特許第6195721号(P6195721)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6195721
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】食品容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/26 20060101AFI20170904BHJP
   B65D 85/50 20060101ALI20170904BHJP
   B65D 1/00 20060101ALI20170904BHJP
   B65D 1/26 20060101ALI20170904BHJP
【FI】
   B65D81/26 J
   B65D85/50 A
   B65D1/00 111
   B65D1/26 120
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-70558(P2013-70558)
(22)【出願日】2013年3月28日
(65)【公開番号】特開2014-193732(P2014-193732A)
(43)【公開日】2014年10月9日
【審査請求日】2016年3月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100066267
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 吉治
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100131543
【弁理士】
【氏名又は名称】常光 克明
(72)【発明者】
【氏名】竹内 直人
【審査官】 宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−341863(JP,A)
【文献】 実開昭58−107828(JP,U)
【文献】 実開昭59−007832(JP,U)
【文献】 特開2012−051170(JP,A)
【文献】 実開昭50−064196(JP,U)
【文献】 実開昭52−126695(JP,U)
【文献】 米国特許第06598740(US,B1)
【文献】 特開2002−059978(JP,A)
【文献】 特開2011−195168(JP,A)
【文献】 実開平03−078782(JP,U)
【文献】 特開2008−189362(JP,A)
【文献】 実開昭52−098800(JP,U)
【文献】 特開2011−162202(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 67/00−79/02
B65D 81/18−81/30
B65D 81/38
B65D 1/00− 1/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面及び外面と、底面と、前記底面の周縁から起立する周壁面と、透液性の内面層と、非透液性の外面層と、前記内面層と前記外面層との間に配置される吸液性の吸液層とを有する食品容器であって、
前記内外面層及び前記吸液層を形成する複合シートと、前記内面において前記底面の前記周縁に沿って環状に延びる第1圧縮溝と、前記周壁面において周方向へ互いに間隔を空けて前記第1圧縮溝から前記周壁面の外端縁まで延びる複数条の第2圧縮溝とをさらに有し、
前記第1及び第2圧縮溝は、前記内面層と前記吸液層とを前記内面側から前記外面側へ向かって圧縮して形成されており、
前記第1及び第2圧縮溝の厚さ寸法は、前記複合シートの厚さ寸法の70%以下であり、
前記底面には、前記内面層を貫通する複数の開孔が形成されており、
前記開孔の縦断面形状が前記内面側の表面から前記吸液層に向けてなだらかな曲線であって、
前記複合シートは、ドット状又はスパイラル状に塗布された質量5g/m以下のホットメルト接着剤を介して接合されており、
前記底面に滲出した滲出液が前記開孔から前記吸液層に吸収されるとともに、
前記第1圧縮溝から前記第2圧縮溝に沿って前記外端縁へ向かって移動することを特徴とする食品容器。
【請求項2】
前記内面層が、熱可塑性樹脂から成り、複数の前記開孔を有する透液性のフィルムを含む、請求項1に記載の食品容器。
【請求項3】
前記第1圧縮溝が少なくとも1つの前記開孔を有する、請求項1又は2に記載の食品容器。
【請求項4】
前記吸液層がパルプ不織布を含む、請求項1〜のいずれかに記載の食品容器。
【請求項5】
前記内面層が、熱可塑性樹脂の繊維で形成された透液性の不織布を含む、請求項1に記載の食品容器。
【請求項6】
前記底面に、前記第1圧縮溝に連結する十字型の圧縮溝を設ける請求項1〜5のいずれかに記載の食品容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、食品容器に関し、より詳しくは、弁当のおかず入れや食品の鮮度保持に用いられる食品容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、弁当のおかず入れ等に用いられる食品容器は公知であり、例えば特許文献1には、複合層よりなるシート材料により構成される食品収容容器において、複合層は、吸液性を有する吸液性層と、非吸液性を有し、吸液性層の容器内面側の全面に形成され、少なくとも1つの開口を有する第1非吸液性層と、非吸液性を有し、吸液性層の容器外面側の全面に形成された第2非吸液性層とを備える食品収容容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−341863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された食品収容容器によれば、食品から滲み出た液体は、食品収容容器の内面に設けられた開口を通して吸液性層に吸液される。特許文献1の実施形態には、吸液性層として紙を用いることが記載されている。しかし、紙では食品から滲み出た液体の吸収能力が不足し、例えば弁当のおかず入れに用いたとき、おかずから滲み出た液体が容器の外にこぼれ出して周囲のおかずに混入することがあるため、更なる改良が求められている。
【0005】
本発明は従来の食品容器の改良を目的とし、食品から滲み出た煮汁や食用油等の液体(以下、滲出液という)の吸収保持能力が高い食品容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するために、内面及び外面と、底面と、前記底面の周縁から起立する周壁面と、透液性の内面層と、非透液性の外面層と、前記内面層と前記外面層との間に配置される吸液性の吸液層とを有する食品容器に関する。
【0007】
本発明に係る食品容器は、一つの実施形態では、前記内外面層及び前記吸液層を形成する複合シートと、前記内面において前記底面の前記周縁に沿って環状に延びる第1圧縮溝と、前記周壁面において周方向へ互いに間隔を空けて前記第1圧縮溝から前記周壁面の外端縁まで延びる複数条の第2圧縮溝とをさらに有し、前記第1及び第2圧縮溝は、前記内面層と前記吸液層とを前記内面側から前記外面側へ向かって圧縮して形成されており、前記第1及び第2圧縮溝の厚さ寸法は、前記複合シートの厚さ寸法の70%以下であり、前記底面には、前記内面層を貫通する複数の開孔が形成されており、前記開孔の縦断面形状が前記内面側の表面から前記吸液層に向けてなだらかな曲線であって、前記複合シートは、ドット状又はスパイラル状に塗布された質量5g/m以下のホットメルト接着剤を介して接合されており、前記底面に滲出した滲出液が前記開孔から前記吸液層に吸収されるとともに、前記第1圧縮溝から前記第2圧縮溝に沿って前記外端縁へ向かって移動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の食品容器では、第1及び第2圧搾溝において圧搾された吸液層が毛細管現象を示すことにより、内面層の開孔を通過した滲出液を、第1及び第2圧搾溝を通じて吸液層内において速やかに移動させることができ、更に、第1及び第2圧搾溝が形成されていない部分の吸液層に滲出液を拡散させて保持させることができるので、食品容器の滲出液吸収保持能力が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る食品容器の斜視図。
図2】食品容器の内面側を示す平面図。
図3図2のIII−III線模式断面図。
図4】(a),(b)は食品容器の吸収試験結果を表す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1〜3を参照すると、本願発明の食品容器1は底面2と、底面2の周縁3から立ちあがる周壁面4とを有する。食品容器1は、その内面5が非吸液性かつ透液性の内面層7で形成され、外面9が非吸液性かつ非透液性の外面層8で形成される。また、内面層7と外面層8との間には、吸液性の吸液層10が配置される。本実施形態の内面層7は、開孔6を有する非吸液性かつ透液性の熱可塑性樹脂製のフィルムからなる。
【0011】
食品容器1の内面5には、底面2の周縁3に沿って延び、内面層7を吸液層10とともに食品容器1の内面側から外面側に向け圧縮して形成された第1圧搾溝11と、第1圧搾溝11に連結して周壁面4に沿って周壁面4の外端縁13に向けて延び出し、内面層7を吸液層10とともに食品容器1の内面側から外面側に向け圧縮して形成された第2圧搾溝12とが設けられている。周壁面4は起伏を繰り返す襞形状を有し、第2圧搾溝12は、食品容器1の内面側から見て、襞形状の谷部に形成されている。
【0012】
内面層7に設けられる開孔6の形状及び寸法の制限は特に無く、食品からの滲出液が通過することができ、食品が開孔6において直接吸液層10に接触しない形状及び寸法であればよい。一例を挙げると、開孔6が円形でフィルム厚が20〜50μの場合、開孔6の直径を0.3〜3.0mmにすることができるが、これに限定されない。また、内面層7には、熱可塑性樹脂の繊維から成る不織布を用いることもでき、例えば単位面積当たり質量が30〜80g/mのエアスルー不織布を用いることもできる。内面層7を形成するための熱可塑性樹脂には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン共重合体、プロピレン共重合体等のオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等の、食品包装の分野で公知の材料を用いることができる。また、親水化処理した熱可塑性樹脂を用いて内面層7を形成することもできる。
【0013】
熱可塑性樹脂のフィルムに開孔6を設ける場合、パーフォレーション、針セグメントを取り付けた加熱ロールと受けロールとの組み合わせ等の、フィルムに開孔6を形成するための公知の手段を用いることができる。パーフォレーションや針セグメントを用いて開孔6を形成するときは、内面層7から吸液層10に向かう方向に孔をあけ、開孔6の縦断面形状が内面層7の表面から吸液層10に向けてなだらかな曲線を描くようにすることが好ましい。これにより、滲出液の開孔6への流入を促進することができる。
【0014】
吸液層10には、パルプ繊維を主成分としたパルプ不織布を用いることが好ましく、エアレイドパルプ不織布を用いることがより好ましい。パルプ不織布に熱可塑性樹脂の繊維やバインダーが含まれていてもよいが、パルプ含有量が高いことが好ましい。吸液層10の質量の制限は特にないが、典型的には30〜120g/mである。吸液層10の厚さにも特に制限は無いが、刺身や生肉等の、ドリップ液が食品の鮮度に影響を及ぼす食品に用いる食品容器1の場合には、ドリップ液を吸収する能力を確保するため、0.50mm以上の厚さの吸液層10を用いることが好ましい。
【0015】
外面層8は非透液性の防漏シートであり、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等の、食品包装の分野で公知の熱可塑性樹脂からなるシートのほか、アルミ箔を用いることもできる。外面層8には開孔6は設けない。
【0016】
食品容器1は、内面層7、吸液層10、及び外面層8となるシート素材を互いに接合させた複合シートを用いて製造する。各シートの接合は、ホットメルト接着剤(HMA)を用いて行うことができるほか、ドライラミネーション、ウェットラミネーション、エキストルージョン等の公知の方法を用いて行うことができる。接合にホットメルト接着剤を用いる場合は、開孔6が塞がれないよう、ホットメルト接着剤をドット状やスパイラル状に塗布することが好ましい。また、ホットメルト接着剤の塗布量は、吸液層10の吸収能力を損なわないようにするために、5g/m以下であることが好ましく、3g/m以下であることがより好ましい。なお、図3ではホットメルト接着剤の図示は省略している。
【0017】
食品容器1は、所与の形状を有する雌雄一対の金型を用いて、内面層7、吸液層10、及び外面層8を含む複合シートを加熱下においてプレス成型することにより得ることができる。このプレス成型に用いられる雄金型には、第1及び第2圧搾溝11、12に対応する形状の突起部が設けられる。なお、食品容器1の成型に用いる複合シートは、1つの食品容器1に対応した大きさでもよいし、多数の食品容器1に対応した大きさでもよい。
【0018】
プレス成型する際、第1及び第2圧搾溝11、12において、内面層7、吸液層10、及び外面層8を含む複合シートの厚さを30%以上圧縮することが好ましい。別言すれば、第1及び第2圧搾溝11、12の厚みを、第1及び第2圧搾溝11、12が形成されていない部分の厚みに対し、30%以上減少させることが好ましい。これにより、食品容器1の底面2の周縁3に沿って延びる第1圧搾溝11、及び第1圧搾溝11から周壁面4に沿って延び出す第2圧搾溝12に位置する吸液層10が高密度化されるので、食品容器1に安定した骨格構造を付与し、形状を安定化させることができる。これと同時に、第1及び第2圧搾溝11、12において、滲出液を吸液層10内において移動させるために必要な毛細管現象を生じさせることができる。すなわち、食品容器1の底面2に位置する第1圧搾溝11から、第1圧搾溝11に連結されて周壁面4に沿って周壁面の外端縁13に向けて延び出す第2圧搾溝12へ、滲出液を毛細管現象により重力に反する方向に速やかに移動させる経路が形成される。これにより、第1圧搾溝11から第2圧搾溝12へ移動させた滲出液を、周壁面4において第2圧搾溝12が形成されていない部分の吸液層10に拡散・保持させて、滲出液が食品容器1内に逆戻りすることを防止できる。
【0019】
より詳しくは、食品容器1内に食品を入れたとき、食品から食品容器1の底面2に滲み出した滲出液は、底面2の開孔6を通過して、第1圧搾溝11が設けられていない部分の吸液層10中に拡散する。底面2の開孔6だけでは吸収しきれなかった滲出液は、一旦周縁3に位置する第1圧搾溝11内に貯まる。その後、滲出液は第1圧搾溝11に位置する開孔6を通過して、第1圧搾溝11から第1圧搾溝11に連結された第2圧搾溝12へ向け、毛細管現象により重力に反する方向に移動する。さらに、第2圧搾溝12へ移動した滲出液は、周壁面4において第2圧搾溝12が形成されていない部分の吸液層10中に拡散し、保持される(図4(a)参照)。このように、食品からの滲出液は食品容器1の底面2へ滲み出し、第1圧搾溝11内に貯まりやすいので、食品容器1の底面2に少なくとも1つの開孔6を配置することが好ましく、第1圧搾溝11に少なくとも1つの開孔6を配置することがより好ましい。
【0020】
図4(a),(b)と表1に、吸液層10にエアレイドパルプを用いた本発明の食品容器1(実施例1)と、エアレイドパルプの代わりに吸水紙を用いた比較例の吸収試験結果を示す。表1に示すように、図4(a)と図4(b)の食品容器1は、吸液層10の材質のみが異なっている。なお、内面層7には、同一の開孔パターンを有するポリオレフィンフィルムを用いた。
【0021】
吸収試験では、赤色に着色した0.9%生理食塩水、及び食用油を試験液として用い、これらの試験液を食品容器1の底面2に1.0ml滴下し、ストップウォッチで計測して5分間吸収させた。測定に用いた赤色の生理食塩水の組成は次の通りである。
0.9%NaCl(1L)+ 黄色5号(1.63g)+ 赤色102号(8.5g)+ 赤色2号(2g)
【0022】
成型後の食品容器1の吸収能力は、成型前の複合シートに吸収された試験液の量と、成型後の食品容器1の非圧搾部(第1及び第2圧搾溝11、12が無い部分)に吸収された試験液の量とを対比することにより評価した。なお、食品容器1の非圧搾部のサンプルは、底面2から2cm×2cmのシート片を切り抜くことにより調製した。
【0023】
厚み測定は、ピーコック社製PDN−20型厚み測定器(測定子の直径8mm、測定力標準(スピンドル下方向)1.3N)を用いて行った。圧搾部(第1及び第2圧搾溝11、12)と、非圧搾部の厚みは、それぞれについて10か所の厚みを測定し、その平均値を計算することにより求めた。
【0024】
図4(a)に示すように、本発明の食品容器1では、底面2に滴下した試験液は周壁面4の第2圧搾溝12へと移動し、さらに周壁面4の第2圧搾溝12が形成されていない部分へ拡散した後、保持された。また、周壁面4の第2圧搾溝12が形成されていない部分には、試験液が拡散していない部分が残っていた。これに対し、比較例では、吸水紙の質量が本発明で用いたエアレイドパルプの質量と同一であるにも関わらず吸収量が低く、試験液の一部が吸収されずに容器の表面に残留していた。また、表1に示すように、試験液として食用油を用いた場合でも、本発明の食品容器1は比較例より高い吸収性を示したことから、本発明の食品容器1は、水分の多いおかずだけでなく、油分の多いおかずにも適していることが分かる。
【0025】
【表1】
【0026】
表2から明らかなように、圧搾部(第1及び第2圧搾溝11、12)の厚みを、非圧搾部の厚みに対し30%以上低い値にすることにより、良好な吸収性が得られることが示された。また、内面層7に不織布を用いた場合でも、良好な吸収性が得られることが示された。さらに、表1及び表2に示す結果から、本願発明に係る食品容器1を構成する内面層7、吸液層10、及び外面層8から成る複合シートは、成型前後での吸収能力の差はほとんどないことが分かった。
【0027】
【表2】
【0028】
以上に記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記事項に要約することができる。
内面及び外面と、底面と、前記底面の周縁から起立する周壁面と、透液性の内面層と、非透液性の外面層と、前記内面層と前記外面層との間に配置される吸液性の吸液層とを有する食品容器であって、前記内外面層及び前記吸液層を形成する複合シートと、前記内面において前記底面の前記周縁に沿って環状に延びる第1圧縮溝と、前記周壁面において周方向へ互いに間隔を空けて前記第1圧縮溝から前記周壁面の外端縁まで延びる複数条の第2圧縮溝とをさらに有し、前記第1及び第2圧縮溝は、前記内面層と前記吸液層とを前記内面側から前記外面側へ向かって圧縮して形成されており、前記第1及び第2圧縮溝の厚さ寸法は、前記複合シートの厚さ寸法の70%以下であり、前記底面には、前記内面層を貫通する複数の開孔が形成されており、前記開孔の縦断面形状が前記内面側の表面から前記吸液層に向けてなだらかな曲線であって、前記複合シートは、ドット状又はスパイラル状に塗布された質量5g/m以下のホットメルト接着剤を介して接合されており、前記底面に滲出した滲出液が前記開孔から前記吸液層に吸収されるとともに、前記第1圧縮溝から前記第2圧縮溝に沿って前記外端縁へ向かって移動することを特徴とする。
【0029】
本発明は、少なくとも下記の実施の形態を含むことができる。
(1)内面層が、熱可塑性樹脂から成り、複数の前記開孔を有する透液性のフィルムを含む。
)第1圧搾溝が少なくとも1つの開孔を有する。
)吸液層がパルプ不織布を含む。
)内面層が、熱可塑性樹脂の繊維で形成された透液性の不織布を含む。
(5)底面に、第1圧縮溝に連結する十字型の圧縮溝を設ける。
【0030】
本発明について実施形態に基づき説明したが、本発明の範囲はそれに限定されない。例えば、食品容器1の底面2に、第1圧搾溝11に連結する十字型の圧搾溝を設ける等、追加の圧搾溝を設けることもできる。また、周壁面4において第2圧搾溝12が襞形状の谷部に形成されている例を示したが、第2圧搾溝12を、襞形状の山部と谷部に設けることもできる。なお、本明細書及び特許請求の範囲において使用されている「第1」及び「第2」の用語は、同様の要素、位置等を単に区別するために用いている。
【符号の説明】
【0031】
1 食品容器
2 底面
3 周縁
4 周壁面
5 内面
6 開孔
7 内面層
8 外面層
9 外面
10 吸液層
11 第1圧搾溝(第1溝)
12 第2圧搾溝(第2溝)
13 外端縁
図1
図2
図3
図4