【実施例】
【0062】
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例
に限定されるものではない。
【0063】
[実施例1]
炭酸セシウム(Cs
2CO
3,ケメタルジャパン製)1.95gを純水によく溶解させ
た水溶液と、タングステン酸(H
2WO
4、日本無機化学工業株式会社製)9.06gと
を十分に混合して混合液とした。炭酸セシウムの添加量は、タングステン酸中のWに対し
て炭酸セシウム中のCsのモル比が0.33となるようにした。
そして当該混合溶液を100℃大気中で十分に乾燥させ、得られた残留混合物を、擂潰
器を用いて15分間混合した。そして、当該混合物9gを石英菅状炉にセットし、N
2ガ
スをキャリアとした1%H
2ガスを供給しながら加熱し、600℃の温度で60分間の還
元処理を行って微粒子(a)を得た。この微粒子(a)のXRD測定を行い、リートベル
ト解析により微粒子(a)の(Cs
xW
yO
z)におけるx/y値、格子定数、正方格子
構造のタングステン酸セシウム相(本発明において「異相1」と記載する場合がある。)
の量、WO
2相(本発明において「異相2」と記載する場合がある。)の量、W相(本発
明において「異相3」と記載する場合がある。)の量、および粉砕前粒子径を求めた。そ
の結果を表1に示す。
【0064】
次に、当該微粒子(a)10重量%と、高分子分散液(EFKA4400,BASF社
製)10重量%と、メチルイソブチルケトン80重量%とを、総重量20gとなるように
秤量した。当該秤量物を、0.3mmφZrO
2ビーズ(東レ製 トレセラムビーズ H
IP処理品)120gを入れた70ccガラス瓶に装填し、ペイントシェーカーを用いて
粉砕・分散処理をすることで日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(A
液)を製造した。
【0065】
ここで、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(A液)中におけるセ
シウム添加タングステン酸化物微粒子の大きさの評価は、樹脂中に単分散させた微粒子の
散乱強度(透過光)により行った。
具体的には、セシウム添加タングステン酸化物微粒子と、UV硬化樹脂成分と重量比を
固定して試料フィルムを作製し、当該試料フィルムの全光線透過率(以下、Ttと略す場
合がある)の値が50%となるように、膜厚を調整した。当該膜厚を調整した試料フィル
ムの透過散乱光強度を測定したところ、最大ピークが1.17%となっていた。
一方、当該条件で作製した膜において、透過散乱光強度の最大ピークが1.2〜1.3
%となる場合に、セシウム添加タングステン酸化物微粒子をTEM観察したところ、粒径
20nm前後の一次粒子が観察された。
【0066】
次に得られた日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(A液)6.0g
、UV硬化樹脂3.0gを秤量し、混合・攪拌して日射遮蔽体形成用複合タングステン酸
化物微粒子分散樹脂液(AA液)を製造した。そして、全光線透過率が68.5%となる
ように適当なバーコーターを用い、厚さ3mmのガラス基板上へ日射遮蔽体形成用複合タ
ングステン酸化物微粒子分散樹脂液(AA液)を塗布した後、70℃、1分間の溶剤除去
を行い、高圧水銀ランプを照射し、実施例1に係る日射遮蔽体(A)を得た。
【0067】
ここで、分光光度計(U−4000,株式会社日立ハイテクフィールディング製)を用
い、日射遮蔽体(A)の光学特性として日射透過率を測定した。この値を「初期値」とし
て耐熱性試験および耐光性試験を行った。耐熱性試験は、日射遮蔽体(A)を大気中12
0℃の恒温槽に12日間保管することで行った。耐光性試験は、日射遮蔽体(A)へ10
0mW/cm
2の強度でメタルハライドランプによる1時間の照射をすることで行った。
【0068】
(従来の技術に係るセシウム添加タングステン酸化物微粒子)
上述した耐熱性および耐光性の評価は、従来の技術に係るセシウム添加タングステン酸
化物微粒子を用いた日射遮蔽体を比較サンプルとして同時に耐熱性試験および耐光性試験
を実施し、実施例1に係るセシウム添加タングステン酸化物微粒子を用いた日射遮蔽体(
A)との日射透過率および可視光透過率の変化を比較し、その改善割合を算出することに
より行った。
即ち、試験後において、日射透過率および可視光透過率の変化が全くない場合を改善率
100%とし、日射透過率および可視光透過率が比較サンプルと同じだけ変化した場合を
改善率0%とした。耐熱性および耐光性試験の結果を表2に示す。
【0069】
尚、上述した、従来の技術に係るセシウム添加タングステン酸化物微粒子の製造方法に
ついて説明する。
タングステン酸(H
2WO
4、日本無機化学工業株式会社製)34.57kgに対し、
炭酸セシウム(Cs
2CO
3,ケメタルジャパン製)7.43kgを水6.70kgに溶
解させた水溶液を添加し、混合した後、100℃で攪拌しながら水分を除去して乾燥粉を
得た。
次に、N
2ガスをキャリアーとした5%のH
2ガスを供給しながら当該乾燥粉を加熱し
、800℃の温度条件で5.5時間焼成してCs
0.33WO
3微粒子を得た。
【0070】
[実施例2]
炭酸セシウム(Cs
2CO
3,ケメタルジャパン製)2.06gを純水によく溶解させ
た水溶液とタングステン酸(H
2WO
4,日本無機化学工業株式会社製)9.06gを十
分混合し、混合物を得た以外は、実施例1と同様にして微粒子(b)を得た。この微粒子
(b)のx/y値、格子定数、異相の量および粉砕前粒子径を表1に示す。
【0071】
次に、微粒子(a)に代えて微粒子(b)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作
を行い、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(B液)、日射遮蔽体(
B)を得た。ここで、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(B液)中
におけるセシウム添加タングステン酸化物微粒子の分散粒径は、UV硬化樹脂中含有させ
た際の透過散乱光の強度により評価し、最大ピークが1.29%となっていた。
そして、この分散樹脂液を用いて実施例1と同様に作製した日射遮蔽体(B)に対して
、実施例1と同様に耐熱性および耐光性試験を実施した。耐熱性および耐光性試験の結果
を表2に示す。
【0072】
[実施例3]
実施例2において製造した混合物へ、500℃、120分間の還元処理を行ったこと以
外は、実施例1と同様の操作を行って微粒子(c)を得た。この微粒子(c)のx/y値
、格子定数、異相の量および粉砕前粒子径を表1に示す。
次に、微粒子(a)に代えて微粒子(c)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作
を行い日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(C液)、日射遮蔽体(C
)を得た。ここで、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(C液)中に
おけるセシウム添加タングステン酸化物微粒子の分散粒径は、UV硬化樹脂中含有させた
際の透過散乱光の強度により評価し、最大ピークが1.22%となっていた。
そして、この分散樹脂液を用いて実施例1と同様に作製した日射遮蔽体(C)に対して
、実施例1と同様に耐熱性および耐光性試験を実施した。耐熱性および耐光性試験の結果
を表2に示す。
【0073】
[実施例4]
炭酸セシウム(Cs
2CO
3,ケメタルジャパン製)2.06gを純水によく溶解させ
た水溶液と、タングステン酸(H
2WO
4,日本無機化学工業株式会社製)9.06gと
を十分混合し、100℃大気中で乾燥させ、残留混合物を得た以外は、実施例3と同様の
操作を行って微粒子(d)を得た。この微粒子(d)のx/y値、格子定数、異相の量お
よび粉砕前粒子径を表1に示す。
次に、微粒子(a)に代えて微粒子(d)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作
を行い、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(D液)、日射遮蔽体(
D)を得た。ここで、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(D液)中
におけるセシウム添加タングステン酸化物微粒子の分散粒径は、UV硬化樹脂中含有させ
た際の透過散乱光の強度により評価し、最大ピークが1.25%となっていた。
そして、この分散樹脂液を用いて実施例1と同様に作製した日射遮蔽体(D)に対して
、実施例1と同様に耐熱性および耐光性試験を実施した。耐熱性および耐光性試験の結果
を表2に示す。
【0074】
[実施例5]
炭酸セシウム(Cs
2CO
3,ケメタルジャパン製)2.12gを純水によく溶解させ
た水溶液と、タングステン酸(H
2WO
4,日本無機化学工業株式会社製)9.06gと
を十分混合し、100℃大気中で乾燥させ、残留混合物を得た以外は、実施例3と同様の
操作を行って微粒子(e)を得た。この微粒子(e)のx/y値、格子定数、異相の量お
よび粉砕前粒子径を表1に示す。
次に、微粒子(a)に代えて微粒子(e)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作
を行い、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(E液)、日射遮蔽体(
E)を得た。ここで、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(E液)中
におけるセシウム添加タングステン酸化物微粒子の分散粒径は、UV硬化樹脂中含有させ
た際の透過散乱光の強度により評価し、最大ピークが1.24%となっていた。
そして、この分散樹脂液を用いて実施例1と同様に作製した日射遮蔽体(E)に対して
、実施例1と同様に耐熱性および耐光性試験を実施した。耐熱性および耐光性試験の結果
を表2に示す。
【0075】
[実施例6]
炭酸セシウム(Cs
2CO
3,ケメタルジャパン製)2.15gを純水によく溶解させ
た水溶液とタングステン酸(H
2WO
4,日本無機化学工業株式会社製)9.06gとを
十分混合し、100℃大気中で乾燥させ、残留混合物を得た以外は、実施例3と同様の操
作を行って微粒子(f)を得た。この微粒子(f)のx/y値、格子定数、異相の量およ
び粉砕前粒子径を表1に示す。
次に、微粒子(a)に代えて微粒子(f)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作
を行い、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(F液)、日射遮蔽体(
F)を得た。ここで、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(F液)中
におけるセシウム添加タングステン酸化物微粒子の分散粒径は、UV硬化樹脂中含有させ
た際の透過散乱光の強度により評価し、最大ピークが1.31%となっていた。
そして、この分散樹脂液を用いて実施例1と同様に作製した日射遮蔽体(F)に対して
、実施例1と同様に耐熱性および耐光性試験を実施した。耐熱性および耐光性試験の結果
を表2に示す。
【0076】
[実施例7]
炭酸セシウム(Cs
2CO
3,ケメタルジャパン製)2.18gを純水によく溶解させ
た水溶液と、タングステン酸(H
2WO
4,日本無機化学工業株式会社製)9.06gを
十分混合し、100℃大気中で乾燥させ、残留混合物を得た以外は、実施例1と同様にし
て微粒子(g)を得た。この微粒子(g)のx/y値、格子定数、異相の量および粉砕前
粒子径を表1に示す。
次に、微粒子(a)に代えて微粒子(g)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作
を行い、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(G液)、日射遮蔽体(
G)を得た。ここで、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(G液)中
におけるセシウム添加タングステン酸化物微粒子の分散粒径は、UV硬化樹脂中含有させ
た際の透過散乱光の強度により評価し、最大ピークが1.24%となっていた。
そして、この分散樹脂液を用いて実施例1と同様に作製した日射遮蔽体(G)に対して
、実施例1と同様に耐熱性および耐光性試験を実施した。耐熱性および耐光性試験の結果
を表2に示す。
【0077】
[比較例1]
タングステン酸(H
2WO
4,日本無機化学工業株式会社製)9.06gと、水とを十
分混合し、100℃大気中で乾燥させ、残留混合物を得た以外は、実施例1と同様の操作
を行って微粒子(h)を得た。この微粒子(h)のx/y値、格子定数、異相の量および
粉砕前粒子径を表1に示す。
次に、微粒子(a)に代えて微粒子(h)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作
を行い、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(H液)、日射遮蔽体(
H)を得た。ここで、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(H液)中
におけるセシウム添加タングステン酸化物微粒子の分散粒径は、UV硬化樹脂中含有させ
た際の透過散乱光の強度により評価し、最大ピークが1.22%となっていた。
そして、この分散樹脂液を用いて実施例1と同様に作製した日射遮蔽体(H)に対して
、実施例1と同様に耐熱性および耐光性試験を実施した。耐熱性および耐光性試験の結果
を表2に示す。
【0078】
[比較例2]
炭酸セシウム(Cs
2CO
3,ケメタルジャパン製)0.59gを純水によく溶解させ
た水溶液と、タングステン酸(H
2WO
4,日本無機化学工業株式会社製)9.06gを
十分混合し、100℃大気中で乾燥させ、残留混合物を得た以外は、実施例1と同様の操
作を行って微粒子(i)を得た。この微粒子(i)のx/y値、格子定数、異相の量およ
び粉砕前粒子径を表1に示す。
次に、微粒子(a)に代えて微粒子(i)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作
を行い、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(I液)、日射遮蔽体(
I)を得た。ここで、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(I液)中
におけるセシウム添加タングステン酸化物微粒子の分散粒径は、UV硬化樹脂中含有させ
た際の透過散乱光の強度により評価し、最大ピークが1.34%となっていた。
そして、この分散樹脂液を用いて実施例1と同様に作製した日射遮蔽体(I)に対して
、実施例1と同様に耐熱性および耐光性試験を実施した。耐熱性および耐光性試験の結果
を表2に示す。
【0079】
[比較例3]
炭酸セシウム(Cs
2CO
3,ケメタルジャパン製)1.18gを純水によく溶解させ
た水溶液と、タングステン酸(H
2WO
4,日本無機化学工業株式会社製)9.06gと
を十分混合し、100℃大気中で乾燥させ、残留混合物を得た以外は、実施例1と同様の
操作を行って微粒子(j)を得た。この微粒子(j)のx/y値、格子定数、異相の量お
よび粉砕前粒子径を表1に示す。
次に、微粒子(a)に代えて微粒子(j)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作
を行い、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(J液)、日射遮蔽体(
J)を得た。ここで、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(J液)中
におけるセシウム添加タングステン酸化物微粒子の分散粒径は、UV硬化樹脂中含有させ
た際の透過散乱光の強度により評価し、最大ピークが1.29%となっていた。
そして、この分散樹脂液を用いて実施例1と同様に作製した日射遮蔽体(J)に対して
、実施例1と同様に耐熱性および耐光性試験を実施した。耐熱性および耐光性試験の結果
を表2に示す。
【0080】
[比較例4]
炭酸セシウム(Cs
2CO
3,ケメタルジャパン製)1.65gを純水によく溶解させ
た水溶液と、タングステン酸(H
2WO
4,日本無機化学工業株式会社製)9.06gと
を十分混合し、100℃大気中で乾燥させ、残留混合物を得た以外は、実施例1と同様に
して微粒子(k)を得た。この微粒子(k)のx/y値、格子定数、異相の量および粉砕
前粒子径を表1に示す。
次に、微粒子(a)に代えて微粒子(k)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作
を行い、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(K液)、日射遮蔽体(
K)を得た。ここで、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(K液)中
におけるセシウム添加タングステン酸化物微粒子の分散粒径は、UV硬化樹脂中含有させ
た際の透過散乱光の強度により評価し、最大ピークが1.34%となっていた。
そして、この分散樹脂液を用いて実施例1と同様に作製した日射遮蔽体(K)に対して
、実施例1と同様に耐熱性および耐光性試験を実施した。耐熱性および耐光性試験の結果
を表2に示す。
【0081】
[比較例5]
炭酸セシウム(Cs
2CO
3,ケメタルジャパン製)1.77gを純水によく溶解させ
た水溶液と、タングステン酸(H
2WO
4,日本無機化学工業株式会社製)9.06gを
十分混合し、100℃大気中で乾燥させ、残留混合物を得た以外は、実施例1と同様にし
て微粒子(l)を得た。この微粒子(l)のx/y値、格子定数、異相の量および粉砕前
粒子径を表1に示す。
次に、微粒子(a)に代えて微粒子(l)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作
を行い、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(L液)、日射遮蔽体(
L)を得た。ここで、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(L液)中
におけるセシウム添加タングステン酸化物微粒子の分散粒径は、UV硬化樹脂中含有させ
た際の透過散乱光の強度により評価し、最大ピークが1.32%となっていた。
そして、この分散樹脂液を用いて実施例1と同様に作製した日射遮蔽体(L)に対して
、実施例1と同様に耐熱性および耐光性試験を実施した。耐熱性および耐光性試験の結果
を表2に示す。
【0082】
[比較例6]
炭酸セシウム(Cs
2CO
3,ケメタルジャパン製)2.36gを純水によく溶解させ
た水溶液と、タングステン酸(H
2WO
4,日本無機化学工業株式会社製)9.06gと
を十分混合し、100℃大気中で乾燥させ、残留混合物を得た以外は、実施例1と同様に
して微粒子(m)を得た。この微粒子(m)のx/y値、格子定数、異相の量および粉砕
前粒子径を表1に示す。
次に、微粒子(a)に代えて微粒子(m)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作
を行い、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(M液)、日射遮蔽体(
M)を得た。ここで、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(M液)中
におけるセシウム添加タングステン酸化物微粒子の分散粒径は、UV硬化樹脂中含有させ
た際の透過散乱光の強度により評価し、最大ピークが1.25%となっていた。
そして、この分散樹脂液を用いて実施例1と同様に作製した日射遮蔽体(M)に対して
、実施例1と同様に耐熱性および耐光性試験を実施した。耐熱性および耐光性試験の結果
を表2に示す。
【0083】
[比較例7]
炭酸セシウム(Cs
2CO
3,ケメタルジャパン製)2.65gを純水によく溶解させ
た水溶液と、タングステン酸(H
2WO
4,日本無機化学工業株式会社製)9.06gを
十分混合し、100℃大気中で乾燥させ、残留混合物を得た以外は、実施例1と同様にし
て微粒子(n)を得た。この微粒子(n)のx/y値、格子定数、異相の量および粉砕前
粒子径を表1に示す。
次に、微粒子(a)に代えて微粒子(n)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作
を行い、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(N液)、日射遮蔽体(
N)を得た。ここで、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(N液)中
におけるセシウム添加タングステン酸化物微粒子の分散粒径は、UV硬化樹脂中含有させ
た際の透過散乱光の強度により評価し、最大ピークが1.25%となっていた。
そして、この分散樹脂液を用いて実施例1と同様に作製した日射遮蔽体(N)に対して
、実施例1と同様に耐熱性および耐光性試験を実施した。耐熱性および耐光性試験の結果
を表2に示す。
【0084】
[比較例8]
実施例1において製造した混合物を、N
2ガスをキャリアとした1%H
2ガスを供給し
ながら加熱し、1000℃の温度で16分間の還元処理を行ったこと以外は、実施例1と
同様の操作を行い、微粒子(o)を得た。この微粒子(o)のx/y値、格子定数、異相
の量および粉砕前粒子径を表1に示す。
次に、微粒子(a)に代えて微粒子(o)を用いたこと以外は、実施例1と同様に日射
遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(O液)を得た。この分散液を用いて
実施例1と同様に日射遮蔽体を作製したが、異相として混在していたタングステンにより
透明膜を得ることが出来なかった。
【0085】
[比較例9]
実施例1において製造した混合物を、N
2ガスをキャリアとした1%H
2ガスを供給し
ながら加熱し、900℃の温度で18分間の還元処理を行ったこと以外は、実施例1と同
様の操作を行い、微粒子(p)を得た。この微粒子(p)のx/y値、格子定数、異相の
量および粉砕前粒子径を表1に示す。
次に、微粒子(a)に代えて微粒子(p)を用いたこと以外は、実施例1と同様に日射
遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(P液)を得た。この分散液を用いて
実施例1と同様に日射遮蔽体を作製したが、異相として混在していたタングステンにより
透明膜を得ることが出来なかった。
【0086】
[比較例10]
実施例1において製造した混合物を、N
2ガスをキャリアとした1%H
2ガスを供給し
ながら加熱し、800℃の温度で20分間の還元処理を行ったこと以外は、実施例1と同
様の操作を行い、微粒子(q)を得た。この微粒子(q)のx/y値、格子定数、異相の
量および粉砕前粒子径を表1に示す。
次に、微粒子(a)に代えて微粒子(q)を用いたこと以外は、実施例1と同様に日射
遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(Q液)を得た。この分散液を用いて
実施例1と同様に日射遮蔽体を作製したが、異相として混在していたタングステンにより
透明膜を得ることが出来なかった。
【0087】
[比較例11]
実施例1において製造した混合物を、N
2ガスをキャリアとした1%H
2ガスを供給し
ながら加熱し、700℃の温度で23分間の還元処理を行ったこと以外は、実施例1と同
様の操作を行い、微粒子(r)を得た。この微粒子(r)のx/y値、格子定数、異相の
量および粉砕前粒子径を表1に示す。
次に、微粒子(a)に代えて微粒子(r)を用いたこと以外は、実施例1と同様に日射
遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(R液)、日射遮蔽体(R)を得た。
ここで、日射遮蔽体形成用複合タングステン酸化物微粒子分散液(R液)中におけるセシ
ウム添加タングステン酸化物微粒子の分散粒径は、UV硬化樹脂中含有させた際の透過散
乱光の強度により評価し、最大ピークが1.30%となっていた。
そして、この分散樹脂液を用いて実施例1と同様に作製した日射遮蔽体(R)に対して
、実施例1と同様に耐熱性および耐光性試験を実施した。耐熱性および耐光性試験の結果
を表2に示す。
【0088】
【表1】
【表2】