(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1〜第nチャンネルの電波の当初周波数が、1.24〜2.37GHzの範囲、前記周波数第1変更手段によって変更された後の中間周波数が、10〜200MHzの範囲にあり、前記周波数第1変更手段では、前記第1〜第nチャンネルの電波の当初周波数を同一の値の中間周波数に変更する請求項1に記載の光信号中継システム。
前記復調ユニットが、前記第2分配手段によって分配した第1〜第nチャンネルの電波の前記光伝送用周波数をそれよりも低い送出用周波数に変更する周波数第3変更手段を含み、前記電波送信手段では、前記周波数第3変更手段によって変更した送出用周波数の前記第1〜第nチャンネルの電波を前記放送受信機に送信する請求項5に記載の光信号中継システム。
前記第1〜第nチャンネルの電波の光伝送用周波数が、1.24〜2.37GHzの範囲、前記周波数第3変更手段によって変更された後の送出用周波数が、10〜200MHzの範囲にあり、前記周波数第3変更手段では、前記第1〜第nチャンネルの電波の光伝送用周波数を同一の値の送出用周波数に変更する請求項6に記載の光信号中継システム。
前記復調ユニットには、前記光信号の入力側の数Nが8であって該光信号の出力側の数Mが4の少なくとも1つの光スイッチが設置され、前記電波選択手段および前記デジタル変調信号選択手段では、前記1つの光スイッチを利用した場合において入力側の8回線のうち任意の4回線が選択可能である請求項9に記載の光信号中継システム。
前記復調ユニットが、前記第3分配手段によって分離した前記デジタル変調信号を第1〜第nアナログ信号に変換するD/A変換手段を含み、前記レベル表示手段では、前記第1〜第nアナログ信号に基づいて前記第1〜第nチャンネルのサンプル電波のレベルをアナログ表示する請求項9または請求項10に記載の光信号中継システム。
前記電波選択手段では、前記レベル表示手段によって表示された前記第1〜第nチャンネルのサンプル電波のレベルを参照しつつ、N回線のうち任意のM回線のサンプル電波に対応する光信号を出力する請求項9ないし請求項11いずれかに記載の光信号中継システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光伝送方式を採用した場合であっても、移動中継車や移動中継バイクを利用して走者や自転車を撮影するときに、中継車や中継バイクと各受信基地局との離間距離によって電波のレベル(電界強度)が変わるとともに、電波に不要な周波数の各種の妨害波が進入し、受信電波に歪みが発生する場合がある。電波に歪みが発生すると、映像の画質が低下して競技の中継放送において明確な映像を放送することができない。
【0006】
本発明の目的は、中継放送中における電波の歪みの発生を防ぐことができ、明確な映像を放送することができる光信号中継システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための本発明
に係る光信号中継システムの
特徴は、複数の移動局と、それら移動局の移動経路の周辺に設置されて各移動局から送信された電波を受信
し、それら移動局から受信した電波を光信号に変換しつつ、その光信号を光回線を介して復調ユニットに送信する複数の受信基地局とを備え、それら受信基地局が、
それら移動局から送信された中継放送における電波を複数の第1〜第nチャンネルの電波に等分する第1分配手段と、
第1分配手段によって等分した第1〜第nチャンネルの電波の当初周波数をそれよりも低い中間周波数に変更する周波数第1変更手段と、
周波数第1変更手段によって変更した第1〜第nチャンネルの電波の中間周波数から不要な周波数を除去して必要中間周波数のみを抽出する必要周波数抽出手段と、
必要周波数抽出手段によって抽出した第1〜第nチャンネルの電波の必要中間周波数のレベルを一定にするレベル調節手段と、
レベル調節手段によって第1〜第nチャンネルの電波の一定レベルにした必要中間周波数をそれよりも高い前記当初周波数と同一の光伝送用周波数に変更する周波数第2変更手段と、
周波数第2変更手段によって光伝送用周波数に変更した第1〜第nチャンネルの電波を合成する第1合成手段と、
必要周波数抽出手段によって抽出した必要中間周波数の第1〜第nチャンネルの電波から第1〜第nチャンネルのサンプル電波を分離するサンプル電波分離手段と、サンプル電波分離手段によって分離した第1〜第nチャンネルのサンプル電波のレベルを検出するレベル検出手段と、レベル検出手段によって検出した第1〜第nチェンネルの検出レベルをアナログ信号からデジタル信号に変換するA/D変換手段と、A/D変換手段によって変換したデジタル信号をシリアル通信用信号に変換するパラレル/シリアル信号変換手段と、パラレル/シリアル信号変換手段によって変換したシリアル通信用信号と搬送波とを用いて変調を行うデジタル変調手段と、必要中間周波数の第1〜第nチャンネルの電波とデジタル変調手段によって得られたデジタル変調信号とを合成する第2合成手段と、第1合成手段によって合成した電波を光信号に変換する
とともに、第2合成手段によって合成した電波およびデジタル変調信号を光信号に変換するE/O変換手段と、
第1合成手段によって合成した電波から変換した光信号を光回線を介して復調ユニットに光伝送するとともに、
第2合成手段によって合成した電波およびデジタル変調信号から変換した光信号を光回線を介して復調ユニットに光伝送する光信号送信手段とを有することにある。
【0008】
本発明にかかる光信号中継システムの一例としては、第1〜第nチャンネルの電波の当初周波数が1.24〜2.37GHzの範囲、周波数第1変更手段によって変更された後の中間周波数が10〜200MHzの範囲にあり、周波数第1変更手段では、第1〜第nチャンネルの電波の当初周波数を同一の値の中間周波数に変更する。
【0009】
本発明にかかる光信号中継システムの他の一例として、
必要周波数抽出手段では、第1〜第nチャンネルの電波の中間周波数から必要中間周波数を除いた残余の不要な周波数のレベルを40〜80dBの範囲で減衰させる。
【0010】
本発明にかかる光信号中継システムの他の一例としては、復調ユニットが、それら受信基地局から光伝送された光信号の入力側の数をNとするとともに光信号の出力側の数をMとしたときに、複数の光信号の中からN回線のうち任意のM回線の光信号に対応する電波を選択する電波選択手段を有する。
【0011】
本発明にかかる光信号中継システムの他の一例としては、復調ユニットが、それら受信基地局から送信された光信号を合成された電波に変換するO/E変換手段と、O/E変換手段によって変換した電波を複数の第1〜第nチャンネルの電波に等分する第2分配手段と、第2分配手段によって等分した第1〜第nチャンネルの電波を放送受信機に送信する電波送信手段とを含む。
【0012】
本発明にかかる光信号中継システムの他の一例としては、復調ユニットが、第2分配手段によって分配した第1〜第nチャンネルの電波の光伝送用周波数をそれよりも低い送出用周波数に変更する周波数第3変更手段を含み、電波送信手段では、周波数第3変更手段によって変更した送出用周波数の第1〜第nチャンネルの電波を放送受信機に送信する。
【0013】
本発明にかかる光信号中継システムの他の一例としては、第1〜第nチャンネルの電波の光伝送用周波数が1.24〜2.37GHzの範囲、周波数第3変更手段によって変更された後の送出用周波数が10〜200MHzの範囲にあり、周波数第3変更手段では、第1〜第nチャンネルの電波の光伝送用周波数を同一の値の送出用周波数に変更する。
【0014】
本発明にかかる光信号中継システムの他の一例としては、復調ユニットが、それら受信基地局から送信された光信号をO/E変換手段によって電波とデジタル変調信号とに変換し、O/E変換手段によって変換した電波およびデジタル変調信号を該電波と該デジタル変調信号とに分離する第3分配手段と、第3分配手段によって分離したデジタル変調信号に基づいてサンプル電波のレベルを表示するレベル表示手段とを含む。
【0015】
本発明にかかる光信号中継システムの他の一例としては、復調ユニットが、それら受信基地局から光伝送された光信号の入力側の数をNとするとともに光信号の出力側の数をMとしたときに、複数の光信号の中からN回線のうち任意のM回線の光信号に対応するデジタル変調信号を選択するデジタル変調信号選択手段を含む。
【0016】
本発明にかかる光信号中継システムの他の一例として、復調ユニットには、光信号の入力側の数Nが8であって光信号の出力側の数Mが4の少なくとも1つの光スイッチが設置され、電波選択手段およびデジタル変調信号選択手段では、1つの光スイッチを利用した場合において入力側の8回線のうち任意の4回線が選択可能である。
【0017】
本発明にかかる光信号中継システムの他の一例としては、復調ユニットが第3分配手段によって分離したデジタル変調信号を第1〜第nアナログ信号に変換するD/A変換手段を含み、レベル表示手段では、第1〜第nアナログ信号に基づいて第1〜第nチャンネルのサンプル電波のレベルをアナログ表示する。
【0018】
本発明にかかる光信号中継システムの他の一例として、電波選択手段では、レベル表示手段によって表示された第1〜第nチャンネルのサンプル電波のレベルを参照しつつ、N回線のうち任意のM回線のサンプル電波に対応する光信号を出力する。
【発明の効果】
【0019】
本発明にかかる光信号中継システムによれば、周波数が高い状態で不要な周波数(妨害波)を除去しつつ必要な周波数のみを抽出することは困難であるが、各受信基地局が第1〜第nチャンネルの電波の当初周波数をそれよりも低い中間周波数に変更した後、第1〜第nチャンネルの電波の中間周波数から不要な周波数(妨害波)を除去して必要中間周波数のみを抽出するから、周波数が高い状態で不要な周波数を除去しつつ必要な周波数のみを抽出する場合と比較し、不要な周波数を確実に除去することができるとともに、必要な中間周波数のみを確実に抽出することができる。光信号中継システムは、当初周波数を中間周波数に変更することで、第1〜第nチャンネルの電波の中間周波数から不要な周波数(妨害波)を確実に除去することができるから、電波のDU比の影響を少なくすることができるとともに、中継放送中における電波の歪みの発生を防ぐことができ、放送局において明確な映像を放送することができる。光信号中継システムは、第1〜第nチャンネルの電波の必要中間周波数のレベルを一定にするから、第1〜第nチャンネルの電波のレベルを所定のそれに保持することができ、レベルのバラツキがない一定レベルの電波を復調ユニットに送信することができる。光信号中継システムは、電波を光信号に変換し、その光信号を光回線を介して復調ユニットに送信するから、雷撃や他の電磁波の影響を受けることはなく、伝送中における光信号の劣化もなく、各受信基地局が受信した電波と略同一のレベルや略同一の画質の電波を復調ユニットに送信することができる。
【0020】
第1〜第nチャンネルの電波の当初周波数が1.24〜2.37GHzの範囲、第1〜第nチャンネルの電波の当初周波数から変更された後の中間周波数が10〜200MHzの範囲にあり、周波数第1変更手段において、第1〜第nチャンネルの電波の当初周波数を同一の値の中間周波数に変更する光信号中継システムは、各受信基地局が第1〜第nチャンネルの電波の当初周波数を前記範囲の中間周波数に変更した後、第1〜第nチャンネルの電波の中間周波数から不要な周波数(妨害波)を除去して必要中間周波数のみを抽出するから、前記範囲の当初周波数のまま状態から不要な周波数を除去しつつ必要な周波数のみを抽出する場合と比較し、不要な周波数を確実に除去することができるとともに、必要な中間周波数のみを確実に抽出することができる。光信号中継システムは、1.24〜2.37GHzの範囲の当初周波数を10〜200MHzの範囲の中間周波数に変更することで、第1〜第nチャンネルの電波の中間周波数から不要な周波数(妨害波)を確実に除去することができるから、電波のDU比の影響を少なくすることができるとともに、中継放送中における電波の歪みの発生を防ぐことができ、放送局において明確な映像を放送することができる。
【0021】
周波数抽出手段において、第1〜第nチャンネルの電波の中間周波数から必要中間周波数を除いた残余の不要な周波数のレベルを40〜80dBの範囲で減衰させる光信号中継システムは、不要な周波数のレベルを40〜80dBの範囲で減衰させることで、中間周波数から不要な周波数を確実に除去することができるとともに、第1〜第nチャンネルの電波から必要な中間周波数のみを確実に抽出することができる。光信号中継システムは、不要な周波数のレベルを40〜80dBの範囲で減衰させることで、第1〜第nチャンネルの電波の中間周波数から不要な周波数(妨害波)を確実に除去することができるから、電波のDU比の影響を少なくすることができるとともに、中継放送中における電波の歪みの発生を防ぐことができ、放送局において明確な映像を放送することができる。
【0022】
復調ユニットが複数の光信号の中からN回線のうち任意のM回線の光信号に対応する電波を選択する光信号中継システムは、N回線から任意のM回線の光信号に対応する電波を選択することができるから、各受信基地局から送信された複数の電波から画質が良好なそれを選択することができ、視聴者に明確かつ見易い映像を提供することができる。
【0023】
復調ユニットがそれら受信基地局から送信された光信号を合成された電波に変換し、その電波を複数の第1〜第nチャンネルの電波に等分するとともに、等分した第1〜第nチャンネルの電波を放送受信機に送信する光信号中継システムは、各受信基地局において不要な周波数(妨害波)が除去されて光信号に変換された電波が各受信基地局から復調ユニットに送信され、その光信号を再び電波に変換し、復調ユニットがその電波を放送受信機に送信するから、DU比の影響が少なく良好な画質の映像を放送することができ、視聴者に明確かつ見易い映像を提供することができる。光信号中継システムは、各受信基地局において一定レベルにされて光信号に変換された電波が各受信基地局から復調ユニットに送信され、復調ユニットがその光信号を再び電波に変換してその電波を放送受信機に送信するから、一定のレベルにある映像を放送することができ、視聴者に一定レベルの映像を提供することができる。
【0024】
復調ユニットが第2分配手段によって分配した第1〜第nチャンネルの電波の光伝送用周波数をそれよりも低い送出用周波数に変更し、電波送信手段において、その送出用周波数の第1〜第nチャンネルの電波を放送受信機に送信する光信号中継システムは、不要な周波数(妨害波)が除去されて各受信基地局から送信された第1〜第nチャンネルの電波の周波数を各放送受信機に対応した送出用の周波数に変更し、その周波数の電波を各放送受信機に送信するから、各放送受信機において良好かつ明確な画質の映像を放送することができる。光信号中継システムは、一定レベル
にされて各受信基地局から送信された第1〜第nチャンネルの電波の周波数を各放送受信機に対応した送出用の周波数に変更し、その周波数の電波を各放送受信機に送信するから、各放送受信機において一定レベルの映像を放送することができる。
【0025】
第1〜第nチャンネルの電波の光伝送用周波数が1.24〜2.37GHzの範囲、第1〜第nチャンネルの電波の光伝送用周波数から変更された後の送出用中間周波数が10〜200MHzの範囲にあり、周波数第3変更手段において、第1〜第nチャンネルの電波の光伝送用周波数を同一の値の送出用
周波数に変更する光信号中継システムは、復調ユニットが不要な周波数(妨害波)が除去された第1〜第nチャンネルの電波の光伝送用周波数を前記範囲の送出用周波数に変更した後、各放送受信機に対応した送出用周波数の電波を各放送受信機に送信するから、各放送受信機において良好かつ明確な画質の映像を放送することができる。光信号中継システムは、復調ユニットが一定レベルにされた第1〜第nチャンネルの電波の光伝送用周波数を前記範囲の送出用周波数に変更した後、各放送受信機に対応した送出用周波数の電波を各放送受信機に送信するから、各放送受信機において一定レベルの映像を放送することができる。
【0026】
復調ユニットが、それら受信基地局から送信された光信号を前記O/E変換手段によって電波とデジタル変調信号とに変換し、O/E変換手段によって変換した電波とデジタル変調信号とを電波とデジタル変調信号とに分離し、分離したデジタル変調信号に基づいてサンプル電波のレベル(電界強度)を表示する光信号中継システムは、中継放送において移動局と各受信基地局との離間距離によって電波のレベルが変わるが、それら電波のレベルを表示することで、各サンプル電波に対応する各電波のレベルを知ることができ、良好なレベルの電波を選択してその電波を各放送受信機に送信することができる。光信号中継システムは、良好なレベルの電波を各放送受信機に送信することができるから、各放送受信機において良好かつ明確な画質の映像を放送することができる。
【0027】
復調ユニットが複数の光信号の中からN回線のうち任意のM回線の光信号に対応するデジタル変調信号を選択する光信号中継システムは、N回線から任意のM回線の光信号に対応するデジタル変調信号を選択することで、選択したデジタル変調信号に基づいてサンプル電波のレベル(電界強度)が表示されるから、各サンプル電波に対応する各電波のレベルを知ることができ、良好なレベルの電波を選択してその電波を各放送受信機に送信することができる。光信号中継システムは、各サンプル電波のレベルを確認しつつ、良好なレベルの電波を選択
することができるから、各放送受信機において良好かつ明確な画質の映像を放送することができる。
【0028】
光信号の入力側の数Nが8であって光信号の出力側の数Mが4の少なくとも1つの光スイッチが復調ユニットに設置され、電波選択手段およびデジタル変調信号選択手段において、1つの光スイッチを利用した場合、入力側の8回線のうち任意の4回線が選択可能な光信号中継システムは、1つの光スイッチを利用した場合において、入力側の8回線のうち任意の4回線の光信号を選択し、その光信号に対応する電波を選択することができるから、各受信基地局から送信された複数の電波から画質が良好かつ明確なそれを選択することができ、視聴者に明確かつ見易い映像を提供することができる。また、入力側の8回線のうち任意の4回線のデジタル信号を選択し、そのデジタル信号に基づいてサンプル電波のレベル(電界強度)が表示されるから、各サンプル電波に対応する各電波のレベルを知ることができ、良好なレベルの電波を選択してその電波を各放送受信機に送信することができる。
【0029】
復調ユニットがデジタル変調信号を第1〜第nアナログ信号に変換し、レベル表示手段において、第1〜第nアナログ信号に基づいて第1〜第nチャンネルのサンプル電波のレベルをアナログ表示する光信号中継システムは、各サンプル電波のレベルがアナログ表示されるから、サンプル電波のレベルを視認し易く、各サンプル電波に対応する各電波のレベルを容易に知ることができる。光信号中継システムは、各サンプル電波のレベルを確認しつつ、良好なレベルの電波を選択
することができ、各放送受信機において良好かつ明確な画質の映像を放送することができる。
【0030】
電波選択手段において、レベル表示手段によって表示された第1〜第nチャンネルのサンプル電波のレベルを参照しつつ、N回線のうち任意のM回線のサンプル電波に対応する光信号を出力する光信号中継システムは、各サンプル電波のレベルを確認しつつ、良好なレベルの電波を選択することができるから、各受信基地局から送信された複数の電波から画質が良好かつ明確なそれを選択することができ、視聴者に明確かつ見易い映像を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
一例として示す光信号中継システム10Aの概略構成図である
図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかる光信号中継システムの詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、
図2は、移動中継車11A,11Bと受信基地局13と復調ユニット14との間の電波の伝送の一例を示す図であり、
図3は、陸上競技場15内に施設されたテレビジョン放送室16のモニタールーム17の一例を示す図である。
図1では、光回線19(光ファイバケーブル)の図示を省略している。
【0033】
光信号中継システム10A(後記する光信号中継システム10Bを含む
)は、マラソンや駅伝等の陸上競技の長距離種目、トライアスロン等の耐久レース、自転車レースや公道バイクレース等のロードレースの中継放送においてそれらの各競技をリアルタイムに放送する生放送に利用される。この実施の形態では、マラソン競技を例として光信号中継システム10Aや光信号中継システム10Bを説明する。
【0034】
光信号中継システム10Aは、中継放送に使用するテレビジョン放送用の複数台の移動中継車11A,11B(移動局)と、マラソンコース12(移動局の移動経路)の周辺に設置された複数の受信基地局13と、復調ユニット14(
図5,6参照)とから形成されている。復調ユニット14は、陸上競技場15内に施設されたテレビジョン放送室16(テレビ局16)に設置されている。テレビジョン放送室16には、モニタールーム17が設けられている。
【0035】
なお、移動中継車11A,11Bの他に、カメラマンを乗せた複数台の移動中継バイクや撮影機材を搭載したヘリコプター、撮影機材を搭載したモーターボートを移動局とすることもできる。
図1では、2台の移動中継車11A,11Bを図示しているが、移動中継車の台数を2台に制限するものではなく、3台以上の移動中継車を利用することもできる。また、受信基地局13の数も図示のそれに制限されるものではない。
【0036】
移動中継車11A,11Bには、車体後部にテレビジョンカメラや集音マイクが設置されているとともに、実況席が作られている(図示せず)。移動中継車11A,11Bは、陸上競技場のマラソンゲートを通過したマラソンランナー18がマラソンコース12(公道)に出ると、そのランナー18の前方に位置して疾走するランナー18とともにマラソンコース12を走行しつつ、テレビジョンカメラによってレース中のランナー18を撮影するとともに集音マイクによって音声(音波)を集める。移動中継車11A,11Bは、テレビジョンカメラによって撮影した映像(音声を含む)を電波としてそれら受信基地局13に送信する。移動中継車11A,11Bから各受信基地局13に送信される電波には、1.24〜2.37GHzの周波数帯域の電波が使用される。移動中継車11Aからは、2チャンネルの電波が受信基地局13に送信され、移動中継車11Bからは、2チャンネルの電波が受信基地局13に送信される。
【0037】
それら受信基地局13は、マラソンレースの少なくとも前日までにマラソンコース12の周辺に設置される。受信基地局13は、移動中継車11A,11Bから送信された電波を受信し、受信した電波を光信号として復調ユニット14に送信する。受信基地局13から復調ユニット14への光信号の送信は、光回線19(光ファイバケーブル)を利用して行われる。復調ユニット14は、各受信基地局13から送信された光信号を電波に戻し、その電波を放送受信機(図示せず)に送信する。
【0038】
テレビジョン放送室16のモニタールーム17には、複数台のモニター20a〜20pと複数のレベルゲージ21a〜21pとが設置されている。テレビジョン放送室16の各スタッフは、それらモニター20a〜20pやそれらレベルゲージ21a〜21pを確認しつつ、光スイッチ31を利用して放送チャンネルの切替を行う。
【0039】
図4は、一例として示す受信基地局13の構成図であり、
図5,6は、一例として示す復調ユニット14の構成図である。
図7は、復調ユニット14を形成する光スイッチ31の構成図である。
図5は、復調ユニット14のうちの光スイッチ31から分配器33a〜33dまでの復調ユニット14の構成を示し、
図6は、復調ユニット14のうちの分配器33a〜33dから後の復調ユニット14の構成を示す。
図7では、光スイッチ31における光信号の選択の一例を示す。
【0040】
各受信基地局13は、移動中継車11A,11Bから送信された電波を受信するアンテナ22、分配器23、4つの周波数第1変更装置24a〜24d、4つのバンドパスフィルタ25a〜25d(帯域通過フィルタ)(BPF)、4つのオートゲインコントロール26a〜26d(AGC)、4つの周波数第2変更装置27a〜27d、合成器28、E/O変換装置29から形成されている。それら受信基地局13は、第1分配手段、周波数第1変更手段、必要周波数抽出手段、レベル調節手段、周波数第2変更手段、第1合成手段、E/O変換手段、光信号送信手段の各手段を実行する。
【0041】
それら受信基地局13では、マラソンの中継放送において移動中継車11A,11Bから送信された電波をアンテナ22が受信する。アンテナ22は、給電線(同軸ケーブル)によって分配器23に電気的に接続され、電波がアンテナ22から分配器23に伝送される。分配器23からは第1〜第4伝送路30a〜30dが分岐し、周波数第1変更装置24a〜24dがそれら伝送路30a〜30dを形成する給電線(同軸ケーブル)によって分配器23に電気的に接続されている。分配器23では、電波を第1〜第4チャンネル(第1〜第nチャンネル)の電波に等分(分配)する(第1分配手段)。
【0042】
分配器23は、第1チャンネルの電波を第1伝送路30aに送信し、第2チャンネルの電波を第2伝送路30bに送信する。第1チャンネルの電波の周波数(当初周波数)の一例は、1252MHzであり、第2チャンネルの電波の周波数(当初周波数)の一例は、1270MHzである。分配器23は、第3チャンネルの電波を第3伝送路30cに送信し、第4チャンネルの電波を第4伝送路30dに送信する。第3チャンネルの電波の周波数(当初周波数)の一例は、2341MHzであり、第4チャンネルの電波の周波数(当初周波数)の一例は、2359MHzである。
【0043】
なお、受信基地局13(分配器23)では、移動中継車11A,11Bからの電波を第1〜第4チャンネルの電波に等分しているが、電波を第1〜第nチャンネルのそれに等分することもできる。たとえば、電波が第1〜第8チャンネルのそれらに等分された場合、受信基地局13には、第1〜第8伝送路が形成され、8つの周波数第1変更装置、8つのバンドパスフィルタ、8つのオートゲインコントロール、8つの周波数第2変更装置が設置される。
【0044】
第1伝送路30aでは、周波数第1変更装置24a、バンドパスフィルタ25a、オートゲインコントロール26a、周波数第2変更装置27aが周波数第1変更装置24a→バンドパスフィルタ25a→オートゲインコントロール26a→周波数第2変更装置27aの順で第1伝送路30a(給電線)に電気的に接続されている。第2伝送路30bでは、周波数第1変更装置24b、バンドパスフィルタ25b、オートゲインコントロール26b、周波数第2変換装置27bが周波数第1変換装置24b→バンドパスフィルタ25b→オートゲインコントロール26b→周波数第2変更装置27bの順で第2伝送路30b(給電線)に電気的に接続されている。
【0045】
第3伝送路30cでは、周波数第1変更装置24c、バンドパスフィルタ25c、オートゲインコントロール26c、周波数第2変更装置27cが周波数第1変更装置24c→バンドパスフィルタ25c→オートゲインコントロール26c→周波数第2変更装置27cの順で第3伝送路30c(給電線)に電気的に接続されている。第4伝送路30dでは、周波数第1変更装置24d、バンドパスフィルタ25d、オートゲインコントロール26d、周波数第2変更装置27dが周波数第1変更装置24d→バンドパスフィルタ25d→オートゲインコントロール26d→周波数第2変更装置27dの順で第4伝送路30d(給電線)に電気的に接続されている。
【0046】
移動中継車11A,11Bからの電波をアンテナ22が受信し、分配器23(第1分配手段)によって等分された第1チャンネルの電波が第1伝送路30aから周波数第1変更装置24aに伝送される。周波数第1変更装置24aは、第1チャンネルの電波の当初周波数(1252MHz)をそれよりも低い150MHzの中間周波数(IF:Intermediate Frequency)に変更(ダウンコンバート)する(周波数第1変更手段)。
【0047】
周波数第1変更装置24a(周波数第1変更手段)によって当初周波数から中間周波数に変更された第1チャンネルの電波は、周波数第1変更装置24aからバンドパスフィルタ25aに伝送される。バンドパスフィルタ25aは、第1チャンネルの電波の中間周波数から不要な周波数を除去して必要中間周波数のみを抽出する(必要周波数抽出手段)。バンドパスフィルタ25aでは、第1チャンネルの電波の中間周波数から必要中間周波数を除いた残余の不要な周波数のレベル(電界強度)を40〜80dBの範囲で減衰させる。バンドパスフィルタ25aは、不要な周波数のレベルを40〜80dBの範囲で減衰させるから、中間周波数から不要な周波数を確実に除去することができ、第1チャンネルの電波から必要な中間周波数のみを抽出することができる。
【0048】
バンドパスフィルタ25a(必要周波数抽出手段)によって不要な周波数が除去された必要中間周波数の第1チャンネルの電波は、バンドパスフィルタ25aからオートゲインコントロール26aに伝送される。オートゲインコントロール26aは、第1チャンネルの電波の必要中間周波数のレベル(電界強度)が弱い場合、レベルを上げて一定のレベル(設定レベル)に調節し、第1チャンネルの電波の必要中間周波数のレベル(電界強度)が強い場合、レベルを下げて一定のレベル(設定レベル)に調節する(レベル調節手段)。
【0049】
オートゲインコントロール26a(レベル調節手段)によって必要中間周波数のレベルが一定に調節された第1チャンネルの電波は、オートゲインコントロール26aから周波数第2変更装置27aに伝送される。周波数第2変更装置27aは、第1チャンネルの電波の一定レベルに調節された必要中間周波数(150MHz)をそれよりも高い当初周波数と同一の光伝送用周波数(光伝送用周波数の一例として1252MHz)に変更(アップコンバート)する(周波数第2変更手段)。周波数第2変更装置27a(周波数第2変更手段)によって中間周波数から光伝送用周波数に変更された第1チャンネルの電波は、周波数第2変更装置27aから合成器28に伝送される。
【0050】
第2伝送路30b〜第4伝送路30dでは、第1伝送路30aと同様に、周波数第1変更装置24b〜24dが分配器23(第1分配手段)によって等分された第2〜第4チャンネルの電波の当初周波数(1270MHz,2341MHz,2359MHz)をそれよりも低い150MHzの中間周波数に変更(ダウンコンバート)する(周波数第1変更手段)。それら周波数第1変更装置24b〜24d(周波数第1変更手段)によって当初周波数から中間周波数に変更された第2〜第4チャンネルの電波が周波数第1変更装置24b〜24dからバンドパスフィルタ25b〜25dに伝送され、それらバンドパスフィルタ25b〜25dが第2〜第4チャンネルの電波の中間周波数から不要な周波数を除去して必要中間周波数のみを抽出する(必要周波数抽出手段)。
【0051】
それらバンドパスフィルタ25b〜25dでは、第2〜第4チャンネルの電波の中間周波数から必要中間周波数を除いた残余の不要な周波数のレベルを40〜80dBの範囲で減衰させる。バンドパスフィルタ25b〜25dは、不要な周波数のレベルを40〜80dBの範囲で減衰させるから、中間周波数から不要な周波数を確実に除去することができ、第2〜第4チャンネルの電波から必要な中間周波数のみを抽出することができる。
【0052】
それらバンドパスフィルタ25b〜25d(必要周波数抽出手段)によって不要な周波数が除去された必要中間周波数の第2〜第4チャンネルの電波がバンドパスフィルタ25b〜25dからそれらオートゲインコントロール26b〜26dに伝送され、それらオートゲインコントロール26b〜26dが第2〜第4チャンネルの電波の必要中間周波数のレベルを一定のレベル(設定レベル)に調節する(レベル調節手段)。
【0053】
オートゲインコントロール26b〜26d(レベル調節手段)によって必要中間周波数のレベルが一定にされた第2〜第4チャンネルの電波がオートゲインコントロール26b〜26dからそれら周波数第2変更装置27b〜27dに伝送され、それら周波数第2変更装置27b〜27dが第2〜第4チャンネルの電波の一定レベルに調節された必要中間周波数(150MHz)をそれよりも高い当初周波数と同一の光伝送用周波数(光伝送用周波数の一例として1270MHz,2341MHz,2359MHz)に変更(アップコンバート)する(周波数第2変更手段)。
【0054】
周波数第2変更装置27b〜27dによって中間周波数から光伝送用周波数に変更された第2〜第4チャンネルの電波は、周波数第2変更装置27b〜27dから合成器28に伝送される。なお、周波数第1変更装置24a〜24dでは、第1伝送路30a〜第4伝送路30dにおいて当初周波数をすべて同一の150MHzの中間周波数に変更する。ただし、中間周波数を150MHzに限定するものではなく、10〜200MHzの範囲から中間周波数を自由に選択することができる。
【0055】
光伝送用周波数に変更された第1〜第4チャンネル(第1〜第nチャンネル)の電波は、周波数第2変更装置27a〜27dから合成器28に伝送される。合成器28は、光伝送用周波数に変更された第1〜第4チャンネルの電波を合成する(第1合成手段)。合成器28(第1合成手段)によって合成された電波は、合成器28からE/O変換装置29に伝送される。E/O変換装置29は、光回線19によって復調ユニット14に光伝送可能に接続されている。E/O変換装置29は、合成された電波を光信号に変換するとともに(E/O変換手段)、その電波から変換された光信号(レーザ光)を光回線19を介して復調ユニット14に送信する(光信号送信手段)。
【0056】
復調ユニット14は、光スイッチ31と、4つのO/E変換装置32a〜32dと、4つの分配器33a〜33dと、16の周波数第3変更装置34
a〜34pとから形成されている。復調ユニット14は、電波選択手段、O/E変換手段、第2分配手段、周波数第3変更手段、電波送信手段、電波選択手段の各手段を実行する。
【0057】
なお、
図5では、光スイッチ31を1つだけ図示しているが、実際には、マラソンコース12の周辺に設置された受信基地局13の数に対応(それら受信基地局13を光回線19を介して接続)する複数の光スイッチ31が復調ユニット14に設置される。たとえば、2つの光スイッチ31が設置された場合、それら2つの光スイッチ31毎に、4つのO/E変換装置32a〜32d、4つの分配器33a〜33d、16の周波数第3変更装置34
a〜34pが設置される。
【0058】
光スイッチ31は、
図7に示すように、第1〜第8光増幅器35a〜35hと、第1〜第8光分配器(1×4)36a〜36hと、第1〜第4光スイッチ(8×1)37a〜37dとから形成されている。それら光増幅器35a〜35hには、各受信基地局13から延びる光回線19が接続されている。各受信基地局13から光伝送された光信号は、それら光増幅器35a〜35hによって光強度が増幅され、第1〜第8光分配器36a〜36hによって4分配された後、第1〜第4光スイッチ37a〜37dに伝送される。
【0059】
光スイッチ37a〜37dの出力端子と各O/E変換装置32a〜32dとは、光ファイバによって光伝送可能に接続されている。各O/E変換装置32a〜32dと各分配器33a〜33dとは、給電線によって電気的に接続されている。各分配器33a〜33dと各周波数第3変更装置34
a〜34pとは、給電線によって電気的に接続されている。
【0060】
光スイッチ31では、第1光スイッチ(8×1)37aが第1〜第8光分配器(1×4)36a〜36hのうちの少なくとも1つのそれに接続され、第2光スイッチ(8×1)37bが第1〜第8光分配器(1×4)36a〜36hのうちの少なくとも1つのそれに接続されるとともに、第3光スイッチ(8×1)37cが第1〜第8光分配器(1×4)36a〜36hのうちの少なくとも1つのそれに接続され、第4光スイッチ(8×1)37dが第1〜第8光分配器(1×4)36a〜36hのうちの少なくとも1つのそれに接続される。
【0061】
したがって、第1〜第4光スイッチ(8×1)37a〜37dは、最小1つ(第1〜第8光分配器(1×4)36a〜36hのうちのいずれか1つ)から最大8つの入力端子(第1〜第8光分配器(1×4)36a〜36hのすべて)に接続することができる。ゆえに、光信号中継システム10Aでは、最大第1〜第8の光信号に対して4つの光信号を出力することができ、光信号に対応する所定の電波を選択することができる(電波選択手段)。
【0062】
光スイッチ31(電波選択手段)によって選択された光信号は、第1〜第4光スイッチ(8×1)37a〜37dの少なくとも1つからO/E変換装置32a〜32dに光伝送される。O/E変換装置32aは、光スイッチ31によって選択されて第1光スイッチ(8×1)37aから光伝送された光信号(受信基地局13から送信された光信号)を電波に変換し(O/E変換手段)、O/E変換装置32bは、光スイッチ31によって選択されて第2光スイッチ(8×1)37bから光伝送された光信号を電波に変換する(O/E変換手段)。O/E変換装置32cは、光スイッチ31によって選択されて第3光スイッチ(8×1)37cから光伝送された光信号を電波に変換し(O/E変換手段)、O/E変換装置32dは、光スイッチ31によって選択されて第4光スイッチ(8×1)37dから光伝送された光信号を電波に変換する(O/E変換手段)。
【0063】
光信号から変換された電波は、それらO/E変換装置32a〜32dから分配器33a〜33dに伝送される。それら分配器33a〜33dは、O/E変換装置32a〜32d(O/E変換手段)によって変換された電波を第1〜第4チャンネル(第1〜第nチャンネル)の電波に等分(分配)する(第2分配手段)。
【0064】
分配器33aは、等分した第1〜第4チャンネルの電波のうち、光伝送用周波数(1252MHz)の第1チャンネルの電波を第1伝送路38aに送信し、光伝送用周波数(1270MHz)の第2チャンネルの電波を第2伝送路38bに送信するとともに、光伝送用周波数(2341MHz)の第3チャンネルの電波を第3伝送路38cに送信し、光伝送用周波数(2359MHz)の第4チャンネルの電波を第4伝送路38dに送信する。なお、復調ユニット14(分配器33a〜33d)では、中継器13(E/O変換装置29)から光伝送された光信号(電波)を第1〜第4チャンネルの電波に等分しているが、電波を第1〜第nチャンネルのそれに等分することもできる。
【0065】
分配器33a(第2分配手段)によって等分された第1チャンネルの電波は、第1伝送路38aから周波数第3変更装置34aに伝送される。周波数第3変更装置34aは、第1チャンネルの電波の光伝送用周波数(1252MHz)をそれよりも低い130MHzの送出用周波数に変更(ダウンコンバート)し(周波数第3変更手段)、その送出用周波数の第1チャンネルの電波を放送受信機に伝送する(電波送信手段)。
【0066】
第2伝送路38b〜第4伝送路38dでは、第1伝送路3
8aと同様に、周波数第3変更装置
34b〜
34dが分配器33b〜33d(第2分配手段)によって等分された第2〜第4チャンネルの電波の光伝送用周波数(1270MHz,2341MHz,2359MHz)をそれよりも低い130MHzの送出用周波数に変更し(周波数第3変更手段)、その送出用周波数の第2〜第4チャンネルの電波を放送受信機に伝送する(電波送信手段)。分配器33b〜33d(第2分配手段)によって等分された第1〜第4チャンネルの電波の光伝送用周波数もそれよりも低い130MHzの送出用周波数に変更され(周波数第3変更手段)、送出用周波数の第1〜第4チャンネルの電波が周波数第3変更装置34e〜34pから放送受信機に伝送される(電波送信手段)。
【0067】
なお、周波数第3変更装置34a〜34pでは、第1伝送路38a〜第4伝送路38dにおいて光伝送用周波数をすべて同一の130MHzの送出用周波数に変更する。ただし、送出用周波数を130MHzに限定するものではなく、10〜200MHzの範囲から各放送受信機に対応する送出用周波数を選択することができる。
【0068】
光回線19を介して電波から変換された光信号がそれら受信基地局13(E/O変換装置29による光信号送信手段)から復調ユニット14に光伝送され、光スイッチ31によって選択された光信号に対応する各電波が周波数第3変更装置34
a〜34pから放送受信機に伝送されると、モニタールーム17の各モニター20a〜20pに各電波に対応する中継放送中の各映像が表示される。
【0069】
テレビジョン放送室16の各スタッフは、モニタールーム17の各モニター20a〜20pを視認しつつ、光スイッチ31によってチャンネルを切り替え、最小のチャンネル数(1)から最大のチャンネル数(光スイッチ31が1つの場合は(4)、光スイッチ31が2つの場合は(8)、光スイッチ31が3つの場合は(12))までの光信号を出力し、光信号に対応する所定の電波を選択する。テレビジョン放送室16のスタッフは、それらモニター20a〜20pを確認しつつ、光スイッチ31を利用して放送チャンネルの切替を行うことで、良好な画質を有するとともに明確な映像を選択することができ、選択した映像を各受信者に提供することができる。
【0070】
光信号中継システム10Aは、当初周波数が高い状態で不要な周波数(妨害波)を除去しつつ必要な周波数のみを抽出することは困難であるが、各受信基地局13が第1〜第4チャンネル(第1〜第nチャンネル)の電波の当初周波数(1.24〜2.37GHzの範囲の周波数)をそれよりも低い中間周波数(10〜200MHzの範囲の周波数)に変更した後、第1〜第4チャンネルの電波の中間周波数から不要な周波数(妨害波)を除去して必要中間周波数のみを抽出するから、周波数が高い状態で不要な周波数を除去しつつ必要な周波数のみを抽出する場合と比較し、不要な周波数を確実に除去することができるとともに、必要な中間周波数のみを確実に抽出することができる。
【0071】
光信号中継システム10Aは、当初周波数を中間周波数に変更することで、第1〜第4チャンネルの電波の中間周波数から不要な周波数(妨害波)を確実に除去することができるから、中継放送中における電波の歪みの発生を防ぐことができ、放送局16から明確な映像を放送することができる。
【0072】
光信号中継システム10Aは、第1〜第4チャンネルの電波の必要中間周波数のレベルを一定のそれにするから、第1〜第4チャンネルの電波のレベルを設定レベルのそれに保持することができ、レベルのバラツキがない一定レベルの電波を各受信基地局13から復調ユニット14に送信することができる。光信号中継システム10Aは、一定レベルに調節された電波を変換した光信号を復調ユニット14が再び電波に変換してその電波を放送受信機に送信するから、一定のレベルにある映像を放送することができ、視聴者に一定レベルの映像を提供することができる。
【0073】
光信号中継システム10Aは、電波を光信号に変換し、その光信号を光回線19によって復調ユニット14に送信するから、雷撃や他の電磁波の影響を受けることはなく、伝送中における光信号の劣化もなく、各受信基地局13が受信した電波と略同一のレベルや略同一の画質の電波を復調ユニット14に送信することができる。
【0074】
図8は、他の一例として示す光信号中継システム10Bの受信基地局13の構成図であり、
図9,10は、光信号中継システム10Bの復調ユニット14の構成図である。
図9では、光スイッチ31を1つだけ図示してい
るが、光スイッチ31を1つに限定するものではなく、マラソンコース12の周辺に設置された受信基地局13の数に対応する複数の光スイッチ31が復調ユニット14に設置される。
図9は、復調ユニット14のうちの光スイッチ31から分配器33a〜33dまでの復調ユニット14の構成を示し、
図10は、復調ユニット14のうちの分配器33a〜33dから後の復調ユニット14の構成を示す。
【0075】
光信号中継システム10Bは、移動中継車11A,11B(移動局)と、マラソンコース12(移動局の移動経路)の周辺に設置された複数の受信基地局13と、復調ユニット14とから形成されている(
図2援用)。移動中継車11A,11Bから受信基地局13に送信される電波には、1.24〜2.37GHzの周波数帯域の電波が使用され、移動中継車11A,11Bからは、それぞれ2チャンネルの電波が受信基地局13に送信される。なお、
図8の受信基地局13が
図4のそれと異なるところは、サンプル電波を取り出し、そのサンプル電波を復調ユニット14に光伝送する点にある。
【0076】
受信基地局13は、第1分配手段、周波数第1変更手段、必要周波数抽出手段、サンプル電波分離手段、レベル調節手段、周波数第2変更手段、第1合成手段、レベル検出手段、A/D変換手段、パラレル/シリアル信号変換手段、デジタル変調手段、第2合成手段、E/O変換手段、光信号送信手段の各手段を実行する。受信基地局13は、アンテナ22、分配器23、周波数第1変更装置24a〜24d、バンドパスフィルタ25a〜25d(帯域通過フィルタ)(BPF)、カプラ39a〜39d、オートゲインコントロール26a〜26d(AGC)、周波数第2変更装置27a〜27d、合成器28、ログ・アンプ40a〜40d(logarithmic amplifier)、A/D変換装置42a〜42dおよびパラレル/シリアル信号変換装置50を備えたマイクロコンピュータ41、オシレータ43(oscillator)を備えたスイッチング回路44、合成器45、E/O変換装置29から形成されている。
【0077】
受信基地局13では、マラソンの中継放送において移動中継車11A,11Bから送信された電波をアンテナ22が受信し、その電波がアンテナ22から分配器23に伝送される。分配器23では、電波を第1〜第4チャンネル(第1〜第nチャンネル)の電波に等分する(第1分配手段)。分配器23は、当初周波数(たとえば、1252MHz)の第1チャンネルの電波を第1伝送路30aに送信し、当初周波数(たとえば、1270MHz)の第2チャンネルの電波を第2伝送路30bに送信するとともに、当初周波数(たとえば、2341MHz)の第3チャンネルの電波を第3伝送路30cに送信し、当初周波数(たとえば、2359MHz)の第4チャンネルの電波を第4伝送路30dに送信する。
【0078】
第1〜第4伝送路30a〜30dでは、周波数第1変更装置24a〜24d、バンドパスフィルタ25a〜25d、カプラ39a〜39d、オートゲインコントロール26a〜26d、周波数第2変更装置27a〜27dが周波数第1変更装置24a〜24d→バンドパスフィルタ25a〜25d→カプラ39a〜39d→オートゲインコントロール26a〜26d→周波数第2変更装置27a〜27dの順で第1〜第4伝送路30a〜30d(給電線)に電気的に接続されている。
【0079】
分配器23(第1分配手段)によって等分された第1〜第4チャンネルの電波が第1〜第4伝送路30a〜30dから周波数第1変更装置24a〜24dに伝送されると、それら周波数第1変更装置24a〜24dは、システム10Aと同様に、第1〜第4チャンネルの電波の当初周波数(1252MHz,1270MHz,2341MHz,2359MHz)をそれよりも低い150MHzの中間周波数(IF:Intermediate Frequency)に変更(ダウンコンバート)
する(周波数第1変更手段)。周波数第1変更装置24a〜24dでは、第1伝送路30a〜第4伝送路30dにおいて当初周波数をすべて同一の150MHzの中間周波数に変更する。中間周波数は、150MHzのみならず、10〜200MHzの範囲から選択することができる。
【0080】
周波数第1変更装置24a〜24d(周波数第1変更手段)によって当初周波数から中間周波数に変更された第1〜第4チャンネルの電波は、周波数第1変更装置24a〜24dからバンドパスフィルタ25a〜25dに伝送される。それらバンドパスフィルタ25a〜25dは、第1チャンネルの電波の中間周波数から不要な周波数を除去して必要中間周波数のみを抽出する(必要周波数抽出手段)。
【0081】
各バンドパスフィルタ25a〜25dでは、第1〜第4チャンネルの電波の中間周波数から必要中間周波数を除いた残余の不要な周波数のレベル(電界強度)を40〜80dBの範囲で減衰させる。それらバンドパスフィルタ25a〜25dは、不要な周波数のレベルを40〜80dBの範囲で減衰させるから、中間周波数から不要な周波数を確実に除去することができ、第1〜第4チャンネルの電波から必要な中間周波数のみを抽出することができる。
【0082】
それらバンドパスフィルタ25a〜25d(必要周波数抽出手段)によって不要な周波数が除去された必要中間周波数の第1〜第4チャンネルの電波は、バンドパスフィルタ25a〜25dからカプラ39a〜39dに伝送される。それらカプラ39a〜39dは、必要中間周波数の第1〜第4チャンネルの電波をメイン電波とサンプル電波と分配する(サンプル電波分離手段)。
【0083】
それらカプラ39a〜39dによって分配されたメイン電波は、カプラ39a〜39dからオートゲインコントロール26a〜26dに伝送され、カプラ39a〜39d(サンプル電波分離手段)によって分配されたサンプル電波は、カプラ39a〜39dからログ・アンプ40a〜40dに伝送される。
【0084】
それらオートゲインコントロール26a〜26dは、第1〜第4チャンネルのメイン電波の必要中間周波数のレベル(電界強度)が弱い場合、レベルを上げて一定のレベル(設定レベル)に調節し、第1〜第4チャンネルの電波の必要中間周波数のレベル(電界強度)が強い場合、レベルを下げて一定のレベル(設定レベル)に調節する(レベル調節手段)。
【0085】
オートゲインコントロール26a〜26d(レベル調節手段)によって必要中間周波数のレベルが一定にされた第1〜第4チャンネルのメイン電波は、オートゲインコントロール26a〜26dから周波数第2変更装置27a〜27dに伝送される。それら周波数第2変更装置27a〜27dは、第1〜第4チャンネルの電波の一定レベルに変更された必要中間周波数(150MHz)をそれよりも高い当初周波数と同一の光伝送用周波数(1252MHz,1270MHz,2341MHz,2359MHz)に変更(アップコンバート)する(周波数第2変更手段)。
【0086】
周波数第2変更装置27a〜27d(周波数第2変更手段)によって中間周波数から光伝送用周波数に変更された第1〜第4チャンネルのメイン電波は、周波数第2変更装置27a〜27dから合成器28に伝送される。光伝送用周波数に変更された第1〜第4チャンネル(第1〜第nチャンネル)のメイン電波が周波数第2変更装置27a〜27dから合成器28に伝送されると、合成器28は、光伝送用周波数に変更された第1〜第4チャンネルのメイン電波を単一のメイン電波に合成する(第1合成手段)。
【0087】
カプラ39a〜39dから第1〜第4チャンネルのサンプル電波が伝送されると、それらログ・アンプ40a〜40dは、そのサンプル電波の出力を入力に対する対数関数(log)に変更する。ログ・アンプ40a〜40dによって対数関数に変換された信号は、ログ・アンプ40a〜40dからマイクロコンピュータ41に伝送される(レベル検出手段)。
【0088】
マイクロコンピュータ41のA/D変換装置42a〜42dは、対数関数に変換された第1〜第4チャンネルのサンプル電波の信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する(A/D変換手段)。A/D変換装置42a〜42d(A/D変換手段)によってアナログ信号から変換されたデジタル信号は、パラレル/シリアル変換装置50に伝送され、パラレル/シリアル変換装置50によってシリアルデジタル信号に変換される(パラレル/シリアル信号変換手段)。シリアルデジタル信号は、パラレル/シリアル変換装置50からオシレータ43を有するスイッチング回路44に伝送され、スイッチング回路44によって1ビットずつ連続的に振幅偏移変調される(デジタル変調手段)。
【0089】
合成器28(第1合成手段)によって合成されたメイン電波とスイッチング回路44(デジタル変調手段)によって振幅偏移変調されたシリアルデジタル信号とは、合成器45に伝送される。合成器45は、メイン電波とシリアルデジタル信号(第1〜第4チャンネルのサンプル電波)とを合成する(第2合成手段)。合成器45(第2合成手段)によって合成されたメイン電波とシリアルデジタル信号とは、合成器45からE/O変換装置29に伝送される。E/O変換装置29は、合成されたメイン電波およびシリアルデジタル信号を光信号に変換するとともに(E/O変換手段)、その光信号(レーザ光)を光回線19を介して復調ユニット14に送信する(光信号送信手段)。
【0090】
復調ユニット14は、光スイッチ31、O/E変換装置32a〜32d、分配器46a〜46d、分配器33a〜33d、周波数第3変更装置34
a〜34p、復調器47a〜47d、シリアル/パラレル変換装置51およびD/A変換装置49a〜49pを備えたマイクロコンピュータ48a〜48dから形成されている。復調ユニット14は、電波選択手段、O/E変換手段、第3分配手段、第2分配手段、周波数第3変更手段、電波送信手段、シリアル/パラレル信号変換手段、D/A変換手段、レベル表示手段、デジタル変調信号選択手段の各手段を実行する。
【0091】
復調ユニット14に2つの光スイッチ31が設置された場合、それら2つの光スイッチ31毎に、4つのO/E変換装置32a〜32d、4つの分配器46a〜46d、4つの分配器33a〜33d、16の周波数第3変更装置34
a〜34p、4つの復調器47a〜47d、4つのマイクロコンピュータ48a〜48d、16のレベルゲージ
21a〜
21pが設置される。
【0092】
光スイッチ31の構成はシステム10Aのそれと同一であるから、
図7およびその説明を援用することで、光スイッチ31の説明は省略する。光信号中継システム10Bでは、第1〜第4光スイッチ(8×1)37a〜37dが第1〜第8光分配器(1×4)36a〜36hのうちの少なくとも1つのそれに接続される。したがって、1つの光スイッチ31において最大第1〜第8の光信号に対して任意の4つの光信号を出力可能であり(光スイッチ31が2つの場合は8(個)、光スイッチ31が3つの場合は12(個))、光信号の中から所定の光信号を出力することで、光信号に対応する所定の電波を選択することができるとともに(電波選択手段)、光信号に対応する所定のデジタル変調信号を選択することができる(デジタル変調信号選択手段)。
【0093】
光スイッチ31(電波選択手段)によって選択された光信号は、第1〜第4光スイッチ(8×1)37a〜37dの少なくとも1つからO/E変換装置32a〜32dに光伝送される。O/E変換装置32aは、光スイッチ31によって選択されて第1光スイッチ(8×1)37aから光伝送された光信号(受信基地局13から送信された光信号)を合成されたメイン電波およびシリアルデジタル信号に変換し(O/E変換手段)、O/E変換装置32bは、光スイッチ31によって選択されて第2光スイッチ(8×1)37bから光伝送された光信号を合成されたメイン電波およびシリアルデジタル信号に変換する(O/E変換手段)。O/E変換装置32cは、光スイッチ31によって選択されて第3光スイッチ(8×1)37cから光
伝送された光信号を合成されたメイン電波およびシリアルデジタル信号に変換し(O/E変換手段)、O/E変換装置32dは、光スイッチ31によって選択されて第4光スイッチ(8×1)37dから光伝送された光信号を合成されたメイン電波およびシリアルデジタル信号に変換する(O/E変換手段)。
【0094】
光信号から変換されたメイン電波およびシリアルデジタル信号は、それらO/E変換装置32a〜32dから分配器46a〜46dに伝送される。それら分配器46a〜46dは、O/E変換装置32a〜32d(O/E変換手段)によって変換されたメイン電波およびシリアルデジタル信号をメイン電波とシリアルデジタル信号とに等分(分配)する(第3分配手段)。分配器46a〜46dによって分配された電波は、分配器46a〜46dから分配器33a〜33dに伝送される。それら分配器33a〜33dは、分配器46a〜46d(第3分配手段)によって分配された電波を第1〜第4チャンネル(第1〜第nチャンネル)の電波に等分(分配)する(第2分配手段)。
【0095】
それら分配器33a〜33dは、光伝送用周波数(1252MHz,1270MHz,2341MHz,2359MHz)の第1〜第4チャンネルの電波を第1〜第4伝送路38a〜38dに送信する。なお、分配器33a〜33dでは、中継器13(E/O変換装置29)から光伝送された光信号(電波)を第1〜第4チャンネルの電波に等分しているが、電波を第1〜第nチャンネルのそれに等分することもできる。
【0096】
分配器33a〜33d(第2分配手段)によって等分された第1〜第4チャンネルの電波は、第1〜第4伝送路38a〜38dから周波数第3変更装置34a〜34dに伝送される。それら周波数第3変更装置34a〜34dは、第1〜第4チャンネルの電波の光伝送用周波数(1252MHz,1270MHz,2341MHz,2359MHz)をそれよりも低い130MHzの送出用周波数に変更(ダウンコンバート)し(周波数第3変更手段)、その送出用周波数の第1〜第4チャンネルの電波を放送受信機に伝送する(電波送信手段)。周波数第3変更装置34a〜34pでは、第1伝送路38a〜第4伝送路38dにおいて光伝送用周波数をすべて同一の130MHzの送出用周波数に変更する。なお、送出用周波数を130MHzに限定するものではなく、10〜200MHzの範囲から各放送受信機に対応する送出用周波数を選択することができる。
【0097】
分配器46a〜46d(第3分配手段)によって分配されたシリアルデジタル信号は、分配器46a〜46dから復調器47a〜47dに伝送される。それら復調器47a〜47dは、スイッチング回路44によって1ビットずつ連続的に振幅偏移変調されたデジタル変調信号を元のシリアルデジタル信号に戻す。復調器47a〜47dによって復調されたシリアルデジタル信号は、復調器47a〜47dからマイクロコンピュータ48a〜48dに伝送される。
【0098】
マイクロコンピュータ48a〜48dに伝送されたシリアルデジタル信号は、シリアル/パラレル変換装置51によって第1〜第4のデジタル信号に変換された後(シリアル/パラレル信号変換手段)、D/A変換装置49a〜49pに伝送される。D/A変換装置49a〜49pは、第1〜第4のデジタル信号を第1〜第4チャンネルのサンプル電波(受信レベル)のアナログ信号に変換する(D/A変換手段)。D/A変換装置49a〜49p(D/A変換手段)によって第1〜第4のデジタル信号から変換された第1〜第4チャンネルのサンプル電波(受信レベル)は、各レベルゲージ21a〜21pに伝送される。それらレベルゲージ21a〜21pでは、第1〜第4チャンネルのサンプル電波の受信レベル(電界強度)をアナログ表示する(レベル表示手段)。
【0099】
光信号中継システム10Bは、各サンプル電波の受信レベルがアナログ表示されるから、サンプル電波のレベルを視認し易く、各サンプル電波に対応する各メイン電波のレベルを容易に知ることができる。なお、第1〜第4デジタル信号をD/A変換することなく、その第1〜第4デジタル信号に基づいてサンプル電波の受信レベルをデジタル表示することもできる(レベル表示手段)。
【0100】
光回線19を介して電波から変換された光信号がそれら受信基地局13(E/O変換装置29による光信号送信手段)から復調ユニット14に光伝送され、光スイッチ31によって選択された光信号に対応する各メイン電波が周波数第3変更装置34
a〜34pから放送受信機に伝送されると、モニタールーム17の各モニター20a〜20pに各メイン電波に対応する中継放送中の各映像が表示される。
【0101】
テレビジョン放送室16の各スタッフは、モニタールーム17の各モニター20a〜20pを視認しつつ、光スイッチ31によってチャンネルを切り替え、光信号に対応する所定のメイン電波を選択する。テレビジョン放送室16のスタッフは、それらモニター20a〜20pを確認しつつ、光スイッチ31を利用して放送チャンネルの切替を行うことで、良好な画質を有するとともに明確な映像を選択することができ、選択した映像を各受信者に提供することができる。
【0102】
さらに、光回線19を介してデジタル信号から変換された光信号がそれら受信基地局13(E/O変換装置29による光信号送信手段)から復調ユニット14に光伝送(デジタル変調通信)され、光スイッチ31によって選択された光信号に対応する第1〜第4チャンネルのサンプル電波のアナログ信号が各レベルゲージ21a〜21pに伝送されると、モニタールーム17の各レベルゲージ21a〜21pに中継放送中の各メイン電波に対応するサンプル電波の受信レベルが表示される。
【0103】
テレビジョン放送室16の各スタッフは、モニタールーム17の各レベルゲージ21a〜21pを視認しつつ、光スイッチ31によってチャンネルを切り替え、最小のチャンネル数から最大のチャンネル数までの光信号を出力し、光信号に対応する所定のサンプル電波を選択する。テレビジョン放送室16のスタッフは、それらレベルゲージ21a〜21pを確認しつつ、光スイッチ31を利用して放送チャンネルの切替を行うことで、良好なレベルを有する映像を選択することができ、選択した映像を各受信者に提供することができる。
【0104】
光信号中継システム10Bは、光信号中継システム10Aが有する効果に加え、以下の効果を有する。光信号中継システム10Bは、マラソンの中継放送において移動中継車11A,11Bと各受信基地局13との離間距離によってメイン電波のレベル(電界強度)が変わるが、それらメイン電波に対応するサンプル電波のレベルをレベルゲージ21a〜21pに表示することで、各サンプル電波に対応する各メイン電波のレベルを知ることができ、良好なレベルの電波を選択してその電波を各放送受信機に送信することができる。光信号中継システム10Bは、良好なレベルの電波を各放送受信機に送信することができるから、各放送受信機において良好かつ明確な画質の映像を放送することができる。