特許第6191831号(P6191831)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6191831
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】レジスト下層膜形成組成物
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/11 20060101AFI20170828BHJP
   G03F 7/26 20060101ALI20170828BHJP
   C08G 8/00 20060101ALI20170828BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   G03F7/11 503
   G03F7/26 511
   C08G8/00 Z
   H01L21/30 573
【請求項の数】5
【全頁数】44
(21)【出願番号】特願2014-529489(P2014-529489)
(86)(22)【出願日】2013年8月5日
(86)【国際出願番号】JP2013071134
(87)【国際公開番号】WO2014024836
(87)【国際公開日】20140213
【審査請求日】2016年7月25日
(31)【優先権主張番号】特願2012-178290(P2012-178290)
(32)【優先日】2012年8月10日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003986
【氏名又は名称】日産化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】西巻 裕和
(72)【発明者】
【氏名】橋本 圭祐
(72)【発明者】
【氏名】新城 徹也
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 貴文
(72)【発明者】
【氏名】坂本 力丸
【審査官】 倉持 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−117629(JP,A)
【文献】 特開2012−098431(JP,A)
【文献】 特開2010−529499(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0322010(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/11
C08G 8/00
G03F 7/26
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1a)、式(1b)及び式(1c):
【化1】

[式中、2つのRはそれぞれ独立に炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数2乃至6のアルケニル基、芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、ニトロ基又はアミノ基を表し、2つのRはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数2乃至6のアルケニル基、アセタール基、アシル基又はグリシジル基を表し、Rは置換基を有してもよい芳香族炭化水素基を表し、Rは水素原子、フェニル基又はナフチル基を表し、同一の炭素原子と結合するRとRがそれぞれフェニル基を表すとき互いに結合してフルオレン環を形成してもよく、式(1b)において2つのRが表す基及び2つのRが表す原子又は基は互いに異なっていてもよく、2つのkはそれぞれ独立に0又は1を表し、mは3乃至500の整数を表し、n、n及びnは2乃至500の整数を表し、pは3乃至500の整数を表し、Xは単結合又はヘテロ原子を表し、2つのQはそれぞれ独立に下記式(2):
【化2】

(式中、2つのR、2つのR、2つのR、2つのR、2つのk、n、n及びXは式(1b)と同義であり、2つのQはそれぞれ独立に前記式(2)で表される構造単位を表す。)
で表される構造単位を表す。]
で表される繰り返し構造単位のうちいずれか1つ又は2つ以上を有するポリマー及び溶剤を含むレジスト下層膜形成組成物。
【請求項2】
前記ポリマーは、少なくとも1種のビフェノール化合物又はビスフェノール化合物と少なくとも1種の芳香族アルデヒド又は芳香族ケトンとを、酸触媒の存在下、重合反応させて合成されるものである請求項1に記載のレジスト下層膜形成組成物。
【請求項3】
前記Rが表す芳香族炭化水素基はフェニル基、ナフチル基、アントリル基又はピレニル基である請求項1に記載のレジスト下層膜形成組成物。
【請求項4】
架橋剤、酸性化合物、熱酸発生剤及び界面活性剤のうち少なくとも1つをさらに含有する請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のレジスト下層膜形成組成物を段差、凹部及び/又は凸部を有する表面に塗布しベークすることにより第1のレジスト下層膜を形成する工程、前記第1のレジスト下層膜上にオルガノポリシロキサン膜を第2のレジスト下層膜として形成する工程、前記第2のレジスト下層膜上にレジストパターンを形成する工程、前記レジストパターンをマスクとして前記第2のレジスト下層膜をエッチングする工程、エッチング後の前記第2のレジスト下層膜のパターンをマスクとして前記第1のレジスト下層膜をエッチングする工程、及びエッチング後の前記第1のレジスト下層膜のパターンをマスクとして前記段差、凹部及び/又は凸部を有する表面をエッチングする工程を含む半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リソグラフィープロセス用レジスト下層膜形成組成物に関する。特に、マスク材として使用するとき耐エッチング性を有すると共に、段差、凹部及び/又は凸部を有する表面の埋め込み性を有するレジスト下層膜を形成するための組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造において、リソグラフィープロセスによる微細加工が行われる。そのリソグラフィープロセスでは、基板上のレジスト層をKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー等紫外線レーザーで露光する際、基板表面に該紫外線レーザーが反射することに起因し発生する定在波による影響で、所望の形状を有するレジストパターンが形成されない問題が知られている。その問題を解決するため、基板とレジスト層の間にレジスト下層膜(反射防止膜)を設けることが採用されている。そして、レジスト下層膜を形成するための組成物として、ノボラック樹脂を用いることが知られている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、ビスフェノール基を有する化合物をノボラック化した繰り返し単位を有する樹脂を含有するフォトレジスト下層膜形成材料が開示されている。さらに、特許文献3には、ポリマーの主鎖中に3つ又はそれ以上縮合した芳香族環を有するポリマーを含む、スピンコート可能な反射防止膜組成物が開示されている。しかしながら、特許文献1乃至3には、上記縮合した芳香族環を側鎖に有するポリマーを含むレジスト下層膜形成組成物は記載も示唆もない。
【0003】
レジストパターンの微細化に伴い求められるレジスト層の薄膜化のため、レジスト下層膜を少なくとも2層形成し、該レジスト下層膜をマスク材として使用する、リソグラフィープロセスも知られている。前記少なくとも2層を形成する材料として、有機樹脂(例えば、アクリル樹脂、ノボラック樹脂)、ケイ素樹脂(例えば、オルガノポリシロキサン)、無機ケイ素化合物(例えば、SiON、SiO)が挙げられる。上記有機樹脂層から形成されるパターンをマスクとしてドライエッチングする際、該パターンがエッチングガス(例えばフルオロカーボン)に対し耐エッチング性を有することが必要である。このような有機樹脂層を形成するための組成物として、例えば特許文献4には複素環芳香族部分を含む重合体を含有する組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−259249号公報
【特許文献2】特開2007−316282号公報
【特許文献3】特表2010−528334号公報
【特許文献4】特開2007−017976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、フルオロカーボンのようなエッチングガスに対し耐エッチング性を有すると共に、段差、凹部及び/又は凸部を有する表面の埋め込み性を有するレジスト下層膜を形成するための組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、下記式(1a)、式(1b)及び式(1c):
【化1】

[式中、2つのRはそれぞれ独立に炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数2乃至6のアルケニル基、芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、ニトロ基又はアミノ基を表し、2つのRはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数2乃至6のアルケニル基、アセタール基、アシル基又はグリシジル基を表し、Rは置換基を有してもよい芳香族炭化水素基を表し、Rは水素原子、フェニル基又はナフチル基を表し、同一の炭素原子と結合するRとRがそれぞれフェニル基を表すとき互いに結合してフルオレン環を形成してもよく、式(1b)において2つのRが表す基及び2つのRが表す原子又は基は互いに異なっていてもよく、2つのkはそれぞれ独立に0又は1を表し、mは3乃至500の整数を表し、n、n及びnは2乃至500の整数を表し、pは3乃至500の整数を表し、Xは単結合又はヘテロ原子を表し、2つのQはそれぞれ独立に下記式(2):
【化2】

(式中、2つのR、2つのR、2つのR、2つのR、2つのk、n、n及びXは式(1b)と同義であり、2つのQはそれぞれ独立に前記式(2)で表される構造単位を表す。)
で表される構造単位を表す。]
で表される繰り返し構造単位のうちいずれか1つ又は2つ以上を有するポリマー及び溶剤を含むレジスト下層膜形成組成物である。
【0007】
上記Xが単結合を表すとき、式(1a)、式(1b)及び式(1c)の2つのベンゼン環が単結合によって直結したビフェニル構造となる。上記Xがヘテロ原子を表すとき、該へテロ原子は、炭素原子及び水素原子以外の原子であって、二価の基を形成しうる原子であり、例えば硫黄原子、酸素原子が挙げられる。上記Rがハロゲン原子を表すとき、該ハロゲン原子として、例えば塩素原子、臭素原子が挙げられる。上記芳香族炭化水素基の芳香環は、単環、多環(二環を含む)、複素環いずれでもよく、例えばフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基、チエニル基、ピリジル基が挙げられる。上記Rが表す置換基を有してもよい芳香族炭化水素基として、耐エッチング性及び埋め込み性の観点からフェニル基、ナフチル基、アントリル基及びピレニル基が好ましい。そして、芳香族炭化水素基の置換基として、例えばメトキシ基、アルデヒド基が挙げられる。
【0008】
本発明のレジスト下層膜形成組成物は、さらに任意成分として、架橋剤、酸性化合物、熱酸発生剤及び界面活性剤のうち少なくとも1つを含有してもよい。
【0009】
本発明の第2の態様は、本発明のレジスト下層膜形成組成物を段差、凹部及び/又は凸部を有する表面に塗布しベークすることにより第1のレジスト下層膜を形成する工程、前記第1のレジスト下層膜上にオルガノポリシロキサン膜を第2のレジスト下層膜として形成する工程、前記第2のレジスト下層膜上にレジストパターンを形成する工程、前記レジストパターンをマスクとして前記第2のレジスト下層膜をエッチングする工程、エッチング後の前記第2のレジスト下層膜のパターンをマスクとして前記第1のレジスト下層膜をエッチングする工程、及びエッチング後の前記第1のレジスト下層膜のパターンをマスクとして前記段差、凹部及び/又は凸部を有する表面をエッチングする工程を含む、半導体装置の製造方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明のレジスト下層膜形成組成物を用いて形成されるレジスト下層膜は、フルオロカーボンのようなエッチングガスに対し耐エッチング性を有すると共に、凹部及び/又は凸部を有する表面の埋め込み性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施例1で調製したレジスト下層膜形成組成物を用いて埋め込み試験を行った結果を示す断面SEM写真である。
図2図2は、実施例2で調製したレジスト下層膜形成組成物を用いて埋め込み試験を行った結果を示す断面SEM写真である。
図3図3は、実施例3で調製したレジスト下層膜形成組成物を用いて埋め込み試験を行った結果を示す断面SEM写真である。
図4図4は、実施例4で調製したレジスト下層膜形成組成物を用いて埋め込み試験を行った結果を示す断面SEM写真である。
図5図5は、実施例5で調製したレジスト下層膜形成組成物を用いて埋め込み試験を行った結果を示す断面SEM写真である。
図6図6は、実施例6で調製したレジスト下層膜形成組成物を用いて埋め込み試験を行った結果を示す断面SEM写真である。
図7図7は、実施例7で調製したレジスト下層膜形成組成物を用いて埋め込み試験を行った結果を示す断面SEM写真である。
図8図8は、実施例8で調製したレジスト下層膜形成組成物を用いて埋め込み試験を行った結果を示す断面SEM写真である。
図9図9は、実施例9で調製したレジスト下層膜形成組成物を用いて埋め込み試験を行った結果を示す断面SEM写真である。
図10図10は、実施例10で調製したレジスト下層膜形成組成物を用いて埋め込み試験を行った結果を示す断面SEM写真である。
図11図11は、実施例11で調製したレジスト下層膜形成組成物を用いて埋め込み試験を行った結果を示す断面SEM写真である。
図12図12は、実施例12で調製したレジスト下層膜形成組成物を用いて埋め込み試験を行った結果を示す断面SEM写真である。
図13図13は、実施例13で調製したレジスト下層膜形成組成物を用いて埋め込み試験を行った結果を示す断面SEM写真である。
図14図14は、実施例14で調製したレジスト下層膜形成組成物を用いて埋め込み試験を行った結果を示す断面SEM写真である。
図15図15は、実施例15で調製したレジスト下層膜形成組成物を用いて埋め込み試験を行った結果を示す断面SEM写真である。
図16図16は、実施例16で調製したレジスト下層膜形成組成物を用いて埋め込み試験を行った結果を示す断面SEM写真である。
図17図17は、実施例17で調製したレジスト下層膜形成組成物を用いて埋め込み試験を行った結果を示す断面SEM写真である。
図18図18は、実施例18で調製したレジスト下層膜形成組成物を用いて埋め込み試験を行った結果を示す断面SEM写真である。
図19図19は、実施例19で調製したレジスト下層膜形成組成物を用いて埋め込み試験を行った結果を示す断面SEM写真である。
図20図20は、実施例20で調製したレジスト下層膜形成組成物を用いて埋め込み試験を行った結果を示す断面SEM写真である。
図21図21は、比較例3で調製したレジスト下層膜形成組成物を用いて埋め込み試験を行った結果を示す断面SEM写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のレジスト下層膜形成組成物に含まれる上記式(1a)で表される繰り返し構造単位を有するポリマーの構造単位として、例えば下記式(1−1)乃至式(1−36)で表される構造単位が挙げられ、上記式(1b)で表される繰り返し構造単位を有するポリマーの構造単位として、例えば下記式(1−37)乃至式(1−72)で表される構造単位が挙げられ、上記式(1c)で表される繰り返し構造単位を有するポリマーの構造単位として、例えば下記式(1−73)乃至式(1−108)で表される構造単位が挙げられる。なお、式(1−37)乃至式(1−72)において、2つのQ、n及びnは上記式(1b)と同義である。
【化3】

【化4】

【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】

【化10】

【化11】

【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【0013】
本発明のレジスト下層膜形成組成物に含まれるポリマーの重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算値で例えば1000乃至5000である。
【0014】
前記ポリマーは、2つのヒドロキシフェニル基を有するビフェノール化合物又はビスフェノール化合物と芳香族アルデヒド又は芳香族ケトンとを、スルホン酸化合物などの酸触媒の存在下で重合反応させて合成される。2つのヒドロキシフェニル基を有するビフェノール化合物又はビスフェノール化合物として、例えば、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、2,4’−ビフェノール、4,4’−チオジフェノール、4,4’−オキシジフェノールが挙げられる。前記ポリマーの合成に用いられる芳香族アルデヒドとしては、例えば、フルフラール、ピリジンカルボキシアルデヒド、ベンズアルデヒド、ナフチルアルデヒド、アントリルアルデヒド、フェナントリルアルデヒド、サリチルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、3−フェニルプロピオンアルデヒド、トリルアルデヒド、(N,N−ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド、アセトキシベンズアルデヒド、1−ピレンカルボキシアルデヒド、アニスアルデヒドが挙げられ、フルフラール、ピリジンカルボキシアルデヒドのような芳香族複素環を有するアルデヒドを除く芳香族アルデヒドを好ましく用いることができる。また、前記ポリマーの合成に用いられる芳香族ケトンは、ジアリールケトン類であり、例えば、ジフェニルケトン、フェニルナフチルケトン、ジナフチルケトン、フェニルトリルケトン、ジトリルケトン、9−フルオレノンが挙げられる。前記ポリマーの合成に使用されるビフェノール化合物又はビスフェノール化合物は1種の化合物に限定されず2種以上用いてもよく、芳香族アルデヒド又は芳香族ケトンも1種の化合物に限定されず2種以上用いてもよい。例えば、ビフェノール化合物として4,4−ビフェノール、芳香族アルデヒドとしてベンズアルデヒドとナフチルアルデヒドを用いることができる。
【0015】
本発明のレジスト下層膜形成組成物は、さらに架橋剤を含有することができる。前記架橋剤としては、少なくとも二つの架橋形成置換基を有する架橋性化合物が好ましく用いられる。例えば、メチロール基、メトキシメチル基等の架橋形成置換基を有する、メラミン系化合物、置換尿素系化合物及びフェノール系化合物が挙げられる。具体的には、メトキシメチル化グリコールウリル、メトキシメチル化メラミンなどの化合物であり、例えば、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラブトキシメチルグリコールウリル、ヘキサメトキシメチルメラミンを挙げることができる。さらに、置換尿素系化合物として、例えば、テトラメトキシメチル尿素、テトラブトキシメチル尿素を挙げることができる。フェノール系化合物として、例えば、テトラヒドロキシメチルビフェノール、テトラメトキシメチルビフェノール(TMOM−BP)、テトラメトキシメチルビスフェノールを挙げることができる。
前記架橋剤としては、また、少なくとも二つのエポキシ基を有する化合物を用いることもできる。このような化合物として、例えば、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−4−(エポキシエチル)シクロヘキサン、グリセロールトリグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、2,6−ジグリシジルフェニルグリシジルエーテル、1,1,3−トリス[p−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]プロパン、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、(株)ダイセル製のエポリード〔登録商標〕GT−401、同GT−403、同GT−301、同GT−302、セロキサイド〔登録商標〕2021、同3000、三菱化学(株)製の1001、1002、1003、1004、1007、1009、1010、828、807、152、154、180S75、871、872、日本化薬(株)製のEPPN201、同202、EOCN−102、同103S、同104S、同1020、同1025、同1027、ナガセケムテックス(株)製のデナコール〔登録商標〕EX−252、同EX−611、同EX−612、同EX−614、同EX−622、同EX−411、同EX−512、同EX−522、同EX−421、同EX−313、同EX−314、同EX−321、BASFジャパン(株)製のCY175、CY177、CY179、CY182、CY184、CY192、DIC(株)製のエピクロン200、同400、同7015、同835LV、同850CRPを挙げることができる。前記少なくとも二つのエポキシ基を有する化合物としては、また、アミノ基を有するエポキシ樹脂を使用することもできる。このようなエポキシ樹脂として、例えば、YH−434、YH−434L(新日化エポキシ製造(株)(旧東都化成(株))製)が挙げられる。
前記架橋剤としては、また、少なくとも2つのブロックイソシアネート基を有する化合物を使用することもできる。このような化合物として、例えば、三井化学(株)製のタケネート〔登録商標〕B−830、同B−870N、エボニックデグサ社製のVESTANAT〔登録商標〕B1358/100が挙げられる。
前記架橋剤としては、また、少なくとも2つのビニルエーテル基を有する化合物を使用することもできる。このような化合物として、例えば、ビス(4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメチル)グルタレート、トリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル、アジピン酸ジビニルエステル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、1,2,4−トリス(4−ビニルオキシブチル)トリメリテート、1,3,5−トリス(4−ビニルオキシブチル)トリメリテート、ビス(4−(ビニルオキシ)ブチル)テレフタレート、ビス(4−(ビニルオキシ)ブチル)イソフタレート、エチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、テトラメチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル及びシクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルを挙げることができる。
これらの各種架橋剤から選択された1種類を添加してもよいし、2種以上を組合せて添加することもできる。前記架橋剤の含有割合は、本発明のレジスト下層膜形成組成物から後述する溶剤を除いた固形分に対して、例えば2質量%乃至60質量%である。
【0016】
本発明のレジスト下層膜形成組成物は、さらに酸性化合物を含有することができる。前記酸性化合物は架橋反応を促進する触媒としてはたらき、例えば、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ピリジニウム−p−トルエンスルホネート、サリチル酸、カンファースルホン酸、5−スルホサリチル酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、クエン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸等のスルホン酸化合物及びカルボン酸化合物、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸を挙げることができる。上記酸性化合物に代えて、又は上記酸性化合物と共に、熱酸発生剤を含有することができる。前記熱酸発生剤も架橋反応を促進する触媒としてはたらき、例えばトリフルオロメタンスルホン酸の第4級アンモニウム塩を挙げることができる。これらの酸性化合物及び熱酸発生剤から選択された1種類を添加してもよいし、2種以上を組合せて添加することもできる。前記酸性化合物又は熱酸発生剤の含有割合は、本発明のレジスト下層膜形成組成物から後述する溶剤を除いた固形分に対して、例えば0.1質量%乃至20質量%である。
【0017】
本発明のレジスト下層膜形成組成物は、さらに界面活性剤を含有することができる。前記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトップ〔登録商標〕EF301、同EF303、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、メガファック〔登録商標〕F171、同F173、同R−30、同R−30−N(DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード〔登録商標〕AG710、サーフロン〔登録商標〕S−382、同SC101、同SC102、同SC103、同SC104、同SC105、同SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)を挙げることができる。これらの界面活性剤から選択された1種類を添加してもよいし、2種以上を組合せて添加することもできる。前記界面活性剤の含有割合は、本発明のレジスト下層膜形成組成物から後述する溶剤を除いた固形分に対して、例えば0.01質量%乃至5質量%である。
【0018】
本発明のレジスト下層膜形成組成物は、上記の各成分を適当な溶剤に溶解させることによって調製でき、均一な溶液状態で用いられる。そのような溶剤として、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンを挙げることができる。これらの有機溶剤は1種、又は2種以上を組合せて使用することができる。前記組成物から有機溶剤を除いた固形分の割合は、例えば0.5質量%乃至30質量%、好ましくは0.8質量%乃至15質量%である。
【0019】
本発明のレジスト下層膜形成組成物を段差、凹部及び/又は凸部を有する表面へ塗布しベークする工程は、段差、凹部及び/又は凸部を有する表面を有する基板(例えば、配線、その他構造体が形成されているシリコンウェハー、該シリコンウェハーは酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、又はアルミニウム、タングステンなどの金属膜で被覆されていてもよい。)の上に、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により該組成物を塗布し、その後、ホットプレート等の加熱手段を用いてベークすることにより行われる。ベーク条件としては、ベーク温度100℃乃至400℃、ベーク時間0.3分乃至10分間の中から適宜選択される。
【0020】
前記工程により形成した第1のレジスト下層膜上にオルガノポリシロキサン膜を第2のレジスト下層膜として形成し、その上にレジストパターンを形成する。該レジストパターンを形成する工程において、露光は所定のパターンを形成するためのマスク(レチクル)を通して又は直接描画により行なわれる。露光源には、例えば、g線、i線、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EUV、電子線を使用することができる。露光後、必要に応じて露光後加熱(Post ExposureBake)が行なわれる。その後、現像液(例えば2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)により現像し、さらにリンス液又は純水ですすぎ、使用した現像液を除去する。その後、レジストパターンの乾燥及び下地との密着性を高めるためポストベークを行う。
【0021】
前記レジストパターン形成後に行われるエッチング工程は、ドライエッチングにより行われる。ドライエッチングに使用するエッチングガスとして、第2のレジスト下層膜(オルガノポリシロキサン膜)に対しては例えばCHF、CF、Cが挙げられ、本発明のレジスト下層膜形成組成物から形成された第1のレジスト下層膜に対しては例えばO、NO、NOが挙げられ、段差又は凹部及び/又は凸部を有する表面に対しては例えばCHF、CF、Cが挙げられる。さらに、これらのガスにアルゴン、窒素又は二酸化炭素を混合して使用することができる。
【0022】
以下、本発明について合成例及び実施例を挙げて説明するが、本発明は下記記載によって限定されるものではない。
【実施例】
【0023】
下記合成例1乃至合成例3、比較合成例1及び比較合成例2に示す重量平均分子量及び多分散度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、本明細書ではGPCと略称する。)による測定結果に基づく。測定には、東ソー(株)製GPC装置を用い、測定条件は下記のとおりである。
GPCカラム:TSKgel SuperMultipore〔登録商標〕Hz−N(東ソー(株))
カラム温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
流量:0.35ml/分
標準試料:ポリスチレン(東ソー(株))
【0024】
(合成例1)
窒素下、300mL四口フラスコに4,4’−ビフェノール(15.00g、0.0806mol、東京化成工業(株)製)、1−ピレンカルボキシアルデヒド(18.548g、0.0806mol、アルドリッチ社製)及びパラトルエンスルホン酸一水和物(33.2096g、0.0161mol、東京化成工業(株)製)を加え、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテル(44.93g、関東化学(株)製)を仕込み、撹拌し、120℃まで昇温して溶解させ、重合を開始した。24時間後室温まで放冷し、メタノール(1800g、関東化学(株)製)中へ再沈殿させた。得られた沈殿物をろ過し、減圧乾燥機で50℃、10時間乾燥し、目的とするポリマー(以下、本明細書では4,4’−BPOH−Pyと略称する。)19.08gを得た。4,4’−BPOH−Pyの、GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは2200、多分散度Mw/Mnは2.10であった。本合成例で得られたポリマーは、式(1−4)で表される構造単位と式(1−76)で表される構造単位を有する。
【0025】
(合成例2)
窒素下、1000mL四口フラスコに2,2’−ビフェノール(70.00g、0.3759mol、東京化成工業(株)製)、1−ピレンカルボキシアルデヒド(86.559g、0.3759mol、アルドリッチ社製)及びメタンスルホン酸(10.8389g、0.1126mol、東京化成工業(株)製)を加え、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテル(167.40g、関東化学(株)製)を仕込み、撹拌し、120℃まで昇温して溶解させ、重合を開始した。24時間後室温まで放冷し、メタノール(3000g、関東化学(株)製)中へ再沈殿させた。得られた沈殿物をろ過し、減圧乾燥機で50℃、10時間乾燥し、目的とするポリマー(以下、本明細書では2,2’−BPOH−Pyと略称する。)84.1gを得た。2,2’−BPOH−Pyの、GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1400、多分散度Mw/Mnは1.49であった。本合成例で得られたポリマーは、式(1−16)で表される構造単位と式(1−88)で表される構造単位を有する。
【0026】
(合成例3)
窒素下、200mL四口フラスコに4,4’−チオジフェノール(12.50g、0.0573mol、東京化成工業(株)製)、1−ピレンカルボキシアルデヒド(13.19g、0.0573mol、東京化成工業(株)製)及びメタンスルホン酸(1.1008g、0.0115mol、関東化学(株)製)を加え、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテル(32.74g、関東化学(株)製)を仕込み、撹拌し、120℃まで昇温して溶解させ、重合を開始した。24時間後室温まで放冷し、メタノール(1000g、関東化学(株)製)中へ再沈殿させた。得られた沈殿物をろ過し、減圧乾燥機で50℃、10時間さらに120℃、24時間乾燥し、目的とするポリマー(以下、本明細書ではTDP−Pyと略称する。)11.6gを得た。TDP−Pyの、GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1010、多分散度Mw/Mnは1.67であった。本合成例で得られたポリマーは、式(1−28)で表される構造単位と式(1−100)で表される構造単位を有する。
【0027】
(合成例4)
窒素下、300mL四口フラスコに4,4’−ビフェノール(10.00g、0.0537mol、東京化成工業(株)製)、1−ピレンカルボキシアルデヒド(24.731g、0.1074mol、アルドリッチ社製)及びパラトルエンスルホン酸一水和物(4.2795g、0.0215mol、東京化成工業(株)製)を加え、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテル(47.68g、関東化学(株)製)を仕込み、撹拌し、120℃まで昇温して溶解させ、重合を開始した。24時間後室温まで放冷し、メタノール(1800g、関東化学(株)製)中へ再沈殿させた。得られた沈殿物をろ過し、減圧乾燥機で50℃、10時間乾燥し、目的とするポリマー(以下、本明細書では4,4’−BPOH−Py2と略称する。)21.58gを得た。4,4’−BPOH−Py2の、GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは2180、多分散度Mw/Mnは2.11であった。本合成例で得られたポリマーは、式(1−40)で表される構造単位を有する。
【0028】
(合成例5)
窒素下、1000mL四口フラスコに2,2’−ビフェノール(25.00g、0.1343mol、東京化成工業(株)製)、1−ピレンカルボキシアルデヒド(61.828g、0.2685mol、アルドリッチ社製)及びメタンスルホン酸(7.7421g、0.0806mol、東京化成工業(株)製)を加え、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテル(94.57g、関東化学(株)製)を仕込み、撹拌し、120℃まで昇温して溶解させ、重合を開始した。24時間後室温まで放冷し、メタノール(3000g、関東化学(株)製)中へ再沈殿させた。得られた沈殿物をろ過し、減圧乾燥機で50℃、10時間乾燥し、目的とするポリマー(以下、本明細書では2,2’−BPOH−Py2と略称する。)68.22gを得た。2,2’−BPOH−Py2の、GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1270、多分散度Mw/Mnは1.77であった。本合成例で得られたポリマーは、式(1−52)で表される構造単位を有する。
【0029】
(合成例6)
窒素下、200mL四口フラスコに4,4’−チオジフェノール(8.00g、0.0367mol、東京化成工業(株)製)、1−ピレンカルボキシアルデヒド(16.88g、0.0773mol、東京化成工業(株)製)及びメタンスルホン酸(1.4090g、0.0147mol、関東化学(株)製)を加え、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテル(32.13g、関東化学(株)製)を仕込み、撹拌し、120℃まで昇温して溶解させ、重合を開始した。24時間後室温まで放冷し、メタノール(1000g、関東化学(株)製)中へ再沈殿させた。得られた沈殿物をろ過し、減圧乾燥機で50℃、10時間さらに120℃、24時間乾燥し、目的とするポリマー(以下、本明細書ではTDP−Py2と略称する。)13.2gを得た。TDP−Py2の、GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1100、多分散度Mw/Mnは1.64であった。本合成例で得られたポリマーは、式(1−64)で表される構造単位を有する。
【0030】
(合成例7)
窒素下、500mL四口フラスコに4,4’−ビフェノール(30.00g、0.1611mol、東京化成工業(株)製)、1−ナフトアルデヒド(50.324g、0.3222mol、アルドリッチ社製)及びパラトルエンスルホン酸一水和物(12.8384g、0.0644mol、東京化成工業(株)製)を加え、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテル(113.87g、関東化学(株)製)を仕込み、撹拌し、120℃まで昇温して溶解させ、重合を開始した。24時間後室温まで放冷し、メタノール/純水=80/20(3000g、関東化学(株)製)へ再沈殿させた。得られた沈殿物をろ過し、減圧乾燥機で50℃、10時間乾燥し、目的とするポリマー(以下、本明細書では4,4’−BPOH−Np2と略称する。)21.08gを得た。4,4’−BPOH−Np2の、GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは2450、多分散度Mw/Mnは2.03であった。本合成例で得られたポリマーは、式(1−38)で表される構造単位を有する。
【0031】
(合成例8)
窒素下、100mL四口フラスコに2,2’−ビフェノール(7.50g、0.0403mol、東京化成工業(株)製)、1−ナフトアルデヒド(12.581g、0.0806mol、アルドリッチ社製)及びメタンスルホン酸(1.5484g、0.0161mol、東京化成工業(株)製)を加え、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテル(26.43g、関東化学(株)製)を仕込み、撹拌し、120℃まで昇温して溶解させ、重合を開始した。24時間後室温まで放冷し、メタノール(800g、関東化学(株)製)中へ再沈殿させた。得られた沈殿物をろ過し、減圧乾燥機で50℃、10時間乾燥し、目的とするポリマー(以下、本明細書では2,2’−BPOH−Np2と略称する。)5.87gを得た。2,2’−BPOH−Np2の、GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1690、多分散度Mw/Mnは2.27であった。本合成例で得られたポリマーは、式(1−50)で表される構造単位を有する。
【0032】
(合成例9)
窒素下、200mL四口フラスコに4,4’−チオジフェノール(10.00g、0.0458mol、東京化成工業(株)製)、1−ナフトアルデヒド(14.311g、0.0916mol、東京化成工業(株)製)及びメタンスルホン酸(1.7613g、0.0183mol、関東化学(株)製)を加え、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテル(31.87g、関東化学(株)製)を仕込み、撹拌し、120℃まで昇温して溶解させ、重合を開始した。24時間後室温まで放冷し、メタノール(1000g、関東化学(株)製)中へ再沈殿させた。得られた沈殿物をろ過し、減圧乾燥機で50℃、10時間さらに120℃、24時間乾燥し、目的とするポリマー(以下、本明細書ではTDP−Np2と略称する。)6.13gを得た。TDP−Np2の、GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1090、多分散度Mw/Mnは1.49であった。本合成例で得られたポリマーは、式(1−62)で表される構造単位を有する。
【0033】
(合成例10)
窒素下、100mL四口フラスコに2,2’−ビフェノール(25.00g、0.1343mol、東京化成工業(株)製)、1−ナフトアルデヒド(10.484g、0.0671mol、アルドリッチ社製)、1−ピレンカルボキシアルデヒド(15.457g、0.0671mol、東京化成工業(株)製)及びメタンスルホン酸(3.871g、0.0403mol、東京化成工業(株)製)を加え、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテル(54.81g、関東化学(株)製)を仕込み、撹拌し、120℃まで昇温して溶解させ、重合を開始した。24時間後室温まで放冷し、メタノール(2500g、関東化学(株)製)中へ再沈殿させた。得られた沈殿物をろ過し、減圧乾燥機で50℃、10時間乾燥し、目的とするポリマー(以下、本明細書では2,2’−BPOH−NpPcAと略称する。)28.02gを得た。2,2’−BPOH−NpPcAの、GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは2000、多分散度Mw/Mnは2.12であった。本合成例で得られたポリマーは、式(1−14)、(1−16)、(1−86)、(1−88)で表される構造単位を有すると推定される。
【0034】
(比較合成例1)
窒素下、100mL四口フラスコに1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(6.00g、0.0224mol、東京化成工業(株)製)、ホルムアルデヒド36%溶液(1.87g、0.0224mol、東京化成工業(株)製)及びメタンスルホン酸(0.1075g、0.0011mol、東京化成工業(株)製)を加え、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテル(6.69g、関東化学(株)製)を仕込み、撹拌し、120℃まで昇温して溶解させ、重合を開始した。24時間後60℃まで放冷し、テトラヒドロフラン(13g、関東化学(株)製)を加え希釈し、メタノール(320g、関東化学(株)製)中へ再沈殿させた。得られた沈殿物をろ過し、減圧乾燥機で80℃、24時間乾燥し、目的とする下記式(3)で表される構造単位を有するポリマー(以下、本明細書ではBHPCH−FAと略称する。)4.45gを得た。BHPCH−FAの、GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは10700、多分散度Mw/Mnは3.64であった。
【化24】
【0035】
(比較合成例2)
窒素下、100mL四口フラスコにカルバゾール(6.69g、0.040mol、東京化成工業(株)製)、9−フルオレノン(7.28g、0.040mol、東京化成工業(株)製)及びパラトルエンスルホン酸一水和物(0.76g、0.0040mol、東京化成工業(株)製)を加え、さらに1,4−ジオキサン(6.69g、関東化学(株)製)を仕込み、撹拌し、100℃まで昇温して溶解させ、重合を開始した。24時間後60℃まで放冷し、クロロホルム(34g、関東化学(株)製)を加え希釈し、メタノール(168g、関東化学(株)製)中へ再沈殿させた。得られた沈殿物をろ過し、減圧乾燥機で80℃、24時間乾燥し、目的とする下記式(4)で表される構造単位を有するポリマー(以下、本明細書ではPCzFLと略称する。)9.37gを得た。PCzFLの、GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは2800、多分散度Mw/Mnは1.77であった。
【化25】
【0036】
(実施例1)
合成例1で得たポリマー20gに、界面活性剤としてメガファックR−30(DIC(株)製)0.06gを混合し、シクロヘキサノン80gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して、リソグラフィープロセスに用いるレジスト下層膜形成組成物を調製した。
【0037】
(実施例2)
合成例1で得たポリマー20gに、架橋剤としてTMOM−BP(本州化学工業(株)製、3,3’,5,5’−テトラメトキシメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル)2.0g、触媒として熱酸発生剤TAG−2689(King社製、トリフルオロメタンスルホン酸の第4級アンモニウム塩)0.10g、界面活性剤としてメガファックR−30(DIC(株)製)0.06gを混合し、シクロヘキサノン88gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して、リソグラフィープロセスに用いるレジスト下層膜形成組成物を調製した。
【0038】
(実施例3)
合成例2で得たポリマー20gに、界面活性剤としてメガファックR−30(DIC(株)製)0.06gを混合し、シクロヘキサノン80gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して、リソグラフィープロセスに用いるレジスト下層膜形成組成物を調製した。
【0039】
(実施例4)
合成例2で得たポリマー20gに、架橋剤としてTMOM−BP(本州化学工業(株)製、3,3’,5,5’−テトラメトキシメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル)2.0g、触媒として熱酸発生剤TAG−2689(King社製、トリフルオロメタンスルホン酸の第4級アンモニウム塩)0.10g、界面活性剤としてメガファックR−30(DIC(株)製)0.06gを混合し、シクロヘキサノン88gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して、リソグラフィープロセスに用いるレジスト下層膜形成組成物を調製した。
【0040】
(実施例5)
合成例3で得たポリマー20gに、界面活性剤としてメガファックR−30(DIC(株)製)0.06gを混合し、シクロヘキサノン80gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して、リソグラフィープロセスに用いるレジスト下層膜形成組成物を調製した。
【0041】
(実施例6)
合成例3で得たポリマー20gに、架橋剤としてTMOM−BP(本州化学工業(株)製、3,3’,5,5’−テトラメトキシメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル)2.0g、触媒として熱酸発生剤TAG−2689(King社製、トリフルオロメタンスルホン酸の第4級アンモニウム塩)0.10g及び界面活性剤としてメガファックR−30(DIC(株)製)0.06gを混合し、シクロヘキサノン88gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して、リソグラフィープロセスに用いるレジスト下層膜形成組成物を調製した。
【0042】
(実施例7)
合成例4で得たポリマー20gに、界面活性剤としてメガファックR−30(DIC(株)製)0.06gを混合し、シクロヘキサノン80gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して、リソグラフィープロセスに用いるレジスト下層膜形成組成物を調製した。
【0043】
(実施例8)
合成例4で得たポリマー20gに、架橋剤としてTMOM−BP(本州化学工業(株)製、3,3’,5,5’−テトラメトキシメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル)2.0g、触媒として熱酸発生剤TAG−2689(King社製、トリフルオロメタンスルホン酸の第4級アンモニウム塩)0.10g、界面活性剤としてメガファックR−30(DIC(株)製)0.06gを混合し、シクロヘキサノン88gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して、リソグラフィープロセスに用いるレジスト下層膜形成組成物を調製した。
【0044】
(実施例9)
合成例5で得たポリマー20gに、界面活性剤としてメガファックR−30(DIC(株)製)0.06gを混合し、シクロヘキサノン80gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して、リソグラフィープロセスに用いるレジスト下層膜形成組成物を調製した。
【0045】
(実施例10)
合成例5で得たポリマー20gに、架橋剤としてTMOM−BP(本州化学工業(株)製、3,3’,5,5’−テトラメトキシメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル)2.0g、触媒として熱酸発生剤TAG−2689(King社製、トリフルオロメタンスルホン酸の第4級アンモニウム塩)0.10g、界面活性剤としてメガファックR−30(DIC(株)製)0.06gを混合し、シクロヘキサノン88gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して、リソグラフィープロセスに用いるレジスト下層膜形成組成物を調製した。
【0046】
(実施例11)
合成例6で得たポリマー20gに、界面活性剤としてメガファックR−30(DIC(株)製)0.06gを混合し、シクロヘキサノン80gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して、リソグラフィープロセスに用いるレジスト下層膜形成組成物を調製した。
【0047】
(実施例12)
合成例6で得たポリマー20gに、架橋剤としてTMOM−BP(本州化学工業(株)製、3,3’,5,5’−テトラメトキシメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル)2.0g、触媒として熱酸発生剤TAG−2689(King社製、トリフルオロメタンスルホン酸の第4級アンモニウム塩)0.10g、界面活性剤としてメガファックR−30(DIC(株)製)0.06gを混合し、シクロヘキサノン88gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して、リソグラフィープロセスに用いるレジスト下層膜形成組成物を調製した。
【0048】
(実施例13)
合成例7で得たポリマー20gに、界面活性剤としてメガファックR−30(DIC(株)製)0.06gを混合し、シクロヘキサノン80gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して、リソグラフィープロセスに用いるレジスト下層膜形成組成物を調製した。
【0049】
(実施例14)
合成例7で得たポリマー20gに、架橋剤としてTMOM−BP(本州化学工業(株)製、3,3’,5,5’−テトラメトキシメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル)2.0g、触媒として熱酸発生剤TAG−2689(King社製、トリフルオロメタンスルホン酸の第4級アンモニウム塩)0.10g、界面活性剤としてメガファックR−30(DIC(株)製)0.06gを混合し、シクロヘキサノン88gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して、リソグラフィープロセスに用いるレジスト下層膜形成組成物を調製した。
【0050】
(実施例15)
合成例8で得たポリマー20gに、界面活性剤としてメガファックR−30(DIC(株)製)0.06gを混合し、シクロヘキサノン80gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して、リソグラフィープロセスに用いるレジスト下層膜形成組成物を調製した。
【0051】
(実施例16)
合成例8で得たポリマー20gに、架橋剤としてTMOM−BP(本州化学工業(株)製、3,3’,5,5’−テトラメトキシメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル)2.0g、触媒として熱酸発生剤TAG−2689(King社製、成分はトリフルオロメタンスルホン酸の第4級アンモニウム塩)0.10g、界面活性剤としてメガファックR−30(DIC(株)製)0.06gを混合し、シクロヘキサノン88gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して、リソグラフィープロセスに用いるレジスト下層膜形成組成物を調製した。
【0052】
(実施例17)
合成例9で得たポリマー20gに、界面活性剤としてメガファックR−30(DIC(株)製)0.06gを混合し、シクロヘキサノン80gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して、リソグラフィープロセスに用いるレジスト下層膜形成組成物を調製した。
【0053】
(実施例18)
合成例9で得たポリマー20gに、架橋剤としてTMOM−BP(本州化学工業(株)製、3,3’,5,5’−テトラメトキシメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル)2.0g、触媒として熱酸発生剤TAG−2689(King社製、トリフルオロメタンスルホン酸の第4級アンモニウム塩)0.10g、界面活性剤としてメガファックR−30(DIC(株)製)0.06gを混合し、シクロヘキサノン88gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して、リソグラフィープロセスに用いるレジスト下層膜形成組成物を調製した。
【0054】
(実施例19)
合成例10で得たポリマー20gに、界面活性剤としてメガファックR−30(DIC(株)製)0.06gを混合し、シクロヘキサノン80gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して、リソグラフィープロセスに用いるレジスト下層膜形成組成物を調製した。
【0055】
(実施例20)
合成例10で得たポリマー20gに、架橋剤としてTMOM−BP(本州化学工業(株)製、3,3’,5,5’−テトラメトキシメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル)2.0g、触媒として熱酸発生剤TAG−2689(King社製、トリフルオロメタンスルホン酸の第4級アンモニウム塩)0.10g、界面活性剤としてメガファックR−30(DIC(株)製)0.06gを混合し、シクロヘキサノン88gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して、リソグラフィープロセスに用いるレジスト下層膜形成組成物を調製した。
【0056】
(比較例1)
市販のクレゾールノボラック樹脂(クレゾールとホルムアルデヒドを用いて得られたノボラック樹脂)20gに、界面活性剤としてメガファックR−30(DIC(株)製)0.06gを混合し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して、リソグラフィープロセスに用いるレジスト下層膜形成組成物を調製した。本比較例で使用したクレゾールノボラック樹脂の、GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは4000、多分散度Mw/Mnは2.1であった。
【0057】
(比較例2)
比較合成例1で得たポリマー20gに、界面活性剤としてメガファックR−30(DIC(株)製)0.06gを混合し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して、リソグラフィープロセスに用いるレジスト下層膜形成組成物を調製した。
【0058】
(比較例3)
比較合成例2で得たポリマー20gに、界面活性剤としてメガファックR−30(DIC(株)製)0.06gを混合し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して、リソグラフィープロセスに用いるレジスト下層膜形成組成物を調製した。
【0059】
(フォトレジスト溶剤への溶出試験)
実施例1乃至実施例20及び比較例1で調製したレジスト下層膜形成組成物を、それぞれスピンコーターを用いてシリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で400℃,2分間ベークし、レジスト下層膜(膜厚0.25μm)を形成した。このレジスト下層膜を、レジストに使用する溶剤である乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びシクロヘキサノンに浸漬し、それらの溶剤に不溶であることを確認した。
【0060】
(ドライエッチング速度の測定)
ドライエッチング速度の測定に用いたエッチャー及びエッチングガスは以下のものである。
エッチャー:ES401(日本サイエンティフィック(株)製)
エッチングガス:CF
実施例1乃至実施例20、比較例1及び比較例2で調製したレジスト下層膜形成組成物を、それぞれスピンコーターを用いてシリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で240℃,1分間、又は400℃,2分間ベークし、レジスト下層膜(膜厚0.25μm)を形成した。エッチングガスとしてCFガスを使用して、それらのレジスト下層膜のドライエッチング速度を測定した。また、フェノ−ルノボラック樹脂(市販品、GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは2000、多分散度Mw/Mnは2.5)溶液を、スピンコーターを用いてシリコンウェハー上に塗布し、ホットプレート上で205℃,1分間ベークしてフェノールノボラック樹脂膜(膜厚0.25μm)を形成した。エッチングガスとしてCFガスを使用して、そのフェノールノボラック樹脂膜のドライエッチング速度を測定した。このフェノールノボラック樹脂膜のドライエッチング速度を1.00とした時の、実施例1乃至実施例20、比較例1及び比較例2で調製したレジスト下層膜形成組成物から形成したレジスト下層膜のドライエッチング速度を、ドライエッチング速度比として算出した結果を表1に示す。ドライエッチング速度比が小さいほど、CFガスに対する耐エッチング性が高いことを示す。
ドライエッチング速度比=(レジスト下層膜のドライエッチング速度)/(フェノ−ルノボラック樹脂膜のドライエッチング速度)
【0061】
【0062】
(ホールウェハーへの埋め込み性試験)
実施例1乃至実施例20及び比較例3で調製したレジスト下層膜形成組成物を、それぞれスピンコーターを用いてホールウェハー上に塗布した。ホットプレート上で400℃,2分間ベークし、レジスト下層膜(ホールパターン未形成部の膜厚0.25μm)を形成した。前記ホールウェハーとして、直径100nm、高さ400nmのホールパターンが形成されたウェハーを用いた。実施例1乃至実施例20で調製したレジスト下層膜形成組成物を、それぞれ上述のように塗布し、ベークした後の各ホールウェハーの断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した図1乃至図20に示す断面SEM写真から、ホール内部まで十分にレジスト下層膜で充填されていることが分かった。一方、比較例3で調製したレジスト下層膜形成組成物を、上述のように塗布し、ベークした後のホールウェハーの断面を走査型電子顕微鏡で観察した図21に示す断面SEM写真から、ホール内部に部分的に空洞が存在していることが分かった。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図21