特許第6189324号(P6189324)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアの特許一覧

特許6189324Qo阻害剤に対して耐性の植物病原性菌類を駆除するためのストロビルリン系化合物の使用
<>
  • 特許6189324-Qo阻害剤に対して耐性の植物病原性菌類を駆除するためのストロビルリン系化合物の使用 図000075
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6189324
(24)【登録日】2017年8月10日
(45)【発行日】2017年8月30日
(54)【発明の名称】Qo阻害剤に対して耐性の植物病原性菌類を駆除するためのストロビルリン系化合物の使用
(51)【国際特許分類】
   A01N 43/56 20060101AFI20170821BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20170821BHJP
   A01N 43/713 20060101ALI20170821BHJP
   A01N 43/653 20060101ALI20170821BHJP
   A01N 37/50 20060101ALI20170821BHJP
   A01N 43/40 20060101ALI20170821BHJP
   A01N 43/54 20060101ALI20170821BHJP
   A01N 43/836 20060101ALI20170821BHJP
   A01N 43/78 20060101ALI20170821BHJP
   A01N 43/824 20060101ALI20170821BHJP
   A01N 43/80 20060101ALI20170821BHJP
   A01N 43/50 20060101ALI20170821BHJP
   A01N 43/08 20060101ALI20170821BHJP
   A01N 43/76 20060101ALI20170821BHJP
   A01N 47/12 20060101ALI20170821BHJP
   A01N 43/28 20060101ALI20170821BHJP
   A01N 47/28 20060101ALI20170821BHJP
   C07D 403/12 20060101ALI20170821BHJP
   C07D 249/12 20060101ALI20170821BHJP
   C07D 213/64 20060101ALI20170821BHJP
   C07D 239/52 20060101ALI20170821BHJP
   C07D 239/34 20060101ALI20170821BHJP
   C07D 231/08 20060101ALI20170821BHJP
   C07D 285/08 20060101ALI20170821BHJP
   C07D 277/34 20060101ALI20170821BHJP
   C07D 271/10 20060101ALI20170821BHJP
   C07D 261/12 20060101ALI20170821BHJP
   C07D 271/06 20060101ALI20170821BHJP
   C07D 307/58 20060101ALI20170821BHJP
   C07D 263/38 20060101ALI20170821BHJP
   C07D 231/12 20060101ALI20170821BHJP
   C07D 231/18 20060101ALI20170821BHJP
   C07D 257/04 20060101ALI20170821BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20170821BHJP
   C07D 413/12 20060101ALI20170821BHJP
   C07D 327/04 20060101ALI20170821BHJP
   C07D 401/04 20060101ALI20170821BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20170821BHJP
【FI】
   A01N43/56 D
   A01P3/00
   A01N43/713
   A01N43/653 N
   A01N37/50
   A01N43/40 101E
   A01N43/54 A
   A01N43/82 104
   A01N43/78 B
   A01N43/82 101B
   A01N43/80 101
   A01N43/56 C
   A01N43/50 L
   A01N43/08 B
   A01N43/76
   A01N43/54 B
   A01N47/12 Z
   A01N43/28
   A01N47/12 102
   A01N47/28 102
   C07D403/12CSP
   C07D249/12 502
   C07D213/64
   C07D239/52
   C07D239/34
   C07D231/08
   C07D285/08
   C07D277/34
   C07D271/10
   C07D261/12
   C07D271/06
   C07D307/58
   C07D263/38
   C07D231/12 D
   C07D231/18
   C07D257/04 C
   C07D417/14
   C07D257/04 G
   C07D413/12
   C07D327/04
   C07D231/12 A
   C07D231/12 B
   C07D401/04
   C07D487/04 141
【請求項の数】14
【全頁数】116
(21)【出願番号】特願2014-547826(P2014-547826)
(86)(22)【出願日】2012年12月6日
(65)【公表番号】特表2015-509081(P2015-509081A)
(43)【公表日】2015年3月26日
(86)【国際出願番号】EP2012074586
(87)【国際公開番号】WO2013092224
(87)【国際公開日】20130627
【審査請求日】2015年12月3日
(31)【優先権主張番号】11195032.5
(32)【優先日】2011年12月21日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】12190109.4
(32)【優先日】2012年10月26日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100118773
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 節
(74)【代理人】
【識別番号】100122389
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 栄一
(74)【代理人】
【識別番号】100111741
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 夏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100169971
【弁理士】
【氏名又は名称】菊田 尚子
(74)【代理人】
【識別番号】100180932
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 洋子
(72)【発明者】
【氏名】ラインハイマー,ヨアヒム
(72)【発明者】
【氏名】テルテリャーン,ヴィオレタ
(72)【発明者】
【氏名】レッドリッヒ,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】クレムゾウ,ドリス
(72)【発明者】
【氏名】ローゼンバウム,クラウディア
(72)【発明者】
【氏名】ローラー,セバスティアン ゲオルギオス
(72)【発明者】
【氏名】グランメノス,ヴァッシリオス
(72)【発明者】
【氏名】ピルゲル,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】レール,フランツ
(72)【発明者】
【氏名】ゲヴェーア,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】シュタムラー,ゲルト
(72)【発明者】
【氏名】モンタグ,ユーリス
(72)【発明者】
【氏名】ザウター,フーベルト
【審査官】 水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特表2001−504112(JP,A)
【文献】 Journal of Organometallic Chemistry,2004年,Vol. 689,575-584
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N
A01P
C07C
C07D
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミトコンドリアチトクロームb遺伝子中にQo阻害剤に対する耐性を与える変異を含む植物病原性菌類を駆除するための、式I:
【化1】
(式中、
R1、R2は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニル、C3-C6-シクロアルキルまたはC3-C6-シクロアルキル-C1-C4-アルキルであり、ここで基R1およびR2はシス配向である、または
R1およびR2は、それらを結合している2個の炭素原子と共にフェニル環(ただしR4は、4-メチル-1,4-ジヒドロ-テトラゾール-5-オン-1-イルである)を形成し、R1および/もしくはR2の脂肪族部分または上記のフェニル環は、1、2、3個または最大数までの同一のまたは異なる基Raを有していてよく、この基Raは、互いに独立して、以下:
ハロゲン、CN、ニトロ、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルキルおよびC1-C4-ハロアルコキシから選択され;
Yは、直接結合または、-OCH2-、-CH2-、-CH2CH2-、-C(Z)=N-O-CH2-、-CHZ-C(Z)=N-O-CH2-、-O-N=C(Z)-C(Z)=N-O-CH2-、-C(=O)-C(Z)=N-O-CH2-および-C(=N-O-Z)-C(Z)=N-O-CH2-から選択される二価の基であり、
ここで、二価の基Yの左側に示される結合はR3に結合し、右側に示される結合はR2で置換されている炭素原子に結合し、且つ
Zは、任意の他のZと同一でも異なっていてもよく、水素、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルであり;
R3は、フェニルまたは3〜10員の飽和、部分不飽和もしくは芳香族の単環式もしくは二環式の複素環であり、ここで複素環の環員原子は、炭素原子に加えてN、OおよびSの群から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含み;
ここで環状基R3は、互いに独立して以下から選択される、1、2、3、4個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Rbを有していてよく:
Rbは、任意の他のRbと同一でも異なっていてもよく、アミノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、ニトロ、CN、カルボキシル、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ、C3-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、C2-C6-アルケニルオキシイミノ-C1-C4-アルキル、C2-C6-アルキニルオキシイミノ-C1-C4-アルキル、C1-C4-アルキルアミノ、C1-C4-アルコキシカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニルオキシ、フェニル、ナフチル、または、環員として、炭素原子に加えてN、OおよびSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む3〜10員の飽和、部分不飽和もしくは芳香族の単環式または二環式の複素環であり;ここで上記のフェニル基および複素環基Rbは、直接結合、酸素原子または硫黄原子を介して結合し、且つ
環状基R3の隣接する環員原子に結合している2個の基Rbは、該環員原子と共に、縮合5、6もしくは7員の飽和、部分不飽和または芳香族環(この環は炭素環であっても複素環であってもよい)を形成してよく、ここで複素環の環員原子は、炭素原子に加えてN、OおよびSからなる群から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含み、
さらに
ここで、脂肪族基または環状基Rbは、それらの一部として1、2、3個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Rcを有していてよく:
Rcは、任意の他のRcと同一でも異なっていてもよく、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、CN、カルボキシル、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C8-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C6-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、C2-C6-アルケニルオキシイミノ-C1-C4-アルキル、C2-C6-アルキニルオキシイミノ-C1-C4-アルキル、C1-C6-アルコキシイミノ-、C2-C6-アルケニルオキシイミノ-、C2-C6-アルキニルオキシイミノ-、C2-C6-ハロアルケニルオキシイミノ-、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、フェニルまたは、環員として、炭素原子に加えてN、OおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5員の飽和、部分不飽和または芳香族の複素環であり;ここで上記の環状基Rcは、直接結合、酸素原子または硫黄原子を介して結合し、ここで脂肪族基または環状基Rcは、それらの一部として1、2、3個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Rdを有していてよく:
Rdは、任意の他のRdと同一でも異なっていてもよく、ハロゲン、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルであり;
あるいは
R3は、-CRA=N-O-RBであり、ここで
RAは、アミノ、ヒドロキシル、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ、C3-C6-アルキニルオキシ、C1-C4-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、C1-C4-アルキルアミノ、C1-C4-アルコキシカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニルオキシ、フェニル、フェニル-C1-C4-アルキル、ナフチルまたは3〜10員の飽和、部分不飽和もしくは芳香族の単環式もしくは二環式の複素環であり、この環は、環員として、炭素原子に加えてO、NおよびSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含み;ここで上記の環状基RAは、直接結合、酸素原子または硫黄原子を介して結合し;
RBは、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、C1-C4-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシカルボニル、フェニル、フェニル-C1-C4-アルキル、ナフチルまたは3〜10員の飽和、部分不飽和もしくは芳香族の単環式もしくは二環式の複素環であり、この環は、環員として、炭素原子に加えてO、NおよびSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含み;
ここで、脂肪族基または環状基RAおよび/またはRBは、それらの一部として1、2、3個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Reを有していてよく:
Reは、任意の他のReと同一でも異なっていてもよく、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、CN、カルボキシル、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C8-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシまたはC1-C4-ハロアルコキシであり;
R4は、式R4-1〜R4-7:
【化2】
(式中、波線は結合点を示し、且つ
Xは、直接結合または二価の基CH2、OもしくはNHであり、
R5は、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-ハロアルコキシまたはC3-C6-シクロアルキルであり、
R6は、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルである)
から選択される一価の基である)
で表される化合物またはそれらのN-オキシドもしくは農業上許容可能な塩の使用であって、上記変異がG143Aである、上記使用。
【請求項2】
植物病原性菌類が、アルテルナリア・アルテルナタ(Alternaria alternata)、ブルメリア・グラミニス(Blumeria graminis)、ピリクラリア・オリザエ(Pyricularia oryzae)(マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea)としても知られている)、セプトリア・トリティシ(Septoria tritici)(ミコスファエレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)としても知られている)、ミコスファエレラ・フィジエンシス(Mycosphaerella fijiensis)、ヴェンチュリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis)、ピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)、ピレノフォラ・トリティシ-レペンティス(Pyrenophora tritici-repentis)およびプラスモパラ・ヴィティコラ(Plasmopara viticola)からなる群から選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
植物病原菌がセプトリア・トリティシ(Septoria tritici)である、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の植物病原性菌類を駆除する方法であって、請求項1〜3のいずれか1項に記載の植物病原性菌類、または請求項1〜3のいずれか1項に記載の植物病原性菌類により病気になるリスクのある材料、植物、土壌もしくは種子を、少なくとも1種の請求項1に定義される化合物、またはそれを含む組成物の有効量で処理するステップを含んでなる、上記方法。
【請求項5】
以下のステップ:
a) 請求項1〜3のいずれか1項に記載の植物病原性菌類、または請求項1〜3のいずれか1項に記載の植物病原性菌類により病気になるリスクのある材料、植物、土壌もしくは種子を同定するステップ、
および
b) 該菌類または材料、植物、土壌もしくは種子を、少なくとも1種の請求項1に定義される化合物、またはそれを含む組成物の有効量で処理するステップ
を含んでなる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
式I:
【化3】
(式中:
R1、R2は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニル、C3-C6-シクロアルキルまたはC3-C6-シクロアルキル-C1-C4-アルキルであり、ここで基R1およびR2はシス配向である、
ここでR1および/またはR2の脂肪族部分は、1、2、3個または最大数までの同一のまたは異なる基Raを有していてよく、この基Raは互いに独立して、以下:
ハロゲン、CN、ニトロ、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルキルおよびC1-C4-ハロアルコキシから選択され;
Yは、直接結合または、-OCH2-、-CH2-、-CH2CH2-、-C(Z)=N-O-CH2-、-CHZ-C(Z)=N-O-CH2-、-O-N=C(Z)-C(Z)=N-O-CH2-、-C(=O)-C(Z)=N-O-CH2-および-C(=N-O-Z)-C(Z)=N-O-CH2-から選択される二価の基であり、
ここで、二価の基Yの左側に示される結合はR3に結合し、右側に示される結合はR2で置換されている炭素原子に結合し、且つ
Zは、任意の他のZと同一でも異なっていてもよく、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルであり;
R3は、フェニルで置換されているピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリルまたは1,2,4-チアジアゾリルであり、ここで該フェニルは、1、2、3個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Rcを有していてよく:
Rcは、任意の他のRcと同一でも異なっていてもよく、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、フェニル、または環員として、炭素原子に加えてN、OおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5員の飽和、部分不飽和または芳香族の複素環であり;ここで上記の複素環基Rcは、直接結合、酸素原子または硫黄原子を介して結合し、且つそれらの一部として1、2、3個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Rdを有していてよく;
Rdは、任意の他のRdと同一でも異なっていてもよく、ハロゲン、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルであり
R4は、式R4-1〜R4-7:
【化4】
(式中、波線は結合点を示し、且つ、
Xは、二価の基OまたはNHであり、
R5は、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-ハロアルコキシまたはC3-C6-シクロアルキルであり、
R6は、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルである)
から選択される一価の基である)
で表される化合物またはそれらのN-オキシドもしくは農業上許容可能な塩
【請求項7】
R1が、水素、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-クロロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルコキシ-C1-C4-アルキルである、請求項に記載の化合物。
【請求項8】
R1がメチルまたはエチルである、請求項に記載の化合物。
【請求項9】
R2が水素である、請求項6〜のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
Yが、-OCH2-、-CH2CH2-、-C(CH3)=N-O-CH2-、-O-N=C(CH3)-C(CH3)=N-O-CH2-または-C(=N-O-CH3)-C(CH3)=N-O-CH2-である、請求項6〜のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
R4が、-C(=NOCH3)-CONHCH3、-C(=NOCH3)-COOCH3、-C(=CHOCH3)-COOCH3、-C(=CHOCH3)-CONHCH3、-N(OCH3)-COOCH3、-N(CH3)-COOCH3または-N(CH2CH3)-COOCH3である、請求項6〜10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
助剤および請求項6〜11のいずれか1項に定義される少なくとも1種の式Iの化合物、それらのN-オキシドまたは農業上許容可能な塩を含む農薬組成物。
【請求項13】
少なくとも1種のさらなる活性物質を含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
請求項13に記載の組成物であって、さらなる活性物質が、以下のクラスA)〜O):
A) 呼吸阻害剤
- Qo部位の複合体III阻害剤:アゾキシストロビン、クメトキシストロビン、クモキシストロビン、ジモキシストロビン、エネストロブリン、フェナミンストロビン、フェノキシストロビン/フルフェノキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシム-メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、トリフロキシストロビン、2-[2-(2,5-ジメチル-フェノキシメチル)-フェニル]-3-メトキシ-アクリル酸メチルエステル、および2-(2-(3-(2,6-ジクロロフェニル)-1-メチルアリリデンアミノオキシメチル)-フェニル)-2-メトキシイミノ-N-メチルアセトアミド、ピリベンカルブ、トリクロピリカルブ/クロロジンカルブ、ファモキサドン、フェナミドン;
- Qi部位の複合体III阻害剤:シアゾファミド、アミスルブロム、[(3S,6S,7R,8R)-8-ベンジル-3-[(3-アセトキシ-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボニル)アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-1,5-ジオキソナン-7-イル] 2-メチルプロパノエート、[(3S,6S,7R,8R)-8-ベンジル-3-[[3-(アセトキシメトキシ)-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボニル]アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-1,5-ジオキソナン-7-イル] 2-メチルプロパノエート、[(3S,6S,7R,8R)-8-ベンジル-3-[(3-イソブトキシカルボニルオキシ-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボニル)アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-1,5-ジオキソナン-7-イル] 2-メチルプロパノエート、[(3S,6S,7R,8R)-8-ベンジル-3-[[3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメトキシ)-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボニル]アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-1,5-ジオキソナン-7-イル] 2-メチルプロパノエート;(3S,6S,7R,8R)-3-[[(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-2-ピリジニル)カルボニル]アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-8-(フェニルメチル)-1,5-ジオキソナン-7-イル 2-メチルプロパノエート;
- 複合体II阻害剤:ベノダニル、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、ボスカリド、カルボキシン、フェンフラム、フルオピラム、フルトラニル、フルキサピロキサド、フラメトピル、イソピラザム、メプロニル、オキシカルボキシン、ペンフルフェン、ペンチオピラド、セダキサン、テクロフタラム、チフルザミド、N-(4'-トリフルオロメチルチオビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-(2-(1,3,3-トリメチル-ブチル)-フェニル)-1,3-ジメチル-5-フルオロ-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(トリフルオロメチル)-1-メチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、1,3-ジメチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(トリフルオロメチル)-1,5-ジメチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-1,5-ジメチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、1,3,5-トリメチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド;
- 他の呼吸阻害剤:ジフルメトリム、(5,8-ジフルオロキナゾリン-4-イル)-{2-[2-フルオロ-4-(4-トリフルオロメチルピリジン-2-イルオキシ)-フェニル]-エチル-アミン;ニトロフェニル誘導体:ビナパクリル、ジノブトン、ジノキャップ、フルアジナム;フェリムゾン;有機金属化合物:フェンチン塩;アメトクラジン;およびシルチオファム;
B) ステロール生合成阻害剤(SBI殺菌剤)
- C14-デメチラーゼ 阻害剤(DMI殺菌剤):トリアゾール系:アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾールM、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、オキスポコナゾール、パクロブトラゾール、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール、ウニコナゾール;1-[rel-(2S;3R)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-オキシラニルメチル]-5-チオシアナト-1H-[1,2,4]トリアゾール、2-[rel-(2S;3R)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-オキシラニルメチル]-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-チオール;イミダゾール系:イマザリル、ペフラゾエート、プロクロラズ、トリフルミゾール;ピリミジン系、ピリジン系およびピペラジン系:フェナリモル、ヌアリモル、ピリフェノックス、トリホリン;
- デルタ14-レダクターゼ阻害剤:アルジモルフ、ドデモルフ、酢酸ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン、ピペラリン、スピロキサミン;
3-ケトレダクターゼ阻害剤:フェンヘキサミド;
C) 核酸合成阻害剤
- フェニルアミドまたはアシルアミノ酸殺菌剤:ベナラキシル、ベナラキシルM、キララキシル、メタラキシル、メタラキシル-M(メフェノキサム)、オフラース、オキサジキシル;
- 他の核酸合成阻害剤:ヒメキサゾール、オクチリノン、オキソリン酸、ブピリメート、5-フルオロシトシン、5-フルオロ-2-(p-トリルメトキシ)ピリミジン-4-アミン、5-フルオロ-2-(4-フルオロフェニルメトキシ)ピリミジン-4-アミン;
D) 細胞分裂および細胞骨格阻害剤
- チューブリン阻害剤:ベノミル、カルベンダジム、フベリダゾール、チアベンダゾール、チオファネートメチル;トリアゾロピリミジン系:5-クロロ-7-(4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン;
- 他の細胞分裂阻害剤:ジエトフェンカルブ、エタボキサム、ペンシクロン、フルオピコリド、ゾキサミド、メトラフェノン、ピリオフェノン;
E) アミノ酸合成およびタンパク質合成阻害剤
- メチオニン合成阻害剤(アニリノピリミジン系):シプロジニル、メパニピリム、ピリメタニル;
- タンパク質合成阻害剤:ブラスチシジンS、カスガマイシン、カスガマイシン塩酸塩水和物、ミルジオマイシン、ストレプトマイシン、オキシテトラサイクリン、ポリオキシン、バリダマイシンA;
F) シグナル伝達阻害剤
- MAP/ヒスチジンキナーゼ阻害剤:フルオロイミド、イプロジオン、プロシミドン、ビンクロゾリン、フェンピクロニル、フルジオキソニル;
- Gタンパク質阻害剤:キノキシフェン;
G) 脂質および膜合成阻害剤
- リン脂質生合成阻害剤:エジフェンホス、イプロベンホス、ピラゾホス、イソプロチオラン;
- 脂質過酸化:ジクロラン、キントゼン、テクナゼン、トルクロホスメチル、ビフェニル、クロロネブ、エトリジアゾール;
- リン脂質生合成および細胞壁沈着:ジメトモルフ、フルモルフ、マンジプロパミド、ピリモルフ、ベンチアバリカルブ、イプロバリカルブ、バリフェナレートおよびN-(1-(1-(4-シアノ-フェニル)-エタンスルホニル)-ブタ-2-イル)カルバミン酸-(4-フルオロフェニル)エステル;
- 細胞膜透過性および脂肪酸に影響を及ぼす化合物:プロパモカルブ、プロパモカルブ塩酸塩;
- 脂肪酸アミドヒドロラーゼ阻害剤:1-[4-[4-[5-(2,6-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-3-イソオキサゾリル]-2-チアゾリル]-1-ピペリジニル]-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]エタノン;
H) 多部位作用を有する阻害剤
- 無機活性物質:ボルドー混合物、酢酸銅、水酸化銅、オキシ塩化銅、塩基性硫酸銅、硫黄;
チオカーバメート系およびジチオカーバメート系:フェルバム、マンコゼブ、マネブ、メタム、メチラム、プロピネブ、チラム、ジネブ、ジラム;
- 有機塩素化合物:アニラジン、クロロタロニル、キャプタホール、キャプタン、ホルペット、ジクロフルアニド、ジクロロフェン、フルスルファミド、ヘキサクロロベンゼン、ペンタクロロフェノールおよびその塩、フタリド、トリルフルアニド、N-(4-クロロ-2-ニトロ-フェニル)-N-エチル-4-メチル-ベンゼンスルホンアミド;
- グアニジンおよびその他:グアニジン、ドジン、ドジン遊離塩基、グアザチン、グアザチン酢酸塩、イミノクタジン、イミノクタジン三酢酸塩、イミノクタジン-トリス(アルベシレート)、ジチアノン、2,6-ジメチル-1H,5H-[1,4]ジチイノ[2,3-c:5,6-c']ジピロール-1,3,5,7(2H,6H)-テトラオン;
I) 細胞壁合成阻害剤
- グルカン合成阻害剤:バリダマイシン、ポリオキシンB;メラニン合成阻害剤:ピロキロン、トリシクラゾール、カルプロパミド、ジシクロメット、フェノキサニル;
J) 植物防御誘導剤
- アシベンゾラルSメチル、プロベナゾール、イソチアニル、チアジニル、プロヘキサジオン-カルシウム;ホスホン酸塩系:ホセチル、ホセチルアルミニウム、亜リン酸およびその塩;
K) 未知の作用機序
- ブロノポール、キノメチオネート、シフルフェナミド、シモキサニル、ダゾメット、デバカルブ、ジクロメジン、ジフェンゾコート、ジフェンゾコートメチルサルフェート、ジフェニルアミン、フェンピラザミン、フルメトベル、フルスルファミド、フルチアニル、メタスルホカルブ、ニトラピリン、ニトロタール-イソプロピル、オキサチアピプロリン、オキシン銅、プロキナジド、テブフロキン、テクロフタラム、トリアゾキシド、2-ブトキシ-6-ヨード-3-プロピルクロメン-4-オン、N-(シクロプロピルメトキシイミノ-(6-ジフルオロ-メトキシ-2,3-ジフルオロ-フェニル)-メチル)-2-フェニルアセトアミド、N'-(4-(4-クロロ-3-トリフルオロメチル-フェノキシ)-2,5-ジメチル-フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、N'-(4-(4-フルオロ-3-トリフルオロメチル-フェノキシ)-2,5-ジメチル-フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、N'-(2-メチル-5-トリフルオロメチル-4-(3-トリメチルシラニル-プロポキシ)-フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、N'-(5-ジフルオロメチル-2-メチル-4-(3-トリメチルシラニル-プロポキシ)-フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、メトキシ-酢酸 6-tert-ブチル-8-フルオロ-2,3-ジメチル-キノリン-4-イルエステル、3-[5-(4-メチルフェニル)-2,3-ジメチル-イソオキサゾリジン-3-イル]-ピリジン、3-[5-(4-クロロ-フェニル)-2,3-ジメチル-イソオキサゾリジン-3-イル]-ピリジン(ピリソキサゾール)、N-(6-メトキシ-ピリジン-3-イル) シクロプロパンカルボン酸アミド、5-クロロ-1-(4,6-ジメトキシ-ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール、2-(4-クロロ-フェニル)-N-[4-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-イソオキサゾール-5-イル]-2-プロパ-2-イニルオキシ-アセトアミド;
L) 抗菌性生物的防除剤、植物生物活性化剤:- アンペロマイセス・キスカリス(Ampelomyces quisqualis)、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)、オウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・サブチリス変型アミロリケファシエンス(Bacillus subtilis var. amyloliquefaciens)FZB24、カンジダ・オレオフィラ(Candida oleophila)I-82、カンジダ・サイトアナ(Candida saitoana)、キトサン、クロノスタキス・ロゼア f. カテヌラータ(Clonostachys rosea f. catenulata)(グリオクラジウム・カテヌラタム(Gliocladium catenulatum)とも呼ばれる)、コニオチリウム・ミニタンス(Coniothyrium minitans)、クリフォネクトリア・パラシティカ(Cryphonectria parasitica)、クリプトコッカス・アルビダス(Cryptococcus albidus)、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、メチニコビア・フルクチコラ(Metschnikowia fructicola)、ミクロドキウム・ジメルム(Microdochium dimerum)、フレビオプシス・ギガンテア(Phlebiopsis gigantea)、シュードジマ・フロックロサ(Pseudozyma flocculosa)、ピシウム・オリガンドラム(Pythium oligandrum)DV74、レイノウトリア・サクリネンシス(Reynoutria sachlinensis)、タラロマイセス・フラバス(Talaromyces flavus)V117b、トリコデルマ・アスペレルム(Trichoderma asperellum)SKT-1、トリコデルマ・アトロビリデ(T. atroviride)LC52、トリコデルマ・ハルジアナム(T. harzianum)T-22、トリコデルマ・ハルジアナム(T. harzianum)TH 35、トリコデルマ・ハルジアナム(T. harzianum)T-39、トリコデルマ・ハルジアナム(T. harzianum)およびトリコデルマ・ビリデ(T. viride)、トリコデルマ・ハルジアナム(T. harzianum)ICC012およびトリコデルマ・ビリデ(T. viride)ICC080、トリコデルマ・ポリスポルム(T. polysporum)およびトリコデルマ・ハルジアナム(T. harzianum)、トリコデルマ・ストロマチクム(T. stromaticum)、トリコデルマ・ビレンス(T. virens)GL-21、トリコデルマ・ビリデ(T. viride)、トリコデルマ・ビリデ(T. viride)TV1、ウロクラジウム・オウデマンシイ(Ulocladium oudemansii)HRU3;
M) 成長調節剤
アブシジン酸、アミドクロール、アンシミドール、6-ベンジルアミノプリン、ブラシノリド、ブトラリン、クロルメコート(塩化クロルメコート)、塩化コリン、シクラニリド、ダミノジド、ジケグラック、ジメチピン、2,6-ジメチルプリジン、エテホン、フルメトラリン、フルルプリミドール、フルチアセット、ホルクロルフェヌロン、ジベレリン酸、イナベンフィド、インドール-3-酢酸、マレイン酸ヒドラジド、メフルイジド、メピコート(塩化メピコート)、ナフタレン酢酸、N-6-ベンジルアデニン、パクロブトラゾール、プロヘキサジオン(プロヘキサジオンカルシウム)、プロヒドロジャスモン、チジアズロン、トリアペンテノール、トリブチルホスホロトリチオエート、2,3,5-トリヨード安息香酸、トリネキサパックエチルおよびウニコナゾール;
N) 除草剤
- アセトアミド系:アセトクロール、アラクロール、ブタクロール、ジメタクロール、ジメテナミド、フルフェナセット、メフェナセット、メトラクロール、メタザクロール、ナプロパミド、ナプロアニリド、ペトキサミド、プレチラクロール、プロパクロール、テニルクロール;
- アミノ酸誘導体系:ビラナホス、グリホサート、グルホシネート、スルホサート;
- アリールオキシフェノキシプロピオネート系:クロジナホップ、シハロホップブチル、フェノキサプロップ、フルアジホップ、ハロキシホップ、メタミホップ、プロパキザホップ、キザロホップ、キザロホップPテフリル;
- ビピリジル系:ジコート、パラコート;
- (チオ)カーバメート系:アシュラム、ブチレート、カルベタミド、デスメジファム、ジメピペレート、エプタム(EPTC)、エスプロカルブ、モリネート、オルベンカルブ、フェンメジファム、プロスルホカルブ、ピリブチカルブ、チオベンカルブ、トリアレート;
- シクロヘキサンジオン系:ブトロキシジム、クレトジム、シクロキシジム、プロホキシジム、セトキシジム、テプラロキシジム、トラルコキシジム;
- ジニトロアニリン系:ベンフルラリン、エタルフルラリン、オリザリン、ペンジメタリン、プロジアミン、トリフルラリン;
- ジフェニルエーテル系:アシフルオルフェン、アクロニフェン、ビフェノックス、ジクロホップ、エトキシフェン、ホメサフェン、ラクトフェン、オキシフルオルフェン;
- ヒドロキシベンゾニトリル系:ブロモキシニル、ジクロベニル、イオキシニル;
- イミダゾリノン系:イマザメタベンズ、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル;
- フェノキシ酢酸系:クロメプロップ、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)、2,4-DB、ジクロルプロップ、MCPA、MCPA-チオエチル、MCPB、メコプロップ;
- ピラジン系:クロリダゾン、フルフェンピルエチル、フルチアセット、ノルフルラゾン、ピリデート;
- ピリジン系:アミノピラリド、クロピラリド、ジフルフェニカン、ジチオピル、フルリドン、フルロキシピル、ピクロラム、ピコリナフェン、チアゾピル;
- スルホニル尿素系:アミドスルフロン、アジムスルフロン、ベンスルフロン、クロリムロンエチル、クロルスルフロン、シノスルフロン、シクロスルファムロン、エトキシスルフロン、フラザスルフロン、フルセトスルフロン、フルピルスルフロン、ホラムスルフロン、ハロスルフロン、イマゾスルフロン、ヨードスルフロン、メソスルフロン、メタゾスルフロン、メトスルフロンメチル、ニコスルフロン、オキサスルフロン、プリミスルフロン、プロスルフロン、ピラゾスルフロン、リムスルフロン、スルホメツロン、スルホスルフロン、チフェンスルフロン、トリアスルフロン、トリベヌロン、トリフロキシスルフロン、トリフルスルフロン、トリトスルフロン、1-((2-クロロ-6-プロピル-イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)スルホニル)-3-(4,6-ジメトキシ-ピリミジン-2-イル)尿素;
- トリアジン系:アメトリン、アトラジン、シアナジン、ジメタメトリン、エチオジン、ヘキサジノン、メタミトロン、メトリブジン、プロメトリン、シマジン、テルブチラジン、テルブトリン、トリアジフラム;
- 尿素系:クロルトルロン、ダイムロン、ジウロン、フルオメツロン、イソプロツロン、リニュロン、メタベンズチアズロン、テブチウロン;
- 他のアセト乳酸合成酵素阻害剤:ビスピリバックナトリウム、クロランスラムメチル、ジクロスラム、フロラスラム、フルカルバゾン、フルメトスラム、メトスラム、オルトスルファムロン、ペノクスラム、プロポキシカルバゾン、ピリバムベンズプロピル、ピリベンゾキシム、ピリフタリド、ピリミノバックメチル、ピリミスルファン、ピリチオバック、ピロキサスルホン、ピロクスラム;
-その他:アミカルバゾン、アミノトリアゾール、アニロホス、ベフルブタミド、ベナゾリン、ベンカルバゾン、ベンフレセート、ベンゾフェナップ、ベンタゾン、ベンゾビシクロン、ビシクロピロン、ブロマシル、ブロモブチド、ブタフェナシル、ブタミホス、カフェンストロール、カルフェントラゾン、シニドンエチル、クロルタール、シンメチリン、クロマゾン、クミルロン、シプロスルファミド、ジカンバ、ジフェンゾコート、ジフルフェンゾピル、ドレクスレラ・モノセラス(Drechslera monoceras)、エンドタール、エトフメセート、エトベンザニド、フェノキサスルホン、フェントラザミド、フルミクロラックペンチル、フルミオキサジン、フルポキサム、フルオロクロリドン、フルルタモン、インダノファン、イソキサベン、イソキサフルトール、レナシル、プロパニル、プロピザミド、キンクロラック、キンメラック、メソトリオン、メチルアルソン酸、ナプタラム、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサジクロメホン、ペントキサゾン、ピノキサデン、ピラクロニル、ピラフルフェンエチル、ピラスルホトール、ピラゾキシフェン、ピラゾリネート、キノクラミン、サフルフェナシル、スルコトリオン、スルフェントラゾン、テルバシル、テフリルトリオン、テムボトリオン、チエンカルバゾン、トプラメゾン、(3-[2-クロロ-4-フルオロ-5-(3-メチル-2,6-ジオキソ-4-トリフルオロメチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル)フェノキシ]-ピリジン-2-イルオキシ)-酢酸エチルエステル、6-アミノ-5-クロロ-2-シクロプロピル-ピリミジン-4-カルボン酸メチルエステル、6-クロロ-3-(2-シクロプロピル-6-メチル-フェノキシ)-ピリダジン-4-オール、4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-フェニル)-5-フルオロ-ピリジン-2-カルボン酸、4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル、および4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-3-ジメチルアミノ-2-フルオロ-フェニル)-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル;
O) 殺虫剤
- 有機(チオ)リン酸塩系:アセフェート、アザメチホス、アジンホスメチル、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、クロルフェンビンホス、ダイアジノン、ジクロルボス、ジクロトホス、ジメトエート、ジスルホトン、エチオン、フェニトロチオン、フェンチオン、イソキサチオン、マラチオン、メタミドホス、メチダチオン、メチルパラチオン、メビンホス、モノクロトホス、オキシデメトンメチル、パラオキソン、パラチオン、フェントエート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホレート、ホキシム、ピリミホスメチル、プロフェノホス、プロチオホス、スルプロホス、テトラクロルビンホス、テルブホス、トリアゾホス、トリクロルホン;
- カーバメート系:アラニカルブ、アルジカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、フェノキシカルブ、フラチオカルブ、メチオカルブ、メソミル、オキサミル、ピリミカルブ、プロポキスル、チオジカルブ、トリアザメート;
- ピレスロイド系:アレスリン、ビフェントリン、シフルトリン、シハロトリン、シフェノトリン、シペルメトリン、アルファシペルメトリン、ベータシペルメトリン、ゼータシペルメトリン、デルタメトリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、イミプロトリン、ラムダシハロトリン、ペルメトリン、プラレトリン、ピレトリンIおよびII、レスメトリン、シラフルオフェン、タウ-フルバリネート、テフルトリン、テトラメトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、プロフルトリン、ジメフルトリン;
- 昆虫成長調節剤:a)キチン合成阻害剤:ベンゾイル尿素系:クロルフルアズロン、シラマジン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、テフルベンズロン、トリフルムロン;ブプロフェジン、ジオフェノラン、ヘキシチアゾックス、エトキサゾール、クロフェンタジン;b)エクジソンアンタゴニスト系:ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド、アザジラクチン;c) 幼若ホルモン様物質:ピリプロキシフェン、メトプレン、フェノキシカルブ;d)脂質生合成阻害剤:スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト;
- ニコチン受容体アゴニスト/アンタゴニスト化合物:クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、チアメトキサム、ニテンピラム、アセタミプリド、チアクロプリド、1-(2-クロロ-チアゾール-5-イルメチル)-2-ニトリミノ-3,5-ジメチル-[1,3,5]トリアジナン;
- GABAアンタゴニスト化合物:エンドスルファン、エチプロール、フィプロニル、バニリプロール、ピラフルプロール、ピリプロール、5-アミノ-1-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェニル)-4-スルフィナモイル-1H-ピラゾール-3-カルボチオ酸アミド;
- 大環状ラクトン殺虫剤系:アバメクチン、エマメクチン、ミルベメクチン、レピメクチン、スピノサド、スピネトラム;
- ミトコンドリアの電子伝達阻害剤(METI)I殺ダニ剤:フェナザキン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、フルフェネリム;
- METI IIおよびIII化合物:アセキノシル、フルアシプリム、ヒドラメチルノン;
- 脱共役剤:クロルフェナピル;
- 酸化的リン酸化阻害剤:シヘキサチン、ジアフェンチウロン、フェンブタチンオキシド、プロパルギット;
- 脱皮攪乱剤化合物:クリオマジン;
- 複合機能オキシダーゼ阻害剤:ピペロニルブトキシド;
- ナトリウムチャネル遮断薬:インドキサカルブ、メタフルミゾン;
- その他:ベンクロチアズ、ビフェナゼート、カルタップ、フロニカミド、ピリダリル、ピメトロジン、硫黄、チオシクラム、フルベンジアミド、クロルアントラニリプロール、シアジピル(HGW86)、シエノピラフェン、フルピラゾホス、シフルメトフェン、アミドフルメット、イミシアホス、ビストリフルロン、およびピリフルキナゾン
から選択される、前記組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミトコンドリアチトクロームb遺伝子中にQo阻害剤に対する耐性を与える変異を含む植物病原性菌類を駆除するための、式Iのストロビルリン系化合物ならびにそれらのN-オキシドおよび塩の使用、およびかかる菌類を駆除する方法に関する。また本発明は、新規化合物、これらの化合物の調製方法、少なくとも1種のかかる化合物を含む組成物、植物の健康への利用、および少なくとも1種のかかる化合物にコーティングされた種子にも関する。
【背景技術】
【0002】
Qo阻害殺菌剤(ストロビルリン系殺菌剤とも呼ばれる場合も多い)(Kraemer, W.; Schirmer, U.(編) - Modern Crop Protection Compounds 第2巻, Wiley-VCH Verlag 457-495中、Sauter 2007:第13.2章 Strobilurins and other complex III inhibitors)は、作物において多数の真菌病原菌類を防除するために慣例的に使用されている。Qo阻害剤は、典型的には、ミトコンドリア中のチトクロームbc1複合体(電子伝達複合体III)のユビヒドロキノン酸化中心に結合することにより、呼吸を抑制することによって機能する。上記の酸化中心は、ミトコンドリア内膜の外側に位置している。Qo阻害剤の使用の主な例としては、例えば、コムギ葉枯病の原因であるセプトリア・トリティシ(Septoria tritici)(ミコスファエレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)としても知られる)の防除のためのコムギにおけるストロビルリンの使用が挙げられる。残念ながら、このようなQo阻害剤の広範な使用は、かかるQo阻害剤に対して耐性を有する変異病原菌類の選抜をもたらした(Gisiら, Pest Manag Sci 56, 833-841, (2000))。Qo阻害剤に対する耐性は、ブルメリア・グラミニス(Blumeria graminis)、ミコスファエレラ・フィジエンシス(Mycosphaerella fijiensis)、シュードペロノスポラ・キュベンシス(Pseudoperonspora cubensis)またはヴェンチュリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis)などの幾つかの植物病原性菌類において検出されている。その一方で、幾つかの耐性機構が検出されているが(例えば、Jabsら Phytomedizin 31, 15-16 (2001);Olayaら, Pestic Sci 54, 230-236 (1998))、農業的使用におけるQo阻害剤に対する耐性の大部分は、Qo阻害剤の標的タンパク質であるチトクロームbc1複合体のチトクロームb遺伝子中に単一アミノ酸残基置換G143Aを含む病原菌類によるものであった。例えば、Lucas, Pestic Outlook 14(6), 268-70 (2003);およびFraaijeら, Phytopathol 95(8), 933-41 (2005)(いずれも参照により本明細書中に明確に組み込まれる)を参照されたい。従って、Qo阻害剤に耐性の病原菌類に曝露された植物を含む作物において、病原菌誘導性の病気を防除するための新たな方法および組成物が望ましい。さらに多くの場合、特に低施用量において、とりわけ多くの真菌病原菌類がミトコンドリアチトクロームb遺伝子中にQo阻害剤に対する耐性を与える変異を含む場合、既知の殺菌ストロビルリン類似体化合物の殺菌活性は不十分である。この事実に基づいて、植物病原性有害菌類に対して高められた活性および/またはより広い活性スペクトルを有する化合物を提供することも、本発明の目的であった。
【0003】
本明細書中で使用される「Qo阻害剤」としては、ミトコンドリア中のチトクロームbc1複合体のユビヒドロキノン酸化中心に結合することによって呼吸を低下および/または抑制することができる任意の物質が挙げられる。この酸化中心は、典型的には、ミトコンドリア内膜の外側に位置している。
【0004】
WO 2009/155095によれば、式:
【化1】
【0005】
で表されるQi阻害剤UK2Aの使用は、Qo阻害剤耐性の植物病原性菌類を駆除することで知られている。Qi阻害剤は、典型的には、ミトコンドリア中のチトクロームbcl複合体のユビヒドロキノン酸化中心に結合することにより呼吸を抑制することによって機能し、上記の酸化中心は、ミトコンドリア内膜の内側に位置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO 2009/155095
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Kraemer, W.; Schirmer, U.(編) - Modern Crop Protection Compounds 第2巻, Wiley-VCH Verlag 457-495中、Sauter 2007:第13.2章 Strobilurins and other complex III inhibitors
【非特許文献2】Gisiら, Pest Manag Sci 56, 833-841, (2000)
【非特許文献3】Jabsら Phytomedizin 31, 15-16 (2001)
【非特許文献4】Olayaら, Pestic Sci 54, 230-236 (1998)
【非特許文献5】Lucas, Pestic Outlook 14(6), 268-70 (2003)
【非特許文献6】Fraaijeら, Phytopathol 95(8), 933-41 (2005)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるストロビルリン類似体化合物は、特定の式Iによって表され、またミトコンドリア中のチトクロームbcl複合体のユビヒドロキノン酸化中心に結合することにより呼吸を抑制することによってQo阻害剤として定義されることにより、上記の刊行物に記載される化合物とは異なる。ストロビルリン類似体特異的構造要素R4に加えて、これらの化合物は、二重結合によって結合された2個の特異的炭素原子(ここで基R1およびR2はシス配向している)を含み、または、R4が4-メチル-1,4-ジヒドロ-テトラゾール-5-オン-1-イルである場合、R1およびR2は、それらを結合している上記の2個の炭素原子と共にフェニル環を形成する。
【0009】
したがって、本発明は、ミトコンドリアチトクロームb遺伝子中にQo阻害剤に対する耐性を与える変異を含む植物病原性菌類を駆除するための、式I:
【化2】
【0010】
(式中、
R1、R2は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニル、C3-C6-シクロアルキルまたはC3-C6-シクロアルキル-C1-C4-アルキル(ここで基R1およびR2はシス配向である)、または
R1およびR2は、それらを結合している2個の炭素原子と共にフェニル環(ただしR4は、4-メチル-1,4-ジヒドロ-テトラゾール-5-オン-1-イル(式R4-7)である)を形成し、R1および/もしくはR2の脂肪族部分または上記のフェニル環は、1、2、3個または最大数までの同一のまたは異なる基Raを有していてよく、この基Raは、互いに独立して、以下:
ハロゲン、CN、ニトロ、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルキルおよびC1-C4-ハロアルコキシから選択され;
Yは、直接結合または、-OCH2-、-CH2-、-CH2CH2-、-C(Z)=N-O-CH2-、-CHZ-C(Z)=N-O-CH2-、-O-N=C(Z)-C(Z)=N-O-CH2-、-C(=O)-C(Z)=N-O-CH2-および-C(=N-O-Z)-C(Z)=N-O-CH2-から選択される価の基であり、
ここで、二価の基Yの左側に示される結合はR3に結合し、右側に示される結合はR2で置換されている炭素原子に結合し、且つ
Z(任意の他のZと同一でも異なっていてもよい)は、水素、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルであり;
R3は、フェニルまたは3〜10員の飽和、部分不飽和もしくは芳香族の単環式もしくは二環式の複素環であり、ここで複素環の環員原子は、炭素原子に加えてN、OおよびSの群から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含み;
ここで環状基R3は、互いに独立して以下から選択される、1、2、3、4個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Rbを有していてよく:
Rb(任意の他のRbと同一でも異なっていてもよい)は、アミノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、ニトロ、CN、カルボキシル、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ、C3-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、C2-C6-アルケニルオキシイミノ-C1-C4-アルキル、C2-C6-アルキニルオキシイミノ-C1-C4-アルキル、C1-C4-アルキルアミノ、C1-C4-アルコキシカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニルオキシ、フェニル、ナフチル、または、環員として、炭素原子に加えてN、OおよびSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む3〜10員の飽和、部分不飽和もしくは芳香族の単環式または二環式の複素環であり;ここで上記のフェニル基および複素環基Rbは、直接結合、酸素原子または硫黄原子を介して結合し、且つ
環状基R3の隣接する環員原子に結合している2個の基Rbは、該環員原子と共に、縮合5、6もしくは7員の飽和、部分不飽和または芳香族環(この環は炭素環であっても複素環であってもよい)を形成してよく、ここで複素環の環員原子は、炭素原子に加えてN、OおよびSからなる群から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含み、
さらに
ここで、脂肪族基または環状基Rbは、それらの一部として1、2、3個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Rcを有していてよく:
Rc(任意の他のRcと同一でも異なっていてもよい)は、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、CN、カルボキシル、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C8-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C6-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、C2-C6-アルケニルオキシイミノ-C1-C4-アルキル、C2-C6-アルキニルオキシイミノ-C1-C4-アルキル、C1-C6-アルコキシイミノ-、C2-C6-アルケニルオキシイミノ-、C2-C6-アルキニルオキシイミノ-、C2-C6-ハロアルケニルオキシイミノ-、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、フェニルまたは、環員として、炭素原子に加えてN、OおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5員の飽和、部分不飽和または芳香族の複素環であり;ここで上記の環状基Rcは、直接結合、酸素原子または硫黄原子を介して結合し、ここで脂肪族基または環状基Rcは、それらの一部として1、2、3個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Rdを有していてよく:
Rd(任意の他のRdと同一でも異なっていてもよい)は、ハロゲン、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルであり;
あるいは
R3は、-CRA=N-O-RBであり、ここで
RAは、アミノ、ヒドロキシル、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ、C3-C6-アルキニルオキシ、C1-C4-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、C1-C4-アルキルアミノ、C1-C4-アルコキシカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニルオキシ、フェニル、フェニル-C1-C4-アルキル、ナフチルまたは3〜10員の飽和、部分不飽和もしくは芳香族の単環式もしくは二環式の複素環であり、またはこの環は、環員として、炭素原子に加えてO、NおよびSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含み;ここで上記の環状基RAは、直接結合、酸素原子または硫黄原子を介して結合し;
RBは、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、C1-C4-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシカルボニル、フェニル、フェニル-C1-C4-アルキル、ナフチルまたは3〜10員の飽和、部分不飽和もしくは芳香族の単環式もしくは二環式の複素環であり、またはこの環は、環員として、炭素原子に加えてO、NおよびSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含み;
ここで、脂肪族基または環状基RAおよび/またはRBは、それらの一部として1、2、3個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Reを有していてよく:
Re(任意の他のReと同一でも異なっていてもよい)は、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、CN、カルボキシル、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C8-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシまたはC1-C4-ハロアルコキシであり;
R4は、式R4-1〜R4-7:
【化3】

【0011】
(式中、波線は結合点を示し、且つ
Xは、直接結合または二価の基CH2、OもしくはNHであり、
R5は、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-ハロアルコキシまたはC3-C6-シクロアルキルであり、
R6は、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルである)
から選択される一価の基である)
で表される化合物ならびにそれらのN-オキシドおよび農業上許容可能な塩の使用に関する。
【0012】
さらに、本発明は、式Iの化合物を使用することによる、ミトコンドリアチトクロームb遺伝子中にQo阻害剤に対する耐性を与える変異を含む植物病原性菌類を駆除する方法にも関する。
【0013】
式Iの特定のストロビルリン系化合物(式中、R4は1-メトキシカルボニル-2-メトキシ-エテン-1-イル(本明細書においてR4-2として定義され、XはOである)であり、R1はCF3である)は、WO 1998/021174に記載されている: (E)-2-[1-メトキシ-メタ-(E)-イリデン]-5-(4-フェノキシ-フェノキシ)-3-トリフルオロメチル-ペンタ-3-エン酸メチルエステル(207852-99-1); (E)-2-[1-メトキシ-メタ-(E)-イリデン]-5-(3-フェノキシ-フェノキシ)-3-トリフルオロメチル-ペンタ-3-エン酸メチルエステル(207853-00-7); (E)-2-[1-メトキシ-メタ-(E)-イリデン]-4-メチル-5-(3-フェノキシ-フェノキシ)-3-トリフルオロメチル-ペンタ-3-エン酸メチルエステル;および(E)-5,5,5-トリフルオロ-2-[1-メトキシ-メタ-(E)-イリデン]-3-メチル-4-(4-フェノキシ-フェノキシメチル)-ペンタ-3-エン酸メチルエステル。しかしながら、ミトコンドリアチトクロームb遺伝子中にQo阻害剤llに対する耐性を与える変異を含む菌類病原体を抑制するストロビルリン系化合物は記載されていない。
【0014】
さらに、化合物(2E,3Z)-2-(エチリデン)-5-フェニル-3-ペンテン酸メチルエステル(CAS-No. 681026-20-0)の調製はJ Organomet Chem 689, 575-584 (2004)に記載されている。
【0015】
さらに、R1およびR2が一緒になってそれに結合する2個の炭素原子とフェニルを形成し、R4が1-メチル-1,4-ジヒドロ-テトラゾール-5-オン-4-イル(R4-7)である特定のストロビルリン系化合物は、とりわけ、WO 1996/036229、WO 1999/046246およびDE 199 00 571 A1から知られている。
【0016】
本発明による化合物は、上記刊行物に記載されるものと、R1およびR2がそれに結合する2個の炭素原子とフェニルを形成しない点および
(E)-2-[1-メトキシ-メタ-(E)-イリデン]-5-(4-フェノキシ-フェノキシ)-3-トリフルオロメチル-ペンタ-3-エン酸メチルエステル(207852-99-1); (E)-2-[1-メトキシ-メタ-(E)-イリデン]-5-(3-フェノキシ-フェノキシ)-3-トリフルオロメチル-ペンタ-3-エン酸メチルエステル(207853-00-7); (E)-2-[1-メトキシ-メタ-(E)-イリデン]-4-メチル-5-(3-フェノキシ-フェノキシ)-3-トリフルオロメチル-ペンタ-3-エン酸メチルエステル; (E)-5,5,5-トリフルオロ-2-[1-メトキシ-メタ-(E)-イリデン]-3-メチル-4-(4-フェノキシ-フェノキシメチル)-ペンタ-3-エン酸メチルエステル; および(2E,3Z)-2-(エチリデン)-5-フェニル-3-ペンテン酸メチルエステル(CAS-No. 681026-20-0)が除外される点で異なる。
【0017】
したがって、第2の態様によれば、本発明は、式I:
【化4】
【0018】
(式中:
R1、R2は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニル、C3-C6-シクロアルキルまたはC3-C6-シクロアルキル-C1-C4-アルキル(ここで基R1およびR2はシス配向である)であり、
ここでR1および/またはR2の脂肪族部分は、1、2、3個または最大数までの同一のまたは異なる基Raを有していてよく、この基Raは互いに独立して、以下:
ハロゲン、CN、ニトロ、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルキルおよびC1-C4-ハロアルコキシから選択され;
Yは、直接結合または、-OCH2-、-CH2-、-CH2CH2-、-C(Z)=N-O-CH2-、-CHZ-C(Z)=N-O-CH2-、-O-N=C(Z)-C(Z)=N-O-CH2-、-C(=O)-C(Z)=N-O-CH2-および-C(=N-O-Z)-C(Z)=N-O-CH2-から選択される価の基であり、
ここで、二価の基Yの左側に示される結合はR3に結合し、右側に示される結合はR2で置換されている炭素原子に結合し、且つ
Z(任意の他のZと同一でも異なっていてもよい)は、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルであり;
R3は、フェニルまたは3〜10員の飽和、部分不飽和もしくは芳香族の単環式もしくは二環式の複素環であり、ここで複素環の環員原子は、炭素原子に加えてN、OおよびSの群から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含み;
ここで環状基R3は、互いに独立して以下から選択される、1、2、3、4個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Rbを有していてよく;
Rb(任意の他のRbと同一でも異なっていてもよい)は、アミノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、ニトロ、CN、カルボキシル、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ、C3-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、C2-C6-アルケニルオキシイミノ-C1-C4-アルキル、C2-C6-アルキニルオキシイミノ-C1-C4-アルキル、C1-C4-アルキルアミノ、C1-C4-アルコキシカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニルオキシ、フェニル、ナフチル、または3〜10員の飽和、部分不飽和もしくは芳香族の単環式または二環式の複素環であり、またはこの複素環は、環員として、炭素原子に加えてN、OおよびSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含み;ここで上記のフェニル基および複素環基Rbは、直接結合、酸素原子または硫黄原子を介して結合し、
且つ
環状基R3の隣接する環員原子に結合している2個の基Rbは、該環員原子と共に、縮合5、6もしくは7員の飽和、部分不飽和または芳香族環(この環は炭素環であっても複素環であってもよい)を形成してよく、ここで縮合複素環の環員原子は、炭素原子に加えてN、OおよびSからなる群から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含み、さらに
ここで、脂肪族基または環状基Rbは、それらの一部として1、2、3個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Rcを有していてよく:
Rc(任意の他のRcと同一でも異なっていてもよい)は、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、CN、カルボキシル、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C8-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C6-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、C2-C6-アルケニルオキシイミノ-C1-C4-アルキル、C2-C6-アルキニルオキシイミノ-C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、C1-C6-アルコキシイミノ-、C2-C6-アルケニルオキシイミノ-、C2-C6-アルキニルオキシイミノ-、C2-C6-ハロアルケニルオキシイミノ-、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、フェニル、または、環員として、炭素原子に加えてN、OおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5員の飽和、部分不飽和または芳香族の複素環であり;ここで上記の環状基Rcは、直接結合、酸素原子または硫黄原子を介して結合し、ここで該脂肪族基または環状基Rcは、それらの一部として1、2、3個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Rdを有していてよく:
Rd(任意の他のRdと同一でも異なっていてもよい)は、ハロゲン、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルであり;
あるいは
R3は、-CRA=N-O-RBであり、ここで
RAは、アミノ、ヒドロキシル、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ、C3-C6-アルキニルオキシ、C1-C4-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、C1-C4-アルキルアミノ、C1-C4-アルコキシカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニルオキシ、フェニル、フェニル-C1-C4-アルキル、ナフチルまたは3〜10員の飽和、部分不飽和もしくは芳香族の単環式もしくは二環式の複素環であり、またはこの環は、環員として、炭素原子に加えてO、NおよびSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含み;ここで上記の環状基RAは、直接結合、酸素原子または硫黄原子を介して結合し;
RBは、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、C1-C4-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシカルボニル、フェニル、フェニル-C1-C4-アルキル、ナフチルまたは3〜10員の飽和、部分不飽和もしくは芳香族の単環式もしくは二環式の複素環であり、またはこの環は、環員として、炭素原子に加えてO、NおよびSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含み;
ここで脂肪族基または環状基RAおよび/またはRBは、それらの一部として1、2、3個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Reを有していてよく:
Re(任意の他のReと同一でも異なっていてもよい)は、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、CN、カルボキシル、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C8-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシまたはC1-C4-ハロアルコキシであり;
R4は、式R4-1〜R4-7:
【化5】


【0019】
(式中、波線は結合点を示し、且つ、
Xは、二価の基OまたはNHであり、
R5は、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-ハロアルコキシまたはC3-C6-シクロアルキルであり、
R6は、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルである)
から選択される一価の基である)
で表される化合物ならびにそれらのN-オキシドおよび農業上許容可能な塩であって、
(E)-2-[1-メトキシ-メタ-(E)-イリデン]-5-(4-フェノキシ-フェノキシ)-3-トリフルオロメチル-ペンタ-3-エン酸メチルエステル(207852-99-1)、(E)-2-[1-メトキシ-メタ-(E)-イリデン]-5-(3-フェノキシ-フェノキシ)-3-トリフルオロメチル-ペンタ-3-エン酸メチルエステル(207853-00-7);(E)-2-[1-メトキシ-メタ-(E)-イリデン]-4-メチル-5-(3-フェノキシ-フェノキシ)-3-トリフルオロメチル-ペンタ-3-エン酸メチルエステル、(E)-5,5,5-トリフルオロ-2-[1-メトキシ-メタ-(E)-イリデン]-3-メチル-4-(4-フェノキシ-フェノキシメチル)-ペンタ-3-エン酸メチルエステル、および(2E,3Z)-2-(エチリデン)-5-フェニル-3-ペンテン酸メチルエステル(CAS-No. 681026-20-0)を除く、前記化合物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】変異G143Aを有する人工Qo阻害剤耐性チトクロームbc1複合体の分子モデリングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
用語「化合物I」は、式Iの化合物を指す。同様に、この用語は全ての部分式に当てはまり、例えば「化合物I.2」は、式I.2で表される化合物を指し、または「化合物V」は式Vで表される化合物を指す、等である。
【0022】
化合物Iは、公知の先行技術の方法(例えばWO 1998/021174、J Organomet Chem 689, 575-584 (2004)、WO 1996/036229)に類似する様々な経路によって得ることが可能であり、また有利には、本出願の以下のスキームおよび実験部分に示される合成によって得ることができる。
【0023】
化合物Iを調製するための好適な方法はスキーム1に示される。スキーム1は、好ましくは溶媒の存在下、水素化アルミニウムリチウムのような還元剤によるアセチレン化合物IIの還元から開始する。好適な溶媒は、使用される還元剤に対して不活性であり、好ましくは、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4-ジオキサン、およびメチル-tert.-ブチルエーテル(MTBE)などの環状エーテルまたは脂肪族エーテルから選択される。反応温度は、-40℃〜100℃、好ましくは-20〜60℃であってよい。還元中間体が形成された後、式IIIのスズ化合物(式中、Alkは、メチル、エチル、n-プロピル、またはn-ブチルのような好適なアルキル残基を定義し、Lは、ハロゲン、エトキシおよびメトキシ(特にメトキシ)などの脱離基である)が添加される。結果として得られる中間体IVは、通常の方法(例えば、抽出およびクロマトグラフィー)で単離および精製することができる安定した化合物である。
【0024】
化合物IVは、脂肪族アルコールをヒドロキシル化合物IVとカップリングさせるための通常の方法を用いて化合物Vとさらに反応させ、中間体VIを生じる。Mitsonobu反応がとりわけ有用であることがわかっている。
【0025】
次いで、化合物VIを、好ましくは公知の遷移金属触媒、より好ましくはパラジウム触媒などの好適な触媒(ここでリガンドは、トリフリルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィンまたは二座ホスフィンリガンドであってよい)の存在下、化合物VII(式中、LGは脱離基、好ましくはハロゲン(フルオロを除く)またはトリフラートなどのスルホニルオキシ基である)とカップリングさせる。反応を高めるため、CuI2などの銅化合物を添加することができる。本発明においては、幅広い種類の溶媒の使用が可能であり、THF、1,4-ジオキサンおよびジメチルホルムアミド(DMF)のようなアミドが好ましい。反応温度は、-20〜150℃、好ましくは20〜120℃であってよい。
【0026】
結果として得られる化合物I(式中、Yは-OCH2-であり、R2はHである)は、さらに改変することができる。例えば、R4がエステル基を含む場合、VIIIは、メチルアミンと反応させることによってメチルアミドに変換することができる。
【化6】
【0027】
化合物Iを調製するための別の一般的な方法は、スキーム2に示される。出発物質VIIIは、公知のものであるか、または公知化合物に類似して調製することができる。本明細書中に示される化合物VIIIと化合物IXとのウィッテイヒ・ホーナー(Wittig-Horner)反応(Tetrahedron Lett. 1988, 29, 3361も参照のこと)は、さらに良い結果が生じるのであれば、ウィッティヒ(Wittig)反応と置き換えることができる。これらの反応ならびに反応条件はよく知られている。特異的な問題は、新たに形成された二重結合中のE/Z-比である。望ましい異性体は、通常、幾つかの望ましくない異性体を伴い、これは当技術分野で公知の精製法(例えば、クロマトグラフィー、蒸留、結晶化等)によって除去されなければならない。
【化7】
【0028】
R4が式R4-4である化合物Iへの経路は、スキーム3に示される。化合物Xは、例えば化合物VIから、ヨウ素を用いた直接反応によって得ることができる。化合物X中のヨウ素は、他の好適な脱離基、例えば臭素、塩素またはトリフラートによって置換することができる。塩VII中のナトリウム原子は、他の好適な金属原子、例えば、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム等によって置換することができる。XおよびXIのカップリング反応は、好ましくは遷移金属触媒(好ましくは銅)の存在下、窒素含有リガンド系の存在下に(例えば:Tetrahedron Lett 2008, 49 (26), 4196-4199;Org Lett. 2004, 6 (11), 1809-1812を参照)実施される。
【化8】
【0029】
個々の化合物Iが、上記の経路によって得られない場合、他の化合物Iを誘導体化することによって調製することができる。
【0030】
オキシムの場合、この合成が異性体の混合物を生じる場合には、個々の異性体は使用のための後処理の期間中または施用の期間中に(例えば、光、酸または塩基の作用下で)相互転換され得るので、分離は一般的には必ずしも必要とされない。このような変換は、使用後でも、例えば、植物体の処理においてはその処理された植物体中またはその防除されるべき有害菌類中でも起こり得る。
【0031】
上記の可変要素の定義においては、当該置換基を一般的に表す総称が使用される。用語「Cn-Cm」は、いずれの場合も、当該置換基または置換部分において可能な炭素原子の数を示す。
【0032】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を指す。
【0033】
用語「C1-C6-アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素基、例えば、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル(イソブチル)、1,1-ジメチルエチル、ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、ヘキシル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピルおよび1-エチル-2-メチルプロピルを指す。同様に、用語「C1-C4-アルキル」は、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基を指す。
【0034】
用語「C1-C4-ハロアルキル」は、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基(上記定義のとおり)であって、これらの基中の水素原子の一部または全部が上記のハロゲン原子で置換されていてよいもの、例えばクロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1-クロロエチル、1-ブロモエチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-クロロ-2-フルオロエチル、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチル、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチルおよびペンタフルオロエチル、2-フルオロプロピル、3-フルオロプロピル、2,2-ジフルオロプロピル、2,3-ジフルオロプロピル、2-クロロプロピル、3-クロロプロピル、2,3-ジクロロプロピル、2-ブロモプロピル、3-ブロモプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、3,3,3-トリクロロプロピル、CH2-C2F5、CF2-C2F5、CF(CF3)2、1-(フルオロメチル)-2-フルオロエチル、1-(クロロメチル)-2-クロロエチル、1-(ブロモメチル)-2-ブロモエチル、4-フルオロブチル、4-クロロブチル、4-ブロモブチルまたはノナフルオロブチルを指す。同様に、用語「C1-C6-ハロアルキル」は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基を指す。
【0035】
用語「C1-C6-アルコキシ」は、アルキル基の任意の位置で酸素を介して結合している1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖の上記アルキル基、例えば、OCH3、OCH2CH3、O(CH2)2CH3、1-メチルエトキシ、O(CH2)3CH3、1-メチルプロポキシ、2-メチルプロポキシまたは1,1-ジメチルエトキシ、O(CH2)4CH3またはO(CH2)5CH3を指す。同様に、用語「C1-C4-アルコキシ」は、アルキル基中の任意の位置で酸素を介して結合している1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基を指す。
【0036】
用語「C1-C4-ハロアルコキシ」は、C1-C4-アルコキシ基(上記定義のとおり)であって、その水素原子の一部または全部が上記のハロゲン原子で置換されてよいもの、例えば、OCH2F、OCHF2、OCF3、OCH2Cl、OCHCl2、OCCl3、クロロフルオロメトキシ、ジクロロフルオロメトキシ、クロロジフルオロメトキシ、2-フルオロエトキシ、2-クロロエトキシ、2-ブロモエトキシ、2-ヨードエトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、2-クロロ-2-フルオロエトキシ、2-クロロ-2,2-ジフルオロエトキシ、2,2-ジクロロ-2-フルオロエトキシ、2,2,2-トリクロロエトキシ、OC2F5、2-フルオロプロポキシ、3-フルオロプロポキシ、2,2-ジフルオロプロポキシ、2,3-ジフルオロプロポキシ、2-クロロプロポキシ、3-クロロプロポキシ、2,3-ジクロロプロポキシ、2-ブロモプロポキシ、3-ブロモプロポキシ、3,3,3-トリフルオロプロポキシ、3,3,3-トリクロロプロポキシ、OCH2-C2F5、OCF2-C2F5、1-(CH2F)-2-フルオロエトキシ、1-(CH2Cl)-2-クロロエトキシ、1-(CH2Br)-2-ブロモエトキシ、4-フルオロブトキシ、4-クロロブトキシ、4-ブロモブトキシまたはノナフルオロブトキシを指す。同様に、用語「C1-C6-ハロアルコキシ」は、C1-C6-アルコキシ基(上記定義のとおり)であって、その水素原子の一部または全部が上記のハロゲン原子で置換されていてよいものを指す。
【0037】
用語「C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキル」は、1〜4個の炭素原子を有するアルキルであって、上記のアルキル基の1個の水素原子がC1-C4-アルコキシ基で置換されているものを指す。同様に、用語「C1-C6-アルコキシ-C1-C6-アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有するアルキルであって、上記のアルキル基の1個の水素原子がC1-C6-アルコキシ基で置換されているものを指す。
【0038】
用語「C1-C4-アルキルアミノ」は、置換基として1つのC1-C4-アルキル基を有するアミノ基、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、1-メチルエチルアミノ、ブチルアミノ、1-メチルプロピルアミノ、2-メチルプロピルアミノ、1,1-ジメチルエチルアミノなどを指す。同様に、用語「C1-C6-アルキルアミノ」は、置換基として1個のC1-C6-アルキル基を有するアミノ基を指す。
【0039】
用語「ジ(C1-C4-アルキル)アミノ」は、置換基として、2つの同一のまたは異なるC1-C4-アルキル基を有するアミノ基、例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ-n-プロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、N-エチル-N-メチルアミノ、N-(n-プロピル)-N-メチルアミノ、N-(イソプロピル)-N-メチルアミノ、N-(n-ブチル)-N-メチルアミノ、N-(2-ブチル)-N メチルアミノ、N-(イソブチル)-N-メチルアミノなどを指す。同様に、用語「ジ(C1-C6-アルキル)アミノ」は、置換基として2つの同一のまたは異なるC1-C6-アルキル基を有するアミノ基を指す。
【0040】
用語「C1-C4-アルコキシイミノ」は、置換基として1つのC1-C4-アルコキシ基を有する二価のイミノ基(C1-C4-アルキル-O-N=)、例えば、メチルイミノ、エチルイミノ、プロピルイミノ、1-メチルエチルイミノ、ブチルイミノ、1-メチルプロピルイミノ、2-メチルプロピルイミノ、1,1-ジメチルエチルイミノなどを指す。
【0041】
用語「C1-C6-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル」は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル(上記定義のとおり)であって、上記のアルキル基の1個の炭素原子の2個の水素原子が、二価のC1-C6-アルコキシイミノ基(C1-C6-アルキル-O-N=)(上記定義のとおり)で置換されているものを指す。
【0042】
用語「C2-C6-アルケニルオキシイミノ-C1-C4-アルキル」は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル(上記定義のとおり)であって、上記のアルキル基の1個の炭素原子の2個の水素原子が二価のC2-C6-アルケニルオキシイミノ基(C2-C6-アルケニル-O-N=)で置換されているものを指す。
【0043】
用語「C2-C6-アルキニルオキシイミノ-C1-C4-アルキル」は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル(上記定義のとおり)を有するアルキルであって、アルキル基の1個の炭素原子の2個の水素原子が二価のC2-C6-アルキニルオキシイミノ基(C2-C6-アルキニル-O-N=)で置換されているものを指す。
【0044】
用語「C1-C4-アルキルカルボニル」は、カルボニル基を介して結合されたC1-C4-アルキル基を指す。用語「(C1-C6-アルコキシ)カルボニル」は、カルボニル基を介して結合されたC1-C6-アルコキシ基を指す。
【0045】
用語「C1-C6-アルキルアミノカルボニル」は、カルボニル基を介して結合されたC1-C6-アルキルアミノ基を指す。同様に、用語「ジ(C1-C6-アルキル)アミノカルボニル」は、カルボニル基を介して結合されたジ(C1-C6)アルキルアミノ基を指す。
【0046】
用語「C2-C4-アルケニル」は、2〜4個の炭素原子および任意の位置に二重結合を有する直鎖または分岐鎖の不飽和炭化水素基、例えば、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル(アリル)、1-メチルエテニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニルを指す。同様に、用語「C2-C6-アルケニル」は、2〜6個の炭素原子および任意の位置に二重結合を有する直鎖または分岐鎖の不飽和炭化水素基を指す。
【0047】
用語「C2-C4-アルキニル」は、2〜4個の炭素原子を有し、且つ少なくとも1個の三重結合を含む直鎖または分岐鎖の不飽和炭化水素基、例えばエチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-メチル-2-プロピニルを指す。同様に、用語「C2-C6-アルキニル」は、2〜6個の炭素原子および少なくとも1個の三重結合を有する直鎖または分岐鎖の不飽和炭化水素基を指す。
【0048】
用語「C3-C6-シクロアルキル」は、3〜6個の炭素環員を有する単環式、二環式の飽和炭化水素基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルを指す。
【0049】
同様に、用語「C3-C6-シクロアルケニル」は、3〜6個の炭素環員および任意の位置に二重結合を有する不飽和炭化水素基、例えばシクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニルまたはシクロヘキセニルを指す。
【0050】
用語「C3-C6-シクロアルキル-C1-C4-アルキル」は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル(上記定義のとおり)であって、上記のアルキル基の1個の水素原子が3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基で置換されているものを指す。
【0051】
用語「フェニル-C1-C4-アルキル」は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル(上記定義のとおり)であって、上記のアルキル基の1個の水素原子がフェニル基で置換されているものを指す。
【0052】
化合物Iの農業上許容可能な塩は、特に、そのカチオンおよびアニオンが、それぞれ化合物Iの殺菌作用に悪影響を及ぼさない、これらのカチオンの塩またはこれらの酸の酸付加塩を包含する。従って、好適なカチオンは特に、アルカリ金属(好ましくはナトリウムおよびカリウム)、アルカリ土類金属(好ましくはカルシウム、マグネシウムおよびバリウム)、遷移金属(好ましくはマンガン、銅、亜鉛および鉄)のイオンであり、また、所望の場合には1〜4個のC1-C4-アルキル置換基および/または1個のフェニル置換基もしくはベンジル置換基を有していてよいアンモニウムイオン(好ましくはジイソプロピルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム)、さらにはホスホニウムイオン、スルホニウムイオン(好ましくはトリ(C1-C4-アルキル)スルホニウム)、およびスルホキソニウムイオン(好ましくはトリ(C1-C4-アルキル)スルホキソニウム)でもある。有用な酸付加塩のアニオンは、主に、塩化物イオン、臭化物イオン、フッ化物イオン、硫酸水素イオン、硫酸イオン、リン酸二水素イオン、リン酸水素イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、重炭酸イオン、炭酸イオン、ヘキサフルオロケイ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、安息香酸イオン、ならびにC1-C4-アルカン酸のアニオン、好ましくはギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオンおよび酪酸イオンである。これらは、式Iの化合物を、対応するアニオンの酸(好ましくは塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸または硝酸)と反応させることにより形成することができる。
【0053】
式Iの化合物は、不斉基の単結合の周囲の束縛回転から生じるアトロプ異性体で存在し得る。これらもまた、本発明の主題の一部を形成する。
【0054】
置換パターンに応じて、式Iの化合物およびそれらのN-オキシドは、1つまたはそれ以上のキラル中心を有していてよく、このような場合、これらは純粋なエナンチオマーまたは純粋なジアステレオマー、またはエナンチオマーまたはジアステレオマーの混合物として存在し得る。純粋なエナンチオマーまたはジアステレオマー、およびこれらの混合物はいずれも、本発明の主題である。
【0055】
可変要素については、中間体の実施形態は化合物Iの実施形態に対応する。
【0056】
好ましいのはこれらの化合物Iであり、この場合、本明細書中で提供される全ての部分式(例えば式I.1およびI.2)で表される化合物、および化合物II、III、IVおよびVなどの中間体にも当てはまり、ここで置換基および可変要素(例えばk、R1、R2、R3、R4、R5、R6、X、Y、Z、RA、RB、Ra、Rb、Rc、RdおよびRe)は、互いに独立して、またはより好ましくは互いに組み合わせて(本明細書中に定義される2つまたはそれ以上の置換基の任意の可能な組み合わせ)、以下の意味を有する。
【0057】
また、本発明の使用、方法、混合物および組成物も好ましく、ここで定義(例えば植物病原性菌類、処理、作物、化合物II、さらなる活性成分、溶媒、固体担体)は、互いに独立して、またはより好ましくは組み合わせて以下の意味を有し、さらにより好ましくは、本明細書中の化合物Iの好ましい意味と組み合わせて(本明細書中で提供される2つ以上の定義の任意の可能な組み合わせ)、以下の意味を有する。
【0058】
本発明の1つの実施形態によれば、本発明はまた、ミトコンドリアチトクロームb遺伝子中にQo阻害剤に対する耐性を与える変異を含む植物病原性菌類を駆除する方法であって、ミトコンドリアチトクロームb遺伝子中にQo阻害剤に対する耐性を与える変異を含む植物病原性菌類、またはミトコンドリアチトクロームb遺伝子中にQo阻害剤に対する耐性を与える変異を含む植物病原性菌類により病気になるリスクのある材料、植物、土壌もしくは種子を、少なくとも1種の化合物I、またはそれを含む組成物の有効量で処理するステップを含んでなる、上記方法にも関する。
【0059】
用語「ミトコンドリアチトクロームb遺伝子中にQo阻害剤に対する耐性を与える変異を含む植物病原性菌類」とは、防除対象の真菌分離株の少なくとも10%、より好ましくは少なくとも30%、さらにより好ましくは、少なくとも50%、さらに最も好ましくは少なくとも75%の菌類、特に90〜100%の菌類が、ミトコンドリアチトクロームb遺伝子中にQo阻害剤に対する耐性を与える変異を含むと理解されたい。
【0060】
野外条件下、明らかに非耐性株からなる植物病原性菌類の集団が容易に耐性を生じ得ることが観察された。本化合物はこのような条件下でも、耐性の形成および耐性株の蔓延を共に防ぐために施用することができる。この点について、本化合物が、非耐性植物病原性菌類に対しても強い活性を有することは有用である。
【0061】
別の実施形態によれば、植物病原性菌類を駆除するための方法は、a) ミトコンドリアチトクロームb遺伝子中にQo阻害剤に対する耐性を与える変異を含む植物病原性菌類、または本明細書中に定義される植物病原性菌類により病気になるリスクのある材料、植物、土壌もしくは種子を同定するステップ、およびb) 上記の菌類または材料、植物、土壌もしくは種子を、少なくとも1種の化合物I、またはそれを含む組成物の有効量で処理するステップを含んでなる。
【0062】
本発明の別の実施形態によれば、本発明は、ミトコンドリアチトクロームb遺伝子中にQo阻害剤に対する耐性を与える変異を含む植物病原性菌類を駆除する方法であって:その少なくとも10%がミトコンドリアチトクロームb遺伝子中にQo阻害剤に対する耐性を与える変異を含む植物病原性菌類、またはミトコンドリアチトクロームb遺伝子中にQo阻害剤に対する耐性を与える変異を含む植物病原性菌類により病気になるリスクのある材料、植物、土壌もしくは種子を、少なくとも1種の化合物I、またはそれを含む組成物の有効量で処理するステップ;より好ましくは、少なくとも30%、さらにより好ましくは少なくとも50%、さらに最も好ましくは少なくとも75%の、ミトコンドリアチトクロームb遺伝子中にQo阻害剤に対する耐性を与える変異を含む菌類を、少なくとも1種の化合物I、またはそれを含む組成物の有効量で処理するステップを含んでなる、上記方法にも関する。
【0063】
植物病原性菌類を駆除するための本発明の使用および方法の1つの実施形態によれば、植物病原性菌類のミトコンドリアチトクロームb遺伝子中の変異はG143Aである。
【0064】
別の実施形態によれば、上記の植物病原性菌類は、担子菌類(basidomycetes)、子嚢菌類(ascomycetes)、および卵菌類(oomycetes)からなる群から選択される。
【0065】
さらなる実施形態によれば、本発明の植物病原性菌類は、アルテルナリア・アルテルナタ(Alternaria alternata)、ブルメリア・グラミニス(Blumeria graminis)、ピリクラリア・オリザエ(Pyriculania oryzae)(マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea)としても公知)、セプトリア・トリティシ(Septoria tritici)(ミコスファエレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)としても公知)、ミコスファエレラ・フィジエンシス(Mycosphaerella fijiensis)、ヴェンチュリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis)、ピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)、ピレノフォラ・トリティシ-レペンティス(Pyrenophona tritici-repentis)およびプラスモパラ・ヴィティコラ(Plasmopara viticola)、特にセプトリア・トリティシ(Septoria tritici)からなる群から選択される。
【0066】
本発明の1つの実施形態は化合物Iに関し、式中、R1は、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニル、C3-C6-シクロアルキルまたはC3-C6-シクロアルキル-C1-C4-アルキルであり、ここでR1の脂肪族部分は、1、2、3個または最大数までの同一のまたは異なる基Rbを有していてよく、この基Rbは、互いに独立して、ハロゲン、CN、ニトロ、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルキルおよびC1-C4-ハロアルコキシから選択され;より好ましくは、R1は、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルコキシ-C1-C4-アルキルであり;さらにより好ましくは、R1は、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-クロロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルコキシ-C1-C4-アルキルであり;特にC1-C4-アルキルである。
【0067】
別の実施形態によれば、R4が1-メトキシカルボニル-2-メトキシ-エテン-1-イル(XがOであるR4-2)である場合、R1はCF3ではあり得ない。
【0068】
さらなる実施形態によれば、R2は、水素、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルコキシ-C1-C4-アルキルであり;より好ましくは、R2は水素、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、またはC1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキルであり;さらにより好ましくは、R2は、水素、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-アルコキシであり;特に水素である。
【0069】
さらなる実施形態によれば、R2は、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニル、C3-C6-シクロアルキルまたはC3-C6-シクロアルキル-C1-C4-アルキルであり、ここでR2の脂肪族部分は、1、2、3個または最大数までの同一のまたは異なる基Raを有していてよく、Raは、互いに独立して、ハロゲン、CN、ニトロ、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルキルおよびC1-C4-ハロアルコキシから選択される。
【0070】
さらなる実施形態によれば、Zは水素またはメチル、特にメチルである。
【0071】
さらなる実施形態によれば、Yは、-OCH2-、-CH2-、-CH2CH2-、-C(CH3)=N-O-CH2-、-O-N=C(CH3)-C(CH3)=N-O-CH2-および-C(=N-O-CH3)-C(CH3)=N-O-CH2-;好ましくは-OCH2-、-CH2CH2-、-C(CH3)=N-O-CH2-、-O-N=C(CH3)-C(CH3)=N-O-CH2-または-C(=N-O-CH3)-C(CH3)=N-O-CH2-から選択される二価の基であり、ここで、二価の基Yの左側に示される結合はR3に結合し、右側に示される結合はR2で置換されている炭素原子に結合し;特にYは-OCH2であり、この化合物は式I.1:
【化9】
【0072】
で表される。
【0073】
さらなる実施形態によれば、Yは-CH2-であり、この化合物は式I.2:
【化10】
【0074】
で表される。
【0075】
さらなる実施形態によれば、Yは-CH2CH2-であり、この化合物は式I.3:
【化11】
【0076】
で表される。
【0077】
さらなる実施形態によれば、Yは-C(CH3)=N-O-CH2-であり、この化合物は式I.4:
【化12】
【0078】
で表される。
【0079】
さらなる実施形態によれば、Yは-O-N=C(CH3)-C(CH3)=N-O-CH2-であり、この化合物は式I.5:
【化13】
【0080】
で表される。
【0081】
さらなる実施形態によれば、Yは-C(=N-O-CH3)-C(CH3)=N-O-CH2-であり、この化合物は式I.6:
【化14】
【0082】
で表される。
【0083】
本発明の特に好ましい実施形態は、化合物Iに関し、式中、基Yは、以下の基Y-1〜Y-10の1つであり、ここで、二価の基Yの左側に示される結合はR3に結合し、さらに右側に示される結合はR2で置換されている炭素原子に結合している:
【表1】
【0084】
本発明の特に好ましい実施形態は、基Yが-OCH2-である化合物Iに関する。
【0085】
さらなる実施形態によれば、R3は、フェニルまたは3〜10員の飽和、部分不飽和もしくは芳香族の単環式もしくは二環式の複素環であり、ここで複素環の環員原子は、炭素原子に加えてN、OおよびSからなる群から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含み、R3は、1、2、3、4個または最大可能数までの同一のまたは異なる本明細書中に定義される基Rbを有していてよく;より好ましくは、上記の3〜10員の飽和、部分不飽和もしくは芳香族の単環式もしくは二環式の複素環は、5〜6員のヘテロアリールであり、ここでヘテロアリールの環員原子は、炭素原子に加えてN、OおよびSからなる群から選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む。
【0086】
さらなる実施形態によれば、R3はフェニルであり、ここでフェニルは、1、2、3、4個または最大可能数までの同一のまたは異なる本明細書中に定義される基Rbを有していてよい。
【0087】
さらなる実施形態によれば、R3は5員のヘテロアリールであり、ここで上記の複素環の環員原子は、炭素原子に加えてN、OおよびSからなる群から選択される1、2または3個のヘテロ原子を含み、ここで上記のヘテロアリールは、1、2、3、4個または最大可能数までの同一のまたは異なる本明細書中に定義される基Rbを有していてよく;より好ましくは、上記のヘテロアリールは、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリルまたは1,2,4-チアジアゾリルである。
【0088】
さらなる実施形態によれば、R3は、フェニルで置換されているピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリルまたは1,2,4-チアジアゾリルであり、ここで上記のフェニルは、1、2、3個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Rc(任意の他のRcと同一でも異なっていてもよい)を有していてよく、ここでRcは、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、フェニルまたは、環員として、炭素原子に加えてN、OおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5員の飽和、部分不飽和もしくは芳香族の複素環であり;且つ上記の複素環基Rcは、直接結合、酸素原子または硫黄原子を介して結合し、それらの一部として1、2、3個または最大可能数までの同一のまたは異なる本明細書中に定義される基Rdを有していてよい。
【0089】
さらなる実施形態によれば、R3は6員のヘテロアリールであり、ここで上記の複素環の環員原子は、炭素原子に加えてN、OおよびSからなる群から選択される1、2または3個のヘテロ原子を含み、ここで上記のヘテロアリールは、1、2、3、4個または最大可能数までの同一のまたは異なる本明細書中に定義される基Rbを有していてよく;より好ましくは、上記のヘテロアリールは、ピリジニルまたはピリミジニルである。
【0090】
さらなる実施形態によれば、R3は、1、2または3個の同一のまたは異なる基Rbを有する。
【0091】
さらなる実施形態によれば、Rbは、互いに独立して、カルボキシル、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-アルキルアミノ、C1-C4-アルコキシカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニルオキシ、フェニル、ナフチル、または3〜10員の飽和、部分不飽和もしくは芳香族の単環式もしくは二環式の複素環から選択され、または、この複素環は、環員として、炭素原子に加えてO、NおよびSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含み;且つ上記のフェニル基および複素環基Rbは、直接結合、酸素原子または硫黄原子を介して結合している。
【0092】
さらなる実施形態によれば、脂肪族基または環状基Rbは、それらの一部として、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、CN、カルボキシル、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C8-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシおよびC1-C4-ハロアルコキシから選択される1、2、3個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Rc(任意の他のRcと同一でも異なっていてもよい)を有し;より好ましくは、Rbは、それらの一部として1、2または3個の同一のまたは異なる基Rcを有する。
【0093】
さらなる実施形態によれば、Rc(任意の他のRcと同一でも異なっていてもよい)は、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、フェニルまたは5員の飽和、部分不飽和または芳香族の複素環であり、この複素環は、環員として、炭素原子に加えてN、OおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含み;ここで上記の環状基Rcは、直接結合、酸素原子または硫黄原子を介して結合し、それらの一部として1、2、3個または最大可能数までの同一のまたは異なる本明細書中に定義される基Rdを有していてよい。
【0094】
さらなる実施形態によれば、環状基R3の隣接する環員原子に結合している2個の基Rbは、上記の環員原子と共に、縮合5、6もしくは7員の飽和、部分不飽和もしくは芳香族環(この環は炭素環であっても複素環であってもよい)を形成し、ここで上記の縮合複素環の環員原子は、炭素原子に加えてN、OおよびSからなる群から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含む。
【0095】
さらなる実施形態によれば、R3は、-CRA=N-O-RBであり、ここでRAは、アミノ、ヒドロキシル、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ、C3-C6-アルキニルオキシ、C1-C4-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、C1-C4-アルキルアミノ、C1-C4-アルコキシカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニルオキシ、フェニル、ナフチルまたは3〜10員の飽和、部分不飽和もしくは芳香族の単環式もしくは二環式の複素環であり、またはこの環は、環員として、炭素原子に加えてO、NおよびSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含み;且つ上記のフェニル基および複素環基RAは、直接結合、酸素原子または硫黄原子を介して結合し、ここで脂肪族基または環状基RAは1、2、3個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Re(任意の他のReと同一でも異なっていてもよい)を有していてよく、Reは、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、CN、カルボキシル、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C8-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシまたはC1-C4-ハロアルコキシである。
【0096】
さらなる実施形態によれば、R3は、-CRA=N-O-RBであり、ここでRBは、ヒドロキシル、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、C1-C4-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシカルボニル、フェニル、ナフチルまたは3〜10員の飽和、部分不飽和もしくは芳香族の単環式もしくは二環式の複素環であり、または複素環は、環員として、炭素原子に加えてO、NおよびSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含み、ここで脂肪族基または環状基RBは、1、2、3個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Re(任意の他のReと同一でも異なっていてもよい)を有していてよく、Reは、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、CN、カルボキシル、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C8-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシまたはC1-C4-ハロアルコキシである。
【0097】
より好ましくは、RAおよびRBは、互いに独立して、1、2、3個または最大可能数までの同一のまたは異なるハロゲンを有していてよいC1-C4-アルキルであり;特にRAおよびRBはメチルである。
【0098】
さらなる実施形態によれば、脂肪族基または環状基RAおよび/またはRBは、それらの一部として1、2、3個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Reを有していてよく、より好ましくは、これらは0、1または3個の同一のまたは異なる基Reを有する。
【0099】
さらなる実施形態によれば、Re(任意の他のReと同一でも異なっていてもよい)は、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシまたはC1-C4-ハロアルコキシである。
【0100】
さらなる実施形態によれば、R4は、-C(=NOCH3)-CONHCH3、-C(=NOCH3)-COOCH3、-C(=CHOCH3)-COOCH3、-C(=CHOCH3)-CONHCH3、-N(OCH3)-COOCH3、-N(CH3)-COOCH3または-N(CH2CH3)-COOCH3である。
【0101】
さらなる実施形態によれば、R4は、XがOである、本明細書中に定義されるR4-1である。
【0102】
さらなる実施形態によれば、R4は、XがNHである、本明細書中に定義されるR4-1である。
【0103】
さらなる実施形態によれば、R4は、XがOである、本明細書中に定義されるR4-2である。
【0104】
さらなる実施形態によれば、R4は、XがNHである、本明細書中に定義されるR4-2である。
【0105】
さらなる実施形態によれば、R4は、XがOである、本明細書中に定義されるR4-3である。
【0106】
さらなる実施形態によれば、R4は、XがNHである、本明細書中に定義されるR4-3である。
【0107】
さらなる実施形態によれば、R4は、XがOである、本明細書中に定義されるR4-4である。
【0108】
さらなる実施形態によれば、R4は、XがNHである、本明細書中に定義されるR4-4である。
【0109】
さらなる実施形態によれば、R5は、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシまたはC1-C4-ハロアルコキシ、より好ましくはC1-C2-アルキルまたはC1-C2-アルコキシ、さらにより好ましくはメチル、エチルまたはメトキシである。
【0110】
さらなる実施形態によれば、R4は、XがOであり、且つR5がメチル、エチルまたはメトキシである、本明細書中に定義されるR4-4である。
【0111】
さらなる実施形態によれば、R4は、XがOである、本明細書中に定義されるR4-5である。
【0112】
さらなる実施形態によれば、R4は、XがNHである、本明細書中に定義されるR4-5である。
【0113】
さらなる実施形態によれば、R4は、本明細書中に定義されるR4-6である。
【0114】
さらなる実施形態によれば、R4は、本明細書中に定義されるR4-7である。
【0115】
本発明のさらなる実施形態は、基R3が、以下の基R3-A〜R3-B(ここで#は、リンカー部分Yへの結合点を示す)の1つである化合物Iに関する。
【表2】
【0116】
本発明の特に好ましい実施形態は、基R3が、以下の基R3-1〜R3-195(ここで#は、リンカー部分Yへの結合点を示す)の1つである化合物Iに関する。
【表3】
【0117】
【0118】
【0119】
【0120】
【0121】
【0122】
【0123】
【0124】
【0125】
【0126】
【0127】
本発明の好ましい実施形態は、基R3がR3-A、特にR3-1(1-(4-クロロフェニル)-ピラゾール-3-イル)である化合物Iである。
【0128】
本発明による化合物Iおよび組成物は、それぞれ、殺菌剤として適している。これらは、特にネコブカビ類(Plasmodiophoromycetes)、ツユカビ類(Peronosporomycetes)(卵菌類(Oomycetes)と同義)、ツボカビ類(Chytridiomycetes)、接合菌類(Zygomycetes)、子嚢菌類(Ascomycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)および不完全菌類(Deuteromycetes)(不完全菌(Fungi imperfecti)と同義)のクラスに由来する土壌菌類等の広範囲の植物病原性菌類に対する優れた有効性によって際立っている。一部のものは浸透的に有効であり、葉面殺菌剤、種子粉衣用殺菌剤および土壌殺菌剤として作物保護において使用することができる。さらに、これらはとりわけ木材または植物の根において発生する有害菌類の防除に適している。
【0129】
本発明による化合物Iおよび組成物は、様々な栽培植物、例えば禾穀類(例えばコムギ、ライムギ、オオムギ、ライコムギ、オートムギまたはイネ);ビート(例えばテンサイまたは飼料ビート);果実、例えばナシ状果、核果または軟果(soft fruit)等(例えばリンゴ、洋ナシ、プラム、モモ、アーモンド、サクランボ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリーまたはスグリ);マメ科植物(例えばレンズマメ、エンドウマメ、アルファルファまたはダイズ);油料植物(例えばアブラナ、カラシナ、オリーブ、ヒマワリ、ココナツ、ココアマメ、ヒマシ油植物、油ヤシ、ラッカセイまたはダイズ);ウリ科植物(例えばスカッシュ、キュウリまたはメロン);繊維植物(例えばワタ、亜麻、麻またはジュート);柑橘類(例えばオレンジ、レモン、グレープフルーツまたはマンダリン);野菜(例えばホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、ウリ科植物またはパプリカ);クスノキ科植物(例えばアボガド、シナモンまたはショウノウ);エネルギー植物および原料植物(例えばトウモロコシ、ダイズ、アブラナ、サトウキビまたは油ヤシ);トウモロコシ;タバコ;堅果;コーヒー:茶;バナナ;ブドウの木(生食用ブドウおよびブドウ果汁、ブドウ);ホップ;芝生;スウィートリーフ(ステビアとも呼ばれる);天然ゴム植物または観葉植物および森林植物(例えば花、低木、広葉樹または常緑樹(例えば針葉樹));ならびにこれらの植物の植物繁殖材料(例えば種子)および作物材料につく多数の植物病原性菌類の防除において特に重要である。
【0130】
好ましくは、化合物Iおよびそれらの組成物は、それぞれ、ジャガイモ、テンサイ、タバコ、コムギ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、イネ、トウモロコシ、ワタ、ダイズ、アブラナ、マメ科植物、ヒマワリ、コーヒーまたはサトウキビ;果実;ブドウの木;観葉植物;または野菜(例えばキュウリ、トマト、マメまたはスカッシュ)等の農作物につく多数の菌類を防除するために用いられる。
【0131】
「植物繁殖材料」という用語は、植物の繁殖に使用し得る、種子等の植物の生殖部分ならびに挿し木および塊茎(例えばジャガイモ)等の栄養植物材料の全てを意味すると理解される。この用語は、種子、根、果実、塊茎、鱗茎、根茎、苗条、芽および他の植物部分を包含し、また発芽後もしくは土壌から出芽した後に移植される苗および幼植物体も包含する。これらの幼植物体は、浸漬または注入による全体処理または部分処理によって、移植前に保護することもできる。
【0132】
好ましくは、化合物Iおよびそれらの組成物を用いた植物繁殖材料の処理は、それぞれ、禾穀類(例えばコムギ、ライムギ、オオムギおよびオートムギ;イネ、トウモロコシ、ワタおよびダイズ)につく多数の菌類の防除に使用される。
【0133】
「栽培植物」という用語は、育種、突然変異誘発または遺伝子操作によって改変された植物、例えば、限定するものではないが、市販のまたは開発中の農業バイオ技術製品(http://cera-gmc.org/、そのGM作物データベースを参照のこと)を包含するものとして理解される。「遺伝子改変植物」とは、組換えDNA技術の使用により、自然環境下においては、その遺伝物質が、交雑育種、突然変異、または天然の組換えによっては容易に得られないように改変されている植物である。典型的には、植物の特定の特性を改善するため、遺伝子改変植物の遺伝物質に1つ以上の遺伝子が組み込まれる。このような遺伝子改変として、限定するものではないが、例えば、グリコシル化またはポリマー付加(プレニル化、アセチル化またはファルネシル化部分もしくはPEG部分等)によるタンパク質、オリゴ-またはポリペプチドの標的翻訳後修飾(targeted post-translational modification)も挙げられる。
【0134】
本発明の化合物Iおよびそれらの組成物は、それぞれ、以下の植物病の防除に特に適している:
観葉植物、野菜(例えばアルブゴ・カンジダ(A. candida))およびヒマワリ(例えばアルブゴ・トラゴポゴニス(A. tragopogonis))につくアルブゴ(Albugo)属の種(白さび病);野菜、アブラナ(アルテルナリア・ブラシコラ(A. brassicola)またはブラシカエ(brassicae))、テンサイ(アルテルナリア・テヌイス(A. tenuis))、果実、イネ、ダイズ、ジャガイモ(例えばアルテルナリア・ソラニ(A. solani)またはアルテルナリア・アルテルナタ(A. alternata))、トマト(例えばアルテルナリア・ソラニ(A. solani)またはアルテルナリア・アルテルナタ(A. alternata))およびコムギにつくアルテルナリア(Alternaria)属の種(アルテルナリア斑点病);テンサイおよび野菜につくアファノマイセス(Aphanomyces)属の種;禾穀類および野菜につくアスコキタ(Ascochyta)属の種、例えばコムギにつくアスコキタ・トリチシ(A. tritici)(炭疽病)およびオオムギにつくアスコキタ・ホルデイ(A. hordei);バイポラリス(Bipolaris)およびドレクスレラ(Drechslera)属の種(有性型:コクリオボルス(Cochliobolus)属の種)、例えばトウモロコシのごま葉枯れ病(ドレクスレラ・マイディス(D. maydis))またはすす紋病(バイポラリス・ゼイコラ(B. zeicola))、例えば禾穀類の斑点病(バイポラリス・ソロキニアナ(B. sorokiniana))、また例えば、イネおよび芝生につくバイポラリス・オリザエ(B. oryzae);禾穀類につく(例えばコムギまたはオオムギにつく)ブルメリア・グラミニス(Blumeria(以前はエリシフェ(Erysiphe)) graminis)(ウドンコ病);果実および液果類(例えばイチゴ)、野菜(例えばレタス、ニンジン、セロリおよびキャベツ)、アブラナ、花、ブドウの木、森林植物およびコムギにつくボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)(有性型:ボトリオチニア・フッケリアナ(Botryotinia fuckeliana):灰色かび病);レタスにつくブレミア・レクツカエ(Bremia lactucae)(べと病);広葉樹および常緑樹につくセラトシスティス(Ceratocystis)(オフィオストマ(Ophiostoma)と同義)属の種(腐れ病または立ち枯れ病)、例えばニレにつくセラトシスティス・ウルミ(C. ulmi)(オランダニレ病);トウモロコシ(例えば灰色斑点病:セルコスポラ・ゼアエ-マイディス(C. zeae-maydis))、イネ、テンサイ(例えばセルコスポラ・ベティコーラ(C. beticola))、サトウキビ、野菜、コーヒー、ダイズ(例えばセルコスポラ・ソジナ(C. sojina)またはセルコスポラ・キクチイ(C. kikuchii))およびイネにつくセルコスポラ(Cercospora)属の種(セルコスポラ斑点病);トマト(例えばクラドスポリウム・フルブム(C. fulvum):葉カビ病)および禾穀類につくクラドスポリウム(Cladosporium)属の種、例えばコムギにつくクラドスポリウム・ヘルバルム(C. herbarum)(黒穂病);禾穀類につくクラビセプス・プルプレア(Claviceps purpurea)(麦角);トウモロコシ(コクリオボルス・カルボヌム(C. carbonum))、禾穀類(例えばコクリオボルス・サティブス(C. sativus)、無性型:バイポラリス・ソロキニアナ(B. sorokiniana)およびイネ(例えばコクリオボルス・ミヤベアヌス(C. miyabeanus)、無性型:ヘルミントスポリウム・オリザエ(H. oryzae)につくコクリオボルス(Cochliobolus)(無性型:ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)またはバイポラリス(Bipolaris))属の種(斑点病);ワタ(例えばコレトトリクム・ゴシピイ(C. gossypii))、トウモロコシ(例えばコレトトリクム・グラミニコラ(C. graminicola):炭疽茎腐病)、軟果、ジャガイモ(例えばコレトトリクム・ココデス(C. coccodes):黒斑病)、マメ(例えばコレトトリクム・リンデムチアヌム(C. lindemuthianum))およびダイズ(例えばコレトトリクム・トルンカツム(C. truncatum)またはコレトトリクム・グロエオスポリオイデス(C. gloeosporioides))につくコレトトリクム(Colletotrichum)(有性型:グロメレラ(Glomerella))属の種(炭疽病);コルティシウム(Corticium)属の種、例えばイネにつくコルティシウム・ササキイ(C. sasakii)(紋枯病);ダイズおよび観葉植物につくコリネスポラ・カシイコラ(Corynespora cassiicola)(斑点病);シクロコニウム(Cycloconium)属の種、例えばオリーブの木につくシクロコニウム・オレアギヌム(C. oleaginum);果樹、ブドウの木(例えばシリンドロカルポン・リリオデンドリ(C. liriodendri)、有性型:ネオネクトリア・リリオデンドリ(Neonectria liriodendri):黒脚病)および観葉植物につくシリンドロカルポン(Cylindrocarpon)属の種(例えば果樹潰瘍病または幼若つる枯病、有性型:ネクトリア(Nectria)またはネオネクトリア(Neonectria)属の種);ダイズにつくデマトフォラ・ネカトリクス(Dematophora(有性型:ロセリニア(Rosellinia)) necatrix)(根茎腐敗病);ディアポルテ(Diaporthe)属の種、例えばダイズにつくディアポルテ・ファゼオロルム(D. phaseolorum)(立ち枯れ病);トウモロコシ、禾穀類、例えばオオムギ(例えばドレクスレラ・テレス(D. teres)、網斑病)およびコムギ(例えばドレクスレラ・トリティシ-レペンティス(D. tritici-repentis):褐斑病)、イネおよび芝生につくドレクスレラ(Drechslera)(ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)と同義、有性型:ピレノフォラ(Pyrenophora))属の種;フォルミティポリア・プンクタタ(Formitiporia(フェリヌス(Phellinus)と同義) punctata)、フォルミティポリア・メディテラネア(F. mediterranea)、ファエオモニエラ・クラミドスポラ(Phaeomoniella chlamydospora)(以前のファエオアクレモニウム・クラミドスポルム(Phaeoacremonium chlamydosporum))、ファエオアクレモニウム・アレオフィルム(Phaeoacremonium aleophilum)および/またはボトリオスファエリア・オブツサ(Botryosphaeria obtusa)によって引き起こされる、ブドウの木につくエスカ(Esca)(枝枯病、卒中);ナシ状果類(エルシノエ・ピリ(E. pyri))、軟果類(エルシノエ・ヴェネタ(E. veneta):炭疽病)およびブドウの木(エルシノエ・アンペリナ(E. ampelina):炭疽病)につくエルシノエ(Elsinoe)属の種;イネにつくエンティロマ・オリザエ(Entyloma oryzae)(黒腫病);コムギにつくエピコッカム(Epicoccum)属の種(黒かび病);テンサイ(エリシフェ・ベタエ(E. betae))、野菜(例えばエリシフェ・ピシ(E. pisi))、例えばウリ科植物(例えばエリシフェ・シコラセアルム(E. cichoracearum))、キャベツ、アブラナ(例えばエリシフェ・クルシフェラルム(E. cruciferarum))につくエリシフェ(Erysiphe)属の種(ウドンコ病);果樹、ブドウの木および観葉木につくエウティパ・ラタ(Eutypa lata(エウティパ・キャンカー(Eutypa canker)すなわち枝枯病、無性型:シトスポリナ・ラタ(Cytosporina lata)、リベルテラ・ブレファリス(Libertella blepharis)と同義);トウモロコシ(例えばエクセロヒルム・ツルシクム(E. turcicum))につくエクセロヒルム(Exserohilum)(ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)と同義)属の種;様々な植物につくフザリウム(Fusarium(有性型:ジベレラ(Gibberella))属の種(立ち枯れ病、根または茎の腐れ病)、例えば禾穀類(例えばコムギまたはオオムギ)につくフザリウム・グラミネアルム(F. graminearum)またはフザリウム・クルモルム(F. culmorum)(根腐れ病、黒星病または赤カビ病)、トマトにつくフザリウム・オキシスポルム(F. oxysporum)、ダイズにつくフザリウム・ソラニ(F. solani)およびトウモロコシにつくフザリウム・ヴェルティシリオイデス(F. verticillioides);禾穀類(例えばコムギまたはオオムギ)およびトウモロコシにつくガエウマノマイセス・グラミニス(Gaeumannomyces graminis)(立ち枯れ病);禾穀類(例えばジベレラ・ゼアエ(G. zeae))およびイネ(例えばジベレラ・フジクロイ(G. fujikuroi):馬鹿苗病)につくジベレラ(Gibberella)属の種;ブドウの木、ナシ状果類および他の植物につくグロメレラ・シングラタ(Glomerella cingulata)、およびワタにつくグロメレラ・ゴシピイ(G. gossypii);イネにつく穀粒染色複合体(Grainstaining complex);ブドウの木につくグイグナルディア・ビドウェリー(Guignardia bidwellii)(黒腐病);バラ科植物およびジェニパーにつくギムノスポランギウム(Gymnosporangium)属の種、例えば洋ナシにつくギムノスポランギウム・サビナエ(G. sabinae)(さび病);トウモロコシ、禾穀類およびイネにつくヘルミントスポリウム(Helminthosporium)(ドレクスレラ(Drechslera)と同義、有性型:コクリオボルス(Cochliobolus))属の種;ヘミレイア(Hemileia)属の種、例えばコーヒーにつくヘミレイア・バスタトリックス(Hemileia vastatrix)(コーヒー葉さび病);ブドウの木につくイサリオプシス・クラビスポラ(Isariopsis clavispora)(クラドスポリウム・ビティス(Cladosporium vitis)と同義);ダイズおよびワタにつくマクロフォミア・ファセオリナ(Macrophomina phaseolina(ファセオリ(phaseoli)と同義))(根茎腐敗病);禾穀類(例えばコムギまたはオオムギ)につくミクロドキウム・ニバレ(Microdochium(フザリウム(Fusarium)と同義) nivale)(紅色雪腐病);ダイズにつくミクロスファエラ・ディフサ(Microsphaera diffusa)(ウドンコ病);核果類および他のバラ科植物につくモニリニア(Monilinia)属の種、例えばモニリニア・ラクサ(M. laxa)、モニリニア・フルクティコラ(M. fructicola)およびモニリニア・フルクティゲナ(M. fructigena)(花および枝枯病、茶腐れ病);禾穀類、バナナ、軟果類およびラッカセイにつくミコスファエレラ(Mycosphaerella)属の種、例えばコムギにつくミコスファエレラ・グラミニコラ(M. graminicola)(無性型:セプトリア・トリティシ(Septoria tritici)、セプトリア・ブロッチ(Septoria blotch))、またはバナナにつくミコスファエレラ・フィジエンシス(M. fijiensis)(黒シガトカ病)等;キャベツ(例えばペロノスポラ・ブラシカエ(P. brassicae))、アブラナ(例えばペロノスポラ・パラシティカ(P. parasitica))、タマネギ(例えばペロノスポラ・デストラクター(P. destructor))、タバコ(ペロノスポラ・タバシナ(P. tabacina))およびダイズ(例えばペロノスポラ・マンシュリカ(P. manshurica))につくペロノスポラ(Peronospora)属の種(べと病);ダイズにつくファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)およびファコプソラ・メイボミアエ(P. meibomiae)(ダイズさび病);例えばブドウの木(例えばフィアロフォラ・トラケイフィラ(P. tracheiphila)およびフィアロフォラ・テトラスポラ(P. tetraspora))およびダイズ(例えばフィアロフォラ・グレガタ(P. gregata):茎腐病)につくフィアロフォラ(Phialophora)属の種;アブラナおよびキャベツにつくフォマ・リンガム(Phoma lingam)(根茎腐敗病)およびテンサイにつくフォマ・ベタエ(P. betae)(根腐れ病、斑点病および立ち枯れ病);ヒマワリ、ブドウの木(例えばフォモプシス・ヴィティコラ(P. viticola):蔓割病)およびダイズ(例えば茎腐病:フォモプシス・ファセオリ(P. phaseoli)、有性型:ディアポルテ・ファゼオロルム(Diaporthe phaseolorum))につくフォモプシス(Phomopsis)属の種;トウモロコシにつくフィソデルマ・マイディス(Physoderma maydis)(褐斑病);様々な植物、例えばパプリカおよびウリ科植物(例えばフィトフトラ・カプシキ(P. capsici))、ダイズ(例えばフィトフトラ・メガスペルマ(P. megasperma)、フィトフトラ・ソヤエ(P. sojae)と同義)、ジャガイモおよびトマト(例えばフィトフトラ・インフェスタンス(P. infestans):葉枯病)ならびに広葉樹(例えばフィトフトラ・ラモルム(P. ramorum):樫の木の突然枯死)につくフィトフトラ(Phytophthora)属の種(立ち枯れ病、根、葉、果実および茎の腐れ病);キャベツ、アブラナ、ダイコンおよび他の植物につくプラスモディオフォラ・ブラシカエ(Plasmodiophora brassicae)(根瘤病);プラスモパラ(Plasmopara)属の種、例えばブドウの木につくプラスモパラ・ヴィティコラ(P. viticola)(ブドウべと病)およびヒマワリにつくプラスモパラ・ハルステディイ(P. halstedii);
バラ科植物、ホップ、ナシ状果類および軟果類につくポドスファエラ(Podosphaera)属の種(ウドンコ病)、例えばリンゴにつくポドスファエラ・レウコトリカ(P. leucotricha);例えばオオムギおよびコムギ等の禾穀類(ポリミクサ・グラミニス(P. graminis))およびテンサイ(ポリミクサ・ベタエ(P. betae))につくことによってウイルス病に感染させるポリミクサ(Polymyxa)属の種;禾穀類、例えばコムギまたはオオムギにつくシュードセルコスポレラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercosporella herpotrichoides)(眼紋病、有性型:タペシア・ヤルンダエ(Tapesia yallundae));様々な植物につくシュードペロノスポラ(Pseudoperonospora)(べと病)、例えばウリ科植物につくシュードペロノスポラ・キュベンシス(P. cubensis)またはホップにつくシュードペロノスポラ・フミリ(P. humili);ブドウの木につくシュードペジキュラ・トラケイフィラ(Pseudopezicula tracheiphila)(レッドファイア病すなわち「ロットブレンナー(rotbrenner)病」、無性型:フィアロフォラ(Phialophora));様々な植物につくプクキニア(Puccinia)属の種(さび病)、例えば禾穀類(例えばコムギ、オオムギまたはライムギ等)につくプクキニア・トリティキナ(P. triticina)(褐さび病もしくは葉さび病)、プクキニア・ストリイフォルミス(P. striiformis)(縞さび病もしくは黄さび病)、プクキニア・ホルデイ(P. hordei)(小さび病)、プクキニア・グラミニス(P. graminis)(茎さび病もしくは黒さび病)またはプクキニア・レコンディタ(P. recondita)(褐さび病もしくは葉さび病)、テンサイにつくプクキニア・クエフニイ(P. kuehnii)(オレンジさび病)およびアスパラガスにつくプクキニア・アスパラギ(P. asparagi);コムギにつくピレノフォラ・トリティシ-レペンティス(Pyrenophora(無性型:ドレクスレラ(Drechslera)) tritici-repentis)(褐斑病)またはオオムギにつくピレノフォラ・テレス(P. teres)(網斑病);ピリクラリア(Pyricularia)属の種、例えばイネにつくピリクラリア・オリザエ(P. oryzae)(有性型:マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea)、イネイモチ病)ならびに芝生および禾穀類につくピリクラリア・グリセア(P. grisea);芝生、イネ、トウモロコシ、コムギ、ワタ、アブラナ、ヒマワリ、ダイズ、テンサイ、野菜および様々な他の植物につくピシウム(Pythium)属の種(立ち枯れ病)(例えばピシウム・ウルティムム(P. ultimum)またはピシウム・アファニデルマツム(P. aphanidermatum));ラムラリア(Ramularia)属の種、例えばオオムギにつくラムラリア・コロ-シグニ(R. collo-cygni)(ラムラリア斑点病、生理的斑点病)およびテンサイにつくラムラリア・ベティコーラ(R. beticola);ワタ、イネ、ジャガイモ、芝生、トウモロコシ、アブラナ、ジャガイモ、テンサイ、野菜および様々な他の植物につくリゾクトニア(Rhizoctonia)属の種、例えばダイズにつくリゾクトニア・ソラニ(R. solani)(根茎腐敗病)、イネにつくリゾクトニア・ソラニ(R. solani)(紋枯病)またはコムギもしくはオオムギにつくリゾクトニア・セレアリス(R. cerealis)(リゾクトニア春枯病);イチゴ、ニンジン、キャベツ、ブドウの木およびトマトにつくリゾプス・ストロニファー(Rhizopus stolonifer)(黒かび病、軟腐病);オオムギ、ライムギおよびライコムギにつくリンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis)(雲形病);イネにつくサロクラディウム・オリザエ(Sarocladium oryzae)およびサロクラディウム・アテヌアツム(S. attenuatum)(葉鞘腐敗病);野菜および農作物、例えばアブラナ、ヒマワリ(例えばスクレロティニア・スクレロチオルム(S. sclerotiorum))およびダイズ(例えばスクレロティニア・ロルフシイ(S. rolfsii)またはスクレロティニア・スクレロチオルム(S. sclerotiorum))につくスクレロティニア(Sclerotinia)属の種(茎腐病または白かび病);様々な植物につくセプトリア(Septoria)属の種、例えばダイズにつくセプトリア・グリシネス(S. glycines)(褐斑病)、コムギにつくセプトリア・トリティシ(S. tritici)(セプトリア斑病)および禾穀類につくセプトリア・ノドルム(S.(スタゴノスポラ(Stagonospora)と同義) nodorum)(スタゴノスポラ斑病);ブドウの木につくウンシヌラ・ネカトール(Uncinula(エリシフェ(Erysiphe)と同義) necator)(ウドンコ病、無性型:オイディウム・ツケリ(Oidium tuckeri));トウモロコシ(例えばセトスパエリア・ツルキクム(S. turcicum)、ヘルミントスポリウム・ツルキクム(Helminthosporium turcicum)と同義)および芝生につくセトスパエリア(Setospaeria)属の種(葉枯病);トウモロコシ(例えばスファセロテカ・レイリアナ(S. reiliana):黒穂病)、ソルガムおよびサトウキビにつくスファセロテカ(Sphacelotheca)属の種(黒穂病);ウリ科植物につくスファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)(ウドンコ病);ジャガイモにつくことによってウイルス病に感染させるスポンゴスポラ・サブテラネア(Spongospora subterranea)(粉状そうか病);禾穀類につくスタゴノスポラ(Stagonospora)属の種、例えばコムギにつくスタゴノスポラ・ノドルム(S. nodorum)(スタゴノスポラ斑病、有性型:レプトスファエリア・ノドルム(Leptosphaeria[ファエオスファエリア(Phaeosphaeria)と同義] nodorum));ジャガイモにつくシンキトリウム・エンドビオチクム(Synchytrium endobioticum)(ジャガイモ癌腫病);タフリナ(Taphrina)属の種、例えばモモにつくタフリナ・デフォルマンス(T. deformans)(葉巻き病)およびプラムにつくタフリナ・プルニ(T. pruni)(プラムふくろみ病);タバコ、ナシ状果類、野菜、ダイズおよびワタにつくティエラビオプシス(Thielaviopsis)属の種(黒根腐病)、例えばティエラビオプシス・バシコラ(T. basicola)(チャララ・エレガンス((Chalara elegans)と同義);禾穀類につくティレティア(Tilletia)属の種(なまぐさ黒穂病(common bunt)すなわち"stinking smut")、例えばコムギにつくティレティア・トリティシ(T. tritici)(ティレティア・カリエス(T. caries)と同義、コムギ黒穂病)およびティレティア・コントロベルサ(T. controversa)(萎縮黒穂病)等;オオムギまたはコムギにつくティフラ・インカルナタ(Typhula incarnata)(灰色雪カビ病);ウロシスティス(Urocystis)属の種、例えばライムギにつくウロシスティス・オキュルタ(U. occulta)(茎黒穂病);マメ(例えばウロマイセス・アペンディクラツス(U. appendiculatus)、ウロマイセス・ファセオリ(U. phaseoli)と同義)およびテンサイ(例えばウロマイセス・ベタエ(U. betae))等の野菜につくウロマイセス(Uromyces)属の種(さび病);禾穀類(例えばウスティラゴ・ヌダ(U. nuda)およびウスティラゴ・アベナエ(U. avaenae))、トウモロコシ(例えばウスティラゴ・マイディス(U. maydis):トウモロコシ黒穂病)およびサトウキビにつくウスティラゴ(Ustilago)属の種(裸黒穂病);リンゴ(例えばヴェンチュリア・イナエクアリス(V. inaequalis))および洋ナシにつくヴェンチュリア(Venturia)属の種(黒星病);ならびに果実および観葉植物、ブドウの木、軟果類、野菜および農作物等の様々な植物につくバーティシリウム(Verticillium)属の種(立ち枯れ病)、例えばイチゴ、アブラナ、ジャガイモおよびトマトにつくバーティシリウム・ダリアエ(V. dahliae)。
【0135】
本発明の化合物Iおよびそれらの組成物は、それぞれ、植物の健康を改善するために使用することができる。また本発明は、植物、その繁殖材料および/または植物が生長しているかもしくは生長しようとしている場所を、化合物Iおよびそれらの組成物それぞれの有効量で処理することによって植物の健康を改善する方法にも関する。
【0136】
「植物の健康」という用語は、収穫量(例えば、バイオマスの増加および/または有用な成分の含有量の増加)、植物の活力(例えば、植物の生長の改善および/または葉の濃緑色化(「緑色化効果」)、品質(例えば、特定の成分の含有量または組成の改善)ならびに非生物的および/または生物的ストレスに対する耐性等の幾つかの指標を、それら単独でまたは互いに組み合わせて決定される、植物および/またはその生産物の状態を意味すると理解されたい。植物の健康状態に関する上記の指標は、相互依存的であってもよいし、相互に起因していてもよい。
【0137】
式Iの化合物は、生物学的活性が異なり得る様々な結晶変態で存在する可能性がある。これらも同様に本発明の主題である。
【0138】
化合物Iは、それぞれ、そのままでまたは組成物の形態で、菌類、または菌類の攻撃から保護すべき植物、植物繁殖材料(例えば種子)、土壌、表面、材料もしくは空間を殺菌有効量の本活性物質で処理する方法により用いられる。施用は、植物、植物繁殖材料(例えば種子)、土壌、表面、材料または空間に菌類が感染する前と後の両方に行うことができる。
【0139】
植物繁殖材料は、栽植または移植と同時にまたはその前のいずれかに、化合物I自体または化合物Iの少なくとも1種を含む組成物で予防的に処理することができる。
【0140】
また本発明は、助剤および少なくとも1種の本発明の化合物Iを含む農薬組成物にも関する。
【0141】
農薬組成物は、殺菌有効量の化合物Iを含む。「有効量」という用語は、栽培植物につく有害菌類の防除または材料の保護には十分であり、且つ処理植物に実質的な損害を与えない、組成物の量または化合物Iの量を意味する。かかる量は、広範囲で異なっていてよく、また防除対象の菌種、処理される栽培植物または材料、気候条件および使用される具体的な化合物I等の様々な要因によって決まる。
【0142】
化合物I、それらのN-オキシドおよび塩は、農薬組成物の通常の型、例えば、溶液、エマルジョン、懸濁液、粉剤、粉末、ペースト、粒剤、圧縮剤、カプセル、およびそれらの混合物に変換することができる。組成物の型についての例は、懸濁液(例えば、SC、OD、FS)、乳剤(例えばEC)、エマルジョン(例えば、EW、EO、ES、ME)、カプセル(例えば、CS、ZC)、ペースト、トローチ剤、水和剤(wettable powder)または粉剤(例えば、WP、SP、WS、DP、DS)、圧縮剤(例えば、BR、TB、DT)、粒剤(例えば、WG、SG、GR、FG、GG、MG)、殺虫性物品(例えば、LN)、ならびに、種子等の植物繁殖材料の処理のためのゲル製剤(例えば、GF)である。これらおよびさらなる組成物の型は、「農薬製剤の型のカタログおよび国際コードシステム(Catalogue of pesticide formulation typesおよびinternational coding system)」、Technical Monograph No. 2、第6版、2008年5月、CropLife International、に定義されている。
【0143】
これら組成物は、MolletおよびGrubemannのFormulation technology、Wiley VCH、Weinheim、2001;またはKnowlesの「作物保護製品製剤における新しい進展(New developments in crop protection product formulation)」、Agrow Reports DS243、T&F Informa、ロンドン、2005、によって記載されているように、既知のやり方で調製される。
【0144】
適切な助剤は、溶媒、液体担体、固体担体または充填剤、界面活性剤、分散剤、乳化剤、湿潤剤、補助剤、可溶化剤、浸透促進剤、保護コロイド、接着剤、増粘剤、保湿剤、防虫剤、誘引剤、摂食誘発剤、相溶化剤(compatibilizers)、殺菌剤、凍結防止剤、消泡剤、着色剤、粘着付与剤および結合剤である。
【0145】
適切な溶媒および液体担体は、水および有機溶媒、例えば、中沸点から高沸点の鉱油留分、例えば、灯油、ディーゼル油;植物または動物が起源の油;脂肪族、環式および芳香族炭化水素、例えば、トルエン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレン;アルコール類、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール;グリコール類;DMSO;ケトン類、例えば、シクロヘキサノン;エステル類、例えば、ラクテート類、カーボネート類、脂肪酸エステル類、ガンマ-ブチロラクトン;脂肪酸類;ホスホネート類;アミン類;アミド類、例えば、N-メチルピロリドン、脂肪酸ジメチルアミド類;およびそれらの混合物等である。
【0146】
適切な固体担体または充填剤は、鉱物土壌(mineral earth)、例えば、シリケート、シリカゲル、タルク、カオリン、石灰石、石灰、チョーク、粘土、ドロマイト、珪藻土、ベントナイト、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム;多糖、例えば、セルロース、デンプン;肥料、例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素;植物由来の産物、例えば、穀粉(cereal meal)、樹皮粉(tree bark meal)、木粉およびナッツ殻粉、およびそれらの混合物である。
【0147】
適切な界面活性剤は、表面活性化合物、例えば、アニオン性、カチオン性、非イオン性および両性界面活性剤、ブロックポリマー、高分子電解質、およびそれらの混合物である。そのような界面活性剤は、乳化剤、分散剤、可溶化剤、湿潤剤、浸透促進剤、保護コロイド、または補助剤として使用され得る。界面活性剤の例は、McCutcheonのVol.1:乳化剤および洗剤(Emulsifiers & Detergents)、McCutcheon's Directories、Glen Rock、USA、2008 (国際版または北米版)に記載されている。
【0148】
適切なアニオン性界面活性剤は、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、カルボキシレート、アルカリ塩、アルカリ土類塩またはアンモニウム塩、およびそれらの混合物である。スルホネートの例は、アルキルアリールスルホネート、ジフェニルスルホネート、アルファオレフィンスルホネート、リグニンスルホネート、脂肪酸および油のスルホネート、エトキシ化アルキルフェノールのスルホネート、アルコキシ化アリールフェノールのスルホネート、縮合ナフタレンのスルホネート、ドデシルおよびトリデシルベンゼンのスルホネート、ナフタレンおよびアルキルナフタレンのスルホネート、スルホスクシネートまたはスルホスクシナメートである。サルフェートの例は、脂肪酸および油のサルフェート、エトキシ化アルキルフェノールのサルフェート、アルコールのサルフェート、エトキシ化アルコールのサルフェート、または脂肪酸エステルのサルフェートである。ホスフェートの例はリン酸エステルである。カルボキシレートの例は、アルキルカルボキシレート、およびカルボキシル化アルコールまたはアルキルフェノールエトキシレートである。
【0149】
適切な非イオン性界面活性剤は、アルコキシレート、N-置換脂肪酸アミド、アミンオキシド、エステル、糖ベースの界面活性剤、高分子界面活性剤、およびそれらの混合物である。アルコキシレートの例は、1〜50当量でアルコキシ化されているアルコール、アルキルフェノール、アミン、アミド、アリールフェノール、脂肪酸または脂肪酸エステル等の化合物である。エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド、好ましくはエチレンオキシドが、アルコキシ化のために使用することができる。N-置換脂肪酸アミドの例は、脂肪酸グルカミドまたは脂肪酸アルカノールアミドである。エステルの例は、脂肪酸エステル、グリセロールエステルまたはモノグリセリドである。糖ベースの界面活性剤の例は、ソルビタン、エトキシ化ソルビタン、スクロースおよびグルコースエステルまたはアルキルポリグルコシドである。高分子界面活性剤の例は、ビニルピロリドン、ビニルアルコール、または酢酸ビニルのホモポリマーまたはコポリマーである。
【0150】
適切なカチオン性界面活性剤は、第四級の界面活性剤、例えば、一つまたは二つの疎水性基を有する第四級アンモニウム化合物、あるいは長鎖第一級アミンの塩である。適切な両性界面活性剤は、アルキルベタインおよびイミダゾリンである。適切なブロックポリマーは、ポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキシドのブロックを含むA-BもしくはA-B-Aタイプの、またはアルカノール、ポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキシドを含むA-B-Cタイプのブロックポリマーである。適切な高分子電解質は、ポリ酸またはポリ塩基である。ポリ酸の例は、ポリアクリル酸のアルカリ塩またはポリ酸くし形ポリマーである。ポリ塩基の例は、ポリビニルアミンまたはポリエチレンアミンである。
【0151】
適切な補助剤は、それ自体は無視できるまたはさらには殺有害生物(pesticidal)作用を有さず、にもかかわらず標的に対して化合物Iの生物学的性能を改善する化合物である。例は、界面活性剤、鉱油または植物油、およびその他の助剤である。さらなる例は、Knowlesによる「補助剤および添加剤(Adjuvantsおよびadditives)」、Agrow Reports DS256、T&F Informa UK、2006、第五章、に記載されている。
【0152】
適切な増粘剤は、多糖(例えば、キサンタンゴム、カルボキシメチルセルロース)、無機粘土(有機的に変性されているかまたは無変性)、ポリカルボキシレート、およびシリケートである。
【0153】
適切な殺細菌剤は、ブロノポールおよびイソチアゾリノン誘導体、例えば、アルキルイソチアゾリノンおよびベンズイソチアゾリノン等である。
【0154】
適切な凍結防止剤は、エチレングリコール、プロピレングリコール、尿素およびグリセリンである。
【0155】
適切な消泡剤は、シリコーン、長鎖アルコール、および脂肪酸の塩である。
【0156】
適切な着色剤(例えば、赤、青、または緑として)は、低い水溶性の顔料および水溶性染料である。例は、無機着色剤(例えば、酸化鉄、酸化チタン、鉄ヘキサシアノ鉄酸塩)および有機着色剤(例えば、アリザリン-、アゾ-およびフタロシアニン着色剤)である。
【0157】
適切な粘着付与剤または結合剤は、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、生物学的ワックスまたは合成ワックス、およびセルロースエーテルである。
【0158】
組成物種の例およびその調製は以下のとおりである:
i) 液剤(Water-solbule concentrates)(SL、LS)
10-60 wt%の本発明による化合物I、および5-15 wt%の湿潤剤(例えばアルコールアルコキシレート)を、水および/または水溶性溶媒(例えばアルコール)に溶解して100 wt%とする。本活性物質は水で稀釈すると溶解する。
【0159】
ii) 分散剤(Dispersible concentrates)(DC)
5-25 wt%の本発明による化合物I、および1-10 wt%の分散剤(例えばポリビニルピロリドン)を、有機溶媒(例えばシクロヘキサン)に溶解して100 wt%とする。水で希釈すると分散液が得られる。
【0160】
iii) 乳剤(Emulsifiable concentrates)(EC)
15-70 wt%の本発明による化合物I、および5-10 wt%の乳化剤(例えばドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムおよびエトキシル化ヒマシ油)を、水不溶性有機溶媒(例えば芳香族炭化水素)に溶解して100 wt%とする。水で希釈すると乳液が得られる。
【0161】
iv) エマルション剤(Emulsions)(EW、EO、ES)
5-40 wt%の本発明による化合物I、および1-10 wt%の乳化剤(例えばドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムおよびエトキシル化ヒマシ油)を、20-40 wt%の水不溶性有機溶媒(例えば芳香族炭化水素)に溶解する。この混合物を乳化装置を用いて水中に導入して100 wt%とし、均質な乳液とする。水で希釈すると乳液が得られる。
【0162】
v) フロアブル剤(Suspensions)(SC、OD、FS)
撹拌下にあるボールミル内で、20-60 wt%の化合物Iに、2-10 wt%の分散剤と湿潤剤(例えばリグノスルホン酸ナトリウムおよびアルコールエトキシレート)、0.1-2 wt%の粘着付与剤(例えばキサンタンガム)および水を添加して100 wt%とし、粉砕することにより、活性物質の微細懸濁液が得られる。水で希釈すると活性物質の安定した懸濁液が得られる。FSタイプの組成物に対しては40 wt%結合剤(例えばポリビニルアルコール)を添加する。
【0163】
vi) 顆粒水和剤(Water-dispersible granules)および顆粒水溶剤(Water-soluble granules)(WG、SG)
50-80 wt%の本発明による化合物Iに、分散剤および湿潤剤(例えばリグノスルホン酸ナトリウムおよびアルコールエトキシレート)を添加して100 wt%として微粉砕し、専用の装置(例えば、押出機、噴霧塔、流動床等)を用いて顆粒水和剤または顆粒水溶剤とする。水で希釈すると活性物質の安定な分散液または溶液が得られる。
【0164】
vii) 粉末水和剤(Water-dispersible powders)および粉末水溶剤(Water-soluble powders)(WP、SP、WS)
50-80 wt%の化合物Iに、1-5 wt%の分散剤(例えばリグノスルホン酸ナトリウム)、1-3 wt%の湿潤剤(例えばアルコールエトキシレート)および固体担体(例えばシリカゲル)を添加して100 wt%とし、ローター・ステーターミル(rotor-stator mill)内で粉砕する。水で希釈すると活性物質の安定な分散液または溶液が得られる。
【0165】
viii) ゲル剤(GW、GF)
撹拌下にあるボールミル内で、5-25 wt%の化合物Iに、3-10 wt%の分散剤(例えばリグノスルホン酸ナトリウム)、1-5 wt%の 粘着付与剤(例えばカルボキシメチルセルロース)および水を添加して100 wt%とし、粉砕することにより、活性物質の微細懸濁液が得られる。水で希釈すると活性物質の安定した懸濁液が得られる。
【0166】
iv) マイクロエマルション剤(Microemulsion)(ME)
5-20 wt%の化合物Iに、5-30 wt%の有機溶媒混合物(例えば脂肪酸ジメチルアミドおよびシクロヘキサノン)、10-25 wt%の界面活性剤混合物(例えばアルコールエトキシレートおよびアリールフェノールエトキシレート)、および水を添加して100%する。この混合物を1時間撹拌すると自発的に熱力学的に安定なマイクロエマルションが生成する。
【0167】
iv) マイクロカプセル剤(Microcapsules)(CS)
5-50 wt%の化合物I、0-40 wt%の水不溶性有機溶媒(例えば芳香族炭化水素)、2-15 wt%アクリルモノマー(例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸およびジ-もしくはトリアクリレート)を含む油相を、保護コロイド(例えばポリビニルアルコール)の水溶液中に分散させる。ラジカル開始剤により開始されるラジカル重合により、ポリ(メタ)アクリレートマイクロカプセルが形成される。あるいは、5-50 wt%の本発明の化合物I、0-40 wt%の水不溶性有機溶媒(例えば芳香族炭化水素)、およびイソシアネートモノマー(例えばジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート)を含む油相を、保護コロイド(例えばポリビニルアルコール)の水溶液中に分散させる。ポリアミン(例えばヘキサメチレンジアミン)の添加により、ポリ尿素マイクロカプセルが形成される。モノマーの量は1-10 wt%である。wt%は総CS組成物に関する。
【0168】
ix) 粉末剤(Dustablepowders)(DP、DS)
1-10 wt%の化合物Iを、微細粉砕し、固体担体(例えば微細粉砕カオリン)と十分に混合して100 wt%とする。
【0169】
x) 粒剤(Granules)(GR、FG)
0.5-30 wt%の化合物Iをそれぞれ微細に粉砕し、固体担体(例えばシリケート)と結着して100 wt%とする。顆粒化は押出、スプレー乾燥または流動床により達成される。
【0170】
xi) 超低量液体(Ultra-low volume liquids)(UL)
1-50 wt%の化合物Iを、有機溶媒(例えば芳香族炭化水素)に溶解して100 wt%とする。
【0171】
組成物種i)〜xi)は、場合により追加の助剤(auxiliaries)、例えば0.1-1 wt%の殺細菌剤(bactericides)、5-15 wt%の凍結防止剤、0.1-1 wt%の消泡剤、および0.1-1 wt%着色剤を含んでいてもよい。
【0172】
これら農薬組成物は、重量で、0.01から95%、好ましくは0.1から90%、そして特には0.5から75%の活性物質を一般に含む。この活性物質は、90%から100%、好ましくは95%から100%の純度(NMRスペクトルによる)で使用される。
【0173】
種子処理用の液剤(LS)、サスポエマルジョン(SE)、流動性濃縮物(FS)、乾燥処理用粉末(DS)、スラリー処理用の水分散性粉末(WS)、水溶剤(water-soluble powders)(SS)、エマルジョン(ES)、乳剤(EC)およびゲル剤(GF)が、植物繁殖材料、特に種子の処理のために通常使用される。当該組成物は、2倍から10倍に希釈した後、即時使用(ready-to-use)製剤中に、重量で0.01から60%、好ましくは0.1から40%の活性物質濃度を与える。施用は、種まきの前または途中に行なうことができる。化合物Iおよびそれらの組成物を、それぞれ、植物繁殖材料、特に種子に施用または処理するための方法としては、粉衣、コーティング、ペレット成形、散粉、浸漬および該繁殖材料の畝中散布方法が挙げられる。好ましくは、化合物Iまたはそれらの組成物は、それぞれ、発芽が、例えば、種子粉衣、ペレット成形、コーティングおよび散粉によって誘発されないような方法によって植物繁殖材料に施用される。
【0174】
植物保護で使用されるとき、施用される活性物質の量は、望まれる効果の種類によって、1ヘクタール当り0.001から2kg、好ましくは、1ヘクタール当り0.005から2kg、より好ましくは、1ヘクタール当り0.05から0.9kg、そして特に、1ヘクタール当り0.1から0.75kgである。
【0175】
種子のような植物繁殖材料において、例えば、種子に、散粉、コーティングまたは灌注することによる処理においては、100kgの植物繁殖材料(好ましくは、種子)当り、0.1から1000g、好ましくは、1から1000g、より好ましくは、1から100g、最も好ましくは、5から100gの活性物質の量が一般に必要である。
【0176】
材料または貯蔵される生産物の保護で使用されるとき、施用される活性物質の量は、施用領域の種類および所望される効果に依存する。材料の保護で習慣的に施用される量は、処理される材料の1立方メートル当り0.001g〜2kg、好ましくは、0.005g〜1kgである。
【0177】
さまざまなタイプの油、湿潤剤、補助剤、肥料、または微量栄養素、およびさらなる農薬(例えば、除草剤、殺虫剤、殺菌剤、生長制御剤、毒性緩和剤)を活性物質またはそれらを含む組成物に、プレミックスとして加えるか、または、適切な場合は、使用直前まで加えないで使用することができる(タンクミックス)。これらの薬剤は、本発明による組成物と、1:100〜100:1、好ましくは、1:10〜10:1の重量比で混ぜることができる。
【0178】
使用者は、本発明による組成物を、通常は、プレ投与装置(predosage device)、背負式噴霧器、噴霧タンクまたは噴霧飛行機、あるいは灌漑システムから施用する。通常、この農薬組成物は、水、緩衝液、および/またはさらなる助剤により望ましい施用濃度およびすぐに使用できるスプレー液に仕上げられ、あるいは本発明によるこの農薬組成物は、このようにして得られる。通常、20〜2000リットル、好ましくは、50〜400リットルのすぐに使用できるスプレー液が、1ヘクタールの農業有効面積当りに施用される。
【0179】
一つの実施形態によれば、本発明による組成物の個々の成分、例えば、キットの一部または二成分もしくは三成分混合物の一部等は、使用者自身によってスプレータンク中で混合することができ、さらに、助剤を、適切な場合は添加することができる。
【0180】
殺菌剤としての使用形態で化合物Iまたはそれらを含む組成物を他の殺菌剤と混合することは、多くの場合、得られる活性の殺菌スペクトルの拡大または殺菌剤耐性の発達の防止をもたらす。その上、多くの場合、相乗効果が得られる。
【0181】
活性物質の以下のリストは、それら物質と共に化合物Iが使用され得る可能性がある組合せを説明することを意図しているが、それらに限定はしない:
A) 呼吸阻害剤
- Qo部位における複合体IIIの阻害剤(例えばストロビルリン類):アゾキシストロビン(azoxystrobin)、クメトキシストロビン(coumethoxystrobin)、クモキシストロビン(coumoxystrobin)、ジモキシストロビン(dimoxystrobin)、エネストロブリン(enestroburin)、フェナミンストロビン(fenaminstrobin)、フェノキシストロビン/フルフェノキシストロビン(fenoxystrobin/flufenoxystrobin)、フルオキサストロビン(fluoxastrobin)、クレソキシムメチル(kresoxim-methyl)、メトミノストロビン(metominostrobin)、オリサストロビン(orysastrobin)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、ピラメトストロビン(pyrametostrobin)、ピラオキシストロビン(pyraoxystrobin)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、(2-[2-(2,5-ジメチル-フェノキシメチル)-フェニル]-3-メトキシ-アクリル酸メチルエステルおよび2-(2-(3-(2,6-ジクロロフェニル)-1-メチル-アリリデンアミノオキシメチル)-フェニル)-2-メトキシイミノ-N-メチル-アセトアミド、ピリベンカルブ(pyribencarb)、トリクロピリカルブ/クロロジンカルブ(triclopyricarb/chlorodincarb)、ファモキサドン(famoxadone)、フェナミドン(fenamidone);
- Qi部位における複合体IIIの阻害剤:シアゾファミド(cyazofamid)、アミスルブロム(amisulbrom)、[(3S,6S,7R,8R)-8-ベンジル-3-[(3-アセトキシ-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボニル)アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-1,5-ジオキソナン-7-イル]2-メチルプロパノエート、[(3S,6S,7R,8R)-8-ベンジル-3-[[3-(アセトキシメトキシ)-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボニル]アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-1,5-ジオキソナン-7-イル]2-メチルプロパノエート、[(3S,6S,7R,8R)-8-ベンジル-3-[(3-イソブトキシカルボニルオキシ-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボニル)アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-1,5-ジオキソナン-7-イル]2-メチルプロパノエート、[(3S,6S,7R,8R)-8-ベンジル-3-[[3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメトキシ)-4-メトキシピリジン-2-カルボニル]アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-1,5-ジオキソナン-7-イル]2-メチルプロパノエート;(3S,6S,7R,8R)-3-[[(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-2-ピリジニル)カルボニル]アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-8-(フェニルメチル)-1,5-ジオキソナン-7-イル2-メチルプロパノエート
- 複合体IIの阻害剤(例えばカルボキサミド類):ベノダニル(benodanil)、ベンゾビンジフルピル(benzovindiflupyr)、ビキサフェン(bixafen)、ボスカリド(boscalid)、カルボキシン(carboxin)、フェンフラム(fenfuram)、フルオピラム(fluopyram)、フルトラニル(flutolanil)、フルキサピロキサド(fluxapyroxad)、フラメトピル(furametpyr)、イソピラザム(isopyrazam)、メプロニル(mepronil)、オキシカルボキシン(oxycarboxin)、ペンフルフェン(penflufen)、ペンチオピラド(penthiopyrad)、セダキサン(sedaxane)、テクロフタラム(tecloftalam)、チフルザミド(thifluzamide)、N-(4'-トリフルオロメチルチオビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-(2-(1,3,3-トリメチル-ブチル)-フェニル)-1,3-ジメチル-5-フルオロ-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-(1,1,3-トリメチルインダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(トリフルオロメチル)-1-メチル-N-(1,1,3-トリメチルインダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、1,3-ジメチル-N-(1,1,3-トリメチルインダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(トリフルオロメチル)-1,5-ジメチル-N-(1,1,3-トリメチルインダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-1,5-ジメチル-N-(1,1,3-トリメチルインダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、1,3,5-トリメチル-N-(1,1,3-トリメチルインダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド;
- 他の呼吸阻害剤(例えば、複合体I、脱共役剤):ジフルメトリム(diflumetorim)、(5,8-ジフルオロキナゾリン-4-イル)-{2-[2-フルオロ-4-(4-トリフルオロメチルピリジン-2-イルオキシ)-フェニル]-エチル}-アミン;ニトロフェニル誘導体:ビナパクリル(binapacryl)、ジノブトン(dinobuton)、ジノカップ(dinocap)、フルアジナム(fluazinam);フェリムゾン(ferimzone);有機金属化合物:フェンチン塩類(fentin salts)、例えば酢酸フェンチン、塩化フェンチンまたは水酸化フェンチン等;アメトクトラジン(ametoctradin);シルチオファム(silthiofam);
B) ステロール生合成阻害剤(SBI殺菌剤)
- C14デメチラーゼ阻害剤(DMI殺菌剤):トリアゾール類:アザコナゾール(azaconazole)、ビテルタノール(bitertanol)、ブロムコナゾール(bromuconazole)、シプロコナゾール(cyproconazole)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、ジニコナゾール(diniconazole)、ジニコナゾールM、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、フルキンコナゾール(fluquinconazole)、フルシラゾール(flusilazole)、フルトリアホール(flutriafol)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、イミベンコナゾール(imibenconazole)、イプコナゾール(ipconazole)、メトコナゾール(metconazole)、ミクロブタニル(myclobutanil)、オキスポコナゾール(oxpoconazole)、パクロブトラゾール(paclobutrazole)、ペンコナゾール(penconazole)、プロピコナゾール(propiconazole)、プロチオコナゾール(prothioconazole)、シメコナゾール(simeconazole)、テブコナゾール(tebuconazole)、テトラコナゾール(tetraconazole)、トリアジメホン(triadimefon)、トリアジメノール(triadimenol)、トリチコナゾール(triticonazole)、ウニコナゾール(uniconazole)、1-[rel-(2S;3R)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-オキシラニルメチル]-5-チオシアナート-1H-[1,2,4]トリアゾール、2-[rel-(2S;3R)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-オキシラニルメチル]-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-チオール;イミダゾール類:イマザリル(imazalil)、ペフラゾエート(pefurazoate)、プロクロラズ(prochloraz)、トリフルミゾール(triflumizol);ピリミジン類、ピリジン類およびピペラジン類:フェナリモール(fenarimol)、ヌアリモール(nuarimol)、ピリフェノックス(pyrifenox)、トリホリン(triforine);
- Δ14-レダクターゼ阻害剤:アルジモルフ(aldimorph)、ドデモルフ(dodemorph)、ドデモルフ酢酸塩、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、トリデモルフ(tridemorph);フェンプロピジン(fenpropidin)、ピペラリン(piperalin)、スピロキサミン(spiroxamine);
- 3-ケトレダクターゼの阻害剤:フェンヘキサミド(fenhexamid);
C) 核酸合成阻害剤
- フェニルアミド系またはアシルアミノ酸系殺菌剤:ベナラキシル、ベナラキシルM(benalaxyl-M)、キララキシル(kiralaxyl)、メタラキシル(metalaxyl)、メタラキシルM(メフェノキサム)(metalaxyl-M(mefenoxam))、オフラセ(ofurace)、オキサジキシル(oxadixyl);- その他:ヒメキサゾール(hymexazole)、オクチリノン(octhilinone)、オキソリニック酸(oxolinic acid)、ブピリメート(bupirimate)、5-フルオロシトシン、5-フルオロ-2-(p-トリルメトキシ)ピリミジン-4-アミン、5-フルオロ-2-(4-フルオロフェニルメトキシ)ピリミジン-4-アミン;
D) 細胞分裂および細胞骨格の阻害剤
-ベンゾイミダゾール類、チオファネート類等のチューブリン阻害剤:ベノミル(benomyl)、カルベンダジム(carbendazim)、フベリダゾール(fuberidazole)、チアベンダゾール(thiabendazole)、チオファネートメチル(thiophanate-methyl);トリアゾロピリミジン類: 5-クロロ-7-(4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン
- 他の細胞分裂阻害剤:ジエトフェンカルブ(diethofencarb)、エタボキサム(ethaboxam)、ペンシクロン(pencycuron)、フルオピコリド(fluopicolide)、ゾキサミド(zoxamide)、メトラフェノン(metrafenone)、ピリオフェノン(pyriofenone);
E) アミノ酸合成およびタンパク質合成の阻害剤:
- メチオニン合成阻害剤(アニリノ-ピリミジン類):シプロジニル(cyprodinil)、メパニピリム(mepanipyrim)、ピリメタニル(pyrimethanil);
- タンパク質合成阻害剤:ブラスチシジンS(blasticidin-S)、カスガマイシン(kasugamycin)、カスガマイシンヒドロクロリドヒドレート、ミルジオマイシン(mildiomycin)、ストレプトマイシン(streptomycin)、オキシテトラサイクリン、ポリオキシン(polyoxine)、バリダマイシンA(validamycin A);
F) シグナル伝達阻害剤:
- MAP/ヒスチジンキナーゼ阻害剤:フルオロイミド(fluoroimid)、イプロジオン(iprodione)、プロシミドン(procymidone)、ビンクロゾリン(vinclozolin)、フェンピクロニル(fenpiclonil)、フルジオキソニル(fludioxonil);
- Gタンパク質阻害剤:キノキシフェン(quinoxyfen);
G) 脂質合成および膜合成の阻害剤:
- リン脂質生合成阻害剤:エジフェンホス(edifenphos)、イプロベンホス(iprobenfos)、ピラゾホス(pyrazophos)、イソプロチオラン(isoprothiolane);
- 脂質過酸化:ジクロラン(dicloran)、キントゼン(quintozene)、テクナゼン(tecnazene)、トルクロホスメチル(tolclofos-methyl)、ビフェニル、クロロネブ、エトリジアゾール(etridiazole);
- リン脂質生合成および細胞壁堆積:ジメトモルフ(dimethomorph)、フルモルフ(flumorph)、マンジプロパミド(mandipropamid)、ピリモルフ(pyrimorph)、ベンチアバリカルブ(benthiavalicarb)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、バリフェナレート(valifenalate)、N-(1-(1-(4-シアノ-フェニル)-エタンスルホニル)-ブタ2-イル)カルバミン酸-(4-フルオロフェニル)エステル;
- 細胞膜透過性および脂肪酸に影響を及ぼす化合物:プロパモカルブ(propamocarb)、プロパモカルブ-ヒドロクロリド
- 脂肪酸アミドヒドロラーゼ阻害剤: 1-[4-[4-[5-(2,6-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-3-イソオキサゾリル]-2-チアゾリル]-1-ピペリジニル]-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]エタノン
H) 多部位作用を有する阻害剤:
- 無機活性物質:ボルドー液(Bordeaux mixture)、酢酸銅、水酸化銅、オキシ塩化銅、塩基性硫酸銅、硫黄;
- チオカルバメート類およびジチオカルバメート類:フェルバム(ferbam)、マンコゼブ(mancozeb)、マンネブ(maneb)、メタム(metam)、メチラム(metiram)、プロピネブ(propineb)、チラム(thiram)、ジネブ(zineb)、ジラム(ziram);
- 有機塩素系化合物(例えば、フタルイミド類、スルファミド類、クロロニトリル類):アニラジン(anilazine)、クロロタロニル(chlorothalonil)、カプタホール(captafol)、キャプタン(captan)、ホルペット(folpet)、ジクロフルアニド(dichlofluanid)、ジクロロフェン(dichlorophen)、フルスルファミド(flusulfamide)、ヘキサクロロベンゼン、ペンタクロルフェノールおよびその塩、フサライド(phthalide)、トリルフルアニド(tolylfluanid)、N-(4-クロロ-2-ニトロ-フェニル)-N-エチル-4-メチル-ベンゼンスルホンアミド;-グアニジン類およびその他:グアニジン、ドジン(dodine)、ドジン遊離塩基、グアザチン(guazatine)、グアザチンアセテート、イミノクタジン(iminoctadine)、イミノクタジン-トリアセテート、イミノクタジン-トリス(アルベシレート)(iminoctadine-tris(albesilate))、ジチアノン(dithianon)、2,6-ジメチル-1H,5H-[1,4]ジチイノ[2,3-c:5,6-c']ジピロール-1,3,5,7(2H,6H)-テトラオン;
I) 細胞壁合成阻害剤
- グルカン合成の阻害剤:バリダマイシン、ポリオキシンB;メラニン合成阻害剤:ピロキロン(pyroquilon)、トリシクラゾール(tricyclazole)、カルプロパミド(carpropamid)、ジシクロメット(dicyclomet)、フェノキサニル(fenoxanil);
J) 植物防御誘導剤(Plant defence inducers)
- アシベンゾラールSメチル(acibenzolar-S-methyl)、プロベナゾール(probenazole)、イソチアニル(isotianil)、チアジニル(tiadinil)、プロヘキサジオン-カルシウム(prohexadione calcium);ホスホネート類:ホセチル(fosetyl)、ホセチルアルミニウム、亜リン酸およびその塩;
K) 未知の作用機序:
- ブロノポール、キノメチオネート(chinomethionat)、シフルフェナミド(cyflufenamid)、シモキサニル(cymoxanil)、ダゾメット(dazomet)、デバカルブ(debacarb)、ジクロメジン(diclomezine)、ジフェンゾコート(difenzoquat)、ジフェンゾコートメチルスルフェート、ジフェニルアミン、フェンピラザミン(fenpyrazamine)、フルメトベル(flumetover)、フルスルファミド、フルチアニル(flutianil)、メタスルホカルブ(methasulphocarb)、ニトラピリン(nitrapyrin)、ニトロタル-イソプロピル(nitrothal-isopropyl)、オキサチアピプロリン(oxathiapiprolin)、オキシン銅、プロキナジド(proquinazid)、テブフロキン(tebufloquin)、テクロフタラム、トリアゾキシド(triazoxide)、2-ブトキシ-6-ヨード-3-プロピルクロメン-4-オン、N-(シクロプロピルメトキシイミノ-(6-ジフルオロ-メトキシ-2,3-ジフルオロ-フェニル)-メチル)-2-フェニルアセトアミド、N'-(4-(4-クロロ-3-トリフルオロメチル-フェノキシ)-2,5-ジメチル-フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、N'-(4-(4-フルオロ-3-トリフルオロメチル-フェノキシ)-2,5-ジメチル-フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、N'-(2-メチル-5-トリフルオロメチル-4-(3-トリメチルシラニル-プロポキシ)-フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、N'-(5-ジフルオロメチル-2-メチル-4-(3-トリメチルシラニル-プロポキシ)-フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジンメトキシ-酢酸6-tert-ブチル-8-フルオロ-2,3-ジメチル-キノリン-4-イルエステル、3-[5-(4-メチルフェニル)-2,3-ジメチル-イソオキサゾリジン-3-イル]-ピリジン、3-[5-(4-クロロ-フェニル)-2,3-ジメチル-イソオキサゾリジン-3-イル]-ピリジン(ピリソキサゾール)、N-(6-メトキシ-ピリジン-3-イル)シクロプロパンカルボン酸アミド、5-クロロ-1-(4,6-ジメトキシ-ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール、2-(4-クロロ-フェニル)-N-[4-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-イソオキサゾール-5-イル]-2-プロパ-2-イニルオキシ-アセトアミド;
L) 抗菌性生物防除剤類(Antifungal biocontrol agents)、植物バイオアクチベーター類:アンペロマイセス・キスカリス(Ampelomyces quisqualis)(例えば、Intrachem Bio GmbH & Co. KG、ドイツからのAQ10(登録商標))、アスペルギルス・フラブス(例えば、Syngenta、スイス、からのAFLAGUARD(登録商標))、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)(例えば、bio-ferm GmbH、ドイツ、からのBOTECTOR(登録商標))、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)(例えば、AgraQuest Inc.、米国、からのNRRL寄託番号B-30087のSONATA(登録商標)およびBALLAD(登録商標)Plus)、バチルス・サブチリス(枯草菌)(Bacillus subtilis)(例えば、AgraQuest Inc.、米国、からの菌株NRRL番号B-21661のRHAPSODY(登録商標)、SERENADE(登録商標)MAXおよびSERENADE(登録商標)ASO)、バチルス・サブチリス変種アミロリケファシエンス(Bacillus subtilis var. amyloliquefaciens)FZB24(例えば、Novozyme Biologicals, Inc.、米国、からのTAEGRO(登録商標))、カンジダ・オレオフィラ(Candida oleophila)I-82(例えば、Ecogen Inc.、米国、からのASPIRE(登録商標))、カンジダ・サイトアナ(Candida saitoana)(例えば、Micro Flo Company、米国(BASF SE)およびArystaからのBIOCURE(登録商標)(リゾチームとの混合物の状態)およびBIOCOAT(登録商標))、キトサン(例えば、BotriZen Ltd.、ニュージーランド、からのARMOUR-ZEN)、クロノスタキス・ロセアf.カテヌラタ(Clonostachys rosea f. catenulata)、別名:グリオクラジウム・カテヌラタム(Gliocladium catenulatum)(例えば、Verdera、フィンランド、からの菌株J1446: PRESTOP(登録商標))、コニオチリウム・ミニタンス(Coniothyrium minitans)(例えば、Prophyta、ドイツ、からのCONTANS(登録商標))、クリホネクトリア・パラシチカ(Cryphonectria parasitica)(例えば、CNICM、フランス、からのEndothia parasitica)、クリプトコッカス・アルビダス(Cryptococcus albidus)(例えば、Anchor Bio-Technologies、南アフリカ共和国、からのYIELD PLUS(登録商標))、フサリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)(例えば、S.I.A.P.A.、イタリア、からのBIOFOX(登録商標)、Natural Plant Protection、フランス、からのFUSACLEAN(登録商標))、メトシュニコウィア・フルクチコラ(Metschnikowia fructicola)(例えば、Agrogreen、イスラエル、からのSHEMER(登録商標))、ミクロドキウム・ジメルム(Microdochium dimerum)(例えば、Agrauxine、フランス、からのANTIBOT(登録商標))、フレビオプシス・ギガンテア(Phlebiopsis gigantea)(例えば、Verdera、フィンランド、からのROTSOP(登録商標))、シュードジマ・フロクロサ(Pseudozyma flocculosa)(例えば、Plant Products Co. Ltd.、カナダ、からのSPORODEX(登録商標))、ピチウム・オリガンドルム(Pythium oligandrum)DV74(例えば、Remeslo SSRO、Biopreparaty、チェコ共和国、からのPOLYVERSUM(登録商標))、レイノウトリア・サクリネンシス(Reynoutria sachlinensis)(例えば、Marrone BioInnovations、米国、からのREGALIA(登録商標))、タラロミセス・フラブス(Talaromyces flavus)V117b(例えば、Prophyta、ドイツ、からのPROTUS(登録商標))、トリコデルマ・アスペレルム(Trichoderma asperellum)SKT-1(例えば、クミアイ化学工業株式会社、日本、からのECO-HOPE(登録商標))、T.アトロビリデ(T. atroviride)LC52(例えば、Agrimm Technologies Ltd、ニュージーランド、からのSENTINEL(登録商標))、T.ハルジアヌム(T. harzianum)T-22(例えば、Firma BioWorks Inc.、米国、のPLANTSHIELD(登録商標))、T.ハルジアヌム(T. harzianum)TH 35(例えば、Mycontrol Ltd.、イスラエル、からのROOT PRO(登録商標))、T.ハルジアヌム(T. harzianum)T-39(例えば、Mycontrol Ltd.、イスラエル、およびMakhteshim Ltd.、イスラエル、からのTRICHODEX(登録商標)およびTRICHODERMA 2000(登録商標))、T.ハルジアヌム(T. harzianum)およびT.ビリデ(T. viride)(例えば、Agrimm Technologies Ltd、ニュージーランド、からのTRICHOPEL)、T.ハルジアヌム(T. harzianum)ICC012およびT.ビリデ(T. viride)ICC080(例えば、Isagro Ricerca、イタリア、からのREMEDIER(登録商標)WP)、T.ポリスポルム(T. polysporum)およびT.ハルジアヌム(T. harzianum)(例えば、BINAB Bio-Innovation AB、スウェーデン、からのBINAB(登録商標))、T.ストロマチクム(T. stromaticum)(例えば、C.E.P.L.A.C.、ブラジル、からのTRICOVAB(登録商標))、T.ビレンス(T. virens)GL-21(例えば、Certis LLC、米国、からのSOILGARD(登録商標))、T.ビリデ(T. viride)(例えば、Ecosense Labs.(India) Pvt. Ltd.、インド、からのTRIECO(登録商標)、T. Stanes & Co. Ltd.、インド、からのBIO-CURE(登録商標)、T.ビリデ(T. viride)TV1(例えば、Agribiotec srl、イタリア、からのT.ビリデTV1)、ウロクラジウム・オウデマンシイ(Ulocladium oudemansii)HRU3(例えば、Botry-Zen Ltd、ニュージーランド、からのBOTRY-ZEN(登録商標));
M) 生長制御剤
アブシジン酸、アミドクロル(amidochlor)、アンシミドール(ancymidol)、6-ベンジルアミノプリン、ブラシノリド(brassinolide)、ブトラリン(butralin)、クロルメコート(chlormequat)(塩化クロルメコート)、塩化コリン、シクラニリド(cyclanilide)、ダミノジド(daminozide)、ジケグラック(dikegulac)、ジメチピン(dimethipin)、2,6-ジメチルプリジン(2,6-dimethylpuridine)、エテホン(ethephon)、フルメトラリン(flumetralin)、フルルプリミドール(flurprimidol)、フルチアセット(fluthiacet)、ホルクロルフェヌロン(forchlorfenuron)、ジベレリン酸、イナベンフィド(inabenfide)、インドール-3-酢酸、マレイン酸ヒドラジド、メフルイジド(mefluidide)、メピコート(mepiquat)(塩化メピコート)、ナフタレン酢酸、N-6-ベンジルアデニン、パクロブトラゾール、プロヘキサジオン(プロヘキサジオン-カルシウム)、プロヒドロジャスモン(prohydrojasmon)、チジアズロン(thidiazuron)、トリアペンテノール(triapenthenol)、トリブチルホスホロトリチオエート、2,3,5-トリ-ヨード安息香酸、トリネキサパックエチル(trinexapac-ethyl)およびウニコナゾール;
N) 除草剤
- アセトアミド類:アセトクロール(acetochlor)、アラクロール(alachlor)、ブタクロル(butachlor)、ジメタクロル(dimethachlor)、ジメテナミド(dimethenamid)、フルフェナセット(flufenacet)、メフェナセット(mefenacet)、メトラクロール(metolachlor)、メタザクロール(metazachlor)、ナプロパミド(napropamide)、ナプロアニリド(naproanilide)、ペトキサミド(pethoxamid)、プレチラクロル(pretilachlor)、プロパクロール(propachlor)、テニルクロール(thenylchlor);
- アミノ酸誘導体:ビラナホス(bilanafos)、グリホサート(glyphosate)、グルホシネート(glufosinate)、スルホセート(sulfosate);
- アリールオキシフェノキシプロピオネート類:クロジナホップ(clodinafop)、シハロホップ-ブチル(cyhalofop-butyl)、フェノキサプロップ(fenoxaprop)、フルアジホップ(fluazifop)、ハロキシホップ(haloxyfop)、メタミホップ(metamifop)、プロパキザホップ(propaquizafop)、キザロホップ(quizalofop)、キザロホップPテフリル;
- ビピリジル類:ジコート(diquat)、パラコート(paraquat);
-(チオ)カルバメート類:アシュラム(asulam)、ブチレート(butylate)、カルベタミド(carbetamide)、デスメジファム(desmedipham)、ジメピペレート(dimepiperate)、エプタム(eptam)(EPTC)、エスプロカルブ(esprocarb)、モリネート(molinate)、オルベンカルブ(orbencarb)、フェンメジファム(phenmedipham)、プロスルホカルブ(prosulfocarb)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、チオベンカルブ(thiobencarb)、トリアレート(triallate);
- シクロヘキサンジオン類:ブトロキシジム(butroxydim)、クレトジム(clethodim)、シクロキシジム(cycloxydim)、プロホキシジム(profoxydim)、セトキシジム(sethoxydim)、テプラロキシジム(tepraloxydim)、トラルコキシジム(tralkoxydim);
- ジニトロアニリン類:ベンフルラリン(benfluralin)、エタルフルラリン(ethalfluralin)、オリザリン(oryzalin)、ペンディメタリン(pendimethalin)、プロジアミン(prodiamine)、トリフルラリン(trifluralin);
- ジフェニルエーテル類:アシフルオルフェン(acifluorfen)、アクロニフェン(aclonifen)、ビフェノックス(bifenox)、ジクロホップ(diclofop)、エトキシフェン(ethoxyfen)、ホメサフェン(fomesafen)、ラクトフェン(lactofen)、オキシフローフェン(oxyfluorfen);
- ヒドロキシベンゾニトリル類:ボモキシニル(bomoxynil)、ジクロベニル(dichlobenil)、アイオキシニル(ioxynil);
- イミダゾリノン類:イマザメタベンズ(imazamethabenz)、イマザモックス(imazamox)、イマザピック(imazapic)、イマザピル(imazapyr)、イマザキン(imazaquin)、イマゼタピル(imazethapyr);
- フェノキシ酢酸類:クロメプロップ(clomeprop)、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)、2,4-DB、ジクロルプロップ(dichlorprop)、MCPA、MCPAチオエチル、MCPB、メコプロップ(Mecoprop);
- ピラジン類:クロリダゾン(chloridazon)、フルフェンピルエチル(flufenpyr-ethyl)、フルチアセット(fluthiacet)、ノルフルラゾン(norflurazon)、ピリデート(pyridate);
- ピリジン類:アミノピラリド(aminopyralid)、クロピラリド(clopyralid)、ジフルフェニカン(diflufenican)、ジチオピル(dithiopyr)、フルリドン(fluridone)、フルロキシピル(fluroxypyr)、ピクロラム(picloram)、ピコリナフェン(picolinafen)、チアゾピル(thiazopyr);
- スルホニル尿素類:アミドスルフロン(amidosulfuron)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、ベンスルフロン(bensulfuron)、クロリムロンエチル(chlorimuron-ethyl)、クロルスルフロン(chlorsulfuron)、シノスルフロン(cinosulfuron)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、フラザスルフロン(flazasulfuron)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、フルピルスルフロン(flupyrsulfuron)、フォラムスルフロン(foramsulfuron)、ハロスルフロン(halosulfuron)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、ヨードスルフロン(iodosulfuron)、メソスルフロン(mesosulfuron)、メタゾスルフロン(metazosulfuron)、メトスルフロンメチル(metsulfuron-methyl)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、オキサスルフロン(oxasulfuron)、プリミスルフロン(primisulfuron)、プロスルフロン(prosulfuron)、ピラゾスルフロン(pyrazosulfuron)、リムスルフロン(rimsulfuron)、スルホメツロン(sulfometuron)、スルホスルフロン(sulfosulfuron)、チフェンスルフロン(thifensulfuron)、トリアスルフロン(triasulfuron)、トリベニュロン(tribenuron)、トリフロキシスルフロン(trifloxysulfuron)、トリフルスルフロン(triflusulfuron)、トリトスルフロン(tritosulfuron)、1-((2-クロロ-6-プロピル-イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)スルホニル)-3-(4,6-ジメトキシ-ピリミジン-2-イル)尿素;- トリアジン類:アメトリン(ametryn)、アトラジン(atrazine)、シアナジン(cyanazine)、ジメタメトリン(dimethametryn)、エチオジン(ethiozin)、ヘキサジノン(hexazinone)、メタミトロン(metamitron)、メトリブジン(metribuzin)、プロメトリン(prometryn)、シマジン(simazine)、テルブチラジン(terbuthylazine)、テルブトリン(terbutryn)、トリアジフラム(triaziflam);
- 尿素類:クロロトルロン(chlorotoluron)、ダイムロン(daimuron)、ジウロン(diuron)、フルオメツロン(fluometuron)、イソプロツロン(isoproturon)、リヌロン(linuron)、メタベンズチアズロン(methabenzthiazuron)、テブチウロン(tebuthiuron);
- 他のアセト乳酸シンターゼ阻害剤:ビスピリバック-ナトリウム(bispyribac-sodium)、クロランスラムメチル(cloransulam-methyl)、ジクロスラム(diclosulam)、フロラスラム(florasulam)、フルカルバゾン(flucarbazone)、フルメツラム(flumetsulam)、メトスラム(metosulam)、オルトスルファムロン(ortho-sulfamuron)、ペノクスラム(penoxsulam)、プロポキシカルバゾン(propoxycarbazone)、ピリバムベンズ-プロピル(pyribambenz-propyl)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリフタリド(pyriftalid)、ピリミノバックメチル(pyriminobac-methyl)、ピリミスルファン(pyrimisulfan)、ピリチオバック(pyrithiobac)、ピロキサスルホン(pyroxasulfone)、ピロキシスラム(pyroxsulam);
- その他:アミカルバゾン(amicarbazone)、アミノトリアゾール(aminotriazole)、アニロホス(anilofos)、ベフルブタミド(beflubutamid)、ベナゾリン(benazolin)、ベンカルバゾン(bencarbazone)、ベンフルレセート(benfluresate)、ベンゾフェナップ(benzofenap)、ベンタゾン(bentazone)、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ビシクロピロン(bicyclopyrone)、ブロマシル(bromacil)、ブロモブチド(bromobutide)、ブタフェナシル(butafenacil)、ブタミホス(butamifos)、カフェンストロール(cafenstrole)、カルフェントラゾン(carfentrazone)、シニドンエチル(cinidon-ethyl)、クロルタール(chlorthal)、シンメチリン(cinmethylin)、クロマゾン(clomazone)、クミルロン(cumyluron)、シプロスルファミド(cyprosulfamide)、ジカンバ(dicamba)、ジフェンゾコート、ジフルフェンゾピル(diflufenzopyr)、ドレクスレラモノセラス(Drechslera monoceras)、エンドタール(endothal)、エトフメセート(ethofumesate)、エトベンザニド(etobenzanid)、フェノキサスルホン(fenoxasulfone)、フェントラザミド(fentrazamide)、フルミクロラックペンチル(flumiclorac-pentyl)、フルミオキサジン(flumioxazin)、フルポキサム(flupoxam)、フルロクロリドン(flurochloridone)、フルルタモン(flurtamone)、インダノファン(indanofan)、イソキサベン(isoxaben)、イソキサフルトール(isoxaflutole)、レナシル(lenacil)、プロパニル(propanil)、プロピザミド(propyzamide)、キンクロラック(quinclorac)、キンメラック(quinmerac)、メソトリオン(mesotrione)、メチルアルソン酸(methyl arsonic acid)、ナプタラム(naptalam)、オキサジアルギル(oxadiargyl)、オキサジアゾン(oxadiazon)、オキサジクロメホン(oxaziclomefone)、ペントキサゾン(pentoxazone)、ピノキサデン(pinoxaden)、ピラクロニル(pyraclonil)、ピラフルフェンエチル(pyraflufen-ethyl)、ピラスルホトール(pyrasulfotole)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ピラゾリネート(pyrazolynate)、キノクラミン(quinoclamine)、サフルフェナシル(saflufenacil)、スルコトリオン(sulcotrione)、スルフェントラゾン(sulfentrazone)、ターバシル(terbacil)、テフリルトリオン(tefuryltrione)、テンボトリオン(tembotrione)、チエンカルバゾン(thiencarbazone)、トプラメゾン(topramezone)、(3-[2-クロロ-4-フルオロ-5-(3-メチル-2,6-ジオキソ-4-トリフルオロメチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル)-フェノキシ]-ピリジン-2-イルオキシ)-酢酸エチルエステル、6-アミノ-5-クロロ-2-シクロプロピル-ピリミジン-4-カルボン酸メチルエステル、6-クロロ-3-(2-シクロプロピル-6-メチル-フェノキシ)-ピリダジン-4-オール、4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-フェニル)-5-フルオロ-ピリジン-2-カルボン酸、4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル、および4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-3-ジメチルアミノ-2-フルオロ-フェニル)-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル。
【0182】
O) 殺虫剤
- 有機(チオ)ホスフェート類:アセフェート(acephate)、アザメチホス(azamethiphos)、アジンホスメチル(azinphos-methyl)、クロルピリホス(chlorpyrifos)、クロルピリホスメチル、クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos)、ジアジノン(diazinon)、ジクロルボス(dichlorvos)、ジクロトホス(dicrotophos)、ジメトエート(dimethoate)、ジスルホトン(disulfoton)、エチオン(ethion)、フェニトロチオン(fenitrothion)、フェンチオン(fenthion)、イソキサチオン(isoxathion)、マラチオン(malathion)、メタミドホス(methamidophos)、メチダチオン(methidathion)、メチルパラチオン(methyl-parathion)、メビンホス(mevinphos)、モノクロトホス(monocrotophos)、オキシデメトンメチル(oxydemeton-methyl)、パラオキソン(paraoxon)、パラチオン(parathion)、フェントエート(phenthoate)、ホサロン(phosalone)、ホスメット(phosmet)、ホスファミドン(phosphamidon)、ホレート(phorate)、ホキシム(phoxim)、ピリミホスメチル(pirimiphos-methyl)、プロフェノホス(profenofos)、プロチオホス(prothiofos)、スルプロホス(sulprophos)、テトラクロルビンホス(tetrachlorvinphos)、テルブホス(terbufos)、トリアゾホス(triazophos)、トリクロルホン(trichlorfon);
- カルバメート類:アラニカルブ(alanycarb)、アルジカルブ(aldicarb)、ベンジオカルブ(bendiocarb)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、カルバリル(carbaryl)、カルボフラン(carbofuran)、カルボスルファン(carbosulfan)、フェノキシカルブ(fenoxycarb)、フラチオカルブ(furathiocarb)、メチオカルブ(methiocarb)、メソミル(methomyl)、オキサミル(oxamyl)、ピリミカーブ(pirimicarb)、プロポキスル(propoxur)、チオジカルブ(thiodicarb)、トリアザメート(triazamate);
- ピレスロイド類:アレスリン(allethrin)、ビフェントリン(bifenthrin)、シフルトリン(cyfluthrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、シフェノトリン(cyphenothrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、アルファシペルメトリン、ベータシペルメトリン、ゼータシペルメトリン、デルタメトリン(deltamethrin)、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、エトフェンプロックス(etofenprox)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フェンバレレート(fenvalerate)、イミプロトリン(imiprothrin)、ラムダシハロトリン(lambda-cyhalothrin)、ペルメトリン(permethrin)、プラレトリン(prallethrin)、ピレトリン(pyrethrin)IおよびII、レスメトリン(resmethrin)、シラフルオフェン(silafluofen)、タウ-フルバリネート(tau-fluvalinate)、テフルトリン(tefluthrin)、テトラメトリン(tetramethrin)、トラロメトリン(tralomethrin)、トランスフルトリン(transfluthrin)、プロフルトリン(profluthrin)、ジメフルトリン(dimefluthrin);
- 昆虫成長制御剤: a)キチン合成阻害剤:ベンゾイル尿素類:クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、シラマジン(cyramazin)、ジフルベンズロン(diflubenzuron)、フルシクロクスロン(flucycloxuron)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ルフェヌロン(lufenuron)、ノバルロン(novaluron)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、トリフルムロン(triflumuron);ブプロフェジン(buprofezin)、ジオフェノラン(diofenolan)、ヘキシチアゾクス(hexythiazox)、エトキサゾール(etoxazole)、クロフェンタジン(clofentazine);b)エクジソンアンタゴニスト:ハロフェノジド(halofenozide)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、テブフェノジド(tebufenozide)、アザジラクチン(azadirachtin);c)ジュベノイド類:ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、メトプレン(methoprene)、フェノキシカルブ(fenoxycarb);d)脂質生合成阻害剤:スピロジクロフェン(spirodiclofen)、スピロメシフェン(spiromesifen)、スピロテトラマト(spirotetramat);
- ニコチン受容体アゴニスト/アンタゴニスト化合物:クロチアニジン(clothianidin)、ジノテフラン(dinotefuran)、フルピラジフロン(flupyradifurone)、イミダクロプリド(imidacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、ニテンピラム(nitenpyram)、アセタミプリド(acetamiprid)、チアクロプリド(thiacloprid)、1-2-クロロ-チアゾール-5-イルメチル)-2-ニトリミノ-3,5-ジメチル-[1,3,5]トリアジナン;
- GABAアンタゴニスト化合物:エンドスルファン(endosulfan)、エチプロール(ethiprole)、フィプロニル(fipronil)、バニリプロール(vaniliprole)、ピラフルプロール(pyrafluprole)、ピリプロール(pyriprole)、5-アミノ-1-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェニル)-4-スルフィナモイル-1H-ピラゾール-3-カルボチオ酸アミド;
- 大環状ラクトン殺虫剤:アバメクチン(abamectin)、エマメクチン(emamectin)、ミルベメクチン(milbemectin)、レピメクチン(lepimectin)、スピノサド(spinosad)、スピネトラム(spinetoram);
- ミトコンドリア電子伝達阻害剤(METI)I殺ダニ剤:フェナザキン(fenazaquin)、ピリダベン(pyridaben)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、フルフェネリム(flufenerim);
- METI IIおよびIII化合物:アセキノシル(acequinocyl)、フルアシプリム(fluacyprim)、ヒドラメチルノン(hydramethylnon);
- アンカプラー類:クロルフェナピル(chlorfenapyr);
- 酸化的リン酸化阻害剤:シヘキサチン(cyhexatin)、ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、酸化フェンブタスズ(fenbutatin oxide)、プロパルギット;
- 脱皮撹乱剤(moulting disruptor)化合物:クリオマジン(cryomazine);
- 混合機能オキシダーゼ阻害剤:ピペロニルブトキシド;
- ナトリウムチャネル遮断剤:インドキサカルブ(indoxacarb)、メタフルミゾン(metaflumizone);
- その他:ベンクロチアズ(benclothiaz)、ビフェナゼート(bifenazate)、カルタップ(cartap)、フロニカミド(flonicamid)、ピリダリル(pyridalyl)、ピメトロジン(pymetrozine)、硫黄、チオシクラム(thiocyclam)、フルベンジアミド(flubendiamide)、クロラントラニリプロール(chlorantraniliprole)、シアジピル(cyazypyr)(HGW86)、シエノピラフェン(cyenopyrafen)、フルピラゾホス(flupyrazofos)、シフルメトフェン(cyflumetofen)、アミドフルメット(amidoflumet)、イミシアホス(imicyafos)、ビストリフルロン(bistrifluron)、およびピリフルキナゾン(pyrifluquinazon)。
【0183】
本発明は、さらに、少なくとも一つの化合物I(成分1)および植物保護のために有用な例えば、グループA)からO)から選択される少なくとも一つのさらなる活性物質(成分2)、特に一つのさらなる殺菌剤、例えば、上記のグループA)からL)からの一つ以上の殺菌剤の混合物、ならびに必要に応じて一つの適切な溶媒または固体担体を含む農薬組成物に関する。そのような混合物は、それらの多くが同じ散布量で、有害な菌類に対してより高い効率を示すので、特に興味深い。その上、化合物I、および上記のグループA)からL)からの少なくとも一つの殺菌剤の混合物により有害な菌類を駆除することは、個々の化合物IまたはグループA)からL)からの個々の殺菌剤によりそれらの菌類を駆除するよりはより効果的である。化合物IをグループA)からO)からの少なくとも一つの活性物質と共に施用することによって、相乗効果を得ることができ、即ち、それぞれの効果の単純な加算より大きい効果が得られる(相乗混合物)。
【0184】
これは、化合物Iおよび少なくとも一つのさらなる活性物質を、一緒に(例えば、タンクミックスとして)または別々に、あるいは、個々の施用の間の時間間隔が、最初に施用された活性物質が、さらなる活性物質(複数可)の施用の時間に十分な量で作用部位に依然として存在することを確保するように選択される連続方式で施用することによって得ることができる。この施用の順序は、本発明の機能に対して重要ではない。
【0185】
二成分混合物、即ち、一つの化合物I(成分1)および一つのさらなる活性物質(成分2)、例えば、グループA)からO)からの一つの活性物質、を含む本発明による組成物において、成分1と成分2の重量比は、使用される活性物質の特性に一般に依存し、通常それは1:100から100:1の範囲、普通は1:50から50:1の範囲、好ましくは1:20から20:1の範囲、より好ましくは1:10から10:1の範囲、そして特に1:3から3:1の範囲である。
【0186】
三成分混合物、即ち、一つの化合物I(成分1)と第一番目のさらなる活性物質(成分2)および二番目のさらなる活性物質(成分3)、例えば、グループA)からO)からの二つの活性物質、とを含む本発明による組成物において、成分1と成分2の重量比は、使用される活性物質の特性に一般に依存し、好ましくは、それは1:50から50:1の範囲、特に1:10から10:1の範囲であり、そして成分1と成分3の重量比は、1:50から50:1の範囲、特に1:10から10:1の範囲である。
【0187】
化合物I(成分1)およびグループA)(成分2)から選択される、特に、アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシムメチル(kresoxim-methyl)、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、トリフロキシストロビン;ファモキサドン、フェナミドン; ベンゾビンジフルピル、ビクサフェン、ボスカリド、フルオピラム、フルキサピロキサド(fluxapyroxad)、イソピラザム(isopyrazam)、ペンフルフェン、ペンチオピラド、セダキサン;アメトクトラジン、シアゾファミド(cyazofamid)、フルアジナム、フェンチン塩、例えば酢酸フェンチン等から選択される少なくとも一つの活性物質を含む混合物もまた優先される。
【0188】
式Iの化合物(成分1)およびグループB)(成分2)から選択され、特に、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリチコナゾール、プロクロラズ、フェナリモール、トリホリン;ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン、スピロキサミン;フェンヘキサミドから選択される少なくとも一つの活性物質を含む混合物が優先される。
【0189】
式Iの化合物(成分1)およびグループC)(成分2)から選択され、特に、メタラキシル、(メタラキシルM)メフェノキサム(metalaxyl-M(mefenoxam))、オフラセから選択される少なくとも一つの活性物質を含む混合物が優先される。
【0190】
式Iの化合物(成分1)およびグループD)(成分2)から選択され、特に、ベノミル、カルベンダジム、チオファネートメチル、エタボキサム、フルオピコリド、ゾキサミド、メトラフェノン、ピリオフェノンから選択される少なくとも一つの活性物質を含む混合物が優先される。
【0191】
化合物I(成分1)およびグループE)(成分2)から選択され、特に、シプロジニル、メパニピリム、ピリメタニルから選択される少なくとも一つの活性物質を含む混合物もまた優先される。
【0192】
化合物I(成分1)およびグループF)(成分2)から選択され、特に、イプロジオン、フルジオキソニル、ビンクロゾリン、キノキシフェンから選択される少なくとも一つの活性物質を含む混合物もまた優先される。
【0193】
化合物I(成分1)およびグループG)(成分2)から選択され、特に、ジメトモルフ、フルモルフ、イプロバリカルブ、ベンチアバリカルブ、マンジプロパミド、プロパモカルブから選択される少なくとも一つの活性物質を含む混合物もまた優先される。
【0194】
化合物I(成分1)およびグループH)(成分2)から選択され、特に、酢酸銅、水酸化銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、硫黄、マンゼブ、メチラム、プロピネブ、チウラム、カプタホール、ホルペット、クロロタロニル、ジクロフルアニド、ジチアノンから選択される少なくとも一つの活性物質を含む混合物もまた優先される。
【0195】
化合物I(成分1)およびグループI)(成分2)から選択され、特に、カルプロパミドおよびフェノキサニルから選択される少なくとも一つの活性物質を含む混合物もまた優先される。
【0196】
化合物I(成分1)およびグループJ)(成分2)から選択され、特に、アシベンゾラールSメチル、プロベナゾール、チアジニル、ホセチル、ホセチルアルミニウム、H3PO3およびその塩から選択される少なくとも一つの活性物質を含む混合物もまた優先される。
【0197】
化合物I(成分1)およびグループK)(成分2)から選択され、特に、シモキサニル、プロキナジドおよびN-メチル-2-{1-[(5-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-1-イル)-アセチル]-ピペリジン-4-イル}-N-[(1R)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル]-4-チアゾールカルボキサミドから選択される少なくとも一つの活性物質を含む混合物もまた優先される。
【0198】
化合物I(成分1)およびグループL)(成分2)から選択され、特に、バチルス・サブチリス(枯草菌)(Bacillus subtilis)菌株NRRL番号B-21661、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)菌株NRRL番号B-30087およびウロクラジウム・オウデマンシイから選択される少なくとも一つの活性物質を含む混合物もまた優先される。
【0199】
したがって、本発明は、一つの化合物I(成分1)および一つのさらなる活性物質(成分2)を含む組成物にさらに関しており、そのさらなる活性物質は、表Bの行B-1〜B-369の縦列「成分2」から選択される。
【0200】
さらなる実施形態は、表Bに記載されている組成物B-1〜B-369に関するものであり、表Bの列は、いずれの場合も、本明細書中で個別化された式Iの化合物(成分1)と当該列中に記されているグループA)〜O)からのそれぞれのさらなる活性物質(成分2)を含む殺菌剤組成物に相当する。好ましくは、記載されている組成物は、活性物質を相乗的に有効な量で含む。
【表4】
【0201】
【0202】
【0203】
【0204】
【0205】
【0206】
【0207】
【0208】
【0209】
成分2として言及されている活性物質、それらの調製および有害な菌類に対するそれらの活性は、周知であり(参照: http://www.alanwood.net/pesticides/)、これらの物質は市販されている。IUPAC命名法により記載されている化合物、それらの調製およびそれらの殺菌活性もまた周知である(参照: Can. J. Plant Sci. 48(6), 587-94, 1968;EP-A 141 317;EP-A 152 031;EP-A 226 917;EP-A 243 970;EP-A 256 503;EP-A 428 941;EP-A 532 022;EP-A 1 028 125;EP-A 1 035 122;EP A 1 201 648;EP-A 1 122 244、JP 2002316902;DE 19650197;DE 10021412;DE 102005009458;US 3,296,272;US 3,325,503;WO 98/46608;WO 99/14187;WO 99/24413;WO 99/27783;WO 00/29404;WO 00/46148;WO 00/65913;WO 01/54501;WO 01/56358;WO 02/22583;WO 02/40431;WO 03/10149;WO 03/11853;WO 03/14103;WO 03/16286;WO 03/53145;WO 03/61388;WO 03/66609;WO 03/74491;WO 04/49804;WO 04/83193;WO 05/120234;WO 05/123689;WO 05/123690;WO 05/63721;WO 05/87772;WO 05/87773;WO 06/15866;WO 06/87325;WO 06/87343;WO 07/82098;WO 07/90624, WO 11/028657)。
【0210】
この活性物質の混合物は、活性成分に加えて少なくとも一つの不活性成分を含む組成物として、通常の方法によって、例えば化合物Iの組成物に対して示されている方法によって調製することができる。
【0211】
かかる組成物の通常の成分に関しては、化合物Iを含有する組成物に対して与えられている説明が参考にされる。
【0212】
本発明による活性物質の混合物は、式Iの化合物と同様に殺菌剤として適する。それらは、広範囲の、特に、子嚢菌類、担子菌類、不完全菌類および卵菌類(別名Oomycetes)からの植物病原性菌類に対する卓越した有効性によって区別される。さらに、化合物類および化合物Iを含有する組成物の殺菌活性に関する説明がそれぞれ参照される。
【実施例】
【0213】
I.合成実施例
出発原料を適切に改変して、以下の合成実施例に示す手順を用いて他の化合物Iを得た。得られた化合物を物理データと共に下記表Iに記載する。
【0214】
I.1 ストロビルリン系化合物Iの調製
実施例1:(Z)-5-[1-(4-クロロ-フェニル)-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]-2-[(E)-メタ-オキシイミノ]-3-メチル-ペンタ-3-エン酸メチルアミド(I-6)の調製
【化15】
【0215】
実施例1a:(Z)-3-トリブチルスタンナニル-ブタ-2-エン-1-オール (3)
水素化アルミニウムリチウムのTHF中1モル溶液(156.9 ml、156.9 mmol)に、メチル酸ナトリウム(0.77 g、14.3 mmol)を添加し、その後温度を0℃まで低下させた。次いで、2-ブチン-1-オール(10.0 g、142.7 mmol)のTHF(108 ml)中溶液を、この温度で攪拌しながら適加した。4℃にて36時間攪拌を続けた。その後、約0℃にて、酢酸エチル(28.6 ml、292.5 mmol)を攪拌しながらゆっくりと添加した。強い発熱反応がみられた。10分間、冷却することなく攪拌を続けた。約0℃に冷却した後、トリ(n-ブチル)スタニル-メタノレート(45.8 g、142.7 mmol)を攪拌しながら適加した。4℃にて2日間攪拌を続けた。メタノール(112.9 g)を添加した後、周囲温度にて1時間攪拌を続けた。反応混合物を水(250 ml)に注ぎ入れ、ジエチルエーテル(150 ml)でそれぞれ3回抽出し、合わせた抽出物を水(80 ml)でそれぞれ2回洗浄し、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液(40 ml)で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。収量48.6 gの油状物を、ヘキサン/MTBE(10:1)を用いたシリカゲル(300 g)上のクロマトグラフィーによって精製した。最終収量34.6 g (67%)の油状物が得られた。δ = 0.90 (m); 1.30 (m); 1.50 m); 1.97 (s); 4.02 (t); 6.27 (t)。
【0216】
実施例1b:1-(4-クロロ-フェニル)-3-((Z)-3-トリブチルスタンナニル-ブタ-2-エニルオキシ)-1H-ピラゾール (5)
THF(200ml)中トリフェニルホスフィン(8.09 g、30.8 mmol)に、-75℃にて攪拌しながらアゾジカルボン酸ジイソプロピルエステル(6.23 g、30.8 mmol)を加えた。混合物をこの温度で5分間攪拌した。次いで、(Z)-3-トリブチルスタンナニル-ブタ-2-エン-1-オール(10.39 g、28.8 mmol)を適加し、-75℃にて5分間攪拌した。1-(4-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピラゾール(4.00 g、20.6 mmol)を-75℃にて添加した後、赤色の懸濁液が形成された。この混合物を周囲温度まで温め、3日間攪拌した。溶媒を真空中で除去した後、油状物(29 g)を回収し、MTBE/ヘプタンを用いたシリカ(120 g)上のクロマトグラフィーによって精製した。収量8.3g(75%)の油状物。δ = 0.85 (m); 0.95 (m); 1.30 (m); 1.50 m); 2.00 (s); 4.65 (d); 5.90 (d); 6.43 (t); 7.35 (d); 7.52 (d); 7.68 (d)。
【0217】
実施例1c:(Z)-5-[1-(4-クロロ-フェニル)-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]-2-[(E)-メトキシイミノ]-3-メチル-ペンタ-3-エン酸メチルエステル(7)
1-(4-クロロ-フェニル)-3-((Z)-3-トリブチルスタンナニル-ブタ-2-エニルオキシ)-1H-ピラゾール(3.00 g、5.58 mmol)、ヒドロキサム酸ブロミド(6)(1.15 g、5.86 mmol)、トリ(2-フリル)ホスフィン(0.155 g、0.67 mmol)およびビス(ジベンジリデンアセトン)-パラジウム(96 mg、0.17 mmol)を、1,4-ジオキサン(10 ml)中、約80℃にて4日間攪拌した。溶媒を真空中で除去した後、油状物(4.3 g)を回収し、MTBE/ヘプタン/1%トリエチルアミンを用いたシリカ(70 g)上のクロマトグラフィーによって精製した。収量1.2g (59%)の油状物。δ = 1.95 (s); 3.85 (s); 4.07 (s); 4.58 (d); 5.85 (d); 5.93 (t); 7.35 (d); 7.52 (d); 7.65 (d)。
【0218】
実施例1d:(Z)-5-[1-(4-クロロ-フェニル)-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]-2-[(E)-メトキシイミノ]-3-メチル-ペンタ-3-エン酸メチルアミド(I-6)
(Z)-5-[1-(4-クロロ-フェニル)-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]-2-[(E)-メトキシイミノ]-3-メチル-ペンタ-3-エン酸メチルエステル(120 mg、0.33 mmol)およびTHF中メチルアミンの2モル溶液(0.99 ml、1.98 mmol)を、THF(2.0 ml)および水(0.5 ml)中で周囲温度にて一晩攪拌した。真空中で溶媒を除去した後、生成物(120 mg)を定量的収率および良好な純度で回収した。融点129〜130℃。
【0219】
実施例2:(Z)-5-[1-(4-クロロ-フェニル)-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]-2-[1-メトキシ-メタ-(E)-イリデン]-3-メチル-ペンタ-3-エン酸メチルエステル(化合物I-7)
【化16】
【0220】
1-(4-クロロ-フェニル)-3-((Z)-3-トリブチルスタンナニル-ブタ-2-エニルオキシ)-1H-ピラゾール(5)(1.50 g、2.79 mmol)、エステル化合物(8)[Chem Comm 4, 423-425, (2006)](0.81 g、3.35 mmol)、[(R)-(+)-2,2’’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’’-ビスナフチルパラジウム(II)クロリド(0.223 g、0.28 mmol)を、1,4-ジオキサン(14 ml)中で、約100℃にて4.5日間攪拌した。溶媒を真空中で除去した後、粗生成物を回収し、MTBE/ヘキサン/2%トリエチルアミンを用いたシリカ(50 g)上のクロマトグラフィーによって精製した。収量0.12 g、融点123〜125℃。
【0221】
実施例3:N-[(Z)-3-[1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシ-1-メチル-プロパ-1-エニル]-N-メチル-カルバミン酸メチル (I-10)
【化17】
【0222】
実施例3a:1-(4-クロロフェニル)-3-[(Z)-3-ヨードブタ-2-エノキシ]ピラゾール(10)
メチレンクロリド(100 ml)中の1-(4-クロロ-フェニル)-3-((Z)-3-トリブチルスタンナニル-ブタ-2-エニルオキシ)-1H-ピラゾール(10.0 g、18.6 mmol)に、ヨウ素(4.7 g、18.6 mmol)を周囲温度にて攪拌しながら添加し、3時間攪拌し続けた。真空中で溶媒を除去した後、粗生成物をMTBE(200 ml)中に溶解させた。20%フッ化カリウム水溶液(100 ml)を添加し、混合物を周囲温度にて2時間攪拌した。水層を分離し、メチル-tert.-ブチルエーテル(20 ml)で2回抽出した。合わせた有機相を水(20 ml)でそれぞれ2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。粗生成物(7.2 g)を、メチル-tert.-ブチルエーテル/ヘキサン(1:20)を用いたシリカ(50 g)上のクロマトグラフィーによって精製した。収量5.9 g、融点75〜77℃。
【0223】
実施例3b:N-[(Z)-3-[1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシ-1-メチル-プロパ-1-エニル]-N-メチル-カルバミン酸メチル
トルエン(14 ml)中、1-(4-クロロフェニル)-3-[(Z)-3-ヨードブタ-2-エノキシ]ピラゾール(1.50 g、4.00 mmol))、N-メチルカルバミン酸メチルエステル(9)(0.43 g、4.81 mmol)、ヨウ化銅(76 mg、0.4mmol)、リン酸カリウム(1.27 g、6.00 mmol)およびN,N’-ジメチルエチレンジアミン(71 mg、0.80 mmol)を、100℃にて1.5日間攪拌した。溶媒を真空中で除去した後、粗生成物を、MTBE/ヘキサン(1:3)を用いたシリカ(50 g)上のクロマトグラフィーによって精製した。収量0.67 g。1H-NMR (CDCl3): δ = 1.90 (s); 3.05 (s); 3.70 (s); 4.68 (m); 5.63 (m); 5.90 (d); 7.35 (m); 7.55 (m); 7.68 (d)。
【0224】
実施例4:(Z,2E)-5-[1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシ-2-メトキシイミノ-N,4-ジメチル-ペンタ-3-エナミド(化合物I-79)
【化18】
【0225】
実施例4a:1-[1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシプロパン-2-オン (11)
DMF(30 ml)中、1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-オール(5.50 g、28.3 mmol)、炭酸カリウム(3.91 g、28.3 mmol)およびヨウ化ナトリウム(50 mg)を、周囲温度にて5分間攪拌した。次いで、クロロアセトン(2.62 g、28.3 mmol)を攪拌しながら適加し、60℃にて5時間攪拌し続けた。混合物を、過剰の10%塩化リチウム水溶液に注ぎ入れ、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた抽出物を、10%塩化リチウム溶液で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。真空中で溶媒を除去した後、粗生成物をシリカ上のクロマトグラフィーによって精製した。収量6.5g。この生成物を次のステップに使用した。
【0226】
実施例4b:(Z,2E)-5-[1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシ-2-メトキシイミノ-4-メチル-ペンタ-3-エン酸メチルおよびE異性体(13)
THF(100 ml)中の、1-[1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシプロパン-2-オン(5.26 g、21.0 mmol)および(2Z)-3-ジエトキシホスホリル-2-メトキシイミノ-プロパン酸メチル(7.20 g、26.9 mmol)(ジメトキシ誘導体について記載されるとおりに調製し得る)[(Tetrahedron Let 29, 3361-3364 (1988)]に、カリウムtert.-ブチレート(2.59 g、23.1 mmol)を周囲温度にて攪拌しながら添加した。攪拌を一晩続けた。真空中で溶媒を除去した後、混合物を、ヘプタン/酢酸エチルを用いたシリカ上のクロマトグラフィーによって精製した。80:20 E:Z-混合物(1.07g)を回収した。これを次のステップで直接使用した。
【0227】
実施例4c:Z,2E)-5-[1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシ-2-メトキシイミノ-N,4-ジメチル-ペンタ-3-エナミド
前の反応で得られた(Z,2E)-5-[1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシ-2-メトキシイミノ-4-メチル-ペンタ-3-エン酸メチル(0.68 g、1.87 mmol)およびE異性体を、THF(3.0 ml)に溶解させた。40%メチルアミン水溶液(2.0 ml)を、周囲温度にて攪拌しながら添加し、攪拌を一晩続けた。真空中で溶媒を除去した後、混合物を、ヘプタン/酢酸エチル勾配を用いたシリカ上のクロマトグラフィーによって精製した。所望のZ-異性体(90 mg)を回収した。1H-NMR (CDCl3): δ = 2.03 (s); 2.85 (d); 3.97 (s); 4.64 (s); 5.87 (s); 6.02 (d); 6.65 (br); 7.35 (d); 7.50 (d); 7.67 (d)。
【0228】
実施例5:N-[(Z)-3-[1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシ-1-メチル-プロパ-1-エニル]-N-メトキシ-カルバミン酸メチル(I-1)
【化19】
【0229】
実施例5a:シス-3-メチルオキシラン-2-イル]メタノール (15)
ジクロロメタン(DCM)(140 ml)中のZ-ブタ-2-エン-1-オール(10.0 g、138.7 mmol)に、3-クロロ過安息香酸(純度70%)(37.6 g、152.6 mmol)を、0〜5℃にて少しずつ攪拌しながら添加した。0℃にて2時間攪拌を続けた。水酸化カルシウム(35.0 g)を、0〜5℃にて攪拌しながら添加し、これを0℃にて約2時間続けた。沈殿物を濾別し、DCMで洗浄し、濾液を硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒は、その大部分を380 mbar/30℃にて除去した。粗生成物(15.0 g、純度75%)をさらに精製することなく使用した。
【0230】
実施例5b:ラセミ1-(4-クロロフェニル)-3-[[(2R,3S)-3-メチルオキシラン-2-イル]メトキシ]ピラゾール (16)
THF(400 ml)中の、先の実験から得られたトリフェニルホスフィン(28.3 g、107.9 mmol)およびシス-3-メチルオキシラン-2-イル]メタノール(15)(15.0 g、127.7 mmol)に、アゾジカルボン酸ジイソプロピルエステル(22.9 g、113.0 mmol)を、-75℃にて攪拌しながら添加した。混合物を、この温度にて5分間攪拌した。次いで、1-(4-クロロフェニル)-3-ヒドロキシピラゾール(20.0 g、102.8 mmol)を、-70℃にて攪拌しながら添加した。この混合物を周囲温度まで温め、約1日間攪拌した。溶媒を真空中で除去した後、粗生成物をジイソプロピルエーテル(200 ml)と共に攪拌し、固形物質(42 g)を回収し、MTBE/ヘプタンを用いたシリカ(330 g)上のクロマトグラフィーによってさらに精製した。収量22.5 g (82%)。
【0231】
実施例5c:5-[[1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシメチル]-3-メトキシ-4-メチル-オキサゾリジン-2-オン (17)
DMSO(17 ml)中のN-メトキシカルバミン酸メチル(1.08 g、10.0 mmol)に、カリウムtert.-ブチレート(1.00 g、8.9 mmol)を周囲温度にて攪拌しながら添加した。攪拌を5分間続けた後、1-(4-クロロフェニル)-3-[[(2R,3S)-3-メチルオキシラン-2-イル]メトキシ]ピラゾール(2.00 g、7.56 mmol)を添加した。混合物を90℃にて20時間攪拌した。周囲温度まで冷却した後、反応混合物を水(150 ml)中に注ぎ入れ、酢酸エチル(30 ml)でそれぞれ3回抽出し、合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。粗生成物(2.5 g)をさらに精製することなく使用した。
【0232】
実施例5d:ラセミ(2S,3R-1-[1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシ-3-(メトキシアミノ)ブタン-2-オール (18)
エタノール(100ml)中5-[[1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシメチル]-3-メトキシ-4-メチル-オキサゾリジン-2-オン(10.0 g、30.0 mmol)に、周囲温度にて攪拌しながら21%エチル酸ナトリウム溶液(エタノール中)(14.6g、40.0 mmol)を添加し、一晩攪拌した。溶媒は、大部分は真空中で除去され、残りの混合物をリン酸二水素ナトリウム水溶液(250ml)中に注ぎ入れ、酢酸エチル(150ml)でそれぞれ3回抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を真空中で蒸発させた後、収量8.7gの油状物を得た。MTBE/ヘプタンを用いたシリカ(120g)上のクロマトグラフィーによってさらに精製した。収量4,0g(43%)。1H-NMR (CDCl3): δ = 1.22 (d); 3.17 (m); 3.57 (s); 3.91 (m); 4.33 (m); 4.47 (m); 5.93 (s); 7.35 (d); 7.52 (d); 7.68 (s)。
【0233】
実施例5e:ラセミN-[(1R,2S)-3-[1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシ-2-ヒドロキシ-1-メチル-プロピル]-N-メトキシ-カルバミン酸メチル (19)
THF(7 ml)中のラセミ(2S,3R-1-[1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシ-3-(メトキシアミノ)ブタン-2-オール(1.00g、3.2 mmol)に、炭酸水素ナトリウム(0.28g、3.5 mmol)を添加した。次いで、クロロギ酸メチル(0.33g、3.5 mmol)を、周囲温度にて攪拌しながら適加した。攪拌を一晩続けた。反応混合物を水(10ml)に注ぎ入れ、MTBE(10 ml)でそれぞれ3回抽出し、合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。粗生成物(1.3g)をさらに精製することなく使用した。
【0234】
実施例5f: N-[(Z)-3-[1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシ-1-メチル-プロパ-1-エニル]-N-メトキシ-カルバミン酸メチル (I-1)
THF(13 ml)中のラセミN-[(1R,2S)-3-[1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシ-2-ヒドロキシ-1-メチル-プロピル]-N-メトキシ-カルバミン酸メチル(3.50 g、9.46 mmol))に、トリフェニルホスフィン(2.61 g、9.94 mmol)を、周囲温度にて攪拌しながら添加した。この混合物を-15℃まで冷却した。次いで、アゾジカルボン酸ジイソプロピルエステル(2.11 g、10.41 mmol)を攪拌しながら添加し、攪拌を0℃にて1時間、また周囲温度にて約1日間継続した。溶媒を真空中で除去した後、粗生成物を、MTBE/ヘプタン/1%トリエチルアミンを用いたシリカ(25g)上のクロマトグラフィーによりさらに精製した。1H-NMR (CDCl3): δ = 1.93 (s); 3.72 (s); 3.81 (s); 4.78 (d); 5.73 (t); 5.90 (d); 7.36 (d); 7.55 (d); 7.70 (d)。
【表5】
【0235】
【0236】
【0237】
【0238】
【0239】
【0240】
【0241】
【0242】
【0243】
【0244】
【0245】
【0246】
【0247】
【0248】
【0249】
【0250】
II. 有害菌類に対する作用の例
以下の実験により式Iの化合物の殺菌作用を実証した。
【0251】
II.1 マイクロタイター試験
活性物質をジメチルスルホキシド(DMSO)中10000 ppmの濃度を有する原液として個別に調合した。
【0252】
使用実施例1: マイクロタイター試験による、セプトリア・トリティシにより引き起こされたセプトリア・ブロッチ(Septoria blotch)病原菌に対する活性
試験に用いた菌株:
セプトリア・トリティシ(Qo-阻害剤-感受性, 野生型)
セプトリア・トリティシ(Qo-阻害剤-耐性, G143A 変異)
100 mlのpH6.8水中の麦芽エキスに、ペトリディッシュ中2 % 麦芽エキス+ 2 %寒天上で培養した2週間培養物からの小胞子を摂取し、ロータリー攪拌機で24°C、150 rpmで3日間インキュベートした。培養物を採取し、グリセロールを加え(15 % (v/v)、1 mlアリコート中、-20°Cで凍結状態を維持した。
【0253】
1ml原液懸濁液を解凍、懸濁させて800 mlの水中のpH 6.8、2 %麦芽エキスとした。化合物を原液から10段階で(ジメチルスルホキシド) DMSO中に希釈した。使用前に化合物溶液を殺菌脱イオン水で1/5に希釈した。5 μlの化合物溶液を空のマイクロプレートに移した。次にブレートを各株の195 μlの小胞子懸濁液で満たした。
【0254】
抗菌活性を、試験化合物の存在下、96-ウェルマイクロプレートの培養物の濁度を測定することにより決定した。菌類の成長を、150時間15時間毎に620 nmにおける光学密度を記録することにより測定した。相対抗菌活性を、試験化合物の効果とDMSO対照および標準殺菌剤の効果とを比較することにより算出した。
【0255】
IC50-値(菌類の50%成長阻害をもたらす試験化合物の濃度)を、得られた各化合物および株の用量反応から算出した。試験化合物の初期濃度および10段階希釈(各1:4)により、評価すべき0.001〜100 μmol/l (μM)のIC50-値を与えた。
【表6】
【0256】
【0257】
市販のストロビルリン類殺菌剤は、ミトコンドリアチトクロームb遺伝子中にQo阻害剤に対する耐性を与える変異(G143A)を含む耐性セプトリア株に対して活性を示さないのに対し、感受性野生型株に対して活性であり、化合物Iは、耐性および野生型株の両方に対して活性を有した。一般に、両方のセプトリア株に対してIC50値から算出した耐性因子比(resistance factor ratio)(RF)は、本発明の化合物I に対して30未満であった。しかしながら、市販のストロビルリン類化合物の耐性因子比は、ほとんどの場合、100を超え、通常数百を超える(詳細については、例えばFRAC, Mutations associated with QoI-resistance, Dec. 2006; http://frac.info/frac/work/Mutations%20associated%20with%20QoI%20resistance.pdf、およびその中で引用されるものを参照のこと)。
【0258】
II.2) 比較実施例
A) 野外試験
使用した化合物:
化合物I-6を、50g/l EC製剤として使用した。ピラクロストロビンは、市販製品HEADLINEとして使用した:
【化20】
【0259】
試験1:冬コムギにつくセプトリア・トリティシ(Septoria tritici)に対する効力
上記の試験を、ベール=イグゲルハイム(Boehl-Iggelheim)、ラインランドパラティネート(Rhineland-palatinate)(ドイツ)において、野外条件下で実施した。冬コムギ(品種リバンド(Riband))の種子を植え、標準条件下で、水と栄養素を十分に与えて生育させた。生育段階GS 32(2011年4月14日)において、最初の化合物処理(1ヘクタール当たり活性成分(a.i)200g)を水(400 L/ha量)と共に実施し、この処理を21日後、生育段階GS 39において繰り返した。さらなる殺菌処理は施用しなかった。真菌病原菌(例えば、セプトリア・トリティシ(Septoria tritici))による感染は自然に起こった。最後の処理後20日目、33日目および46日目(DAA)のセプトリア・トリティシに関する病気の発生率の評価を表IIIに示す。最後の列には、処理後の、G143A変異を有するQo阻害剤耐性セプトリア・トリティシ単離株のパーセンテージの評価を示す。
【表7】
【0260】
この試験では、ストロビルリン類似体化合物ピラクロストロビンおよび化合物I-6を用いた処理のそれぞれにより、Qo阻害剤耐性単離株に対して、真菌病原菌(例えば、セプトリア・トリティシ(Septoria tritici))が完全に選抜された。この真菌病原菌の高い耐性レベルにより、ピラクロストロビンは、市販の用量レベルで使用されたにも関わらず不十分な防除レベルを示したが、他方、化合物I-6は、G143変異を有するセプトリア・トリティシ(Septoria tritici)のQo阻害剤耐性単離株を防除することができた。
【0261】
試験2:冬コムギにつくセプトリア・トリティシ(Septoria tritici)に対する効力
上記の試験を、リンブルガーホフ(Limburgerhof)、ラインランドパラティネート(Rhineland-palatinate)(ドイツ)において、野外条件下で実施した。冬コムギ(品種リバンド(Riband))の種子を植え、標準条件下で、水と栄養素を十分に与えて生育させた。生育段階GS 33(2011年4月8日)において、最初の化合物処理(1ヘクタール当たり活性成分(a.i)200g)を水(400 L/ha量)と共に実施し、この処理を26日後、生育段階GS 39において繰り返した。さらなる殺菌処理は施用しなかった。真菌病原菌(例えば、セプトリア・トリティシ(Septoria tritici))による感染は自然に起こった。最後の処理後19日目および34日目(DAA)のセプトリア・トリティシに関する病気の発生率の評価を表IVに示す。最後の列には、処理後の、G143A変異を有するQo阻害剤耐性セプトリア・トリティシ単離株のパーセンテージの評価を示す。
【表8】
【0262】
この試験では、真菌病原菌セプトリア・トリティシ(Septoria tritici)のほぼすべてが(試験の最後において評価されたように)Qo阻害剤耐性であった。この真菌病原菌の高い耐性レベルにより、ピラクロストロビンは、市販の用量レベルで使用されたにも関わらずコントロールよりもわずかに高い抗菌活性を示した。しかしながら、化合物I-6は、G143変異を有するQo阻害剤耐性セプトリア・トリティシ(Septoria tritici)による感染を顕著に低減させることができた。
【0263】
B) 温室試験
スプレー溶液をいくつかの工程において調製した:
原液を以下のように調製した:1.26 mlのシクロヘキサンとジメチルスルホキシドの1:1混合物を8.4 mgの活性成分に加えた。次に、40.74 mlの、水、アセトン(10%)、乳化剤Wettol (0.1%)および湿潤剤Silwet (0.05%)の混合物を加えた。この原液を上記溶媒-乳化剤-水混合物を用いて希釈して所定濃度とした。
【0264】
試験 3:チトクロームbc1複合体に関しチトクロームb遺伝子中にG143Aを含む2種のセプトリア・トリティシ単離株により引き起こされたコムギの葉枯病(leaf blotch)の防除
鉢でコムギを成長させた。これらの植物に所望の濃度の活性成分を含む水性懸濁液を流れ落ちるまでスプレーした。翌日、処理した植物にセプトリア・トリティシの水性胞子懸濁液を接種した。摂取後、試験植物を蓋でカバーし、すぐに相対湿度訳83〜85%、19.5〜20°Cのチャンバーに移した。4日後、蓋を取り除いた。ともに、試験植物を約28日間その温室チャンバーで栽培した。葉に対する菌類の攻撃の程度を発病した葉面積%として目視により評価した。
【表9】
【0265】
III. 分子モデリング
III.1 野生型およびG143A変異体の結合部位の構造モデル
アゾキシストロビンがQo部位に結合しているウシチトクロームbc1複合体の結晶学的構造に基づいて、野生型およびG143Aチトクロームbc1複合体の結合部位の構造モデルを作成した(PDB: 1SQB: Esserら J Mol Biol 341, 281-302 (2004))。
【0266】
この構造を、Schroedinger Maestro (バージョン9.0, Schroedinger社, New York, NY, 2009)にインポートした。
【0267】
チトクロームbを、上記の複合体の構造から分離し、Schroedinger Protein Preparation Wizard (Schroedinger Suite 2009 Protein Preparation Wizard;エピックバージョン2.0, Schroedinger社, New York, NY, 2009;インパクトバージョン5.5, Schroedinger社, New York, NY, 2009;プライムバージョン2.1, Schroedinger社, New York, NY, 2009)で処理した。
【0268】
この構造を、さらに変更することなく野生型の結合部位のモデルとして使用した。
【0269】
G143A変異体のモデルは、Schroedinger Maestroを用いて野生型モデルのグリシン143中の水素をメチル基に変更し、これによりS-アラニンを生成することによって作成した。アゾキシストロビンの共結晶化分子の周囲の5Åの範囲のアミノ酸を、Schroedinger MacroModel (バージョン9.7, Schroedinger社, New York, NY, 2009)を用いてエネルギー最小限化した。
【0270】
III.2 分子ドッキング
Schroedinger LigPrep (バージョン 2.3, Schroedinger社, New York, NY, 2009)により、ドッキングした阻害剤の構造を作成し、さらにSchroedinger Glide (バージョン5.5, Schroedinger社, New York, NY, 2009)を用いて構造モデル中にドッキングされた阻害剤の構造を作成した。
【0271】
III.3 チトクロームbc1複合体に結合した阻害剤の図
Molecular Operating Environment (MOE; 2010.10; Chemical Computing Group社, 1010 Sherbooke St. West, Suite #910, Montreal, QC, Canada, H3A 2R7, 2010)を用いて、ドッキング実行からポーズのグラフィック表現を作成し、GNU Image Manipulation Program (GIMP, バージョン2.6.8, 2008)を用いて精密化した。
【0272】
図1に示すとおり、変異G143Aを有する人工Qo阻害剤耐性チトクロームbc1複合体(詳細については以下を参照)の分子モデリングを行った。市販のストロビルリン類似体化合物であるピラクロストロビンのドッキングは立体衝突を示し、G143A変異体チトクロームbc1複合体中でこの活性成分の結合の低下をもたらす。本発明の化合物は、ピラクロストロビンの中心フェニル環が適切に置換されているより小さなおよび/またはより柔軟な2つの炭素単位に置き換えられていることにより、あるいは周知のファーマコフォアが小さなテトラゾリノン部分R4-7に置き換えられていることにより、上記のような立体衝突が大幅に回避されている。
【0273】
III.4 阻害剤とアラニンG143Aとの間のファンデルワールス(Van-der-Waals)衝突の数
ドッキングされたリガンドを、野生型モデルへのドッキングからの配位を保持しながらG143A結合部位モデルに移した。これにより、G143A結合部位とリガンド間の複合体が形成された。これらを、Schroedinger MacroModelを用いたエネルギー最小限化のための出発構造として使用した。これらのシミュレーション中では、リガンドのみが自由に動くことが可能であり、タンパク質は「凍結されている」と考えられた。この方法によって生成されたポーズは、G143A変異を導入した後の、阻害剤の弛緩状態と考えられた。
【0274】
2個の原子は、これらの中心間の距離が、これらのファンデルワールス半径の和の0.9倍より短い場合に立体的に衝突していると考えられる。ストロビルリンとアラニン143との相互作用に関連する原子対について、各距離は表Vに記される。
【表10】
【0275】
各阻害剤について、上記のG143A結合部位における最小限化の後、アラニン143との立体的ファンデルワールス衝突の数を計数した。結果を表VIに示す。
【表11】
【0276】
化合物Iが、少数の立体的ファンデルワールス衝突を有し、マイクロタイター試験ならびに上記のG143A変異を含むQo阻害剤耐性真菌株を高い割合で有する現地野外試験において、記のG143A変異を含むQo阻害剤耐性真菌株に対して予想外に高い活性も有することが見出された(以下を参照)。
本発明は以下の発明を包含する。
(1) ミトコンドリアチトクロームb遺伝子中にQo阻害剤に対する耐性を与える変異を含む植物病原性菌類を駆除するための、式I:
【化21】
(式中、
R1、R2は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニル、C3-C6-シクロアルキルまたはC3-C6-シクロアルキル-C1-C4-アルキルであり、ここで基R1およびR2はシス配向である、または
R1およびR2は、それらを結合している2個の炭素原子と共にフェニル環(ただしR4は、4-メチル-1,4-ジヒドロ-テトラゾール-5-オン-1-イル(式R4-7)である)を形成し、R1および/もしくはR2の脂肪族部分または上記のフェニル環は、1、2、3個または最大数までの同一のまたは異なる基Raを有していてよく、この基Raは、互いに独立して、以下:
ハロゲン、CN、ニトロ、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルキルおよびC1-C4-ハロアルコキシから選択され;
Yは、直接結合または、-OCH2-、-CH2-、-CH2CH2-、-C(Z)=N-O-CH2-、-CHZ-C(Z)=N-O-CH2-、-O-N=C(Z)-C(Z)=N-O-CH2-、-C(=O)-C(Z)=N-O-CH2-および-C(=N-O-Z)-C(Z)=N-O-CH2-から選択される二価の基であり、
ここで、二価の基Yの左側に示される結合はR3に結合し、右側に示される結合はR2で置換されている炭素原子に結合し、且つ
Zは、任意の他のZと同一でも異なっていてもよく、水素、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルであり;
R3は、フェニルまたは3〜10員の飽和、部分不飽和もしくは芳香族の単環式もしくは二環式の複素環であり、ここで複素環の環員原子は、炭素原子に加えてN、OおよびSの群から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含み;
ここで環状基R3は、互いに独立して以下から選択される、1、2、3、4個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Rbを有していてよく:
Rbは、任意の他のRbと同一でも異なっていてもよく、アミノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、ニトロ、CN、カルボキシル、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ、C3-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、C2-C6-アルケニルオキシイミノ-C1-C4-アルキル、C2-C6-アルキニルオキシイミノ-C1-C4-アルキル、C1-C4-アルキルアミノ、C1-C4-アルコキシカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニルオキシ、フェニル、ナフチル、または、環員として、炭素原子に加えてN、OおよびSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む3〜10員の飽和、部分不飽和もしくは芳香族の単環式または二環式の複素環であり;ここで上記のフェニル基および複素環基Rbは、直接結合、酸素原子または硫黄原子を介して結合し、且つ
環状基R3の隣接する環員原子に結合している2個の基Rbは、該環員原子と共に、縮合5、6もしくは7員の飽和、部分不飽和または芳香族環(この環は炭素環であっても複素環であってもよい)を形成してよく、ここで複素環の環員原子は、炭素原子に加えてN、OおよびSからなる群から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含み、
さらに
ここで、脂肪族基または環状基Rbは、それらの一部として1、2、3個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Rcを有していてよく:
Rcは、任意の他のRcと同一でも異なっていてもよく、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、CN、カルボキシル、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C8-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C6-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、C2-C6-アルケニルオキシイミノ-C1-C4-アルキル、C2-C6-アルキニルオキシイミノ-C1-C4-アルキル、C1-C6-アルコキシイミノ-、C2-C6-アルケニルオキシイミノ-、C2-C6-アルキニルオキシイミノ-、C2-C6-ハロアルケニルオキシイミノ-、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、フェニルまたは、環員として、炭素原子に加えてN、OおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5員の飽和、部分不飽和または芳香族の複素環であり;ここで上記の環状基Rcは、直接結合、酸素原子または硫黄原子を介して結合し、ここで脂肪族基または環状基Rcは、それらの一部として1、2、3個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Rdを有していてよく:
Rdは、任意の他のRdと同一でも異なっていてもよく、ハロゲン、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルであり;
あるいは
R3は、-CRA=N-O-RBであり、ここで
RAは、アミノ、ヒドロキシル、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ、C3-C6-アルキニルオキシ、C1-C4-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、C1-C4-アルキルアミノ、C1-C4-アルコキシカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニルオキシ、フェニル、フェニル-C1-C4-アルキル、ナフチルまたは3〜10員の飽和、部分不飽和もしくは芳香族の単環式もしくは二環式の複素環であり、またはこの環は、環員として、炭素原子に加えてO、NおよびSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含み;ここで上記の環状基RAは、直接結合、酸素原子または硫黄原子を介して結合し;
RBは、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、C1-C4-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシカルボニル、フェニル、フェニル-C1-C4-アルキル、ナフチルまたは3〜10員の飽和、部分不飽和もしくは芳香族の単環式もしくは二環式の複素環であり、またはこの環は、環員として、炭素原子に加えてO、NおよびSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含み;
ここで、脂肪族基または環状基RAおよび/またはRBは、それらの一部として1、2、3個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Reを有していてよく:
Reは、任意の他のReと同一でも異なっていてもよく、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、CN、カルボキシル、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C8-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシまたはC1-C4-ハロアルコキシであり;
R4は、式R4-1〜R4-7:
【化22】
(式中、波線は結合点を示し、且つ
Xは、直接結合または二価の基CH2、OもしくはNHであり、
R5は、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-ハロアルコキシまたはC3-C6-シクロアルキルであり、
R6は、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルである)
から選択される一価の基である)
で表される化合物またはそれらのN-オキシドもしくは農業上許容可能な塩の使用であって、上記変異がG143Aである、上記使用。
(2) 植物病原性菌類が、アルテルナリア・アルテルナタ(Alternaria alternate)、ブルメリア・グラミニス(Blumeria graminis)、ピリクラリア・オリザエ(Pyriculania oryzae)(マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe gnisea)としても知られている)、セプトリア・トリティシ(Septoria tritici)(ミコスファエレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)としても知られている)、ミコスファエレラ・フィジエンシス(Mycosphaerella fijiensis)、ヴェンチュリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis)、ピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)、ピレノフォラ・トリティシ-レペンティス(Pyrenophona tritici-repentis)およびプラスモパラ・ヴィティコラ(Plasmopara viticola)からなる群から選択される、(1)に記載の使用。
(3) 植物病原菌がセプトリア・トリティシ(Septoria tritici)である、(1)または(2)に記載の使用。
(4) (1)〜(3)のいずれかに記載の植物病原性菌類を駆除する方法であって、(1)〜(3)のいずれかに記載の植物病原性菌類、または(1)〜(3)のいずれかに記載の植物病原性菌類により病気になるリスクのある材料、植物、土壌もしくは種子を、少なくとも1種の(1)に定義される化合物、またはそれを含む組成物の有効量で処理するステップを含んでなる、上記方法。
(5) 以下のステップ:
a) (1)〜(3)のいずれかに記載の植物病原性菌類、または(1)〜(3)のいずれかに記載の植物病原性菌類により病気になるリスクのある材料、植物、土壌もしくは種子を同定するステップ、
および
b) 該菌類または材料、植物、土壌もしくは種子を、少なくとも1種の(1)に定義される化合物、またはそれを含む組成物の有効量で処理するステップ
を含んでなる、(4)に記載の方法。
(6) 式I:
【化23】
(式中:
R1、R2は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニル、C3-C6-シクロアルキルまたはC3-C6-シクロアルキル-C1-C4-アルキルであり、ここで基R1およびR2はシス配向である、
ここでR1および/またはR2の脂肪族部分は、1、2、3個または最大数までの同一のまたは異なる基Raを有していてよく、この基Raは互いに独立して、以下:
ハロゲン、CN、ニトロ、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルキルおよびC1-C4-ハロアルコキシから選択され;
Yは、直接結合または、-OCH2-、-CH2-、-CH2CH2-、-C(Z)=N-O-CH2-、-CHZ-C(Z)=N-O-CH2-、-O-N=C(Z)-C(Z)=N-O-CH2-、-C(=O)-C(Z)=N-O-CH2-および-C(=N-O-Z)-C(Z)=N-O-CH2-から選択される二価の基であり、
ここで、二価の基Yの左側に示される結合はR3に結合し、右側に示される結合はR2で置換されている炭素原子に結合し、且つ
Zは、任意の他のZと同一でも異なっていてもよく、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルであり;
R3は、フェニルまたは3〜10員の飽和、部分不飽和もしくは芳香族の単環式もしくは二環式の複素環であり、ここで複素環の環員原子は、炭素原子に加えてN、OおよびSの群から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含み;
ここで環状基R3は、互いに独立して以下から選択される、1、2、3、4個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Rbを有していてよく;
Rbは、任意の他のRbと同一でも異なっていてもよく、アミノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、ニトロ、CN、カルボキシル、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ、C3-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、C2-C6-アルケニルオキシイミノ-C1-C4-アルキル、C2-C6-アルキニルオキシイミノ-C1-C4-アルキル、C1-C4-アルキルアミノ、C1-C4-アルコキシカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニルオキシ、フェニル、ナフチル、または3〜10員の飽和、部分不飽和もしくは芳香族の単環式または二環式の複素環であり、またはこの複素環は、環員として、炭素原子に加えてN、OおよびSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含み;ここで上記のフェニル基および複素環基Rbは、直接結合、酸素原子または硫黄原子を介して結合し、
且つ
環状基R3の隣接する環員原子に結合している2個の基Rbは、該環員原子と共に、縮合5、6もしくは7員の飽和、部分不飽和または芳香族環(この環は炭素環であっても複素環であってもよい)を形成してよく、ここで縮合複素環の環員原子は、炭素原子に加えてN、OおよびSからなる群から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含み、さらに
ここで、脂肪族基または環状基Rbは、それらの一部として1、2、3個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Rcを有していてよく:
Rcは、任意の他のRcと同一でも異なっていてもよく、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、CN、カルボキシル、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C8-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C6-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、C2-C6-アルケニルオキシイミノ-C1-C4-アルキル、C2-C6-アルキニルオキシイミノ-C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、C1-C6-アルコキシイミノ-、C2-C6-アルケニルオキシイミノ-、C2-C6-アルキニルオキシイミノ-、C2-C6-ハロアルケニルオキシイミノ-、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、フェニル、または、環員として、炭素原子に加えてN、OおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5員の飽和、部分不飽和または芳香族の複素環であり;ここで上記の環状基Rcは、直接結合、酸素原子または硫黄原子を介して結合し、ここで該脂肪族基または環状基Rcは、それらの一部として1、2、3個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Rdを有していてよく:
Rdは、任意の他のRdと同一でも異なっていてもよく、ハロゲン、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルであり;
あるいは
R3は、-CRA=N-O-RBであり、ここで
RAは、アミノ、ヒドロキシル、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ、C3-C6-アルキニルオキシ、C1-C4-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、C1-C4-アルキルアミノ、C1-C4-アルコキシカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニルオキシ、フェニル、フェニル-C1-C4-アルキル、ナフチルまたは3〜10員の飽和、部分不飽和もしくは芳香族の単環式もしくは二環式の複素環であり、またはこの環は、環員として、炭素原子に加えてO、NおよびSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含み;ここで上記の環状基RAは、直接結合、酸素原子または硫黄原子を介して結合し;
RBは、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C3-C6-シクロアルキル、C3-C6-シクロアルケニル、C1-C4-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシカルボニル、フェニル、フェニル-C1-C4-アルキル、ナフチルまたは3〜10員の飽和、部分不飽和もしくは芳香族の単環式もしくは二環式の複素環であり、またはこの環は、環員として、炭素原子に加えてO、NおよびSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含み;
ここで脂肪族基または環状基RAおよび/またはRBは、それらの一部として1、2、3個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Reを有していてよく:
Reは、任意の他のReと同一でも異なっていてもよく、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、CN、カルボキシル、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C8-アルキニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシまたはC1-C4-ハロアルコキシであり;
R4は、式R4-1〜R4-7:
【化24】
(式中、波線は結合点を示し、且つ、
Xは、二価の基OまたはNHであり、
R5は、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-ハロアルコキシまたはC3-C6-シクロアルキルであり、
R6は、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルである)
から選択される一価の基である)
で表される化合物またはそれらのN-オキシドもしくは農業上許容可能な塩であって、
(E)-2-[1-メトキシ-メタ-(E)-イリデン]-5-(4-フェノキシ-フェノキシ)-3-トリフルオロメチル-ペンタ-3-エン酸メチルエステル(207852-99-1)、(E)-2-[1-メトキシ-メタ-(E)-イリデン]-5-(3-フェノキシ-フェノキシ)-3-トリフルオロメチル-ペンタ-3-エン酸メチルエステル(207853-00-7)、(E)-2-[1-メトキシ-メタ-(E)-イリデン]-4-メチル-5-(3-フェノキシ-フェノキシ)-3-トリフルオロメチル-ペンタ-3-エン酸メチルエステル、(E)-5,5,5-トリフルオロ-2-[1-メトキシ-メタ-(E)-イリデン]-3-メチル-4-(4-フェノキシ-フェノキシメチル)-ペンタ-3-エン酸メチルエステル、および(2E,3Z)-2-(エチリデン)-5-フェニル-3-ペンテン酸メチルエステル(CAS-No. 681026-20-0)を除く、前記化合物。
(7) R4が1-メトキシカルボニル-2-メトキシ-エテン-1-イル(XがOである式R4-2)である場合、R1はCF3ではない、(6)に記載の化合物。
(8) R1が、水素、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-クロロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルコキシ-C1-C4-アルキルである、(6)または(7)に記載の化合物。
(9) R1がメチルまたはエチルである、(8)に記載の化合物。
(10) R2が水素である、(6)〜(9)のいずれかに記載の化合物。
(11) Yが、-OCH2-、-CH2CH2-、-C(CH3)=N-O-CH2-、-O-N=C(CH3)-C(CH3)=N-O-CH2-または-C(=N-O-CH3)-C(CH3)=N-O-CH2-である、(6)〜(10)のいずれかに記載の化合物。
(12) R3が、フェニルで置換されているピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリルまたは1,2,4-チアジアゾリルであり、ここで該フェニルは、1、2、3個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Rcを有していてよく:
Rcは、任意の他のRcと同一でも異なっていてもよく、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C2-C4-アルケニル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-アルコキシイミノ-C1-C4-アルキル、フェニル、または環員として、炭素原子に加えてN、OおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5員の飽和、部分不飽和または芳香族の複素環であり;ここで上記の複素環基Rcは、直接結合、酸素原子または硫黄原子を介して結合し、且つそれらの一部として1、2、3個または最大可能数までの同一のまたは異なる基Rdを有していてよい、
(6)〜(11)のいずれかに記載の化合物。
(13) R4が、-C(=NOCH3)-CONHCH3、-C(=NOCH3)-COOCH3、-C(=CHOCH3)-COOCH3、-C(=CHOCH3)-CONHCH3、-N(OCH3)-COOCH3、-N(CH3)-COOCH3または-N(CH2CH3)-COOCH3である、(6)〜(12)のいずれかに記載の化合物。
(14) 助剤および(6)〜(13)のいずれかに定義される少なくとも1種の式Iの化合物、それらのN-オキシドまたは農業上許容可能な塩を含む農薬組成物。
(15) 少なくとも1種のさらなる活性物質を含む、(14)に記載の組成物。
(16) (15)に記載の組成物であって、さらなる活性物質が、以下のクラスA)〜O):
A) 呼吸阻害剤
- Qo部位の複合体III阻害剤(例えばストロビルリン系):アゾキシストロビン、クメトキシストロビン、クモキシストロビン、ジモキシストロビン、エネストロブリン、フェナミンストロビン、フェノキシストロビン/フルフェノキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシム-メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、トリフロキシストロビン、2-[2-(2,5-ジメチル-フェノキシメチル)-フェニル]-3-メトキシ-アクリル酸メチルエステル、および2-(2-(3-(2,6-ジクロロフェニル)-1-メチルアリリデンアミノオキシメチル)-フェニル)-2-メトキシイミノ-N-メチルアセトアミド、ピリベンカルブ、トリクロピリカルブ/クロロジンカルブ、ファモキサドン、フェナミドン;
- Qi部位の複合体III阻害剤:シアゾファミド、アミスルブロム、[(3S,6S,7R,8R)-8-ベンジル-3-[(3-アセトキシ-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボニル)アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-1,5-ジオキソナン-7-イル] 2-メチルプロパノエート、[(3S,6S,7R,8R)-8-ベンジル-3-[[3-(アセトキシメトキシ)-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボニル]アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-1,5-ジオキソナン-7-イル] 2-メチルプロパノエート、[(3S,6S,7R,8R)-8-ベンジル-3-[(3-イソブトキシカルボニルオキシ-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボニル)アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-1,5-ジオキソナン-7-イル] 2-メチルプロパノエート、[(3S,6S,7R,8R)-8-ベンジル-3-[[3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメトキシ)-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボニル]アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-1,5-ジオキソナン-7-イル] 2-メチルプロパノエート;(3S,6S,7R,8R)-3-[[(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-2-ピリジニル)カルボニル]アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-8-(フェニルメチル)-1,5-ジオキソナン-7-イル 2-メチルプロパノエート;
- 複合体II阻害剤(例えばカルボキサミド系):ベノダニル、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、ボスカリド、カルボキシン、フェンフラム、フルオピラム、フルトラニル、フルキサピロキサド、フラメトピル、イソピラザム、メプロニル、オキシカルボキシン、ペンフルフェン、ペンチオピラド、セダキサン、テクロフタラム、チフルザミド、N-(4'-トリフルオロメチルチオビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-(2-(1,3,3-トリメチル-ブチル)-フェニル)-1,3-ジメチル-5-フルオロ-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(トリフルオロメチル)-1-メチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、1,3-ジメチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(トリフルオロメチル)-1,5-ジメチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-1,5-ジメチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド、1,3,5-トリメチル-N-(1,1,3-トリメチリンダン-4-イル)ピラゾール-4-カルボキサミド;
- 他の呼吸阻害剤(例えば複合体I、脱共役剤):ジフルメトリム、(5,8-ジフルオロキナゾリン-4-イル)-{2-[2-フルオロ-4-(4-トリフルオロメチルピリジン-2-イルオキシ)-フェニル]-エチル-アミン;ニトロフェニル誘導体:ビナパクリル、ジノブトン、ジノキャップ、フルアジナム;フェリムゾン;有機金属化合物:フェンチン塩、例えばフェンチン酢酸塩、塩化フェンチンまたは水酸化フェンチン;アメトクラジン;およびシルチオファム;
B) ステロール生合成阻害剤(SBI殺菌剤)
- C14-デメチラーゼ 阻害剤(DMI殺菌剤):トリアゾール系:アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾールM、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、オキスポコナゾール、パクロブトラゾール、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール、ウニコナゾール;1-[rel-(2S;3R)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-オキシラニルメチル]-5-チオシアナト-1H-[1,2,4]トリアゾール、2-[rel-(2S;3R)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-オキシラニルメチル]-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-チオール;イミダゾール系:イマザリル、ペフラゾエート、プロクロラズ、トリフルミゾール;ピリミジン系、ピリジン系およびピペラジン系:フェナリモル、ヌアリモル、ピリフェノックス、トリホリン;
- デルタ14-レダクターゼ阻害剤:アルジモルフ、ドデモルフ、酢酸ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン、ピペラリン、スピロキサミン;
3-ケトレダクターゼ阻害剤:フェンヘキサミド;
C) 核酸合成阻害剤
- フェニルアミドまたはアシルアミノ酸殺菌剤:ベナラキシル、ベナラキシルM、キララキシル、メタラキシル、メタラキシル-M(メフェノキサム)、オフラース、オキサジキシル;
- 他の核酸合成阻害剤:ヒメキサゾール、オクチリノン、オキソリン酸、ブピリメート、5-フルオロシトシン、5-フルオロ-2-(p-トリルメトキシ)ピリミジン-4-アミン、5-フルオロ-2-(4-フルオロフェニルメトキシ)ピリミジン-4-アミン;
D) 細胞分裂および細胞骨格阻害剤
- チューブリン阻害剤(例えばベンズイミダゾール系、チオファネート系):ベノミル、カルベンダジム、フベリダゾール、チアベンダゾール、チオファネートメチル;トリアゾロピリミジン系:5-クロロ-7-(4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン;
- 他の細胞分裂阻害剤:ジエトフェンカルブ、エタボキサム、ペンシクロン、フルオピコリド、ゾキサミド、メトラフェノン、ピリオフェノン;
E) アミノ酸合成およびタンパク質合成阻害剤
- メチオニン合成阻害剤(アニリノピリミジン系):シプロジニル、メパニピリム、ピリメタニル;
- タンパク質合成阻害剤:ブラスチシジンS、カスガマイシン、カスガマイシン塩酸塩水和物、ミルジオマイシン、ストレプトマイシン、オキシテトラサイクリン、ポリオキシン、バリダマイシンA;
F) シグナル伝達阻害剤
- MAP/ヒスチジンキナーゼ阻害剤:フルオロイミド、イプロジオン、プロシミドン、ビンクロゾリン、フェンピクロニル、フルジオキソニル;
- Gタンパク質阻害剤:キノキシフェン;
G) 脂質および膜合成阻害剤
- リン脂質生合成阻害剤:エジフェンホス、イプロベンホス、ピラゾホス、イソプロチオラン;
- 脂質過酸化:ジクロラン、キントゼン、テクナゼン、トルクロホスメチル、ビフェニル、クロロネブ、エトリジアゾール;
- リン脂質生合成および細胞壁沈着:ジメトモルフ、フルモルフ、マンジプロパミド、ピリモルフ、ベンチアバリカルブ、イプロバリカルブ、バリフェナレートおよびN-(1-(1-(4-シアノ-フェニル)-エタンスルホニル)-ブタ-2-イル)カルバミン酸-(4-フルオロフェニル)エステル;
- 細胞膜透過性および脂肪酸に影響を及ぼす化合物:プロパモカルブ、プロパモカルブ塩酸塩;
- 脂肪酸アミドヒドロラーゼ阻害剤:1-[4-[4-[5-(2,6-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-3-イソオキサゾリル]-2-チアゾリル]-1-ピペリジニル]-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]エタノン;
H) 多部位作用を有する阻害剤
- 無機活性物質:ボルドー混合物、酢酸銅、水酸化銅、オキシ塩化銅、塩基性硫酸銅、硫黄;
チオカーバメート系およびジチオカーバメート系:フェルバム、マンコゼブ、マネブ、メタム、メチラム、プロピネブ、チラム、ジネブ、ジラム;
- 有機塩素化合物(例えばフタルイミド系、スルファミド系、クロロニトリル系):アニラジン、クロロタロニル、キャプタホール、キャプタン、ホルペット、ジクロフルアニド、ジクロロフェン、フルスルファミド、ヘキサクロロベンゼン、ペンタクロロフェノールおよびその塩、フタリド、トリルフルアニド、N-(4-クロロ-2-ニトロ-フェニル)-N-エチル-4-メチル-ベンゼンスルホンアミド;
- グアニジンおよびその他:グアニジン、ドジン、ドジン遊離塩基、グアザチン、グアザチン酢酸塩、イミノクタジン、イミノクタジン三酢酸塩、イミノクタジン-トリス(アルベシレート)、ジチアノン、2,6-ジメチル-1H,5H-[1,4]ジチイノ[2,3-c:5,6-c']ジピロール-1,3,5,7(2H,6H)-テトラオン;
I) 細胞壁合成阻害剤
- グルカン合成阻害剤:バリダマイシン、ポリオキシンB;メラニン合成阻害剤:ピロキロン、トリシクラゾール、カルプロパミド、ジシクロメット、フェノキサニル;
J) 植物防御誘導剤
- アシベンゾラルSメチル、プロベナゾール、イソチアニル、チアジニル、プロヘキサジオン-カルシウム;ホスホン酸塩系:ホセチル、ホセチルアルミニウム、亜リン酸およびその塩;
K) 未知の作用機序
- ブロノポール、キノメチオネート、シフルフェナミド、シモキサニル、ダゾメット、デバカルブ、ジクロメジン、ジフェンゾコート、ジフェンゾコートメチルサルフェート、ジフェニルアミン、フェンピラザミン、フルメトベル、フルスルファミド、フルチアニル、メタスルホカルブ、ニトラピリン、ニトロタール-イソプロピル、オキサチアピプロリン、オキシン銅、プロキナジド、テブフロキン、テクロフタラム、トリアゾキシド、2-ブトキシ-6-ヨード-3-プロピルクロメン-4-オン、N-(シクロプロピルメトキシイミノ-(6-ジフルオロ-メトキシ-2,3-ジフルオロ-フェニル)-メチル)-2-フェニルアセトアミド、N'-(4-(4-クロロ-3-トリフルオロメチル-フェノキシ)-2,5-ジメチル-フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、N'-(4-(4-フルオロ-3-トリフルオロメチル-フェノキシ)-2,5-ジメチル-フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、N'-(2-メチル-5-トリフルオロメチル-4-(3-トリメチルシラニル-プロポキシ)-フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、N'-(5-ジフルオロメチル-2-メチル-4-(3-トリメチルシラニル-プロポキシ)-フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、メトキシ-酢酸 6-tert-ブチル-8-フルオロ-2,3-ジメチル-キノリン-4-イルエステル、3-[5-(4-メチルフェニル)-2,3-ジメチル-イソオキサゾリジン-3-イル]-ピリジン、3-[5-(4-クロロ-フェニル)-2,3-ジメチル-イソオキサゾリジン-3-イル]-ピリジン(ピリソキサゾール)、N-(6-メトキシ-ピリジン-3-イル) シクロプロパンカルボン酸アミド、5-クロロ-1-(4,6-ジメトキシ-ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール、2-(4-クロロ-フェニル)-N-[4-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-イソオキサゾール-5-イル]-2-プロパ-2-イニルオキシ-アセトアミド;
L) 抗菌性生物的防除剤、植物生物活性化剤:- アンペロマイセス・キスカリス(Ampelomyces quisqualis)、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)、オウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・サブチリス変型アミロリケファシエンス(Bacillus subtilis var. amyloliquefaciens)FZB24、カンジダ・オレオフィラ(Candida oleophila)I-82、カンジダ・サイトアナ(Candida saitoana)、キトサン、クロノスタキス・ロゼア f. カテヌラータ(Clonostachys rosea f. catenulata)(グリオクラジウム・カテヌラタム(Gliocladium catenulatum)とも呼ばれる)、コニオチリウム・ミニタンス(Coniothyrium minitans)、クリフォネクトリア・パラシティカ(Cryphonectria parasitica)、クリプトコッカス・アルビダス(Cryptococcus albidus)、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、メチニコビア・フルクチコラ(Metschnikowia fructicola)、ミクロドキウム・ジメルム(Microdochium dimerum)、フレビオプシス・ギガンテア(Phlebiopsis gigantea)、シュードジマ・フロックロサ(Pseudozyma flocculosa)、ピシウム・オリガンドラム(Pythium oligandrum)DV74、レイノウトリア・サクリネンシス(Reynoutria sachlinensis)、タラロマイセス・フラバス(Talaromyces flavus)V117b、トリコデルマ・アスペレルム(Trichoderma asperellum)SKT-1、トリコデルマ・アトロビリデ(T. atroviride)LC52、トリコデルマ・ハルジアナム(T. harzianum)T-22、トリコデルマ・ハルジアナム(T. harzianum)TH 35、トリコデルマ・ハルジアナム(T. harzianum)T-39、トリコデルマ・ハルジアナム(T. harzianum)およびトリコデルマ・ビリデ(T. viride)、トリコデルマ・ハルジアナム(T. harzianum)ICC012およびトリコデルマ・ビリデ(T. viride)ICC080、トリコデルマ・ポリスポルム(T. polysporum)およびトリコデルマ・ハルジアナム(T. harzianum)、トリコデルマ・ストロマチクム(T. stromaticum)、トリコデルマ・ビレンス(T. virens)GL-21、トリコデルマ・ビリデ(T. viride)、トリコデルマ・ビリデ(T. viride)TV1、ウロクラジウム・オウデマンシイ(Ulocladium oudemansii)HRU3;
M) 成長調節剤
アブシジン酸、アミドクロール、アンシミドール、6-ベンジルアミノプリン、ブラシノリド、ブトラリン、クロルメコート(塩化クロルメコート)、塩化コリン、シクラニリド、ダミノジド、ジケグラック、ジメチピン、2,6-ジメチルプリジン、エテホン、フルメトラリン、フルルプリミドール、フルチアセット、ホルクロルフェヌロン、ジベレリン酸、イナベンフィド、インドール-3-酢酸、マレイン酸ヒドラジド、メフルイジド、メピコート(塩化メピコート)、ナフタレン酢酸、N-6-ベンジルアデニン、パクロブトラゾール、プロヘキサジオン(プロヘキサジオンカルシウム)、プロヒドロジャスモン、チジアズロン、トリアペンテノール、トリブチルホスホロトリチオエート、2,3,5-トリヨード安息香酸、トリネキサパックエチルおよびウニコナゾール;
N) 除草剤
- アセトアミド系:アセトクロール、アラクロール、ブタクロール、ジメタクロール、ジメテナミド、フルフェナセット、メフェナセット、メトラクロール、メタザクロール、ナプロパミド、ナプロアニリド、ペトキサミド、プレチラクロール、プロパクロール、テニルクロール;
- アミノ酸誘導体系:ビラナホス、グリホサート、グルホシネート、スルホサート;
- アリールオキシフェノキシプロピオネート系:クロジナホップ、シハロホップブチル、フェノキサプロップ、フルアジホップ、ハロキシホップ、メタミホップ、プロパキザホップ、キザロホップ、キザロホップPテフリル;
- ビピリジル系:ジコート、パラコート;
- (チオ)カーバメート系:アシュラム、ブチレート、カルベタミド、デスメジファム、ジメピペレート、エプタム(EPTC)、エスプロカルブ、モリネート、オルベンカルブ、フェンメジファム、プロスルホカルブ、ピリブチカルブ、チオベンカルブ、トリアレート;
- シクロヘキサンジオン系:ブトロキシジム、クレトジム、シクロキシジム、プロホキシジム、セトキシジム、テプラロキシジム、トラルコキシジム;
- ジニトロアニリン系:ベンフルラリン、エタルフルラリン、オリザリン、ペンジメタリン、プロジアミン、トリフルラリン;
- ジフェニルエーテル系:アシフルオルフェン、アクロニフェン、ビフェノックス、ジクロホップ、エトキシフェン、ホメサフェン、ラクトフェン、オキシフルオルフェン;
- ヒドロキシベンゾニトリル系:ブロモキシニル、ジクロベニル、イオキシニル;
- イミダゾリノン系:イマザメタベンズ、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル;
- フェノキシ酢酸系:クロメプロップ、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)、2,4-DB、ジクロルプロップ、MCPA、MCPA-チオエチル、MCPB、メコプロップ;
- ピラジン系:クロリダゾン、フルフェンピルエチル、フルチアセット、ノルフルラゾン、ピリデート;
- ピリジン系:アミノピラリド、クロピラリド、ジフルフェニカン、ジチオピル、フルリドン、フルロキシピル、ピクロラム、ピコリナフェン、チアゾピル;
- スルホニル尿素系:アミドスルフロン、アジムスルフロン、ベンスルフロン、クロリムロンエチル、クロルスルフロン、シノスルフロン、シクロスルファムロン、エトキシスルフロン、フラザスルフロン、フルセトスルフロン、フルピルスルフロン、ホラムスルフロン、ハロスルフロン、イマゾスルフロン、ヨードスルフロン、メソスルフロン、メタゾスルフロン、メトスルフロンメチル、ニコスルフロン、オキサスルフロン、プリミスルフロン、プロスルフロン、ピラゾスルフロン、リムスルフロン、スルホメツロン、スルホスルフロン、チフェンスルフロン、トリアスルフロン、トリベヌロン、トリフロキシスルフロン、トリフルスルフロン、トリトスルフロン、1-((2-クロロ-6-プロピル-イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)スルホニル)-3-(4,6-ジメトキシ-ピリミジン-2-イル)尿素;
- トリアジン系:アメトリン、アトラジン、シアナジン、ジメタメトリン、エチオジン、ヘキサジノン、メタミトロン、メトリブジン、プロメトリン、シマジン、テルブチラジン、テルブトリン、トリアジフラム;
- 尿素系:クロルトルロン、ダイムロン、ジウロン、フルオメツロン、イソプロツロン、リニュロン、メタベンズチアズロン、テブチウロン;
- 他のアセト乳酸合成酵素阻害剤:ビスピリバックナトリウム、クロランスラムメチル、ジクロスラム、フロラスラム、フルカルバゾン、フルメトスラム、メトスラム、オルトスルファムロン、ペノクスラム、プロポキシカルバゾン、ピリバムベンズプロピル、ピリベンゾキシム、ピリフタリド、ピリミノバックメチル、ピリミスルファン、ピリチオバック、ピロキサスルホン、ピロクスラム;
-その他:アミカルバゾン、アミノトリアゾール、アニロホス、ベフルブタミド、ベナゾリン、ベンカルバゾン、ベンフレセート、ベンゾフェナップ、ベンタゾン、ベンゾビシクロン、ビシクロピロン、ブロマシル、ブロモブチド、ブタフェナシル、ブタミホス、カフェンストロール、カルフェントラゾン、シニドンエチル、クロルタール、シンメチリン、クロマゾン、クミルロン、シプロスルファミド、ジカンバ、ジフェンゾコート、ジフルフェンゾピル、ドレクスレラ・モノセラス(Drechslera monoceras)、エンドタール、エトフメセート、エトベンザニド、フェノキサスルホン、フェントラザミド、フルミクロラックペンチル、フルミオキサジン、フルポキサム、フルオロクロリドン、フルルタモン、インダノファン、イソキサベン、イソキサフルトール、レナシル、プロパニル、プロピザミド、キンクロラック、キンメラック、メソトリオン、メチルアルソン酸、ナプタラム、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサジクロメホン、ペントキサゾン、ピノキサデン、ピラクロニル、ピラフルフェンエチル、ピラスルホトール、ピラゾキシフェン、ピラゾリネート、キノクラミン、サフルフェナシル、スルコトリオン、スルフェントラゾン、テルバシル、テフリルトリオン、テムボトリオン、チエンカルバゾン、トプラメゾン、(3-[2-クロロ-4-フルオロ-5-(3-メチル-2,6-ジオキソ-4-トリフルオロメチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル)フェノキシ]-ピリジン-2-イルオキシ)-酢酸エチルエステル、6-アミノ-5-クロロ-2-シクロプロピル-ピリミジン-4-カルボン酸メチルエステル、6-クロロ-3-(2-シクロプロピル-6-メチル-フェノキシ)-ピリダジン-4-オール、4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-フェニル)-5-フルオロ-ピリジン-2-カルボン酸、4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル、および4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-3-ジメチルアミノ-2-フルオロ-フェニル)-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル;
O) 殺虫剤
- 有機(チオ)リン酸塩系:アセフェート、アザメチホス、アジンホスメチル、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、クロルフェンビンホス、ダイアジノン、ジクロルボス、ジクロトホス、ジメトエート、ジスルホトン、エチオン、フェニトロチオン、フェンチオン、イソキサチオン、マラチオン、メタミドホス、メチダチオン、メチルパラチオン、メビンホス、モノクロトホス、オキシデメトンメチル、パラオキソン、パラチオン、フェントエート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホレート、ホキシム、ピリミホスメチル、プロフェノホス、プロチオホス、スルプロホス、テトラクロルビンホス、テルブホス、トリアゾホス、トリクロルホン;
- カーバメート系:アラニカルブ、アルジカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、フェノキシカルブ、フラチオカルブ、メチオカルブ、メソミル、オキサミル、ピリミカルブ、プロポキスル、チオジカルブ、トリアザメート;
- ピレスロイド系:アレスリン、ビフェントリン、シフルトリン、シハロトリン、シフェノトリン、シペルメトリン、アルファシペルメトリン、ベータシペルメトリン、ゼータシペルメトリン、デルタメトリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、イミプロトリン、ラムダシハロトリン、ペルメトリン、プラレトリン、ピレトリンIおよびII、レスメトリン、シラフルオフェン、タウ-フルバリネート、テフルトリン、テトラメトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、プロフルトリン、ジメフルトリン;
- 昆虫成長調節剤:a)キチン合成阻害剤:ベンゾイル尿素系:クロルフルアズロン、シラマジン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、テフルベンズロン、トリフルムロン;ブプロフェジン、ジオフェノラン、ヘキシチアゾックス、エトキサゾール、クロフェンタジン;b)エクジソンアンタゴニスト系:ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド、アザジラクチン;c) 幼若ホルモン様物質:ピリプロキシフェン、メトプレン、フェノキシカルブ;d)脂質生合成阻害剤:スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト;
- ニコチン受容体アゴニスト/アンタゴニスト化合物:クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、チアメトキサム、ニテンピラム、アセタミプリド、チアクロプリド、1-(2-クロロ-チアゾール-5-イルメチル)-2-ニトリミノ-3,5-ジメチル-[1,3,5]トリアジナン;
- GABAアンタゴニスト化合物:エンドスルファン、エチプロール、フィプロニル、バニリプロール、ピラフルプロール、ピリプロール、5-アミノ-1-(2,6-ジクロロ-4-メチル-フェニル)-4-スルフィナモイル-1H-ピラゾール-3-カルボチオ酸アミド;
- 大環状ラクトン殺虫剤系:アバメクチン、エマメクチン、ミルベメクチン、レピメクチン、スピノサド、スピネトラム;
- ミトコンドリアの電子伝達阻害剤(METI)I殺ダニ剤:フェナザキン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、フルフェネリム;
- METI IIおよびIII化合物:アセキノシル、フルアシプリム、ヒドラメチルノン;
- 脱共役剤:クロルフェナピル;
- 酸化的リン酸化阻害剤:シヘキサチン、ジアフェンチウロン、フェンブタチンオキシド、プロパルギット;
- 脱皮攪乱剤化合物:クリオマジン;
- 複合機能オキシダーゼ阻害剤:ピペロニルブトキシド;
- ナトリウムチャネル遮断薬:インドキサカルブ、メタフルミゾン;
- その他:ベンクロチアズ、ビフェナゼート、カルタップ、フロニカミド、ピリダリル、ピメトロジン、硫黄、チオシクラム、フルベンジアミド、クロルアントラニリプロール、シアジピル(HGW86)、シエノピラフェン、フルピラゾホス、シフルメトフェン、アミドフルメット、イミシアホス、ビストリフルロン、およびピリフルキナゾン
から選択される、前記組成物。

図1