(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上、通常、基板のターゲット部分上に付与する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に用いることができる。その場合、ICの個々の層上に形成される回路パターンを生成するために、マスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを用いることができる。このパターンは、基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、ダイの一部、又は1つ以上のダイを含む)に転写することができる。通常、パターンの転写は、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層上への結像によって行われる。一般には、単一の基板が、連続的にパターニングされる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。
【0004】
[0004] リソグラフィは、IC並びに他のデバイス及び/又は構造の製造における重要なステップの1つとして広く認識されている。しかしながら、リソグラフィを使用して作られるフィーチャの寸法が小さくなるにつれ、リソグラフィは、小型ICあるいは他のデバイス及び/又は構造を製造できるようにするための、より重要な要因になりつつある。
【0005】
[0005] パターン印刷の限界の理論的な推定値は、式(1)に示すレイリーの解像限界によって得られる。
【数1】
ここで、λは、使用される放射の波長であり、NAは、パターンを印刷するために使用される投影システムの開口数である。k
1は、レイリー定数とも呼ばれるプロセス依存調整係数であり、CDは、印刷されたフィーチャのフィーチャサイズ(又はクリティカルディメンション)である。式(1)から、フィーチャの最小印刷可能サイズの縮小は、3つの方法、すなわち、露光波長λを短くすること、開口数NAを大きくすること、又はk
1の値を小さくすること、によって達成可能であるということになる。
【0006】
[0006] 露光波長を短くし、ひいては最小印刷可能サイズを縮小するために、極端紫外線(EUV)放射源を使用することが提案されている。EUV放射は、5〜20nmの範囲内、例えば、13〜14nmの範囲内、例えば、6.7nmや6.8nmなどの5〜10nmの範囲内の波長を有する電磁放射である。可能な放射源としては、例えば、レーザ生成プラズマ源、放電プラズマ源、又は電子蓄積リングによって与えられるシンクロトロン放射に基づく放射源が含まれる。
【0007】
[0007] EUV放射は、プラズマを使用して生成することができる。EUV放射を生成する放射システムは、燃料を励起してプラズマを供給するレーザと、プラズマを収容するソースコレクタモジュールと、を含むことができる。プラズマは、例えば、レーザビームを適切な材料(例えば、スズ)の粒子、適切なガス流又は蒸気流(Xeガス、Li蒸気など)などの燃料に誘導することによって生成することができる。結果として得られるプラズマは、放射コレクタを使用して集光される出力放射、例えば、EUV放射を放出する。放射コレクタは、ミラー垂直入射放射コレクタであってよく、ミラー垂直入射放射コレクタは、放射を受け、その放射をビームに集束させる。ソースコレクタモジュールは、真空環境を提供してプラズマを支持するように配置された囲い構造又はチャンバを含むことができる。そのような放射システムは、通常、レーザ生成プラズマ(LPP)源と呼ばれる。
【0008】
[0008] EUVリソグラフィ装置を用いて所望の精度を有する基板上にパターンを投影するために、基板の温度を制御することが望ましい。というのは、基板の温度の制御されていない変化によって基板が拡張又は収縮することで、投影されたパターンが基板上に所望の精度で位置決めされない(例えば、基板上にすでに存在するパターン上に所望の精度で重ね合わされない)場合があるからである。この点に関して知られている問題は、露光されたレジスト及び/又はウェーハステージコンパートメントから発生する汚染物質を防ぐために用いられるパージガスがウェーハの表面上に正味の正の熱負荷(net positive heat load)を生じさせることである。この熱負荷は、さらには、ウェーハの望ましくない大きな熱変形をもたらすおそれがある。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[00024]
図1は、本発明の一実施形態に係るリソグラフィ装置100を概略的に示している。このリソグラフィ装置は、放射ビームB(例えば、EUV放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えば、マスク又はレチクル)MAを支持するように構築され、かつパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1ポジショナPMに連結されたサポート構造(例えば、マスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、かつ基板を正確に位置決めするように構成された第2ポジショナPWに連結された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付けられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば、反射投影システム)PSと、を備える。
【0021】
[00025] 照明システムとしては、放射を誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらのあらゆる組合せなどのさまざまなタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
【0022】
[00026] サポート構造MTは、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、及び、パターニングデバイスが真空環境内で保持されているか否かなどの他の条件に応じた態様で、パターニングデバイスMAを保持する。サポート構造は、機械式、真空式、静電式又はその他のクランプ技術を使って、パターニングデバイスを保持することができる。サポート構造は、例えば、必要に応じて固定式又は可動式にすることができるフレーム又はテーブルであってもよい。サポート構造は、パターニングデバイスを、例えば、投影システムに対して所望の位置に確実に置くことができる。
【0023】
[00027] 「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分内にパターンを作り出すように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用することができるあらゆるデバイスを指していると、広く解釈されるべきである。放射ビームに付与されたパターンは、集積回路などのターゲット部分内に作り出されるデバイス内の特定機能層に対応し得る。
【0024】
[00028] パターニングデバイスは、透過型であっても、反射型であってもよい。パターニングデバイスの例としては、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクは、リソグラフィでは公知であり、バイナリ、レベンソン型(alternating)位相シフト、及びハーフトーン型(attenuated)位相シフトなどのマスク型、並びに種々のハイブリッドマスク型を含む。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型ミラーのマトリックス配列が用いられており、各小型ミラーは、入射する放射ビームを様々な方向に反射させるように、個別に傾斜させられ得る。傾斜させられたミラーは、ミラーマトリックスによって反射される放射ビームにパターンを付与する。
【0025】
[00029] 照明システムなどの投影システムは、使われている露光放射にとって、あるいは真空の使用といった他の要因にとって適切な、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらのあらゆる組合せなどのさまざまなタイプの光学コンポーネントを含むことができる。EUV放射に対して真空を用いることが望ましいことがある。というのは、ガスは放射を吸収し過ぎる場合があるからである。従って、真空壁及び真空ポンプを用いて、真空環境をビーム経路全体に提供することができる。リソグラフィ装置のいくつかの部分にガスを供給することができ、それにより、例えば、ガス流を用いてリソグラフィ装置の光学コンポーネントに汚染が到達する可能性を低減させることが可能になる。
【0026】
[00030] 本明細書に示されているとおり、リソグラフィ装置は、反射型のもの(例えば、反射型マスクを採用しているもの)である。
【0027】
[00031] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のマスクテーブル)を有する型のものであってもよい。そのような「マルチステージ」マシンにおいては、追加のテーブルが並行して使用されてよく、又は予備工程を1つ以上のテーブル上で実行しつつ、別の1つ以上のテーブルを露光用に使うこともできる。
【0028】
[00032]
図1を参照すると、イルミネータILは、ソースコレクタモジュールSOから極端紫外線(EUV)放射ビームを受ける。EUV光を生成する方法としては、EUV範囲の1つ以上の発光線を用いて材料を少なくとも1つの元素、例えばキセノン、リチウム、又はスズを有するプラズマ状態に変換することが含まれるが、必ずしもこれに限定されない。レーザ生成プラズマ(「LPP」)と呼ばれることが多いそのような1つの方法において、必要な線発光素子を有する材料の液滴、流れ、又はクラスタなどの燃料をレーザビームで照射することによって、所望のプラズマを生成することができる。ソースコレクタモジュールSOは、燃料を励起するレーザビームを供給するための
図1に示されないレーザを含むEUV放射システムの一部であってよい。結果として得られるプラズマは、出力放射、例えばEUV放射を放出し、この出力放射は、ソースコレクタモジュール内に配置される放射コレクタを使用して集光される。例えば、CO
2レーザを用いて燃料励起のためのレーザビームを供給する場合、レーザ及びソースコレクタモジュールは、別個の構成要素であってもよい。
【0029】
[00033] そのような場合には、レーザは、リソグラフィ装置の一部を形成しているとはみなされず、また放射ビームは、レーザからソースコレクタモジュールへ、例えば、適切な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムを使って送られる。その他の場合においては、例えば、放射源が、DPP源と呼ばれることが多い放電生成プラズマEUVジェネレータである場合、放射源は、ソースコレクタモジュールの一体部分とすることもできる。
【0030】
[00034] イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調節するアジャスタを含むことができる。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側及び/又は内側半径範囲(通常、それぞれσ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。さらに、イルミネータILは、ファセット視野ミラーデバイス及びファセット瞳ミラーデバイスといったさまざまな他のコンポーネントを含むことができる。イルミネータを使って放射ビームを調整すれば、放射ビームの断面に所望の均一性及び強度分布をもたせることができる。
【0031】
[00035] 放射ビームBは、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されているパターニングデバイス(例えば、マスク)MA上に入射して、パターニングデバイスによってパターンを付与される。パターニングデバイス(例えば、マスク)MAから反射された後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは、基板Wのターゲット部分C上にビームの焦点をあわせる。第2ポジショナPW及び位置センサPS2(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、又は静電容量センサ)を使って、例えば、さまざまなターゲット部分Cを放射ビームBの経路内に位置決めするように、基板テーブルWTを正確に動かすことができる。同様に、第1ポジショナPM及び別の位置センサPS1を使い、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを放射ビームBの経路に対して正確に位置決めすることもできる。パターニングデバイス(例えば、マスク)MA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1及びM2と、基板アライメントマークP1及びP2とを使って、位置合わせされてもよい。
【0032】
[00036] 例示の装置は、以下に説明するモードのうち少なくとも1つのモードで使用可能である。
1.ステップモードにおいては、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MT及び基板テーブルWTを基本的に静止状態に保ちつつ、放射ビームに付けられたパターン全体を一度にターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一静的露光)。その後、基板テーブルWTは、X方向及び/又はY方向に移動させられ、それによって別のターゲット部分Cを露光することができる。
2.スキャンモードにおいては、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MT及び基板テーブルWTを同期的にスキャンする一方で、放射ビームに付けられたパターンをターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一動的露光)。サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの(縮小)拡大率及び像反転特性によって決定されてよい。
3.別のモードにおいては、プログラマブルパターニングデバイスを保持した状態で、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTを基本的に静止状態に保ち、また基板テーブルWTを動かす、又はスキャンする一方で、放射ビームに付与されているパターンをターゲット部分C上に投影する。このモードにおいては、通常、パルス放射源が採用されており、さらにプログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの移動後ごとに、又はスキャン中の連続する放射パルスと放射パルスとの間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、前述の型のプログラマブルミラーアレイといったプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0033】
[00037] 上述の使用モードの組合せ及び/又はバリエーション、あるいは完全に異なる使用モードもまた採用可能である。
【0034】
[00038]
図2は、ソースコレクタモジュールSOと、照明システムILと、投影システムPSと、を含むリソグラフィ装置100をより詳細に示している。ソースコレクタモジュールSOは、真空環境をソースコレクタモジュールSOの囲い構造220内に維持することができるように構築及び配置される。EUV放射放出プラズマ210は、放電生成プラズマ源によって形成され得る。EUV放射は、ガス又は蒸気、例えば、Xeガス、Li蒸気又はSn蒸気によって生成されることができ、非常に高温のプラズマ210が生成されて電磁スペクトルのEUV範囲の放射を放出する。非常に高温のプラズマ210は、例えば、少なくとも部分的にイオン化されたプラズマをもたらす放電によって生成される。Xe、Li、Sn蒸気又は他の適切なガスもしくは蒸気の、例えば10Paの分圧が、放射を効率よく発生させるために必要となり得る。一実施形態において、励起されたスズ(Sn)のプラズマを設けてEUV放射を生成する。
【0035】
[00039] 高温のプラズマ210が放出する放射は、放射源チャンバ211の開口内又は開口の後ろに位置決めされる任意のガスバリア又は汚染物質トラップ230(場合によっては汚染物質バリア又はフォイルトラップとも呼ばれる)を介して、放射源チャンバ211からコレクタチャンバ212内に送られる。汚染物質トラップ230はチャネル構造を含み得る。また、汚染物質トラップ230は、ガスバリア、又はガスバリアとチャネル構造との組合せを含み得る。本明細書でさらに示される汚染物質トラップ又は汚染物質バリア230は、当該技術分野で公知のように、チャネル構造を少なくとも含む。
【0036】
[00040] コレクタチャンバ212は、いわゆるかすめ入射コレクタであり得る放射コレクタCOを含み得る。放射コレクタCOは、上流放射コレクタ側251と下流放射コレクタ側252とを有する。コレクタCOを横切る放射は、格子スペクトルフィルタ240で反射されて仮想放射源点IFに集束することが可能である。仮想放射源点IFは、一般に中間焦点と呼ばれ、ソースコレクタモジュールは、中間焦点IFが囲い構造220の開口221に又は開口221の付近に位置するように配置される。仮想放射源点IFは放射放出プラズマ210の像である。
【0037】
[00041] その後、放射は照明システムILを横切る。照明システムILは、パターニングデバイスMAにおける放射ビーム21の所望の角度分布及びパターニングデバイスMAにおける放射強度の所望の均一性を与えるように配置されたファセット視野ミラーデバイス22及びファセット瞳ミラーデバイス24を含み得る。サポート構造MTによって保持されるパターニングデバイスMAで放射ビーム21が反射されると、パターン付きビーム26が形成され、パターン付きビーム26は、投影システムPSによって、反射素子28、30を介して、ウェーハステージ又は基板テーブルWTによって保持された基板W上に結像される。
【0038】
[00042] 一般に、図示された素子より数の多い素子が照明光学ユニットIL及び投影システムPSに存在してよい。格子スペクトルフィルタ240は、リソグラフィ装置のタイプによって任意で存在してよい。さらに、図示されたミラーより数の多いミラーが存在してよい。例えば、
図2に示すものと比較して、投影システムPS内に追加の1〜6個の反射素子が存在してよい。
【0039】
[00043]
図2に示すコレクタ光学系COは、コレクタ(又はコレクタミラー)の単なる一例として、かすめ入射リフレクタ253、254及び255を有する入れ子式コレクタとして描かれている。かすめ入射リフレクタ253、254及び255は、光軸Oの周りで軸方向に対称的に配置され、このタイプのコレクタ光学系COは、DPP源と呼ばれることが多い放電生成プラズマ源と組み合わせて使用されることが望ましい。
【0040】
[00044] 代替的に、ソースコレクタモジュールSOは、
図3に示すように、レーザ生成プラズマ(LPP)放射システムの一部とすることができる。レーザLAは、キセノン(Xe)、スズ(Sn)、又はリチウム(Li)などの燃料内にレーザエネルギーを堆積させるように配置され、それによって電子温度が数10eVの高電離プラズマ210が生成される。イオンの脱励起及び再結合中に生成されたエネルギー放射は、プラズマから放出され、囲い構造220において近垂直入射コレクタ光学系COによって集光され、開口221上に集束される。
【0041】
[00045]
図4は、投影システムPSの下部、すなわち、基板ホルダWTに対向する部分の断面を概略的に示している。投影システムPSは、使用中、パターン付き放射ビームが基板のターゲット部分上に投影される開口301を含む。この開口は、開口画定壁302の傾斜した内側表面304によって形成され得る。壁302は、中空であり、ガス供給部から(例えば、図示しないデリバリパイプを介して)ガスを受け取り、かつ傾斜した内側表面304に形成された環状スリット306を通ってガスを開口301に送出する環状チャンバ305を画定する。デリバリパイプ、チャンバ305、及びスリット306はともに、ガスを開口301に送出する導管を形成するとみなされ得る。導管は、ガスを開口301に供給する役割を果たす、あらゆる他の適切な形態をとり得る。
【0042】
[00046] 環状スリット306は出口の一例である。出口は、あらゆる適切な形態をとることができる。出口は例えば複数の穴を含む。複数の穴は、出口の周囲に配置されてよい。穴は、矩形、正方形、円形であってよく、他のあらゆる適切な形状を有してもよい。
図4の参照符号306は、そのような出口を指し、以降、出口は出口306とも呼ばれる。
【0043】
[00047] 汚染(例えば、基板W上のレジストに由来する気相の有機化合物)が基板Wから投影システムPSの内部に移動する可能性を低減させることが望ましい。というのは、汚染はミラー28、30などの光学表面に堆積し、そのような表面の反射率を低下させ得るからである。これは、さらには基板W上への投影に利用可能なEUV放射の強度を低下させ、従ってリソグラフィ装置のスループット(すなわち、リソグラフィ装置によって1時間当たりにパターン付与され得る基板の数)を低下させることがある。
【0044】
[00048] 環状スリット306を通って開口301に供給されたガスは、基板Wから開口301を通って投影システムPS内に進む汚染の可能性を低減させるパージガスとして働く。ガス流は、
図4において矢印によって概略的に表されている。ガスは、環状スリット306への入口におけるガスの圧力が環状チャンバ305の周囲のガスの圧力と実質的に等しくなるように、環状チャンバ305内に移動し、またその中で移動する。環状チャンバ305の周囲の圧力に多少の変動がある場合があり、これを補正するために、チャンバは、ガスが環状チャンバ内で移動することを促すように作用するバッフル(図示せず)を含むことができ、それによって、環状チャンバ内のガスの圧力の均等化を助長する。ガスは、環状スリット306を通過して開口301に入る。ガスの一部は、上向きに、投影システムPS内に移動する。残りのガスは、下向きに移動し、開口301を出て、開口から離れて、投影システムPSと基板Wとの間のギャップ又は空間に移動する。開口301から出たガス流は、基板Wから投影システムPS内への汚染の通過を防止又は抑制する。
【0045】
[00049] 基板Wの温度を制御することが望ましい。というのは、基板の温度の制御されていない変化によって基板が拡張又は収縮することで、投影されたパターンが基板上に所望の精度で位置決めされない(例えば、基板上にすでに存在するパターン上に所望の精度で重ね合わされない)場合があるからである。開口301から基板W上へのガス流は、以下にさらに示す望ましくない態様によって基板を加熱することがある。ガス流が望ましくない態様で基板を加熱することを防ぐことが望ましい場合がある。さらに、基板の少なくとも一部は、基板の一部に入射するEUV放射及び赤外放射によって引き起こされた加熱に起因する、より高い温度を経験し得る。赤外放射は、例えば、EUV放出プラズマの生成に用いられるEUV放出プラズマ210又はレーザLAから発生し得る(
図3を参照)。
【0046】
[00050] 一実施形態において、ガスは、開口301から基板Wの縁部に流れる際に冷却される。開口301から基板Wの縁部に流れる際にガスの冷却を行うために、リソグラフィ装置は、以下に詳細に説明する温度制御デバイス330を備える。温度制御デバイス330は、開口301の通過後の投影システムPSと基板Wとの間の空間のガスの温度を制御するように構成される。ガスの温度は、ガスがリソグラフィ装置において許容できないオーバーレイエラーを引き起こす程度にガスによって基板Wの温度を変化させないように制御され得る。リソグラフィ装置が使用中でない場合の実施形態の技術的特徴を説明する目的で、投影システムPSと基板Wとの間の空間は、投影システムと基板テーブルWTとの間の空間と同等であることが理解されよう。このような同等であることを考慮すると、以下の本発明の説明において2つの空間の定義の区別は生じない。
【0047】
[00051] リソグラフィ装置は基準温度を有し得る。この基準温度は、例えば295ケルビン前後(例えば、20〜23℃であり得る室温前後)又は他の温度とすることができる。基準温度は、リソグラフィ装置の1つ以上のコンポーネントがリソグラフィ装置の動作中に保持される温度であり得る。リソグラフィ装置は、基板W、基板テーブルWT、投影システムの壁、及び開口画定壁302のうちの1つ以上を基準温度で保持(保持しようと努力)し得る。リソグラフィ装置がガス流無しに動作することがあっても、基板W、基板テーブルWT、投影システムの壁、及び開口画定壁302は、基準温度(又は実質的に基準温度)であり得る。これに対する例外は、露光されている基板の一部であり得る。この一部は、当該基板の一部に入射するEUV放射及び赤外放射によって引き起こされた加熱に起因する、より高い温度を有し得る。赤外放射は、例えば、EUV放出プラズマの生成に用いられるEUV放出プラズマ210又はレーザLAから発生し得る(
図3を参照)。
【0048】
[00052] チャンバ305に導入されるガスがリソグラフィ装置の他のコンポーネントと同じ温度を初めに有するとしても、ガスは、装置を流れている場合に基板Wの加熱を引き起こすことがある。というのは、ガスは基板Wの方へ移動しながら熱を得て、熱はガスから基板に伝達されるからである。この基板の加熱は、基板の露光中に生じる許容できないオーバーレイエラーにつながるおそれがある。
【0049】
[00053] ガスが基板Wの方へ移動しながら熱を得る仕組みは、ガスが移動する速度の結果である。デリバリパイプを通って環状チャンバ305へ移動しているガスは、比較的高速(例えば、100m/s以上)である。ガスのこの比較的高い速度は、ガスがチャンバに流れている際にガスの温度低下を引き起こす。これは、ガスが断熱性を有する(すなわち、デリバリパイプとガスとの間で熱伝導が発生しない)という例を考慮することによって理解することができる。ガスが断熱性を有する場合、ガスの全エネルギーは必ず一定のままである。ガスがデリバリパイプに入る際に当該ガスが静止している、又はゆっくりと動いている(例えば、10m/s以下)場合、ガスのエネルギーのすべては熱エネルギーであり、これは、ガスの温度として明らかである。しかし、ガスがデリバリパイプにおいて比較的高速で移動している場合、ガスはその速度に起因する著しい運動エネルギーを有する。ガスの全エネルギーは同じままであるので、ガスの熱エネルギー(従ってその温度)は減少する。従って、断熱性に関わる場合において、ガスが比較的高速で流れる場合、ガスの温度は低下することになる。
【0050】
[00054] 本発明の一実施形態のガスは、デリバリパイプを通って比較的高速で流れ得る。この比較的高い速度の結果、ガスの静温度は低下する。ガス及び投影システムの壁の両方は同一の初期温度(初期のガス温度は、ガスがデリバリパイプを流れる前のガスの温度である)を有し、ガスがデリバリパイプを流れている際に、ガスは、投影システムの壁より低い静温度を有することになる。ガスは投影システムの壁より低い静温度を有するので、熱は、デリバリパイプを通って移動する際、投影システムの壁からガスに流れることになる。別の実施形態においては、ガスは、比較的低速でデリバリパイプを流れることがあり、その場合、ガスの温度は低下しない。ただし、ガスが環状スリット306を通って流れるとき、ガスの温度は低下することになる。
【0051】
[00055] ガスが通って開口301内に入る環状スリット306は比較的制約される。従って、ガスは比較的高速で環状スリット306を通過し、これにより、ガスの温度が低下することになる(例えば、数ケルビン又はさらに最大で数十ケルビン)。環状スリット306を通過する際にガスが開口画定壁304より低い温度を有する場合、熱は開口画定壁からガスに伝達されることになる。
【0052】
[00056] ガスは、開口301に入る際に比較的高い速度を有し得る。しかしながら、ガスは、基板Wの表面に入射する際に減速する。というのは、基板は、ガスが下方へ移動し続けることを防止し、ガスの方向を変化させるからである。この減速の結果、ガスの運動エネルギーは熱エネルギーに変換される。熱はデリバリパイプ及び開口画定壁304からガスに伝達されているので、ガスは、ガスがデリバリパイプに入る前の全温度より高い全温度を有する。ガスの全温度は、例えば、リソグラフィ装置の基準温度より高い場合がある。基板Wの望ましくない加熱を引き起こし得るのは、こうした、より高いガスの全温度である。
【0053】
[00057] 一実施形態において、開口画定壁302を断熱して、投影システムの壁(又はリソグラフィ装置の他の部分)から開口画定壁に流れ得る熱の量を低減させることができる。これにより、ガスが環状スリット306を通過する際にガスに伝達され得る熱の量が低減する。この断熱は、例えば、開口画定壁302と投影システムの壁(後者の壁は
図4に示されていない)との間にギャップ及び/又は断熱材料を設けることを含み得る。
【0054】
[00058] 一実施形態において、開口画定壁302は断熱材料から構築され得る。例えば、開口画定壁302は、セラミック、例えば、米国、コーニングのCorning Inc.から入手可能なMacorセラミック(又は他のいくつかの適切なセラミック)から構築され得る。開口画定壁302は、ガラスから形成され得る。開口画定壁302は、他のいくつかの金属より低い熱伝導率を有する金属から形成され得る。例えば、開口画定壁302は、構造強度を示すことができ、かつアルミニウムより著しく低い熱伝導率を有するステンレス鋼から形成され得る。
【0055】
[00059]
図4の実施形態において、チャンバ305は、基板Wに平行で、かつガスが流れるギャップを基板Wとともに画定する環状下壁303を有する。下壁303に固定されるのは、以下に説明する温度制御手段(又は温度コントローラ)を支持し、かつ温度制御手段とともに上述の温度制御デバイス330の一部である、環状ディスクの形態をとるサポート部材320である。サポート部材320には、ガス流を妨害しないように、又は露光放射ビームを阻止しないように開口301と連続した開口321が設けられる。サポート部材320は、以下に説明するとおり温度制御手段を支持する役割を果たし、環状ディスクはサポート部材の特定の便利な形態である一方、サポート部材は、あらゆる他の適切な形態をとり得る。
【0056】
[00060]
図5は、開口321の縁部からサポート部材320の外周に広がるサポート部材320の断面を詳細に示している。サポート部材320によって支持されるのは、少なくとも1つの加熱手段322(又はヒータ)及び少なくとも1つの冷却手段323(又はクーラ)である。冷却手段323は、例えば円形又は矩形の断面を有するあらゆる適切な形態をとり得るが、遠隔冷却ユニット(例えば、ヒートパイプを介して接続されたペルチェクーラ)から供給される冷却流体を搬送するチューブを備えることが望ましい。冷却は、例えば、ヒートパイプ、又は水もしくはグリコールなどの単相冷却流体の使用により実現することができるが、これらに限定されない。加熱手段322は、少なくとも1つの抵抗加熱素子を備え得る。サポート部材320は、熱伝導材料から形成されることが望ましく、サポート部材320の下の基板Wに汚染を与えるおそれがないように低ガス放出性の材料であることが望ましい。適切な材料には、アルミニウム、スチール、及び窒化アルミニウム又は炭化ケイ素などのセラミックが含まれる。
【0057】
[00061] なお、留意すべき点として、
図5において、加熱手段及び冷却手段はともにサポート部材320の下方に示されている一方、
図4においては、サポート部材320の上方に示されている。どちらの選択肢も可能である。
【0058】
[00062] サポート部材320は、チャンバ305の下壁303に固定されることが望ましいが、壁303に必ずしも接触せずに他の手段によって所定の位置に保持されてもよい。任意選択的に、本発明のいくつかの実施形態において、システムが、チャンバ305内のガスを事前に冷却するように配置され得る。これは、サポート部材320が下壁303と良好に熱接触することを確実にすることによって達成され得る。逆に、チャンバ305のガスを事前に冷却することは、冷却が隣接するサブモジュールやその一部を冷却し得ることが望ましくないという点でいくつかの欠点を有し得る。この場合、サポート部材320は、下壁303に隣接するものの接触しないように独立して取り付けられてよく、あるいは、断熱材料を挟んで下壁303に固定されてよい。
【0059】
[00063] 加熱手段及び冷却手段の両方を設けるが、主な目的は、ガスが開口301から基板Wの縁部に流れる際にガスに対する可変冷却効果をもたらすことである。加熱手段及び冷却手段の両方を設ける潜在的な利点は、システムの応答時間を改善することができることである。冷却手段の応答時間は、通常、加熱手段の応答時間よりかなり遅い。本発明の実施形態により、冷却手段323を用いてガスを過冷却し、次いで加熱手段322を用いてガスを加熱することによって迅速な応答時間を伴う冷却を行うことで、正味の冷却効果がもたらされる。過冷却を実質的に一定に維持することによって、正味の冷却を制御するのは加熱手段322であり、加熱手段は比較的高速の応答時間を有するので、システムの応答時間は比較的速い。任意選択的に、冷却のみ又は加熱のみを行ってよいが、過冷却を加熱と組み合わせて正確に制御可能な可変冷却をもたらすことによって、最良の結果を得ることができる。
【0060】
[00064] 説明したとおり、システムは、加熱と組み合わせたガスの過冷却を提供することができる。これにより、迅速な応答時間を伴う広範囲の冷却制御が行われる。過冷却は変化しないことが望ましく、加熱を調整することによって制御が行われる。温度フィードバック又はフィードフォワード信号を、温度制御デバイスの動作を制御するために構築及び配置された制御システム(いずれの図面にも示されていない)に供給することによって、制御を可能にする。特に、制御システムは、加熱手段322及び冷却手段323のそれぞれの温度を設定又は調整するように構築及び配置され得る。この信号は、ディスク320上に配置された又はディスク320に隣接する1つ以上の温度センサから得られ得る。本発明のいくつかの実施形態において、抵抗加熱素子はそれら自身が、加熱素子の抵抗率を監視することによって1つ以上の温度センサとして機能し得る。
【0061】
[00065] 本発明の一実施形態において、リソグラフィ装置の、影響を及ぼす他のモジュールから制御システムに制御信号を供給してもよい。例えば、ウェーハ露光の放射エネルギーとウェーハチャック温度とを示す信号を、フィードバック制御の一部として供給することができる。
【0062】
[00066] 加熱及び冷却手段322、323は、ディスク320上に広範な異なる構成で構成され得る。特に簡易な構成においては、単一の加熱素子及び単一の冷却素子しか存在しなくてよいが、望ましくは最大の制御度を得るために、独立して制御可能な複数の加熱素子又は独立して制御可能なセグメントに細分された単一の加熱素子であり得る。独立して制御可能な加熱素子又は細分された独立して制御可能なセグメントを設けることによって、サポート部材の別々の部分にわたって正味の冷却度を制御することが可能になり得る。通常、例えば、ガスが最も温かい状態にあると、その時点で、開口301に隣接する冷却の程度はより高いものとなる。同様に、最高の制御度をもたらす複数の冷却素子があってよい。いくつかの実施形態において、サポート部材320上の加熱及び冷却手段322、323は、多数の異なる独立した制御セクタとして設けられ得る。各々の制御セクタは、少なくとも1つの加熱素子又は独立して制御可能な加熱素子セグメントと、少なくとも1つの冷却素子又はその一部と、を含む。
【0063】
[00067] 一実施形態において、温度制御デバイス330がガスを冷却する温度を用いて、リソグラフィ装置によって達成されたオーバーレイを(少なくとも部分的に)調整し得る。オーバーレイは、基板上にすでに存在するパターンの上にリソグラフィ装置がパターンを投影する精度の測定としてみなされ得る。リソグラフィ装置によって達成されるオーバーレイは、(リソグラフィ装置の一部を形成し得る)メトロロジ装置を用いることによって基板の露光により測定されて、基板上にすでに存在するパターンに対する投影パターンの位置を測定し得る。最適以下のオーバーレイが見つかると、そのパターンは、高すぎる温度を有する基板を示しており、温度制御デバイス330によって得られる冷却が増大され得る。逆に、最適以下のオーバーレイが見つかると、そのパターンは低すぎる温度を有する基板を示しており、温度制御デバイス330によって得られる冷却が減少し得る。あるいは補償熱量が増大し得る。温度制御デバイス330によって得られる冷却は、所望のオーバーレイ精度を維持するために定期的に調整され得る。
【0064】
[00068] 基板によるEUV放射の吸収は、比較的一定又は予想可能であり得る。しかし、基板によるIR放射の吸収は、基板の表面の形態によって著しく異なり得る。例えば、構造は基板上であらかじめ露光及び処理されている場合、基板によるIR放射の吸収は、その構造の形態によって決まることになる。構造が金属から形成される場合、IR放射の吸収は、構造が半導体材料から形成された場合に見られたであろう吸収より少なくなる。温度制御デバイス330から送出されたガスの温度調整は、リソグラフィ装置によって露光されている(又は露光される予定の)基板の赤外放射の反射率及び吸収率を考慮し得る。一実施形態において、(複数の基板を代表し得る)基板による赤外放射の反射率及び吸収率は、リソグラフィ装置による基板(又は複数の基板)の露光前に測定装置において実行され得る。測定装置は、リソグラフィ装置の一部を形成し得る。例えば、装置は、赤外放射ビームを基板に誘導し、基板から反射された放射を検出することができ、それによって赤外放射に対する基板の反射率を決定することが可能になる。吸収率も測定することができる。赤外放射は、例えば10.6μmとすることができ、また、例えばレーザによって供給され得る。装置は、例えば、基板の他の特性の測定を実行するために用いられる装置とすることができる(そのような装置はメトロロジ装置と呼ばれることがある)。(例えば、IR放射によって引き起こされた基板の加熱を少なくとも部分的に補償する冷却を得るためにガスが用いられている場合)制御システムは、加熱手段322、333の温度を調整して、リソグラフィ装置によって露光される予定の(又は露光されている)基板のIR反射率及び吸収率を考慮に入れ得る。
【0065】
[00069] 加熱手段322及び冷却手段323は、回転対称性を有してサポート部材320上に配置され得る。これは、ガスがすべての方向に均等に開口301から放射状に外向きに流れる場合、特に有用である。ただし、加熱素子又は加熱素子のセグメントの独立制御、又は、特定の選択された構成内に加熱素子及び冷却素子を配置すること、のいずれによっても、特定の冷却パターンをいかなる理由であっても設ける必要がある場合、特定の用途において適切であり得るそのような特定の冷却パターンを達成することができる。
【0066】
[00070] 本発明の実施形態によって、ウェーハの相対温度が、出口301にちょうど対向する位置において局所的に上昇し得るという可能性がもたらされる。これは許容可能であり得る。というのは、そのような局所的に高温の中央領域は、その中央領域の周囲に配置された、より低温の環状領域によって補償され、それによって、通常のシリコンウェーハの比較的高い熱伝導を利用することができるからである。
【0067】
[00071] 本明細書において、IC製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的な言及がなされているが、本明細書記載のリソグラフィ装置が、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターン及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造といった他の用途を有し得ることが理解されるべきである。当業者にとっては当然のことであるが、そのような別の用途においては、本明細書で使用される「ウェーハ」又は「ダイ」という用語はすべて、それぞれより一般的な「基板」又は「ターゲット部分」という用語と同義であるとみなしてよい。本明細書に記載した基板は、露光の前後を問わず、例えば、トラック(通常、基板にレジスト層を塗布し、かつ露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジーツール、及び/又はインスペクションツールで処理されてもよい。適用可能な場合には、本明細書中の開示内容を上記のような基板プロセシングツール及びその他の基板プロセシングツールに適用してもよい。さらに基板は、例えば、多層ICを作るために複数回処理されてもよいので、本明細書で使用される基板という用語は、すでに多重処理層を包含している基板を表すものとしてもよい。
【0068】
[00072] 「レンズ」という用語は、文脈によっては、屈折、反射、磁気、電磁気、及び静電型光学コンポーネントを含む様々な種類の光学コンポーネントのいずれか1つ又はこれらの組合せを指すことができる。
【0069】
[00073] 「EUV放射」という用語は、5〜20nmの範囲内、例えば、13〜14nmの範囲内、又は例えば、6.7nmや6.8nmなどの5〜10nmの範囲内の波長を有する電磁放射を包含していると考えるとよい。
【0070】
[00074] 以上、本発明の具体的な実施形態を説明してきたが、本発明は、上述以外の態様で実施できることが明らかである。例えば、本発明は、上記に開示した方法を表す1つ以上の機械読取可能命令のシーケンスを含むコンピュータプログラムの形態、又はこのようなコンピュータプログラムが記憶されたデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁気ディスク又は光ディスク)の形態であってもよい。上記の説明は、制限ではなく例示を意図したものである。従って、当業者には明らかなように、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本記載の発明に変更を加えてもよい。