特許第6195079号(P6195079)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6195079
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】除草性組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 43/40 20060101AFI20170904BHJP
   A01N 43/70 20060101ALI20170904BHJP
   A01N 47/36 20060101ALI20170904BHJP
   A01P 13/02 20060101ALI20170904BHJP
【FI】
   A01N43/40 101J
   A01N43/70
   A01N47/36 101E
   A01P13/02
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-529535(P2014-529535)
(86)(22)【出願日】2013年8月7日
(86)【国際出願番号】JP2013071383
(87)【国際公開番号】WO2014024927
(87)【国際公開日】20140213
【審査請求日】2016年8月1日
(31)【優先権主張番号】特願2012-174834(P2012-174834)
(32)【優先日】2012年8月7日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003986
【氏名又は名称】日産化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】古橋 孝将
(72)【発明者】
【氏名】矢野 哲彦
【審査官】 村守 宏文
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−519982(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/103042(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/103047(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 43/40
A01N 43/70
A01N 47/36
A01P 13/02
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):
【化1】
〔式中、Aはベンジル基または水素原子を表し、Meはメチル基を表す。〕で表される化合物の1種以上と、以下の化合物群Bから選ばれる1種以上とを含有する除草性組成物。
化合物群B:ジメタメトリンおよびメタゾスルフロン。
【請求項2】
水田の雑草防除に用いる請求項1記載の除草性組成物。
【請求項3】
請求項1記載の式(1)で表される化合物の1種以上と、請求項1記載の化合物群Bから選ばれる1種以上とを同時に、または時間的に近接して処理する除草方法。
【請求項4】
水田の雑草を防除する請求項3記載の除草方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は効果に優れる除草性組成物および除草方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記式(1)で表される化合物は、極めて低薬量で多くの雑草に効果を発現し、水稲に対して高い安全性を有する(特許文献1および特許文献2を参照)。また、下記化合物群Bは、いずれも公知の除草活性化合物である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2007/082098号
【特許文献2】国際公開第2012/103042号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、水稲用除草剤として数多くの化合物が実用化されているが、既存の除草剤は防除対象雑草に対する効果が必ずしも満足できるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、下記式(1)で表される化合物をある特定の除草活性化合物と混合すると、単独の効果の合計を上回る相乗的な効果を発揮することを見いだし、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、下記〔1〕および〔2〕記載の除草性組成物(以下、本発明組成物と称する。)、並びに〔3〕および〔4〕記載の除草方法(以下、本発明方法と称する。)に関するものである。
【0006】
〔1〕 式(1):
【化1】

〔式中、Aはベンジル基または水素原子を表し、Meはメチル基を表す。〕で表される化合物の1種以上と、以下の化合物群Bから選ばれる1種以上とを含有する除草性組成物。
化合物群B:ジメタメトリン(dimethametryn/一般名、以下化合物(B−1)と称する。)およびメタゾスルフロン(metazosulfuron/一般名、以下化合物(B−2)と称する。)。
〔2〕 水田の雑草防除に用いる上記〔1〕記載の除草性組成物。
〔3〕 上記〔1〕記載の式(1)で表される化合物の1種以上と、請求項1記載の化合物群Bから選ばれる1種以上とを同時に、または時間的に近接して処理する除草方法。
〔4〕 水田の雑草を防除する上記〔3〕記載の除草方法。
【0007】
なお、以下において、上記式(1)におけるAがベンジル基である化合物を化合物(A−1)と称し、上記式(1)におけるAが水素原子である化合物を化合物(A−2)と称する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、式(1)で表される化合物の1種以上と、化合物群B群の中から選ばれる1種以上とを含む組成物は、単独の効果の合計を上回る相乗的な効果を発揮する。これらのため、本発明の実用場面での有用性は極めて高い。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明組成物の使用場面は特に限定されず、水田に使用する場合、湛水下の土壌処理及び茎葉処理のいずれの処理方法においても使用できる。防除対象となる水田雑草としては、例えば、ヒルムシロ(Potamogeton distinctus)等に代表されるヒルムシロ科(Potamogetonaceae)雑草、ヘラオモダカ(Alisma canaliculatum)、ウリカワ(Sagittaria pygmaea)及びオモダカ(Sagittaria trifolia)等に代表されるオモダカ科(Alismataceae)雑草、アゼガヤ(Leptochloa chinensis)、イヌビエ(Echinochloa crus−galli)、タイヌビエ(Echinochloa oryzicola)、アシカキ(Homalocenchrus japonocus)及びキシュウスズメノヒエ(Paspalum distichum)等に代表されるイネ科(Gramineae)雑草、クログワイ(Eleocharis kuroguwai)、ホタルイ(Scirpus juncoides)、シズイ(Scirpus nipponicus)、ミズガヤツリ(Cyperus serotinus)、タマガヤツリ(Cyperus difformis)及びヒナガヤツリ(Cyperus hakonensis)等に代表されるカヤツリグサ科(Cyperaceae)雑草、ウキクサ(Spirodela polyrhiza)及びアオウキクサ(Lemna paucicostata)等に代表されるウキクサ科(Lemnaceae)雑草、イボクサ(Murdannia keisak)等に代表されるツユクサ科(Commelinaceae)雑草、ミズアオイ(Monochoria korsakowii)及びコナギ(Monochoria vaginalis)等に代表されるミズアオイ科(Pontederiaceae)雑草、ミゾハコベ(Elatine triandra)等に代表されるミゾハコベ科(Elatinaceae)雑草、ヒメミソハギ(Ammannia multiflora)及びキカシグサ(Rotala indica)等に代表されるミソハギ科(Lythraceae)雑草、チョウジタデ(Lidwigia epilobioides)等に代表されるアカバナ科(Oenotheraceae)雑草、アブノメ(Dopatrium junceum)、オオアブノメ(Gratiola japonica)、キクモ(Limnophila sessilifolia)、アゼナ(Lindernia pyxidaria)及びアメリカアゼナ(Lindernia dubia)等に代表されるゴマノハグサ科(Scrophulariaceae)雑草、クサネム(Aeschynomene indica)等に代表されるマメ科(Leguminosae)雑草、並びにアメリカセンダングサ(Bidens frondosa)及びタウコギ(Bidens tripartita)等に代表されるキク科(Compositae)雑草等が挙げられる。
【0010】
本発明組成物は、水田での使用時には、通常の田植え前処理および田植え後処理に加えて、田植え同時処理ができる。
【0011】
本発明組成物は、必要に応じて製剤時または散布時に、他の除草剤、各種殺虫剤、殺菌剤、植物生長調節剤又は共力剤等を更に混合してもよい。
【0012】
特に、他の除草剤を混合することにより、施用量の減少による低コスト化、殺草スペクトラムの拡大および高い殺草効果が期待できる。この際、同時に複数の除草剤を混合することも可能である。
【0013】
本発明組成物の製剤時または散布時に混合できる他の除草剤としては、下記のものが挙げられる。
【0014】
例えば、ブタクロール(butachlor)、エスプロカルブ(esprocarb)、ハロスルフロンメチル(halosulfuron-methyl)、ピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron-ethyl)、ベンスルフロンメチル(bensulfuronmethyl)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、シノスルフロン(cinosulfuron)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、キノクラミン(quinoclamin)、ピラクロニル(pyraclonil)、アミノシクロピラクロール(Aminocyclopyrachlor)、テフリルトリオン(tefuryltrione)、メソトリオン(mesotrione)、ピリミスルファン(pyrimisulfan)、フェノキサスルホン(fenoxasulfone)、ペノキススラム(penoxsulam)、アミノピラリド(aminopyralid)、ベンカルバゾン(bencarbazone)、オルソスルファムロン(orthosulfamrun)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、モノスルフロン(monosulfuron)、モノスルフロンメチル(monosulfuron-methyl)、ピノキサデン(pinoxaden)、プロポキシカルバゾンナトリウム塩(propoxycarbazone-sodium)、ピラスルホトール(pyrasulfotole)、ピロキサスルホン(pyroxasulfone)、ピロキシスラム(pyroxsulam)、テンボトリオン(tembotrione)、チエンカルバゾンメチル(thiencarbazone-methyl)、トプラメゾン(topramezon)、メタミトロン(metamitron)、ベンチオカーブ(benthiocarb)、モリネート(molinate)、ジメピペレート(dimepiperate)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、メフェナセット(mefenacet)、プレチラクロール(pretilachlor)、テニルクロール(thenylchlor)、ブロモブチド(bromobutide)エトベンザニド(etobenzanid)、ジフルフェニカン(diflufenican)、ダイムロン(dymron)、クミルロン(cumyluron)、ベンタゾン(bentazone)、ピリフタリド(pyriftalid)、ビスピリバック(bispyribac)、ベンタゾンの塩、2,4−D、2,4−Dの塩、2,4−Dのエステル、MCP、MCPの塩、MCPのエステル、MCPB、MCPBの塩、MCPBのエステル、フェノチオール(MCPA-thioethyl)、クロメプロップ(clomeprop)、ナプロアニリド(naproanilide)、オキサジアゾン(oxadiazon)、ピラゾレート(pyrazolate)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ベンゾフェナップ(benzofenap)、オキサジアルギル(oxadiargyl)、シメトリン(simetryn)、ピペロホス(piperophos)、アニロホス(anilofos)、ブタミホス(butamifos)、ベンスリド(bensulide)、ジチオピル(dithiopyr)、ピリミノバックメチル(pyriminobacmethyl)、CNP、クロメトキシニル(chlormethoxynil)、シハロホップブチル(cyhalofopbutyl)、ビフェノックス(bifenox)、カフェンストロール(cafenstrole)、ペントキサゾン(pentoxazone)、インダノファン(indanofan)、オキサジクロメホン(oxaziclomefone)、フェントラザミド(fentrazamide)、ブテナクロール(butenachlor)、ACN、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ベンフレセート(benfuresate)、シンメチリン(cimmethylin)、シマジン(simazine)、ジクロベニル(dichlobenil)、ジウロン(diuron)、クロロIPC(chlorpropham)、アトラジン(atrazine)、アラクロール(alachlor)、イソウロン(isouron)、クロルフタリム(chlorphtalim)、シアナジン(cyanazin)、トリフルラリン(trifluralin)、ブタミホス(butamifos)、キンクロラック(quinclorac)、プロピザミド(propyzamide)、プロメトリン(prometryn)、ペンディメタリン(pendimethalin)、メトラクロール(metolachlor)、メトリブジン(metribuzin)、リニュロン(linuron)、レナシル(lenacil)、プロパニル(propanil)、MCPA、アイオキシニル(ioxyniloctanoate)、アシュラム(asulam)、キザロホップエチル(quizalofop-ethyl)、プロパキザホップ(propaquizafop)、キザロホップテフリル(quizalofop-tefuryl)、セトキシジム(sethoxydim)、チフェンスルフロンメチル(thifensulfuron-methyl)、フェノキサプロップエチル(fenoxaprop-ethyl)、フェンメディファム(phenmedipham)、フルアジホップブチル(fluazifop-butyl)、ベンタゾン(bentazone)、SAP(bensulide)、TCTP(chlorthal-dimethyl,tetorachlorothiophene)、アミプロホスメチル(amiprophosmethyl)、アメトリン(ametryn)、イソキサベン(isoxaben)、オルベンカーブ(orbencarb)、カルブチレート(karbutilate)、ジチオピル(dithiopyr)、シデュロン(siduron)、チアザフルロン(thiazafluron)、ナプロパミド(napropamide)、プロジアミン(prodiamine)、ベスロジン(bethrodine)、メチルダイムロン(methyldymron)、2,4−PA、MCPPA、フラザスルフロン(flazasulfuron)、メトスルフロンメチル(metsulfuron-methyl)、イマザキン(imazaquin)、イマザピル(imazapyr)、テトラピオン(flupropanate)、テブティウロン(tebuthiuron)、ブロマシル(bromacil)、ヘキサジノン(hexazinone)、グリホサートアンモニウム塩(glyphosate-ammonium)、グリホサートイソプロピルアミン塩(glyphosate-iso-propylammonium)、グリホサートトリメシウム塩(glyphosate-trimesium)、グリホサートナトリウム塩(glyphosate-sodium)、グリホサートカリウム塩(glyphosate-potassium)、ビアラホス(bialaphos)、グルホシネート(glufosinate-ammonium)、OK-701(試験名)、イプフェンカルバゾン(ipfencarbazone)、プロピリスルフロン(propyrisulfuron)およびMCC等が挙げられる。
【0015】
本発明において、施用にあたっては、各化合物を個別に施用しても、混合組成物として施用しても良い。各々個別に施用する場合は、全く同時に施用しても、時間的に近接していれば別々に処理しても良く、いずれの場合も本発明方法に含まれる。
【0016】
本発明では、式(1)で表される化合物1重量部当たり、化合物群Bの中から選ばれる各化合物を通常0.001乃至100重量部、好ましくは0.01乃至30重量部施用する。
【0017】
式(1)で表される化合物の施用量は、通常0.001乃至10kg/ha、好ましくは0.01g乃至1kg/haである。化合物群Bの中から選ばれる各化合物の施用量は、通常0.001乃至10kg/ha、好ましくは0.01乃至3kg/haである。
【0018】
本発明組成物は、式(1)で表される化合物と化合物群Bの中から選ばれる化合物に、通常適当な固体担体又は液体担体と混合し、更に所望により界面活性剤、浸透剤、展着剤、増粘剤、凍結防止剤、結合剤、固結防止剤、崩壊剤、消泡剤、防腐剤および分解防止剤等を添加して、液剤(soluble concentrate)、乳剤(emulsifiable concentrate)、水和剤(wettable powder)、水溶剤(water soluble powder)、顆粒水和剤(water dispersible granule)、顆粒水溶剤(water soluble granule)、懸濁剤(suspension concentrate)、乳濁剤(concentrated emulsion)、サスポエマルジョン(suspoemulsion)、マイクロエマルジョン(microemulsion)、粉剤(dustable powder)、粒剤(granule)およびゲル剤(gel)等任意の剤型の製剤にて実用に供することができる。また、省力化および安全性向上の観点から、上記任意の剤型の製剤を水溶性包装体に封入して供することもできる。なお必要に応じて、製剤または散布時に複数の他の除草剤、殺虫剤、殺菌剤、植物生長調整剤、肥料等と混合使用することも可能である。
【0019】
固体担体としては、例えば石英、カオリナイト、パイロフィライト、セリサイト、タルク、ベントナイト、酸性白土、アタパルジャイト、ゼオライトおよび珪藻土等の天然鉱物質類、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウムおよび塩化カリウム等の無機塩類、合成珪酸ならびに合成珪酸塩が挙げられる。
【0020】
液体担体としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコールおよびイソプロパノール等のアルコール類、キシレン、アルキルベンゼンおよびアルキルナフタレン等の芳香族炭化水素類、ブチルセロソルブ等のエーテル類、シクロヘキサノン等のケトン類、γ−ブチロラクトン等のエステル類、N−メチルピロリドンおよびN−オクチルピロリドン等の酸アミド類、大豆油、ナタネ油、綿実油およびヒマシ油等の植物油ならびに水が挙げられる。
【0021】
これら固体および液体担体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0022】
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン性界面活性剤、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物の塩、アルキルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物の塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸および燐酸塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸および燐酸塩、ポリカルボン酸塩およびポリスチレンスルホン酸塩等のアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩およびアルキル4級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤ならびにアミノ酸型およびベタイン型等の両性界面活性剤が挙げられる。
【0023】
これら界面活性剤の含有量は、特に限定されるものではないが、本発明組成物100重量部に対し、通常0.05乃至20重量部の範囲が望ましい。また、これら界面活性剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0024】
次に本発明組成物の配合例を示す。但し本発明組成物の配合例は、これらのみに限定されるものではない。なお、以下の配合例において「部」は重量部を意味する。
【0025】
〔水和剤(wettable powder)〕
式(1)で表される化合物 0.1乃至80部
化合物群Bから選ばれる化合物 0.1乃至80部
固体担体 5乃至98.8部
界面活性剤 1乃至10部
その他 0乃至5部
その他として、例えば固結防止剤、分解防止剤等が挙げられる。
【0026】
〔乳 剤(emulsifiable concentrate)〕
式(1)で表される化合物 0.1乃至30部
化合物群Bから選ばれる化合物 0.1乃至30部
液体担体 15乃至95部
界面活性剤 4.8乃至15部
その他 0乃至10部
その他として、例えば展着剤、分解防止剤等が挙げられる。
【0027】
〔懸濁剤(suspension concentrate)〕
式(1)で表される化合物 0.1乃至70部
化合物群Bから選ばれる化合物 0.1乃至70部
液体担体 15乃至98.79部
界面活性剤 1 乃至12部
その他 0.01乃至30部
その他として、例えば凍結防止剤、増粘剤等が挙げられる。
【0028】
〔顆粒水和剤(water dispersible granule)〕
式(1)で表される化合物 0.1乃至90部
化合物群Bから選ばれる化合物 0.1乃至90部
固体担体 0乃至98.8部
界面活性剤 1乃至20部
その他 0乃至10部
その他として、例えば結合剤、分解防止剤等が挙げられる。
【0029】
〔液 剤(soluble concentrate)〕
式(1)で表される化合物 0.1乃至70部
化合物群Bから選ばれる化合物 0.1乃至70部
液体担体 20乃至99.8部
その他 0乃至10部
その他として、例えば凍結防止剤、展着剤等が挙げられる。
【0030】
〔粒 剤(granule)〕
式(1)で表される化合物 0.1乃至80部
化合物群Bから選ばれる化合物 0.1乃至80部
固体担体 10乃至99.8部
その他 0乃至10部
その他として、例えば結合剤、分解防止剤等が挙げられる。
【0031】
〔粉 剤(dustable powder)〕
式(1)で表される化合物 0.1乃至30部
化合物群Bから選ばれる化合物 0.1乃至30部
固体担体 35乃至99.8部
その他 0乃至5部
その他として、例えばドリフト防止剤、分解防止剤等が挙げられる。
【0032】
使用に際しては上記製剤を水で1乃至10000倍に希釈してまたは希釈せずに、各除草活性化合物が1ヘクタール(ha) 当たり0.001乃至50kg、好ましくは0.01乃至10kgになるように散布する。
【0033】
次に本発明組成物として、具体的な配合例を示すが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。なお、以下の配合例において「部」は重量部を意味する。
【0034】
〔配合例1〕水和剤(wettable powder)
化合物(A−1) 10部
化合物(B−1) 3部
パイロフィライト 81部
ソルポール5039 4部
(非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤
との混合物:東邦化学工業(株)商品名)
カープレックス#80D 2部
(合成含水珪酸:塩野義製薬(株)商品名)
以上を均一に混合粉砕して水和剤とする。
【0035】
〔配合例2〕乳 剤(emulsifiable concentrate)
化合物(A−1) 1部
化合物(B−2) 10部
キシレン 69部
N−メチルピロリドン 15部
ソルポール2680 5部
(非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤
との混合物:東邦化学工業(株)商品名)
以上を均一に混合して乳剤とする。
【0036】
〔配合例3〕懸濁剤(suspension concentrate)
化合物(A−1) 10部
化合物(B−1) 6部
アグリゾールS−710 10部
(非イオン性界面活性剤:花王(株)商品名)
ルノックス1000C 0.5部
(アニオン性界面活性剤:東邦化学工業(株)商品名)
キサンタンガム 0.2部
水 73.3部
以上を均一に混合した後、湿式粉砕して懸濁剤とする。
【0037】
〔配合例4〕顆粒水和剤(water dispersible granule)
化合物(A−1) 40部
化合物(B−2) 35部
ハイテノールNE-15 5部
(アニオン性界面活性剤:第一工業製薬(株)商品名)
バニレックスN 10部
(アニオン性界面活性剤:日本製紙(株)商品名)
カープレックス#80D 10部
(合成含水珪酸:塩野義製薬(株)商品名)
以上を均一に混合粉砕した後、少量の水を加えて攪拌混合し、押出式造粒機で造粒し、乾燥して顆粒水和剤とする。
【0038】
〔配合例5〕粒 剤(granule)
化合物(A−1) 2部
化合物(B−1) 10部
ベントナイト 50部
タルク 38部
以上を均一に混合粉砕した後、少量の水を加えて攪拌混合し、押出式造粒機で造粒し、乾燥して粒剤とする。
【0039】
〔配合例6〕粉 剤(dustable powder)
化合物(A−1) 1部
化合物(B−2) 1部
カープレックス#80D 0.5部
(合成含水珪酸:塩野義製薬(株)商品名)
カオリナイト 96部
リン酸ジイソプロピル 1.5部
以上を均一に混合粉砕して粉剤とする。
【0040】
〔配合例7〕水和剤(wettable powder)
化合物(A−1) 5部
化合物(B−2) 5部
パイロフィライト 84部
ソルポール5039 4部
(非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤
との混合物:東邦化学工業(株)商品名)
カープレックス#80D 2部
(合成含水珪酸:塩野義製薬(株)商品名)
以上を均一に混合粉砕して水和剤とする。
【0041】
〔配合例8〕乳 剤(emulsifiable concentrate)
化合物(A−1) 5部
化合物(B−1) 5部
キシレン 70部
N−メチルピロリドン 15部
ソルポール2680 5部
(非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤
との混合物:東邦化学工業(株)商品名)
以上を均一に混合して乳剤とする。
【実施例】
【0042】
本発明組成物の有用性を以下の試験例において具体的に説明する。
【0043】
式(1)で表される化合物の1種以上と、化合物群Bから選ばれる1種以上を併用した場合に、単独の効果から期待される効果を上回る効果を奏することを以下の試験例で示す。
【0044】
2種類の除草活性成分を併用した場合の相乗的除草効果については、次のように説明することができる。すなわち個々の活性成分はその除草活性にそれぞれ欠点を示す場合が多くあるが、その場合2種の活性成分を組み合わせた除草活性が、その2種の活性成分の各々の活性の単純な合計(期待される活性)よりも大きくなる場合にこれを相乗作用という。2種の活性成分の組み合わせにより期待される活性は次のように計算することができる(Colby S.R.、除草剤の組み合わせの相乗および拮抗作用反応の計算、WEED第15巻、20―22巻(1967)参照)。
C=α+β―(α・β/100)
α:除草剤Aをakg/haの量で処理したときの抑制率
β:除草剤Bをbkg/haの量で処理したときの抑制率
C:除草剤Aをakg/ha、除草剤Bをbkg/haの量で処理した場合に期待される抑制率
即ち、実際の抑制率が上記計算値よりも大きいならば相乗的、同じならば相加的ということができる。
【0045】
〔試験例1〕湛水条件における雑草発生前処理による除草効果試験
1/10000アールのプラスチック製ポットに沖積土を入れた後、2.5葉期のイネを移植し、水を入れて4cmの湛水条件とした。5日後にタイヌビエ種子を播種し、直ちに配合例に準じて調製した製剤を用いて、供試薬剤の所定量で処理した。薬剤処理20日後に、タイヌビエおよびイネに対する効果を観察評価で0=影響なし乃至100=完全枯殺の判定基準に従い調査した。結果を第1表および第2表に示す。
表中、「gai」は除草活性化合物の重量を意味し、「ha」はヘクタールを意味する。また、Eは実測値を表し、Cは前記Colbyの式より求めた期待値を表す。
【0046】
〔試験例2〕湛水条件における雑草発生後処理による除草効果試験
1/10000アールのプラスチック製ポットに沖積土を入れた後、2.5葉期のイネを移植し、水を入れて4cmの湛水条件とした。5日後にイヌホタルイの種子またはオモダカの塊茎を播種または移植し、播種後10日目に、配合例に準じて調製した供試薬剤の所定量で処理した。薬剤処理20日後にイヌホタルイ、オモダカおよびイネに対する効果を観察評価で0=影響なし乃至100=完全枯殺の判定基準に従い調査した。結果を第3表および第4表に示す。
以上の結果から、化合物(A−1)と化合物(B−1)または化合物(B−2)の組み合わせでは明らかな除草効果の相乗性が認められた。一方、イネに対する薬害は認められなかった。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明組成物および本発明方法は、雑草の防除に使用できる。