【実施例】
【0147】
(実施例1)
原料の[1][ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン−2−アミンはB.Kosata,V.Kozmik and J.Svoboda,Collect.Czech.Chem.Commun.Vol.67,645(2002).に記載の方法で合成した。
【0148】
[1][ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン−2−アミン(3.76g,0.014mol)を塩酸(110ml)、水(220ml)の溶液に加えた。この溶液を5℃に冷却した後、亜硝酸ナトリウム(1.1g,0.016mol)を水(66ml)に溶かした溶液を滴下した。この反応液を5℃で3.5時間撹拌した後、ヨウ化カリウム(2.65g,0.016mol)を水(66ml)に溶かした溶液を滴下した。滴下後、反応温度を室温に戻し、16時間撹拌した。反応液中の析出物をろ過した後、水洗した後、ジクロロメタンで抽出した。溶媒を濃縮後に得られた残留物はカラムクロマトグラフィーで精製し、2−アイオド[1][ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン3.38g(収率:66%)を得た。
【0149】
NMR(300 MHz,in CDCl
3): 8.26(d,J=1.2Hz,1H),7.92(dd,J=0.9Hz,J=5.7Hz,1H),
【0150】
7.88(dd,J=1.2Hz,J=6.3Hz,1H),7.74(dd,J=1.2Hz,J=6.3Hz,1H),7.62(d,J=6.0Hz,1H),
【0151】
7.51−7.41(m,2H).
【0152】
このようにして合成した、2−アイオド[1][ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェンを原料として、対応するホウ素化合物を用いて、鈴木カップリング反応により、目的とする化合物を合成した。一般的な方法を、化9を例に用いて説明する。
【0153】
アルゴン雰囲気下、2−アイオド[1][ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(120mg,0.32mmol)、2−(5−オクチルチエニル−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン(130mg,0.39mol)、炭酸セシウム(130g,0.40mmol)を1,2−ジメトキシエンタン/水(10m/1ml)に溶かし、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(23mg,0.02mmol)を加え、95℃で19時間加熱撹拌した。反応液を濃縮後、クロロホルムにて抽出した。有機層は水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧にて濃縮した後、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、化9で示される化合物を70mg(収率:50%)得た。
【0154】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3,δ): 8.08(d,J=1.2Hz,1H),7.95(dd,J=1.2Hz,J=8.1Hz,1H),
【0155】
7.88(m,1H),7.84(d,J=8.1Hz,1H),7.67(dd,J=1.2Hz,J=8.4Hz,1H),7.46(ddd,J=1.2Hz,
【0156】
J=7.2Hz,J=8.4Hz,1H),7.40(ddd,J=1.2Hz,J=7.2Hz,J=8.4Hz,1H),7.22(d,J=3.6Hz,1H),
【0157】
6.79(d,J=3.6Hz,1H),2.84(t,J=7.5Hz,2H),1.75−1.70(m,2H),1.41−1.29(m,10H),
【0158】
0.89(t,J=6.6Hz,3H).
【0159】
本明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を
図21に示す。
【0160】
(実施例2)
【0161】
実施例1と同様方法により、2−アイオド[1][ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(150mg,0.41mmol)と2−(5−ブチルチエニル−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン(120mg,0.45mol)から化5の化合物60mg(収率:39%)を得た。
【0162】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3,δ): 8.07(d,J=1.2Hz,1H),7.93(dd,J=1.2Hz,J=8.1Hz,1H),
【0163】
7.88(m,1H),7.85(d,J=8.1Hz,1H),7.67(dd,J=1.2Hz,J=8.4Hz,1H),
【0164】
7.46(ddd,J=1.2Hz,J=7.2Hz,J=8.4Hz,1H),7.40(ddd,J=1.2Hz,J=7.2Hz,J=8.4Hz,1H),
【0165】
7.22(d,J=3.6Hz,1H),6.78(d,J=3.6Hz,1H),2.86(t,J=7.5Hz,2H),1.77−1.67(m,2H),
【0166】
1.50−1.41(m,2H),0.99(t,J=7.1Hz,3H).
【0167】
本明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を
図17に示す。
【0168】
(実施例3)
【0169】
実施例1と同様方法により、2−アイオド[1][ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(130mg,0.35mmol)と2−(5−ペンチルチエニル−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン(110mg,0.39mol)から化6の化合物90mg(収率:65%)を得た。
【0170】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3,δ): 8.08(d,J=1.2Hz,1H),7.93(dd,J=1.2Hz,J=8.1Hz,1H),
【0171】
7.89(m,1H),7.85(d,J=8.1Hz,1H),7.67(dd,J=1.2Hz,J=8.4Hz,1H),
【0172】
7.46(ddd,J=1.2Hz,J=7.2Hz,J=8.4Hz,1H),7.40(ddd,J=1.2Hz,J=7.2Hz,J=8.4Hz,1H),
【0173】
7.22(d,J=3.6Hz,1H),6.78(d,J=3.6Hz,1H),2.85(t,J=7.5Hz,2H),1.76−1.71(m,2H),
【0174】
1.42−1.37(m,4H),0.91(t,J=7.0Hz,3H).
【0175】
本明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を
図18に示す。
【0176】
(実施例4)
【0177】
実施例1と同様方法により、2−アイオド[1][ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(80mg,0.22mmol)と2−(5−ヘキシルチエニル−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン(71mg,0.24mol)から化7の化合物45mg(収率:51%)を得た。
【0178】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3,δ): 8.08(d,J=1.2Hz,1H),7.92(dd,J=1.2Hz,J=8.1Hz,1H),
【0179】
7.88(d,J=8.1Hz,1H),7.84(d,J=8.1Hz,1H),7.66(dd,J=1.2Hz,J=8.4Hz,1H),
【0180】
7.46(ddd,J=1.2Hz,J=7.8Hz,J=8.4Hz,1H),7.41(ddd,J=1.2Hz,J=7.8Hz,J=8.4Hz,1H),
【0181】
7.24(d,J=3.6Hz,1H),6.79(d,J=3.6Hz,1H),2.84(t,J=7.5Hz,2H),1.75−1.70(m,2H),
【0182】
1.44−1.30(m,6H),0.91(t,J=6.0Hz,3H).
【0183】
本明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を
図19に示す。
【0184】
(実施例5)
【0185】
実施例1と同様方法により、2−アイオド[1][ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(130mg,0.35mmol)と2−(5−ヘプチルチエニル−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン(120mg,0.39mol)から化8の化合物56mg(収率:38%)を得た。
【0186】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3,δ): 8.08(d,J=1.2Hz,1H),7.93(dd,J=1.2Hz,J=8.1Hz,1H),
【0187】
7.89(m,1H),7.85(d,J=8.1Hz,1H),7.65(dd,J=1.2Hz,J=8.4Hz,1H),7.46(ddd,J=1.2Hz,
【0188】
J=7.2Hz,J=8.4Hz,1H),7.41(ddd,J=1.2Hz,J=7.2Hz,J=8.4Hz,1H),7.22(d,J=3.6Hz,1H),
【0189】
6.78(d,J=3.6Hz,1H),2.85(t,J=7.5Hz,2H),1.75−1.68(m,2H),1.46−1.31(m,8H),
【0190】
0.89(t,J=7.0Hz,3H).
本明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を
図20に示す。
【0191】
(実施例6)
【0192】
化10は以下の方法によって合成した。
【0193】
原料の2−エチル[1]ベンゾチエノ[3,2−b]ベンゾチオフェンはB.Kosata,V.Kozmik and J.Svoboda,Collect.Czech.Chem.Commun.Vol.67,645(2002).に記載の方法で合成した。
【0194】
2−エチル[1]ベンゾチエノ[3,2−b]ベンゾチオフェン(550mg,2.0mmol)をジクロロメタン(40ml)に溶かし−45℃に冷却した後、発煙硝酸(250mg,4.0mmol)のジクロロメタン(5ml)溶液を滴下した。反応液は−45℃〜−30℃で40分攪拌後、室温に戻した。ジクロロメタンで抽出後、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し黄色固体物質(630mg)を得た。
【0195】
この黄色固体物質(630mg)をトルエン(60ml)に懸濁し、次いで鉄粉(1.94g,34.8mmol)を
【0196】
加え、125℃で加熱し攪拌した。この反応液に塩化アンモニウム(100mg,1.8mmol)を水(1.6ml)に溶かした溶液を滴下した。滴下後、1時間加熱攪拌した。トルエン層を分液し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、2−アミノ−7−エチル[1]ベンゾチエノ[3,2−b]ベンゾチオフェン470mg(収率:84%)を得た。
【0197】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3,δ): 7.70(d,J=0.6Hz.1H),7.69(d,J=0.6Hz.1H),7.63(d,J=8.4Hz.1H),7.27(m,1H),7.17(d,J=2.0Hz,1H),6.82(dd,J=2.0Hz,J=8.4Hz,1H),3.85(bs,2H),
【0198】
2.79(q,J=7.5Hz,2H),1.32(t,J=7.5Hz,3H).
【0199】
2−アミノ−7−エチル[1]ベンゾチエノ[3,2−b]ベンゾチオフェン(470mg,1.67mmol)に濃塩酸(11ml)、水(22ml)を加え5℃に冷却した。この溶液に亜硝酸ナトリウム(130mg,0.19mmol)を水(7ml)に溶かした溶液を滴下した。この溶液を5℃で1時間攪拌した後、ヨウ化カリウム(300mg,1.83mmol)の水(7ml)の溶液を滴下した。反応液は室温に戻し、4時間攪拌した。反応混合物をクロロホルムで抽出し、水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、2−アイオド−7−エチル[1]ベンゾチエノ[3,2−b]ベンゾチオフェン400mg(収率:61%)を得た。
【0200】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3δ): 8.23(d,J=1.4Hz,1H),7.78(d,J=8.2Hz,1H),
【0201】
7.72(dd,J=1.4,J=8.2Hz,1H),7.73(d,J=1.4Hz,1H),7.62(d,J=8.2Hz,1H),
【0202】
7.26(dd,J=1.8Hz,J=8.2Hz,1H),2.82(q,J=7.0Hz,2H),0.93(t,J=7.0Hz,3H)
【0203】
アルゴン雰囲気下、2−アイオド−7−エチル[1]ベンゾチエノ[3,2−b]ベンゾチオフェン(200mg,0.50mmol)、2−(5−オクチルチエニル−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン(160mg,0.51mol)、炭酸セシウム(170mg,0.51mmol)を1,2−ジメトキシエンタン/水(20m/2ml)に溶かし、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(29mg,0.025mmol)を加え、95℃で20時間加熱撹拌した。反応液を濃縮後、クロロホルムにて抽出した。有機層は水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧にて溶媒を留去した後、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、化10で示される化合物70mg(収率:30%)を得た。
【0204】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3,δ):8.05(d,J=1.2Hz,1H,),7.79(d,J=8.1Hz,1H),
【0205】
7.76(d,J=8.1Hz,1H),7.72(d,J=0.6Hz,1H),7.63(dd,J=1.8Hz,J=8.1Hz,1H),7.23(dd,J=1.8Hz,J=8.1Hz,1H),7.20(d,J=3.6Hz,1H),6.77(d,J=3.6HZ,1H),2.85(q,J=4.8Hz,2H),2.79(q,J=7.5Hz,2H),1.77−1.66(m,2H),1.50−1.20(m,10H),0.91(t,J=4.8Hz,3H),0.89(t,J=7.5Hz,3H).
本明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を
図22に示す。
【0206】
(実施例7)
【0207】
2−アイオド[1][ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(1.69g,4.6mmol)のピリジン溶液に臭化銅(5.74g,40mmol)を加え、21時間加熱還流した。反応液に水(250ml)を加え、次いで20%硫酸を加えてpH7.0に調整後、ジクロロメタンで抽出した。水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧にて濃縮後、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、2−ブロモ[1][ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェンを1.45g(収率:98%)で得た。
【0208】
NMR(300MHz,inCDCl
3):8.03(d,J=1.5Hz,1H),7.937.85(m,2H),7.20(d,J=8.4Hz,1H),
【0209】
7.54(dd,J=1.8Hz,J=8.4Hz,1H),7.49−7.38(m,2H).
【0210】
アルゴン雰囲気下、2−ブロモ[1][ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(200mg,0.62mmol)、2−(4−オクチルチエニル−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン(260mg,0.82mol)、炭酸セシウム(300mg,0.92mmol)をジメチルホルムアミド(1ml)に溶かし、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(26mg,0.02mmol)を加え、95℃で19時間加熱撹拌した。反応液は濃縮後、クロロホルムにて抽出した。有機層は水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧にて濃縮した後、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、化11の化合物を185mg(収率:69%)で得た。
【0211】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3,δ):8.12(d,J=1.5Hz,1H),7.92(d,J=7.5Hz,1H),
【0212】
7.90(d,J=7.5Hz,1H),7.85(d,J=8.4Hz,1H),7.70(dd,J=1.5Hz,J=8.1Hz,1H),7.46(ddd,J=1.2Hz,J=7.2Hz,J=8.4Hz,1H),7.39(ddd,J=1.2Hz,J=7.2Hz,J=8.4Hz,1H),7.22(s,1H),6.92(s,1H),2.64(t,J=7.5Hz,2H),1.75−1.62(m,2H),1.42−1.20(m,10H),0.89(t,J=6.6Hz,3H).、
本明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を
図23に示す。
【0213】
(実施例8)
【0214】
化12は化24の合成スキームに基づいて、下記(実施例20)に記載の化24−5とチエニルスタナンのカップリング反応により、下記により合成した。
【0215】
化24−5(113mg,0.223mmol)、トリブチル‐2‐チエニルスタナン(tributyl−2−thienylstannane,東京化成工業、103mg、0.27mmol)のトルエン溶液(2.5mL)に10分間アルゴンガスをバブリングした後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(13mg,0.011mmol)を加え、95℃で18時間反応した。さらにトリブチル‐2‐チエニルスタナン(42 mg)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(8 mg)を加え、8時間反応した後、クロロホルムで希釈し、水、飽和フッ化カリウム水溶液、水で順次洗い、下層を無水硫酸ナトリウム層で濾過し濃縮乾固した。この固体をクロロホルム−石油ベンジンから結晶化し、化12の化合物を60mg(収率、58%)を得た。
【0216】
H−nmr(500MHz,CDCl3): δ 8.12(d,1H,J>1Hz,H−6),7.84(d,1H,J 8.3Hz,H−9),7.78(d,1H,J 8.3Hz,H−4),7.72(br.s,1H,H−1),7.70(dd,1H,J 1.8,8.3Hz,H−8),7.40(dd,1H,J 〜1,3.7Hz,H−5’(‘ denote thiophene)),7.32(dd,1H,J 〜1,5Hz,H−3’),7.29(dd,1H,J 〜1,〜8Hz,H−3),7.12(dd,1H,J 3.7,5Hz,H−4’),2.76(t,2H,J 〜7Hz,ArCH2),1.70(quint.2H,J 〜7Hz,ArCH2CH2)
【0217】
〜1.2 〜1.4(m,14H,CH2 x7),0.88(t,3H,J 〜7Hz,CH3)
本明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を
図24に示す。
【0218】
(実施例9)
【0219】
化13は以下の方法により合成した。
【0220】
アルゴン雰囲気下、2−アイオド[1][ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(190mg,0.52mmol)、ビス(ピナコレート)ジボラン(150mg,0.59mmol)、酢酸カリウム(76mg,0.77mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロライド・ジクロロメタン付加体(PdCl
2(dppf),7mg(0.008mmol)をジメチルスルホキシド(3ml)の溶液とし、90℃にて19時間加熱攪拌した。反応液に水を加え、不溶物を濾過した後、濾液をクロロホルムで抽出した。水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧にて濃縮後、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、2−([1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボランを140mg(収率:74%)で得た。
【0221】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3,δ): 8.40(s,1H),7.93−7.88(m,4H),
【0222】
7.44(ddd,J=0.9Hz,J=5.4Hz,J=8.0Hz,1H),7.40(ddd,J=0.9Hz,J=5.4Hz,J=8.0Hz,1H),
【0223】
1.39(s,12H).
【0224】
アルゴン雰囲気下、2−([1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン(150mg,0.59mmol)、2−ブロモ−5’−オクチルチエノ[3,2−b]チオフェン(130mg,0.39mol)、炭酸セシウム(130g,0.40mmol)を1,2−ジメトキシエンタン/水(10m/1ml)に溶かし、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(23mg,0.02mmol)を加え、95℃で19時間加熱撹拌した。反応液を濃縮後、クロロホルムにて抽出した。有機層は水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧にて濃縮した後、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、化13で示される化合物を70mg(収率:50%)で得た。
【0225】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3,δ):8.13(d,J=1.5Hz,1H),7.93(dd,J=1.5Hz,J=7.5Hz,1H),
【0226】
7.89(m,2H),7.87(d,J=7.5Hz,1H),7.71(dd,J=1.2Hz,J=8.4Hz,1H),7.52(s,1H),7.47(ddd,J=1.5Hz,J=7.5Hz,J=.6Hz,1H),7.41(ddd,J=1.5Hz,J=7.5Hz,J=.6Hz,1H),6.97(s,1H),2.90(t,J=7.5Hz,2H),1.72−1.67(m,2H),1.42−1.20(m,10H),0.93(t,J=6.0Hz,3H).
本明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を
図25に示す。
【0227】
(実施例10)
【0228】
化14は以下の方法によって合成した。
【0229】
アルゴン雰囲気下、2−アイオド[1][ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(160mg,0.44mmol)、5−オクチルベンゾチオフェン110mg,0.44mol]、炭酸セシウム(140mg,0.44mmol)、トリフェニルホスフィン(12mg,0.04mmol)、ヨウ化銅(84mg,044mmol)、酢酸パラジウム(5mg,0.02mmol)をジメチルホルムアミド(5ml)に溶かし、150℃で48時間加熱撹拌した。反応液中の不溶物を濾過後、濾液に水を加えクロロホルムで抽出し、水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧にて濃縮後、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、化14の化合物を15mg(収率:7%)で得た。
【0230】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3,δ): 8.11(d,J=1.5Hz,1H),7.96(d,J=8.1Hz,1H),
【0231】
7.95−7.89(m,2H),7.72−7.69(m,1H),7.69(s,1H),7.48(d,J=6.0Hz,1H),7.51−7.39(m,4H)
【0232】
,2.73(t,J=7.8Hz,2H),1.77−1.60(m,2H),1.42−1.20(m,10H),0.88(t,J=6.6Hz,3H).
【0233】
(実施例11)
【0234】
化15は実施例1と同様方法により、2−アイオド[1][ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(110mg,0.30mmol)と2−(4−プロピルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン(88mg,0.36mol)から化15の化合物45mg(収率:42%)を得た。
【0235】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3,δ): 8.11(d,J=0.9 Hz,1H),7.94(dd,J=0.9 Hz,J=6.3Hz,2H),
【0236】
7.89(d,J=5.7Hz,1H),7.69(dd,J=0.9Hz,J=6.3Hz,1H),7.61(d,J=6.0Hz,2H),
【0237】
7.49−7.39(m,2H),7.30(d,J=6.0Hz,2H),2.66(t,J=5.4Hz,2H),1.75−1.66(m,2H),
【0238】
0.99(t,J=5.4Hz,3H).
本明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を
図26に示す。
【0239】
(実施例12)
【0240】
化16は実施例1と同様方法により、2−アイオド[1][ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(110mg,0.30mmol)と2−(4−ブチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン(64mg,0.36mol)から化16の化合物40mg(収率:36%)を得た。
【0241】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3,δ):8.11(d,J=0.9 Hz,1H),7.94(dd,J=0.9 Hz,J=6.0Hz,2H),
【0242】
7.89(d,J=6.0Hz,1H),7.69(dd,J=0.9Hz,J=6.3Hz,1H),7.60(d,J=6.3Hz,2H),
【0243】
7.48−7.38(m,2H),7.30(d,J=6.3Hz,2H),2.68(t,J=6.0Hz,2H),1.68−1.64(m,2H),
【0244】
1.44−1.38(m,2H),0.96(t,J=5.4Hz,3H).
【0245】
(実施例13)
【0246】
化17は実施例1と同様方法により、2−アイオド[1][ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(110mg,0.30mmol)と2−(4−ペンチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン(100mg,0.36mol)から化17の化合物90mg(収率:78%)を得た。
【0247】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3,δ): 8.11(d,J=0.9 Hz,1H),7.93(dd,J=0.9 Hz,J=6.0Hz,2H),
【0248】
7.89(d,J=6.0Hz,1H),7.69(dd,J=0.9Hz,J=6.3Hz,1H),7.60(d,J=6.3Hz,2H),
【0249】
7.47−7.41(m,2H),7.30(d,J=6.3Hz,2H),2.67(t,J=6.0Hz,2H),1.70−1.60(m,2H),
【0250】
1.37−1.32(m,4H),0.92(t,J=5.0Hz,3H).
【0251】
(実施例14)
【0252】
化18は実施例1と同様方法により、2−アイオド[1][ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(110mg,0.30mmol)と2−(4−ヘキシルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン(100mg,0.36mol)から化18の化合物50mg(収率:42%)を得た。
【0253】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3,δ): 8.11(d,J=1.2 Hz,1H),7.93(dd,J=1.2Hz,J=6.0Hz,2H),
【0254】
7.89(d,J=6.0Hz,1H),7.69(dd,J=1.2 Hz,J=6.3Hz,1H),7.61(d,J=6.3Hz,2H),
【0255】
7.49−7.39(m,2H),7.30(d,J=6.3Hz,2H),2.67(t,J=6.0Hz,2H),1.69−1.60(m,2H),
【0256】
1.35−1.29(m,6H),0.90(t,J=5.0Hz,3H).
【0257】
(実施例15)
【0258】
化19は実施例1と同様方法により、2−アイオド[1][ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(110mg,0.30mmol)と2−(4−ヘプチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン(110mg,0.36mol)から化19の化合物40mg(収率:32%)を得た。
【0259】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3,δ): 8.11(d,J=0.9 Hz,1H),7.92(dd,J=0.9Hz,J=6.0Hz,2H),
【0260】
7.89(d,J=5.4Hz,1H),7.69(dd,J=0.9Hz,J=6.0Hz,1H),7.60(d,J=6.3Hz,2H),
【0261】
7.49−7.39(m,2H),7.30(d,J=6.3Hz,2H),2.67(t,J=5.7Hz,2H),1.70−1.68(m,2H),
【0262】
1.35−1.25(m,8H),0.89(t,J=5.0Hz,3H).
本
明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を図27に示す。
【0263】
(実施例16)
【0264】
化20は実施例1と同様方法により、2−アイオド[1][ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(110mg,0.30mmol)と2−(4−オクチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン(84mg,0.36mol)から化20の化合物100mg(収率:78%)を得た。
【0265】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3,δ): 8.11(d,J=1.2Hz,1H),7.93(dd,J=1.2Hz,J=6.0Hz,2H),
【0266】
7.89(d,J=6.0Hz,1H),7.69(dd,J=1.2Hz,J=6.3Hz,1H),7.60(d,J=6.3Hz,2H),
【0267】
7.47−7.39(m,2H),7.30(d,J=6.3Hz,2H),2.67(t,J=6.3Hz,2H),1.69−1.65(m,2H),
【0268】
1.35−1.29(m,10H),0.90(t,J=5.1Hz,3H).
本
明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を図28に示す。
【0269】
(実施例17)
【0270】
化21は、実施例1と同様方法により、2−アイオド[1][ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(160mg,0.43mmol)と2−(4−ノニルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン(170mg,0.52mol)から化21の化合物120mg(収率:66%)を得た。
【0271】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3,δ):8.11(d,J=0.6Hz,1H),7.92(dd,J=0.6Hz,J=6.3Hz,2H),
【0272】
7.90(d,J=5.4Hz,1H),7.69(dd,J=0.9Hz,J=6.0Hz,1H),7.60(d,J=6.0Hz,2H),
【0273】
7.49−7.39(m,2H),7.29(d,J=6.0Hz,2H),2.67(t,J=6.0Hz,2H),1.71−1.63(m,2H),
【0274】
1.35−1.28(m,12H),0.87(t,J=5.4 Hz,3H).
本
明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を図29に示す。
【0275】
(実施例18)
【0276】
化22は実施例1と同様方法により、2−アイオド[1][ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(160mg,0.43mmol)と2−(4−デカニルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン(180mg,0.52mol)から化22の化合物130mg(収率:66%)を得た。
【0277】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3,δ): 8.11(d,J=0.9Hz,1H),7.92(d,J=6.3Hz,2H),
【0278】
7.89(d,J=6.0Hz,1H),7.69(dd,J=1.2Hz,J=6.3Hz,1H),7.61(d,J=6.0Hz,2H),
【0279】
7.47−7.41(m,2H),7.29(d,J=6.0Hz,2H),2.67(t,J=6.0Hz,2H),1.69−1.65(m,2H),
【0280】
1.35−1.27(m,14H),0.86(t,J=4.8Hz,3H).
本
明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を図30に示す。
【0281】
(実施例19)
【0282】
化23は実施例1と同様方法により、2−アイオド[1][ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(160mg,0.43mmol)と2−(4−ドデカニルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン(250mg,0.52mol)から化23の化合物120mg(収率:58%)を得た。
【0283】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3,δ): 8.11(d,J=0.9Hz,1H),7.93(dd,J=0.9Hz,J=6.0Hz,2H),
【0284】
7.89(d,J=6.0Hz,1H),7.69(dd,J=1.2Hz,J=6.3Hz,1H),7.60(d,J=6.0Hz,2H),
【0285】
7.49−7.39(m,2H),7.29(d,J=6.3Hz,2H),2.66(t,J=6.0Hz,2H),1.70−1.63(m,2H),
【0286】
1.35−1.27(m,18H),0.88(t,J=4.8Hz,3H).
本
明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を図31に示す。
【0287】
(実施例20)
【0288】
化24は以下に記述する方法によって、[ 1 ]benzothieno[3,2−b][ 1 ]benzothiophene(BTBTと略す)から、以下の(化15)示すスキームにより合成した。なお、下記スキーム中の化合物番号(4−1)〜(4−5)は、それぞれ(24−1)〜(24−5)の意味であり、化合物番号(4)は(24)の意味である。
【化16】
【0289】
化24−2(2−decylBTBT)は文献(Liquid Crystals 2004,31,1367 − 1380 及び Collect.Czech.Chem.Commun.2002,67,645 − 664)に従いBTBTから2工程(Friedel− Craftsアシル化、Wolff− Kishner還元)で合成した。
【0290】
化24−3(2− decyl − 7 − nitroBTBT)の合成
【0291】
化24−2(2.48 g ,6.52 mmol)のジクロロメタン(160 mL)溶液を−50℃に冷却し(固体を析出する)、発煙硝酸の1.2Mジクロロメタン溶液(12 mL)を30分で滴下した。−50℃で更に2時間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(〜13 mL)を加え反応を停止した。分液して下層を取り、10%食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮乾固して粗製固体(2.75 g)を得た。この固体を2‐ブタノン(〜40 mL)から再結晶化し、化24−3の黄色結晶、1.86g(収率、67%)を得た。
【0292】
H−nmr(270 MHz,CDCl3): δ8.83(d,1H,J 2.2 Hz,H−6),8.31(dd,1H,J 8.8 ,2.2 Hz,H−8),7.92(d,1H,J 8.8 Hz,H−9),7.84(d,1H,J 8.2 Hz,H−4),7.75(d,1H,J 1.4 Hz,H−1),7.33(dd,1H,J 8.2 ,1.4 Hz,H−3),2.78(t,2H,J 〜7.5 Hz,ArCH2),1.71(quint.2H,J 〜7.5 Hz,ArCH2CH2),〜1.2〜1.4(m,14H,CH2 x 7),0.88(t,3H,J 〜7Hz,CH3)
【0293】
化24−4(7 − decylBTBT−2 − amine)の合成
【0294】
化24−3(1.28 g,30 mmol),錫(0.92 g)を酢酸(15 mL)に懸濁し、約70℃で加熱、撹拌下、濃塩酸(2.7 mL)をゆっくりと滴下した。さらに100℃で1時間反応後、10℃以下に冷却し固体を濾取した。この固体をクロロホルム(〜100 mL)に取り、濃アンモニア水、飽和食塩水で順次洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮乾固し粗製固体(1.1 g)を得た。この固体をシリカゲルカラム(クロロホルム−シクロヘキサン1:1、1%トリエチルアミンを添加)で分離精製し、石油ベンジンから結晶化し、微灰色の化24−4の化合物0.86g(収率、72%)を得た。
【0295】
H−nmr(270 MHz,CDCl3): δ 7.68(d,1H,J 8.2 Hz,H−9),7.67(broadened s,1H,H−6),
【0296】
7.62(d,1H,J 8.4 Hz,H−4),7.23(dd,1H,J 1.5 ,8.2Hz,H−8),7.16(d,1H,J 〜2Hz,H−1),6.81(dd,1H,J 〜2 ,8.4Hz,H−3),3.84(slightly broadened s,〜2H,NH2),2.73(t,2H,J 〜7.5Hz,ArCH2),1.68(quint.2H,J 〜7.5Hz,ArCH2CH2),〜1.2〜1.4(m,14H,CH2 x 7),0.87(t,3H,J 〜7Hz,CH3)
【0297】
化24−5(2 − decyl − 7 − iodoBTBT)の合成
【0298】
化24−4(396 mg,1 mmol)のジクロロメタン(15mL)溶液に−15℃冷却下、BF3−Et2O(216 mg),亜硝酸t‐ブチル(126 mg)を滴下した。約1時間で反応温度を5℃まで上げた後、沃素(400mg),沃化カリウム(330 mg)、沃化テトラブチルアンモニウム(25 mg)のジクロロメタン−THF混液(1: 2 ,3mL)の溶液を加えた。さらに加熱環流下、8時間反応した後、クロロホルムで希釈し、10%チオ硫酸ナトリウム、5M水酸化ナトリウム、10%食塩水で順次洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固した。得られた濃褐色の粗製固体(500 mg)をシリカゲルカラム(クロロホルム−シクロヘキサン、1:1)で精製し、クロロホルム−メタノールから結晶化した。さらに、リグロインから再結晶化し、化24−5の化合物228mg(収率、45%)を得た。
【0299】
H−nmr(500MHz,CDCl3): δ 8.23(d,1H,J 1.4Hz,H−6),7.77(d,1H,J 8.2Hz,H−4),7.72(dd,1H,J 1.4,8.2Hz,H−8),7.71(d,1H,J 1.4Hz,H−1),7.59(d,1H,J 8.2Hz,H−9),7.29(dd,1H,J 1.4,8.2Hz,H−3),2.76(t,2H,J 7.8Hz,ArCH2),1.69(quint.,2H,J 〜7.5Hz,ArCH2CH2),〜1.2〜1.4(m,14H,CH2 x 7),0.88(t,3H,J 〜7Hz,CH3)
【0300】
化24(2−decyl − 7 − phenylBTBT)の合成
【0301】
化−24−5(228 mg,0.45 mmol)のジオキサン(8mL)溶液に、2Mリン酸三カリウム(0.45mL)、フェニルボロン酸(東京化成工業、110mg,0.9 mmol)を加え、20分アルゴンガスをバブリングした後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(東京化成工業、30mg,0.025mmol),トリシクロヘキシルホスフィン(和光純薬工業、13mg、0.045mmol)を加え、95℃で22時間加熱撹拌した。反応液をクロロホルムで希釈し、10%食塩水で洗い、下層を濃縮乾固して粗製固体(293mg)を得た。この固体をトルエンから再結晶化し、化24の化合物130mg(収率、63%)を得た。
【0302】
H−nmr(500MHz,CDCl3): δ 8.12(d,1H,J 1.8Hz,H−6),7.92(d,1H,J 8.2Hz,H−9),7.79(d,1H,J 7.8Hz,H−4),7.73(br.s,1H,H−1),7.69(d x 2,3H,H−8,2’,6’(‘ denote Ph)),7.49(t,2H,J 〜8Hz,H−3’,5’),7.38(tt,1H,J>1,〜8Hz,H−4’),7.29(dd,1H,J>1,7.8Hz,H−3),2.77(t,2H,J 〜7Hz,ArCH2),1.70(quint.2H,J 〜7Hz,ArCH2CH2),〜1.2〜1.4(m,14H,CH2x7),0.88(t,3H,J 〜7Hz,CH3)
本
明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を図32に示す。
【0303】
(実施例21)
【0304】
化25は実施例1と同様方法により、2−アイオド[1][ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(130mg,0.35mmol)と2−(2−オクチル−6−ナフチル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン(140mg,0.39mol)から化25の化合物13mg(収率:8%)を得た。
【0305】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3,δ): 8.26(s,1H),8.09(m,1H),8.00−7.79(m,6H),
【0306】
7.68(dd,J=1.2Hz,J=8.4Hz,1H),7.49−7.35(m,4H),2.80(t,J=7.5Hz,2H),1.76−1.71(m,2H),
【0307】
1.39−1.28(m,10H),0.88(t,J=6.9Hz,3H).
【0308】
(実施例22)
【0309】
化26は実施例1と同様方法により、2−アイオド[1][ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン(150mg,0.41mmol)と2−(4−オクチルビフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン(190mg,0.49mol)から化26の化合物25mg(収率:12%)を得た。
【0310】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3,δ): 8.19(s,1H),7.95(dd,J=1.2Hz,J=8.1Hz,1H),
【0311】
7.99−7.90(m,3H),7.80−7.69(m,6H),7.60(d,J=7.8Hz,2H),7.50−7.33(m,2H),2.67(t,J=7.5Hz,2H),1.90−1.85(m,2H),1.41−1.30(m,10H),0.88(t,J=6.6Hz,3H).
【0312】
(実施例23)
【0313】
化27は以下の方法によって合成した。
【0314】
ナフト[2,3−b]チオフェン(0.50g,2.7mmol)をTHF(20ml)に溶かし0℃に冷却した。n−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液,1.7ml(2.8mmol)を滴下し、0℃にて1時間撹拌した。トリブチル錫クロリド(0.91g,2.8mmol)のTHF(2ml)溶液を滴下した。反応液を室温に戻し、3時間撹拌した。反応液にジエチルエーテル(65ml)を加え、しばらく撹拌した後、不溶物を濾過した。濾液を減圧にて濃縮し、茶色の油状物を得た。油状物をトルエン(30ml)に溶かし、2−ブロモ−5−オクチルチオフェン(0.55g,2.0mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(97mg,0.08mmol)を加え、アルゴン雰囲気下、95℃で17時間加熱撹拌した。反応液を濾過し、黄色の析出物を得た。トルエンで洗浄後、乾燥した。ヘキサンから再結晶を行い、化27の化合物を0.39g(収率:52%)で得た。
【0315】
1H−NMR(300MHz,CDCl
3): 8.23(s,1H)8.17(s,1H),7.94−7.85(m,2H),
【0316】
7.47−7.39(m,2H),7.38(s,1H),7.16(d,J=3.6Hz,1H),6.75(d,J=3.6Hz,1H),
【0317】
2.83(t,J=7.8Hz,2H),1.76−1.62(m,2H),1.45−1.24(m,10H),0.91(t,J=6.6Hz,3H).
本
明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を図33に示す。
【0318】
(実施例24)
【0319】
化28は以下の方法によって合成した。
【0320】
2−ブロモアントラセン(0.5138g、0.002モル)、4−ドデシルベンゼンボロン酸0.5976g(0.002モル)の無水THF40ml溶液に、フッ化セシウム(0.607g、0.004モル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(34.7mg、1.5mol%)、を加え、48時間還流した後、室温まで冷却し濾過した。メタノールでよく洗い、祖結晶0.480gを得た。更にシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶離液シクロヘキサン)、n―ヘキサンから再結晶をおこない化28の淡黄色結晶0.390g(収率、46%)を得た。
【0321】
H−nmr(500MHz,CDCl3): δ8.46(s,1H),8.43(s,1H),8.16(s,1H),8.07(d,1H),8.0(m,2H)
【0322】
7.76(dd,1H),7.70(d,2H),7.46(m,2H),7.32(d,2H),2.68(t,2H),1.68(t,2H),1.54(s,2H),1.38〜1.24(m,18H),0.88(t,3H)
本
明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を図34に示す。
【0323】
(実施例25)
【0324】
化29は以下の方法によって合成した。
【0325】
化29(2−(5−ヘキシル−2−チエニル)アントラセン)の合成
【0326】
2−ブロモアントラセン0.5138g(0.002モル)、トリブチルー(5−ヘキシルー2−チエニル)ースタンナン(0.670g、0.002モル)のトルエン溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(67.0mg、)を加え、24時間還流した後室温まで冷却し、水(50ml)に注ぎジクロロメタンで数回抽出し、6M HCl、水で洗い硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を減圧により除いた。シリカゲルーカラムクロマトグラフィ(溶離液シクロヘキサン)の後、n―ヘキサンから再結晶をおこない化29の淡黄色結晶0.310g(収率、50%)を得た。
【0327】
本
明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を図35に示す。
(実施例26)
【0328】
化30はアントラ[2,3−b]チオフェン−5,10 ジオンを合成し、つぎに、それを還元して、アントラ[2,3−b]チオフェンを得たのち、2−トリブチルスタンニル−アントラ[2,3−b]チオフェンに変換し、それを4−ドデシル−ブロモベンゼンとのカップリングさせ合成した。
【0329】
チオフェン−2,3−ジカルボアルデヒド(2.8g,0.020モル)、1,4−ジヒドロキシナフタレン(3.2g,0.020モル)と乾燥ピリジン(20ml)をアルゴン中で6時間還流し、その後室温まで冷却し約50mlの水を加えた。析出した固体を濾過し水、エタノール、アセトンで良く洗った。茶褐色の固体3.28g(収率、62%)を得た。
【0330】
Hnmr:(500MHz、CDCl
3):δ8.82(s,1H),8.73(s,1H),8.34〜8.31(m,2H),7.79〜7.77(dd,2H),7.76〜7.74(d,1H),7.56〜7.55(d,1H)
【0331】
アントラ[2,3−b]チオフェン−5,10 ジオン(2.64g、0.010モル)を0℃に冷却したリチウムアルミニウムハイドライド(LiAlH
4,1.52g,0.040モル)を加えた乾燥THF(100ml)中に加え、0℃で約一時間拡販した。更に0.76gのLiAlH
4を加え室温で2時間拡販した。0℃に冷やしながら、6M−塩酸100mlを少しずつ加えた。室温にして約30分した。析出した固体を濾過し、水、エタノール、酢酸エチル、ヘキサンで洗った。(祖収量1.67g、71%)更にシリカゲルーカラムクロマトグラフィ(溶離液トルエン)を行い黄色の結晶1.20g(収率49%)を得た。
【0332】
Hnmr:(500MHz、CDCl
3):δ8.59(s,1H),8.53(s,1H),8.51(s1H),8.49(s,1H),8.0〜7.99(dd,2H),7.48〜7.46(d,1H),7.43〜7.40(dd,2H),7.40〜7.39(d,1H)
【0333】
アントラ[2,3−b]チオフェン(0.702g,0.003モル)を乾燥THF(10ml)に溶かし、−78℃に冷却し、n−BuLi(1.6M/hexane溶液)1.88mlを加え約一時間撹拌し、トリブチルスタンニルクロライド(9.977g,0.003モル)加え室温に上げて二時間撹拌した。ジクロロメタンを加え、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗い、更に水で洗い飽和食塩水で洗い硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を除き、次の反応に進んだ。
【0334】
2−トリブチルスタンニルーアントラ[2,3−b]チオフェン(0.003モル)、4−ドデシルーブロモベンゼン(1.07g,0.003モル)の乾燥THF溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2mol%)加え24時間還流した。室温に冷却し水50mlに注ぎ込みジクロロメタンで抽出した。有機相を6M塩酸、水で洗い硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧により溶媒を除いた。シリカゲルーカラムクロマトグラフィ(溶離液;シクロヘキサン→シクロヘキサン/トルエン2/1)精製した。
【0335】
黄色の結晶を0.15g(収率、10.5%)得た。
本
明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を図36に示す。
【0336】
(実施例27)〜(実施例30)
本実施例では、下記化49〜52の化合物を上記実施例と同様の条件下に、2−decyl−7−iodoBTBTと、対応するボロン酸(夫々、p−メチルフェニルボロン酸、m−メチルフェニルボロン酸、o−メチルフェニルボロン酸、5−メチル−2−チオフェンボロン酸、何れも和光純薬工業製)との鈴木カップリング反応で合成した。
本
明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を図38〜41に示す。
【0337】
【化17】
【0338】
(実施例31)
化53:2−デシル−7−パーフルオロフェニルBTBT(FP−BTBT−10)の合成
【0339】
(パーフルオロフェニル基は通常の鈴木反応の条件では導入が困難であることが知られており、文献記載の方法(Organic Letters 7,4915,2005)に従って合成した)
【0340】
2−decyl−7−iodoBTBT(152 mg,0.3 mmol)のDMF(4mL)とDME(2mL)の溶液にペンタフルオロフェニルボロン酸(Aldrich,80mg),Pd2(dba)3(トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム14 mg),tri−t−Butylphosphine(0.012 mL),Ag2O(83 mg),CsF(91 mg)を加え、10分間アルゴンガスをバブリングした後、100℃で20時間反応した。固体を濾去し、クロロホルムで洗い濃縮した。残渣をメタノール−水から固体を生ぜしめ、濾取した(100mg)。この固体をクロロホルム溶液からシリカゲルに吸着させこれをシリカゲルカラムにかけ、シクロヘキサンで溶出して精製した。溶離液を濃縮乾固し(46mg)クロロホルム−イソオクタンから再結晶化し、化53,32 mg(収率、20%)を得た。
本
明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を図42に示す。
【0341】
【化18】
【0342】
(実施例32)
化54:2−シクロヘキセン−1−イル−7−デシルBTBT(Che−BTBT−10)
【0343】
化55:2−シクロペンテン−1−イル−7−デシルBTBT(CPe−BTBT−10)
【0344】
下記に示すように化54はシクロヘキセンボロン酸ピナコールエステル(A,Aldrich)、化55はシクロペンテンボロン酸ピナコールエステル(B,J.Org.Chem.74,7715,2009 に従って合成)と2−decyl−7−iodoBTBTの鈴木反応で同一条件下、合成した。
【0345】
【化19】
【0346】
化55の合成例
2−decyl−7−iodoBTBT(135mg、0.267mmol)、試薬B(103mg、0.53 mmol)のジオキサン(6 mL)溶液に2Mリン酸三カリウム(0.27 mL)を加え20分アルゴンガスをバブリングした後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(15mg),トリシクロヘキシルホスフィン(7 mg)を加え、100℃で24時間反応した。反応液を冷却し生じた固体を濾取した。この固体(100mg)をクロロホルム溶液からシリカゲルに吸着させ、シリカゲルカラムにかけシクロヘキサン−クロロホルム(20: 1)で溶出し、濃縮し生じた固体を濾取した。この固体(56mg)をリグロインから再結晶化し、化55,54mg(収率45%)を得た。
本
明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を図43〜44に示す。
【0347】
【化20】
【0348】
(実施例33)
化56: 1−(7−デシルBTBT−2−)ピペリジン(Pip−BTBT−10)
【0349】
(Buchwald− Hartwig反応の条件に準じて合成)
2−decyl−7−iodoBTBT(51 mg,0.1 mmol)、ピペリジン(10 mg)のトルエン溶液(2 mL)にNaOtBu(13 mg),Pd2(dba)3(〜4mg),racBINAP(〜4mg)を加え、95℃で40時間反応した。クロロホルムで常法の後処理後、粗製固体(46 mg)をシリカゲルカラム(シクロヘキサン−クロロホルム、2:1)続いて、アルミナカラム(シクロヘキサン−クロロホルム、4:1)で精製し、IPA−リグロインから再結晶化し、化56、9.2mg(収率、20%)を得た。
本
明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を図45に示す。
【0350】
【化21】
【0351】
(実施例34)
化57: 1−(7−デシルBTBT−2−)1Hピロール(Pyr−BTBT−10)
【0352】
7−デシル−BTBT−2−アミン(40mg、0.1mmol)のトルエン溶液(1mL)に酢酸(0.5mL)、2,5−dimethoxytetrahydrofuran(40 mg,0.3 mmol)を加え、95℃で4時間加熱した。クロロホルムで常法の後処理し得られた粗製固体(42 mg)をシリカゲルカラム(シクロヘキサン)で精製しリグロインから再結晶化し、化57,15 mg(収率、34%)を得た。
本
明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を図46に示す。
【0353】
【化22】
【0354】
(実施例35)
化58:7,7’−(テトラメチルビフェニル)−ビス(2−デシルBTBT)(Me4BP(10−BTBT)2)
【0355】
下記スキームに従って合成した。ジボロン酸ピナコールエステル(C、新規化合物)はD(J.Amer.Chem.Soc.131,13074,2009)から宮浦―石山の方法に従って合成した。
【0356】
【化23】
【0357】
i:Cの合成
化合物D(231 mg,0.5 mmol)と化合物E(bis(pinacolato)diboron ,290 mg ,0.63 mmol)のDMSO(8mL)溶液に、PdCl2(dppf)−CH2Cl2(43 mg),酢酸カリウム(300mg)を加え、アルゴンガスを10分間バブリングした後、90℃で21時間反応した。ジイソプロピルエーテルで抽出し(10mLx3)10%食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮乾固した。シリカゲルカラム(シクロヘキサン−酢酸エチル、19:1)で精製し、化合物C,206mg(収率、89%)を得た。
本
明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を図47に示す。
【0358】
ii:化58の合成
化合物C(69 mg,0.15 mmol)、2−decyl−7−iodoBTBT(190mg、0.375 mmol)のジオキサン(7mL)溶液に2Mリン酸三カリウム(0.3mL)を加え10分間アルゴンガスをバブリングした後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(14mg)、トリシクロヘキシルホスフィン(7mg)を加え、95℃で45時間反応した。クロロホルムで常法により後処理し、得られた粗製固体(200mg)をクロロホルム溶液からシリカゲルに吸着させ、シリカゲルカラムにかけ(シクロヘキサン――シクロヘキサン−クロロホルム、5:1)精製した。続いてクロロホルム−リグロインで再結晶化し、化58,36 mg(収率25%)を得た。
【0359】
【化24】
【0360】
(実施例36)
【0361】
【化25】
【0362】
アルゴン雰囲気下、2−ブロモベンゾ[d,d’]チエノ[3,2−b;4,5−b’]ジチオフェン(120mg,0.36mmol)、2−(5−オクチルチオフェン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン(130mg,0.41mmol)、炭酸セシウム(180mg,0.54mmol)をDMF(5ml)に溶かし、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(8mg,007mmol)を加え、95℃にて20時間加熱撹拌した。反応液を酢酸エチルで抽出し、水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチル層を濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、化59、20mg(収率:13%)を得た。
【0363】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3,δ):7.86(d,J=7.5Hz,1H),7.80(d,J=8.5Hz,1H),7.43(t,J=8.0Hz,1H),7.35(t,J=8.0Hz,1H),7.34(s,1H),7.05(d,J=4.0Hz,1H),6.72(d,J=4.0Hz,1H),2.85(d,J=8.0Hz,2H),1.72(m,2H),1.28(m,10H),0.89(t,J=7.0Hz,3H).
本
明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を図49に示す。
【0364】
(実施例37)
【0365】
【化26】
実施例36と同様方法により、2−ブロモベンゾ[d,d’]チエノ[3,2−b;4,5−b’]ジチオフェン(73mg,0.22mmol)と4−オクチルフェニルボラン酸(61mg,0.26mol)から化60、57mg(収率:60%)を得た。
【0366】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3,δ):7.87(d,J=7.5Hz,1H),7.82(d,J=7.5Hz,1H),7.57(d,J=8.5Hz,2H),7.53(s,1H),7.44(t,J=7.5Hz,1H),7.35(t,J=7.3Hz,1H),7.24(d,J=8.5Hz,2H),2.63(t,J=7.5Hz,2H),1.64(m,2H),1.30(m,10H),0.89(t,J=7.5Hz,3H).
本
明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を図50に示す。
【0367】
(実施例38)
【0368】
【化27】
【0369】
アルゴン雰囲気下、2−(ナフト[2,3−b]チエニル−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン(130mg,0.41mmol)、炭酸セシウム(200mg,063mmol)をDMF(5ml)に溶かし、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(6mg,005mmol)を加え、95℃にて19時間加熱撹拌した。反応液をジクロロメタンで抽出し、水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥した。ジクロロメタン層を濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、化61で示される化合物50mg(収率:32%)を得た。
【0370】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3,δ):8.30(s,1H),8.24(s,1H),7.95(t,J=4.5Hz,1H),7.89(t,J=4.5Hz,1H),7.68(d,J=8.5Hz,2H),7.61(s,1H),7.45(m,1H),7.28(d,J=8.5Hz,2H),2.65(d,J=7.0Hz,2H),1.64(m,2H),1.26(m,10H),0.89(t,J=7.0Hz,3H).
本
明細書に記載の判定法を用いて、この物質のテクスチャー観察を行った結果を図51に示す。
【0371】
(実施例39)
【0372】
本明細書に記載の好適な液晶物質をスクリーニングする偏光顕微鏡によるテクスチャー観察を行った結果を
図17〜54に示す。20℃で観測されるテクスチャーには、亀裂や空隙による黒い線状、あるいは、微小な領域が見られるのに対し、結晶化する前の温度領域に現れる相には、黒い線状や領域は見られず、そのテクスチャーは明らかに、シュリーレンテクスチャーに特徴付けられるネマチック相やFan−likeテクスチャーに特徴付けられるSmA相やSmC相ではなく、より高次の相であることが確認できた。これらの物質は本スクリーニングの視点から、本発明に該当する物質であることが確認できた。
【0373】
(実施例40)
【0374】
走査型示差熱分析装置によって測定した化5〜化61までのうち表に記載の化合物に関する相転移挙動を前記表9〜15に示す。
【0375】
Iは等方相、Nはネマティック相、SmAはスメクチックA相、SmEはスメクチックE相、SmXは高次のスメクチック相、もしくは、準安定な結晶相、Kは結晶相を表す。
【0376】
(実施例41)
【0377】
本方法によって設計、合成された液晶物質が有機半導体として優れた特性を示すことを示すため、time−of−flight法による過渡光電流測定の測定を行い、その移動度を見積もった例を表17、18に示す。
【0378】
測定は、以下の方法によって行った。ITO透明電極つきのガラス基板2枚をスペーサーを含む熱硬化性樹脂で張り合わせたセル厚13〜17μmのセル(市販品:EHC社製)を各化合物の等方相温度に加熱しておき、少量のサンプルをセルの開口部に接触させ、毛細管現象を利用して、サンプルをセルに注入した。ヒーターを内在した試料ステージにセルを固定し、電極に直流電圧を印加した。パルス幅600psの窒素パルスレーザーを照射し、その際に流れる電流をデジタルオシロスコープで測定した。その際に、光照射によって流れる光電流の積分値(電荷量)がセルの幾何学的電気容量の10%以内となるように、光照射強度を調整し空間電荷による波形のゆがみを起こさないように注意した。
【0379】
化9のSmE相にあたる150℃で測定した過渡光電流波形には、
図5、
図6に示すように、明確な電荷の走行を示す肩が現れており、その肩から電荷の走行時間を見積もり、移動度を算出したところ、光照射側電極を正に印加した場合、つまり、正孔の輸送が電流を支配する条件においては、移動度は0.2cm
2/Vs、負に印加した場合、つまり、電子の走行が支配する条件では、移動度は、同様に、0.2cm
2/Vの極めて高い移動度をした。これらの移動度は、電場に依存しないことが確認された。この結果から明らかなように、本物質は、光伝導性を示し、高い移動度をもつことから有機半導体として優れた特性を示すことは明らかである。また、本time−of−flight法による過渡光電流の測定は、パルス光照射に対応した光電流を観測していることから明らかなように、光照射に伴う高速の光信号が得られており、高応答速度を持つ光センサーとして利用できることを実証している。
【0380】
(実施例42)
実施例41と同様に、化10を用いて、13μmの厚さのセルを用いてtime−of−flight法により、そのSmE相を示す200℃で過渡光電流を測定したところ、
図7に示す波形が得られた。この波形から明らかなように、正孔の走行時間に対応した肩がみられ、この走行時間から正孔の移動度を見積もったところ、0.2cm
2/Vsの高い値が得られた。印加電圧における算出された移動度は電場に依存しないことが分かった。
【0381】
(実施例43)
【0382】
実施例41と同様に、化20を用いて、同様に16μmの厚さのセルに、化20を注入し、SmE相にあたる170℃でtime−of−flight法による過渡光電流を測定したところ、
図8に示すように波形には走行時間を示すが肩が見られ、走行時間を決定できた。その値から移動度を見積もったところ、正孔の移動度として0.1cm
2/Vsの値が得られた。
【0383】
(実施例44)
【0384】
実施例41と同様に、化28を用いて、
図9に示すように、高次のスメクチック相(Smx相)150℃で過渡光電流の測定を行い、移動度を見積もったところ、正孔の移動度として、0.3cm
2/Vsの極めて高い値が得られた。この正孔の移動度は、従来知られた棒状液晶物質のなかでは最も高い値である。
【0385】
(実施例45)
【0386】
time−of−flight法による過渡光電流の測定は直接、移動度を算出でき、有機半導体としての有用性を確認できる有効な方法であるが、より、実証的に、有機半導体材料としての有用性を、デバイス上で実証するため、合成した液晶物質を用いてFETを作製し、その特性を検討した。
【0387】
有機トランジスタの具体的な作製方法
【0388】
作製した有機トランジスタは、
図10に示す構造とした。具体的には、基板上に有機半導体層を製膜し、その後、メタルマスクを介したソース・ドレイン電極を真空蒸着することにより作製した。以下にその詳細を記す。
【0389】
<基板>
ゲート電極としてヘビードープしたシリコンウエハー(P
+−Si)、ゲート絶縁膜として熱酸化されたシリコン(SiO
2厚さ300nm)を用いた。この熱酸化膜シリコンウエハーを適度な大きさ(20×25mm)に切断後、この切断したシリコンウエハー(こののち基板と略す)を中性洗剤、超純水、イソプロピルアルコール(IPA)、アセトン、IPAの順に超音波洗浄を行った。
【0390】
つぎに、液晶性有機半導体化合物を有機溶媒(ここではジエチルベンゼン)に溶解させ、溶液を調整した。溶液の濃度は1wt%から0.5wt%とした。この溶液、および、溶液を基板に塗布するガラス製のピペットは予め、ホットステージ上で所定の温度に加熱しておき、上記の基板をオーブン内に設置したスピンコータ上に設置し、オーブン内を所定の温度に昇温した後、溶液を基板上に塗布し、基板を回転(約3000rpm、30秒)させた。回転停止後、素早く取り出し室温まで冷却させた。膜厚が30〜50nmの液晶性有機半導体膜が得られた。
【0391】
つぎに、有機半導体層を塗布した基板に真空蒸着法(2×10
−6Torr)を用いて金電極(30から100nm)を蒸着することにより、ソース・ドレイン電極を形成した。ソース・ドレイン電極はメタルマスクを利用してパターンを蒸着することにより、チャネル長:チャネル幅=100μm:1000μm、50μm:1000μm、20μm:200μmを形成した。
【0392】
次にトルエンを含んだスポンジを用いて、ソース・ドレイン電極およびチャネルを形成する領域以外をふき取ることにより、素子の分離を簡便に行った。
【0393】
作製した有機トランジスタの評価は通常の大気雰囲気下において、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極に2電源のソース・メジャメントユニットを用いて、素子を流れる電流を測定し、電界効果トランジスタの伝達特性を調べた。移動度は、飽和領域(V
DS=−50V)の伝達特性および飽和特性の式を用いて算出した。
【0394】
表16に、表中に挙げた化合物を用いて作製したトランジスタの典型的な伝達特性(
図11〜16に示す)から見積もった移動度を示した。
【0395】
結晶相に隣接する温度領域に高次のSmE相を示す化24(P−BTBT−10)を用いて作製したトランジスタ、および、結晶相に隣接する温度領域に低次の液晶相であるSmA相を示すジデシルベンゾチエノベンゾティオフェン(10−BTBT−10)を用いて作製したトランジスタを所定の温度で5分間熱ストレスを与えた後、室温でトランジスタ特性から見積もった移動度を熱ストレス与えた際の温度でプロットした結果を
図55に示した。結晶相に隣接する温度領域に高次のSmE相を示す化合物24で作製したトランジスタは150℃を超える温度で5分間加熱しても、高い移動度を保つのに対し、低次の液晶相であるSmA相を示す化合物では100℃を超える温度で5分間加熱すると移動度は大きく低下した。この結果から、素子の耐熱性の改善に高次の液晶相の発現が極めて有効であることが分かる。
【0396】
また、表17および表18に、表に挙げた化合物を用いた場合のSmE相:正孔移動度を示した。
【0397】
以上の実施例で得られた結果を、以下の表に纏める。
【表16】
【0398】
【表17】
【0399】
【表18】