【実施例】
【0109】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により制限されない。
【0110】
合成によって得られた化合物は、プロトン核磁気共鳴分光法(
1H−NMR)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、紫外/可視分光度法(UV/Vis)などにより同定した。化合物の融点は、示差走査熱量測定(DSC)により決定した。まず、各分析方法について説明をする。
【0111】
1H−NMR分析:測定装置は、DRX−500(ブルカーバイオスピン製)を用いた。測定は、実施例などで製造したサンプルを、CDCl
3などのサンプルが可溶な重水素化溶媒に溶解し、室温で、500MHz、積算回数24回などの条件で行った。なお、得られた核磁気共鳴スペクトルの説明において、sはシングレット、dはダブレット、tはトリプレット、qはカルテット、mはマルチプレットであることを意味する。また、化学シフトδ値のゼロ点の基準物質としてはテトラメチルシラン(TMS)を用いた。
【0112】
HPLC分析:測定装置は、島津製作所製のProminence(LC−20AD;SPD−20A)を用いた。カラムはワイエムシー製のYMC−Pack ODS−A(長さ150mm、内径4.6mm、粒子径5μm)を用いた。溶出液はアセトニトリル/水(容量比:80/20)を用い、流速は1mL/分に調整した。検出器としてはUV検出器、RI検出器、CORONA検出器などを適宜用いた。UV検出器を用いた場合、検出波長は254nmとした。
試料はアセトニトリルに溶解して、0.1重量%の溶液となるように調製し、得られた溶液1μLを試料室に導入した。
記録計としては島津製作所製のC−R7Aplusを用いた。得られたクロマトグラムには、成分化合物に対応するピークの保持時間およびピークの面積値が示されている。
【0113】
HPLCより得られたクロマトグラムにおけるピークの面積比は成分化合物の割合に相当する。一般には、分析サンプルの成分化合物の重量%は、分析サンプルの各ピークの面積%と完全に同一ではないが、本発明において上述したカラムを用いる場合には、実質的に補正係数は1であるので、分析サンプル中の成分化合物の重量%は、分析サンプル中の各ピークの面積%とほぼ対応している。成分の液晶性化合物における補正係数に大きな差異がないからである。クロマトグラムにより液晶組成物中の液晶性化合物の組成比をより正確に求めるには、クロマトグラムによる内部標準法を用いる。一定量正確に秤量された各液晶性化合物成分(被検成分)と基準となる液晶性化合物(基準物質)を同時にHPLCにより測定して、得られた被検成分のピークと基準物質のピークとの面積比の相対強度をあらかじめ算出する。基準物質に対する各成分のピーク面積の相対強度を用いて補正すると、液晶組成物中の液晶性化合物の組成比をクロマトグラムより正確に求めることができる。
【0114】
UV/Vis分析:測定装置は、島津製作所製のPharmaSpec UV‐1700を用いた。検出波長は190nmから700nmとした。
試料はアセトニトリルに溶解して、0.01mmol/Lの溶液となるように調製し、石英セル(光路長1cm)に入れて測定した。
【0115】
DSC測定:パーキンエルマー社製走査熱量計DSC−7システム、またはDiamond DSCシステムを用いて、3℃/分速度で昇降温し、試料の相変化に伴う吸熱ピーク、または発熱ピークの開始点を外挿により求め(on set)、融点を決定した。
【0116】
[実施例1]
化合物(1−a−1)を、下記に示す合成スキームに従って合成した。
【0117】
第1工程:化合物(T−1)の合成
2,6−ジメチル−4−ブロモアニソール(200g)を塩化メチレン(1L)に溶解させ、窒素雰囲気下−30℃に冷却した。臭素(240g)を−30℃を保ちながら滴下した後、2時間攪拌した。反応終了後亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、水層を塩化メチレン(200mLで2回)にて抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(300mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(300mL)および水(300mL)にて洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮することにより、化合物(T−1)を無色油状物として(280g)得た。
【0118】
第2工程:化合物(T−2)の合成
上記操作で得られた化合物(T−1)(140g)をテトラヒドロフラン(600ml)に溶解させ、窒素雰囲気下−70℃に冷却した。ブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M 447mL)を−70℃を保ちながら滴下した後、30分間攪拌した。4−プロピルシクロヘキサノン(100g)のテトラヒドロフラン(200mL)溶液を−65℃で滴下した。その後−40℃で30分間攪拌した後、室温まで昇温させた。反応混合物を10%塩酸(400mL)にあけ、トルエン(300mLで3回)で抽出した。合わせた有機層を水(200mLで2回)で洗浄した。有機層にパラトルエンスルホン酸一水和物(2g)を加え還流させ、生成した水をディーンスタークを用いて除いた。有機層を水(200mLで2回)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。カラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(T−2)(150g)を得た。
【0119】
第3工程:化合物(T−3)の合成
上記操作で得られた化合物(T−2)(150g)をテトラヒドロフラン(600mL)に溶解させ、5%パラジウム炭素(10g)を添加した。0.1MPaの水素雰囲気下、40℃で7時間攪拌した。濾過の後、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製した。このものに臭化水素酢酸溶液(20g)とヘプタン(700mL)を加え紫外線を照射しながら70℃で48時間異性化させた。水で洗浄した後、カラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(T−3)(124g)を得た。
【0120】
第4工程:化合物(1−a−1)の合成
上記操作で得られた化合物(T−3)(62g)を塩化メチレン(300mL)に溶解させ、窒素雰囲気下0℃に冷却した。三臭化ホウ素(72g)を0℃を保ちながら滴下した後、25℃で2時間攪拌した。反応混合物を氷水にあけ、塩化メチレン(200mLで2回)で抽出した。合わせた有機層を水(100mLで2回)で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥したのち、減圧濃縮した。再結晶(ヘプタン/酢酸エチルで3回)により精製し、化合物(1−a−1)を無色針状結晶として(18g)得た。
【0121】
[実施例2]
2,6−ジイソプロピルアニソールを原料とし、実施例1に示した方法および記載した合成法と同様にして、2,6−ジイソプロピル−4−(4−ペンチル−トランス−シクロへキシル)フェノール(1−a−63)を無色針状結晶として得た。
【0122】
[実施例3]
化合物(1−a−13)を、下記に示す合成スキームに従って合成した。
【0123】
第1工程:化合物(T−4)の合成
塩化アルミ(147g)を塩化メチレン(700mL)に懸濁させ、窒素雰囲気下0℃に冷却した。3−クロロプロピオン酸塩化物(152g)次いで、2,6−ジメチルアニソール(136g)を0℃を保ちながら滴下し、2時間攪拌した。反応混合物を氷水にあけ、水層を塩化メチレン(200mLで2回)にて抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(200mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)および水(200mL)にて洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮することにより、化合物(T−4)(290g)を得た。
【0124】
第2工程:化合物(T−5)の合成
化合物(T−4)(50g)、吉草酸アルデヒド(23g)とN,N’−ジエチルトリメチルシリルアミン(38.5g)をアセトニトリル(500mL)に溶解させ、窒素雰囲気下80℃で4時間攪拌した。減圧濃縮し、メチルターシャリーブチルエーテル(500mL)と水(200mL)を加え、水層をメチルターシャリーブチルエーテル(100mLで2回)にて抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)、および水(100mL)にて洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮することにより、化合物(T−5)(85g)を得た。
【0125】
第3工程:化合物(T−6)の合成
ホウ酸水素ナトリウム(24g)をエタノール(700mL)に懸濁させ、15℃に冷却した。化合物(T−5)(85g)を加えたのち、20℃で2時間攪拌した。15%塩酸(10mL)を加えた後、トルエン(300mLを2回)で抽出した。合わせた有機層を水(100mLで2回)にて洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。パラトルエンスルホン酸一水和物(10g)を加え還流させ、生成した水をディーンスタークを用いて除いた。有機層を水(100mLを2回)で洗浄した後、減圧濃縮した。カラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(T−6)(45g)を得た。
【0126】
第4工程:化合物(1−a−13)の合成
化合物(T−6)(45g)を塩化メチレン(150mL)に溶解させ、窒素雰囲気下0℃に冷却した。三臭化ホウ素(53g)を0℃を保ちながら滴下し、25℃で2時間攪拌した。氷水を加えた後、水層を塩化メチレン(100mLで2回)にて抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)、および水(100mL)にて洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して粗結晶を得た。ヘキサン/酢酸エチルから再結晶して化合物(1−a−13)を無色針状晶(13g)として得た。
【0127】
組成物および組成物に含有させる化合物の特性を評価するために、組成物およびこの化合物を測定目的物とする。測定目的物が組成物のときはそのままを試料として測定し、得られた値を記載した。測定目的物が化合物のときは、この化合物(15重量%)を母液晶(85重量%)に混合することによって測定用試料を調製した。測定によって得られた値から外挿法によって化合物の特性値を算出した。(外挿値)={(測定用試料の測定値)−0.85×(母液晶の測定値)}/0.15。この割合でスメクチック相(または結晶)が25℃で析出するときは、化合物と母液晶の割合を10重量%:90重量%、5重量%:95重量%、1重量%:99重量%の順に変更した。この外挿法によって化合物に関する上限温度、光学異方性、粘度および誘電率異方性の値を求めた。
【0128】
測定目的物の誘電率異方性がゼロまたは正であるときの、母液晶の成分は下記のとおりである。各成分の割合は、重量%である。
【0129】
測定目的物の誘電率異方性がゼロまたは負であるときの、母液晶の成分は下記のとおりである。各成分の割合は、重量%である。
【0130】
特性値の測定は下記の方法にしたがった。それらの多くは、社団法人電子情報技術産業協会(Japan Electronics and Information Technology Industries Association、以下JEITAという)で審議制定されるJEITA規格(JEITA ED−2521B)に記載された方法、またはこれを修飾した方法である。
【0131】
ネマチック相の上限温度(NI;℃):偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で加熱した。試料の一部がネマチック相から等方性液体に変化したときの温度を測定した。
【0132】
ネマチック相の下限温度(T
C;℃):ネマチック相を有する試料をガラス瓶に入れ、0℃、−10℃、−20℃、−30℃、および−40℃のフリーザー中に10日間保管したあと、液晶相を観察した。例えば、試料が−20℃ではネマチック相のままであり、−30℃では結晶またはスメクチック相に変化したとき、T
Cを<−20℃と記載した。
【0133】
粘度(バルク粘度;η;20℃で測定;mPa・s):測定にはE型回転粘度計を用いた。
【0134】
粘度(回転粘度;γ1;25℃で測定;mPa・s):測定は、M. Imai et al., Molecular Crystals and Liquid Crystals, Vol. 259, 37 (1995)に記載された方法に従った。
誘電率異方性が正の組成物については、ツイスト角が0°であり、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が5μmであるTN素子に試料を入れた。この素子に16Vから19.5Vの範囲で0.5V毎に段階的に印加した。0.2秒の無印加のあと、ただ1つの矩形波(矩形パルス;0.2秒)と無印加(2秒)の条件で印加を繰り返した。
誘電率異方性が負の組成物については、ツイスト角が0°であり、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が20μmであるVA素子に試料を入れた。この素子に39Vから50Vの範囲で1V毎に段階的に印加した。0.2秒の無印加のあと、ただ1つの矩形波(矩形パルス;0.2秒)と無印加(2秒)の条件で印加を繰り返した。
この印加によって発生した過渡電流(transient current)のピーク電流(peak current)とピーク時間(peak time)を測定した。これらの測定値とM. Imaiらの論文中の40頁記載の計算式(8)とから回転粘度の値を得た。この計算で必要な誘電率異方性の値は、この回転粘度を測定した素子を用い、下に記載した方法で求めた。
【0135】
光学異方性(屈折率異方性;Δn;25℃で測定):測定は、波長589nmの光を用い、接眼鏡に偏光板を取り付けたアッベ屈折計により行なった。主プリズムの表面を一方向にラビングしたあと、試料を主プリズムに滴下した。屈折率n‖は偏光の方向がラビングの方向と平行であるときに測定した。屈折率n⊥は偏光の方向がラビングの方向と垂直であるときに測定した。光学異方性の値は、Δn=n‖−n⊥、の式から計算した。
【0136】
誘電率異方性(Δε;25℃で測定):誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。誘電率(ε‖およびε⊥)は次のように測定した。
誘電率異方性が正の組成物については、2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μmであり、そしてツイスト角が80度であるTN素子に試料を入れた。この素子にサイン波(10V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。
誘電率異方性が負の組成物については、次のように測定した。
1)誘電率(ε‖)の測定:よく洗浄したガラス基板にオクタデシルトリエトキシシラン(0.16mL)のエタノール(20mL)溶液を塗布した。ガラス基板をスピンナーで回転させたあと、150℃で1時間加熱した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が4μmであるVA素子に試料を入れ、この素子を紫外線で硬化する接着剤で密閉した。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。
2)誘電率(ε⊥)の測定:よく洗浄したガラス基板にポリイミド溶液を塗布した。このガラス基板を焼成した後、得られた配向膜にラビング処理をした。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μmであり、ツイスト角が80度であるTN素子に試料を入れた。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。
【0137】
しきい値電圧(Vth;25℃で測定;V):測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプである。
誘電率異方性が正の組成物については、2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が約0.45 / Δn (μm)であり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。この素子に印加する電圧(32Hz、矩形波)は0Vから10Vまで0.02Vずつ段階的に増加させた。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である電圧−透過率曲線を作成した。しきい値電圧は透過率が90%になったときの電圧である。
誘電率異方性が負の組成物については、2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が4μmであり、ラビング方向がアンチパラレルであるノーマリーブラックモード(normally black mode)のVA素子に試料を入れ、この素子を紫外線で硬化する接着剤を用いて密閉した。この素子に印加する電圧(60Hz、矩形波)は0Vから20Vまで0.02Vずつ段階的に増加させた。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である電圧−透過率曲線を作成した。しきい値電圧は透過率が10%になったときの電圧である。
【0138】
電圧保持率(VHR−a;25℃で測定;%):測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)は5μmである。この素子は試料を入れたあと紫外線で硬化する接着剤で密閉した。この素子にパルス電圧(1Vで60マイクロ秒)を印加して充電した。減衰する電圧を高速電圧計で166.7ミリ秒のあいだ測定し、単位周期における電圧曲線と横軸との間の面積Aを求めた。面積Bは減衰しなかったときの面積である。電圧保持率は面積Bに対する面積Aの百分率である。
【0139】
電圧保持率(VHR−b;60℃で測定;%):測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)は5μmである。この素子は試料を入れたあと紫外線で硬化する接着剤で密閉した。このTN素子にパルス電圧(1Vで60マイクロ秒)を印加して充電した。減衰する電圧を高速電圧計で166.7ミリ秒のあいだ測定し、単位周期における電圧曲線と横軸との間の面積Aを求めた。面積Bは減衰しなかったときの面積である。電圧保持率は面積Bに対する面積Aの百分率である。
【0140】
電圧保持率(VHR−c;60℃で測定;%):紫外線を照射したあと、電圧保持率を測定し、紫外線に対する安定性を評価した。測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そしてセルギャップは5μmである。この素子に試料を注入し、紫外線を5分間照射した。光源は超高圧水銀ランプUSH−500D(ウシオ電機製)であり、素子と光源の間隔は20cmである。VHR−cの測定では、166.7ミリ秒のあいだ減衰する電圧を測定した。大きなVHR−cを有する組成物は紫外線に対して大きな安定性を有する。また、VHR−bとVHR−cとの差が小さい組成物は紫外線に対して大きな安定性を有する。
【0141】
電圧保持率(VHR−d;60℃で測定;%):試料を注入したTN素子を120℃の恒温槽内で240時間加熱したあと、電圧保持率を測定し、熱に対する安定性を評価した。VHR−dの測定では、166.7ミリ秒のあいだ減衰する電圧を測定した。大きなVHR−dを有する組成物は熱に対して大きな安定性を有する。
【0142】
応答時間(τ;25℃で測定;ms):測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプである。ローパス・フィルター(Low-pass filter)は5kHzに設定した。
誘電率異方性が正の組成物については、2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が5.0μmであり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。この素子に矩形波(60Hz、5V、0.5秒)を印加した。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である。立ち上がり時間(τr:rise time;ミリ秒)は、透過率が90%から10%に変化するのに要した時間である。立ち下がり時間(τf:fall time;ミリ秒)は透過率10%から90%に変化するのに要した時間である。応答時間は、このようにして求めた立ち上がり時間と立ち下がり時間との和である。
誘電率異方性が負の組成物については、2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が4μmであり、ラビング方向がアンチパラレルであるノーマリーブラックモード(normally black mode)のVA素子に試料を入れ、この素子をUV硬化の接着剤を用いて密閉した。この素子に矩形波(60Hz、10V、0.5秒)を印加した。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である。応答時間は透過率90%から10%に変化するのに要した時間(立ち下がり時間;fall time;ミリ秒)である。
【0143】
弾性定数(K;25℃で測定;pN):誘電率異方性が正の組成物について、測定には横河・ヒューレットパッカード株式会社製のHP4284A型LCRメータを用いた。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が20μmである水平配向セルに試料を入れた。このセルに0ボルトから20ボルト電荷を印加し、静電容量および印加電圧を測定した。測定した静電容量(C)と印加電圧(V)の値を『液晶デバイスハンドブック』(日刊工業新聞社)、75頁にある式(2.98)、式(2.101)を用いてフィッティングし、式(2.99)からK11およびK33の値を得た。次に同171頁にある式(3.18)に、先ほど求めたK11およびK33の値を用いてK22を算出した。弾性定数は、このようにして求めたK11、K22、およびK33の平均値である。
【0144】
弾性定数(K11:広がり(spray)弾性定数、K33:曲げ(bend)弾性定数;25℃で測定;pN):誘電率異方性が負の組成物について、測定には株式会社東陽テクニカ製のEC−1型弾性定数測定器を用いた。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が20μmである垂直配向セルに試料を入れた。このセルに20ボルトから0ボルト電荷を印加し、静電容量および印加電圧を測定した。測定した静電容量(C)と印加電圧(V)の値を『液晶デバイスハンドブック』(日刊工業新聞社)、75頁にある式(2.98)、式(2.101)を用いてフィッティングし、式(2.100)から弾性定数の値を得た。
【0145】
比抵抗(ρ;25℃で測定;Ωcm):電極を備えた容器に試料1.0mLを注入した。この容器に直流電圧(10V)を印加し、10秒後の直流電流を測定した。比抵抗は次の式から算出した。(比抵抗)={(電圧)×(容器の電気容量)}/{(直流電流)×(真空の誘電率)}。
【0146】
らせんピッチ(P;室温で測定;μm):らせんピッチはくさび法にて測定した(液晶便覧196頁(2000年発行、丸善))。試料をくさび形セルに注入し、室温で2時間静置した後、ディスクリネーションラインの間隔(d2−d1)を偏光顕微鏡(ニコン(株)、商品名MM40/60シリーズ)にて観察した。らせんピッチ(P)は、くさびセルの角度をθとあらわした次の式から算出した。
P=2×(d2−d1)×tanθ
【0147】
ガスクロマトグラフ分析:測定には島津製作所製のGC−2014型ガスクロマトグラフを用いた。キャリアーガスはヘリウム(2mL/分)である。試料気化室を280℃に、検出器(FID)を300℃に設定した。成分化合物の分離には、Agilent Technologies Inc.製のキャピラリカラムDB−1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm;固定液相はジメチルポリシロキサン;無極性)を用いた。このカラムは、200℃で2分間保持したあと、5℃/分の割合で280℃まで昇温した。試料はトルエン溶液(0.1質量%)に調製したあと、その1μLを試料気化室に注入した。記録計は島津製作所製のC−R7A型Chromatopac、またはその同等品である。得られたガスクロマトグラムは、成分化合物に対応するピークの保持時間およびピークの面積を示した。
【0148】
試料を希釈するための溶媒は、クロロホルム、ヘキサンなどを用いてもよい。成分化合物を分離するために、次のキャピラリカラムを用いてもよい。Agilent Technologies Inc.製のHP−1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)、Restek Corporation製のRtx−1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)、SGE International Pty. Ltd製のBP−1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)。化合物ピークの重なりを防ぐ目的で島津製作所製のキャピラリカラムCBP1−M50−025(長さ50m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)を用いてもよい。
【0149】
組成物に含有される液晶性化合物の割合は、次のような方法で算出してよい。液晶性化合物はガスクロマトグラフで検出することができる。ガスクロマトグラムにおけるピークの面積比は液晶性化合物の割合(モル数)に相当する。上に記載したキャピラリカラムを用いたときは、各々の液晶性化合物の補正係数を1とみなしてよい。したがって、液晶性化合物の割合(重量%)は、ピークの面積比から算出する。
【0150】
実施例により本発明を詳細に説明する。本発明は下記の実施例によって限定されない。比較例および実施例における化合物は、下記の表3の定義に基づいて記号により表した。
表3において、1,4−シクロヘキシレンに関する立体配置はトランスである。記号の後にあるかっこ内の番号は化合物の番号に対応する。(−)の記号はその他の液晶性化合物を意味する。液晶性化合物の割合(百分率)は、液晶組成物の全重量に基づいた重量百分率(重量%)であり、液晶組成物には不純物が含まれている。最後に、組成物の特性値をまとめた。
【0151】
【0152】
[実施例M1]
液晶組成物A100重量部に基づいて、化合物(1−1−1)を0.05重量部添加した試料を調製し、液晶表示素子を作成した。液晶組成物Aの成分とその割合は以下のとおりである。
【0153】
(液晶組成物A)
3−HH−V (2−1−1) 28%
1−BB−5 (2−3−1) 11%
3−BB(2F,3F)−O2 (4−4−1) 13%
2−HH1OB(2F,3F)−O2 (4−8−1) 18%
3−HH1OB(2F,3F)−O2 (4−8−1) 16%
3−HHB−1 (2−5−1) 4%
5−HHB−1 (2−5−1) 4%
5−B(F)BB−3 (2−7−1) 6%
【0154】
実施例M1に記載の液晶表示素子について、電圧保持率を測定した。測定結果を表4に示す。
【0155】
[実施例M2]
液晶組成物A100重量部に基づいて、化合物(1−1−2)を0.05重量部添加した試料を調製し、液晶表示素子を作成し、電圧保持率を測定した。測定結果を表4に示す。
【0156】
[実施例M3]
液晶組成物A100重量部に基づいて、化合物(1−2−1)を0.05重量部添加した試料を調製し、液晶表示素子を作成し、電圧保持率を測定した。測定結果を表4に示す。
【0157】
[比較例M1]
液晶組成物A100重量部に基づいて、特開平9−124529号公報に記載の化合物(S−1)を0.05重量部添加した試料を調製し、液晶表示素子を作成し、電圧保持率を測定した。測定結果を表4に示す。
【0158】
[比較例M2]
液晶組成物Aを用いた液晶表示素子を作成し、電圧保持率を測定した。測定結果を表4に示す。
【0159】
【0160】
表4より、実施例M1から実施例M3の組成物は、比較例M1および比較例M2のそれと比べて大きなVHR−cを有し、VHR−bとVHR−cとの小さな差を有するので、紫外線に対する高い安定性を有する。よって、本発明による液晶組成物は優れた特性を有する。
【0161】
[実施例M4]
3−HH−V (2−1−1) 46%
V−HHB−1 (2−5−1) 10%
1−BB(F)B−2V (2−8−1) 7%
2−BB(F)B−2V (2−8−1) 9%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (3−3−1) 6%
3−GB(F,F)XB(F,F)−F (3−4−1) 5%
3−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (3−10−1) 3%
4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (3−10−1) 6%
3−BB(F)B(F,F)XB(F)−F (3−10−2) 3%
3−HBB−F (3−14) 5%
上記組成物100重量部に下記化合物(1−1−1)を0.05重量部、
および下記化合物(1−1−2)を0.05重量部添加した。
NI=77.3℃;Tc<−20℃;η=13.7mPa・s;Δn=0.118;Δε=4.6;Vth=2.05V.
【0162】
[実施例M5]
3−HH−V (2−1−1) 20%
3−HB−O2 (2−2−1) 5%
V−HHB−1 (2−5−1) 7%
2−BB(F)B−3 (2−8−1) 3%
5−HBBH−3 (2−11−1) 5%
5−HB(F)BH−3 (2−12−1) 3%
5−HBB(F)B−2 (2−13−1) 4%
5−HXB(F,F)−F (3−1−1) 5%
3−BBXB(F,F)−F (3−2−1) 5%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (3−3−1) 8%
3−HHXB(F,F)−F (3−5−1) 8%
4−HBB(F,F)XB(F,F)−F (3−6−2) 3%
4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (3−10−1) 8%
5−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (3−10−1) 3%
3−HBB(F,F)−F (3−14−1) 6%
3−BB(F)B(F,F)−CF3 (3−17−2) 4%
3−HHBB(F,F)−F (3−18−1) 3%
上記組成物100重量部に下記化合物(1−1−2)を0.05重量部添加した。
NI=88.4℃;Tc<−20℃;η=16.3mPa・s;Δn=0.117;Δε=8.4;Vth=1.82V.
【0163】
[実施例M6]
2−HH−3 (2−1−1) 20%
3−HH−4 (2−1−1) 7%
3−HHB−1 (2−5−1) 5%
2−BB(F)B−5 (2−8−1) 3%
5−HBB(F)B−2 (2−13−1) 6%
5−HBB(F)B−3 (2−13−1) 6%
3−BBXB(F,F)−F (3−2−1) 7%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (3−3−1) 7%
3−dhBB(F,F)XB(F,F)−F (3−9−1) 3%
4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (3−10−1) 5%
3−HB−CL (3−12−1) 10%
3−HHB−CL (3−13−2) 3%
5−HHB−CL (3−13−2) 4%
3−HBB(F,F)−F (3−14−1) 8%
3−HHBB(F,F)−F (3−18−1) 3%
4−HHBB(F,F)−F (3−18−1) 3%
上記組成物100重量部に下記化合物(1−1−1)を0.1重量部添加した。
NI=95.5℃;Tc<−20℃;η=16.5mPa・s;Δn=0.123;Δε=6.3;Vth=2.14V.
【0164】
[実施例M7]
2−HH−5 (2−1−1) 6%
3−HH−4 (2−1−1) 10%
7−HB−1 (2−2−1) 5%
5−HBB−2 (2−6−1) 5%
3−HHEBH−3 (2−9−1) 5%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (3−3−1) 16%
3−HHXB(F,F)−CF3 (3−5−2) 5%
3−HB−CL (3−12−1) 8%
2−HHB(F,F)−F (3−13−1) 10%
3−HHB−CL (3−13−2) 3%
3−HHB−F (3−13) 4%
3−HBB−F (3−14) 3%
3−HBB(F)−F (3−14) 10%
5−HBB(F)−F (3−14) 10%
上記組成物100重量部に下記化合物(1−2−1)を0.05重量部添加した。
NI=75.5℃;Tc<−20℃;η=19.0mPa・s;Δn=0.098;Δε=6.8;Vth=1.76V.
【0165】
[実施例M8]
3−HH−V (2−1−1) 35%
3−HH−V1 (2−1−1) 10%
4−HH−V1 (2−1−1) 3%
1V2−HHB−1 (2−5−1) 6%
3−BB(F)B−5 (2−8−1) 3%
1−BB(F)B−2V (2−8−1) 6%
2−BB(F)B−2V (2−8−1) 7%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (3−3−1) 13%
3−BB(F,F)XB(F)−OCF3 (3−3−2) 3%
4−HHB(F,F)XB(F,F)−F (3−7−1) 5%
3−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (3−10−1) 3%
4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (3−10−1) 6%
上記組成物100重量部に下記化合物(1−3−1)を0.05重量部添加した。
NI=74.4℃;Tc<−20℃;η=13.2mPa・s;Δn=0.116;Δε=5.5;Vth=1.92V.
【0166】
[実施例M9]
3−HH−V (2−1−1) 18%
5−HB−O2 (2−2−1) 5%
V2−BB−1 (2−3−1) 5%
V−HHB−1 (2−5−1) 14%
V2−HHB−1 (2−5−1) 5%
5−B(F)BB−2 (2−7−1) 5%
5−HBB(F)B−2 (2−13−1) 4%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (3−3−1) 10%
3−BB(F,F)XB(F)−OCF3 (3−3−2) 5%
3−HHXB(F,F)−F (3−5−1) 7%
4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (3−10−1) 5%
4−BB(F,F)XB(F)B(F,F)−F (3−11−1) 5%
3−HBB(F,F)−F (3−14−1) 3%
3−GHB(F,F)−F (3−15−1) 5%
3−HHBB(F,F)−F (3−18−1) 4%
上記組成物100重量部に下記化合物(1−2−1)を0.05重量部、
および下記化合物(1−3−1)を0.1重量部添加した。
NI=86.1℃;Tc<−20℃;η=16.6mPa・s;Δn=0.124;Δε=8.8;Vth=1.77V.
【0167】
[実施例M10]
3−HH−V (2−1−1) 33%
1V2−BB−1 (2−3−1) 4%
3−HHB−O1 (2−5−1) 4%
2−BB(F)B−3 (2−8−1) 7%
2−BB(F)B−5 (2−8−1) 6%
3−BBXB(F,F)−F (3−2−1) 5%
3−BB(F)B(F,F)XB(F)−F (3−10−2) 6%
3−HBB(F)−F (3−14) 10%
3−HHEB(F,F)−F (3−16−1) 10%
4−HHEB(F,F)−F (3−16−1) 4%
3−BB(F)B(F,F)−F (3−17−1) 6%
1O1−HBBH−3 (−) 5%
上記組成物100重量部に下記化合物(1−1−1)を0.1重量部、
および下記化合物(5−1)を0.05重量部添加した。
NI=89.5℃;Tc<−20℃;η=13.0mPa・s;Δn=0.125;Δε=4.5;Vth=2.38V.
【0168】
[実施例M11]
3−HH−V (2−1−1) 37%
3−HH−VFF (2−1) 6%
3−HHEH−3 (2−4−1) 3%
3−HHB−O1 (2−5−1) 3%
2−BB(F)B−3 (2−8−1) 5%
3−HB(F)HH−5 (2−10−1) 5%
3−GB(F,F)XB(F,F)−F (3−4−1) 3%
3−HBBXB(F,F)−F (3−6−1) 5%
4−GB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (3−8−1) 7%
3−BB(F)B(F,F)XB(F)−F (3−10−2) 10%
3−HHB(F)−F (3−13) 5%
3−BB(F)B(F,F)−F (3−17−1) 8%
3−HHBB(F,F)−F (3−18−1) 3%
上記組成物100重量部に下記化合物(1−2−1)を0.1重量部、
および下記化合物(5−1)を0.05重量部添加した。
NI=92.4℃;Tc<−20℃;η=16.2mPa・s;Δn=0.110;Δε=7.3;Vth=1.99V.
【0169】
[実施例M12]
V−HH−3 (2−1−1) 28%
1−BB−3 (2−3−1) 4%
3−HHB−1 (2−5−1) 3%
3−HHB−3 (2−5−1) 3%
5−B(F)BB−2 (2−7−1) 5%
5−B(F)BB−3 (2−7−1) 3%
3−BB(2F,3F)−O2 (4−4−1) 9%
5−BB(2F,3F)−O2 (4−4−1) 5%
V−HHB(2F,3F)−O2 (4−6−1) 11%
2−HH1OB(2F,3F)−O2 (4−8−1) 12%
3−HH1OB(2F,3F)−O2 (4−8−1) 14%
3−HDhB(2F,3F)−O2 (4−11−1) 3%
上記組成物100重量部に下記化合物(1−1−1)を0.1重量部添加した。
NI=83.8℃;Tc<−20℃;η=18.3mPa・s;Δn=0.108;Δε=−3.4;Vth=2.29V.
【0170】
[実施例M13]
2−HH−3 (2−1−1) 25%
3−HB−O2 (2−2−1) 7%
3−HHEH−4 (2−4−1) 3%
3−HHB−1 (2−5−1) 3%
V−HHB−1 (2−5−1) 4%
3−HHEBH−3 (2−9−1) 4%
3−HB(F)HH−5 (2−10−1) 3%
3−H2B(2F,3F)−O2 (4−2−1) 15%
5−H2B(2F,3F)−O2 (4−2−1) 9%
3−HBB(2F,3F)−O2 (4−13−1) 8%
4−HBB(2F,3F)−O2 (4−13−1) 8%
3−dhBB(2F,3F)−O2 (4−14−1) 6%
3−HH1OCro(7F,8F)−5 (4−19−1) 5%
上記組成物100重量部に下記化合物(1−2−1)を0.1重量部添加した。
NI=83.8℃;Tc<−20℃;η=20.8mPa・s;Δn=0.093;Δε=−3.2;Vth=2.43V.
【0171】
[実施例M14]
V−HH−3 (2−1−1) 29%
VFF−HH−3 (2−1) 4%
V2−BB−1 (2−3−1) 5%
1−BB(F)B−2V (2−8−1) 3%
3−HB(2F,3F)−O2 (4−1−1) 13%
3−H1OB(2F,3F)−O2 (4−3−1) 3%
3−HHB(2F,3F)−O2 (4−6−1) 10%
5−HHB(2F,3F)−O2 (4−6−1) 8%
2−BB(2F,3F)B−3 (4−9−1) 6%
3−HBB(2F,3F)−O2 (4−13−1) 10%
4−HBB(2F,3F)−O2 (4−13−1) 4%
5−HBB(2F,3F)−O2 (4−13−1) 5%
上記組成物100重量部に下記化合物(1−3−1)を0.1重量部添加した。
NI=83.6℃;Tc<−20℃;η=16.3mPa・s;Δn=0.110;Δε=−3.0;Vth=2.46V.
【0172】
[実施例M15]
3−HH−4 (2−1−1) 5%
3−HH−O1 (2−1−1) 3%
V−HH−3 (2−1−1) 30%
3−HHB−1 (2−5−1) 3%
3−HHB−3 (2−5−1) 3%
2−BB(F)B−3 (2−8−1) 7%
3−HHEBH−3 (2−9−1) 4%
3−HHEBH−4 (2−9−1) 3%
3−H2B(2F,3F)−O2 (4−2−1) 12%
5−H2B(2F,3F)−O2 (4−2−1) 10%
3−HBB(2F,3F)−O2 (4−13−1) 10%
4−HBB(2F,3F)−O2 (4−13−1) 5%
3−HH1OCro(7F,8F)−5 (4−19−1) 5%
上記組成物100重量部に下記化合物(1−1−1)を0.05重量部、
および下記化合物(1−2−1)を0.05重量部添加した。
NI=80.4℃;Tc<−20℃;η=15.2mPa・s;Δn=0.095;Δε=−2.4;Vth=2.57V.
【0173】
[実施例M16]
2−HH−3 (2−1−1) 24%
1V−HH−3 (2−1−1) 6%
5−HB−O2 (2−2−1) 5%
3−HHB−1 (2−5−1) 3%
3−HBB−2 (2−6−1) 3%
3−HB(F)HH−5 (2−10−1) 3%
5−HBB(F)B−2 (2−13−1) 4%
3−HB(2F,3F)−O2 (4−1−1) 15%
5−HB(2F,3F)−O2 (4−1−1) 11%
2O−B(2F,3F)B(2F,3F)−O6 (4−5) 3%
3−DhHB(2F,3F)−O2 (4−10−1) 3%
3−HBB(2F,3F)−O2 (4−13−1) 10%
4−HBB(2F,3F)−O2 (4−13−1) 5%
5−HBB(2F,3F)−O2 (4−13−1) 5%
上記組成物100重量部に下記化合物(1−2−1)を0.05重量部、
および下記化合物(1−3−1)を0.05重量部添加した。
NI=76.9℃;Tc<−20℃;η=17.6mPa・s;Δn=0.100;Δε=−3.0;Vth=2.34V.
【0174】
[実施例M17]
V−HH−3 (2−1−1) 32%
V−HH−5 (2−1−1) 5%
5−HBBH−3 (2−11−1) 3%
3−HB(F)BH−3 (2−12−1) 3%
V−HB(2F,3F)−O2 (4−1−1) 12%
V−HB(2F,3F)−O4 (4−1−1) 4%
3−HH2B(2F,3F)−O2 (4−7−1) 3%
3−DhH1OB(2F,3F)−O2 (4−12−1) 5%
3−HBB(2F,3F)−O2 (4−13−1) 8%
4−HBB(2F,3F)−O2 (4−13−1) 4%
5−HBB(2F,3F)−O2 (4−13−1) 6%
3−HEB(2F,3F)B(2F,3F)−O4 (4−15−1) 3%
3−HHB(2F,3CL)−O2 (4−16−1) 3%
5−HHB(2F,3CL)−O2 (4−16−1) 3%
3−HBB(2F,3CL)−O2 (4−17−1) 3%
V−HBB(2F,3CL)−O2 (4−17−1) 3%
上記組成物100重量部に下記化合物(1−1−2)を0.05重量部、
および下記化合物(5−1)を0.03重量部添加した。
NI=83.6℃;Tc<−20℃;η=19.8mPa・s;Δn=0.095;Δε=−3.1;Vth=2.44V.
【0175】
[実施例M18]
V−HH−3 (2−1−1) 35%
3−HB−O2 (2−2−1) 5%
3−HHB−1 (2−5−1) 3%
V−HHB−1 (2−5−1) 5%
1V−HBB−2 (2−6−1) 3%
1−BB(F)B−2V (2−8−1) 3%
3−HB(2F,3F)−O2 (4−1−1) 8%
3−H1OB(2F,3F)−O2 (4−3−1) 3%
3−HHB(2F,3F)−O2 (4−6−1) 6%
3−HHB(2F,3F)−1 (4−6−1) 5%
1V2−HHB(2F,3F)−O2 (4−6−1) 5%
2−BB(2F,3F)B−3 (4−9−1) 3%
3−HBB(2F,3F)−O2 (4−13−1) 10%
3−H1OCro(7F,8F)−5 (4−18−1) 3%
1O1−HBBH−5 (−) 3%
上記組成物100重量部に下記化合物(1−1−2)を0.05重量部添加した。
NI=88.7℃;Tc<−20℃;η=12.6mPa・s;Δn=0.102;Δε=−2.3;Vth=2.67V.
【0176】
[実施例M19]
V−HH−3 (2−1−1) 29%
V2−HB−1 (2−2−1) 4%
3−HHB−1 (2−5−1) 3%
3−HHB−O1 (2−5−1) 3%
5−HB(F)HH−V (2−10−1) 3%
3−BB(2F,3F)−O2 (4−4−1) 10%
2O−BB(2F,3F)−O2 (4−4) 4%
V−HHB(2F,3F)−O2 (4−6−1) 10%
2−HH1OB(2F,3F)−O2 (4−8−1) 10%
3−HH1OB(2F,3F)−O2 (4−8−1) 14%
2−BB(2F,3F)B−3 (4−9−1) 5%
3−HDhB(2F,3F)−O2 (4−11−1) 5%
上記組成物100重量部に下記化合物(1−1−1)を0.05重量部、
および下記化合物(5−1)を0.05重量部添加した。
NI=88.4℃;Tc<−20℃;η=19.1mPa・s;Δn=0.101;Δε=−3.6;Vth=2.30V.