(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記面積の相違する電極ユニット間の界面において相対的に面積の大きい電極ユニットの負極と相対的に面積の小さい電極ユニットの正極が対向するように形成される、請求項1に記載の電極組立体。
前記電極組立体は、25℃で下記充電条件(A)及び放電条件(B)で500回の充放電を行ったときの電気容量が1回の充放電後の電気容量に対して60%以上、電極組立体全体の厚さ変化率が15%以下である、請求項1または2に記載の電極組立体。
充電条件(A):1Cで定電流(Constant Current)モードで4.2V又は4.35Vまで充電した後、定電圧(Constant Voltage)モードに転換し、充電電流の量が電池の最小容量の1/20となるまで電流を流した後、充電を終了する。
放電条件(B):定電流(Constant Current)モードで1Cの放電電流を流し、電圧が3Vに達したら放電を終了する。
前記電極ユニットは、単一電極;少なくとも1個の正極、少なくとも1個の負極及び少なくとも1個の分離膜を含む少なくとも1個以上の単位セル;又はこれらの組み合わせからなる、請求項1から5の何れか1項に記載の電極組立体。
前記デバイスは、携帯電話、携帯用コンピューター、スマートフォン、スマートパッド、ネットブック、LEV(Light Electronic Vehicle)、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車又は電力貯蔵装置である、請求項27に記載のデバイス。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記のような問題を解決するためのものであり、従来に比べてデザイン自由度が顕著に高く、優れた電気容量及び耐久性特性を有する電極組立体、これを含む電気セル及びデバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一具現例によれば、面積の相違する2種以上の電極ユニットの組み合わせを含み、上記電極ユニット間に段差が形成されるように積層された電極組立体であって、上記面積の相違する電極ユニット間の界面において相違する極性の電極、即ち、正極と負極が対向するように形成された電極組立体が提供される。
【0011】
本発明の電極組立体は、25℃で500回の充放電を行ったときの電気容量が1回の充放電後の電気容量に対して60%以上、電極組立体全体の厚さ変化率が15%以下であることが好ましく、このために、面積の相違する電極ユニット間の界面において対向する正極と負極のバランス(balance)が合うように調節されることができる。
【0012】
本発明の一具現例によれば、上記面積の相違する電極ユニット間の界面において相対的に面積の大きい電極ユニットの負極と相対的に面積の小さい電極ユニットの正極が対向することができる。本具現例では、面積の相違する電極ユニット間の界面において負極が正極より大きいため、負極の一部が界面に露出する。
【0013】
本発明の好ましい具現例によれば、本発明の電極組立体は、下記式1を満たすように構成されることができる。
【0014】
[数1]
N
n/P
n≦N
n/P
n+1 …[式1]
【0015】
上記式1において、nは1以上の整数、N
nはn番目に大きな面積を有する電極ユニットの負極の単位面積当たりの可逆容量、P
nはn番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の単位面積当たりの可逆容量、P
n+1はn+1番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の単位面積当たりの可逆容量である。
【0016】
一方、本発明の電極組立体が面積の相違する3種以上の電極ユニットを含む場合は、下記式2を満たすように構成されることができる。
【0017】
[数2]
N
n/P
n≦N
n/P
n+1≦N
n+1/P
n+1≦N
n+1/P
n+2 …[式2]
【0018】
上記式2において、nは1以上の整数、N
nはn番目に大きな面積を有する電極ユニットの負極の単位面積当たりの可逆容量、N
n+1はn+1番目に大きな面積を有する電極ユニットの負極の単位面積当たりの可逆容量、P
nはn番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の単位面積当たりの可逆容量、P
n+1はn+1番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の単位面積当たりの可逆容量、P
n+2はn+2番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の単位面積当たりの可逆容量である。
【0019】
また、本発明の電極組立体において、面積の相違する3種以上の電極ユニットを含み、n+2番目に大きな面積を有する電極ユニットがn番目に大きな面積を有する電極ユニットとn+1番目に大きな面積を有する電極ユニットの間に介在される場合は、下記式3を満たすように構成されることができる。
【0020】
[数3]
N
n/P
n+2≦N
n+1/P
n+2 …[式3]
【0021】
上記式3において、nは1以上の整数、N
nはn番目に大きな面積を有する電極ユニットの負極の単位面積当たりの可逆容量、N
n+1はn+1番目に大きな面積を有する電極ユニットの負極の単位面積当たりの可逆容量、P
n+1はn+1番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の単位面積当たりの可逆容量、P
n+2はn+2番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の単位面積当たりの可逆容量である。
【0022】
本発明の好ましい他の具現例によれば、本発明の電極組立体は、下記式4を満たすように構成されることができる。
【0023】
[数4]
dN
n/dP
n≦dN
n/dP
n+1 …[式4]
【0024】
上記式4において、nは1以上の整数、dN
nはn番目に大きな面積を有する電極ユニットの負極の厚さ、dP
nはn番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の厚さ、dP
n+1はn+1番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の厚さである。
【0025】
一方、本発明の電極組立体が面積の相違する3種以上の電極ユニットを含む場合は、下記式5を満たすように構成されることができる。
【0026】
[数5]
dN
n/dP
n≦dN
n/dP
n+1≦dN
n+1/dP
n+1≦dN
n+1/dP
n+2 …[式5]
【0027】
上記式5において、nは1以上の整数、dN
nはn番目に大きな面積を有する電極ユニットの負極の厚さ、dN
n+1はn+1番目に大きな面積を有する電極ユニットの負極の厚さ、dP
nはn番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の厚さ、dP
n+1はn+1番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の厚さ、dP
n+2はn+2番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の厚さである。
【0028】
また、本発明の電極組立体において、面積の相違する3種以上の電極ユニットを含み、n+2番目に大きな面積を有する電極ユニットがn番目に大きな面積を有する電極ユニットとn+1番目に大きな面積を有する電極ユニットの間に介在される場合は、下記式6を満たすように構成されることができる。
【0029】
[数6]
dN
n/dP
n+2≦dN
n+1/dP
n+2 …[式6]
【0030】
上記式6において、nは1以上の整数、dN
nはn番目に大きな面積を有する電極ユニットの負極の厚さ、dN
n+1はn+1番目に大きな面積を有する電極ユニットの負極の厚さ、dP
n+1はn+1番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の厚さ、dP
n+2はn+2番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の厚さである。
【0031】
一方、本発明の電極組立体は、面積の相違する電極ユニット間の界面において対向する正極と負極において、上記正極の厚さに対する上記負極の厚さの比が0.5〜2程度となるように構成されることが好ましく、例えば、0.6〜1.9、0.8〜1.5又は1.0〜1.5程度、より具体的には、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4程度となるように構成されることが好ましい。
【0032】
また、本発明の電極組立体において、面積の相違する電極ユニット間の界面において対向する正極及び負極は、上記正極の単位面積当たりの可逆容量に対する上記負極の単位面積当たりの可逆容量の比が約1以上となるように構成されることが好ましく、例えば、1〜2、1〜1.5、1〜1.2、1〜1.1、1.5〜2、1〜1.09、1.02〜1.2、1.02〜1.09又は1.05〜1.09程度、より具体的には、1.05、1.06、1.07、1.08、1.09程度となるように構成されることが好ましい。
【0033】
一方、本発明の電極組立体が面積の相違する3種以上の電極ユニットを含む場合は、上記電極ユニット間の界面において対向する正極と負極の単位面積当たりの可逆容量比が同じであるか又は電極ユニット間の接触面積が小さくなるほど正極に対する負極の単位面積当たりの可逆容量比が増加するように構成されることができる。
【0034】
一方、本発明において、上記電極ユニットは、単一電極;少なくとも1個の正極、少なくとも1個の負極及び少なくとも1個の分離膜を含む少なくとも1個以上の単位セル;及びこれらの組み合わせからなる群から選択された1種以上からなることができる。この際、上記単位セルは、ゼリーロール型、スタック型、ラミネーションアンドスタック型及びスタックアンドフォールディング型単位セルからなる群から選択されるものであれば良く、最外郭の両面に配置される2個の電極の極性が同じでも相違しても良い。
【0035】
また、好ましくは、本発明の電極組立体は、上記電極ユニットを構成する単一電極及び単位セルの一部又は全部が少なくとも1個の長さの長いシート型分離フィルムによって覆われている構造からなることができる。
【0036】
一方、本発明の上記電極ユニットは、多様な断面形状、例えば、四角形、少なくとも1個のコーナーが曲線状の四角形、台形又は少なくとも1個以上の辺が曲線状の断面形状を有することができる。
【0037】
また、本発明の電極組立体は、断面形状の相違する電極ユニットの組み合わせからなっても良く、断面形状の同じ電極ユニットの組み合わせからなっても良い。
【0038】
一方、本発明の上記電極ユニットは、少なくとも1個以上の電極タブを備えることができ、この際、上記電極タブは、同じ極性の電極同士が電気的に連結される。この際、上記電極タブは、サイズが同じでも良く、電極ユニットの面積によってサイズが相違しても良い。
【0039】
一方、本発明の電極組立体において、上記面積の相違する2種以上の電極ユニットは、多様な配列で積層されることができる。電極ユニットの積層方法は特に限定されず、例えば、下部方向から上部方向に向かって電極ユニットの面積が小さくなる配列で電極ユニットを積層しても良く、逆に、下部方向から上部方向に向かって電極ユニットの面積が大きくなる配列で電極ユニットを積層しても良く、面積の最も大きい電極ユニットが電極組立体の中間層に配置される配列で電極ユニットを積層しても良い。
【0040】
また、本発明の電極組立体において、上記電極ユニットは、それぞれの電極ユニットの平面方向の中心点が一致する配列で積層されても良く、それぞれの電極ユニットの平面方向の中心点が所定の間隔で離隔している配列で積層されても良く、それぞれの電極ユニットの1個のコーナーが一致する配列で積層されても良い。
【0041】
本発明の他の具現例によれば、上記のような本発明の電極組立体が電池ケースに内蔵されている電池セルが提供される。この際、上記電池ケースは、特に制限されないが、ポーチ型ケースであれば良い。また、本発明の上記電池ケースは、好ましくは、電極組立体の形状に対応する形状に形成されることができる。また、本発明の上記電池セルはリチウムイオン二次電池又はリチウムイオンポリマー二次電池であれば良い。
【0042】
本発明のさらに他の具現例によれば、上記のような本発明の電池セルを1個以上含むデバイスが提供される。この際、上記デバイスは、携帯電話、携帯用コンピューター、スマートフォン、スマートパッド、ネットブック、LEV(Light Electronic Vehicle)、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車又は電力貯蔵装置等であれば良い。
【0043】
一方、本発明によれば、上記電池セルの剰余空間にデバイスのシステム部品が位置することができる。
【発明の効果】
【0044】
本発明の電極組立体は、面積の異なる2種以上の電極ユニットを組み合わせて用いることにより、従来に比べて非常に多様なデザインを具現することができる上、商用化可能なレベルの優れた電気容量及び耐久性特性を有する。
【0045】
また、本発明の電極組立体は、面積の相違する電極ユニット間の界面における正極と負極のバランスを合わせることにより、容量特性及び耐久性特性を維持し且つ各段を構成する電極ユニットの面積のみならず厚さも比較的自由に調節することができるため、デザイン自由度に非常に優れる。その結果、デバイス装着時にデザイン的な要素により発生するデッドスペース(DEAD SPACE)を最小化することができるため、空間活用度に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下では、図面を参照して、本発明をより具体的に説明する。但し、下記図面は、本発明の理解を円滑にするためのもので、本発明の一実施例に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。また、下記図面において同一符号は同一構成要素を示し、発明の円滑な理解のために一部の構成要素は誇張、縮小又は省略して表現されることもある。
【0048】
本発明の電極組立体は、面積の相違する2種以上の電極ユニットの組み合わせを含み、上記電極ユニット間に段差が形成されるように積層された電極組立体であり、上記面積の相違する電極ユニット間の界面において相違する極性の電極、即ち、負極と正極が対向するように形成されることを特徴とする。
【0049】
この際、上記「面積」とは、電極ユニットの積層方向に対して垂直な方向(以下、「平面方向」という。)の表面の面積のことである。
【0050】
また、上記「電極ユニット」は、本発明の段差のある電極組立体における1個の層を構成する基本単位を指すものであり、それぞれの電極ユニットは、負極又は正極のような単一電極;少なくとも1個の負極、少なくとも1個の正極及び少なくとも1個の分離膜を含む少なくとも1個以上の単位セル;又はこれらの組み合わせからなることができる。
【0051】
一方、上記「単位セル」は、少なくとも1個の負極、少なくとも1個の正極及び少なくとも1個の分離膜を含む電極積層体を全て含む概念であり、単位セルにおける負極、正極及び分離膜の積層方法に特に制限はない。例えば、本発明において、上記「単位セル」は、シート型負極及びシート型正極を分離膜フィルムを用いて隔膜した後に螺旋状に巻いて製造されるゼリーロール方式で製造された電極積層体;少なくとも1個以上の負極、少なくとも1個以上の分離膜、少なくとも1個以上の正極を順次積層して製造されるスタック方式で製造された電極積層体;又は単一電極及び/又は少なくとも1個以上の正極、分離膜、負極が積層された電極積層体を長さの長いシート型分離フィルム上に配置した後にフォールディングするスタックアンドフォールディング方式で製造される電極積層体を全て含む概念である。
【0052】
一方、本発明において、上記単位セルは、正極/分離膜/負極/分離膜/正極又は負極/分離膜/正極/分離膜/負極等のように単位セルの最外郭の両面に配置される電極が同じ極性を有するものでも良く、正極/分離膜/負極又は正極/分離膜/負極/分離膜/正極/分離膜/負極のように単位セルの最外郭の両面に配置される電極が反対の極性を有するものでも良い。
【0053】
一方、本発明において、上記スタック方式で製造された電極積層体は、正極、分離膜、負極を1個ずつ順次積層する従来方式で製造される電極積層体のみならず、1個以上の正極、1個以上の負極及び1個以上の分離膜をラミネーション(lamination)して電極単位体を形成した後、この電極単位体を積層(stacking)する方式(以下、「ラミネーションアンドスタック方式」という。)で製造された電極積層体も含む概念である。
【0054】
一方、上記ラミネーションアンドスタック方式で電極積層体を製造する場合、上記電極単位体は、1個以上の正極、1個以上の負極及び1個以上の分離膜を含むものであれば良く、その構成に特に制限はない。
【0055】
しかしながら、工程の簡便性及び経済性の観点で、ラミネーションアンドスタック方式で電極積層体を製造する場合、電極単位体は、第1の電極/分離膜/第2の電極/分離膜又は分離膜/第1の電極/分離膜/第2の電極からなる基本構造を含むように構成されることが好ましい。この際、上記第1の電極と第2の電極は、相違する極性を有する電極であって、正極又は負極であり、上記電極単位体は、1個又は複数の基本構造を含むことができる。
【0056】
一方、上記ラミネーションアンドスタック方式の電極積層体は、上述した基本構造を含む電極単位体のみからなっても良く、上記基本構造を有する電極単位体と別の構造の電極構造体の組み合わせからなっても良い。
【0057】
図14〜
図16には、ラミネーションアンドスタック方式で製造された電極積層体の多様な例が示されている。
【0058】
図14には、分離膜60/負極50/分離膜60/正極40の基本構造を有する電極単位体710からなるラミネーションアンドスタック方式の電極積層体が示されている。
図14には基本構造が分離膜/負極/分離膜/正極でできていることが示されているが、正極と負極の位置を変えて分離膜/正極/分離膜/負極の基本構造で形成しても良い。一方、
図14に示されているように、電極単位体の基本構造が分離膜/負極/分離膜/正極の場合は、電極積層体の最外郭に分離膜なしに正極が露出する。したがって、このような基本構造を用いる場合は、最外郭に露出する正極として、露出面に活物質がコーティングされていない片面コーティング正極を用いた方が、容量等を考慮した電極設計の際に好ましい。一方、
図14には電極単位体が1個の基本構造を有することが示されているが、これに限定されず、基本構造が2個以上繰り返し積層されているものを1個の電極単位体として用いても良い。
【0059】
図15には、分離膜60/負極50/分離膜60/正極40の基本構造を有する電極単位体810と分離膜60/負極50/分離膜60の構造からなる電極構造体が積層(stacking)されて形成された電極積層体が示されている。
図15のように最外郭面に分離膜60/負極40/分離膜60の構造からなる電極構造体を積層する場合、正極50が外部に露出することを防止することができる上、電気容量を高めることができるという長所がある。これと同様に、電極単位体の最外郭に負極が位置する配列の場合は、その上部に分離膜/正極/分離膜の構造からなる電極構造体を積層することができるため、負極の容量を最大限使用できるという長所がある。
【0060】
図16には、負極50/分離膜60/正極40/分離膜60の基本構造を有する電極単位体810'と負極50/分離膜60/正極40/分離膜60/負極50の構造を有する電極構造体820'が積層(stacking)されて形成された電極積層体が示されている。
図16のように、電極積層体の最外郭面に負極50/分離膜60/正極40/分離膜60/負極50の構造を有する電極構造体820'を積層する場合、正極が外部に露出することを防止することができる上、電気容量も高めることができるという長所がある。
【0061】
図15及び
図16に示されているように、ラミネーションアンドスタック方式で製造された電極積層体は、上述した基本構造を有する電極単位体と共に、単一電極、分離膜又は上述した電極単位体と配列及び構成が相違する単位セルを組み合わせて用いることができる。特に、基本構造を有する電極単位体を積層する場合、外部への正極の露出防止及び/又は電池容量の向上の面で、電極積層体の最外郭の一面及び/又は両面に単一電極、片面コーティング電極、分離膜又は上述した電極単位体と配列及び構成が相違する単位セルを配置することができる。一方、
図15及び16には電極積層体の上部に別の構造の電極構造体が積層されていることが示されているが、これに限定されず、必要に応じて、電極積層体の下部に別の構造の電極構造体が積層されても良く、上部と下部に全て別の構造の電極構造体が積層されても良い。
【0062】
一方、本発明において、上記「スタックアンドフォールディング」は、長さの長いシート型分離フィルム上に単一電極及び/又は少なくとも1個以上の正極、分離膜、負極が積層された電極積層体を配置した後にフォールディングする方式を通称するものである。フォールディング方式は、特に制限されず、当該技術分野によく知られている多様なフォールディング方式、例えば、シート型分離フィルムをジグザグ状に折り畳む方式(Z‐フォールディング型又は屏風状という。)、シート型分離フィルムの一面に少なくとも1個以上の負極と正極を分離膜を介在して積層させた電極積層体を配置した後に巻く方式、又はシート型分離フィルムの両面に単一電極を交互に配置した後にシート型分離フィルムを巻く方式等のような多様なフォールディング方式を全て包括する概念である。本明細書では、便宜上、ゼリーロール方式で製造された単位セルをゼリーロール型単位セル、スタック方式で製造された単位セルをスタック型単位セル、スタックアンドフォールディング方式で製造された単位セルをスタックアンドフォールディング型単位セルと称する。
【0063】
本発明の電極組立体は、面積の相違する2種以上の電極ユニットを段差が形成されるように積層することにより、従来に比べて多様な形状の電池を具現できるようにする。本発明において、上記電極ユニットの面積の差は、電極ユニットが積層されたときに段差を形成することができる程度であれば良いが、特に限定されず、所望の電池のデザイン等を考慮して自由に調節されることができる。例えば、本発明の一具現例において、電極組立体に含まれる2個の電極ユニットを比較すると、相対的に面積の狭い電極ユニットは、相対的に面積の広い電極ユニットの面積を100%としたとき、約20%〜95%の範囲、好ましくは約30〜90%の範囲の面積を有することができる。
【0064】
一方、本発明の電極組立体において、それぞれの電極ユニットの厚さは、特に限定されず、同じでも相違しても良い。例えば、本発明において、相対的に面積の大きい電極ユニットは、相対的に面積の小さい電極ユニットより薄い厚さを有しても良く、厚い厚さを有しても良い。
【0065】
本発明の電極組立体は、面積の相違する電極ユニット間の界面において相違する極性の電極が対向するように配置されることにより、電極ユニット間の界面でも電気を貯蔵することができ、その結果、電気容量が増加する効果が得られる。この際、上記「対向」は、向かい合う方向に配置されていることを意味し、対向する2個の電極が接触している必要はなく、2個の電極の間に他の構成要素、例えば、分離膜及び/又はシート型分離フィルムが介在されている場合を包括する概念である。
【0066】
本発明の電極組立体は、好ましくは、上記面積の相違する2種以上の電極ユニット間の界面において面積の大きい電極ユニットの負極と面積の小さい電極の正極が対向するように形成されるのが良い。面積の相違する電極ユニット間の界面に面積の大きい電極ユニットの正極が配置される場合は、大面積の電極ユニットの正極からリチウム金属が析出されて電池寿命が短縮されたり電池の安定性が低下したりする問題が発生する可能性がある。
【0067】
本発明の電極組立体は、相違する面積の電極ユニットを含み、必要に応じて、それぞれの電極ユニットの厚さも異ならせることにより、非常に多様なデザインを具現することができるという長所がある。但し、上述したように、単に面積の相違する電極ユニットを製造して積層するだけでは、商用化可能なレベルの容量及び耐久性特性を有する電極組立体を製造するのが困難な上、電極ユニットの厚さが単位セルの厚さや単位電極の厚さの倍数に限定されるため厚さ方向のデザイン自由度が非常に制約されるという問題がある。よって、本発明者らは、従来よりデザイン自由度、特に、厚さ方向のデザイン自由度に格段に優れ、且つ商用化可能なレベルの出力効率及び構造的安定性を有する電極組立体を製造するために研究を重ねた結果、面積の相違する電極ユニット間の界面におけるバランスを調節することにより、容量、耐久性及び厚さ方向のデザイン自由度に全て優れた電極組立体を生産することができることを見い出した。
【0068】
この際、上記面積の相違する電極ユニット間の界面におけるバランス(balance)が合うように調節されるとは、一定のサイクル内で安定的に出力効率及び電池安定性が維持されるように電極ユニット間の界面において対向する正極と負極を設計することを意味し、これは、例えば、界面における正極と負極の容量や厚さ等を適切に調節することにより達成されることができる。より具体的には、本発明の電極組立体において25℃で500回の充放電を行ったときの電気容量が1回の充放電後の電気容量に対して60%以上、電極組立体全体の厚さ変化率が15%以下となるよう、面積の相違する電極ユニット間の界面において対向する正極と負極を設計することが好ましい。
【0069】
この際、上記電気容量とは、下記のような充電条件(A)及び放電条件(B)下で測定された電気容量のことである。一方、充電と放電の間には10分の休止時間をおく。
【0070】
充電条件(A):1Cで定電流(Constant Current)モードで4.25V又は4.35Vまで充電した後、定電圧(Constant Voltage)モードに転換し、充電電流の量が電池の最小容量の1/20となるまで電流を流した後、充電を終了する。
【0071】
放電条件(B):定電流(Constant Current)モードで1Cの放電電流を流し、電圧が3Vに達したら放電を終了する。
【0072】
一方、上記電極組立体の厚さ変化率は、(500回の充放電後の電極組立体全体の厚さ/1回の充放電後の電極組立体全体の厚さ)×100である。
【0073】
一方、本発明者らは、長い間の研究の結果、面積の相違する電極ユニット間の界面において対向する負極と正極の単位面積当たりの可逆容量を特定の条件を満たすように設計することにより、面積の相違する電極ユニット間の界面におけるバランスを合わせることができることを見い出した。
【0074】
より具体的には、n番目に大きな面積を有する電極ユニットの負極の単位面積当たりの可逆容量をN
n、n+1番目に大きな面積を有する電極ユニットの負極の単位面積当たりの可逆容量をN
n+1、n番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の単位面積当たりの可逆容量をP
n、n+1番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の単位面積当たりの可逆容量をP
n+1としたとき、本発明の電極組立体は下記式1を満たすように構成されることが好ましい。
【0075】
[数7]
N
n/P
n≦N
n/P
n+1 …[式1]
【0076】
この際、上記負極の単位面積当たりの可逆容量とは、単位面積当たりの負極の充電容量[mAh/cm
2]×負極効率[%]で定義された値を意味し、上記単位面積当たりの負極の充電容量とは、単位面積当たりの負極活物質のローディング量[g/cm
2]×単位重量当たりの負極の充電容量[mAh/g]で定義される値を意味し、上記負極効率とは、負極の充電容量に対する負極の放電容量の比×100で定義された値を意味する。また、上記正極の単位面積当たりの可逆容量とは、正極活物質のローディング量[g/cm
2]×単位重量当たりの正極の充電容量[mAh/g]−負極の単位面積当たりの不可逆容量[mAh]で定義される値を意味する。
【0077】
一方、負極活物質のローディング量とは、負極集電体にコーティングされる負極活物質の単位面積当たりの重量のことであり、正極活物質のローディング量とは、正極集電体にコーティングされる正極活物質の単位面積当たりの重量のことである。また、上記単位重量当たりの正極及び負極の充電容量、放電容量及び不可逆容量はそれぞれ下記のような方法により測定されることができる。
【0078】
1)単位重量当たりの正極の充電容量
評価しようとする正極を半電池(Half Cell)にした後、相対電極をリチウム金属で構成し、0.1Cの定電流下で充電して作用電極電位が4.25Vに達したときの電気容量を測定した。その後、測定された電気容量を正極半電池の活物質の重量で割った値を単位重量当たりの正極の充電容量とする。
【0079】
2)単位重量当たりの負極の充電容量
評価しようとする負極を半電池(Half Cell)にした後、相対電極をリチウム金属で構成し、0.1Cの定電流下で充電して作用電極電位が1.6Vに達したときの電気容量を測定した。その後、測定された電気容量を負極半電池の活物質の重量で割った値を単位重量当たりの負極の充電容量とする。
【0080】
3)単位重量当たりの負極の放電容量
評価しようとする負極を半電池(Half Cell)にした後、相対電極をリチウム金属で構成し、0.1Cの定電流下で充電して作用電極電位が1.6Vに達した後0.1Cの定電流下で放電して作用電極電位が0Vのときの電気容量を測定した。その後、測定された電気容量を負極半電池の活物質の重量で割った値を単位重量当たりの負極の充電容量とする。
【0081】
4)単位重量当たりの負極の不可逆容量
上記のような方式で測定された負極の充電容量と放電容量の差を負極半電池の活物質の重量で割った値である。
【0082】
一方、本発明者らの研究によると、面積の相違する電極ユニットからなる電極組立体の場合、それぞれの電極ユニットがうまく作動するように設計されても、電極ユニットの界面における容量比が上記式1を満たさないと、商用化可能なレベルの容量及び耐久性特性を有するのが困難である。このような結果は、従来の同じ面積を有する電極組立体からは全く予測できず、面積の相違する電極ユニットからなる電極組立体を製造するためには従来の電極組立体の製造過程では考慮されていなかった新たな要素を考慮すべきであるということを示す。また、上記式1を満たす場合、その範囲内で個別の電極ユニットの厚さを比較的自由に調節することができるため、厚さ方向のデザイン自由度を画期的に向上させることができるという効果がある。
【0083】
一方、経済性及び体積当たりのエネルギー密度等を考慮すると、本発明の電極組立体は、特に限定されないが、下記式1‐1を満たすように構成され、好ましくは、下記式1‐2を満たすように構成されることができる。
【0084】
[数8]
1≦N
n/P
n≦N
n/P
n+1 …[式1‐1]
【0085】
[数9]
1≦N
n/P
n≦N
n/P
n+1≦1.2 …[式1‐2]
【0086】
上記式1‐1及び式1‐2において、N
n、P
n及びP
n+1の定義は式1と同じである。
【0087】
一方、本発明の電極組立体がサイズの相違する3種以上の電極ユニットを含む場合は、下記式2を満たすように構成されることが好ましい。
【0088】
[数10]
N
n/P
n≦N
n/P
n+1≦N
n+1/P
n+1≦N
n+1/P
n+2 …[式2]
【0089】
上記式2において、nは1以上の整数、N
nはn番目に大きな面積を有する電極ユニットの負極の単位面積当たりの可逆容量、N
n+1はn+1番目に大きな面積を有する電極ユニットの負極の単位面積当たりの可逆容量、P
nはn番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の単位面積当たりの可逆容量、P
n+1はn+1番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の単位面積当たりの可逆容量、P
n+2はn+2番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の単位面積当たりの可逆容量である。
【0090】
経済性及び体積当たりのエネルギー密度等を考慮すると、本発明の電極組立体は、下記式2‐1を満たすように構成されることがより好ましい。
【0091】
[数11]
1≦N
n/P
n≦N
n/P
n+1≦N
n+1/P
n+1≦N
n+1/P
n+2 …[式2‐1]
【0092】
[数12]
1≦N
n/P
n≦N
n/P
n+1≦N
n+1/P
n+1≦N
n+1/P
n+2≦1.2 …[式2‐2]
【0093】
上記式2‐1及び式2‐2において、N
n、N
n+1、P
n及びP
n+1の定義は式2と同じである。
【0094】
一方、本発明の電極組立体がサイズの相違する3種以上の電極ユニットを含み、n+2番目に大きな面積を有する電極ユニットがn番目に大きな面積を有する電極ユニットとn+1番目に大きな面積を有する電極ユニットの間に介在される場合は、式2と下記式3を同時に満たすように構成されることがより好ましい。
【0095】
[数13]
N
n/P
n+2≦N
n+1/P
n+2 …[式3]
【0096】
上記式3において、nは1以上の整数、N
nはn番目に大きな面積を有する電極ユニットの負極の単位面積当たりの可逆容量、N
n+1はn+1番目に大きな面積を有する電極ユニットの負極の単位面積当たりの可逆容量、P
n+1はn+1番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の単位面積当たりの可逆容量、P
n+2はn+2番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の単位面積当たりの可逆容量である。
【0097】
本発明者らの研究によると、電極組立体に含まれる正極及び負極の可逆容量を上記のような条件を満たすように設計する場合、各電極ユニットの面積及び厚さを多様に変化させながら優れた出力効率及び構造的安定性を有する、即ち、25℃で500回の充放電を行ったときの電気容量が1回の充放電後の電気容量に対して60%以上、電極組立体全体の厚さ変化率が15%以下の電極組立体が得られる。
【0098】
一方、本発明の電極組立体は、上記電極ユニット間の界面において対向する正極の単位面積当たりの可逆容量に対する負極の単位面積当たりの可逆容量の比が1以上、好ましくは、1〜2、1〜1.5、1〜1.1、1〜1.09、1.5〜2、1.02〜1.09、1.05〜1.09、1.05、1.06、1.07、1.08又は1.09となるように設計されることができる。本発明者らの研究によると、界面において対向する正極に対する負極の単位面積当たりの可用容量比が1以上の条件を満たす範囲内では、電極ユニットの面積や厚さ等を比較的自由に変化させても商用化可能なレベルの電池容量及び耐久性が得られる。しかしながら、界面において対向する正極と負極の単位面積当たりの可逆容量比が1未満の場合は、スウェリングが発生して電池安定性及び電極効率が急激に低下する。
【0099】
一方、本発明の電極組立体が面積の相違する3種以上の電極ユニットの組み合わせを含む場合は、上記電極ユニット間の界面における単位面積当たりの正極の可逆容量に対する単位面積当たりの負極の可逆容量の比が同じであるか又は電極ユニット間の接触面積が小さいほど大きくなるように設計されることが好ましい。即ち、面積の最も大きい電極ユニット(便宜上、第1の電極ユニットという。)、中間面積の電極ユニット(便宜上、第2の電極ユニットという。)及び面積の最も小さい電極ユニット(便宜上、第3の電極ユニットという。)を含む場合は、上記第2の電極ユニットと第3の電極ユニットとの界面に配置された正極と負極の単位面積当たりの可逆容量比が上記第1の電極ユニットと第2の電極ユニットとの界面に配置された正極と負極の単位面積当たりの可逆容量比と同じかそれより大きいことが好ましい。面積の異なる電極ユニットの数が多くなると、電極ユニット間の界面が2以上発生し、上記2以上の界面におけるバランスが調節されないと、構造的変形による電池安定性及び性能の低下が発生する可能性がある。本発明者らの研究によると、面積の相違する3種以上の電極ユニットの組み合わせを含む場合、電極ユニット間の界面に配置された正極と負極の単位面積当たりの可逆容量比が上記のように構成されるとき、構造的変形による電池安定性及び性能の低下を最大限抑制することができる。
【0100】
一方、面積の相違する電極ユニット間の界面における正極と負極のバランスを合わせる別の方法としては、面積の相違する電極ユニット間の界面において対向する正極の厚さと負極の厚さの比が特定の範囲を満たすように設計する方法がある。例えば、本発明の電極組立体において、面積の相違する電極ユニット間の界面において対向する正極の厚さに対する負極の厚さの比(即ち、負極の厚さ/正極の厚さ)は0.5〜2程度、好ましくは0.7〜1.8、より好ましくは1.0〜1.4程度であれば良い。電極ユニット間の界面において対向する正極と負極の厚さ比が0.5未満の場合は、正極のリチウムイオンを受けることができる負極のサイトが足りなくてリチウムイオンが析出され、性能が低くなり、設計容量に対する実容量が低くなり、2を超える場合は、初期充電時にリチウムイオンを受けることができる負極のサイトが多くなって不可逆容量が大きくなり、設計容量に対する実容量が低くなり、過度な量の負極が用いられることから電池の密度に対して容量の効率であるエネルギー密度が低くなる上、コーティング力が低下して負極活物質が脱離する等の問題が発生する可能性がある。
【0101】
一方、上記正極及び負極の厚さは、イオンミリング防止(CP、Crosssection Polisher)を用いて電極組立体を切断して断面を露出させた後、SEM装備を用いて断面をスキャンすることにより測定されることができる。この際、上記正極及び負極の厚さとは、電極集電体と電極活物質層を全て含む厚さのことであり、例えば、電極活物質層が片面にコーティングされている片面電極の場合は活物質層と集電体を合わせた厚さのことであり、電極活物質層が両面にコーティングされている両面電極、即ち、活物質層/集電体/活物質層からなる電極の場合は2個の活物質層と集電体を合わせた厚さのことである。
【0102】
より具体的には、本発明の電極組立体に含まれる正極と負極の厚さは下記式4を満たすように構成されることが好ましい。
【0103】
[数14]
dN
n/dP
n≦dN
n/dP
n+1 …[式4]
【0104】
上記式4において、nは1以上の整数、dN
nはn番目に大きな面積を有する電極ユニットの負極の厚さ、dP
nはn番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の厚さ、dP
n+1はn+1番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の厚さである。
【0105】
一方、経済性及び単位体積当たりのエネルギー密度を考慮すると、本発明の電極組立体は、特に制限されないが、下記式4‐1を満たすように構成されることが好ましく、下記式4‐2を満たすように構成されることがより好ましく、下記式4‐3を満たすように構成されることが最も好ましい。
【0106】
[数15]
0.5≦dN
n/dP
n≦dN
n/dP
n+1≦2 …[式4‐1]
【0107】
[数16]
0.6≦dN
n/dP
n≦dN
n/dP
n+1≦1.9 …[式4‐2]
【0108】
[数17]
1.0≦dN
n/dP
n≦dN
n/dP
n+1≦1.5 …[式4‐3]
【0109】
この際、上記式4‐1、4‐2及び4‐3において、dN
n、dP
n及びdP
n+1の定義は式4と同じである。
【0110】
一方、本発明の電極組立体がサイズの相違する3種以上の電極ユニットを含む場合、本発明の電極組立体は、下記式5を満たすように構成されることが好ましい。
【0111】
[数18]
dN
n/dP
n≦dN
n/dP
n+1≦dN
n+1/dP
n+1≦dN
n+1/dP
n+2 …[式5]
【0112】
上記式5において、nは1以上の整数、dN
nはn番目に大きな面積を有する電極ユニットの負極の厚さ、dN
n+1はn+1番目に大きな面積を有する電極ユニットの負極の厚さ、dP
nはn番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の厚さ、dP
n+1はn+1番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の厚さ、dP
n+2はn+2番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の厚さである。
【0113】
一方、経済性及び単位体積当たりのエネルギー密度を考慮すると、本発明の電極組立体は、特に制限されないが、下記式5‐1を満たすように構成されることが好ましく、下記式5‐2を満たすように構成されることがより好ましく、下記式5‐3を満たすように構成されることが最も好ましい。
【0114】
[数19]
0.5≦dN
n/dP
n≦dN
n/dP
n+1≦dN
n+1/dP
n+1≦dN
n+1/dP
n+2≦2 …[式5‐1]
【0115】
[数20]
0.6≦dN
n/dP
n≦dN
n/dP
n+1≦dN
n+1/dP
n+1≦dN
n+1/dP
n+2≦1.9 …[式5‐2]
【0116】
[数21]
1.0≦dN
n/dP
n≦dN
n/dP
n+1≦dN
n+1/dP
n+1≦dN
n+1/dP
n+2≦1.5 …[式5‐3]
【0117】
この際、上記式5‐1、5‐2及び5‐3において、dN
n、dN
n+1、dP
n及びdP
n+1の定義は式5と同じである。
【0118】
また、本発明の電極組立体がサイズの相違する3種以上の電極ユニットを含み、n+2番目に大きな面積を有する電極ユニットがn番目に大きな面積を有する電極ユニットとn+1番目に大きな面積を有する電極ユニットの間に介在される場合、本発明の電極組立体は、式5と下記式6を同時に満たすように構成されることがより好ましい。
【0119】
[数22]
dN
n/dP
n+2≦dN
n+1/dP
n+2 …[式6]
【0120】
上記式6において、nは1以上の整数、dN
nはn番目に大きな面積を有する電極ユニットの負極の厚さ、dN
n+1はn+1番目に大きな面積を有する電極ユニットの負極の厚さ、dP
n+1はn+1番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の厚さ、dP
n+2はn+2番目に大きな面積を有する電極ユニットの正極の厚さである。
【0121】
上記のように電極ユニット間の界面における正極と負極の厚さを調節する方法を用いる場合は、可逆容量比を調節する方法に比べて設計が簡単であるという長所がある。但し、用いられる電極のスペックが電極ユニットに応じて変わる場合は、厚さ比のみではバランスが合わせられないことがある。したがって、このような場合は、界面における正極と負極の可逆容量比を調節する方法により電極組立体を設計することが好ましい。しかしながら、それぞれの電極ユニットで用いられる電極のスペックが同じでも相違しても、用いられる負極活物質の充電容量が正極活物質の充電容量の1.5倍〜3倍程度、好ましくは1.8倍〜2.5倍程度の場合は、電極ユニット間の界面における正極と負極の厚さを上記のような範囲に設計することにより界面におけるバランスを容易に合わせることができる。
【0122】
一方、本発明の電極組立体に含まれるそれぞれの正極及び負極は、電極ユニット間の界面におけるバランスが合うように設計されれば良く、それぞれの活物質層の厚さ、空隙率、ローディング量等に特に制限はない。
【0123】
例えば、本発明の電極組立体に含まれる正極及び負極の厚さは、用いられる電極活物質の種類、具現しようとする電池容量等を考慮して適切に選択されることができる。例えば、本発明の電極組立体において、正極活物質層の厚さは50〜150μm、80〜140μm又は100〜150μm程度であれば良く、上記負極活物質層の厚さは80〜200μm、100〜200μm又は100〜150μm程度であれば良い。
【0124】
また、本発明の電極組立体に含まれる正極及び負極において、電極活物質の単位面積当たりのコーティング量(ローディング量ともいう。)は、特に限定されず、用いられる電極活物質の種類、具現しようとする電池容量等を考慮して適切に選択されることができる。例えば、本発明において、正極活物質の単位面積当たりのコーティング量は10mg/cm
2〜30mg/cm
2程度、10mg/cm
2〜25mg/cm
2程度又は15mg/cm
2〜30mg/cm
2程度であれば良く、負極活物質の単位面積当たりのコーティング量は5mg/cm
2〜20mg/cm
2程度、5mg/cm
2〜15mg/cm
2程度又は10mg/cm
2〜20mg/cm
2程度であれば良い。
【0125】
また、上記正極及び負極において、空隙率(porosity)は、特に限定されず、用いられる電極活物質の種類、具現しようとする電池容量等を考慮して適切に選択されることができる。例えば、本発明において、正極の空隙率は10〜30%程度、15〜30%程度又は10〜25%程度であれば良く、負極の空隙率は15〜50%程度、20〜50%程度又は15〜40%程度であれば良い。
【0126】
本発明者らの研究によると、電極組立体に含まれる正極及び負極の厚さを上記のような条件を満たすように設計する場合、各電極ユニットの面積及び/又は厚さを多様に変化させながら優れた出力効率及び構造的安定性を有する、即ち、25℃で500回の充放電を行ったときの電気容量が1回の充放電後の電気容量に対して60%以上、電極組立体全体の厚さ変化率が15%以下の電極組立体が得られる。
【0127】
一方、本発明の電極組立体に含まれる電極ユニットは、非常に多様な組み合わせで形成されることができる。以下では、図面を参照して本発明の電極ユニットの構成をより具体的に説明する。
図1〜
図4には、本発明による電極組立体における電極ユニットの構成を示す多様な実施例が示されている。
【0128】
図1には、本発明の一実施例であって、スタック型単位セルからなる電極ユニットを含む電極組立体が示されている。
図1に示されているように、本発明の電極組立体は、面積の相違する3種の電極ユニット110、120、130からなり、この際、上記電極ユニットは、正極40、負極50が分離膜60を介して積層されたスタック型単位セルを含んで構成されることができる。この際、上記それぞれの電極ユニットは、電極ユニット130のように1個の単位セル105からなっても良く、電極ユニット110又は120のように面積の同じ2個以上の単位セル101、102、103、104の組み合わせからなっても良い。一方、
図1には電極ユニットを構成する単位セルが全てスタック型単位セルであることが例示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、本発明において、電極ユニットは、スタック型単位セル以外にも、ゼリーロール型単位セル、スタックアンドフォールディング型単位セルからなっても良く、これらの単位セルと単一電極の組み合わせからなっても良く、相違する種類の単位セルの組み合わせからなっても良い。
【0129】
例えば、
図2にはゼリーロール型単位セルと単一電極の組み合わせからなる電極ユニットを含む電極組立体が示されている。
図2に示されているように、本発明の電極組立体は、例えば、面積の相違する2種の電極ユニット210、220からなり、この際、相対的に面積の小さい電極ユニット210は、ゼリーロール型単位セル201と単一電極202の組み合わせからなり、相対的に面積の大きい電極ユニット220は、ゼリーロール型単位セル203からなることができる。この際、ゼリーロール型単位セル201、203は、負極シート50'と正極シート40'が分離膜60'を介して巻き取られ、電池の安定性を考慮すると、負極シートが外方に露出するように巻き取られることが好ましく、上記単一電極202は正極であることが好ましい。但し、本発明は、これに限定されず、正極シートが外方に露出するように巻き取られたゼリーロール型単位セルを用いても良い。この場合、外部に露出する部分に正極活物質をコーティングしない無地部を形成することが好ましい。
【0130】
一方、
図2にはゼリーロール型単位セルと単一電極の組み合わせからなる電極ユニットと、1個のゼリーロール型単位セルからなる電極ユニットが例示されているが、本発明はこれに限定されず、スタック型単位セル及び/又はスタックアンドフォールディング型単位セルと単一電極を組み合わせて1個の電極ユニットを構成しても良く、相違する2種以上の単位セルを組み合わせて1個の電極ユニットを構成しても良い。
【0131】
例えば、
図3に示されているように、スタック型単位セルとスタックアンドフォールディング型単位セルを組み合わせて本発明の電極組立体を具現することもできる。
図3に示されているように、本発明の電極組立体は、面積の相違する3種の電極ユニット310、320、330からなり、この際、面積の最も小さい電極ユニット310と面積の最も大きい電極ユニット330は、スタック型単位セルからなり、中間面積の電極ユニット320は、スタックアンドフォールディング型単位セルからなることができる。この中で、面積の最も小さい電極ユニット310は、負極50/分離膜60/正極40/分離膜60/負極50/分離膜60/正極40の構造からなるスタック型単位セルからなり、面積の最も大きい電極ユニット330は、負極50/分離膜60/正極40/分離膜60/負極50/分離膜60/正極40/分離膜60/負極50の構造からなるスタック型単位セルからなることができる。このように、本発明の単位セルは、最外郭の両面に配置される電極の極性が相違しても同じでも良く、1個の単位セルに1個以上の正極及び/又は1個以上の負極を含んでも良い。一方、中間面積の電極ユニット320は、シート型分離フィルム70によって負極、正極及び分離膜を含む電極積層体が巻かれて積層されたスタックアンドフォールディング型単位セルからなることができる。
【0132】
一方、
図4には、単一電極からなる電極ユニットの例が示されている。
図4に示されているように、本発明の電極組立体は、単一電極からなる電極ユニット420と1個以上の単位セル401、402からなる電極ユニット410を含んで構成されることもできる。
【0133】
上述したように、本発明の電極組立体において、1個の電極ユニットは、単一電極、少なくとも1個以上の単位セル又はこれらの組み合わせからなり、この際、上記単位セルとしては、当該技術分野で一般に用いられる多様な単位セル、例えば、スタック型、ゼリーロール型、スタックアンドフォールディング型単位セル及び/又はこれらの組み合わせを制限なく用いることができる。一方、
図1〜4に示されているもの以外にも多様な電極ユニットの組み合わせを用いても良く、このような変形例は全て本発明の範疇に含まれる。
【0134】
一方、本発明の電極組立体は、電極ユニットを構成する単一電極及び単位セルの一部又は全部が少なくとも1個のシート型分離フィルムによって覆われている構造からなることもできる。
図5は、シート型分離フィルムによって電極ユニットを構成する単一電極及び単位セルの一部又は全部が覆われている構造で形成された本発明の電極組立体の一具現例を示す。
図5に示されているように、電極ユニット510、520、530を構成する単位セル501、502、503、504、505、506、507をシート型分離フィルム70を用いて覆う場合、シート型分離フィルム70によって電池の膨張が抑制される効果があるため、電池安定性をより向上させることができる。一方、
図5において点線で表示された部分にはシート型分離フィルムがなくても良い。
【0135】
一方、
図5にはシート型分離フィルムが単位セル501、502、503、504、505、506、507をジグザグ方式で覆っていることが示されているが、本発明はこれに限定されず、シート型分離フィルムで単一電極及び/又は単位セルを巻く方式は多様に具現されることができる。
【0136】
例えば、
図6に示されたように、シート型分離フィルム70上に面積の相違する単位セル601、602、602、603、604、605、606、607を適切な間隔で配列した後、シート型分離フィルムを巻いて本発明の電極組立体を製造することができる。
【0137】
また、図示されてはいないが、シート型分離フィルムの一面に正極を所定の間隔で配列し、その反対面に負極を所定の間隔で配列した後、シート型分離フィルムを巻く方式で本発明の電極組立体を製造しても良く、2枚のシート型分離フィルムを用意し、このうち1枚のシート型分離フィルムに負極を所定の配列で積層し、もう1枚のシート型分離フィルムに正極を所定の配列で積層した後、2枚のシート型分離フィルムを一緒に巻く方式で製造しても良い。他にも、シート型分離フィルムを用いて電極ユニットの一部又は全部を覆う方法は製造しようとする電極組立体の形状等によって多様であっても良く、このような多様な変形例は全て本発明の範疇に属する。
【0138】
一方、本発明の上記電極組立体に含まれる正極、負極及び分離膜の材質は特に限定されず、当該技術分野に知られている正極、負極及び分離膜を制限なく用いることができる。例えば、上記負極は、銅、ニッケル、アルミニウム又はこれらのうち少なくとも1種以上が含まれた合金により製造された負極電流集電体にリチウム金属、リチウム合金、カーボン、石油コークス、活性化カーボン、グラファイト、シリコン化合物、スズ化合物、チタニウム化合物又はこれらの合金等のような負極活物質をコーティングして形成されたものであれば良い。また、上記正極は、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅又はこれらのうち少なくとも1種以上が含まれた合金により製造された正極電流集電体にリチウムマンガン酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムリン酸鉄、又はこれらのうち1種以上が含まれた化合物及び混合物等のような正極活物質をコーティングして形成されたものであれば良い。この際、1個の単位セルを構成する正極と負極において電極活物質がコーティングされる面積は同じでも相違しても良い。例えば、
図1の単位セルは、負極と正極にコーティングされた電極活物質のコーティング面積が同じ場合を示し、
図3の単位セルは、負極と正極にコーティングされた電極活物質のコーティング面積が相違する場合を示す。また、上記電極活物質は、電流集電体の両面にコーティングされても良く、無地部等の形成のために電流集電体の一面のみにコーティングされても良い。
【0139】
一方、上記分離膜は、例えば、微細多孔構造を有するポリエチレン、ポリプロピレン又はこれらの組み合わせにより製造される多層フィルム、又はポリビニリデンフルオライド、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリロニトリル又はポリビニリデンフルオライドヘキサフルオロプロピレン共重合体のような固体高分子電解質用又はゲル型高分子電解質用高分子フィルムであれば良い。
【0140】
また、本発明の電極組立体において、上記電極ユニットは、少なくとも1個以上の電極タブを備えることができる。電極ユニットが単一電極で構成される場合(例えば、
図4の420)は1個の電極タブのみを備え、単位セルを含んで構成される場合は負極電極タブと正極電極タブを全て備えることが一般である。上記電極タブは、同じ極性の電極同士が電気的に連結される。一方、本発明において、上記電極タブの面積や配列位置等は特に限定されない。
【0141】
例えば、本発明において、それぞれの電極ユニットに備えられる電極タブは、その面積が同じでも相違しても良い。従来は、電極組立体に含まれる電極ユニットの面積が同じであるため、同じ面積の電極タブを用いることが一般であったが、本発明は、面積の相違する2種以上の電極ユニットを含むため、電極ユニットごとに最適化された電極タブのサイズが異なる。したがって、本発明の電極組立体では、電極ユニットの面積によってそれぞれ異なる面積を有する電極タブを選択した方が電気容量を最大化するのに有利である。
【0142】
また、本発明において、上記電極タブは、多様な位置に配置され、例えば、同じ極性の電極タブの一部又は全部が重なるように配置されることができる。従来の電極組立体の場合は、電池ケース挿入後に電極タブの電気的連結を容易にするために同じ極性の電極タブが全部重なるように配置されることが一般であった。但し、この場合は、電極積層数が多くなるほど電極タブの厚さが厚くなるため、電極タブ間の接合性が落ちる問題が発生する可能性がある。よって、電極タブが全部重なるように配置せずに電極タブの一部のみが重なるように配置すると、上記のような問題を大幅に減少させることができる。
【0143】
特に、本発明の電極組立体のように面積の相違する2種以上の電極ユニットを用いる場合は、電極ユニットの面積によって面積の相違する電極タブを用い、これらの電極タブの一部のみが重なるように配列することにより、電気容量を極大化且つ電極タブの接合性を向上させることができる。
図7には、本発明の電極組立体に適用可能な電極タブの一具現例が示されている。
図7に示されているように、本発明の電極組立体では、電極ユニットによって面積の相違する電極タブ10、20、30を用い、これらのうちの一部の電極タブのみが重なるように電極タブを配列することができる。
【0144】
次に、本発明の電極ユニットは、その形状が同じでも相違しても良い。例えば、本発明の電極ユニットは、長方形、正方形、台形、平行四辺形、ひし形等のような四角形に形成されても良く、1個以上のコーナーが面取りされるか曲線からなる四角形でも良く、1個以上の辺が曲線からなる形状でも良い。他にも、多様な形態の電極ユニットを用いても良く、このような変形例は全て本発明の範疇に属する。
【0145】
一方、本発明の電極組立体は、同じ形状の電極ユニットを積層して形成されても良く、
図10に示されているように相違する形状の電極ユニットを組み合わせて形成されても良い。このように電極ユニットの形状を多様に形成することにより、多様な形態のバッテリーデザインを具現することができる上、空間活用度も向上させることができる。
【0146】
一方、本発明の電極組立体において、上記面積の相違する2種以上の電極ユニットは、多様な配列で積層されることができる。電極ユニットの積層方法は特に限定されず、例えば、
図8の(A)、(B)、(D)に示されているように下部方向から上部方向に向かって電極ユニットの面積が小さくなる配列で電極ユニットを積層しても良く、
図8の(E)に示されているように下部方向から上部方向に向かって電極ユニットの面積が大きくなる配列で電極ユニットを積層しても良く、
図8の(C)に示されているように面積の最も大きい電極ユニットが電極組立体の中間層に配置される配列で電極ユニットを積層しても良い。
【0147】
また、本発明の電極組立体において、上記電極ユニットは、例えば、
図8の(A)に示されているようにそれぞれの電極ユニットの1個のコーナーが一致する階段型の配列で積層されても良く、
図8の(B)に示されているようにそれぞれの電極ユニットの平面方向の中心点が一致するピラミッド型の配列で積層されても良く、
図8の(D)に示されているようにそれぞれの電極ユニットの平面方向の中心点が所定の間隔又は不規則に離隔している配列で積層されても良い。他にも、非常に多様な積層配列の変形が可能であり、このような多様な変形例は本発明の範疇に属する。
【0148】
次に、本発明の電池セルについて説明する。
図9及び
図10には、本発明の電池セルの一実施例が示されている。
図9及び
図10に示されているように、本発明の電池セル900は、電池ケース910の内部に本発明の電極組立体100が内蔵されていることを特徴とする。
【0149】
この際、上記電池ケース910は、ポーチ型ケースであり、電極組立体の形状に対応する形状でも良いが、これに限定されない。
【0150】
一方、上記ポーチ型ケースは、ラミネートシートからなり、この際、上記ラミネートシートは、最外郭をなす外側樹脂層、物質の貫通を防止する遮断性金属層、密封のための内側樹脂層からなることができるが、これに限定されない。
【0151】
また、上記電池ケースは、電極組立体の電極ユニットの電気端子を電気的に連結するための電極リード920、930が外部に露出した構造で形成されることが好ましく、図示されてはいないが、上記電極リードの上下面には、電極リードを保護するための絶縁フィルムが付着されることができる。
【0152】
また、上記電池ケースは、本発明の電極組立体の形状に対応する形状に形成され、このような電池ケースの形状は、電池ケース自体を変形して形成する方式で形成されることができる。この際、電池ケースの形状及びサイズは、電極組立体の形状及びサイズと完全に一致する必要はなく、電極組立体の押され現象による内部短絡を防止することができる程度の形状及びサイズであれば良い。一方、本発明の電池ケースの形状及びサイズは、特に限定されず、必要に応じて、多様でも良い。
【0153】
一方、上記電池セルは、好ましくは、リチウムイオン電池又はリチウムイオンポリマー電池であれば良いが、これに限定されない。
【0154】
上記のような本発明の電池セルは単独で用いられても良く、電池セルを少なくとも1個以上含む電池パックの形で用いられても良い。このような本発明の電池セル及び/又は電池パックは、多様なデバイス、例えば、携帯電話、携帯用コンピュータ、スマートフォン、スマートパッド、ネットブック、LEV(Light Electronic Vehicle)、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車又は電力貯蔵装置等に有用に用いられることができる。これらのデバイスの構造及びその製作方法は当業界に公知されているため、本明細書ではその詳細な説明を省略する。
【0155】
一方、本発明の電池セル又は電池パックが上記のようなデバイスに装着される場合、本発明の電池セル又は電池パックの構造によって形成された剰余空間にデバイスのシステム部品が位置するようにすることができる。本発明の電池セル又は電池パックは、サイズの相違する電極組立体で形成されるため、電極組立体自体が段差のある形で形成される。したがって、電池ケースを電極の形状に合わせて形成し、これをデバイスに装着すると、従来の角型電池セル、楕円型電池セル又は電池パックにはなかった剰余の空間が発生する。このような剰余空間にデバイスのシステム部品を装着すると、デバイスのシステム部品と電池セル又は電池パックを柔軟に配置することができるため、空間活用度を向上させることができる上、デバイス全体の厚さや体積を減少させてスリムなデザインを具現することができる。
【実施例】
【0156】
以下では、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。但し、下記実施例は本発明の具現例を説明するためのものに過ぎず、本発明は下記実施例の範囲に限定されるものではない。
【0157】
製造例1:正極A
正極活物質としてLiCoO
2、バインダーとしてPVDF(PolyVinyliDene Fluoride)を用い、上記正極活物質とバインダーをN‐メチル‐2‐ピロリドン(N‐Methyl‐2‐Pyrrolidone、NMP)に溶かした後、ミキシングして正極ペーストを製造した。上記正極ペーストを15μmの厚さのアルミニウムホイル集電体の両面に塗布した後、150℃のオーブンで乾燥しプレスして正極Aを製造した。製造された正極Aは、厚さが100μm、空隙率が21%、可逆容量が335mAhであった。
【0158】
製造例2:正極B
正極の厚さが110μmとなるようにした点を除いて製造例1と同じ方法で正極Bを製造した。製造された正極Bは、厚さが110μm、空隙率が21%、可逆容量が375mAhであった。
【0159】
製造例3:負極A
負極活物質として天然黒鉛と人造黒鉛をブレンドした材料、バインダーとしてスチレン‐ブタジエンゴム(Styrene‐Butadiene Rubber、SBR)及びカルボキシメチルセルロース(Carboxymethyl Cellulose、CMC)を用い、上記負極活物質とバインダーを蒸留水に溶かした後に混合して負極ペーストを製作した。このように得られたペーストを10μmの厚さの銅ホイル集電体の両面に塗布した後、100℃のオーブンで熱処理しプレスして負極Aを製造した。製造された負極Aは、厚さが105μm、空隙率が27%、可逆容量が348mAhであった。
【0160】
製造例4:負極B
負極の厚さが108μmとなるようにした点を除いて製造例3と同じ方法で負極Bを製造した。製造された負極Bは、厚さが105μm、空隙率が27%、可逆容量が359mAhであった。
【0161】
製造例5:負極C
負極の厚さが118.8μmとなるようにした点を除いて製造例3と同じ方法で負極Cを製造した。製造された負極Cは、厚さが118.8μm、空隙率が27%、可逆容量が400mAhであった。
【0162】
製造例6:負極D
負極の厚さが90μmとなるようにした点を除いて製造例3と同じ方法で負極Dを製造した。製造された負極Dは、厚さが90μm、空隙率が27%、可逆容量が294mAhであった。
【0163】
製造例7:負極E
負極の厚さが140μmとなるようにした点を除いて製造例3と同じ方法で負極Eを製造した。製造された負極Eは、厚さが140μm、空隙率が27%、可逆容量が465mAhであった。
【0164】
実施例1
正極A及び負極Aを100mm×150mmに裁断した後に分離膜を介在して積層して製造された大面積電極ユニット上に、正極A及び負極Aを80mm×120mmに裁断した後に分離膜を介在して積層して製造された小面積電極ユニットを積層して、電極組立体を製造した。
【0165】
実施例2
正極A及び負極Aを100mm×150mmに裁断した後に分離膜を介在して積層して製造された大面積電極ユニット上に、正極A及び負極Bを80mm×120mmに裁断した後に分離膜を介在して積層して製造された小面積電極ユニットを積層して、電極組立体を製造した。
【0166】
比較例1
正極A及び負極Bを100mm×150mmに裁断した後に分離膜を介在して積層して製造された大面積電極ユニット上に、正極B及び負極Cを80mm×120mmに裁断した後に分離膜を介在して積層して製造された小面積電極ユニットを積層して、電極組立体を製造した。
【0167】
比較例2
正極A及び負極Dを100mm×150mmに裁断した後に分離膜を介在して積層して製造された電極ユニット上に、正極A及び負極Aを80mm×120mmに裁断した後に分離膜を介在して積層して製造された電極ユニットを積層して、電極組立体を製造した。
【0168】
【表1】
【0169】
実験例1
上記実施例1〜2及び比較例1〜2により製造された電極組立体を500回充放電させた時の電気容量及び厚さ変化を測定した。
【0170】
この際、上記電気容量は下記のような充電条件及び放電条件下で測定され、充電と放電の間には10分の休止時間をおいた。
【0171】
(1)充電条件:1CでCC(Constant Current)モードで4.2V又は4.35Vまで充電した後、CV(Constant Voltage)モードに転換し、充電電流の量が電池の最小容量の1/20となるまで電流を流した後、充電を終了する。
【0172】
(2)放電条件:CC(Constant Current)モードで1Cの放電電流を流し、電圧が3Vに達したら放電を終了する。
【0173】
また、上記電極組立体の厚さ変化率は、充放電が1回終わるたびに電極組立体の全厚さを測定して計算された。
【0174】
測定結果を
図11に示した。
図11を参照すると、本発明により製造された実施例1及び2の電極組立体は、500サイクルの後にも電気容量が1回の充放電後の電気容量に対して80%以上と非常に優れ、厚さ変化率も10%以下であるのに対し、比較例1及び2の電極組立体は、400サイクルと500サイクルの間で急激な電気容量の変化及び厚さの変化が発生することが分かる。
【0175】
実験例2
正極Aと負極Eを80mm×120mmにそれぞれ裁断した後、分離膜を介在して積層して小面積電極ユニットを製造した。
【0176】
その後、負極活性層の厚さを下記表2のように変化させた点を除いて製造例3と同じ方法で負極1〜8を製造した。製造された負極1〜8の可逆容量は下記表2に示されている通りである。その後、正極Aと負極1〜8を100mm×150mmにそれぞれ裁断した後、分離膜を介在して積層して大面積電極ユニット1〜8を製造した。
【0177】
その後、大面積電極ユニット1〜8上に小面積電極ユニットをそれぞれ積層して電極組立体1〜8を製造した。
【0178】
【表2】
【0179】
上記のように製造された電極組立体1〜8を下記のような充電条件及び放電条件下で1回充放電させた後に電気容量及び電圧を測定し、測定された電気容量と電圧を掛けて電気エネルギーを算出した。その後、算出された電気エネルギー値を電極組立体の体積で割って単位体積当たりのエネルギー密度を計算した。
【0180】
(1)充電条件:1CでCC(Constant Current)モードで4.2V又は4.35Vまで充電した後、CV(Constant Voltage)モードに転換し、充電電流の量が電池の最小容量の1/20となるまで電流を流した後、充電を終了する。
【0181】
(2)放電条件:CC(Constant Current)モードで1Cの放電電流を流し、電圧が3Vに達したら放電を終了する。
【0182】
(3)充電と放電の間には10分の休止時間をおく。
【0183】
図12は上記測定値に基づいて電極ユニット間の界面における正極に対する負極の単位面積当たりの可逆容量比によるエネルギー密度を示すグラフであり、
図13は上記測定値に基づいて電極ユニット間の界面における正極に対する負極の単位面積当たりの可逆容量比によるエネルギー密度を示すグラフである。
【0184】
図12を参照すると、電極ユニット間の界面における正極に対する負極の単位面積当たりの可逆容量比が1〜1.5程度、特に、1〜1.2程度のときは、単位体積当たりのエネルギー密度が非常に高いことが分かる。一方、
図12を参照すると、界面における単位面積当たりの可逆容量比が1以下のときは、商用化可能なレベルのエネルギー密度が得られるものの、上記実験例1からも分かるように充放電サイクルが繰り返されることにより急激な電気容量の低下及び厚さの変化が起こるため、商用化が困難であるという問題がある。
【0185】
また、
図13を参照すると、電極ユニット間の界面における正極に対する負極の活物質層の厚さ比が0.5〜2以内のときは単位体積当たりのエネルギー密度が300Wh/l以上と商用化可能なレベルを示し、活物質層の厚さ比が0.6〜1.9程度のときは単位体積当たりのエネルギー密度が350Wh/l以上と非常に優れたエネルギー密度を示し、活物質層の厚さ比が0.8〜1.5程度、特に、1.0〜1.5程度のときは単位体積当たりのエネルギー密度が400Wh/l以上と非常に優れたエネルギー密度を示すことが分かる。