特許第6191566号(P6191566)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6191566
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】有機ケイ素化合物
(51)【国際特許分類】
   C07F 7/18 20060101AFI20170828BHJP
   C07F 7/02 20060101ALI20170828BHJP
   C07F 7/04 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   C07F7/18 XCSP
   C07F7/02 A
   C07F7/04 N
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-190794(P2014-190794)
(22)【出願日】2014年9月19日
(65)【公開番号】特開2016-60723(P2016-60723A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2016年8月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
(72)【発明者】
【氏名】打它 晃
(72)【発明者】
【氏名】坂本 隆文
【審査官】 高橋 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−129184(JP,A)
【文献】 特開2004−339200(JP,A)
【文献】 特開平05−194930(JP,A)
【文献】 特開昭60−190457(JP,A)
【文献】 特開2010−084101(JP,A)
【文献】 特開2008−120735(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F 7/18
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)
【化1】

〔式中、R、R及びRは置換又は非置換の炭素原子数1〜12の一価炭化水素基であり、同一でも異なっていてもよい。aは1又は2を示す。〕
で表されるジケテンシリルアセタール型化合物からなるアルコキシシリル化剤
【請求項2】
RとRが互いに異なるものである請求項1記載のジケテンシリルアセタール型化合物からなるアルコキシシリル化剤
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規有機ケイ素化合物に関するものであり、特にアルコキシシリル化剤、硬化剤、表面処理剤、鎖長延長剤、アルコールスカベンジャーなどとしての保存安定剤等として有用な新規有機ケイ素化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン等のオルガノポリシロキサンの末端アルコキシシリル化剤としては、種々のアルコキシシラン類が公知である。例えば、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のシラン類が挙げられ、さらに特許文献1や特許文献2には高活性なアルコキシシリル化剤が開示されている。
しかしながら、従来公知のアルコキシシリル化剤は、反応性等において未だ満足すべきものでなく、さらに反応性等の特性が向上したアルコキシシリル化剤が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2507251号公報
【特許文献2】特開2008−120735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、オルガノポリシロキサンの末端アルコキシシリル化剤や硬化剤等の用途に有用な新規有機ケイ素化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、アクリル酸エステル類とハイドロジェン(アルコキシ)シロキサン化合物とをヒドロシリル化反応させて得られる化合物、特に、下記式(1)で示されるジケテンシリルアセタール型化合物が、反応性等の特性が向上したアルコキシシリル化剤として有用であることを見出し、本発明をなすに至った。
【0006】
即ち、本発明は、下記の有機ケイ素化合物を提供するものである。
〔1〕下記式(1)
【0007】
【化1】
【0008】
〔式中、R、R1及びR2は置換又は非置換の炭素原子数1〜12の一価炭化水素基であり、同一でも異なっていてもよい。aは0〜2の整数を示す。〕
で表されるジケテンシリルアセタール型化合物。
【0009】
〔2〕RとR2が互いに異なるものである〔1〕記載のジケテンシリルアセタール型化合物。
【発明の効果】
【0010】
本発明の新規有機ケイ素化合物は、アルコール類、シラノール類と効率よく反応し、工業的に有用なα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン等のオルガノポリシロキサンの末端アルコキシシリル化剤や硬化剤、あるいはシリカの表面処理剤や鎖長延長剤、アルコール等のスカベンジャーとして脱アルコールタイプRTVの保存安定剤等として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の有機ケイ素化合物は、上記式(1)で表されるジケテンシリルアセタール型化合物である。
【0012】
ここで、前記一般式(1)において、R、R1及びR2で表される炭素原子数1〜12の一価炭化水素基は、直鎖状、環状、分岐状のいずれでもよく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖アルキル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基及びイソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基、2−エチルヘキシル基等の分岐状アルキル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部を塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子で置換したクロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換一価炭化水素基等を挙げることができる。
これらの基は同一であっても異なっていてもよい。本発明において好適なR及びR1はメチル基、エチル基であり、R2は炭素原子数1〜8のアルキル基、特にメチル基、エチル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、2−エチルヘキシル基が好ましい。なお、上記式(1)で表されるジケテンシリルアセタール型化合物は、分子中に加水分解速度の異なる複数種の加水分解性基(即ち、−OR基と−OR2基)を含有することができることから、RとR2については互いに異なるものであることが好ましい。
また、aは0〜2の整数である。
【0013】
上記一般式(1)で表される本発明の有機ケイ素化合物は、そのケイ素−酸素結合が、比較的温和な条件下で開裂するケテンシリルアセタール構造を分子中に二つ有していることから、アルコール類、シラノール類と効率よく反応する。従って、この新規有機ケイ素化合物は、工業的に有用なα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン等のオルガノポリシロキサンの末端アルコキシシリル化剤や硬化剤、あるいはシリカの表面処理剤、アルコール等のスカベンジャーとして脱アルコールタイプRTVの保存安定剤等として有用である。
【0014】
製造方法
本発明のジケテンシリルアセタール型化合物は、アクリル酸エステル類とハイドロジェン(アルコキシ)シロキサン化合物とを反応させることによって製造することができる。この反応式は、例えば次式[1]で表される。
【0015】
【化2】
【0016】
〔式中、R、R、R及びaは前記の通りである。〕
【0017】
この反応は、上記式[1]から明らかな通り、アクリル酸エステル類に対するハイドロジェン(アルコキシ)シロキサン化合物のヒドロシリル(SiH)基の1,4−付加反応である。この場合、本発明において、ハイドロジェン(アルコキシ)シロキサン化合物としては、下記に示すものが好適に用いられる。
【0018】
【化3】
【0019】
(式中、Meはメチル基、Etはエチル基を示す。)
【0020】
このようなハイドロジェン(アルコキシ)シロキサン化合物は、例えば、アルコキシシランを酸または塩基を触媒として加水分解することで得ることができる。
【0021】
一方、上記ハイドロジェン(アルコキシ)シロキサン化合物と反応させて用いるアクリル酸エステル類としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が好適なものとして挙げられる。
【0022】
本発明で用いるハイドロジェン(アルコキシ)シロキサン化合物とアクリル酸エステルの量は、ハイドロジェン(アルコキシ)シロキサン化合物1モルに対してアクリル酸エステル2.0モル以上とすることが好ましい。
【0023】
上記反応は、通常、公知の付加反応触媒の存在下で行われる。かかる触媒としては、白金族金属系触媒、例えば白金系、パラジウム系、ロジウム系のものがあるが、白金系のものが特に好適である。この白金系のものとしては、白金黒あるいはアルミナ、シリカ等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィンとの錯体あるいは白金とビニルシロキサンとの錯体等を例示することができる。これらの触媒の使用量は、所謂触媒量でよく、例えば前記アクリル酸エステルとハイドロジェン(アルコキシ)シロキサン化合物との合計量に対して、白金族金属換算で0.1〜1000ppm、特に0.5〜100ppmの量が好ましい。
【0024】
この反応は、一般に50〜120℃、特に60〜100℃の温度で、0.5〜12時間、特に1〜6時間行うことが望ましく、また溶媒を使用せずに行うことができるが、上記付加反応等に悪影響を与えない限りにおいて、必要によりトルエン、キシレン等の適当な溶媒を使用してもよい。
【0025】
さらに、上記反応において、重合禁止剤を添加してもよい。重合禁止剤としては、イルガノックス1330(チバ・ガイキ社製、商品名)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(チバ・ガイキ社製)等が挙げられる。重合禁止剤の添加量は、一般的な重合禁止剤を用いる際の添加量でよい。
【0026】
また上記式[1]の反応によれば、本発明の有機ケイ素化合物以外に、下記化学式で表される異性体が、副反応生成物として極僅か生成する。
【0027】
【化4】
【0028】
〔式中、R、R1、R及びaは前記の通りである。〕
【0029】
これら副反応生成物の生成量は極僅かであり、また本発明の有機ケイ素化合物の異性体であって、その特性に悪影響を与えないことから、これらを分離することなく、末端アルコキシシリル化剤、シリカの表面処理剤、保存安定剤、硬化剤等の用途に使用することができる。
【実施例】
【0030】
以下、実施例、比較例、参考例及び比較参考例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例において、Meはメチル基、Etはエチル基を表し、「部」は「質量部」を意味する。
【0031】
[合成例1]
攪拌機、還流冷却管、温度計及び滴下ロートを備えた2Lのセパラブルフラスコに、トリメトキシシラン 610g(5モル)、メタノール90gを加え、氷浴下にて4℃まで冷却した。目標温度に到達したのを確認したのち、滴下ロートに純水45g(2.5モル)、濃塩酸0.15g、メタノール45gの混合溶液を加え、温度が10℃以下になるよう滴下した。12時間常温で反応させ、ガスクロマトグラフィーにて反応終了を確認し、50℃、2000Paの条件で蒸留精製することで148.6g(収率30%)の下記化合物1を得た。合成確認はH−NMRにて行った。
[H−NMR、400MHz、CDCl、3.6〜3.8ppm(12H、−OCH)、4.2〜4.5ppm(2H、Si−H)]
【0032】
【化5】
【0033】
[合成例2]
合成例1において、トリメトキシシランをトリエトキシシラン900g(5.0モル)、メタノールをエタノールに変更した以外は同様の手法で合成を行い80℃、2000Paの条件で蒸留精製することで159g(収率25%)の下記化合物2を得た。合成確認はH−NMRにて行った。
[H−NMR、400MHz、CDCl、1.5〜1.7ppm(12H、−OCHCH)、3.7〜3.85ppm(8H、−OCHCH)、4.2〜4.5ppm(2H、Si−H)]
【0034】
【化6】
【0035】
[合成例3]
合成例1において、トリメトキシシランをメチルジメトキシシラン530g(5.0モル)に変更した以外は同様の手法で合成を行い40℃、2000Paの条件で蒸留精製することで83g(収率32%)の下記化合物3を得た。合成確認はH−NMRにて行った。
[H−NMR、400MHz、CDCl、0.2〜0.4ppm(6H、Si−CH)、3.6〜3.8ppm(6H、−OCH)、4.2〜4.5ppm(2H、Si−H)]
【0036】
【化7】
【0037】
[実施例1]
攪拌機、還流冷却管、温度計及び滴下ロートを備えた500mlの四つ口フラスコに、合成例1で得られた化合物1を45g(0.23モル)、塩化白金酸(H2PtCl6・6H2O)0.3g、イルガノックス1330(チバ・ガイギ社製重合禁止剤)0.3g、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(チバ・ガイギ社製重合禁止剤)0.3gを入れ、加熱攪拌しながら温度を50℃に上げた。
次いで、攪拌下で、エチルアクリレート46.05g(0.46モル)を滴下していくと、発熱が認められ、反応温度は50〜60℃となり、4時間、この温度に反応系を保持した。反応終了後、190℃、300Paの条件で減圧蒸留することで69.07g(収率76%)の下記目的化合物4を得た。合成確認はH−NMRにて行った。
[H−NMR、400MHz、CDCl、1.1〜1.3ppm(6H、−OCH2CH3)、1.5〜1.6ppm(6H、−O(CCHCH)O−)、3.5〜3.65ppm(4H、−OCH2CH3)、3.6〜3.8ppm(12H、Si−OCH)、4.0〜4.15ppm(2H、−O(CCHCH)O−)]
【0038】
【化8】
【0039】
[実施例2]
実施例1においてエチルアクリレート46.05gをn−ブチルアクリレート58.96g(0.46モル)に変更した以外は同様の手法で合成した。反応終了後、210℃、300Paの条件で減圧蒸留することで68.06g(収率66%)の下記目的化合物5を得た。合成確認はH−NMRにて行った。
[H−NMR、400MHz、CDCl、0.8〜0.9ppm(6H、−OCH2CH2CH2CH3)、1.2〜1.3ppm(4H、−OCH2CH2CH2CH3)、1.2〜1.3ppm(4H、−OCH2CH2CH2CH3)、1.5〜1.6ppm(6H、−O(CCHCH)O−)、3.5〜3.65ppm(4H、−OCH2CH3)、3.6〜3.8ppm(12H、Si−OCH)、4.0〜4.15ppm(2H、−O(CCHCH)O−)]
【0040】
【化9】
【0041】
[実施例3]
実施例1においてエチルアクリレート46.05gを2−エチルヘキシルアクリレート84.76g(0.46モル)に変更した以外は同様の手法で合成した。目的化合物の蒸留精製が困難であったため、低沸点化合物を減圧留去することで71.34g(収率68%)の下記目的化合物6を得た。合成確認はH−NMRにて行った。
[H−NMR、400MHz、CDCl、0.8〜0.9ppm(12H、−OCH2CH2(CH2CH)CH2CH2CH2CH3)、1.1〜1.6ppm(26H、−OCH2CH2(CH2CH)CH2CH2CH2CH3、−O(CCHCH)O−)、3.5〜3.65ppm(4H、−OCH2CH3)、3.6〜3.8ppm(12H、Si−OCH)、4.0〜4.15ppm(2H、−O(CCHCH)O−)]
【0042】
【化10】
【0043】
[実施例4]
実施例1において化合物1、45g(0.23モル)を化合物2、50.42(0.23モル)に変更した以外は同様の手法で合成した。反応終了後、220℃、300Paの条件で減圧蒸留することで68.06g(収率66%)の下記目的化合物7を得た。合成確認はH−NMRにて行った。
[H−NMR、400MHz、CDCl、1.1〜1.3ppm(18H、−OCH2CH3、Si−OCH2CH3)、1.5〜1.6ppm(6H、−O(CCHCH)O−)、3.5〜3.65ppm(4H、−OCH2CH3)、3.7〜3.9ppm(8H、Si−OCH2CH3)、4.0〜4.15ppm(2H、−O(CCHCH)O−)]
【0044】
【化11】
【0045】
[実施例5]
実施例1において化合物1、45g(0.23モル)を化合物3、38.25(0.23モル)に変更した以外と同様の手法で合成した。反応終了後、170℃、300Paの条件で減圧蒸留することで60.70g(収率72%)の下記目的化合物8を得た。合成確認はH−NMRにて行った。
[H−NMR、400MHz、CDCl、0.2〜0.4ppm(6H、Si−CH)、1.1〜1.3ppm(6H、−OCH2CH3)、1.5〜1.6ppm(6H、−O(CCHCH)O−)、3.5〜3.65ppm(4H、−OCH2CH3)、3.6〜3.8ppm(6H、Si−OCH)、4.0〜4.15ppm(2H、−O(CCHCH)O−)]
【0046】
【化12】
【0047】
[参考例1]
粘度20000mPa・sの分子鎖両末端が水酸基で封鎖されたジメチルポリシロキサン100部と化合物4を5部、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシランを0.6部加え、湿気遮断下で均一になるまで混合して組成物を調製した。
【0048】
[参考例2]
参考例1において、化合物4の代わりに、化合物5を5部用いた以外は同様に組成物を調製した。
【0049】
[参考例3]
参考例1において、化合物4の代わりに、化合物6を5部用いた以外は同様に組成物を調製した。
【0050】
[参考例4]
参考例1において、化合物4の代わりに、化合物7を5部用いた以外は同様に組成物を調製した。
【0051】
[参考例5]
参考例1において、化合物4の代わりに、化合物8を5部用いた以外は同様に組成物を調製した。
【0052】
[比較参考例1]
参考例1において、化合物4の代わりに、ビニルトリメトキシシラン5部を用いた以外は同様に組成物を調製した。
【0053】
[比較参考例2]
参考例1において、化合物4の代わりに、化合物9(下記式9)5部を用いた以外は同様に組成物を調製した。
【0054】
【化13】
【0055】
[比較参考例3]
参考例1において、化合物4の代わりに、化合物10(下記式10)5部を用いた以外は同様に組成物を調製した。
【0056】
【化14】
【0057】
試験例
次に、各参考例及び比較参考例で調製された調製直後の各組成物を厚さ2mmのシート状に押し出し、23℃,50%RHの空気に曝し、次いで、該シートを同じ雰囲気下に7日間放置して得た硬化物の物性を、JIS K−6249に準拠して測定した。なお、硬さは、JIS K−6249のデュロメーターA硬度計を用いて測定した。
指触乾燥時間(タックフリータイム)はアルコール洗浄した中指でシリコーン組成物を指触し、付着がなくなる時間とした。
また、内径が28mm、深さが15mmのガラス製容器に各組成物を充填し、23℃,50%RHの空気に曝し、24時間経過後、空気に触れた部分から硬化していく厚さを測定した(硬化膜厚)。
【0058】
表1に参考例1〜5及び比較参考例1〜3の結果を示す。
【0059】
【表1】
*硬化被膜が柔らかすぎてガラス容器からの離形が困難。
【0060】
以上のように、本発明の有機ケイ素化合物(ジケテンシリルアセタール型化合物)は、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン等のオルガノポリシロキサンの硬化剤として優れていることが分かる。