【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記の課題を解決するために、例えば本発明の実施の形態を示す
図1から
図4に基づいて説明すると、次のように構成したものである。
すなわち本発明は粒状物用包装体に関し、包装用シート(2)により形成された筒体(3)を備え、この筒体(3)の長手方向の両端部(5)に、互いに向かい合う面同士の接着により形成されたシール部(6)をそれぞれ備え、両シール部(6・6)間に粒状物(7)が収容される収容部(8)を備える粒状物用包装体であって、少なくとも一方のシール部(6)は、筒体(3)の幅方向中間部にその幅方向に沿って形成された中間シール部(6a)と、筒体(3)の両側縁(9)近傍にそれぞれ側縁(9)側ほど収容部(8)の中央側に広がる隅シール部(6b)とを備え、この隅シール部(6b)と上記の収容部(8)との境界(14)は、上記筒体(3)の側縁(9)に対し所定の交差角度(θ)で傾斜状に交差する直線に沿って形成してあることを特徴とする。
【0012】
本発明はまた、上記の各シール部(6)が、それぞれ上記の中間シール部(6a)と隅シール部(6b)とを備えている、粒状物用包装体に関する。
本発明はまた、上記の隅シール部(6b)と収容部(8)との境界(14)の長さ(L0)が、上記の粒状物(7)の粒径(D)の1.0倍以上である、粒状物用包装体に関する。
本発明はまた、上記の隅シール部(6b)と収容部(8)との境界(14)と、上記の筒体(3)の側縁(9)とがなす鈍角側の交差角度(θ)が、120〜150度の範囲内である、粒状物用包装体に関する。
本発明はまた、上記の収容部(8)の長手方向の寸法(L)が幅方向の寸法(W)の1.5倍以上である、粒状物用包装体に関する。
本発明はまた、上記の包装用シート(2)が、少なくともアルミニウム箔と熱可塑性樹脂層とを含むラミネートシートである、粒状物用包装体に関する。
本発明はまた、上記の粒状物(7)が粒状カプセルである、粒状物用包装体に関する。
本発明はまた、上記の粒状物(7)の粒径(D)が0.5〜10mmの範囲内である、粒状物用包装体に関する。
【0013】
上記の筒体は、上記のシール部の形成により、少なくともこのシール部近傍では偏平化されており、収容部の周壁は、幅方向両端の側縁により前壁と後壁とに区画されている。
上記の粒状物用包装体を開封して、収容部を幅方向両側から内方へ押圧すると、上記のシール部近傍では、上記の前壁と後壁が、それぞれ収容部とシール部との境界で折れ曲がり、外側へ変位して収容部内が拡がる。
【0014】
このとき、上記の収容部と中間シール部との境界は筒体の幅方向に沿って形成されており、この収容部と上記の隅シール部との境界は筒体側縁に対し傾斜しているので、上記の収容部とシール部との境界が収容部の外側へ凸に屈曲している。このため、上記の前壁と後壁は、上記の変位の際、上記の境界の屈曲点から収容部内側に延びる山折れ線に沿って山折れする。この結果、前壁と後壁とが外側へ良好に変位し、隅部近傍においても、上記の粒状物がこれらの前壁と後壁とで挟持され難くなり、収容部内に保持されることが防止される。
【0015】
上記の包装体は、通常、上記の収容部のうち長手方向の一端寄り部に開封部を備え、この開封部を破断することで開口が形成される。上記の中間シール部と隅シール部は、この開封部から大きく離れた、一方のシール部にのみ形成してもよい。しかし、各シール部がそれぞれ上記の中間シール部と隅シール部とを備えていると、収容部内の粒状物は、いずれのシール部近傍に位置していても、収容部内に保持されることなく良好に取り出されるので、いずれの位置で包装体を開封してもよく、好ましい。
【0016】
上記の隅シール部と収容部との境界の長さは、特定の寸法に限定されないが、上記の粒状物の粒径の1.0倍以上であると、粒状物を良好に取り出すことができて好ましく、粒状物の粒径の1.5倍以上であるとより好ましい。
【0017】
また、この隅シール部と収容部との境界は、上記の筒体の側縁と任意の交差角度で傾斜状に交差する直線に沿って設けてあればよい。しかしこの筒体の側縁となす鈍角側の交差角度が120〜150度の範囲内であると、上記の前壁や後壁を良好に変位できて好ましく、130〜140度の範囲内であるとさらに好ましい。
【0018】
なお、上記の中間シール部は、筒体の幅方向に沿って形成されておればよく、この中間シール部と上記の収容部との境界は、通常は幅方向に、即ち、筒体の軸心と直交する方向に形成されるが、この幅方向から僅かな角度、例えば±10度程度の範囲内で傾斜したものであっても良い。
【0019】
また上記の各隅シール部は、収容部との境界の長さや筒体の側縁に対する角度が、全て同じ値に設定されていてもよく、或いは任意の隅シール部が互いに異なる値に設定されていてもよい。
【0020】
さらに上記の中間シール部や隅シール部は、任意のシール構造を備えたものであってもよく、例えば点状や線状のエンボス加工を施す等により、シール性能を高めたものであってもよい。これらのシール部と収容部との境界は、直線に沿って形成されておればよく、上記のエンボス加工等により細かな波形状に形成されたものであってもよい。
【0021】
上記の粒状物用包装体は、径方向の寸法に比べて長手方向に長い、いわゆるスティック型包装体であると、粒状物を所望の位置へ確実に受け止めることができて好ましい。このため上記の収容部は、任意の寸法に設定できるが、長手方向の寸法が幅方向の寸法の1.5倍以上であると好ましく、長手方向の寸法が幅方向の寸法の2倍以上であるとより好ましい。
【0022】
上記の包装用シートは、例えば側縁を互いに貼り合わせるなどして筒体に形成でき、長手方向両端部で互いに向かい合う面同士を接着できるものであればよく、たとえば熱可塑性樹脂シートや、片面に熱可塑性樹脂層を備えた紙など、任意の材質で構成できる。しかしこの包装用シートが、少なくともアルミニウム箔と熱可塑性樹脂層とを含むラミネートシートであると、包装体の耐久性や収容部の保密性を良好にできるうえ、収容部の周壁等が適度の剛性を備えており、開封時に粒状物を良好に取り出すことができて好ましい。
熱可塑性樹脂層としては、例えば、ポリエチレン樹脂層、ポリエチレンテレフタレート樹脂層、ポリプロピレン樹脂層、ポリスチレン樹脂層、ABS樹脂層等が挙げられ、これらを一種類用いてもよく、複数組み合わせて用いてもよい。熱可塑性樹脂層は、好ましくは、ポリエチレン樹脂層、ポリエチレン樹脂層とポリエチレンテレフタレート樹脂層との組み合わせである。
包装用シートは、当該分野で公知の材料を適宜選択し得るが、少なくともアルミニウム箔と熱可塑性樹脂層とを含むラミネートシートである。
包装用シートは、好ましくは、ポリエチレン樹脂層とアルミニウム箔とポリエチレンテレフタレート樹脂層とを含むラミネートシートである。
包装用シートは、約20μm〜約110μm、好ましくは約70〜約80μmの厚さを有する。
【0023】
上記の粒状物は任意の材質のものであってもよいが、粒状物に過度の外力を加えることなく収容部から円滑に取り出すことができるので、粒状カプセル(ソフトカプセル、或いはシームレスカプセルと言うこともある)など、圧潰強度を高めることが容易でない粒状物の包装に特に適している。ここで、粒状カプセルとは、主にゼラチン等を主成分とする継ぎ目のない皮膜で、薬効成分、栄養補助成分、健康食品成分等を含む、液状等の配合物を封入したものをいい、球形のほか、任意の形状の粒状物に形成されている。この粒状カプセルの好適な例としては、例えば国際公開第2009/004999号パンフレットまたは国際公開第2009/087938号パンフレットに記載のシームレスカプセルが挙げられる。
【0024】
上記の粒状物の大きさは特に限定されないが、その粒径が0.5〜10mmの範囲内であると好ましく、1〜8mm程度であるとさらに好ましい。ここで粒径とは、粒状物が球体である場合はその直径をいい、回転楕円体など、球形以外の場合は、粒状物の中心を通過する最も短い寸法をいう。