色光源から発する白色光を、液晶表示装置が備えるBのカラーフィルタに透過させた青色成分の発光スペクトルと、液晶表示装置が備えるRのカラーフィルタに透過させた赤色成分の発光スペクトルと、液晶表示装置が備えるGのカラーフィルタに透過させた緑色成分の発光スペクトルとを混色させた合成スペクトルの色度が、所期の色度範囲に含まれるように構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】青色LEDダイスと黄色蛍光体を組み合わせた白色発光LEDを示す模式断面図である。
【
図2】青色LEDダイスと赤色蛍光体及び緑色蛍光体を組み合わせた白色発光LEDを示す模式断面図である。
【
図3】液晶用のR、G、Bカラーフィルタの分光透過率を示すグラフである。
【
図4】白色光にBのカラーフィルタを通過させて青色光の発光スペクトルを得る様子を示すグラフである。
【
図5】白色LEDからの白色光をR、G、Bのカラーフィルタで分離して、再び白色光を得る様子を示す模式図である。
【
図6】
図6Aはピーク波長が440nm、445nm、450nm、455nmの4種類の白色LEDの発光スペクトルを示すグラフであり、
図6Bは
図6Aの白色LEDの発光スペクトルと、R、G、Bの液晶用カラーフィルタの光透過度を重ねた分光特性を示すグラフである。
【
図7】
図6の白色LEDの発光スペクトルが、カラーフィルタを経て変化した様子を示すグラフである。
【
図8】第一実施形態に係る液晶表示装置の概略構成を示す模式図である。
【
図9】
図1の液晶表示装置のバックライト光源ユニットを示す模式断面図である。
【
図12】第三実施形態に係る液晶表示装置の概略構成を示す模式図である。
【
図13】第四実施形態に係る液晶表示装置の概略構成を示す模式図である。
【
図14】従来のバックライト光源ユニットで出力される白色光の色度がR、G、Bカラーフィルタによって色度座標上をシフトする様子を示すグラフである。
【
図15】第一実施形態に係るバックライト光源ユニットで出力される白色光の色度がR、G、Bカラーフィルタによって色度座標上をシフトする様子を示すグラフである。
【
図16】
図16Aは実施例1に係るバックライト光源ユニットの発光スペクトル、
図16Bは
図16Aの発光スペクトルがカラーフィルタを通じて変化した様子を示すグラフである。
【
図17】
図17Aは実施例2に係るバックライト光源ユニットの発光スペクトル、
図17Bは
図17Aの発光スペクトルがカラーフィルタを通じて変化した様子を示すグラフである。
【
図18】
図18Aは実施例3に係るバックライト光源ユニットの発光スペクトル、
図18Bは
図18Aの発光スペクトルがカラーフィルタを通じて変化した様子を示すグラフである。
【
図19】
図19Aは実施例4に係るバックライト光源ユニットの発光スペクトル、
図19Bは
図19Aの発光スペクトルがカラーフィルタを通じて変化した様子を示すグラフである。
【
図20】ピーク波長が440nm、445nm、450nm、455nmの4種類の青色LEDダイスと、この青色LEDダイスを励起光源として黄色の蛍光を発する蛍光とを組み合わせた白色発光LEDの発光スペクトルと、R、G、Bの液晶用カラーフィルタの光透過度を重ねた分光特性を示すグラフである。
【
図21】
図20の白色LEDの発光スペクトルが、カラーフィルタを経て変化する様子を示すグラフである。
【
図22】実施例1〜4に係る白色LEDを用いた液晶表示装置の白色の色度を示す色度図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を実施するための最良の形態を、以下に図面を参照しながら説明する。ただし、以下に示す形態は、本発明の技術思想を具体化するためのバックライト光源ユニット及びその製造方法並びに液晶表示装置を例示するものであって、以下に限定するものではない。また、本明細書は、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細な説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一部の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一部の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
【0016】
本発明の実施の形態に係るバックライト光源ユニットの製造方法によれば、前記白色光源を選別する工程が、該白色光源から発する白色光の光源光を、液晶表示装置が備えるBのカラーフィルタに透過させた青色成分の発光スペクトルと、液晶表示装置が備えるRのカラーフィルタに透過させた赤色成分の発光スペクトルと、液晶表示装置が備えるGのカラーフィルタに透過させた緑色成分の発光スペクトルとを混色させた合成スペクトルの色度が、所期の色度範囲に含まれるよう、前記白色光源の発光スペクトルと、各カラーフィルタの分光透過率とを乗じて得られる色度でもって、白色光源を選別することができる。
【0017】
さらに、他の実施の形態に係るバックライト光源ユニットの製造方法によれば、前記白色光源が発する白色光の色度が、液晶表示装置の所期の色度範囲に含まれないこととできる。
【0018】
さらにまた、他の実施の形態に係るバックライト光源ユニットの製造方法によれば、前記波長変換部材が蛍光体であり、該蛍光体の励起光又は蛍光の波長を、R、G、Bのカラーフィルタに透過させた発光スペクトルを混色させた合成スペクトルの色度が、所期の色度範囲に含まれるように、前記白色光源を選別できる。
【0019】
さらにまた、他の実施の形態に係るバックライト光源ユニットの製造方法によれば、前記波長変換部材が、複数種類の蛍光体であって、該複数種類の蛍光体を混合して、合成スペクトルの色度が所期の色度範囲に含まれるように前記白色光源を選別できる。
【0020】
さらにまた、他の実施の形態に係るバックライト光源ユニットの製造方法によれば、前記波長変換部材を、黄色乃至黄緑色に蛍光可能な蛍光体とできる。
【0021】
さらにまた、他の実施の形態に係るバックライト光源ユニットの製造方法によれば、前記波長変換部材を、YAG蛍光体とできる。
【0022】
さらにまた、他の実施の形態に係るバックライト光源ユニットの製造方法によれば、前記波長変換部材を、赤色に蛍光可能な蛍光体と、緑色に蛍光可能な蛍光体とできる。
【0023】
さらにまた、他の実施の形態に係るバックライト光源ユニットの製造方法によれば、前記青色LEDダイスを、主ピーク波長が440nm〜470nmの範囲とできる。
【0024】
さらにまた、他の実施の形態に係るバックライト光源ユニットの製造方法によれば、前記白色光源が複数あり、該複数の白色光源にそれぞれ含まれる前記青色LEDダイスの内、ピーク波長の最も長いものと短いものとの差を、5nm以上とできる。
【0025】
さらにまた、他の実施の形態に係る液晶表示装置によれば、前記波長変換部材が蛍光体であり、該蛍光体の励起光又は蛍光の波長を、R、G、Bのカラーフィルタに透過させた発光スペクトルを混色させた合成スペクトルの色度が、所期の色度範囲に含まれるように構成できる。
【0026】
さらにまた、他の実施の形態に係る液晶表示装置によれば、前記白色光源が複数あり、該複数の白色光源にそれぞれ含まれる前記青色LEDダイスの内、発光ピーク波長の最もピーク波長の長いものと短いものとの差を、5nm以上とできる。
【0027】
さらにまた、他の実施の形態に係る液晶表示装置によれば、前記波長変換部材を、黄色乃至黄緑色に蛍光可能な蛍光体とできる。
【0028】
さらにまた、他の実施の形態に係る液晶表示装置によれば、前記波長変換部材を、YAG蛍光体とできる。
【0029】
さらにまた、他の実施の形態に係る液晶表示装置によれば、前記波長変換部材を、赤色に蛍光可能な蛍光体と、緑色に蛍光可能な蛍光体とできる。
【0030】
さらにまた、他の実施の形態に係るバックライト光源ユニットによれば、前記波長変換部材が蛍光体であり、該蛍光体の励起光又は蛍光の波長を、R、G、Bのカラーフィルタに透過させた発光スペクトルを混色させた合成スペクトルの色度が、所期の色度範囲に含まれるように構成できる。
【0031】
さらにまた、他の実施の形態に係るバックライト光源ユニットによれば、前記白色光源が複数あり、該複数の白色光源にそれぞれ含まれる前記青色LEDダイスの内、発光ピーク波長の最もピーク波長の長いものと短いものとの差を、5nm以上とできる。
【0032】
さらにまた、他の実施の形態に係るバックライト光源ユニットによれば、前記波長変換部材を、黄色乃至黄緑色に蛍光可能な蛍光体とできる。
【0033】
さらにまた、他の実施の形態に係るバックライト光源ユニットによれば、前記波長変換部材を、YAG蛍光体とできる。
【0034】
さらにまた、他の実施の形態に係るバックライト光源ユニットによれば、前記波長変換部材を、赤色に蛍光可能な蛍光体と、緑色に蛍光可能な蛍光体とできる。
(第一実施形態)
【0035】
図8に、本発明の第一実施形態に係る液晶表示装置1000の概略構成を示す。この図に示す液晶表示装置1000は、バックライト光源ユニット100と、液晶表示板50から構成される。バックライト光源ユニット100は、筐体30と、一以上の白色LED10と、これを実装する実装基板20と、拡散シート32で構成される。更に図示しないが、拡散シート32と偏光板51との間に、輝度上昇フィルムとしてBEF(Brightness Enhancement Film)や、反射型偏光フィルムとしてDBEF(Dual Brightness Enhancement Film)等のフィルムを用いてもよい。
【0036】
白色LED10は、筐体30に収容されており、白色光を出射するものである。拡散シート32は、白色LED10の出射光を拡散させることにより、面内の輝度むらを均すものである。
【0037】
一方液晶表示板50は、偏光板51、TFT(Thin Film Transistor)基板52、電極53、配光膜54、液晶層55、配光膜56、電極57、カラーフィルタ層58、ガラス基板59および偏光板60で構成される。
【0038】
偏光板51,60は、特定の方向に振動する光を形成するものである。配光膜54,56は、液晶層55に含まれる液晶分子を一定方向に配列させるためのものである。TFT基板52および電極53,57は、液晶層55に含まれる液晶分子の方向をサブピクセル毎に変更するものである。カラーフィルタ層58は、サブピクセル毎に青色、緑色および赤色のカラーフィルタが配列されたものである。
(バックライト光源ユニット100)
【0039】
図8の液晶表示装置1000に備えられたバックライト光源ユニット100の模式断面図を、
図9に示す。この図に示すバックライト光源ユニット100は、白色光を発光可能な一以上の白色LED10と、この白色LED10を実装した実装基板20とで構成される。
(白色LED10)
【0040】
白色LED10の一例を、
図10及び
図11に示す。これらの図において、
図10は白色LED10の斜視図を、
図11は断面図を、それぞれ示している。白色LED10は、青色光を発光可能な青色LEDダイス1と、この青色LEDダイス1が発する青色光で励起されて、青色光とは異なる波長の第一スペクトルに波長変換可能な波長変換部材とを備えている。これにより白色LED10は、青色光と第一スペクトルの波長変換光とを混色させて、白色光を発光可能としている。
【0041】
この例では、白色LED10は、パッケージ12、リード14、青色LEDダイス1、透光性封止材16、波長変換部材として黄色蛍光体41を備えている。黄色蛍光体41は、シリコーン等からなる透光性封止材16の内部に分散されている。
【0042】
青色LEDダイス1は、440nm〜470nmの波長域に発光ピークのピーク波長を有する青色光を出射する。このような青色LEDダイス1としては、例えば窒化ガリウム等の窒化物半導体のLEDダイスが好適に利用できる。窒化物半導体としては、一般式がIn
xAl
yGa
1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)が挙げられる。これらの窒化物半導体層は、それぞれ単層構造でもよいが、組成及び膜厚等の異なる層の積層構造、超格子構造等であってもよい。特に、発光層は、量子効果が生ずる薄膜を積層した単一量子井戸又は多重量子井戸構造であることが好ましい。
【0043】
図10、
図11に示す例では、白色LED10の電極形成面を主光取出し面として実装基板20上に実装したフェイスアップ実装を採用している。このためワイヤなどを用いて、リード14と配線する必要がある。ただ、本発明は白色LEDの実装方法をフェイスアップ実装に限定せず、
図1及び
図2に示すように、電極形成面と対向する成長基板側を主光取出し面とするフェイスダウン実装(フリップチップ実装とも呼ばれる。)を採用することもできる。
【0044】
(黄色蛍光体41)
さらに黄色蛍光体41は、青色LEDダイス1の出射光の一部を吸収して、510nm〜600nmの波長域に発光ピークを持つ黄色光を出射する。このような黄色蛍光体41としては、例えば、Y
3Al
5O
12:Ce
3+、Tb
3Al
5O
12:Ce
3+、(Y
0.8Gd
0.2)
3Al
5O
12:Ce、BaY
2SiAl
4O
12:Ce
3+、M
2SiO
4:Eu
2+(Mは、Ca、Sr、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。)、Lu
3Al
5O
12:Ce
3+(LAG)等が利用できる。また、必要に応じてCASNやSCASN等の赤色蛍光体を追加してもよい。
(第二実施形態)
【0045】
以上の例では、白色LEDとして、青色LEDダイスと黄色蛍光体、場合によっては、青色LEDダイスと黄色蛍光体と赤色蛍光体と、を組み合わせた例を説明したが、本発明はこの構成に限られず、白色LEDとして例えば、青色LEDダイスと、この青色LEDダイスで励起されて緑色に発光する緑色蛍光体と、赤色に発光する赤色蛍光体とを組み合わせた白色LEDを利用することもできる。このような白色LEDの例を、第二実施形態として
図2の模式断面図に示す。この図に示す白色LED10Bは、青色LEDダイス1、透光性封止材16、赤色蛍光体42、緑色蛍光体43を備える。赤色蛍光体42、緑色蛍光体43は、シリコーン等からなる透光性封止材16の内部に分散されている。
【0046】
緑色蛍光体43は、青色LEDダイス1の出射光の一部を吸収して、500nm以上595nm以下の波長域に発光ピークを持つ緑色光を出射する。このような緑色蛍光体としては、例えばY
3Al
5O
12:Ce
3+、Tb
3Al
5O
12:Ce
3+、BaY
2SiAl
4O
12:Ce
3+、Ca
3Sc
2Si
3O
12:Ce
3+、(Ba,Sr)
2SiO
4:Eu
2+、CaSc
2O
4:Ce
3+、Ba
3Si
6O
12N
2:Eu
2+、β−SiAlON:Eu
2+、SrGa
2S
4:Eu
2+、LaSiN:Ce
3+、CaSi
2O
2N
2:Eu
2+、Lu
3Al
5O
12:Ce
3+(LAG)又はSrSi
2O
2N
2:Eu
2+等が挙げられる。
【0047】
一方赤色蛍光体42は、青色LEDダイス1の出射光の一部および緑色蛍光体43の出射光の一部の少なくとも一方を吸収して、600nm以上690nm以下の波長域に発光ピークを持つ赤色光を出射する。このような赤色蛍光体としては、例えばCa−α−SiAlON:Eu
2+、CaAlSiN
3:Eu
2+、(Sr,Ca)AlSiN
3:Eu
2+、Sr
2Si
5N
8:Eu
2+、Sr
2(Si,Al)
5(N,O)
8:Eu
2+、CaS:Eu
2+、La
2O
2S:Eu
3+、K
2SiF
6:Mn
4+等が挙げられる。
(第三実施形態)
【0048】
なお、以上の例では白色LEDとして青色LEDダイスと一以上の蛍光体を組み合わせたタイプについて説明したが、本発明はこの構成に限られず、青色LEDダイスと、他のLEDダイスを組み合わせた白色LEDを利用することもできる。例えば、青色LEDダイスに赤色LEDダイス、緑色LEDダイスを組み合わせた白色LEDを利用することもできる。このような例を第三実施形態として、
図12の模式断面図に示す。この図に示すバックライト光源ユニット300は、実装基板20C上に青色LEDダイス1b、赤色LEDダイス1r、緑色LEDダイス1gを実装して一パッケージとした白色LED10Cを利用している。
(第四実施形態)
【0049】
また、以上の例では液晶表示板の背面にバックライト光源ユニットを配置する直下型構造を採用しているが、本発明はこの構成に限られず、バックライト光源ユニットを液晶表示板の側面側に配置して、導光板や拡散板を用いてバックライト光源ユニットからの光を折曲させるエッジライト型(サイドライト型とも呼ばれる。)を採用することもできる。
図13に、第四実施形態としてこのようなエッジライト型構造を採用した液晶表示装置4000の概略構成を示す。
図13においては上側から下側に順に、偏光フィルム71、ガラス基板72、共通電極73、ガラス基板74、偏光フィルム75、光拡散板付導光板76の順に積層されている。なお、ガラス基板74の共通電極73側の面にはマトリクス状に配列された個々の表示画素(液晶セル)に対応したピクセル電極77が形成され、個々のピクセル電極77はTFT78によりオン/オフ制御され、個々のTFT78は液晶駆動回路79が走査線80と信号線81とを選択的にオン/オフすることにより能動的に駆動される。このガラス基板74上のピクセル電極77の上面には図示しない配向膜が配置される一方、共通電極73の下面にも図示しない配向膜が配置され、これらの両配向膜間に液晶物質が充填される。なお、上述の偏光フィルム71、ガラス基板72、共通電極73、ガラス基板74、偏光フィルム75は実質的に同一寸法である。
【0050】
これらの下側の光拡散板付導光板76の一辺に、バックライト光源ユニット400が備えられている。バックライト光源ユニット400には、光拡散板付導光板76と対向する面に白色LED10Dがほぼ等間隔に配列されている。これらの白色LED10Dは、LED点灯駆動回路の制御によって駆動されて発光する。光拡散板付導光板76は、このバックライト光源ユニット400の各白色LED10Dから発光される光を自身の全体に拡散しつつ導光する。
(カラーフィルタ)
【0051】
上記各実施形態に係る液晶表示装置は、LEDダイスと蛍光体の混色により得られた白色光からRGB成分に分離するため、各色毎のカラーフィルタを備える。カラーフィルタは、所定の波長範囲の光を透過することにより所望の色を表示する。理想的には、カラーフィルタの透過率のピークと、発光光の輝線のピークとが合致していることと、各色のカラーフィルタ透過特性のオーバーラップがないことが望ましい。
【0052】
次に、上記の各実施形態に用いられる白色LEDの選別について説明する。
(白色LED)
【0053】
液晶バックライト用の白色LEDに使用するLEDダイスは、製造時に個体差が生じることが避けられず、特に発光波長のピーク波長にばらつきが生じることが知られている。例えば青色LEDダイスは、一般には、そのピーク波長が440nm〜470nm近傍の範囲で分散している。
【0054】
本発明者は、バックライト光源ユニットの発光スペクトルが、そのまま液晶表示装置の発光スペクトルとはならないことに着目した。すなわち
図14に示すように、バックライト光源ユニットで出力される白色光の色度は、液晶表示板に内蔵されるR、G、Bカラーフィルタを通過することで、色度座標上をシフトする。よって、バックライト光源ユニットの段階でなく、R、G、Bカラーフィルタ透過後の色度を一定に揃えることができれば、液晶表示装置の色度のばらつきも抑制できる。すなわち、液晶表示装置で最終的に得たい色度(最終値)と、R、G、Bカラーフィルタの分光透過率のスペクトル(カラーフィルタ係数:以下「CF係数」という。)が判明しているので、白色LEDに、このCF係数を乗じて得られる色度で選別(Binning)することで、液晶表示装置としたときの色バラツキを低減することができる。これにより、1つの液晶表示装置に複数の白色LEDが用いられている場合は、局所的な色バラツキを低減することができるほか、液晶表示装置自体の個体差も低減することができる。
【0055】
例えば、ピーク波長440nmの青色LEDダイスと蛍光体とを用いた白色LEDを用いた液晶バックライト用光源は、
図3のカラーフィルタを経ることで、液晶表示装置で最終的に液晶表示される表示内容の色度は、
図16のグラフにおいて太字に示すように変化する。同様に白色LEDに用いられる青色LEDダイスのピーク波長445nmの液晶バックライト用光源を用いた液晶表示装置で液晶表示される表示内容の色度は、
図17のグラフにおいて太字に示すように変化する。同様に青色LEDダイスのピーク波長450nm、455nmの液晶バックライト用光源を用いた液晶表示装置で液晶表示される表示内容の色度は、それぞれ
図18、
図19のグラフにおいて太字に示すように変化する。
【0056】
図20は、
図16〜
図19の、それぞれの左端の白色LEDのスペクトルと、
図3のカラーフィルタの光透過率とを重ねた図であり、
図21は、これらを合成したスペクトル、すなわち、カラーフィルタを通過して最終的に得られる光のスペクトルを示す。これら
図20及び
図21のスペクトルから得られる色度点を
図15に示す(なお、
図20の内、白色LEDのスペクトルのみを
図15にプロットしている)。
【0057】
図20に示したように元々の発光ピーク波長が異なる青色LEDダイスを使用した白色LEDであって、さらに、
図15の左下側の4点に示すような白色LEDとしては色度の異なるものを使用しながらも、カラーフィルタを通過させて、
図21のグラフに示すような、スペクトル(ピーク波長)が必ずしも一致しない白色光が得られたとしても、その得られたスペクトルから得られる色度点が、
図15の右上側に示すような、所定の色度(x/y=0.307/0.314)となるようにすることで、液晶示装置の色度を一定に近付けることが可能となる。
図15においては(0.307,0.314)の位置に◆が一点のみ表示されているように見えるが、実際には440nm、445nm、450nm、455nmの各白色の4点が重なっている。
【0058】
またこの結果、複数の白色LEDは、各主ピーク波長が多少ばらついていても、波長変換され、さらにカラーフィルタ透過後の白色光でもって、液晶表示装置の所期の色度範囲と合致させれば足りる。言い換えると、従来は青色LEDダイスの主ピーク波長がばらつくため、所期の主ピーク波長となる青色LEDダイスに選別する必要が生じ、歩留まりの低下に繋がっていたが、上記の方法によれば、たとえ主ピーク波長がばらついていても、波長変換されカラーフィルタを透過した後の白色光の色度でもって合わせ込みができるので、結果的に青色LEDダイスの主ピーク波長のばらつきがあっても、これを吸収して利用でき、歩留まりの改善に繋がるという効果が得られる。具体的には、複数の白色LEDの各主ピーク波長が、最大のものと最小のものとが15nm以下、好ましくは10nm以下の範囲であれば、ばらつきがあっても使用できる。なお15μm以上のばらつきが生じると、表示装置としたときにRGB色度が変わってしまうことがある。
【0059】
さらに、最終的に液晶表示装置として得られる色度でもって調整できることから、最終製品として得られる液晶表示装置の品質も高められるという利点が得られる。すなわち従来であれば、青色LEDダイスの主ピーク波長を一定に揃えるように選別しても、
図14に示すようにフィルタ透過後の白色光にばらつきが生じることがあり、さらに液晶表示装置の選別が必要になって歩留まりが低下することがあったが、本実施の形態によれば、最終的に得られる液晶表示装置の色度を基準として合わせ込みを行うため、バックライト光源ユニットを液晶表示装置に組み込んだ後に、色度が所期の範囲から外れるといった事態を回避でき、更に歩留まりを向上させ、かつ色度を揃えた高品質の液晶表示装置を得られるという利点が得られるのである。
(実施例1〜4)
【0060】
次に実施例1〜4として、実際にピーク波長の異なる青色LEDダイスと黄色蛍光体を組み合わせた白色LEDを白色LEDとするバックライト光源ユニットを作成し、液晶表示板と組み合わせて色度変化を確認した。実施例1〜4の各白色LEDは、それぞれが用いる青色LEDダイスと黄色蛍光体の特性が異ならせている。ここでは、青色LEDダイスとして、実施例1ではピーク波長440nmの青色LEDダイスを、実施例2ではピーク波長445nm、実施例3ではピーク波長450nm、実施例4ではピーク波長455nmのタイプを、それぞれ用いた。
【0061】
また蛍光体として、励起光や蛍光の波長が異なる複数種類の蛍光体を、混合比率を調整して使用した。ここでは、短波型YAG蛍光体と長波型のYAG蛍光体を組み合わせているが、蛍光体は一種のみでもよい。
【0062】
さらにR、G、Bカラーフィルタは、
図3に示す分光透過率を示すものを用いた。この結果、得られた実施例1〜4の白色LEDの発光スペクトルを、R、G、Bカラーフィルタの分光透過率と重ねたスペクトル図を
図20に示す。また、R、G、Bカラーフィルタを通して液晶表示装置として最終的に得られる表示内容のスペクトルを、
図21に示す。このように、カラーフィルタを通す前は、特に青色光のスペクトル及び白色光のスペクトルにばらつきが見られたものが、カラーフィルタを通過させて液晶表示装置として使用する段階では、ばらつきが抑えられ、色度の揃った高品質な表示が可能となる。いいかえると、青色LEDダイス及び白色LEDの個体差が吸収されて、使用可能となる上、最終製品である液晶表示装置の表示品質のばらつきも抑えられ、一定品質の液晶表示装置を提供できることが確認された。
図22に、実施例1〜4に係る白色LEDを用いた液晶表示装置における白色の色度を色度図上に示す。この図に示すように、実施例1〜4で白色が色度図上でほぼ一致していることが確認できる。いいかえると、主ピーク波長が440nm〜455nmまで、15nmも異なる青色LEDダイスを用いながらも、色度の揃った高品質な液晶表示装置を得ることが可能であることが確認できた。
【0063】
なお、以上の実施例では白色LEDとして青色LEDダイスと黄色蛍光体を組み合わせた例を説明したが、本発明はこの構成に限られない。例えば上述した
図2で示したように、黄色蛍光体に代えて赤色蛍光体と緑色蛍光体を青色LEDダイスと組み合わせた白色LEDにおいても、本発明を同様に適用できる。さらに同様に、青色LEDダイスと赤色LEDダイス、緑色LEDダイスを組み合わせた白色LEDにおいても、本発明を適用できる。