【実施例】
【0032】
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例の内容に限定して解釈されるものではない。
【0033】
I.起泡性水中油型乳化物用油脂の製造
油脂原料を、表1に示す配合で混合し、例1〜6の起泡性水中油型乳化物用油脂を製造した。
【0034】
起泡性水中油型乳化物用油脂の製造に用いた油脂原料は以下のとおりである。
第1の油脂
・エステル交換油1(パームステアリン極度硬化油50質量部とパーム核オレイン極度硬化油50質量部との混合油のランダムエステル交換油、日清オイリオグループ株式会社社内製造品、総炭素数40〜48が62.9質量%、S2U型及びSU2型のトリグリセリド0.9質量%、トランス脂肪酸0質量%、ヨウ素価0.6)
・エステル交換油2(パーム油60質量部とパーム核油40質量部との混合油のランダムエステル交換油、日清オイリオグループ株式会社社内製造品、総炭素数40〜48が61.1質量%、S2U型及びSU2型のトリグリセリド22.4質量%、トランス脂肪酸0.5質量%、ヨウ素価39.0、S2U型トリグリセリド15.3質量%、SUS型トリグリセリド5.1質量%)
第2の油脂
・パーム中融点部(日清オイリオグループ株式会社製造品、総炭素数40〜48が0質量%、S2U型及びSU2型のトリグリセリド92.7質量%、トランス脂肪酸0.5質量%、ヨウ素価44.7、S2U型トリグリセリド70.0質量%、SUS型トリグリセリド59.9質量%)
・エステル交換油3(パームオレインのランダムエステル交換油、日清オイリオグループ株式会社社内製造品、総炭素数40〜48が0質量%、S2U型及びSU2型のトリグリセリド70.7質量%、トランス脂肪酸0.5質量%、ヨウ素価56.5、S2U型トリグリセリド36.5質量%、SUS型トリグリセリド12.2質量%、)
その他の油脂
・パーム核ステアリン(日清オイリオグループ株式会社社内製造品、総炭素数40〜48が35.5質量%、S2U型及びSU2型のトリグリセリド0.3質量%、トランス脂肪酸0質量%、ヨウ素価7.1)
・ヤシ油(日清オイリオグループ株式会社製造品、総炭素数40〜48が27.5質量%、S2U型及びSU2型のトリグリセリド1.7質量%、トランス脂肪酸0質量%、ヨウ素価8.3)
【0035】
II.起泡性水中油型乳化物用油脂の分析
表1に示す例1〜6の起泡性水中油型乳化物用油脂(混合油脂)について、それぞれ以下の分析を行った。
【0036】
1.トリグリセリド量
混合油脂に含まれるトリグリセリドについて、(1)トリグリセリドを構成する脂肪酸残基の炭素数の合計が40〜48のトリグリセリド量、(2)S2U型及びSU2型のトリグリセリド量、(3)SSS型のトリグリセリド量、及び(4)UUUの型トリグリセリド量をガスクロマトグラフ法(AOCS Ce5−86準拠、測定装置:Agilent Technologies 6890)により測定した。また、S2U型トリグリセリド中のSUS型トリグリセリドを銀イオンカラム−HPLC法(J.High Resol.Chromatogr.,18,105−107(1995)準拠)により測定した。
【0037】
2.トランス脂肪酸含有量
混合油脂に含まれるトランス脂肪酸量について、脂肪酸組成は、ガスクロマトグラフ法(AOCS Ce1f−96準拠、測定装置:HEWLETT PACKARD HP6890)により測定した。
3.ヨウ素価
ヨウ素価は、基準油脂分析試験法(2.3.4.1−1996)に従い、ウィイス法により測定した。
【0038】
上記で製造した混合油脂(例1〜例6)の配合及び分析値(質量%)を表1に示す。
【0039】
【表1】
*;測定不可
【0040】
III.起泡性水中油型乳化物の製造
例1〜6の混合油脂33.0質量部に油溶性の乳化剤0.35質量部を溶解、分散させて油相を調製した。同時に、水61.5質量部に、脱脂粉乳4.8質量部、リン酸ナトリウム0.22質量部、ガム製剤0.06質量部、および水溶性の乳化剤0.07質量部を溶解、分散させて水相を調製した。次に、水相に油相を加え、60〜70℃に調温しながら、ホモミキサーにて予備乳化を行い、予備乳化後6.0MPaの圧力下で均質化した。その後、85℃、15分のバッチ殺菌を行い、約10℃まで冷却した。その後5℃の冷蔵庫にて約18時間エージングを行い、例7〜12の起泡性水中油型乳化物を得た。なお、例7〜12は配合の合計仕込み量が3kgで、最終的に2.5kgの起泡性水中油型乳化物を得た。
【0041】
IV.起泡性水中油型乳化物の分析・評価
例7〜12の起泡性水中油型乳化物について、それぞれ以下の分析・評価を行った。結果は表2に示した。
【0042】
1.乳化安定性
各起泡性水中油型乳化物を100mlビーカーに60g計量し、品温を20℃に調整した。スリーワンモーター(新東科学株式会社製、攪拌翼プロペラRを先端に付けた攪拌棒を使用)を用いて160rpmで攪拌し、起泡性水中油型乳化物が凝固・増粘する(いわゆるボテる)までの時間を計測した。起泡性水中油型乳化物が凝固・増粘するまでの時間が長いほど、乳化安定性が高いことを示す。
評価基準
評価◎:20分以上
評価○:10分以上20分未満
評価△:5分以上10分未満
評価×:5分未満
【0043】
2.ホイップ性
各起泡性水中油型乳化物500g計量し、品温を5〜10℃に調整した。砂糖35gを加え、ホバートミキサー(ホバートジャパン社製)を用い、中速2(約120rpm)で8分立てまでホイップした後、手立てで10分立てまでホイップした。10分立てまでにかかる時間を計測した。
評価基準
評価◎:4分以上7分未満
評価○:7分以上10分未満
評価△:4分未満
評価×:10分以上
【0044】
3.口どけ
10分立てにした各起泡性水中油型乳化物を食して、下記の評価基準に従って評価した。
評価基準
評価◎:口どけよく、なめらかでソフト感に優れている。
評価○:口どけよく、なめらかでソフト感がある。
評価△:口どけはよいが、なめらかさ、ソフト感がない。
評価×:不良であった。
【0045】
4.保形性
10分立てにした各起泡性水中油型乳化物を花型口金つきの絞り出し袋で絞りだし、5℃で24時間静置したときの形の変化を観察した。
評価基準
評価◎:非常に良好であった。静置後の起泡性水中油型乳化物は変形していなかった。
評価○:良好であった。静置後の起泡性水中油型乳化物はほとんど変形していなかった。
評価△:通常であった。静置後の起泡性水中油型乳化物は多少変形していた。
評価×:不良であった。静置後の起泡性水中油型乳化物は変形していた。
【0046】
5.離水
10分立てにした各起泡性水中油型乳化物を花型口金つきのつけた絞り出し袋で絞りだし、5℃で24時間静置したときの離水状態を観察した。
評価基準
評価◎:非常に良好であった。静置後の起泡性水中油型乳化物は離水していなかった。
評価○:良好であった。静置後の起泡性水中油型乳化物はほとんど離水していなかった。
評価△:通常であった。静置後の起泡性水中油型乳化物は多少離水していた。
評価×:不良であった。静置後の起泡性水中油型乳化物は離水していた。
【0047】
上記で製造した起泡性水中油型乳化物(例7〜12)の評価結果を表2に示す。
【0048】
【表2】