【実施例】
【0033】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。以下の例で「部」とあるのは「質量部」を意味する。
【0034】
<定着性能評価>
・コールドオフセット(COS)の評価
試験にはすべて厚紙(白色度 100、紙厚 0.102μm、坪量 105g/m
2
)を用いた。
市販の2成分複写機の定着機を外し、未定着画像を得た。その際に、トナーの紙への付着量を1.0mg/cm
2に調整した。
【0035】
得た未定着画像は熱定着ローラーの温度を170℃とプロセススピードを225mm/秒に調整した外部定着機により定着させ、オフセットの発生有無を目視にて評価を行った。オフセットが発生しない場合は○、発生した場合は×とした。外部定着機はシャープ社製複合機SF−2118の定着部を取り外し使用した。
・ホットオフセット(HOS)の評価
試験にはすべて薄紙(白色度 92、紙厚 0.087μm、坪量 64g/m
2)を
用いた。
【0036】
市販の2成分複写機の定着機を外し、未定着画像を得た。その際に、トナーの紙への付着量を1.0mg/cm
2に調整した。
得た未定着画像は熱定着ローラーの温度を220℃とプロセススピードを150mm/秒に調整した外部定着機により定着させ、オフセットの発生有無を目視にて評価を行った。オフセットが発生しない場合は○、発生した場合は×とした。外部定着機はシャープ社製複合機SF−2118の定着部を取り外し使用した。
【0037】
<色相と画像濃度評価>
試験にはすべて薄紙(白色度 92、紙厚 0.087μm、坪量 64g/m
2)を
用いた。
市販の2成分複写機の定着機を外し、未定着画像を得た。その際に、トナーの紙への付着量を1.0mg/cm
2に調整した。
【0038】
得た未定着画像は熱定着ローラーの温度を180℃とプロセススピードを225mm/秒に調整した外部定着機により定着させ、X−rite939にて色相と画像濃度を測定した。外部定着機はシャープ社製複合機SF−2118の定着部を取り外し使用した。
色相はX−rite939(光源:C2 レスポンス:A アパーチャ:8mm)で測定し、L*、a*、b*の値をそれぞれ用いた。L*が28〜36、a*が9〜23、b*が−34〜53であると良好な色相であると言える。
画像濃度はX−rite939(光源:C2 レスポンス:A アパーチャ:8mm)で測定し、シアンの画像濃度にて1.30以上を〇、1.30未満を×とした。
【0039】
<粘弾性評価>
外添トナーについて、動的粘弾性測定は、例えばTA Instruments製レオメーターARESを用いることができ、以下の通り行う。
サンプル約1.3gを25mm径用の治具に入れ、50℃に加熱したプレス機によって荷重30kgで10分間加圧し、ペレットに成型する。ペレットを直径25mmの円形パラレルプレートを装着した測定装置に入れ、120℃に昇温した状態で上部プレートを下げてペレットの厚さを3.0〜3.5mmに調整する。降温し、測定周波数6.28rad/sec、初期温度40℃、測定前遅延時間3分、自動テンション調整(引っ張り方向
、初期の力 0、自動テンション感度2.0g、自動テンション切り替え弾性率1.0E+08Pa)、最終温度205℃、昇温速度4℃/分、測定サイクル時間1分、初期歪み0.1%、自動歪み調整の条件で測定する。
【0040】
<比較例1>
以下に示す配合比により負帯電性非磁性トナーを作製した。
・樹脂A(ポリエステル 軟化点130℃ ガラス転移点60℃)92.1部
・マスターバッチA(樹脂F:Pigments Blue15:3=60部:40部)7.7部
樹脂F(ポリエステル 軟化点111℃ ガラス転移点65℃)
・マスターバッチB(樹脂G:Pigments Red122=60部:40部)5.6部
樹脂G(ポリエステル 軟化点99℃ ガラス転移点64℃)
・ワックスA(PPワックス 軟化点145℃)1.5部
・ワックスB(PEワックス 軟化点108℃)1.5部
・帯電制御剤(ホウ素金属錯体 商品名 日本カーリット社製 LR−147)1.0部
上記の原材料をヘンシェルミキサーで混合し、二軸押出機で溶融混練した後、粗粉砕し、ジェットミル粉砕機で微粉砕した後、分級して体積平均粒径9μmのトナー母体を得た。
【0041】
以下の配合比により外添剤を高速ミキサーで混合し現像剤を得た。
・トナー母体 100部
・疎水性シリカA(商品名 ワッカー社製 H05TD) 1.5部
・疎水性シリカB(商品名 キャボット社製 TG308F) 0.5部
【0042】
<比較例2>
以下に示す配合比により負帯電性非磁性トナーを作製した。
・樹脂A(ポリエステル 軟化点130℃ ガラス転移点60℃)97.1部
・顔料A(Pigments Blue15:3 一次粒子径約45nm)3.1部
・マスターバッチB(樹脂G:Pigments Red122=60部:40部)4.9部
・ワックスA(PPワックス 軟化点145℃)1.5部
・ワックスB(PEワックス 軟化点108℃)1.5部
・帯電制御剤(ホウ素金属錯体 商品名 日本カーリット社製 LR−147)1.0部
上記の原材料をヘンシェルミキサーで混合し、二軸押出機で溶融混練した後、粗粉砕し、ジェットミル粉砕機で微粉砕した後、分級して体積平均粒径9μmのトナー母体を得た。
【0043】
以下の配合比により外添剤を高速ミキサーで混合し現像剤を得た。
・トナー母体 100部
・疎水性シリカA(商品名 ワッカー社製 H05TD) 1.5部
・疎水性シリカB(商品名 キャボット社製 TG308F) 0.5部
【0044】
<比較例3>
以下に示す配合比により負帯電性非磁性トナーを作製した。
・樹脂B(ポリエステル 軟化点139℃ ガラス転移点60℃)97.1部
・顔料A(Pigments Blue15:3 一次粒子径約45nm)3.1部
・マスターバッチB(樹脂G:Pigments Red122=60部:40部)4.9部
・ワックスA(PPワックス 軟化点145℃)1.5部
・ワックスB(PEワックス 軟化点108℃)1.5部
・帯電制御剤(ホウ素金属錯体 商品名 日本カーリット社製 LR−147)1.0部
上記の原材料をヘンシェルミキサーで混合し、二軸押出機で溶融混練した後、粗粉砕し、ジェットミル粉砕機で微粉砕した後、分級して体積平均粒径9μmのトナー母体を得た。
【0045】
以下の配合比により外添剤を高速ミキサーで混合し現像剤を得た。
・トナー母体 100部
・疎水性シリカA(商品名 ワッカー社製 H05TD) 1.5部
・疎水性シリカB(商品名 キャボット社製 TG308F) 0.5部
【0046】
<比較例4>
以下に示す配合比により負帯電性非磁性トナーを作製した。
・樹脂C(ポリエステル 軟化点163℃ ガラス転移点63℃)70.0部
・樹脂D(ポリエステル 軟化点103℃ ガラス転移点52℃)27.1部
・顔料A(Pigments Blue15:3 一次粒子径約45nm)3.1部
・マスターバッチB(樹脂G:Pigments Red122=60部:40部)4.9部
・ワックスA(PPワックス 軟化点145℃)1.5部
・ワックスB(PEワックス 軟化点108℃)1.5部
・帯電制御剤(ホウ素金属錯体 商品名 日本カーリット社製 LR−147)1.0部
上記の原材料をヘンシェルミキサーで混合し、二軸押出機で溶融混練した後、粗粉砕し、ジェットミル粉砕機で微粉砕した後、分級して体積平均粒径9μmのトナー母体を得た。
【0047】
以下の配合比により外添剤を高速ミキサーで混合し現像剤を得た。
・トナー母体 100部
・疎水性シリカA(商品名 ワッカー社製 H05TD) 1.5部
・疎水性シリカB(商品名 キャボット社製 TG308F) 0.5部
【0048】
<実施例1>
以下に示す配合比により負帯電性非磁性トナーを作製した。
・樹脂E(ポリエステル 軟化点163℃ ガラス転移点63℃)92.1部
・マスターバッチA(樹脂F:Pigments Blue15:3=60部:40部)7.7部
・マスターバッチB(樹脂G:Pigments Red122=60部:40部)5.6部
・ワックスA(PPワックス 軟化点145℃)1.5部
・ワックスB(PEワックス 軟化点108℃)1.5部
・帯電制御剤(ホウ素金属錯体 商品名 日本カーリット社製 LR−147)1.0部
上記の原材料をヘンシェルミキサーで混合し、二軸押出機で溶融混練した後、粗粉砕し、ジェットミル粉砕機で微粉砕した後、分級して体積平均粒径9μmのトナー母体を得た。
【0049】
以下の配合比により外添剤を高速ミキサーで混合し現像剤を得た。
・トナー母体 100部
・疎水性シリカA(商品名 ワッカー社製 H05TD) 1.5部
・疎水性シリカB(商品名 キャボット社製 TG308F) 0.5部
【0050】
<実施例2>
以下に示す配合比により負帯電性非磁性トナーを作製した。
・樹脂E(ポリエステル 軟化点163℃ ガラス転移点63℃)92.2部
・マスターバッチA(樹脂F:Pigments Blue15:3=60部:40部)10.4部
・マスターバッチC(樹脂G:Pigments Red57:1=60部:40部)2.7部
・ワックスA(PPワックス 軟化点145℃)1.5部
・ワックスB(PEワックス 軟化点108℃)1.5部
・帯電制御剤(ホウ素金属錯体 商品名 日本カーリット社製 LR−147)1.0部
上記の原材料をヘンシェルミキサーで混合し、二軸押出機で溶融混練した後、粗粉砕し、ジェットミル粉砕機で微粉砕した後、分級して体積平均粒径9μmのトナー母体を得た。
【0051】
以下の配合比により外添剤を高速ミキサーで混合し現像剤を得た。
・トナー母体 100部
・疎水性シリカA(商品名 ワッカー社製 H05TD) 1.5部
・疎水性シリカB(商品名 キャボット社製 TG308F) 0.5部
【0052】
<実施例3>
以下に示す配合比により負帯電性非磁性トナーを作製した。
・樹脂E(ポリエステル 軟化点163℃ ガラス転移点63℃)92.2部
・顔料A(Pigments Blue15:3 一次粒子径約45nm)3.1部
・マスターバッチB(樹脂G:Pigments Red122=60部:40部)4.9部
・ワックスA(PPワックス 軟化点145℃)1.5部
・ワックスB(PEワックス 軟化点108℃)1.5部
・帯電制御剤(ホウ素金属錯体 商品名 日本カーリット社製 LR−147)1.0部
上記の原材料をヘンシェルミキサーで混合し、二軸押出機で溶融混練した後、粗粉砕し、ジェットミル粉砕機で微粉砕した後、分級して体積平均粒径9μmのトナー母体を得た。
【0053】
以下の配合比により外添剤を高速ミキサーで混合し現像剤を得た。
・トナー母体 100部
・疎水性シリカA(商品名 ワッカー社製 H05TD) 1.5部
・疎水性シリカB(商品名 キャボット社製 TG308F) 0.5部
【0054】
<実施例4>
以下に示す配合比により負帯電性非磁性トナーを作製した。
・樹脂E(ポリエステル 軟化点163℃ ガラス転移点63℃)95.3部
・マスターバッチA(樹脂F:Pigments Blue15:3=60部:40部)7.9部
・顔料B(Pigments Red57:1 一次粒子径約100nm)2.1部
・ワックスA(PPワックス 軟化点145℃)1.5部
・ワックスB(PEワックス 軟化点108℃)1.5部
・帯電制御剤(ホウ素金属錯体 商品名 日本カーリット社製 LR−147)1.0部
上記の原材料をヘンシェルミキサーで混合し、二軸押出機で溶融混練した後、粗粉砕し、ジェットミル粉砕機で微粉砕した後、分級して体積平均粒径9μmのトナー母体を得た。
【0055】
以下の配合比により外添剤を高速ミキサーで混合し現像剤を得た。
・トナー母体 100部
・疎水性シリカA(商品名 ワッカー社製 H05TD) 1.5部
・疎水性シリカB(商品名 キャボット社製 TG308F) 0.5部
【0056】
<実施例5>
以下に示す配合比により負帯電性非磁性トナーを作製した。
・樹脂E(ポリエステル 軟化点163℃ ガラス転移点63℃)93.8部
・マスターバッチA(樹脂F:Pigments Blue15:3=60部:40部)10.4部
・顔料B(Pigments Red57:1 一次粒子径約100nm)1.1部
・ワックスA(PPワックス 軟化点145℃)1.5部
・ワックスB(PEワックス 軟化点108℃)1.5部
・帯電制御剤(ホウ素金属錯体 商品名 日本カーリット社製 LR−147)1.0部
上記の原材料をヘンシェルミキサーで混合し、二軸押出機で溶融混練した後、粗粉砕し、ジェットミル粉砕機で微粉砕した後、分級して体積平均粒径9μmのトナー母体を得た。
【0057】
以下の配合比により外添剤を高速ミキサーで混合し現像剤を得た。
・トナー母体 100部
・疎水性シリカA(商品名 ワッカー社製 H05TD) 1.5部
・疎水性シリカB(商品名 キャボット社製 TG308F) 0.5部
【0058】
<実施例6>
以下に示す配合比により負帯電性非磁性トナーを作製した。
・樹脂E(ポリエステル 軟化点163℃ ガラス転移点63℃)97.1部
・顔料A(Pigments Blue15:3 一次粒子径約45nm)3.1部
・マスターバッチB(樹脂G:Pigments Red122=60部:40部)4.9部
・ワックスB(PEワックス 軟化点108℃)3.0部
・帯電制御剤(ホウ素金属錯体 商品名 日本カーリット社製 LR−147)1.0部
上記の原材料をヘンシェルミキサーで混合し、二軸押出機で溶融混練した後、粗粉砕し、ジェットミル粉砕機で微粉砕した後、分級して体積平均粒径9μmのトナー母体を得た。
【0059】
以下の配合比により外添剤を高速ミキサーで混合し現像剤を得た。
・トナー母体 100部
・疎水性シリカA(商品名 ワッカー社製 H05TD) 1.5部
・疎水性シリカB(商品名 キャボット社製 TG308F) 0.5部
以下に比較例1〜4及び実施例1〜6にて製造したトナーについて、上記の項目について評価を行った結果を表−1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
上記表−1より、トナーの動的粘弾性において100℃における貯蔵弾性率(G’)が本発明の適正範囲外である比較例1〜2は定着性能や画像濃度、色相を満足できず、180℃における貯蔵弾性率(G’)が本発明の適正範囲外である比較例3〜4は定着性能を満足できないことがわかる。トナーの動的粘弾性が本発明の範囲内である実施例1〜6は十分な定着性能と高い画像濃度、最適な色相を達成できることがわかる。