特許第6194881号(P6194881)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6194881
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】樹脂コーティング剤
(51)【国際特許分類】
   C08F 20/36 20060101AFI20170904BHJP
   C08L 63/00 20060101ALI20170904BHJP
   C08L 61/28 20060101ALI20170904BHJP
   C08L 33/14 20060101ALI20170904BHJP
   C08G 59/42 20060101ALI20170904BHJP
   C09D 133/04 20060101ALI20170904BHJP
   C09D 163/00 20060101ALI20170904BHJP
   C09D 161/28 20060101ALI20170904BHJP
【FI】
   C08F20/36
   C08L63/00 A
   C08L61/28
   C08L33/14
   C08G59/42
   C09D133/04
   C09D163/00
   C09D161/28
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-503527(P2014-503527)
(86)(22)【出願日】2013年3月6日
(86)【国際出願番号】JP2013056192
(87)【国際公開番号】WO2013133345
(87)【国際公開日】20130912
【審査請求日】2016年2月18日
(31)【優先権主張番号】特願2012-52024(P2012-52024)
(32)【優先日】2012年3月8日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003986
【氏名又は名称】日産化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090918
【弁理士】
【氏名又は名称】泉名 謙治
(74)【代理人】
【識別番号】100082887
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 利春
(72)【発明者】
【氏名】小田 拓郎
(72)【発明者】
【氏名】筒井 皇晶
【審査官】 三原 健治
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/094618(WO,A1)
【文献】 特開2000−323190(JP,A)
【文献】 特開2000−273437(JP,A)
【文献】 特開2009−013169(JP,A)
【文献】 特開2005−097377(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/018990(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F
C08L
C09D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式[1]で表されることを特徴とする化合物。
【化1】
式中R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基であり、nは2〜10の整数である。
【請求項2】
前記式[1]で表される化合物のRがメチル基であり、Rが水素原子であり、nが2〜4である請求項1に記載の化合物。

【請求項3】
請求項1又は2に記載の化合物の単独重合又は他の単量体との共重合により得られる重合体。
【請求項4】
前記他の単量体が、ビニル系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体、アリル系単量体、及びマレイン酸系単量体からなる群から選ばれる1種以上である請求項3に記載の重合体。
【請求項5】
前記他の単量体が、酢酸ビニル、スチレン、バーサチック酸ビニル、アクリル酸、アクリルアミド類、炭素数1〜18の環状、直鎖状、又は分岐型のアルキル基を有するアクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリルアミド、炭素数1〜18の環状、直鎖状又は分岐型のアルキル基を有するメタクリル酸エステル、芳香族アリルエステル、ヘテロ環含有アリル化合物、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイミド、並びに炭素数1〜18の環状、直鎖状又は分岐型のアルキル基を有するマレイン酸モノエステル及びマレイン酸ジエステルからなる群から選ばれる1種以上である請求項3又は4に記載の重合体。
【請求項6】
前記式[1]に記載の化合物の90〜100重量パーセントに対して、前記他の単量体であるビニル系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体、アリル系単量体、及びマレイン酸系単量体からなる群から選ばれる1種以上の合計量が、0〜10重量パーセントである請求項3乃至5のいずれかに記載の重合体。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の化合物の単独重合又は他の単量体との共重合を、ラジカル重合開始剤を用いるラジカル重合によって行う請求項3乃至6のいずれかに記載の重合体の製造方法
【請求項8】
前記ラジカル重合が、有機溶媒を用いた溶液重合である請求項7に記載の重合体の製造方法。
【請求項9】
請求項3乃至のいずれかに記載の重合体を含有する樹脂溶液。
【請求項10】
請求項9に記載の樹脂溶液中の樹脂固形分の100重量部に対して、エポキシ樹脂、及びアミノプラスト樹脂から選ばれる架橋剤の0.1〜10重量部を配合することによって得られる樹脂コーティング剤。
【請求項11】
前記アミノプラスト樹脂が、分子内に2個以上のアルコキシメチル基を有するメラミン樹脂である請求項10に記載の樹脂コーティング剤。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の樹脂コーティング剤を用いて得られる、波長633nmにおける屈折率が1.60以上である皮膜。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1,3,5−トリアジン環を有する重合性単量体、及びこれを重合又は共重合して得られる重合体を含有する樹脂溶液を主たる成分とする、新規な、透明かつ高屈折を有する皮膜を形成することができる樹脂コーティング剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリメタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル系樹脂や、透明エポキシ樹脂、透明シリコーン樹脂などの透明性樹脂は、ガラスに比較して、軽量かつ加工性が優れ、航空機等の風防樹脂、透明容器、透明コーティング剤等に広く用いられるようになってきた。
近年では、眼鏡等の光学部品の分野でも、透明樹脂レンズ等の樹脂製品が多用されつつある。
電子材料の分野でも、液晶ディスプレーの反射防止コーティング剤、太陽電池用透明コーティング剤、発光ダイオード、CCDやCMOSセンサーの受光部等の光学電子材料の用途において多用されつつある。
【0003】
こうした光学電子材料の用途では、透明性ばかりでなく、光取り出し効率向上や集光性の向上のために、高い屈折率や、耐光性も要求される場合が多い。
しかしながら、従来の透明樹脂は架橋等の方法にて、機械的物性については、ある程度の制御は可能であるが、光学特性、特に屈折率の向上に関しては、特殊な技術を必要としていた。すなわち、樹脂の屈折率を向上させる方法としては、臭素や硫黄等の重原子を多量に結合させた有機樹脂が提案されている(特許文献1及び2参照)。
また近年、有機樹脂に、高屈折の無機酸化物微粒子を分散する方法が提案されている(特許文献3及び4参照)。
【0004】
前述した高屈折樹脂を得るための方法として提案された、臭素や硫黄等の重原子を多量に結合させた有機樹脂の場合、一般に熱・光に対して不安定であり、長期使用時に変色等の劣化を起こしやすい。また、電子材料部品に使用する場合、電極腐食等の問題を生じやすい。一方、高屈折の無機酸化物微粒子を有機樹脂に分散する方法の場合、これらの無機酸化物微粒子は、適切な有機溶剤中で、多量の分散安定剤を用いて微粒子分散液をまず製造し、これに樹脂を加えて後、有機溶剤を留去して製造する。しかし、微粒子分散樹脂の長期保存安定性などに問題があり、また樹脂との分散安定性を改善するため、多量の分散安定剤を混合しなければならず、屈折率と分散安定性のバランスをとるのが困難となるなどの課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】日本特開平05−164901
【特許文献2】日本特開2005−350531
【特許文献3】日本特開2007−270099
【特許文献4】日本特開2007−308631
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、異物である分散安定剤を使用する無機酸化物微粒子を使用せず、また樹脂自身の変色や電子回路の電極腐食等に問題を生じやすい臭素や硫黄等の重原子を一切含有しない、炭素、水素、窒素、及び酸素の有機樹脂の基本4元素にて構成される、透明で屈折率1.60以上の高屈折を有し、かつ膜の黄変が少ない樹脂を、光学材料及び電子材料の分野に供給することにある。
特に、発光ダイオードの封止前工程にて光半導体に塗布することにより、光取出し効率が改善できる、透明性が高く、高屈折率で、かつ高耐光性の樹脂コーティング剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記の目的を達成する為に鋭意検討の結果、1,3,5−トリアジン環を有し、トリアジン環に芳香族環が直接結合した新規な化合物(以下、特定化合物とも言う)を用いることにより、上記課題を解決出来ることを見出し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は以下の要旨を有するものである。
(1)下記式[1]で表されることを特徴とする化合物。
【化1】
式中R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基であり、nは2〜10の整数である。
(2)前記式[1]で表される化合物のRがメチル基であり、Rが水素原子であり、nが2〜4である上記(1)に記載の化合物。
【0008】
(3)上記(1)又は(2)に記載の化合物の単独重合又は他の単量体との共重合により得られる重合体。
(4)前記他の単量体が、ビニル系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体、アリル系単量体、及びマレイン酸系単量体からなる群から選ばれる1種以上である上記(3)に記載の重合体。
(5)前記他の単量体が、酢酸ビニル、スチレン、バーサチック酸ビニル、アクリル酸、アクリルアミド類、炭素数1〜18の環状、直鎖状、又は分岐型のアルキル基を有するアクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリルアミド、炭素数1〜18の環状、直鎖状又は分岐型のアルキル基を有するメタクリル酸エステル、芳香族アリルエステル、ヘテロ環含有アリル化合物、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイミド、並びに炭素数1〜18の環状、直鎖状又は分岐型のアルキル基を有するマレイン酸モノエステル及びマレイン酸ジエステルからなる群から選ばれる1種以上である上記(3)又は(4)に記載の重合体。
【0009】
(6)前記式[1]に記載の化合物の90〜100重量パーセントに対して、前記他の単量体であるビニル系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体、アリル系単量体、及びマレイン酸系単量体からなる群から選ばれる1種以上の合計量が、0〜10重量パーセントである上記(3)乃至(5)のいずれかに記載の重合体。
(7)前記(1)又は(2)に記載の化合物の単独重合又は他の単量体との共重合、ラジカル重合開始剤を用いるラジカル重合によって行う上記(3)乃至(6)のいずれかに記載の重合体の製造方法
(8)前記ラジカル重合が、有機溶媒を用いた溶液重合である上記(7)に記載の重合体の製造方法。
【0010】
(9)上記(3)乃至()のいずれかに記載の重合体を含有する樹脂溶液。
(10)上記(9)に記載の樹脂溶液中の樹脂固形分の100重量部に対して、エポキシ樹脂、及びアミノプラスト樹脂から選ばれる架橋剤の0.1〜10重量部を配合することによって得られる樹脂コーティング剤。
(11)前記アミノプラスト樹脂が、分子内に2個以上のアルコキシメチル基を有するメラミン樹脂である上記(10)に記載の樹脂コーティング剤。
(12)上記(10)又は(11)に記載の樹脂コーティング剤を用いて得られる、波長633nmにおける屈折率が1.60以上である皮膜。

【発明の効果】
【0011】
本発明の化合物は、文献未知の新規な化合物であり、該化合物を用いて重合して得られた重合体を含有する樹脂コーティング剤は、透明性、高屈折率、黄変耐性等の性能バランスが優れた樹脂皮膜を形成すると共に、優れた耐熱性を発現する。
本発明の樹脂コーティング剤は、発光ダイオード等の発光素子の光取り出しコーティング剤、CCDやCMOSセンサー、フォトカプラー等の受光素子、太陽電池の集光コーティング剤、導光材や導波路等のコーティング剤のように、透明性が高く、高い屈折率、高い耐光性を同時に要求される電子材料等の産業分野において有用である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<特定化合物>
本発明の化合物は、下記式[1]で表される。
【化2】
式中R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基であり、nは2〜10の整数である。
式中Rは、重合反応性の観点から、メチル基が好ましい。
式中Rは、溶解性の観点から、水素原子が好ましい。
式中nは、2〜10の整数であるが、重合反応性、溶解性等の観点から、2〜6が好ましく、2〜4がより好ましい。
【0013】
式(1)で表される化合物において、R、R、及びnの好ましい組み合わせは、Rがメチル基であり、Rが水素もしくはメチル基であり、nが2〜6である。
より好ましい組み合わせは、Rがメチル基であり、Rが水素であり、nが2〜4である。
本発明の化合物を用いた樹脂コーティング剤によって、なぜ本発明のような効果が得られるのかについては定かではないが、トリアジン骨格に直接フェニル基が結合することで、化合物の耐熱性が改善されたことによるものと考えられる。
【0014】
<特定化合物の合成方法>
特定化合物の合成方法は、有機合成化学における手法を組み合わせることによって合成することができ、特に限定されない。例えば以下の方法で合成することができる。
特定化合物は、下記の合成スキーム(A)で示されるように、化合物(i)とメタクリル酸2−ヒドロキシアルキルや、アクリル酸2−ヒドロキシアルキルを反応させることにより合成できる。
【化3】
【0015】
合成スキーム(A)中の、式(i)で表される化合物は、下記の合成スキーム(B)のように、シアヌル酸クロリドと式(ii)で表されるグリニアール反応剤を反応させることにより合成することができる。
【化4】
【0016】
また、下記の合成スキーム(C)で示されるように、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルやアクリル酸2−ヒドロキシエチルと、シアヌル酸クロリドを反応させて、化合物(iii)を合成した後に、化合物(iv)で表される化合物を反応させることにより合成することができる。
【化5】
上記の合成スキーム(A)〜(C)で用いる原料は、必要に応じて市販の化合物を用いても良いし、別途合成して用いても良い。
【0017】
<重合体及び樹脂溶液>
本発明の重合体は、特定化合物の単独重合体でもよいが、特定化合物と共重合可能なビニル系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体、アリル系単量体、及びマレイン酸系単量体からなる群から選ばれる1種以上とを共重合させて得たものでもよい。ただし、この場合、高屈折率を保持するためには、特定化合物の90〜100重量%に対して、これに共重合可能なビニル系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体、及びマレイン酸系単量体からなる群から選ばれる1種以上の合計量は、0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%であることが望ましい。
【0018】
特定化合物と共重合可能なビニル系単量体、アクリル系単量体、メタクリル系単量体、アリル系単量体、及びマレイン酸系単量体としては、共重合可能な単量体であればいかなるものでもよいが、具体的な例としては、以下のような単量体が挙げられる。
ビニル系単量体としては、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ジビニルナフタレン等の芳香族系ビニル化合物;酢酸ビニル、バーサチック酸ビニル、アジピン酸ビニル等のビニルエステル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン等のビニルケトン類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類;末端にビニル基を有するポリジメチルシロキサン、末端にビニル基を有するポリジフェニルシロキサン、末端にビニル基を有するポリジメチルシロキサン−ポリジフェニルシロキサン共重合体、側鎖にビニル基を有するポリジメチルシロキサン、側鎖にビニル基を有するポリジフェニルシロキサン、側鎖にビニル基を有するポリジメチルシロキサン−ポリジフェニルシロキサン共重合体等のビニル基含有シリコーン類;などが挙げられる。その中でも、酢酸ビニル、スチレン、バーサチック酸ビニルが好ましい。
【0019】
アクリル系単量体の具体例としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ステアリル等のアクリル酸及びそのエステル類;炭素数1〜18の環状、直鎖状又は分岐型のアルキル基を有するアクリル酸エステル類;ビスフェノール系エポキシ樹脂にアクリル酸を結合させたビスフェノールエポキシアクリレート、フェノールノボラックエポキシ樹脂にアクリル酸を結合させたフェノールノボラックエポキシアクリレート、クレゾールノボラックエポキシ樹脂にアクリル酸を反応させたクレゾールノボラックエポキシアクリレート等のエポキシアクリレート類;ポリエチレンフタレート、ポリブチレンフタレート等のポリエステルにアクリル酸を結合させたポリエステルアクリレート類;イソホロンジイソシアネート系ポリウレタン、ヘキサメチレンジイソシアネート系ポリウレタン等にアクリル酸を結合させたウレタンアクリレート類;などが挙げられる。その中でも、アクリル酸、アクリルアミド類、炭素数1〜18の環状、直鎖状、又は分岐型のアルキル基を有するアクリル酸エステルが好ましい。
【0020】
メタクリル系単量体の具体例としては、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ステアリル等のメタクリル酸及びそのエステル類;炭素数1〜18の環状、直鎖状又は分岐型のアルキル基を有するメタクリル酸エステル;ビスフェノール系エポキシ樹脂にメタクリル酸を結合させたビスフェノールエポキシメタクリレート、フェノールノボラックエポキシ樹脂にメタクリル酸を結合させたフェノールノボラックエポキシメタクリレート、クレゾールノボラックエポキシ樹脂にメタクリル酸を反応させたクレゾールノボラックエポキシメタクリレート等のエポキシメタクリレート類;ポリエチレンフタレート、ポリブチレンフタレート等のポリエステルにメタクリル酸を結合させたポリエステルメタクリレート類;イソホロンジイソシアネート系ポリウレタン、ヘキサメチレンジイソシアネート系ポリウレタン等にメタクリル酸を結合させたウレタンメタクリレート類;などが挙げられる。その中でも、メタクリル酸、メタクリルアミド類、炭素数1〜18の環状、直鎖状又は分岐型のアルキル基を有するメタクリル酸エステル等が好ましい。
【0021】
アリル系単量体の具体例としては、ジアリルフタレート等の芳香族アリルエステル類;トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等のヘテロ環含有アリル化合物;などが挙げられる。
マレイン酸系単量体の具体例としては、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル等のマレイン酸及びそのエステル類;炭素数1〜18の環状、直鎖状又は分岐型のアルキル基を有するマレイン酸モノエステル及びマレイン酸ジエステル;無水マレイン酸とエチレングリコールやネオペンチルグリコール等のポリオール類とを反応させて得られる不飽和ポリエステル類;無水マレイン酸とモノアミンとを反応させて得られるフェニルマレイミド、シクロへキシルマレイミド等のモノマレイミド類;無水マレイン酸とジアミンとを反応させて得られるジフェニルエーテルビスマレイミド等のビスマレイミド類;などが挙げられる。その中でも、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイミド類、炭素数1〜18の環状、直鎖状又は分岐型のアルキル基を有するマレイン酸モノエステル及びマレイン酸ジエステル等が好ましい。
【0022】
重合反応としては、活性種としての重合開始剤として、ラジカル重合性の重合開始剤を用いたラジカル重合法がもっとも望ましい。かかるラジカル重合法の開始剤としては、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系重合開始剤、クメンハイドロパーオキサイド/ナフテン酸コバルト等のレドックス系開始剤等、通常使用される重合開始剤であればいかなるものでもよい。好ましいのは、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系重合開始剤である。
【0023】
重合の方法としては、溶液重合、塊状重合、懸濁重合等のいずれの方法を用いても良い。塊状重合、懸濁重合等においては、製造した樹脂を、適切な溶剤に溶解して樹脂溶液とする。本発明においては、有機溶剤を用いた溶液重合法が好適であり、有機溶剤の種類は、特定化合物の重合体又は共重合体を製造できるものであれば、特に制約を受けない。
かかる溶液重合法の場合、重合後の樹脂溶液は、本発明の樹脂溶液として使用できるが、微量の残留単量体の除去等の目的で、重合後の樹脂溶液をアルコールや炭化水素等の貧溶剤に再沈殿して、樹脂分をろ過して乾燥したものを、有機溶剤に再度溶解して樹脂溶液を製造してもよい。
本発明の樹脂溶液は、基材への塗布・乾燥によって、測定波長633nmにおいて屈折率1.60以上、好ましくは1.61以上の透明な樹脂膜を形成することができる樹脂コーティング剤を提供することが可能となる。樹脂溶液の段階では、樹脂膜は熱可塑樹脂で形成された膜であり、樹脂溶液中に架橋剤を配合することによって、さらに物性を向上させることができる。
【0024】
<樹脂コーティング剤>
本発明の樹脂コーティング剤は、本発明の樹脂溶液の樹脂固形分100重量部に対して、エポキシ樹脂、及びアミノプラスト樹脂から選ばれる架橋剤を0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部配合することによって得られる。
本発明の樹脂コーティング剤は、本発明の樹脂溶液から得られる樹脂としての性能に加えて、耐溶剤性、耐熱性、機械物性等の性能をさらに付与することができる。
かかる架橋剤のうち、エポキシ樹脂としては、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂、固形ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールF型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、グリシジルメタクリレート重合体、グリシジルメタクリレート共重合体、エポキシ化大豆油等が挙げられる。なかでも、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールF型エポキシ樹脂等が好ましい。
アミノプラスト樹脂としては、分子内に2個以上のアルコキシメチル基を有する尿素樹脂、メラミン樹脂、又はベンゾグアナミン樹脂が望ましく、分子内に2個以上のアルコキシメチル基を有するメラミン樹脂が特に望ましい。
【実施例】
【0025】
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。
実施例において用いた測定方法及び分析装置は以下の通りである。
【0026】
<NMRの測定>
得られた化合物を重水素化クロロホルムに溶解し、内部標準としてテトラメチルシラン(TMS)0.05wt%を加え、400MHzのH NMR(バリアン社製)を用いて測定した。
<黄変度及び光透過率の測定>
島津製作所社製の分光光度計UV−3100PCを用いて、黄変度と、波長400nmにおける光線透過率を測定した。
【0027】
<屈折率の測定>
溝尻光学工業所社製の自動エリプソメータDVA−FLVWを用いて、測定波長633nmにおける屈折率を測定した。
<耐光性の評価>
皮膜を形成した石英基板に、アトラス社製のCi4000を用いて、300〜400nmにおける放射照度が60W/mの条件で72時間照射を行い、照射前後の黄変度の変化量を評価した。
【0028】
(実施例1)
特定化合物 [M1]の合成
1L(リットル)四口フラスコに、シアヌル酸クロリド38.5g、及びテトラヒドロフラン385gを加え、氷浴にて冷却した。温度0℃下で、2モル/Lのフェニルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液を240mL滴下し、その後、室温にて15時間攪拌した。反応液に、1規定塩酸300mLを加え、酢酸エチルを用いて抽出した。有機層を分離後、有機層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルの有機層を分離した。有機層に無水硫酸マグネシウムを加え、ろ過した後に、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣をシリカカラムクロマトグラフィー(流出液はヘキサン/酢酸エチル=3/1を使用)により精製して、(L1)で表される中間体化合物を42.8g得た。
【化6】
【0029】
中間体化合物(L1)10.0gを300mL四口フラスコに加え、さらにテトラヒドロフラン100gを加えて溶解した。溶液を温度0℃に冷却し、水素化ナトリウム1.8gを添加し、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル5.3gとテトラヒドロフラン80gの溶液を滴下し、30分攪拌した。反応液に15wt%塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルを用いて抽出した。分離した有機層に無水硫酸マグネシウムを加え、ろ過した後に、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣をシリカカラムクロマトグラフィー(流出液はヘキサン/酢酸エチル=3/1を使用)により精製して、白色固体を9.7g得た。
この白色固体のH NMRの測定した結果を以下に示す。この結果から、得られた白色固体が、下記式(M1)で表される化合物であることを確認した。
【0030】
H−NMR(400MHz,CDCl):δ8.66−8.61(m,4H),7.64−7.50(m,6H),6.15−6.12(m,1H),5.57−5.53(m,1H),4.94−4.89(m,2H),4.66−4.61(m,2H),1.94−1.90(m,3H)
【化7】
【0031】
(比較合成例1)
化合物[M2]の合成
500mL四口フラスコに、シアヌル酸クロリド15.0g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル12.7g、及びテトラヒドロフラン150gを加え、氷浴にて冷却した。温度0℃下で、水素化ナトリウム3.9gを添加し、その後、室温で3時間攪拌した。さらに4−フェニルフェノール12.5g、水酸化ナトリウム2.9g、テトラヒドロフラン23g、及び水30gの水溶液を加えた。その後、15wt%塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルを用いて抽出した。分離した有機層に無水硫酸マグネシウムを加え、ろ過した後に、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣を再結晶により精製して、(L2)で表される中間体を21.7g得た。
【化8】
【0032】
500mL四口フラスコに、中間体化合物(L2)21.4g、及びアセトン170gを加え、還流下で、4−フェニルフェノール9.3g、水酸化ナトリウム2.2g、アセトン43g、及び水43gの水溶液を滴下した。その後、15wt%塩化アンモニウム水溶液を加え、生成した結晶をろ過した。結晶は再結晶により精製して、白色固体を25.2g得た(収率89%)。
この白色固体のH NMRの測定した結果を以下に示す。この結果から、得られた白色固体が、下記式(M2)で表される重合性単量体であることを確認した。
【0033】
H NMR (400 MHz, CDCl):δ7.62−7.52 (m, 8H), 7.46−7.39 (m, 4H), 7.39―7.33 (m, 2H), 7.26−7.21 (m, 4H), 6.13−6.10 (m, 1H), 5.62−5.56 (m, 1H), 4.65−4.58 (m, 2H), 4.48−4.42 (m, 2H), 1.95−1.92 (m, 3H)
【化9】
【0034】
(比較合成例2)
化合物[M3]の合成
500mL四口フラスコに、シアヌル酸クロリド15.0g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル12.7g、及びテトラヒドロフラン150gを加え、氷浴にて冷却した。温度0℃下で、水素化ナトリウム3.9gを添加し、室温で3時間攪拌した。さらにフェノール14.9g、水酸化ナトリウム6.3g、及び水60gの水溶液を加え、温度50℃に加熱して、2時間攪拌した。その後、室温に冷却し、15wt%塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルを用いて抽出した。分離した有機層に無水硫酸マグネシウムを加え、ろ過した後に、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒留去を行った。残渣をシリカカラムクロマトグラフィー(流出液はヘキサン/酢酸エチル=3/1を使用)により精製して、白色固体を20.5g得た。
この白色固体のH NMRの測定した結果を以下に示す。この結果から、得られた白色固体が、下記式(M3)で表される重合性単量体であることを確認した。
【0035】
H NMR (400 MHz, CDCl):δ7.43−7.34 (m, 4H), 7.28−7.22 (m, 2H), 7.19―7.12 (m, 4H), 6.14−6.08 (m, 1H), 5.60−5.55 (m, 1H), 4.58−4.52 (m, 2H), 4.42−4.37 (m, 2H), 1.94−1.90 (m, 3H)
【化10】
【0036】
「樹脂溶液の製造例」
(実施例2)
窒素導入管の付いた3つ口フラスコに、重合性単量体(M1)8.6g、メタクリル酸0.5g、及び溶剤としてシクロヘキサノンを21g仕込み、攪拌しながら窒素1Lを、キャピラリー管を通じてバブリング(Bubbling)させた。その後、キャピラリー管を外し、微量の窒素をフラスコ内の気相に通じて空気を遮断した。次いで、フラスコを加温し、内温が85℃になった時点で、重合開始剤として、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−シクロヘキサンを0.3g加えて重合を開始した。85℃にて3時間反応後、115℃に昇温して2時間熟成させた。その後、室温まで冷却して、高屈折樹脂溶液P1を得た。
【0037】
(比較製造例1)
窒素導入管の付いた3つ口フラスコに、重合性単量体(M2)8.6g、メタクリル酸0.5g、及び溶剤としてシクロヘキサノンを21g仕込み、攪拌しながら窒素1Lを、キャピラリー管を通じてバブリングさせた。その後、キャピラリー管を外し、微量の窒素をフラスコ内の気相に通じて空気を遮断した。次いで、フラスコを加温し、内温が85℃になった時点で、重合開始剤として、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−シクロヘキサンを0.3g加えて重合を開始した。85℃にて3時間反応後、115℃に昇温して2時間熟成させた。その後、室温まで冷却して、高屈折樹脂溶液Q1を得た。
【0038】
(比較製造例3)
窒素導入管の付いた3つ口フラスコに、重合性単量体(M3)8.6g、メタクリル酸0.5g、及び溶剤としてシクロヘキサノンを21g仕込み、攪拌しながら窒素1Lを、キャピラリー管を通じてバブリングさせた。その後、キャピラリー管を外し、微量の窒素をフラスコ内の気相に通じて空気を遮断した。次いで、フラスコを加温し、内温が85℃になった時点で、重合開始剤として、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−シクロヘキサンを0.3g加えて重合を開始した。85℃にて3時間反応後、115℃に昇温して2時間熟成させた。その後、室温まで冷却して、高屈折樹脂溶液Q2を得た。
【0039】
「高屈折樹脂コーティング剤の製造」
(実施例3)
実施例2の高屈折率樹脂溶液P1に、ジャパンエポキシレジン社製の水素化ビスフェノールAエポキシ樹脂(YX−8000)を溶解し、高屈折率樹脂100重量部に対して、エポキシ樹脂の重量比率が5重量部になるように配合し、高屈折率コーティング剤C1を得た。
【0040】
(比較例1)
比較製造例1の高屈折率樹脂溶液Q1に、ジャパンエポキシレジン社製の水素化ビスフェノールAエポキシ樹脂(YX−8000)を溶解し、高屈折率樹脂100重量部に対して、エポキシ樹脂の重量比率が5重量部になるように配合し、高屈折率コーティング剤D1を得た。
(比較例2)
比較製造例2の高屈折率樹脂溶液Q2に、ジャパンエポキシレジン社製の水素化ビスフェノールAエポキシ樹脂(YX−8000)を溶解し、高屈折率樹脂100重量部に対して、エポキシ樹脂の重量比率が5重量部になるように配合し、高屈折率コーティング剤D2を得た。
【0041】
「高屈折樹脂コーティング剤の評価」
(実施例4)
実施例3の高屈折樹脂コーティング剤C1を、4cm×4cmの石英板にスピンコータを用いて塗布し、100℃にて1時間乾燥後、150℃にて1時間硬化させて、厚さ5ミクロンの透明な高屈折樹脂コーティング剤C1の皮膜を得た。外観は透明であり、着色は見られなかった。
また、高屈折樹脂コーティング剤C1の100重量部に対して、シクロヘキサノン500重量部を配合して、希釈溶液を調製した。調製した希釈溶液を用いて、シリコンウエハーにスピンコータを用いて塗布し、100℃にて1時間乾燥後、150℃にて1時間硬化させて、厚さ100ナノメートルの高屈折樹脂コーティング剤C1の皮膜を作製し、屈折率測定に使用した。
【0042】
厚さ5ミクロンの高屈折樹脂コーティング剤C1の皮膜の光線透過率を測定した。波長400nmにおける透過率は96.8%であり、黄変度は0.65であった。
また、厚さ100ナノメートルの高屈折樹脂コーティング剤C1の皮膜の屈折率を測定した。測定波長633nmにおける屈折率は、1.617であった。
また、耐光性試験を行ったところ、黄変度の変化量は、1.23であった。
【0043】
(比較例3)
比較例1の高屈折樹脂コーティング剤D1を、4cm×4cmの石英板にスピンコータを用いて塗布し、100℃にて1時間乾燥後、150℃にて1時間硬化させて、厚さ5ミクロンの透明な高屈折樹脂コーティング剤D1の皮膜を得た。外観は透明であり、着色は見られなかった。
また、高屈折樹脂コーティング剤D1の100重量部に対して、シクロヘキサノン500重量部を配合して、希釈溶液を調製した。調製した希釈溶液を用いて、シリコンウエハーにスピンコータを用いて塗布し、100℃にて1時間乾燥後、150℃にて1時間硬化させて、厚さ100ナノメートルの高屈折樹脂コーティング剤D1の皮膜を作製し、屈折率測定に使用した。
【0044】
厚さ5ミクロンの高屈折樹脂コーティング剤D1の皮膜の光線透過率を測定した。波長400nmにおける透過率は96.9%であり、黄変度は0.58であった。
また、厚さ100ナノメートルの高屈折樹脂コーティング剤D1の皮膜の屈折率を測定した。測定波長633nmにおける屈折率は、1.619であった。
また、耐光性試験を行ったところ、黄変度の変化量は、2.00であった。
【0045】
(比較例4)
比較例2の高屈折樹脂コーティング剤D2を、4cm×4cmの石英板にスピンコータを用いて塗布し、100℃にて1時間乾燥後、150℃にて1時間硬化させて、厚さ5ミクロンの透明な高屈折樹脂コーティング剤D2の皮膜を得た。外観は透明であり、着色は見られなかった。
また、高屈折樹脂コーティング剤D2の100重量部に対して、シクロヘキサノン500重量部を配合して、希釈溶液を調製した。調製した希釈溶液を用いて、シリコンウエハーにスピンコータを用いて塗布し、100℃にて1時間乾燥後、150℃にて1時間硬化させて、厚さ100ナノメートルの高屈折樹脂コーティング剤D2の皮膜を作製し、屈折率測定に使用した。
【0046】
厚さ5ミクロンの高屈折樹脂コーティング剤D2の皮膜の光線透過率を測定した。波長400nmにおける透過率は97.7%であった。
また、厚さ100ナノメートルの高屈折樹脂コーティング剤D2の皮膜の屈折率を測定した。測定波長633nmにおける屈折率は、1.578であった。
【0047】
【表1】
【0048】
表1の結果より、実施例4の透明な高屈折コーティング剤を用いて得られた皮膜は、透明性が高く、なおかつ、有機樹脂としての構成元素として、炭素、水素、酸素、及び窒素の4元素以外は一切使用していないにも拘らず、屈折率が測定波長633nmにおいて1.60を超えており、さらに高い耐光性を示した。
一方、比較例3で得られた皮膜は、実施例4で得られた皮膜と同程度の屈折率を示すが、耐光性に課題があり、比較例4で得られた皮膜は、屈折率に課題があった。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の樹脂コーティング剤は、高透明性、高屈折率の特性を示し、かつ、光耐性に優れていることから、発光ダイオード等の発光素子の光取り出しコーティング剤、CCDやCMOSセンサーあるいはフォトカプラー等の受光素子、太陽電池の集光コーティング剤、レンチキュラーレンズなどの導光材、導波路等のコーティング剤等として、光学電子材料分野において極めて有用である。また、ガラスやプラスチックレンズ等の工業材料のコーティング剤としても有用である。
なお、2012年3月8日に出願された日本特許出願2012−052024号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。