【実施例】
【0041】
[実施例1]
共沈法によって組成式(Ni
0.48Co
0.26Mn
0.26)
2O
3で表される複合酸化物を得た。得られた複合酸化物と、得られた複合酸化物0.5molに対して0.065molの炭酸リチウム、0.010molのオルトホウ酸、0.019molのリン酸リチウム及び0.001molの硫酸リチウムとを純水に分散し、固形分の濃度が20%である第一の原料スラリーを得た。第一の原料スラリーにおいて、Li/Me(1)=0.19、{Li/Me(1)}−(3α+3β+2γ)=0.10である。
【0042】
得られた第一の原料スラリーをボールミルによって粉砕し、D
10=0.03μmである第二の原料スラリーを得た。
【0043】
得られた第二の原料スラリーを18mL/min、空気を20L/minの流量で三流体スプレーノズルに導入し、乾燥温度240℃で噴霧乾燥を行い、乾燥物を得た。
【0044】
得られた乾燥物と、得られた乾燥物中の複合酸化物0.5molに対して0.506molの炭酸リチウムとを混合し、原料混合物を得た。
【0045】
得られた原料混合物を昇温速度3.3℃/minで800℃まで昇温し、焼成温度800℃で5時間焼成し、組成式Li
1.20Ni
0.48Co
0.26Mn
0.26B
0.010P
0.019S
0.001O
2で表される焼結体を得た。
【0046】
得られた焼結体を200メッシュの乾式篩に通し、目的の正極活物質を得た。
【0047】
[実施例2]
焼成温度を840℃とする以外実施例1と同様に行い、目的の正極活物質を得た。
【0048】
[実施例3]
共沈法によって組成式(Ni
0.48Co
0.26Mn
0.26)
2O
3で表される複合酸化物を得た。得られた複合酸化物と、得られた複合酸化物0.5molに対して0.056molの炭酸リチウム、0.004molのオルトホウ酸及び0.001molの硫酸リチウムとを純水に分散し、固形分の濃度が20%である第一の原料スラリーを得た。第一の原料スラリーにおいて、Li/Me(1)=0.11、{Li/Me(1)}−(3α+3β+2γ)=0.10である。
【0049】
得られた第一の原料スラリーをボールミルによって粉砕し、D
10=0.03μmである第二の原料スラリーを得た。
【0050】
得られた第二の原料スラリーを18mL/min、空気を20L/minの流量で三流体スプレーノズルに導入し、乾燥温度240℃で噴霧乾燥を行い、乾燥物を得た。
【0051】
得られた乾燥物と、得られた乾燥物中の複合酸化物0.5molに対して0.543molの炭酸リチウムとを混合し、原料混合物を得た。
【0052】
得られた原料混合物を昇温速度3.3℃/minで850℃まで昇温し、焼成温度850℃で5時間焼成し、組成式Li
1.20Ni
0.48Co
0.26Mn
0.26B
0.004S
0.001O
2で表される焼結体を得た。
【0053】
得られた焼結体を200メッシュの乾式篩に通し、目的の正極活物質を得た。
[実施例4]
共沈法によって組成式(Ni
0.48Co
0.26Mn
0.26)
2O
3で表される複合酸化物を得た。得られた複合酸化物と、得られた複合酸化物0.5molに対して0.050molの炭酸リチウム、0.010molのリン酸リチウム及び0.001molの硫酸リチウムとを純水に分散し、固形分の濃度が20%である第一の原料スラリーを得た。第一の原料スラリーにおいて、Li/Me(1)=0.13、{Li/Me(1)}−(3α+3β+2γ)=0.10である。
【0054】
得られた第一の原料スラリーをボールミルによって粉砕し、D
10=0.03μmである第二の原料スラリーを得た。
【0055】
得られた第二の原料スラリーを18mL/min、空気を20L/minの流量で三流体スプレーノズルに導入し、乾燥温度240℃で噴霧乾燥を行い、乾燥物を得た。
【0056】
得られた乾燥物と、得られた乾燥物中の複合酸化物0.5molに対して0.534molの炭酸リチウムとを混合し、原料混合物を得た。
【0057】
得られた原料混合物を昇温速度3.3℃/minで840℃まで昇温し、焼成温度840℃で5時間焼成し、組成式Li
1.20Ni
0.48Co
0.26Mn
0.26P
0.010S
0.001O
2で表される焼結体を得た。
【0058】
得られた焼結体を200メッシュの乾式篩に通し、目的の正極活物質を得た。
【0059】
[実施例5]
共沈法によって組成式(Ni
0.48Co
0.26Mn
0.26)
2O
3で表される複合酸化物を得た。得られた複合酸化物と、得られた複合酸化物0.5molに対して0.156molの炭酸リチウム、0.004molのオルトホウ酸、0.019molのリン酸リチウム及び0.001molの硫酸リチウムとを純水に分散し、固形分の濃度が20%である第一の原料スラリーを得た。第一の原料スラリーにおいて、Li/Me(1)=0.37、{Li/Me(1)}−(3α+3β+2γ)=0.30である。
【0060】
得られた第一の原料スラリーをボールミルによって粉砕し、D
10=0.03μmである第二の原料スラリーを得た。
【0061】
得られた第二の原料スラリーを18mL/min、空気を20L/minの流量で三流体スプレーノズルに導入し、乾燥温度240℃で噴霧乾燥を行い、乾燥物を得た。
【0062】
得られた乾燥物と、得られた乾燥物中の複合酸化物0.5molに対して0.415molの炭酸リチウムとを混合し、原料混合物を得た。
【0063】
得られた原料混合物を昇温速度3.3℃/minで800℃まで昇温し、焼成温度800℃で5時間焼成し、組成式Li
1.20Ni
0.48Co
0.26Mn
0.26B
0.004P
0.019S
0.001O
2で表される焼結体を得た。
【0064】
得られた焼結体を200メッシュの乾式篩に通し、目的の正極活物質を得た。
【0065】
[実施例6]
共沈法によって組成式(Ni
0.48Co
0.26Mn
0.26)
2O
3で表される複合酸化物を得た。得られた複合酸化物と、得られた複合酸化物0.5molに対して0.050molの炭酸リチウム、及び0.010molの硫酸リチウムとを純水に分散し、固形分の濃度が20%である第一の原料スラリーを得た。第一の原料スラリーにおいて、Li/Me(1)=0.12、{Li/Me(1)}−(3α+3β+2γ)=0.10である。
【0066】
得られた第一の原料スラリーをボールミルによって粉砕し、D
10=0.03μmである第二の原料スラリーを得た。
【0067】
得られた第二の原料スラリーを18mL/min、空気を20L/minの流量で三流体スプレーノズルに導入し、乾燥温度240℃で噴霧乾燥を行い、乾燥物を得た。
【0068】
得られた乾燥物と、得られた乾燥物中の複合酸化物0.5molに対して0.540molの炭酸リチウムとを混合し、原料混合物を得た。
【0069】
得られた原料混合物を昇温速度3.3℃/minで800℃まで昇温し、焼成温度800℃で5時間焼成し、組成式Li
1.20Ni
0.48Co
0.26Mn
0.26S
0.010O
2で表される焼結体を得た。
【0070】
得られた焼結体を200メッシュの乾式篩に通し、目的の正極活物質を得た。
【0071】
[実施例7]
共沈法によって組成式(Ni
0.48Co
0.26Mn
0.26)
2O
3で表される複合酸化物を得た。得られた複合酸化物と、得られた複合酸化物0.5molに対して0.050molの炭酸リチウム及び0.006molのオルトホウ酸とを純水に分散し、固形分の濃度が20%である第一の原料スラリーを得た。第一の原料スラリーにおいて、Li/Me(1)=0.12、{Li/Me(1)}−(3α+3β+2γ)=0.10である。
【0072】
得られた第一の原料スラリーをボールミルによって粉砕し、D
10=0.03μmである第二の原料スラリーを得た。
【0073】
得られた第二の原料スラリーを18mL/min、空気を20L/minの流量で三流体スプレーノズルに導入し、乾燥温度240℃で噴霧乾燥を行い、乾燥物を得た。
【0074】
得られた乾燥物と、得られた乾燥物中の複合酸化物0.5molに対して0.541molの炭酸リチウムとを混合し、原料混合物を得た。
【0075】
得られた原料混合物を昇温速度3.3℃/minで835℃まで昇温し、焼成温度835℃で5時間焼成し、組成式Li
1.20Ni
0.48Co
0.26Mn
0.26B
0.006O
2で表される焼結体を得た。
【0076】
得られた焼結体を200メッシュの乾式篩に通し、目的の正極活物質を得た。
【0077】
[実施例8]
共沈法によって組成式(Ni
0.48Co
0.26Mn
0.26)
2O
3で表される複合酸化物を得た。得られた複合酸化物と、得られた複合酸化物0.5molに対して0.050molの炭酸リチウム及び0.026molのリン酸リチウムとを純水に分散し、固形分の濃度が20%である第一の原料スラリーを得た。第一の原料スラリーにおいて、Li/Me(1)=0.18、{Li/Me(1)}−(3α+3β+2γ)=0.10である。
【0078】
得られた第一の原料スラリーをボールミルによって粉砕し、D
10=0.03μmである第二の原料スラリーを得た。
【0079】
得られた第二の原料スラリーを18mL/min、空気を20L/minの流量で三流体スプレーノズルに導入し、乾燥温度240℃で噴霧乾燥を行い、乾燥物を得た。
【0080】
得られた乾燥物と、得られた乾燥物中の複合酸化物0.5molに対して0.511molの炭酸リチウムとを混合し、原料混合物を得た。
【0081】
得られた原料混合物を昇温速度3.3℃/minで860℃まで昇温し、焼成温度860℃で5時間焼成し、組成式Li
1.20Ni
0.48Co
0.26Mn
0.26B
0.026O
2で表される焼結体を得た。
【0082】
得られた焼結体を200メッシュの乾式篩に通し、目的の正極活物質を得た。
【0083】
[比較例1]
共沈法によって組成式(Ni
0.48Co
0.26Mn
0.26)
2O
3で表される複合酸化物を得た。得られた複合酸化物と、得られた複合酸化物0.5molに対して0.365molの炭酸リチウム、0.010molのオルトホウ酸、0.019molのリン酸リチウム及び0.010molの硫酸リチウムとを純水に分散し、固形分の濃度が20%である第一の原料スラリーを得た。第一の原料スラリーにおいて、Li/Me(1)=0.81、{Li/Me(1)}−(3α+3β+2γ)=0.70である。
【0084】
得られた第一の原料スラリーをボールミルによって粉砕し、D
10=0.03μmである第二の原料スラリーを得た。
【0085】
得られた第二の原料スラリーを18mL/min、空気を20L/minの流量で三流体スプレーノズルに導入し、乾燥温度240℃で噴霧乾燥を行い、乾燥物を得た。
【0086】
得られた乾燥物と、得られた乾燥物中の複合酸化物0.5molに対して0.197molの炭酸リチウムとを混合し、原料混合物を得た。
【0087】
得られた原料混合物を昇温速度3.3℃/minで850℃まで昇温し、焼成温度850℃で5時間焼成し、組成式Li
1.20Ni
0.48Co
0.26Mn
0.26B
0.010P
0.019S
0.010O
2で表される焼結体を得た。
【0088】
得られた焼結体を200メッシュの乾式篩に通し、目的の正極活物質を得た。
【0089】
[比較例2]
共沈法によって組成式(Ni
0.48Co
0.26Mn
0.26)
2O
3で表される複合酸化物を得た。得られた複合酸化物と、得られた複合酸化物0.5molに対して0.020molの炭酸リチウム、0.010molのオルトホウ酸、0.019molのリン酸リチウム及び0.01molの硫酸リチウムとを純水に分散し、固形分の濃度が20%である第一の原料スラリーを得た。第一の原料スラリーにおいて、Li/Me(1)=0.12、{Li/Me(1)}−(3α+3β+2γ)=0.01である。
【0090】
得られた第一の原料スラリーをボールミルによって粉砕し、D
10=0.03μmである第二の原料スラリーを得た。
【0091】
得られた第二の原料スラリーを18mL/min、空気を20L/minの流量で三流体スプレーノズルに導入し、乾燥温度240℃で噴霧乾燥を行い、乾燥物を得た。
【0092】
得られた乾燥物と、得られた乾燥物中の複合酸化物0.5molに対して0.542molの炭酸リチウムとを混合し、原料混合物を得た。
【0093】
得られた原料混合物を昇温速度3.3℃/minで840℃まで昇温し、焼成温度840℃で5時間焼成し、組成式Li
1.20Ni
0.48Co
0.26Mn
0.26B
0.010P
0.019S
0.010O
2で表される焼結体を得た。
【0094】
得られた焼結体を200メッシュの乾式篩に通し、目的の正極活物質を得た。
【0095】
[比較例3]
共沈法によって組成式(Ni
0.48Co
0.26Mn
0.26)
2O
3で表される複合酸化物を得た。得られた複合酸化物と、得られた複合酸化物0.5molに対して0.052molの炭酸リチウム、0.001molのオルトホウ酸及び0.001molの硫酸リチウムとを純水に分散し、固形分の濃度が20%である第一の原料スラリーを得た。第一の原料スラリーにおいて、Li/Me(1)=0.11、{Li/Me(1)}−(3α+3β+2γ)=0.10である。
【0096】
得られた第一の原料スラリーをボールミルによって粉砕し、D
10=0.03μmである第二の原料スラリーを得た。
【0097】
得られた第二の原料スラリーを18mL/min、空気を20L/minの流量で三流体スプレーノズルに導入し、乾燥温度240℃で噴霧乾燥を行い、乾燥物を得た。
【0098】
得られた乾燥物と、得られた乾燥物中の複合酸化物0.5molに対して0.548molの炭酸リチウムとを混合し、原料混合物を得た。
【0099】
得られた原料混合物を昇温速度3.3℃/minで880℃まで昇温し、焼成温度880℃で5時間焼成し、組成式Li
1.20Ni
0.48Co
0.26Mn
0.26B
0.001S
0.001O
2で表される焼結体を得た。
【0100】
得られた焼結体を200メッシュの乾式篩に通し、目的の正極活物質を得た。
【0101】
[比較例4]
共沈法によって組成式(Ni
0.48Co
0.26Mn
0.26)
2O
3で表される複合酸化物を得た。得られた複合酸化物と、得られた複合酸化物0.5molに対して0.050molの炭酸リチウム、0.004molのリン酸リチウム及び0.001molの硫酸リチウムとを純水に分散し、固形分の濃度が20%である第一の原料スラリーを得た。第一の原料スラリーにおいて、Li/Me(1)=0.11、{Li/Me(1)}−(3α+3β+2γ)=0.10である。
【0102】
得られた第一の原料スラリーをボールミルによって粉砕し、D
10=0.03μmである第二の原料スラリーを得た。
【0103】
得られた第二の原料スラリーを18mL/min、空気を20L/minの流量で三流体スプレーノズルに導入し、乾燥温度240℃で噴霧乾燥を行い、乾燥物を得た。
【0104】
得られた乾燥物と、得られた乾燥物中の複合酸化物0.5molに対して0.543molの炭酸リチウムとを混合し、原料混合物を得た。
【0105】
得られた原料混合物を昇温速度3.3℃/minで890℃まで昇温し、焼成温度890℃で5時間焼成し、組成式Li
1.20Ni
0.48Co
0.26Mn
0.26P
0.004S
0.001O
2で表される焼結体を得た。
【0106】
得られた焼結体を200メッシュの乾式篩に通し、目的の正極活物質を得た。
【0107】
<細孔分布の評価>
実施例1〜8及び比較例1〜4の正極活物質について、水銀圧入法によってLog微分細孔容積分布を測定した。測定したLog微分細孔容積分布を用い、細孔径が0.01μmから0.15μmの範囲の積分値からVp(1)を、細孔径が0.01μmから10μmの範囲の積分値からVp(2)を算出した。
【0108】
<極板剥離評価>
実施例1〜8及び比較例1〜4の正極活物質を用い、以下の要領で正極板を作製し、極板剥離評価を行った。
【0109】
[正極の作製]
正極活物質90質量部、炭素粉末5質量部及びポリフッ化ビニリデン5質量部をN−メチルピロリドンに分散、溶解し、混練して正極ペーストを得た。得られた正極ペーストをアルミニウム箔に、塗布密度が約8mg/cm
3となるよう塗布し、乾燥させた。乾燥後、塗布済みのアルミニウム箔を所定の圧力で圧延し、所定の大きさに裁断し、正極板を得た。
【0110】
[剥離の有無確認]
得られた正極板にメンディングテープを貼り、密着させ、空気を抜いた後、一定の力でテープを剥がし、正極板から正極活物質が剥離するかどうかを確認した。
【0111】
<負荷効率評価>
極板剥離のなかった正極板を用い、以下の要領で評価用電池を作製し、負荷効率評価を行った。
【0112】
[負極の作製]
人造黒鉛97.5質量部、カルボキシメチルセルロース1.5質量部、及びスチレンブタジエンゴム1.0質量部を水に分散させて負極ペーストを得た。得られた負極ペーストを銅箔に所定量塗布し、乾燥させた。乾燥後、塗布済みの銅箔を所定の圧力で圧延し、所定の大きさに裁断し、負極板を得た。
【0113】
[非水電解液の作製]
エチレンカーボネイトとメチルエチルカーボネイトを体積比率3:7で混合し、混合溶媒を得た。得られた混合溶媒に六フッ化リン酸リチウムをその濃度が、1mol/Lになるように溶解させて、非水電解液を得た。
【0114】
[評価用電池の組み立て]
正極板のアルミニウム箔と、負極板の銅箔とに、それぞれリード電極を取り付けたのち120℃で真空乾燥を行った。真空乾燥後、正極板と負極板の間に多孔性ポリエチレンからなるセパレータを配し、袋状のラミネートパックにそれらを収納した。収納後60℃で真空乾燥を行った。真空乾燥後、ラミネートパック内に非水電解液を注入、封止し、評価用の非水電解液二次電池を得た。
【0115】
[充放電容量測定]
充電電圧4.3V、充電電流密度0.25A/cm
2で定電流定電圧充電を行った。充電後、放電電圧2.75V、放電電流密度0.25A/cm
2で定電流放電を行い、0.25A/cm
2における放電容量を測定した。
【0116】
次に、放電電流密度が6.25A/cm
2である以外同様にして定電流定電圧充電と定電流放電を行い、放電電流密度6.25A/cm
2における放電容量を測定した。
【0117】
放電電流密度6.25A/cm
2における放電容量を放電電流密度0.25A/cm
2における放電容量で除し、負荷効率を求めた。負荷効率が高いことは負荷特性が良いことを意味する。
【0118】
実施例1〜8及び比較例1〜4の製造条件を表1及び2に、各種特性を表3に示す。
【0119】
【表1】
【0120】
【表2】
【0121】
【表3】
【0122】
表1〜表3より、以下のことが分かる。
【0123】
比較例1、3及び4の正極活物質を用いた正極板は、Vp(2)が0.450cm
3/gを超えているため、極板剥離が起こっている。つまり、比較例1、3及び4の正極活物質を用いて極板密度の高い正極板を得ることができない。
【0124】
比較例2の正極活物質を用いた正極板は、極板剥離が起こっていない。しかし、Vp(1)が0.035cm
3/g未満であるため、比較例2の正極活物質を用いた非水電解液二次電池は、実施例1〜8の正極活物質を用いた非水電解液二次電池に比べて負荷効率が低い。
【0125】
また、実施例1〜8と、比較例1〜4との対比から、Vp(1)及びVp(2)を所定の範囲内に制御するには、第一の原料スラリーにおけるリチウムと、ホウ素、リン及び硫黄からなる群より選択される少なくとも一種との関係を所定の範囲内に制御することが必要であることが分かる。